にこ「当たり前の幸せ」back

にこ「当たり前の幸せ」


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#1 休日とケチャップ
穂乃果「……」カチカチ
にこ「……」カチカチ……パープー
穂乃果「あっ」
にこ「うわっ、鉢合わせた……どうしたの?」カチカチ
穂乃果「クーラードリンク忘れちゃったぁ……」
にこ「このモンスター熱帯エリアで行動しないし問題ないでしょ。ほら早くしなさい、一人だと結構辛いのよこいつ」カチカチ
穂乃果「うんっ、待っててにこちゃん!」
にこ「……」カチカチ
穂乃果「……」カチカチ
にこ「……あっ」
穂乃果「どうしたの?」
にこ「これガンナーセットのままだ……」
穂乃果「……リタイアしよっか」
にこ「そうね……」
穂乃果「ちょっと休憩しない?お腹すいちゃって」
3:
にこ「そうねぇ……なんか作ろっか」
穂乃果「あ、穂乃果オムライスがいいなぁ」
にこ「オムライス……冷蔵庫に材料あったっけ?たまご切らしてた気がするんだけど」
穂乃果「なければ買えばいいじゃーん」
にこ「えー……めんどくさい」
穂乃果「えー、いこーよー!」グイグイ
にこ「いーやーよー!」
穂乃果「ねえ、いこうよぉ……」グスン
にこ「うっ……」
穂乃果「にこちゃぁん……」ウルウル
にこ「全く……ほら、さっさと行くわよ」
穂乃果「はーい!おっでかけおでかけー♪」
にこ「調子いいわねあんた……」
4:
穂乃果「ねえねえにこちゃん?」
にこ「ん?」
穂乃果「今穂乃果手空いてるよ?」
にこ「そうね」
穂乃果「もー!わかってないなあ……」
にこ「……わかったわよ、これでいいんでしょ?」ぎゅ
穂乃果「えへへー、当たり」
にこ「……まったく」
穂乃果「にこちゃんってオムライスはどんなの作るの?」
にこ「どんなのって?」
穂乃果「いやほら、半熟の乗せるーとか、包むーとかあるじゃん?」
にこ「……じゃあ逆にどんなの食べたい?」
穂乃果「へ!?……うーん、悩むなあ」
にこ「まあどっちでも作れるから、作り始める前に決めてくれる?」
穂乃果「うん!」
6:
穂乃果「……なんか、卵だけって話だったのに結構買っちゃったね」
にこ「他の食材もなくなってきたから丁度良いじゃない、今日鍋かなんかしましょ」
穂乃果「ほんと!?楽しみ?」
にこ「で、オムライスはどんなの食べたいの?」
穂乃果「あ、えっとねえ、普通のやつ!」
にこ「わかったわ……ちなみにどうして?」
穂乃果「うーん……なんでだろ、でもそっちが良いなって」
にこ「そう、まあいいわ、ちゃちゃっと作るから待ってて」
穂乃果「なんか手伝う?」
にこ「んー、特にないから適当にくつろいでて」
穂乃果「はーい」
7:
にこ「よし……こんなもんでいいかな」
にこ「穂乃果ー、ケチャップでいい?」
<オネガーイ
にこ「じゃあケチャップを……」
にこ(……ハートなんて描いてみたりして……やんないけどね恥ずかしいし)
穂乃果「にこちゃん、お皿運ぼうか?」
にこ「のわああああ!?」ブジュー
穂乃果「うわ、ケチャップがすごい事に……」
にこ「い、いきなり驚かせるからでしょ!?」
8:
穂乃果「だからごめんってー、代わりにこれ穂乃果もらうから、ね?」
にこ「……まあ、いいけど」
穂乃果「えへへ……あ、にこちゃん動かないで」
にこ「……ん?」
はむ
穂乃果「……はい、おっけい。ケチャップほっぺに飛び散ってたよ?」
にこ「……あ、ありがと」
穂乃果「ほら、早く食べよ?」
にこ「……とりあえずこっちにもケチャップかけてくから待ってて」
穂乃果「はーい」
がちゃ
にこ「……ふう」
へなへなへな
にこ「それ……弱いってこの前言ったでしょばかぁ……」
#1 休日とケチャップ おわり
10:
#2 アニメ
にこ「……あれ、こんな早く起きてどうしたよ?」
穂乃果「トイレに起きたんだけどプリキュアやってて、なつかしー」
にこ「プリキュア……って子供じゃないんだから」
穂乃果「え、でも映画館とかも大人の人とかいるみたいだし、声優さんとかにも大きなお友だちってカテゴリ認識はされてるんだよ?」
にこ「いやまあ、それとこれとは別だから……」
穂乃果「でも夢を追いかけてる……ってなんか私達みたいで良いね」
にこ「……アホらし、私もっかい寝るから」
穂乃果「もー、つれないなぁ」
12:
?数日後、とあるデパート?
にこ(変装はバッチリ、バレないようにあえて遠くのデパートまでやってきた……)
「ままー、なんかへんなひといるー」
「そういう事言うもんじゃないのっ、ほら見てないで行くわよ」
にこ(……人は……あまりいないわね)
にこ(……よし!)
<プリパラへ、ようこそ!
にこ(最近ご無沙汰だったからちょっとワクワクするわね……)
「……なんか、変な人いるね」
「そう?見た感じ小学校高学年って感じじゃない?」
<リズムに合わせてボタンを押してね!
にこ「……よっ……と」
にこ(さすがに本格的な音ゲーとは難易度に大きな差があるけど、なかなか面白く出来てるわよね……)
<すごーい!ライブ大成功!
にこ「……初めてやった曲だけど、まあにこの手にかかれば……」
「あれ、にこちゃん?」
にこ「……え?」
13:
穂乃果「何してるの、こんなとこで?」
にこ「えーと……それは……」
にこ(なんか言い訳……そうよ!たまたまこの辺に用があって……とかで)
<取り出し口をチェックしてね!
穂乃果「なんか言ってるよ?」
にこ「え、ええ……そうね」
にこ(ま、まずい……逃げられない)
穂乃果「へー、見せて見せて」
にこ「……ほら」
穂乃果「最近のゲームってすごいね、穂乃果ムシキングで止まってるや」
にこ「ムシキング……って私ですら微妙なラインなんだけど……しかも女の子だし」
穂乃果「そんな事ないよー……で、何これ?」
14:
にこ「え、えっと……プリパラよ」
穂乃果「プリパラ?」
にこ「女の子向けのアイドル育成ゲームよ」
穂乃果「へー……見た感じそんなんだけど……アイカツみたいな?」
にこ「結構違うけど……まあそんなもんよ」
穂乃果「なんかみんなキラキラしててかわいいねー、さすがアイドル!にこちゃんのお気に入りは?」
にこ「……このみれぃって子よ」
穂乃果「ふーん……なんかにこちゃんみたい」
にこ「どこが?」
穂乃果「いやキャラ作りってなんか始めの頃にこちゃんに言われたなぁって」
にこ「ああ、そういうことね」
穂乃果「あ、そうだにこちゃん」
15:
にこ「ん?」
穂乃果「……『子供じゃないんだから』」
にこ「ち、ちがっ!い、いいもうとたちがやってるから、話にまざらないとなーって思ってほら!」
穂乃果「……その割にはすごい気合い入ってるよね、なんか専用のバッグとかあるし」
にこ「うぐっ」
穂乃果「にこちゃんアイドル好きだから良いと思うけどね」
にこ「……慰めになってないわよ」
穂乃果「そ、そうかな?」
にこ「はあ……とりあえず帰るわ」
穂乃果「あ、穂乃果も一緒に行く!」
16:
にこ「醜態をさらしてしまったわ……」
穂乃果「でもそんな違和感なかったよ?溶け込んでたし」
にこ「それ、フォローになってないから」
穂乃果「あはは、ごめんごめん」
にこ「で、なんであんなとこいたのよ?」
穂乃果「うーん……それは、後のお楽しみってことで」
にこ「なによそれ」
穂乃果「別に、誰かと会ってたとかじゃないから安心して?」
にこ「ばーか」コツン
穂乃果「あたっ」
にこ「なんでそんなこと考える必要があるのよ、悩むくらいだったら話すって、あんとき言ったでしょ?」
穂乃果「……そういえばそうだった!」
にこ「はあ……まったく」
22:
穂乃果「でもまさかにこちゃんが小さい子向けのゲームやってるなんてねぇ……」
にこ「な、なによ良いでしょ別に!」
穂乃果「べっつにー?……なんか結局プリキュアも観てそうだね」
にこ「……見てない」
穂乃果「去年のなんだっけ……スマイル?」
にこ「ドキドキまで飛ばしてるじゃないのっ!」
穂乃果「知ってるじゃん」
にこ「うっ、つい突っ込んでしまった……」
穂乃果「まあ良いじゃん、面白いものは子供向けでも大人向けでも関係ないんだし」
にこ「あんたにしては良いこと言うわね」
穂乃果「えへへー」
にこ「まあ、変に隠すこともないんだよね……」
穂乃果「なにが?」
にこ「ん、こっちの話……夕飯食べてく?」
穂乃果「うん!」
#2 アニメ おわり
24:
#3 傷口の理由
穂乃果「今日はねー、久しぶりにハンバーグ!今回は美味しく作れたと思うよ」
にこ「へえ、楽しみね」
穂乃果「うん!はい、あーん」
にこ「あー……ん……うん、前よりずっと美味しくなってる」
穂乃果「えへへ、やったあ!」
にこ「でもちょっとだけ味薄いわね」
穂乃果「ソースかけるから薄くても良いかなって思ってあんまり濃い味にしてないんだよ」
にこ「なるほど、まあ……これなら及第点ってとこね」
穂乃果「良かったぁ」
にこ「……ってあんたまた指怪我してるじゃないの」
穂乃果「いやぁ、玉ねぎ刻んでたらサクッて……」
にこ「まったく……」
26:
にこ「……」
穂乃果「ん?どうしたのにこちゃ……」
ちゅ
穂乃果「ほぁ……?」
にこ「ごめん、つい」
穂乃果「……嬉しかったからいいよ」
にこ「ふふっ」
穂乃果「えへへ」
キーンコーン……
穂乃果「あ、もう戻らないと!」
にこ「移動教室?」
穂乃果「うん、そんなとこ!じゃあね!」
ガチャ
にこ「……どんだけ慌ててんのよ……って私も戻らないと」
30:
にこ(にしても、穂乃果料理上手くなってきたわね……負けてらんないわ)
にこ(最近あまりこっちの料理あんま食べてもらってないし……お返しに私も作ろうかな)
希「やっほー……ってあれ、にこっちなんかニヤニヤしとるね」
にこ「へ?そ、そんなことないわよ?」
にこ(やば、顔に出てたかな……)
希「愛しの穂乃果ちゃんとなんかあった?」
にこ「べ、別に……」
希「あーもーいいですー、そのにこっちのにやけ顏だけでお腹いっぱいですー」
にこ「ちょっとあんたねえ……ま、いっか」
にこ(……なに作ろっかな)
31:
……………
にこ「……いたっ」
にこ「あー……切っちゃった……」
にこ(……えーと、絆創膏は……)
32:
……………
にこ(結構目立つわね、これ……)
にこ(にしても久々にやっちゃったわねえ……穂乃果に笑われるかも)
にこ(まあ弘法も筆の誤りってやつよね……使い方間違ってないわよね?)
ガチャ
穂乃果「……あ、今日は先に来てたんだね」
にこ「ほ、ほほほぉのか!?」
穂乃果「そ、そんなにびっくりすることないじゃん」
にこ「いや、ちょっと考え事してて……」
穂乃果「ふーん……?ま、いっかさっそくお昼食べようよ」
にこ「あー……えーと……その、穂乃果?」
穂乃果「ん?」
にこ「いや、その……おかず作ったんだけど、食べる?」
穂乃果「え、いいの!?」
33:
にこ「作りすぎちゃっただけよ、一人じゃ食べきれないし……」
穂乃果「やったぁ!」
にこ(とりあえず左手はなるべく隠して……)
にこ「にこもハンバーグ作ってきたからね、ほら」
穂乃果「あー……ん!おいひい!」
にこ「あーもー食べながら話すんじゃないわよ」
穂乃果「だって美味しかったんだもん!……時間たってるのにあんまり固くなってないんだね」
にこ「結構簡単なのよ?」
穂乃果「へー、なになに?」
にこ「今度ね」
穂乃果「もー!」
にこ「一緒に作れば楽でしょ?」
穂乃果「あ、そういうこと……えへへ」
34:
にこ「なによ気持ち悪い」
穂乃果「ひどいよ!?……なんかこういう当たり前っていいなあって思ってさ」
にこ「……そうね、悪くない」
穂乃果「あれ、なんでにこちゃんそっぽ向くの?」
にこ「なんでもないわよ」
穂乃果「なーんーでー?」
にこ「なんでもないからっ」
穂乃果「えい」
にこ「なっ!?」
穂乃果「ぷぷぷ、やっぱり顔真っ赤……あれ、指どうしたの?」
にこ「……しまった」
穂乃果「まさか……料理してて怪我したの?」
にこ「……なによ、私だってたまには……」
穂乃果「大丈夫なの?」
にこ「だ、大丈夫よ。ちょっとかすっただけだし」
36:
穂乃果「ほんとに?」
にこ「本当に決まってるでしょ?」
穂乃果「嘘だったら穂乃果怒るよ?」
にこ「あーもーしつこいわねえ!大丈夫って言ってるんだから大丈夫なのよ!」
穂乃果「だって心配になるじゃん!」
にこ「うっ……」
穂乃果「本当は結構ひどい怪我だったら大丈夫かなって思うし……」
にこ「はあ……ま、大丈夫よ。傷口も塞がってるし、そんなひどくないから」
穂乃果「……良かった」
にこ「まあにこでもたまには怪我するんだし、あんまり料理経験ないあんたなら余計怪我するでしょ、気にすることないわよ」
穂乃果「うん……でも、なんか変な感じ」
37:

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