八幡「独占欲?」back

八幡「独占欲?」


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携帯に書き溜めしたるからなんとか今日中の完結を目指したい。ムリだったら二週間後みたいな。
9: 以下、
男子B「やっぱさ可愛いよな」
男子A「それな。しかも優しいしな!体育祭の準備で血でたっつったら絆創膏くれてさ」
男子C「ヒキタニくんいいなあ部活一緒ってマジうらやまだわ?」
八幡「あ、そう…」
図書館で俺に話しかけてきた3人組はなぜか俺の前で由比ヶ浜談義に花を咲かせていた。
具体的に何の花かと言うとアザレアの花あたりを咲かせていたと思う。多分。
すでに会話についていけなくなった俺はさっきかから適当な相槌ばかりうっている。
男子A「そんでさーなんとか仲よくなりたいな?みたいな?」
八幡「いや普通に話しかければいいんじゃないの」
男子A「やー俺らも頑張っているんだけど、由比ヶ浜さんいっつも三浦さんと一緒じゃん?それで…」
その男子の声は終わりに向かってだんだん弱弱しくなっていった。
ほーん。つまりこいつらは由比ヶ浜を囲う鉄壁要塞・三浦を突破することを諦め俺という搦め手にでようというわけである。なかなか姑息というか、クレバーというか

10: 以下、
まあそれは良いとしてこいつらを由比ヶ浜に紹介…
紹介ってなにすればいいのかしら…
人に人を紹介したような経験などもちろんなく
そんなこと急に言われても…みたいな感じである。とりあえず適当に誤魔化しておくか。
八幡「いや紹介とか言われても由比ヶ浜さんとそんなに喋ったことないし」
男子A「いやいやいや体育祭の時」がっつり喋ってたじゃん」
体育祭…そうだ体育祭で思い出した。この男子、体育祭の作業のとき、しきりに由比ヶ浜に話しかけていた運動部の某人である。
確かあのときは由比ヶ浜にすげなくかわされていたような気がするが、まだ諦めていなかったのか。そのタフネスには敬意を表したいがそれはそれ、これはこれである。
しかし俺のずさんな誤魔化しをどう曲解したのかその男子は俺をじっと見つめて眉をひそめた。
男子A「え…もしかして2人つきあってる系…?」
八幡「は、はあああああああ!?べ、べつにぜんぞんつ、つきあってねーし!!」
男子A「だよねー」
男子C「そりゃーないっしょ」
だよねーってなんだよ…まあ含むところは容易に想像がつくが…
11: sage saga 2015/07/11(土) 17:12:08.12 ID:+7iN0HR60
まあそれは良いとしてこいつらを由比ヶ浜に紹介…
紹介ってなにすればいいのかしら…
人に人を紹介したような経験などもちろんなく
そんなこと急に言われても…みたいな感じである。とりあえず適当に誤魔化しておくか。
八幡「いや紹介とか言われても由比ヶ浜さんとそんなに喋ったことないし」
男子A「いやいやいや体育祭の時」がっつり喋ってたじゃん」
体育祭…そうだ体育祭で思い出した。この男子、体育祭の作業のとき、しきりに由比ヶ浜に話しかけていた運動部の某人である。
確かあのときは由比ヶ浜にすげなくかわされていたような気がするが、まだ諦めていなかったのか。そのタフネスには敬意を表したいがそれはそれ、これはこれである。
しかし俺のずさんな誤魔化しをどう曲解したのかその男子は俺をじっと見つめて眉をひそめた。
男子A「え…もしかして2人つきあってる系…?」
八幡「は、はあああああああ!?べ、べつにぜんぞんつ、つきあってねーし!!」
男子A「だよねー」
男子C「そりゃーないっしょ」
だよねーってなんだよ…まあ含むところは容易に想像がつくが…
14: sage saga 2015/07/11(土) 17:35:16.23 ID:+7iN0HR60
男子A「いやしかし付き合いたいわ」
男子B「やっぱかわいいしなー」
俺との交渉が行き詰まった間を埋めるためなのか彼らの話題は再び最初にループしていた。ん?ちょい待ち。付き合いたい?なにそれはつみみなんですが。
八幡「え?付き合いたいって由比ヶ浜と?」
男子C「お…おうヒキタニくんいきなり声デカいからびびったわ」
しまった。つい反応しちまった。
男子A「そりゃそうでしょ。かわいいし、優しいし……あとなんかエロいし…」
男子B「それな」
もうひとりがうなずくと胸の前で大きく球体を描くジェスチャーをした。
そのジェスチャーの意味するところには僕も同感ですね、ええ。
そのジェスチャーが彼らの思春期ぱわーに火をつけたのか彼らは男子高校生の話題の花形下ネタタイムに突入していった。ちなみに思春期ぱわーとは平たくいえば性欲のことであり、めぐりんぱわーの対極に位置する。
男子A「マラソン大会でさ、俺女子のゴールテープ持つ係だったんだけど
由比ヶ浜さんゴール走り込んできてガバアって仰向けになるもんだから谷間とブラがうっすら見えてさー」
男子B「……抜いた?」
男子A「……抜いた。」
男子C「お前wwwwwwww」
楽しそうだなこいつら……
あーでもちょっと調子乗りすぎだな。うん。
別にこいつらが由比ヶ浜とどうなろうがぜんぞん気にならんが、ジェントルマンであるところの俺はあんまりデリカシーの無い話は好きじゃない。
それこそ由比ヶ浜と付き合ってるわけでもない俺が言うのは筋違いかもしれないが、まあ図書館は静かに本を読むべき場所だしな。
男子A「付き合いたいっていうか突き合いたい、みたいな?」
男子C「それあるわww」
八幡「おい、お前らそこらへんで…」
結衣「あれヒッキ―?」
15: sage saga 2015/07/11(土) 17:57:41.14 ID:+7iN0HR60
八幡「うおっ!!由比ヶ浜!?」
結衣「なにその反応…超失礼だし」
俺のリアクションがお気に召さなかったのか由比ヶ浜はぶすっと答える。
この下ネタ大会聞かれてたのか?俺は参加していないが…けどはたから見れば同じ場にいる俺も同罪ですよね…
八幡「なにかよ、用かね…」
結衣「だからそのキョドリかたちょっとキモいって…
いやなんか図書館の前通ったらヒッキーがあたしとかさいちゃんとか以外と話してるの見えて超びっくりしてさ」
そういうと彼らをちらっと見た。
結衣「…友達?」
八幡「んなわけ「そう!こないだ知り合ってさー!」
由比ヶ浜ご本人登場にテンパっていた3人組だったが、すぐに立ち直り、チャンスとばかりに由比ヶ浜に話しかける。
結衣「マジ!?よくヒッキーと仲よくなれたねー」
男子B「いやーちょっと話したらすぐ意気投合みたいな?」
結衣「え!うっそヒッキーよかったじゃん」
八幡「お、おう…」
助かった下ネタの方は効かれていなかった様子。由比ヶ浜はそのまま男子たちとの会話にシフトして行ったのでほっと息をついた。
それにしてもやっぱ由比ヶ浜ってモテるんだな______
まあそりゃあそうだよな。顔はかわいいし、スタイルだって良いだろう。何より優しいし。
そうだ。
由比ヶ浜は俺に優しいが、俺だけに優しいわけじゃない。
そんなことは当然当たり前のことなのに、愛想の良い笑顔で男子たちの話に相槌をうつ由比ヶ浜を見ているとなんだか無性に辛くなって、俺はこっそり図書館を後にした。
16: sage saga 2015/07/11(土) 18:07:41.52 ID:+7iN0HR60
三浦「じゃーあーしら先行ってるから」
結衣「うん!部活に顔出したらすぐそっち行くね!」
海老名「んじゃまた後でー」
放課後HRを終えた教室で帰り支度を整える。
ここから部室に行くわけだがあいつを待っていたほうがいいのだろうか。
いつも通り廊下で待っていればいいかな、とか考えてひとりそわそわしていると、
すでに人まばらなF組の教室に突如闖入者が現れた。
男子A「あ、由比ヶ浜さんいたいた!さっきの話だけどさー」
結衣「あー」
男子C「土曜日用事ないんでしょー?」
結衣「や、そうなんだけどさ…」
男子B「木野さんとか泉さんとかも来るって言ってたよー?」
結衣「へーそうなんだー」
八幡「……」
17: sage saga 2015/07/11(土) 18:15:31.26 ID:+7iN0HR60
……なんか長くなりそうだし先行くか。
別に一緒に行くって約束したわけじゃないしな。
教室を出る直前チラッと由比ヶ浜の方を見ると困った顔の由比ヶ浜とばっちり目が合ってしまった。
……いやけど男女みんなで遊びに行くなんてあいつらにとっちゃ当たり前のことなんだろうし。
なんの関係もない俺が口を出すことじゃないしな。
それにあいつが本当に乗り気じゃないんだったら三浦が_____
…三浦いないじゃん。
はーっと息を吐き、くるっとUターンして今来た道を引き返す。
これが勘違い行動だったら黒歴史確定で、今晩は悶え死んじゃうな俺。
21: sage saga 2015/07/11(土) 18:31:16.33 ID:+7iN0HR60
ガラッと扉を開けると彼ら3人が振り返る。
八幡「由比ヶ浜」
結衣「あ、ヒッキー…」
八幡「雪ノ下が土曜日10時からで良いかって」
結衣「ゆきのん??……あっ!…ごめん!部活の用事すっかり忘れてたっぽい!」
由比ヶ浜は俺の意図に気付いたようで手をわちゃわちゃさせながら説明する。
が、ここは相手も食い下がる。
男子A「雪ノ下さん?あのJ組の!?じゃ、じゃあさ雪ノ下さんも誘って一緒にさ!」
しょうがない、ここは追撃するか。
八幡「お前用事忘れてたのかよ…知らんぞ雪ノ下がキレて三浦みたいに泣かされても」
結衣「ゆきのんあたしにそんなことしないし!!」
由比ヶ浜は憤慨して言うが、この文言は効いたようだ。
彼らは口々に「三浦さんを泣か…せた!?」とか
「雪ノ下さん…ヤバくね?」とか言ってる。
お前らどんだけ三浦怖いんだよ。そして雪ノ下にはその上を行くイメージを植え付けてしまったようだ。
もしかすると泣かされるのは三浦でもなく由比ヶ浜でもなく俺なのかもしれない。
許して!ゆきのん!
24: sage saga 2015/07/11(土) 18:46:37.32 ID:+7iN0HR60
男子A「あーじゃーまた暇なとき誘うね…」
結衣「そだねーまあ優美子しだいだけどねー」
男子A「そ、そっか…」
そういうと彼らはとぼとぼと教室を去っていく。なんとか丸くおさまったようでホッと胸を撫で下ろす。
時計は17時をまわり教室にいるのは既に俺たち2人だけである。
結衣「あ、あのありがとね…ちょっと助かっちゃった…」
八幡「あ、いや別に…」
なぜ俺はわざわざ由比ヶ浜があいつらと遊びに行く状況を阻止しようとしたのだろう。
果たして由比ヶ浜が困っていたという理由だけだったのだろうか。
深く考えるとドツボにはまってしまいそうで、もう考えるのはよそうとかぶりを振った。
結衣「で、土曜日どうする?」
八幡「は?」
唐突な言葉にふっと現実に引き戻された。
結衣「どっか行くんでしょ?」
八幡「だからそれは嘘だって」
結衣「ふーん、じゃああっちのお誘い受けてこればよかったかなー」
八幡「は、はああ!?」
結衣「や、ウソだって」
由比ヶ浜はニヤッと笑った。もしかして俺、今こいつに弄ばれたのか?
く、屈辱…。
25: sage saga 2015/07/11(土) 19:17:32.67 ID:+7iN0HR60
結衣「前さ小町ちゃんと買い物行ったときね」
八幡「ちょっと待て」
結衣「ん?」
八幡「小町と買い物?」
結衣「うん。」
八幡「2人で?」
結衣「うん。」
八幡「お前…
 俺の知らないところで小町と関係持つとかいい度胸してんな!」
結衣「でったシスコン!!」
マジか。こいつらなんか仲いいなーとは思っていたが2人で買い物に行くほどだったとは…
由比ヶ浜の百合ゾーンに巻き込まれないように小町にはきつく言っとかないとな…
結衣「それでね、小町ちゃん受験終わったでしょ?合否はまだわかんないけど
 受験お疲れさまーってことであの時のお店のものプレゼントしたいなあって。ダメかな?」
八幡「いや別に俺に聞かんでも…」
結衣「でもヒッキーの許可なしで小町ちゃんと関係持っちゃダメなんでしょ?」
八幡「え…あ、いやそれは…」
結衣「じゃあヒッキーも一緒に来て選べば解決だよね?」
八幡「う…」
つい1分前の発言を種に由比ヶ浜に追い詰められていた。
この俺が由比ヶ浜に言い負かされている、だと…
結衣「あたしと出かけるの嫌?」
八幡「いや、ぜ、全然そのそういうのじゃないけど…」
結衣「じゃあ決まりだ!」
決まってしまった。
さすが押しに弱いことで(小町に)定評のある俺である。
結衣「あ、もうこんな時間!あたし優美子たちと約束あるから今日は部活お休みするね」
八幡「あ、ああ」
結衣「また土曜日ねヒッキー!」
35: 以下、
下校時刻を迎えたのでチャリを駐輪場から取りだして帰り路につく。
「せんぱーい」
土曜日なに着て行こう。受験も終わったし、小町に相談したらなんとかしてくれるかな。いやでもあいつの買い物しに行くのに、あいつに相談するのはなあ。
「せんぱいってばー」
いやいや、なにを舞い上がっているんだ俺は。今までも決して勘違いしないように彼女との間には明確に線を引き続けてきたのに。
けど勘違い――果たして本当に勘違いなのだろうか。
ガスッ
八幡「痛っ」
いろは「ちょ、なんで無視するんですかー」
八幡「なんだ一色か」
いろは「なんですかそのムカつくリアクション…」
そこにいたのは我らが総武高校生徒会長一色いろはであった。顔はかわいいが性格の悪さと戸部の扱いの無慈悲さに(俺から)定評がある。
八幡「なんか用?あっ、やっぱいい。言わなくていい。」
いろは「先輩察しがいいですねー。ちょっと手伝って欲しいことがあるんですけどー」
八幡「言わなくていいっつたじゃん……」
なんだこいつ次から次へと問題抱えてきやがって。が、俺が会長職を押し付けた手前、話を聞くぐらいはしてやるべきだろう。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いろは「ってことなんですけど」
八幡「ん、まあそれくらいなら…いや待て、今週の土曜日は無理だ。」
いろは「つまんない嘘つかないでくださいよー先輩土日用事なんかないじゃないですかー友達いないんだし」
酷い言い種だがまあ、間違っていない。しかし今週の土曜日に関しては例外中の例外、アンリミテッドルールブックなのだ。
八幡「いや今週はちょっとマジで用事あるんだよ」
いろは「はあ。そうですかじゃあしょうがないですねー」
八幡「ああ悪いな」
「……」
話題がなくなった!
え、ていうか並んで歩いてるけどこのまま一色と一緒に帰る流れなの?意識したら急に汗かいてきちゃった。なんか話題振らなきゃいかんのかなあとか考えてると一色が先に口を開いた。
いろは「てか先輩なんか悩んでます?」
八幡「俺クラスにもなると世界の行く末なんかを考えて、毎日悩みが尽きないな。」
いろは「へー。で、なに悩んでるんですか?」
スルー。いっそ清々しいスルーであった。
39: 以下、
八幡「なに急にどうした?」
いろは「いや、声掛けようと思ったら、先輩ぶつぶつ言いながら遠く眺めてて、かなりヤバげな見た目だったんで」
八幡「ヤバげな見た目って何だよ俺は別に…」
いろは「……私でよければ聞いてあげますよ?」
八幡「へ?」
いろは「まあ、先輩には葉山先輩のこととか生徒会のこととか聞いてもらってるんで、たまには私が話を聞く側なのも悪くないかなあって」
八幡「…」
こいつと俺と彼女の距離感。これは意外に俺の懸念を俯瞰するのにちょうどいい距離感なのかもしれない。
それに最近自分のなかでこいつには妙な親近感が芽生えている気がする。なぜか何となく一色とは話しやすいのだ。
八幡「これは俺の友達の友達の話なんだが……」
いろは「えっ、先輩お友達いたんですか!?」
八幡「…」
いろは「え、なんですか」
八幡「『それ結局あなたの話ね。だってあなたに友達なんていないじゃない』って返すまでが俺と雪ノ下のお約束なんだけど」
いろは「知りませんよそんなの!さっさと話してくださいよ」
「あのさ」
八幡「由比ヶ浜って俺のこと好きだと思う?」
‥‥‥‥‥‥‥‥
43: 以下、
ごめん料理番観てた。いい最終回だったな。
続き投下します。
いろは「うっわあ……」
俺なりに勇気を振り絞って打ち明けた悩みに一色はドン引きだった。お前さっきまでの包容力どこやったんだよ…
いろは「うわーその質問はないですよさすがに。さすがに気持ち悪いです」
八幡「うっせ。そんなの自分で分かってるからいいんだよ。んでどう思う?」
一色は少しためらった後、俺の目を見て答えた。
いろは「………………いや普通わかるでしょ。結衣先輩普通に先輩のこと大好きですよ」
八幡「マジか……」
いろは「いや自分で聞いといて照れるのやめてくださいよ。本当に気持ち悪いです」
いろは「まあでも、私がそう思うだけで、結衣先輩がどう思ってるかなんてわかんないですよ?先輩が可哀想過ぎて優しくしてあげてるだけかもしれないですし」
もしそうだったら、泣いちゃうな。けど由比ヶ浜へのそういう疑いはもう捨てた。
「だからですね――」
いろは「先輩が本当に知りたいなら直接聞くしかないんじゃないですか?」
八幡「………そりゃそうだよな。」
全く一色の言う通りである。当たり前のことなのに自分では出なかった結論だ。
いろは「あ、じゃあ私こっちなので」
八幡「おう…話聞いてくれてありがとな」
横断歩道を渡っていく一色の背に声をかけると、一色はくるっとこちらを振り返った。
いろは「先輩!」
八幡「ん?」
いろは「結衣先輩のことはわかんないですけど私は結構せんぱいのこと好きですよ」
そう言って一色はにっと笑った。
いろは「だから、自信もってください」
46: 以下、
デートシーン省いたのは女の子とデートしたこともないのにデートシーン妄想してる自分が恥ずかしくなったからです。かといって女の子の部屋に上がったこともないけど。
じゃあ投下します。
結衣「ご、ごめんねわざわざ持ってもらって」
八幡「や、だってお前俺の買い物袋に自分の買い物突っ込んだりして荷物ごちゃごちゃになってるし…」
約束の買い物を終えて、今は由比ヶ浜を家に送る途中である。
由比ヶ浜と二人になる状況は別に初めてではないはずなのに今日はやけに緊張してしまった。正直今日何をしたかよく覚えていない。
時間は18時手前。決して遅い時間ではないが2月のこの時間となると外は殆ど真っ暗である。
そうこうするうちに由比ヶ浜が住むマンションの前まで来ていた。
八幡「じゃ荷物交換しようぜ。なんなら家で仕分けして学校で交換してもいいけど」
結衣「や、こんなところでやらなくてもうちあがってやればいいじゃん」
八幡「いやそれはちょっと…」
由比ヶ浜の提案に苦笑して答える。家にあがれば、ほぼまちがいなく彼女の親にエンカウントしてしまうことだろう。
この前は雪ノ下も一緒だったから良かったものの、今日は俺一人である。それは色々とマズかろう。
それに、知り合いのママさんとか基本どう対応していいか分からないし。
ましてパパさんだったりすると、君にお父さんと呼ばれる義理はない!とか言われちゃうまである。いや別に呼ばないしそういう関係でもないんだけど。
急に俺がキョドりだしたのがおかしかったのか由比ヶ浜はケラケラと笑う。
結衣「だいじょぶだよ。今日ママもパパもいないし」
八幡「」
由比ヶ浜は何の気なしにに言ったのかもしれないが、取りようによってはそういう意味にも取れるわけで……由比ヶ浜もそれに気づいたのかかあっと耳まで顔を紅潮させた。
結衣「え…えとそういうアレじゃなくて…そのここまで荷物持たせてそのまま帰すっていうのも逆におかしいっていうか…」
そんなに慌てて説明されると逆に意識してしまう。ここで頑なに帰ると言い張れば、意識していることを意識していることが伝わってしまって、そのことを意識させられていることがまたアレで……
つまりこの状況詰んでるということである。
まだ上がって行ったほうがマシだな。うん。荷物渡してさくっと帰ろう…。
47: 以下、
戸塚とファミレスで妄想するssって終わった?探しても無いんだけど
50: 以下、
‥‥‥‥‥‥
八幡「…」
結衣「…」
予想外の事態である。家に上がると言っても、てっきり玄関とか、せいぜいダイニングとかで荷物受け渡してさようなら、かと思いきや、通されたのはまさかの由比ヶ浜の私室。
女の子の部屋って本当なんでこんないい匂いするんですか。
あんな見た目で結構やりおるあの揚げパスタ。
結衣「…えと、ヒッキー急に静かだね…」
八幡「正直いきなり女子の部屋に通されてびびってる。」
結衣「この前も入れたじゃん」
八幡「あの時は雪ノ下も一緒だっただろ…」
結衣「あ、そだね…」
口に出して言うとこの家に2人きりだという事実をまた意識してしまう。
この気まずい雰囲気を何とかせねば、と俺は軽めのノリをチョイスすることにした。
八幡「ふっ、簡単に男を部屋上げちゃうとか、お前やっぱビッチだな」
結衣「………ビッチじゃないもん」
54: 以下、
うぇっ!?予想外の反応にぎょっとする。見れば由比ヶ浜は伏し目がちに悲しげな表情をしている。え、え、そんなつもりじゃ…
結衣「ヒッキーにそう思われてるのちょっと傷つくな…」
八幡「いや、ぜ、全然思ってない!…や、悪かった…」
確かにビッチってよく考えると…よく考えなくても女の子に面と向かっていう言葉じゃないよな。うん、デリカシーがなかった。深く反省して謝罪するが、由比ヶ浜はなおうつむいたままである。
結衣「………あたしもゆきのんみたいにキレイ系な感じだったらビッチだーって思われないのかな?」
八幡「いやその…雪ノ下と比べなくても、由比ヶ浜は由比ヶ浜で良いというかなんというか…」
へどもどと弁明をする俺に由比ヶ浜はじとっとした目線を向けてくる。
な、なんとかしなければ…
56: 以下、
な、なんとかフォローしなければ…。ガハマの良いところ良いところ…
俺に優しいところとか、話しやすいところとか、面倒見の良いところとか。あと……可愛いとか。
結構でてくるのだが言葉に表すのは難しい。というか口に出すのが単純に恥ずかしい。
あれか。総合してモテる、とか。
いいなこれ行けるわ。これ言われて嬉しくないやつはいない。
ソースは俺。最近小町によくそう言われてからかわれるけど、内心まんざらでもない。
八幡「えーっと……あ、ほら前なんか、由比ヶ浜紹介して欲しいとか言われたことあるぐらいだし」
結衣「知ってる」
八幡「え」
結衣「結構聞こえてた」
ヴェェェ!?マジですか。
背中から汗がぶわっと吹き出してきた。あの時の会話には由比ヶ浜に聞かれてるとまずいことが色々あった気がする。
結衣「鶴岡くん一年のとき仲良かった子の友だちで、なんか誘われると断りづらくってさ…」
鶴岡くん…とは図書館で声をかけてきたあの運動部男子のことなのだろう。
しかし友だちの友だちにまで気をつかわにゃならんとはやっぱりこいつ俺には理解できない世界に生きてんだなあ。
八幡「…相変わらず大変そうな生き方してんのな」
結衣「ふふっ。前より全然マシだよ。前だったら断りきれずにそのまま遊びに言ってたと思うしさ」
この一年雪ノ下と関わるなかで、奉仕部で過ごすうちに由比ヶ浜は確かに変わったのだろう。少し微笑ましい気持ちになり、由比ヶ浜が出してくれたお茶を啜ろうとした。
結衣「あ、そういえばさ」
八幡「ん?」
結衣「鶴岡くんあたしでヌイターって言ってたけどアレどういう意味?」
八幡「ゴブッ」
59: 以下、
>>58 確かに。。。
結衣「え…なに…その動揺の仕方……分かった!なんかエッチな話でしょ!」
八幡「何で分かるんだよ…」
結衣「やっぱり!じゃあヒッキーもあたしで…そのヌイタ?ことあるの?」
そう言って由比ヶ浜は俺の方に一歩にじり寄る。由比ヶ浜が前屈みになると、はだけた胸元からチラリと健康的な肌色と青色の下着のヒモが覗き、鎖骨の付け根のほくろがまたなんかエロいなー、なんてまたどうでもいい知識が増えた。
一旦そこに意識が行くと、急に血液が体の、下半身の一点に集中していくのがわかる。
マズイまずいマズイ静まれー。
八幡「ノーコメント」
結衣「なにそれ!?もういいし、スマホで調べるから!」
由比ヶ浜はスマホを探して慌ただしくリュックを探り始めた。
せわしなく動く彼女の姿はどこか愛くるしくて、見ているうちに知らず笑みが零れる。本当に由比ヶ浜と話していると楽しい。
64: 以下、
ともすれば、すぐに人の言葉の裏を読もうとする俺に、由比ヶ浜はゆっくりとテンポを合わせて話してくれる。
家族以外の人とこんなに楽な気持ちで話せたのはいつ以来だろう。
だから俺も雪ノ下も本当に由比ヶ浜に救われている、と思う。けど――
感謝という綺麗な言葉だけでこの胸の靄を覆い隠してしまうのは自分に対しても、由比ヶ浜に対しても誠実じゃないよな…。
例えば――由比ヶ浜が男子たちと遊びに行くのを阻止したのもそれが理由で、
例えば、一色に相談をせずにはいられなかったのもそれが理由なんだろう。
今を逃せばもう自分から伝えることはない気がした。
いつもの時間に戻ればきっと俺は色々なことを考え過ぎて、自分に言い訳をしまくって、結局現状を維持することを選んでしまうんだろう。
伝えるならきっと今なんだ。
だったら――
結衣「ヌイターってひらがな?あっ…もしかして英語!?」
スマホを取りだし一人でぶつぶつ言っている由比ヶ浜に掛けた俺の声は、その中身とは裏腹に自分でも驚くほど平素と変わらぬ調子だったように思う。
八幡「由比ヶ浜」
結衣「んー?」
八幡「俺さ、お前のこと好きだ」
68: 以下、
胸の奥にわだかまっていた言葉は俺にしてはシンプルなかたちで、案外すんなり出てきてくれた。
それはずっと引っ掛かって、苦しくて、無視しようとして、それでも無視し切れなかった気持ちだったからだ。
結衣「………へ!?」
由比ヶ浜を見ると、案の定ぽけっとした顔のまま固まっている。
八幡「別に返事とかはいい。けど言わないでいるのはなんかフェアじゃないと思ったから」
結衣「…」
由比ヶ浜はポカーンとしたまま固まっている。そりゃそうなるよな…
急に恥ずかしさが込み上げてきて、俺はカバンを手繰り寄せて、立ち上がった。
八幡「……じゃ、じゃあ俺帰るから…」
結衣「ちょ…待って…」
70: 以下、
逃げだすように部屋を出ようとしたが、急に呼び止められて体がびくっと跳ねる。
結衣「ヒッキー…あ、あのね…あたし…!!」
「あたし………」
ガチャ
結衣母「結衣ーだれか来てるの??」
結衣「…」
八幡「…」
由比ヶ浜のママ略して由比ヶ浜マは俺を見て目を丸くし、そして部屋を見回し、最後にもう一度俺を見た。
結衣母「えっと……………お邪魔しました?」
結衣「ち、違うから!ま、ママーー!!」
72: 以下、
結衣母「あ、そうだったの?わざわざありがとね?」
八幡「あ、いや別に」
あれから由比ヶ浜が事情を話して事なきを得た。しかし由比ヶ浜の母親は娘が慌てて釈明する様子を見て終始ニヤニヤしていた。
なんだか猛烈に死にてぇ。というか帰りたい…。
結衣母「あ、そうだヒッキーくん」
八幡「あ、はい」
結衣母「いい時間だしご飯食べてくでしょ?」
八幡「はい??」
由比ヶ浜の母親はさも当たり前のことのように、にっこりと微笑む。いやいやいや、待って、なんかいきなりハードルの高いことを言われたんですが。
結衣「食べてけば?」
八幡「や、小町もう飯作っちゃってると思うし…」
今の状況、もう俺のキャパではいっぱいいっぱいなのである。
由比ヶ浜ともさっきから目を合わせらんないし、その上ママさんまで入ってきて正直処理落ち寸前なのだ。
小町をダシに撤退を図ろうとしたその時、狙ったようなタイミングでポケットのスマホが振動した。案の定画面に表示された名前はプリティマイリトルシスタ小町のもの。
ふっ、でかしたぞ小町!この着信を利用して合法的に由比ヶ浜家から撤退だ。
やっぱり持つものは空気の読める可愛い妹だな。
73: 以下、
八幡「もしもし!小町か?分かったお兄ちゃんすぐ帰るぞ」
小町『は?なに言ってんのお兄ちゃん…』
八幡「いや、すまん。なんか用だったか?」
小町『なんかさー今日お母さん会社の打上でご飯いらないらしいから夜外に食べにかない?』
八幡「……」
結衣「電話、小町ちゃん?」
由比ヶ浜が画面を覗きこんで聞いてくる。だから近ぇっつーの…
八幡「ああ」
結衣母「?小町ちゃん?」
結衣「ヒッキーの妹!」
小町『え!?この声…結衣さん?お兄ちゃん今どこにいんの?』
八幡「由比ヶ浜んちだけど」
小町『え何その急展開!?ちょっと待って小町ついてけてない』
結衣「ヒッキーちょっと電話代わって?」
そういうが早いか、由比ヶ浜は俺のスマホを奪ってそのまま小町と話し始めた。
あれれおかしいなー。誰も代わるって言ってないんだけどなー。
75: 以下、
それから一時間後。
どうせなら一緒にご飯を、ということで由比ヶ浜家に招待された小町が現れた。
小町は由比ヶ浜家で縮こまっていた俺を見るなり、よよっと泣き崩れるようなそぶりをした。
小町「お兄ちゃん…小町感激だよ…。あのチキンのごみいちゃんが一人で結衣さんの家に上がらせてもらうところまで漕ぎ着けてたなんて……小町的にポイントカンストだよ…」
八幡「まあ成り行きでな」
小町「おまけに結衣さんのお母さんとも仲良くなっちゃうなんてお兄ちゃん策士!」
八幡「違えから…」
本当はもっと色々あったけどな…
お馬鹿な妹を適当にあしらっていると、ダイニングの方から声が掛かる。
結衣母「できたわよ?」
結衣「ヒッキー!小町ちゃーん!」
ダイニングに行くとテーブルの上にはずらっと4、5皿の料理が並んでいる。
由比ヶ浜マの作ってくれた料理は娘のそれとはかけ離れた、美味しそうな料理ばかりだった。
結衣母「あ、いらっしゃ?い小町ちゃん!わっ小町ちゃん可愛い?!」
小町「初めましてー!今日はわざわざ小町までありがとうございます!すっごく美味しそう!」
結衣母「ふふっ、だって?結衣がいきなりヒッキーくん連れてくるから、ママちょっと張り切っちゃった?」
八幡「や、本当すいません…」
結衣母「いいのよ?私が誘ったんだから」
結衣母「結衣がね、いっつもヒッキーくんの話するもんだからママも一回お話したくってね?」
結衣「ちょっとママ!あ、ヒッキー!今の無しだかんね!忘れて!」
いやそう言われても…
小町「ほほう!結衣さんが兄の話を」
結衣母「気になる??ママ小町ちゃんと色々情報交換しないとな?」
小町「そうですね!」
出会ってものの1分で意気投合し始める2人。この組み合わせに危機感を覚えたのか、由比ヶ浜が真っ赤な顔をして割って入る。
結衣「はい!もうおしまいっ!食べるよ!」
76: 以下、
午後8時30分。
由比ヶ浜のママさんにお礼を言って、俺は由比ヶ浜の家を出た。
頂いた料理はどれも旨かった…気がするのだが、如何せん緊張しまくりだったせいであまり食った気がしない。
そしてこの帰り道、俺一人である。
なぜここに小町がいないかといえば、小町は今晩由比ヶ浜の家に泊まっていくからである。
由比ヶ浜家に上陸した小町は由比ヶ浜のママさんを攻で攻略してすっかり気に入られると、あっさりお泊まりの許可を得てしまった。
ちょっとうちの妹適応力高すぎない…?あいつ本当にどこでも生きてけそうなんだけど…。
それにしても今日は色々ありすぎて疲れた。
帰ってさっさと寝てしまおうと決め、マンションのエレベーターのボタンを押そうとしたとき、後ろから声が掛かけられた。
結衣「ヒッキー!」
八幡「おぉ…どした」
結衣「一応お客さんなんだからお見送りしないと!」
八幡「いや、別にいいよ。」
苦笑混じりに返すと、由比ヶ浜は下を向いてこしょっと言い添えた。
結衣「その…あたしも話あるから…ね?」
八幡「お、おう…」
話といえばあの話のことしかないだろう。
77: 以下、
それからエレベーターに乗っている間はお互いに顔を背けたまま何も喋らなかった。
エレベーターを降り、それでも由比ヶ浜は何も言いださないまま俺の後をついて少し歩いた。
話があると言ったのは由比ヶ浜だったが、やっぱりいきなりあんなこと言われても返事に困るよな…。
ていうか返事しなくていいって言ったのに。
とりあえず俺から何か話しかけた方が良いのだろうかと思い振り向こうとしたその時――
トンと背中に軽い重みを感じ、ドキリと心臓が跳ね上がる。
彼女は俺の腰にしっかりと腕を回し体全体を無遠慮に預けてくる。コート越しでも彼女の体温がじんわりと伝わってくるのが分かった。
結衣「…好きって言ってくれてすっごく嬉しかった…。あたしもさ」
結衣「あたしもヒッキーのこと、好きだから…」
そう振り絞るように出された彼女の声は震えていたように思う。
結衣「けど…」
結衣「今はダメ…奉仕部のことちゃんとしなきゃ。あたしたちのこともゆきのんのことも、ちゃんと解決してさ…」
由比ヶ浜は由比ヶ浜なりに考えて結論を出したのだろう。
となると俺は一応振られたということなんだろうか。でもその答えには由比ヶ浜の確かな誠意が込められていたと思う。
だったら何も悔やむことはない。俺も彼女の誠意に答えなければ。
八幡「………ん、そだな。けどきっと全部何とかなる。」
結衣「ヒッキー…」
八幡「…と思うんだけどな。多分。…いや、やっぱ分かんねーな…」
結衣「なにそれ」
78: 以下、

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