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曜「とりとめのない話」


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2:
曜「…」チクチク
がちゃっ
ダイヤ「あら、曜さん」
曜「…」チクチク
ダイヤ「曜さん?」
曜「…」チクチク
ダイヤ「…曜さんっ!!」
曜「はっ、はいぃっ!!」
3:
曜「ってあれ、ダイヤさん?いつからそこに…?」
ダイヤ「ついさっきですわ。まぁ、その様子だと気付いていなかったようですが…」
曜「あはは、ごめんなさい。私、集中すると周りが見えなくなっちゃって…」
ダイヤ「流石は千歌さんの幼馴染と言ったところでしょうか…」
曜「ところで、ダイヤさんはどうしてここに?」
ダイヤ「テスト勉強期間で部の活動を停止しているにも関わらず」
ダイヤ「部室の電気が付いていたので生徒会長として確認しにきたまでですわ」
曜「そうですかぁ。それじゃ、私はこれで…」
ダイヤ「曜さん」
曜「はっ、はいぃっ!!」
4:
ダイヤ「勉強はどうしたのですか?」
曜「し、しますします!でも、その…」
ダイヤ「どうしたのです?」
曜「次のライブの衣装作りがなかなか難しくて…」
曜「だから、時間が取れるうちに少しでも進めておこうかなって思って…」
曜「で、でもちゃんと勉強はしなくちゃダメだよね、たはは…」
ダイヤ「はぁ…、そういうことですの…」
曜「…ごめんなさい」
5:
ダイヤ「別に怒っているわけではありませんわよ」
ダイヤ「どちらかと言えば…、呆れていると言いますか」
曜「…え?」
ダイヤ「私たちは同じグループの仲間でしょう?」
ダイヤ「それを誰にも相談せず曜さん1人だけでこなそうなんて…」
曜「だけど、衣装担当は私だし…、梨子ちゃんも千歌ちゃんも他のことで忙しいし…」
ダイヤ「だけどもへちまもないですわ!」
ダイヤ「確かに曜さんはなんでも要領良くこなせるかもしれないですし、私たちの手助けも必要ないかもしれません」
ダイヤ「ですが、私たちだって力になりたいんです」
ダイヤ「それとも…、私たちはそんなに頼りないですか…?」
曜「ダイヤさん…」
6:
ダイヤ「まぁ?もう見つけてしまったのですから?この私から逃れられるとは思わないことですわね!」
ダイヤ「それに、困っている人を放っておくのは黒澤家の流儀に反しますわ」
曜「…1人で抱えちゃって、ごめんなさい」
ダイヤ「曜さん、こういう時は『ありがとう』と言うんですわよ」ニコッ
曜「…ダイヤさん」
曜「…うん、ありがとっ」ニコッ
ダイヤ「それに、合間合間に勉強を教えて差し上げることも出来ましてよ!」
曜「あっ、それは好意だけ受け取っておきま」
ダイヤ「ダメです」
曜「…ですよね」
7:
曜「それじゃあ、早始めましょうか!」
ダイヤ「ええ。大船に乗ったつもりでいてくれて構いませんわ!」
ダイヤ「…ところで、なにをすればいいんですの?」
曜「えーっと、テスト期間が終わったらルビィちゃんと一緒にミシン縫いしようかなって思ってるので」
曜「とりあえずここのパーツを手縫いで…っと、こんな感じです!」
ダイヤ「なるほど…。1人では手間がかかりそうですが、2人ならばすぐに終わりそうですわね」
曜「よーし、頑張っちゃうぞー!!ヨーソロー!!」
ダイヤ「…」
曜「ほらっ、ダイヤさんも!」
ダイヤ「えっ、えーっと…、よーそろー…?」
曜「んっ!」ニコッ
8:
曜「…」チクチク
ダイヤ「っつ」チクチク
曜「…」チクチク
ダイヤ「ここが…こうで…」チクチク
曜「…」チクチク
ダイヤ「こう、ですわね」ブスッ
ダイヤ「????????っ!!!!」
曜「ちょっ!ダ、ダイヤさん!?」
ダイヤ「だ、大丈夫ですわぁ…。続けて、どうぞ…」
曜「続けられるわけないよ!?指、見せてください!!」
9:
ダイヤ「うぅ…、黒澤ダイヤ、一生の不覚…」
曜「お裁縫苦手ならそう言ってくれれば良いのに…」
ダイヤ「ですが流石にあそこまで言っておいて引き下がるわけには…」
曜「気持ちだけで十分ですよ!」
ダイヤ「ですが結局、みっともないところを見せてしまいましたわね…」
曜「確かにダイヤさんってなんでも出来そうなイメージあったから、苦手なことがあるなんてちょっと意外かも」
曜「鞠莉ちゃんが『ダイヤはしっかりしているようで抜けている。そこが可愛い』って言ってたけどこう言うことなのかな」
ダイヤ「…今、なんと?」
10:
曜「あっ、えっ、いや!!なんでもないです!!」
ダイヤ「鞠莉「ちゃん」とおっしゃいましたわよね?」
曜「あ…、うん」
ダイヤ「果南さんのことは?」
曜「果南ちゃん」
ダイヤ「ルビィのことは?花丸さんのことは?」
曜「ルビィちゃんに花丸ちゃん」
ダイヤ「善子さんは!?千歌さんは!?梨子さんは!?」
曜「善子ちゃんに、千歌ちゃんに、梨子ちゃん」
ダイヤ「私は!?」
曜「ダイヤさん」
ダイヤ「なんでっ!!!ですの!!!???」ばんっ!!
曜「ひぃっ!!」
ダイヤ「?つぅ?っ!!」
曜「ダイヤさん…」
11:
ダイヤ「何故私だけ『さん』なのですか!?」
曜「だって、ダイヤさんはダイヤさんですし…」
ダイヤ「それに!私だけに敬語の混じった言葉遣いですし…」
曜「えっと…、これは…、その…」
ダイヤ「そ、そうですわよね…。生徒会長なんですもの…。威厳を保つのは当たり前ですわ…。だから『さん』付けなのもふつ」
曜「ダ、ダイヤ…、ちゃん」
ダイヤ「…」
曜「あれ?ダ、ダイヤちゃ?ん」
ダイヤ「な、なんですの…?」ニヨニヨ
12:
曜「な、なんだか嬉しそうだね?」
ダイヤ「そんなことありませんわよ曜さん」ニヨニヨ
曜「ダイヤさん」
ダイヤ「…」しょぼん
曜「ダイヤちゃん」
ダイヤ「…」パァァ
曜「わかりやすすぎるよ…」
ダイヤ「…こほん」
13:
ダイヤ「あまりこう言うことを言うのは良くないとは思いますが…」
ダイヤ「…その、なんとなく壁を感じておりましたの」
曜「呼び方に?」
ダイヤ「ええ…。確かにスクールアイドル部設立にあたって、みなさんに迷惑をかけてしまったのは事実ですし、私自身こんな性格ですから…」
ダイヤ「…打ち解けるのが難しいことはわかってはいるのです」グスッ
曜「そんなことないよ」
ダイヤ「…え?」
14:
曜「そんなことない。みんな、ダイヤちゃんのことが大好きだよ?」
ダイヤ「曜、さん…」
曜「厳しいのは私たちのことを考えてくれてるからだよね?」
曜「部の設立に反対したのも、ステージに飲まれる可能性のあった私たちを心配してのことだし」
曜「ダイヤちゃんのことが好きじゃない人なんて、Aqoursにはいないよ」
曜「ただ、ちょっと打ち解けるのに時間がかかるだけだよ。だから、みんな分かってくれるよ。ね?」
ダイヤ「…はい」ほろり
15:
ダイヤ「その、曜さんは…」
曜「…へ?」
ダイヤ「曜さんは、どうなのです?」
曜「ど、どうって?」
ダイヤ「私のこと、好きですか…?///」カァァ
曜「え、えっと…」
曜「好き、だよ…?///」カァァ
ダイヤ「…それを聞いて安心しましたわ///」ニコッ
16:
ダイヤ「では、テスト期間が終わったらまずはダイヤちゃんと呼ばれることを目標にします!!」
曜「あっ、うん」
ダイヤ「もちろん!曜さんにも協力してもらいますからね!!」
曜「それは、良いけど…」
ダイヤ「どうしたんですの?」
曜「ダイヤちゃんは、曜ちゃんって呼んでくれないの?」
ダイヤ「な、え、えっと…、それは…」
曜「それは?」ニヤニヤ
ダイヤ「そ、それはぁ????っ///」カァァ
17:
ダイヤ「無、無理ですわ!!」
曜「え?、私には呼ばせておいて、私のことは呼んでくれないの??寂しいなぁ、打ち解けられてないのかなぁ」ニヤニヤ
ダイヤ「そもそも曜さんはみんなからちゃん付けされているじゃありませんか!!」
曜「あちゃ?、バレちゃった♪」
ダイヤ「もう、早く衣装の続きを作りますわよ!」
曜「えっ、まだやるの?」
ダイヤ「当たり前ですわ!曜さん1人に任せておくわけには」
18:
『最終下校時刻となりました』
『校内に残っている生徒はやかに下校してください』
ダイヤ「あっ…」
曜「終わっちゃったね…」
ダイヤ「結局衣装の方は進みませんでしたわね…」
曜「こうなったら持ち帰っ」
ダイヤ「テストが終わったら、みんなに声をかけてみましょう。ねっ?」ニコッ
曜「…はいっ」ニコッ
ダイヤ「そうだ、どうせならこの後家で勉強を教えてさしあげます」
曜「えっ、えっと、それは遠慮します」
ダイヤ「ぶっぶーですわ!私のことをからかった罰ですわ」
ダイヤ「ほら、行きますわよ!!」
ダイヤ「…曜、ちゃん///」ボソッ
曜「…へ///」
曜「…ず、ずるいよ…」
19:
そんなわけでだいよう篇は終わりです。
スレタイは曜ですが、珍しいかもしれない組み合わせのとりとめのない話を書いていきます。
次いきます。
20:
バタバタバタ
ガチャ
善子「堕天使ヨハネ、ここに降臨っ!」
果南「あっ、善子。いらっしゃい」
善子「だからヨハネよ!!」
善子「って、あなた何でここにいるの?」
善子「ここなら誰もいないと思ったのに…」
果南「何?また変なこと企んでるの?」
善子「変なことって言うなぁ!」
果南「じゃあなに?」
善子「ふふっ、堕天使の知恵を必要とせし下等生物どもから逃れるため、安息の地を探していたまで…」
善子「しかしここもヨハネの安息の地ではない…。やはり堕天使の不幸は」
果南「…なに言ってるのか全然わかんないよ」
21:
善子「…こほん。クラスメイトの子から勉強教えてって頼まれたのよ」
果南「へぇ、善子って頭良いんだ」
善子「まぁ、それなりにはね。って、だからヨハネよ!」
果南「まぁまぁ。それで?どうして善子はここにいるの?」
善子「それは…、断ったから」
果南「え、なんで?教えてあげれば良かったのに」
善子「せっかくクラスに馴染めてきたのに、また失敗したくないのよぉ!」
果南「ん?どういうこと?」
善子「ああ、あなたは知らなかったわね。…私、ちょっと前まで不登校だったのよ」
22:
果南「え、なんでまた」
善子「自己紹介でちょーっとやらかしてね」
果南「ああ、なるほど」
善子「それで納得されるのもシャクね」
善子「…まぁいいわ。ヨハネのことを知らない子たちと一緒に勉強、なんてまた失敗しそうなのよ…」
善子「普段はズラ丸にお目付役を頼んでるんだけど、ルビィの家で勉強するってとっとと帰っちゃったし…」
果南「だったらルビィやマルと一緒に帰れば良かったのに」
善子「嫌よ!!ルビィの家には生徒会長もいるでしょ!?あの人絶対スパルタだわ!!」
果南「あはは…、まぁ否定はしないよ」
23:
善子「ま、そんなわけでクラスメイトから逃げてきたのよ」
果南「そっか。後でちゃんとフォローしときなよ?」
善子「クラス内では一応優等生で通ってるし、この程度で心象悪くなんないでしょ」
果南「そうなんだ、意外」
善子「意外とか言うなぁ!」
善子「次はそっちの番よ」
果南「えーと、うん、別に深い理由はないよ」
24:
善子「部活動停止期間に部室にいるのに深い理由がないわけないでしょ?教えなさいよ」
果南「だから、別に大したことじゃないってば」
善子「いいから」
果南「もう…、他の人に言わないでよ?」
善子「安心しなさい。堕天使は決して秘密を口外したりはしない。そう、例え業火の炎で焼かれようとも」
果南「あの…、良いかな?」
善子「…ノリ悪いわね」
果南「いやぁ、どう対応したら良いかわかんなくて」
善子「まぁ、素直なところは褒めてあげるわ。それで?」
25:
果南「アルバム、見てたんだ」
善子「アルバム?」
果南「そ、アルバム」
善子「なんのアルバムよ」
果南「Aqoursのだよ」
善子「アルバムなんてあったかしら」
果南「あー、んーと、Aqoursがまだ、3人だった頃の」
26:
善子「なるほどね。ノスタルジックな気分になりたかったのね」
果南「そういうわけじゃないけど…。鞠莉のいる前で見るとからかわれそうでしょ?」
善子「ふふっ、ヨハネも天使だった過去を思い返して感傷に浸」
果南「だから、こういう時でないと見られないと思ってさ」
善子「…だったら家に持って帰れば良かったのに」
果南「前は私の家にあったんだけどね」
果南「…色々と思い出しそうだったから」
果南「でも、今はここに置いておきたいかな」
果南「私たち3人の、大切な思い出だし」
27:
善子「でももう増えることはないでしょ?」
果南「え?」
善子「私たちだってAqoursよ。これからは9人の思い出が増えるんだから」
果南「善子…。ふふっ、善子は良い子だね」
善子「善子言うなぁ!あと良い子じゃない!!」
果南「善子も友達を大切にしなよ」
善子「ま、まぁたまにくらいならね」
果南「ん、それで良いよ」
28:
善子「…あ」
果南「どしたの?」
善子「私たちの共通点を発見してしまったわ」
果南「共通点?似てるとこなんて…、髪の長いところくらいじゃない?」
善子「不登校仲間よ!!」
果南「いや、私は休学してただけで不登校じゃないし」
善子「学校来てなかったことには変わりないでしょ!」
果南「好きで休んでたわけじゃないよ」
善子「私だってそうよぉ!!」
善子「けど…、私の内なる堕天使が」
果南「それはもう良いから」
善子「ちょっと!!!」
29:
果南「あはは、でも確かに学校来てなかったことは同じだね」
善子「そうでしょ!?」
果南「授業受けてないと先生が何言ってるかわかんなくてさ、大変だったなぁ」
果南「まるで浦島太郎になった気分だったよ」
善子「あなたの場合亀はいらなさそうよね」
果南「いや、竜宮城って深海でしょ」
善子「真面目に返さないでよ…」
30:
果南「…でも、そんな私のことを待ち続けてくれる人はいた」
果南「あの時はひどいこと言っちゃったけど、本当は嬉しかったんだ」
善子「私には本気で鬱陶しがってるように見えたわよ?」
果南「まぁ…、実際鬱陶しかったからね…」
善子「言うわね、あなた…」
果南「鞠莉もダイヤも、お互い様でしょ」
善子「まぁ、それもそうね…」
31:
果南「善子は」
善子「なによ」
果南「善子は私たちみたいになっちゃダメだよ」
善子「そうね、善処するわ」
果南「1人ではできないことでも、みんなとなら乗り越えられるって思えるし」
善子「…そうね」
32:
果南「どうしたの?」
善子「不登校の時ね、ズラ丸とルビィが毎日ノートを届けてくれたのよ」
果南「へぇ、そうなんだ」
善子「だから授業についていけないってことはなかったんだけど…」
善子「思えば、私はズラ丸やルビィに頼りすぎなのかなってね」
果南「善子…」
善子「あの子たちがいたから私もAqoursにいれるし、あの子たちがいるからきっと今も頑張っていられる」
33:
善子「私の堕天使キャラだって受け入れてくれた」
善子「昔からこんなだから友達作るのも下手くそで、でも花丸やルビィは私のこと友達だって言ってくれた」
善子「だから、本当はお礼だって言いたいけど、でも…、誤魔化しちゃって」
善子「また…、1人になっちゃうのかな」
果南「善子」
ギュッ
34:
果南「はぐっ!」
善子「あ…」
果南「言葉じゃなくたって、気持ちは伝わるよ」
善子「うん…」
果南「それに、善子の友達はマルやルビィだけじゃない」
果南「私たちも、でしょ?」
善子「果南、さん…」
果南「あははっ、やっと名前呼んでくれた」
35:
果南「あっ、でもちゃんと言葉も伝えてあげなよ?」
果南「私たちは言葉が足りなくてああなっちゃったんだし」
善子「…ふふっ、雰囲気考えなさいよ」
果南「やっぱり善子は笑ってる方が可愛いよ」
善子「かわっ…///」
果南「ん?どうしたの?」
善子「わ、わた、私は…、美しすぎるが故に翼をもがれ地に落とされた堕天使…。自身の美貌など…、昔から…///」
果南「恥ずかしいならそう言えば良いのに」ニヤニヤ
善子「うるさぁいっ!」
36:
『最終下校時刻となりました』
『校内に残っている生徒はやかに下校してください』
果南「さっ、もう帰ろっか」
善子「あっ、あの…!
果南「んー?どしたの?」
善子「今日は、その、ありがとう…」
善子「あの子たちにも、明日伝えてみるわ…」
果南「うんっ♪」
善子「それと、お礼に!!」
善子「Aqoursのメンバーである私が、果南さんの新しい思い出作りに協力してあげるわよ///」
果南「善子…。ありがとっ」
善子「あっ、今日のことは秘密だからね!!」
善子「バレると面倒臭そうだし…」
果南「あはは、そうだね」
果南「善子と私、2人だけの秘密だねっ♪」
37:
そんなわけで今回はかなよしでした。
Aqoursの中で一番細くて体重の軽い善子が不運にも足をくじいて、果南ちゃんにお姫様抱っこされて保健室に連れていかれてからというものの、果南ちゃんのことがだんだん気になってく、みたいなかなよし誰か書いてくださいお願いします何でもしますから。
次いきます。
38:
千歌「…」もくもく
がちゃっ
千歌「…」もくもく
鞠莉「あら、ちかっちじゃない。チャオ?」
千歌「…あっ、鞠莉さん。こんにちは」
鞠莉「こんなところで何をしているの?」
千歌「あー、えーっとぉ…」
千歌「べ、べん」
鞠莉「あらぁ、ちかっちったら勉強してたの?」
鞠莉「それなら次のテストの点は期待出来そうねぇ?」
千歌「…作詞をしてました!!」
39:
鞠莉「嘘つきはNo goodよ?それにぃ」
鞠莉「こんな時にそんなことしてると、ダイヤに怒られちゃうよ??」
千歌「うっ」
鞠莉「まぁ、私もそんなに鬼ではありませんから?今回は黙認してあげまショー」
千歌「鞠莉さん…」
鞠莉「た・だ・し、家に帰ったらしっかり勉強するのよ?」
鞠莉「これでも私は学校のトップなんだから」
千歌「はい、わかりました」
40:
鞠莉「ところでちかっち」
千歌「ほぇ?どうしたんですか?」
鞠莉「作詞の方は順調?」
千歌「それは…」
鞠莉「その様子だと、上手くいっていないみたいね?」
千歌「鞠莉さんはなんでもお見通しですね」
鞠莉「だって、ちかっちったら元気ないんだもの」
鞠莉「誰でもわかりマス」
千歌「部室に来たのも、ここだったら良いアイデアが出るかもって思ったんですけど」
千歌「やっぱりダメで…」
41:
鞠莉「…そうなのね」
千歌「まぁ、これが初めてって言うわけじゃないんですけどね、あはは…」
鞠莉「みんなには相談してみたの?」
千歌「…してないです。曜ちゃんは衣装作りがあるし、梨子ちゃんも曲作りで忙しいし」
千歌「それにほら。今はテスト期間だから勉強もしなくちゃいけないし」
鞠莉「でも、ちかっちは勉強してないわよね?」
千歌「うっ…、それは…、そうなんですけど」
42:
鞠莉「…あのね、ちかっち」
鞠莉「自分がやるって決めたことだから」
鞠莉「自分の仕事だから」
鞠莉「そう思って、1人で抱え込んでるんじゃない?」
千歌「そんなこと…、ないで」
鞠莉「いーえ、あります。大有りですヨ」
千歌「で、でもみんなだって色々頑張ってるし」
鞠莉「それならちかっちは頑張ってないの?」
43:
千歌「っ!!」
鞠莉「違うでしょ?」
千歌「自分なりに精一杯やってるつもりです…。でも」
千歌「頑張ろうって思ってもダメで…」
千歌「どうしたら良いんだろう」
千歌「どうすれば上手くいくんだろうってたくさん考えるんです」
鞠莉「それで、答えは見つかった?」
千歌「…」
44:
鞠莉「…ちかっち、Aqoursは全員で何人かしら?」
千歌「9人です…」
鞠莉「私たちは仲間でしょ?」
鞠莉「もっと頼ってくれても良いんじゃない?」
鞠莉「それとも…」
鞠莉「私たちは力になれない?」
千歌「そんなことないです!」
千歌「でも…」
鞠莉「でも?」
45:
千歌「私…、リーダーだから…」
千歌「リーダーだから、もっとしっかりしなくちゃって」
千歌「頼るんじゃなくて頼られるようにならなくちゃって」
鞠莉「ちかっちってば本当可愛いんだから」
鞠莉「ちかっちはね、難しく考えすぎなのよ」
千歌「考えすぎ…ですか?」
鞠莉「そ。あのね、ちかっち。聞いて欲しいの」
46:
鞠莉「リーダーにはね、二種類あると私は思うの」
鞠莉「ひとつは頼りになるリーダー」
鞠莉「もうひとつはなんだと思う?」
千歌「もうひとつ、ですか?」
鞠莉「5、4、3、2、1」
千歌「あっ、えーっと、えーっとぉ…!」
鞠莉「0!はいっ、ぶっぶー♪」
鞠莉「これはあくまで私の考えなんだけど…」
47:
鞠莉「もうひとつは、支えてあげたくなるリーダー」
千歌「支えてあげたくなる…、ですか?」
鞠莉「そう、どこか頼りなくて、でもほっとけない」
鞠莉「そんなcuteなリーダー」
鞠莉「まるでちかっちみたいよね♪」
千歌「私みたい…?」
鞠莉「そっ、頑張ってるちかっちってば」
鞠莉「こぉーんなにcuteなんですものっ♪」ギュッ
千歌「わぁっ、危ないですよぉっ!!」
48:
鞠莉「ふふっ、少しは元気になったかしら?」
千歌「…はい、ありがとうございます」ニコッ
鞠莉「ちかっちに悲しそうな顔は似合わないもの」ニコッ
鞠莉「それに、私たちはこう見えて先輩なんだから」
鞠莉「後輩のお悩み相談くらいならドンと来いですヨ!」
千歌「あははっ、頼りにしてます」
49:
鞠莉「…もちろん、理事長である私や生徒会長であるダイヤは」
鞠莉「頼れるリーダーじゃないとダメだけどねっ」
千歌「でも、困った時は言ってくださいね?」
千歌「力になれるかどうかはわからないけど」
千歌「少しでも役に立ちたいんです!!」
鞠莉「ちかっち…。ふふっ、ちかっちにはお世話になりっぱなしね」
千歌「え?そんなことないですよ」
50:
鞠莉「だって、ちかっちがスクールアイドルをやる、だなんて言いださなければ」
鞠莉「こんな奇跡起きなかった」
鞠莉「大好きだった友達と喧嘩したままだった」
鞠莉「浦の星に戻ってきても、心のどこかでは諦めてたのかもしれない」
鞠莉「果南と仲直りすること、大好きな友達ともう一度大好きなスクールアイドルをすること」
鞠莉「…でも、ちかっちの前向きさが私に勇気をくれたの」
鞠莉「だから、ありがとう…。ちかっち」
千歌「鞠莉さん…」
51:
千歌「私はただ、やりたいことをしただけですから」ニコッ
千歌「Aqoursの9人は初めからこうなる運命だったんですよ!」
千歌「だから、諦めてたかもしれないとか、そういうんじゃなくて…」
千歌「えーっと、なんて言ったらいいんだろ…。えーっと、えーっと…!!」
鞠莉「ちかっち…、ふふっ」
千歌「あっ、笑った!!励まそうとしてるのにぃ…!!」
鞠莉「ふふっ、sorry」
52:
千歌「うーん、やっぱり私って頼りない…?」
千歌「頼りになるって言われるにはやっぱりダイヤさんくらいにならないとダメなのかなぁ?」
鞠莉「あら?ダイヤってああ見えても結構抜けてるところもあるのよ?」
千歌「あっ、それは確かに…」
鞠莉「だから、見習うならこのマリーを見習いなっさーい!」
千歌「うーん、それはちょっと」
鞠莉「ちょっと、ちかっちぃ!?」
54:
千歌「あははっ、冗談ですよ」
鞠莉「ちかっちも言うようになったわねぇ」ぐりぐり
千歌「いっ、いひゃいれふまりはん!!」
鞠莉「今日はこのくらいで許してあげまショー」
千歌「ううっ、ほっぺた伸びちゃうよぉ?」サワサワ
鞠莉「先輩をからかってはいけませんヨ?」
千歌「…もちろん鞠莉さんのことも頼りにしてますからね?」
鞠莉「…ええっ」ニコッ
55:
『最終下校時刻となりました』
『校内に残っている生徒はやかに下校してください』
鞠莉「あら、もうそんな時間だったのね」
千歌「みたいですね、そろそろ帰りましょうか」
鞠莉「そうは言っても私は理事長だから、一応見回りだけでもしないと」
千歌「あ、なら手伝いますよ!!」
鞠莉「さすがに生徒に手伝わせるわけには行かないわ」
千歌「むぅ…、じゃあ、鞠莉さんがお仕事終わるまで校門で待ってますから!」
千歌「そしたら、いろいろ相談に乗ってくれると嬉しいですっ!」ニコッ
鞠莉「ふふっ、受けて立とうじゃないっ♪」
千歌「それじゃ、待ってまーす!!」バタバタ
鞠莉「こらっ!廊下は走っちゃいけまセーン!!」
千歌「ご、ごめんなさーい!!」バタバタ
鞠莉「まったく…」
鞠莉「千歌はもう、頼りになるリーダーだったねっ」ニコッ
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