にこ「理事長に呼び出されたわ」back

にこ「理事長に呼び出されたわ」


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にこ(理事長から直接呼び出されるなんて)
にこ(なんか悪いことしたっけ?)
にこ「う?ん」
にこ(まっ、いっか)
にこ(どうせこれから分かることだしね)
にこ(早く終わらせて練習に行こ)
2:
【理事長室】
にこ(ここね)
コンコン
「はーい」
にこ「アイドル研究部部長の矢澤にこです」
「あっ、どうぞー」
にこ「失礼します」
ガチャ
理事長「いらっしゃい。よく来たわね」
にこ「あっ、はい」
4:
理事長「今日、貴女をここに呼んだのはね。ワケがあるのよ」
にこ「はぁ」
にこ(用があるんだから当然でしょ)
にこ(てか、早く済ませて欲しいから)
理事長「実は……」
にこ「あの」
理事長「何?」
にこ「単刀直入におたずねしますが、私……何かやりましたか?」
理事長「はい?」
6:
にこ「特に私、理事長に呼び出されるようなことは何もしていないのですが」
理事長「やーね。別に悪いことしたとかで呼び出したワケじゃないのよ」
にこ「じゃあ、なんなんです?」
理事長「貴女をここに呼び出したのはね、渡すモノがあったからよ」
にこ「私に渡すモノ?」
理事長「これよ」
にこ「これは……入部届?」
理事長「そうよ。アイドル研究部に入部したい人がいるの」
にこ「ふーん。で、入部したい生徒の名前は南〇〇……」
にこ(って誰?)
7:
にこ「あのぉ……」
理事長「なぁに?」
にこ「この、南〇〇さんって誰ですか?」
理事長「ふふーん。誰だか当ててみて」
にこ「はぁ」
にこ(さすがにこの時期、三年生が入部ってことは考えられないわね)
にこ(だとすれば……)
にこ「一年生か二年生の誰かってことですかね」
理事長「……」
にこ(あ、あれ?)
にこ(違った?)
16:
理事長「ねぇ……もう少し、考えてみない?」
にこ「は、はぁ」
にこ(一年生や二年生でもないなら三年生しかないじゃない)
にこ(てゆーか三年生に南って名字いたっけ?)
にこ(いいや、いない)
にこ(一年でも二年でも三年でもないなら誰よ!?)
にこ(あれ、考える意味なくない?)
理事長「考えて」
にこ(何を考えろって言うのよ!?)
理事長「分からない?」
にこ「はい。分かりません」
理事長「じゃあ教えて、あ・げ・る」
にこ(ウザイ……)
理事長「それはね……」
 
 
理事長「この私よ」
23:
にこ「……」
理事長「あれ?」
にこ(は? 何言ってるのこの人?)
理事長「おーい」
にこ(ふざけてるのかしら?)
理事長「矢澤さーん」
にこ(まぁでも、理事長に限ってそんなことは)
理事長「にーこちゃん」
にこ「ひゃい!?」
理事長「あら可愛い声ね」
にこ「なっ、なっ、なっ」
理事長「ちょっと私のこと可愛いと思った?」
にこ「なワケなーい!」
理事長「あら残念」
にこ(ちょっと思いました)
27:
にこ「てゆーか、いきなりなんなんですか!?」
理事長「だって、ノーリアクションなんだもん」
にこ「いやいやいやいやいや」
にこ(この状況は一体何!?)
理事長「うふふっ」
にこ(冷静に……冷静に考えなさい矢澤にこ!)
にこ(理事長はきっと悪ふざけで言ってるのよ、そうよそうに決まってる)
にこ(……よし)
にこ「えっと、入部というのは顧問としてですよね?」
 
理事長「はい?」
29:
にこ「いやー、前から疑問に思ってたんですよねぇ」
にこ「部活動してるのに顧問がいないっていうのが」
にこ「もしかしたら『超常現象研究会』の眼鏡かけた女の先生が顧問かなとも思ったけど」
にこ「よく考えたらそんな研究会なかったし、そんな先生も存在してないわね」
にこ「そういえば自分で部を立ち上げた時の顧問はどこいったっけなぁ?」
にこ「あははは、最近は物忘れが酷くて」
にこ「それに私達も大会に出場する以上は、顧問が必要と感じてましたから」
にこ「理事長がそれを察して自ら顧問になってくれる」
にこ「そういうコトですね!」
 
 
理事長「……」
にこ「あり?」
理事長「矢澤さん」
にこ「はい?」
 
 
理事長「ふざけているのですか?」
31:
にこ「は?」
理事長「ふざけているのですかと聞いてるんです」
にこ「ふ、ふざけていません!」
理事長「ならなんなんですか、そのよく分からない考えは?」
にこ「至って真面目に考えた結果なんですけど」
理事長「いいですか? 私の考えはこうです」
 
 
 
海未「にこ、遅いですね。ちょっと様子見てきます」
ことり「あっ、ことりも行くっ」
32:
理事長「まずその入部届には私の名前が書かれている」
理事長「そしてそれを部長である貴女に提出する」
理事長「途中の手続きは以下略、これで私はアイドル研究部に入部出来る」
理事長「また入部ということは自然にμ'sの一員となる」
理事長「つまり!」
理事長「私もラブライブに出れるというワケです」
 
にこ「……」
理事長「どう、驚いた? さぁて、私も衣装着て踊る準備を」
にこ「あの」
理事長「私はセンターかしら? ことりと姉妹ユニットかしら?」ルンルン
にこ「あのぉ!」
理事長「何かしら?」
にこ「理事長……冗談も大概にして下さい」
理事長「はっ?」
34:
にこ「どう考えても悪い冗談にしか聴こえませんよ」
理事長「まぁ、そんな悪い冗談を言う人がいるの?」
にこ「はい。ちょうど目の前に」
理事長「あらあら、そんな悪い人の顔が見てみたいわねぇ」
にこ「そこに鏡がありますから、ご自分で確かめて下さい」
クルッ
理事長「まぁ、なんて絶世の美女なんでしょう」
理事長「これで子持ちの母親だなんて、世の中の人は信じないわねぇ」
理事長「ことりも可愛いけど、あの娘は世界で二番目に可愛いわ」
にこ「一番は?」
理事長「もちろん私よ」
にこ「あのぉ、その鏡。ちょっと曇ってませんか?」
理事長「……」
にこ「ちゃんと磨いたり拭いたりしてます?」
理事長「……」
にこ「……」
理事長「悪い冗談を言うのは貴女ですよ」
にこ「アンタが言うな!」
 
 
 
海未「にこは何をやらかしたのでしょう?」
ことり「さ、さぁ?」
35:
にこ「とにかく! 理事長の入部は部長である私が認めません!」
理事長「えぇー」
にこ「じゃあ私は練習があるので」
理事長「待ちなさい!」
ガシッ
にこ「まだ何か……」
理事長「にこちゃぁん。おねがぁい」ウルウル
にこ「涙目になってもダメ!」
理事長「じゃあ、チューしてあげましょうか?」
にこ「さらっと危ないコト言うな!」
理事長「矢澤さん、理事長ですよ。目上の人には敬語で」
にこ「なーにが敬語よ。全く!」
36:
理事長「とりあえず、入部させてくれるまでは帰さないわよ」
にこ「いい加減にして!」
ドン
理事長「きゃっ!」
グイッ
にこ「うわぁ!」
バタン
にこ「あたたた……理事長、だいじょ……うわっ」
理事長「や、矢澤さん。貴女……」
にこ(うわっ、なんか体勢的にマズイ!)
にこ(しかも、ちょっと理事長の服が)
 
 
 
海未「今何か変な音がしましたね」
ことり「なんだろ」
38:
理事長「わ、私を押し倒すなんて」
にこ「あっ、いや、その」
理事長「こんなお姉さんでいいの?」
にこ「はい?」
理事長「貴女にその気があるなら……いいわ」
にこ「はいぃ!?」
理事長「いつでもいらっしゃい」
にこ(なんなのこの人は!?)
理事長「ことりには内緒にしておくから、一回だけなら……」
にこ(はああああああああ)
ガチャ
海未「あの何か凄い音が……」
にこ「あっ」
ことり「お母さんどうし……」
理事長「あっ」
ことり「なっ、なっ、なっ、なっ」
 
海未「何やってるんですかぁー!?」
39:

 
にこ「あぁー。酷い目にあった」
理事長「ほんとにね」
にこ「てゆーか、理事長が悪いのよ」
理事長「そう?」
にこ(反省の色なし、か)
理事長「まぁ、私が部活に入るのはやっぱり無理みたいね」
にこ「そうよ。大体、理事長は生徒じゃないし」
理事長「それなら明日から私も制服を着て登校しましょうか?」
にこ「ことりに怒られるわよ」
40:
理事長「ことりもお母さんの冗談が理解出来ない娘ね」
にこ「はぁー、苦労が堪えないわね」
理事長「私が?」
にこ「ことりがよ」
理事長「にこちゃんも人が悪いわね」
にこ「理事長には言われたくない」
理事長「あらあら」
にこ「もうこんな悪い冗談、本当にやめてよね」
理事長「分かってるわよ」
にこ「ほんとかしら?」
42:
理事長「まっ、もし私がまた同じようなこと言ったら、その時は」
にこ「同じように断るわよ」
理事長「ケチね」
にこ(当然よ)
にこ「まっ、でも」
 
にこ「考えておいてあげても、いいかなっ」
 
にこ「なぁーんて」
理事長「それはいつになるのかしらね?」
にこ「さぁーて」
理事長「ふふっ」
にこ「ふふふ……あははははは」
理事長「あははははは」
43:
にこ「あっ」
理事長「どうしたの?」
にこ「なんか私達、いつの間にかタメ口で」
理事長「そういえば違和感なく喋ってたわ」
にこ「す、すいません!」
理事長「ん?」
にこ「やっぱりその、目上の人には……」
理事長「いいわよ。今更だしね」
にこ「そ、そうですよねぇ」
ピロリーン♪
にこ「あっ、メール……やばっ。みんなと約束してたんだった」
理事長「なら、早く行かないとね」
44:

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