1. ニシオンデンザメ
学名ソムニオスス・ミクロセファルス(Somniosus microcephalus)は”眠り”を意味する。世界で2番目に大きな肉食のサメは、時1キロという度でゆったりと泳ぎ、世界一泳ぎののろい魚とも言われている。
その名は食べた者に与える影響という意味でもぴったりだ。肉にはトリメチルアミン-N-オキシドが含まれており、口にすれば嘔吐、下痢、けいれんを引き起こし、見た目は酔っ払ったようになる(このためネイティブのグリーンランド人は酔っ払いを”サメ病”と呼んだ)。寿命も非常に長い。2016年に北極で発見された個体は392年も生きていた。
Unexpected Shark Gives Explorer Shock of His Life | National Geographic
2. ミツクリザメ
英名を”ゴブリンシャーク”というこのサメのトレードマークは、獲物を捕らえるために頭蓋骨から飛び出す顎と、そこに生えたギザギザの歯だ。幸いにも水深1,300メートル以上の深海に潜んでいるため、その姿に怯える必要はない。
滅多にエサにありつけない深海で生きるために、ミツクリザメは体の割に大きな口を発達させ、出会ったイカや魚、あるいは甲殻類などを捕らえてきた。昔から日本の漁師にはテングザメとして知られていたが、生態については今も多くが謎に包まれている。
The Goblin Shark, Disturbing One of a Kind Footage
3. ヘラザメ属
ヘラザメ属には少なくとも32種が存在する。写真のアイスランドキャットシャークもその仲間であるが、大西洋北東の海の底でどのような生活を送っているのかほとんど分かっていない。
泳ぎはゆっくりとしており、体長60センチくらいまで成長する。餌はイカや甲殻類で、水深2キロもの深さまで潜る。ヘラザメ属は英名をデーモンキャットシャークというが、その平らな頭とギラリと輝く目を見れば頷けるだろう。背中から突き出た骨のない二つの背びれも特徴だ。
4. アメリカナヌカザメ
500メートルの深海にはほとんど光が届かない。そこでアメリカナヌカザメはお互いの目を引くためにユニークな方法を身につけた。皮膚が青い光を吸収し、緑色の蛍光に変換するのだ。目には光受容体があり、人間の目には見えない光を感じることができる。
数年前、ある調査チームが青光を除去するフィルター付きのカメラを使用していた際にこれを発見した。カメラはサメの目で水中環境を見るためのものだった。アメリカナヌカザメが光る理由ははっきりと分かっていないが、サメ同士のコミュニケーションのためだと考えられている。また敵に遭遇したとき、大量に水を吸い込んで体を2倍にも膨らませることができる(英名スウェルシャークの由来)。
5. ダルマザメ
体長30〜50センチのこのサメは吸盤のような口で獲物に齧り付くと、回転して肉を刮ぎとる。英名をクッキーカッターシャークというが、獲物に残される傷はクッキーの型で付いたというより、小さなシャベルでほじくったかのようだ。
ダルマザメの噛み跡はマグロ、イルカ、クジラなどにも見ることができる。昼間は水深1,000メートルよりも深い場所にいるが、夜になると獲物を求めて浮上するからだ。このサメの襲撃を受けた人間も1人いる。襲われても命を落とすことまではないだろうが、真夜中にこんな微笑みは絶対見たくない。
6. ラブカ
8,000万年前から生きており、原始的なサメの特徴が見られる生きている化石である。300本もの歯が25列にずらりと並んでいる。
Prehistoric shark captured on film
6対のエラには赤いフリルらしきものがあり、これが英名フリルシャークの由来である。2007年に日本の漁師が浅瀬で生きているラブカを発見するという歴史的快挙をなした。静岡県のあわしまマリンパークに搬送されたが、残念ながら数時間後に死んでしまった。
7. ゴーストシャーク
2009年、カリフォルニア湾の2キロの深海で奇妙な生物が撮影された。長い鼻と悪霊のような灰色の肌を持ち、円盤状の目は深海の虚空を茫洋と見つめていた。それから7年後、この魚はポインティ・ノーズ・ブルー・キメラ(Pointy-nosed blue chimaera)であることが判明する。
The pointy-nosed blue ratfish Hydrolagus trolli
サメリストに入っているが、ゴーストシャークという名前にもかかわらず、正確にはサメではない。硬い骨の代わりに柔軟な軟骨を持つギンザメの仲間である。その生態はほとんど謎に包まれているが、吻に並ぶ点は獲物を察知するためのものだと考えられている。またオスは頭に格納式の生殖器があることで有名だ。
via:6 Bizarre Sharks That Live in the Deep Ocean/ translated hiroching / edited by parumo
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