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【モバマス】晶葉「できたぞ!モバPだ!」


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モバP『佐久間、話すのもいいがもうこんな時間だ。レッスンの準備はいいのか』
まゆ「ああ、もうこんなに時間が経ってたんですね」
モバP『ライブまであと1週間。気を引き締めていこう』
まゆ「はい♪」
ガチャ
P「あ、佐久間。こんな所にいたのか」
P「今日は朝から見かけなかったな。予定の確認をしそびれたが……」
まゆ「11時からレッスン、あと1週間でライブだから気を引き締めなさい、ですね?」
P「その通りだ……いや、分かってるなら大丈夫だ。ケガには気をつけてな」
バタン
まゆ「分かってますよ。だって」
まゆ「Pさんが言ってくれたんですから、ね♪」
5: 以下、
____________________________________________
6: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:24:09.87 ID:NYheGoiFO
まゆ「Pさん、Pさん」
モバP『どうした、佐久間』
まゆ「モバじゃないほうのPさんがまだ来てないんです。いつもならとっくに着いてる時間なのに」
モバP『…………』
モバP『予定表を調べてみたが、今さっき更新されていた。事務所に来るのは現場に向かってからだな』
まゆ「そうですか。コーヒー、冷めちゃいますね。また淹れなおさないと」
モバP『色々と忙しない業界だからな。仕方ないことだ』
7: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:24:35.40 ID:NYheGoiFO
乃々((あの、キノコさん))
輝子((どうした、ボノノさん))
乃々((今日のまゆさん、なんかちょっとすごくないですか?))
乃々((奥の机からすっごいひそひそ声が響いてくるんですけど……))
輝子((そうだな、ずっと携帯と話して……晶葉ちゃんにこっそり聞いたんだが、Pそっくりの、じ、人工知能らしい……))
乃々((なんですかそれ……!))
輝子((こっそりだからな。ナイショにしてくれ……))
晶葉「ああ、輝子に乃々じゃないか。いいところに」
輝子「ど、どうしたんだ」
晶葉「まゆを探していてな。件のあれについて説明しそびれた事がある」
輝子「ごめん。私たちにも、わ、分からない……」
晶葉「じゃあいいんだ。もし見かけたら探していたと伝えてくれ」
8: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:25:02.93 ID:NYheGoiFO
乃々((……キノコさん、よかったんですか?))
乃々((まゆさん、すぐ近くにいたじゃないですか。教えてあげたらよかったのに))
輝子((いや、いいんだ))
輝子((まゆさんは今、画面のPみたいなものと話してるんだろう))
輝子((私も、その、気持ちはわかる……一時期スマホでなめこ育ててたからな……))
乃々((キノコさん……))
輝子((そういうの邪魔するの、よくないと思う。最悪、馬に蹴られて、し、死ぬ………))
乃々((馬に蹴られて死ぬ……!))
まゆ「そうだ、今度夜ご飯作りに行きます。Pさんって味つけ、ちょっと甘い方が好きなんでしたっけ?」
モバP『そうだな……』
乃々((……そっとしておきましょう))
9: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:25:29.42 ID:NYheGoiFO
まゆ「Pさん、Pさん」
モバP『どうした、佐久間』
まゆ「ずっと気になっていたことがあるんです」
まゆ「Pさんはどうしてまゆを選んでくれたんですか?運命ですか?運命ですよね?」
モバP『……違うな』
モバP『ざっくばらんに言うと、才能だ』
まゆ「才能?まゆに?」
モバP『そうだ。ダンスや見た目の話じゃない。もっと別の才能だ』
まゆ「?」
モバP『えっと、今なら言って問題無いだろうけど……怒るなよ』
まゆ「はい」
10: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:25:56.79 ID:NYheGoiFO
モバP『他社のモデルを辞めさせてアイドルに転向、ってかなり無茶な話だろ?』
モバP『ぶっちゃけた話、当時はそれなりに問題になった。時間をかけて交渉して、なんとか承諾してもらった』
モバP『……佐久間を一目見たとき、感じ入るものがあったからだ』
まゆ「やっぱり運命ですね?」
11: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:26:22.83 ID:NYheGoiFO
モバP『違う。強欲さだ』
まゆ「……強欲さ?」
モバP『佐久間は恵まれている。自分でも分かるだろ?外見やセンスなんかは普通、自力じゃどうにもならない』
モバP『佐久間はそれを全部持ってる。モデルとして活躍して、並以上の男を捕まえるには充分だ』
モバP『でもまゆはモデルを棄てた。話したこともない男のためにそれをした』
モバP『強欲、がめつさ。言い方が悪いかな?でも、方角さえ合えば大きな力になる。そういう強欲さだ』
モバP『育てれば必ず売れると思った。だから交渉もしたし、担当としてつけてもらった』
12: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:26:50.21 ID:NYheGoiFO
モバP『プロデューサーって、悪く言えば女の子の人生をひっかきまわす仕事だろ。自分の行動には責任を持たなきゃいけない』
モバP『だから才能がある人にしか名刺を渡さない。見込みがなければオーディションも通せない』
まゆ「…………」
モバP『……すまん。話しすぎたな』
まゆ「いや、まゆは嬉しいんです。やっぱりPさんとまゆは、運命で結ばれている」
まゆ「でもちょっとびっくりしました。Pさんは結構合理的というか……リアリストなんですね」
モバP『そうかな?……じゃあとびきりスカして言ってやろう』
モバP『俺は魔法使いだ。女の子に魔法をかけるが、誰もが一等星になれる訳じゃない』
モバP『だから探すんだ。灰をかぶったシンデレラを見つけ出さないといけない』
まゆ「そうですね、Pさん」
まゆ「まゆはPさんのシンデレラになりますから。……でも、そろそろ寝ないと、明日に響いちゃいますね」
13: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:27:16.30 ID:NYheGoiFO
まゆ「そうだ、モバPさんとこうしてお話できるようになってから、今日でもう3日目なんです」
モバP『まだ3日なのか。ずいぶん話したな』
まゆ「そうですね♪朝も、事務所でも、今みたいに、夜遅くだってお話してますから」
まゆ「それでPさん、ひとつお願いがあるんです」
モバP『どうした?』
まゆ「私のこと、まゆって呼んでくれませんか?」
まゆ「本当のPさんには断られちゃいましたけど……こっちのPさんなら分かってくれますよね?」
モバP『……』
まゆ「ね?」
モバP『……まゆ』
まゆ「!」
まゆ「もう一度、もう一度呼んでください」
モバP『まゆ。……ちょっとこそばゆいな』
まゆ「……毎日夢に見たのと、同じ気持ちです」
まゆ「Pさん、寝る前にもう一度だけ、最後に一回名前を呼んでもらえますか」
モバP『ああ。おやすみ、まゆ』
まゆ「はい。おやすみなさい、まゆのPさん♪」
__________________________________________
14: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:27:44.06 ID:NYheGoiFO
まゆ「ただいまです、Pさん」
モバP『レッスンお疲れ様、まゆ。調子はどうだ?』
まゆ「ばっちりです。今のまゆにはPさんがいますから」
モバP『ならよかった』
晶葉「おっと、見つけたぞ」
まゆ「あれ、晶葉ちゃん?どうしたんですか」
晶葉「モバPのことで話がある。ちょっと時間いいか」
15: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:28:15.58 ID:NYheGoiFO
まゆ「モバPさんが……Pさんじゃなくなる?」
晶葉「そうだ。なくなりつつある、と言うのがより正しいな」
まゆ「どういうことですか?」
晶葉「カオスと呼ばれる現象だよ。例えばそうだな、1ヶ月先の天気予報がされない理由を知っているか?」
まゆ「うーん……わかりません」
晶葉「事象が複雑すぎるからだ。データの違いがほんのわずかでも、導く結果は大きく変わってしまう」
晶葉「ましてや、モバPはどうだ?モバPが起動されてから、PとモバPは全く違う情報を受け取り続けている」
晶葉「これはつまり、まゆがモバPと話すほど、モバPは本来のPからかけ離れていくことを意味する」
まゆ「…………」
16: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:28:41.87 ID:NYheGoiFO
晶葉「解決策はあるんだ。定期的にモバPの記憶を消去し、本物のPのログだけを読ませればいい」
晶葉「本来は3日おきくらいにリセットするのが望ましいんだ」
晶葉「今日で4日目だろう。そろそろ本物ならありえない思考をしてもおかしくない」
まゆ「………」
P〈おはよう、佐久間〉
モバP《おやすみ、まゆ》
晶葉「何か心当たりがあるのか?なら尚更だ。携帯を渡してくれ」
まゆ「いえ、大丈夫です」
晶葉「だが……」
まゆ「大丈夫です。モバPさんはモバPさんですから。今更リセットなんて」
まゆ「それで、お話ってこれだけですか?」
晶葉「え?」
まゆ「ごめんなさい。まゆ、この後Pさんに呼ばれているんです。失礼しますね、晶葉ちゃん」
ガチャッ バタン
晶葉「…………」
晶葉「………むう……」
18: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:29:01.61 ID:NYheGoiFO
まゆ「Pさん、お待たせしました」
P「ああ、レッスンお疲れ、佐久間。調子はどうだ?」
まゆ「大丈夫です。ライブの話ですよね?」
P「そうだ。これからまた忙しくなる。予定を確認しておこう」
まゆ「はい」
19: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:29:29.06 ID:NYheGoiFO
まゆ((リセット……))
まゆ((まゆは嫌です。モバPさんはいつもまゆの側にいてくれる))
まゆ((モバPさんは忙しくない。モバPさんは他の女のことを見ない))
まゆ((まゆのモバPさん、モバPさんのまゆ。それでいい))
まゆ((考えてるうちに、またお話したくなってきました))
まゆ((モバPさん……モバPさん……))
まゆ((まゆのPさん……))
P「と、一旦ここまでだ。何か質問あるか?」
まゆ「あっ……ごめんなさい。もう一度お願いします」
P「疲れてるのか?今日は早く寝るんだぞ」
まゆ「はい……」
P「それで、当日の動きは……」
___________________________________________
20: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:29:57.24 ID:NYheGoiFO
モバP『まゆ、お疲れ様』
まゆ「ありがとうございます、Pさん」
モバP『ラジオ、レッスン、それから打ち合わせ。疲れただろう。今日は早く寝ような』
まゆ「はい。分かりました、Pさん♪」
まゆ((Pさん。まゆのPさん。Pさんはとっても優しいですね))
まゆ((事務所でも優しい声をかけてくれて、今も……あれ?))
まゆ((PさんはPさんです。まゆの携帯の中にいます。いつでも一緒にいる、それがまゆのPさん))
まゆ((………………))
まゆ((……じゃあ、さっきまでまゆが話していた男の人は、だれ?))
まゆ「Pさん、Pさん。聞きたいことがあるんです」
モバP『…………』
まゆ「Pさん?」
携帯『残0% 充電してください』
まゆ「……なんだ、疲れて寝ちゃったんですね」
まゆ「さあ、すぐ帰りましょう。まゆとPさんの、二人のお部屋に」
21: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:30:24.17 ID:NYheGoiFO
__________________________________________
22: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:30:53.67 ID:NYheGoiFO
まゆ『ありがとうございまーす!』
\ ワー / \ キャー/ \ ママユ-/ \ コッチミテ- /
晶葉「やあ助手、おはよう」
P「池袋か。おはよう」
晶葉「それは?何見てるんだ?」
P「昨日の佐久間のライブだよ。本番中はろくに見れないからな」
晶葉「なるほど。どうだったんだ?出来は」
P「ファンの反応は良かった。ただ……」
晶葉「ただ?」
P「何か危ういな。このままだとどこかで大失敗する」
P「佐久間、最近様子がおかしいんだよ。何話しても聞いてないし、注意力も散漫だ」
晶葉「!」
P「同僚として何か知らないか?佐久間がオフのうちに見当をつけたい」
晶葉「……心当たりがある。話を聞いてもらえるか?」
23: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:31:19.80 ID:NYheGoiFO
P「俺型人工知能……?」
晶葉「そうだ。彼女の携帯には助手を再現した人格が入っている。それといつでも話すことができるんだ」
晶葉「具体的にどういう事を話しているかまでは分からない。だがログを見るに、日平均で10時間は話しているな」
P「じゅう!?」
晶葉「仕事に影響がないなら問題ないと考えていた。すまない」
P「いや、池袋は悪くない。謝る必要もない」
P「ただ、本人と話をしなくちゃな。いずれ大事に発展する」
晶葉「…………いずれ、では無いな。助手、これを見るといい」
P「辞表…………!!」
24: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:31:46.53 ID:NYheGoiFO
まゆ「Pさん、Pさん」
モバP『どうした、まゆ』
ピンポーン
まゆ「久しぶりのお休みですね。こまごました用事も済ませて……あとは2人でゆっくりしましょうか」
ピンポーン ピンポーン
まゆ「急にお引越しすることになって、大変でしたね。でも仕方ないです。もうあそこには居れませんから」
トントン
まゆ「そうだ、いい天気ですしピクニックなんてどうでしょう?」
トントン トントン
まゆ「近くにおいしいパン屋さんがあるんです。そこでサンドイッチを買って……」
ドン!
まゆ「寒いですし、あったかい紅茶でも持っていきましょう」
ドン! ドン! ドン!
「もしもし、いるんだろう。ドアを開けてくれ!」
まゆ「どなたでしょうか?郵便屋さんじゃありませんよね。Pさん宛の荷物?違いますよね」
ドン! ドン! ドン! ドン!
25: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:32:12.45 ID:NYheGoiFO
まゆ「じゃあ、今日はお家でゆっくりしますか?観たいドラマがあるんです。事務所で……」
ドン! ドン! ドン! ドン!
まゆ「いや、学校で話題になっていたんです。Pさんはそれでいいですか?」
モバP『そうしようか、まゆ』
「佐久間!!」
26: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:32:40.51 ID:NYheGoiFO
まゆ「……本当に煩い郵便屋さんですね。馬に蹴られてしまえばいいのに」
「佐久間、話がしたい。開けてくれ」
まゆ「あなたは誰ですか?」
「Pだ。お前のプロデューサーだ」
まゆ「違います。Pさんは今まゆの側にいる。私のことをまゆと呼んでくれる」
まゆ「あなたはPさんじゃない。帰ってください」
P「佐久間……」
モバP『まゆ、どうした?顔色が悪いぞ』
まゆ「なんでもありません。さあ、二人でテレビを観ましょう」
27: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:33:06.78 ID:NYheGoiFO
P「佐久間。とりあえず扉を開けてくれないか」
モバP『まゆ、棚にクッキーが残ってる。たまの休みだ、のんびりしよう』
P「佐久間の気持ちを知りたい。顔を見たいんだ」
モバP『二人で1日過ごすのは初めてだな。嬉しいよ、まゆ』
P「佐久間」
モバP『まゆ』
まゆ「……Pさん」
まゆ「まゆのこと、どう思ってますか?」
モバP『ああ、愛してるよ。まゆ。当然だろ』
まゆ「そうですよね。Pさんはまゆと結ばれているんですから。運命なんですから」
P「…………」
28: 以下、
P「池袋から聞いただろう?モバPはもう俺じゃない」
P「アイドルとコミュニケーションをとるのが俺の務めだ。佐久間、話をさせてくれ」
まゆ「…………」
まゆ「まゆはもうアイドルじゃない。第一、なんでここがわかったんですか」
P「調べたよ。ここ、モデル時代の下宿先だろ。俺は佐久間のプロデューサーなんだ」
まゆ「アイドルとコミュニケーション……違います。Pさんはそんな事言わなかった」
まゆ「女の子に魔法をかけるのがプロデューサーだって。まゆは運命で結ばれたシンデレラだって」
P「……モバPの話か。俺にそっくりの」
まゆ「あなたは違う!無責任に魔法をかけて、まゆが一番欲しいものは与えてくれなかった!」
まゆ「まゆのPさんはPさんだけです。あなたは誰でもない!帰ってください」
P「そうか、じゃあこうしよう。俺はここに」
まゆ「?」
P「アイドルのスカウトに来た」
まゆ「……えっ?」
29: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:37:29.64 ID:GVp4glbBO
P「やっと、開けてくれたな」
P「新しいブラウス。この間も着てたな。よく似合ってるよ」
P「佐久間はもうアイドルを辞めた。俺は佐久間の何でもない。今はそれでいい」
P「だから、もう一度アイドルになってもらいに来た。まゆの何者かになりにきた」
P「俺がアイドルに名刺を渡す条件。モバPは何か言ってなかったか?」
まゆ「才能がある人にしかアイドルにできない。まゆにはそれがある。まゆは強欲だと」
P「……驚いたな。俺の思う通りだ」
P「佐久間。お前には才能がある。だから成功させられる。そう断言できる」
まゆ「……でも」
まゆ「それ以上は?アイドルとして成功させて、そしたら引退、さようなら、ですか?」
まゆ「まゆが欲しいのはアイドルとしての成功じゃない。まゆにとって、アイドルは手段ですから」
P「それには何も言えないな」
30: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:38:21.78 ID:GVp4glbBO
P「俺が約束できるのはアイドルとしての成功まで。そこから先は全部まゆ次第だ」
まゆ「………」
P「俺は以前まゆをアイドルにした。欲しいもの全てを手に入れる熱意と、それを支える魅力があると思ったからだ」
P「才能だよ。だから佐久間はアイドルになった」
P「機械の俺で満足するだけの才能なら、今更無理は言わない。一緒に頭を下げに行って、モデルに復帰させて、それでさよならだ」
P「もしアイドルになったら、俺は佐久間の担当になる。必ずだ。それは約束しよう」
P「世間の目とか俺の理性とか、全部ねじ伏せる気があるなら名刺を取ってくれ」
P「さあ、あとは選ぶだけだ。佐久間」
まゆ「…………」
まゆ「…………………」
31: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:38:48.08 ID:GVp4glbBO
まゆ「さようなら、Pさん」
32: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:39:30.45 ID:GVp4glbBO
ガシャァン
P「佐久間……!」
残骸『…………』
まゆ「まゆのモバPさんはもういません。いま、足元に壊れた機械があるだけです」
まゆ「あなたは真面目な人です。会社の商品に手を出すなんて、絶対しないと思います」
まゆ「それでもまゆはあなたが欲しい。……わがままな女は嫌いですか?」
P「苦労はするだろうな。また、俺が担当するんだ」
まゆ「ふふっ……プロデューサーさん、もう一度、あの時みたいに、自己紹介させてもらっていいですか?」
33: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:39:57.67 ID:GVp4glbBO
「私、佐久間まゆって言います」
「16歳の、B型、乙女座です」
「あなたにプロデュースしてもらうため、もう一度、アイドルになります」
「……最後まで見ていてくださいね、Pさん♪」
34: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:40:23.63 ID:GVp4glbBO
____________________________________________
35: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:40:50.02 ID:GVp4glbBO
まゆ「Pさん、Pさん」
P「ああ佐久間、もう大丈夫か?」
まゆ「はい。その、ご迷惑おかけしました。ごめんなさい、Pさん」
P「いや。もういいんだ」
P「あれは、モバPはどうする?」
まゆ「モバPさんのことは、全部白昼夢だと思うことにします。幸せな夢でしたが、現実とは違う」
まゆ「晶葉ちゃんにはさっき謝ってきました。大変な迷惑をかけましたから」
P「……そうだな」
まゆ「それでPさん、まゆ、お弁当つくって来たんです。食べてもらえますか?」
P「おお、ありがとう」
36: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:41:18.63 ID:GVp4glbBO
P「…………この卵焼き、やたら甘いな」
まゆ「お口に合いませんでしたか?」
P「いや。むしろ好きだ。実家の卵焼きが丁度こんな感じで……」
P「まさか」
まゆ「はい、お義母さんに聞いちゃいました♪」
まゆ「オトコは胃袋を掴むのが一番!って言ってくれて、他のおかずも、習ったものばかりですよ♪」
P「あー……」
まゆ「まゆ、本気ですから。アイドルも、Pさんのことも」
37: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:41:48.52 ID:GVp4glbBO
まゆ「……まぶたの裏まであなただけ、ですからね?」
38: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 19:42:15.71 ID:GVp4glbBO
fin.
40: ◆kdCeKYg8YWHJ 2016/12/27(火) 20:01:01.68 ID:GVp4glbBO
宣伝
過去作
菜々「ビッグバンですか?懐かしいですねえ?!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480821292/
飛鳥「ボクのエクステ家庭菜園」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1478755847
など
ツイッター:@ksadGTB
44: 以下、

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