るろうに観柳「明治回転式機関砲浪漫譚」back

るろうに観柳「明治回転式機関砲浪漫譚」


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1:
今からおよそ160年前──
黒船来航から始まった「幕末」の動乱期。
渦中である京都に「人撃ちガトリング斎」と呼ばれる志士がいた。
修羅さながらに人を撃ち、
その弾丸を以って新時代「明治」を撃ち拓いたその男は、
動乱の終結と共に人々の前から姿を消し去り
時の流れと共に「最強」という名の伝説と化していった。
そして浪漫譚の始まりは、明治十一年東京下町から──
元スレ
るろうに観柳「明治回転式機関砲浪漫譚」
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2:
神谷道場──
観柳「はろぉう」
観柳「私、流浪人をしている実業家、武田観柳と申します」
観柳「喉が渇いてしまったので、水を一杯いただけないでしょうか?」
薫「えぇ、かまいませんけど……」
薫(車輪付きの大きな荷物を運んでるけど、中身は何かしら?)
水を飲む観柳。
観柳「ありがとうございました」
観柳「ところで浮かぬ顔をされていますが、どうされたのです?」
薫「実は──」
4:
観柳「なるほど、道場の立ち退きを迫る比留間という兄弟から嫌がらせを受け」
観柳「門下生も全員いなくなってしまったのですか」
薫「奴らはもうすぐ実力行使に出るっていっていたわ」
観柳「なら、大人しく道場を手放した方が利口なんじゃありませんか?」
薫「いいえ……父から受け継いだ神谷活心流を守るため、私は最後まで戦うわ!」
観柳「……よろしい」
観柳「おいしい水を頂いた礼に、私も微力ながら協力いたしましょう」
薫「ダメよ! こういっちゃ悪いけど、あなたとても戦えるようには見えないわ!」
観柳「よくいわれますよ。ですが大丈夫、私に任せて下さい」
薫「でも──!」
ドガァンッ!
5:
道場の戸を破壊し、比留間兄弟が現れた。
喜兵衛「やれやれ、大人しく道場を売り渡せば痛い目を見ずに済んだものを」
伍兵衛「へっへっへ……」
伍兵衛「“人を活かす剣”だとかほざく道場なんざ、俺様がぶっ潰してやる!」
薫「なんですって!」
観柳「彼のいうとおりですよ」
薫「!?」
観柳「剣に限らず、銃も大砲も全ての武器や兵器は人を殺すために造られたモノ」
観柳「薫さん、あなたのいうことは甘っちょろい戯れ言に過ぎません」
薫「流浪人……!」
観柳「ですが、私はそんな甘っちょろい戯れ言の方が好きですけどねぇ」ニィッ
薫「!」
伍兵衛「ふざけた野郎だ、まずてめえからぶっ殺してやる!」
伍兵衛「この俺の愛刀でなァ……」ギラッ
6:
ガトリング斎さんも不殺なのかな…
8:
是非とも不殺を貫いて欲しいな
9:
観柳「では私も武器をお披露目いたしましょう!」バサァッ
観柳が布をはぎ取ると、中からは──
伍兵衛「なんだありゃあ……!?」
喜兵衛「回転式機関砲(ガトリングガン)だと!? しかも移動できるよう車輪付!?」
薫「ってことは、あなたまさか──“人撃ちガトリング斎”!?」
観柳「さぁて始めましょうか」
観柳「なんとこれ、弾丸を一分間に二百発も発射するんですよォ!」
観柳「ハーッハッハッハッハ!!!」
ガルルルルルルル……!
伍兵衛「うぎゃあああっ!」
喜兵衛「ぐわああああっ!」
10:
皆殺しじゃねーかw
16:
薫「な、何も殺さなくても……」
薫(いえ、二人とも足を撃ち抜かれただけで生きてる!)
激痛にのたうち回る比留間兄弟。
伍兵衛「いでぇぇぇっ!」ゴロゴロ
喜兵衛「うぎゃあぁぁっ!」ゴロゴロ
観柳「殺しはしません。私は“不殺(ころさず)”の誓いを立てていますのでねぇ」
観柳「しかし私がガトリング斎とバレてしまっては、もうここにはいられません」
観柳「さようなら、薫さん」スッ
薫「ま、待ちなさいよ!」
薫「私は人の過去なんかにこだわらないわ!」
薫「私は人撃ちではなく、流浪人のあなたにいて欲しいの!」
観柳「そこまでいわれたら、仕方ありませんねェ」
観柳「私は流浪人兼実業家ゆえ、いつ流れるか分かりませんが」
観柳「しばらく厄介になるとしましょう」
17:
道場穴だらけにしてとんずらしようとすんなwww
18:
殺さずでもギリギリじゃねえかww
19:
死んでないのか
ゴム弾なのか?ww
21:
風穴あけてんじゃねぇよwww
22:
観柳の財力で道場は潤ったが、門下生は全く集まらなかった。
町中──
薫「待ちなさい! 今この子、観柳の財布をスッたわよ!」ガシッ
弥彦「うるせぇ! さっさとはなせ、ブス!」ジタバタ
薫「なんですってぇ!?」
観柳「いいんですよ、金なら腐るほど持っていますから」
観柳「しかし、スリとは感心しませんねェ」
観柳「おそらくあなたにスリをやらせている大人がいるのでしょう?」
弥彦「!」ギクッ
観柳「どうでしょう。私は実業家として、あなたと対等な“取引”をしたい」
観柳「私がその大人をどうにかしたら、あなたは神谷活心流の門下生になる」
観柳「いかがですかねェ?」
弥彦「俺はこうして捕まっちまったんだ、仕方ねぇ……いいぜ」
23:
弥彦にスリをやらせていたヤクザ一家に乗り込む観柳。
ガルルルルルル……!
我介「いでぇぇよぉぉぉぉっ!」ゴロゴロ
組長「足が、足がぁぁぁっ!」ゴロゴロ
弥彦(す、すげぇ……!)
観柳「さて、これで門下生になってもらえますね?」ニッコリ
弥彦「……分かったよ」
弥彦「このブスに教わるのはシャクだけど、俺はもっと強くなりてぇからな!」
薫「だれがブスよ! だれが!」
観柳「では今夜は、私の“ぽけっとまねえ”で赤べこで歓迎会と洒落込みましょうか」
こうして神谷道場に、新しい仲間が加わった。
25:
ところが、一難去ってまた一難。
神谷道場──
観柳「だれですか、あなたは?」
左之助「相楽左之助。裏社会での通称は喧嘩屋“斬左”」
左之助「最強の維新志士であるアンタと喧嘩しにきたぜ」
観柳「分かりました、受けて立ちましょう」
左之助「へっ、さすがはガトリング斎。ハナシが早くていいねェ」
薫「ちょ、ちょっと大丈夫なの、観柳!?」
観柳「あの若者、並々ならぬ闘気を感じます」
観柳「彼に少しばかり興味が沸きましたのでね」ニィッ
28:
やったね恵さん、歩行困難者がふえるよ!
29:
河原──
武田観柳と左之助の喧嘩が始まった。
ガルルルルルル……!
あっという間に両足を撃ち抜かれる左之助。
左之助「ぐああ……っ!」ドサッ
左之助(強え……! 斬馬刀の間合いにすら入れなかった……!)
左之助(これが──人撃ちガトリング斎ってワケかい!)
左之助「だが……!」ググ…
斬馬刀を支えに、立ち上がる左之助。
左之助「赤報隊を切り捨て、悪一文字に仕立て上げやがった維新志士なんかには」
左之助「俺は負けねェ! 絶対に負けられねェ!」
観柳(赤報隊……)
34:
ガトリングガンで不殺とか難易度たけぇwwwwwwww
35:
ガルルルルルル……!
観柳のガトリングガンが、斬馬刀を粉砕する。
左之助「ざっけんな! 憐れみのつもりか!? ──殺せ!」
左之助「たとえ殺されても、維新とか抜かしててめぇらだけふんぞり返るような」
左之助「維新志士なんかにゃ絶対負けねェがな!」
観柳「斬左さん、まだ維新は終わっていませんよ」
観柳「形だけは新時代になったとはいえ、世には苦しんでいる人がたくさんいます」
観柳「私は及ばずながら、そのような人々を一人でも多く救うために」
観柳「金と“不殺”の弾丸をばら撒いているのですよ」
左之助「…………」
左之助(すんません、相楽隊長)
左之助(俺はこの男に完全に負けちまいましたよ……)ドサッ
弥彦(すげェ……! 俺も観柳みてえに心も体も強くなりてェ!)
38:
二人の喧嘩を影から眺めていた剣客が一人。
刃衛「うふふ」
刃衛(あれが噂に名高い“人撃ちガトリング斎”か……)
刃衛(是非とも、殺し合ってみたい、が)
刃衛(“不殺”だと? あんな腑抜けたガトリング斎を倒しても面白くない)
刃衛(一緒にいるあの女、ガトリング斎の女と見た!)
刃衛(あれをさらえば、ガトリング斎も本気にならざるをえまい)
刃衛(刀とガトリングガンという違いはあれど)
刃衛(人斬りは所詮死ぬまで人斬り、人撃ちは所詮死ぬまで人撃ち……)
刃衛「うふふふふ……」
42:
左之助との喧嘩からしばらく経ったある日。
神谷道場──
観柳「ふんふ〜ん」カチャカチャ
薫「あら観柳、ガトリングガンのお手入れ?」
観柳「ええ、少しでも調子が悪いと事故や照準のズレにつながりますからねェ」
観柳「ガトリングガンで“不殺”を貫くには、定期点検が欠かせないのですよ」
観柳「ところで弥彦君はいかがですか?」
薫「あなたに刺激を受けたのか、熱心に稽古に取り組んでるわ」
薫「才能はあるし、根性も一流よ。ちょっとナマイキだけどね!」
観柳「あのくらいの子供はナマイキなくらいが──」
ザッ!
観柳「!?」
刃衛「うふわははははははあ!」
刃衛「ガトリング斎! この女を取り返したくば、今晩零時ここへ来い!」シュッ
観柳(斬奸状! あれは……もしや“黒笠”鵜堂刃衛!?)
48:
斎藤とどう殺し合う気だwww
49:
鎮守の森奥 稲荷の前──
ザンッ!
観柳「薫さんを返しやがれェッ!」
薫「観柳!?」
刃衛「結構結構、やはり幕末の頃に口調が戻っているな」
刃衛「人撃ちガトリング斎、勝負!」
観柳「“様”をつけんか、無礼者めェ!!!」
ガルルルルルル……!
一瞬にして、足を撃ち抜かれる刃衛。
刃衛「ぐおおっ……!」ドサッ
観柳「女を人質に勝負を迫るたぁ、とんでもねぇイカレ野郎だ!」
観柳「これだけでは済まさねぇぞ! 刃衛、二百連発で粉々にしてやる!」ガチャッ
刃衛「うふふ、それでいい」
刃衛「あの男と並び幕末最強と称された、ガトリングガンを味わわせてくれェ!」
51:
剣心と同格かよ
52:
ガトリングつえー
53:
こんなのと刀一本で並んだとか剣心が凄いわ
55:
斎藤とか向こうから突っ込んでくるんだから格好の的だな
58:
薫「だめェェェッ!!!」
観柳「!」
刃衛「!?」
薫「観柳……あなたはガトリング斎、じゃないわ……」ハァハァ
薫「人撃ちに戻ったら、ダメ……」ハァハァ
観柳「そうでしたね……」
観柳「私は“不殺”を誓った流浪人兼実業家でした」
観柳「思い出させてくれて感謝しますよ、薫さん」
刃衛「待て……ガトリング斎! こんな結末、俺は認めんぞ!」ググッ
観柳「あなたは人を斬る感触が忘れられず、人斬りを止められないそうですが」
観柳「実業家たる私からしてみれば、人でなくとも肉は肉、大差はありません」
観柳「いかがでしょう? ここはひとつ、斬る対象を人から牛に変えてみては?」
刃衛「ふむ……一理ある」
59:
一理ねえよwwwww
63:
こうして刃衛は赤べこの従業員となった。
赤べこ──
刃衛「赤べこべこベコ」
刃衛「うふわははははは!」ザクッ
刃衛「ん〜む、この牛肉を斬る感触……いいね」ザクザクッ

妙「あの新入りの刃衛って人、ホントよく働いてくれて助かるわぁ」
妙「ちょうど料理人が不足しとったトコでねぇ」
観柳「適材適所……これが“びじねす”における基本ですからねェ」
薫「さすが観柳ね!」
弥彦「ちょっと笑い声がうるせェけどな」
左之助「笑う門には福来る」
左之助「牛鍋屋はあれぐらい笑い声があった方が繁盛するってもんよ」モグモグ
観柳「左之助さん、あなたもたまには自分で勘定を払うようにしましょうね?」
左之助「うぐ……っ!」
69:
しかし、事件というのは立て続けに舞い込むものである。
神谷道場──
バタンッ!
恵「ハァ、ハァ、ハァ……」
薫「きゃあっ!?」ビクッ
弥彦「なんだ、この女!?」
左之助「道場破りってワケじゃなさそうだな」
恵「ねぇ、ここには武田観柳っていう強い人がいるって聞いたわ」
恵「私を守って逃がしてくれない?」
観柳「私は人々を守る流浪人であると同時に、実業家です」
観柳「“りすく”を天秤にかけて行動を選択しますゆえ」
観柳「私を動かすからには、あなたも洗いざらい全てを話してもらいましょうか」
恵「分かったわ……全て話すわ」
恵「私の敵は──幕末最強の剣客なの」
77:
恵「私を追っているのは、元維新志士、“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心よ」
観柳「バカな! 私も元維新志士として彼を多少知っていますが」
観柳「たしか明治政府の要職についたはず!」
恵「えぇ、でも字は汚いし、廃刀令を無視するし、致命的な失敗を“おろ”でごまかすし」
恵「そもそもろくに出勤しないし、ってことですぐクビになったらしいわ」
恵「でもクビになった後、絶大な剣の腕で手下をかき集め、一大兵団を作り上げたの」
観柳「……なるほど、そういうことでしたか」
左之助「あの腐った明治政府を職務怠慢でクビになるたぁ、相当なヤロウだな」
恵「そしてどこからか、てっとり早く金になるのは阿片の密売だと聞いて」
恵「阿片を精製させるため、医者である私をさらおうとしているの」
恵「さらに厄介なことに、最近は元御庭番衆の面々を仲間に引き入れたのよ」
観柳「解せませんねェ……」
観柳「御庭番衆は誇り高き隠密集団と聞いています」
観柳「阿片が関わるような企みに乗るとは、到底思えませんが」
80:
剣心屑すぎワロタw
81:
剣心がゴミ屑だった
83:
恵「聞いたハナシだと、ヤツは“自分との対決”を報酬(エサ)にして」
恵「御庭番衆を雇ったらしいわ」
弥彦「自分との対決? どういうことだよ?」
観柳「……なるほど!」
観柳「先の幕末において、江戸城が無血開城してしまったため」
観柳「御庭番衆は一度も戦うことができなかった……」
観柳「おそらく彼らは自分たちの強さを証明する機会に飢えていたはず」
観柳「そこに、最強の剣客ともいわれた“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心が」
観柳「“自分に協力すれば、報酬として対決してやる”と提案すれば」
観柳「御庭番衆は飛びつくコトでしょうねェ」
88:
弥彦「ひでぇ……」
薫「なんてヤツなの……」
左之助「ちっ、緋村剣心……とんでもねぇヤロウだ!」
観柳(かつての彼は、超人的な剣の腕を持ちながらも)
観柳(人斬りの罪悪感に人一倍さいなまれる心優しい青年だった)
観柳(幕末と明治維新の激動が、彼を歪めてしまったのでしょうねェ)
観柳(もし運命の歯車が少しでもズレていたなら──)
観柳(私が彼のように、彼が私のように、なっていたのかもしれません……)
観柳「緋村剣心、流浪人としても実業家としても維新志士としても」
観柳「彼を放置しておくべきではない、と判断しました」
観柳「神出鬼没の御庭番衆相手に“待ち”は愚の骨頂です」
観柳「刃衛さんも連れて、こちらから攻め込みましょう!」
左之助&弥彦「おう!」
92:
剣心の屋敷──
剣心「恵殿はまだ拉致できぬのか?」
蒼紫「ああ、だが物見をしていた般若からの報告によると」
蒼紫「高荷恵から事情を聞いたガトリング斎たちが、この屋敷に向かっているとのこと」
蒼紫「俺たちがそれを迎え討ち、高荷恵を奪略する」
剣心「期待してるでござるよ、蒼紫」
蒼紫「抜刀斎……。この任務が終わったら、約束を果たしてもらうぞ」
剣心「もちろん。拙者、約束を破る気はござらん」
蒼紫「ならばいい」
蒼紫「そろそろ奴らが来る頃だ。お前の私兵と、俺の部下を配置につかせてくる」ザッ
剣心「ああ、おぬしに全て任せる」
部屋を出ていく蒼紫。
109:
剣心の屋敷 正門──
左之助「ここが緋村剣心の屋敷か」
弥彦「でけぇ……」
観柳「彼がまともな商売をしているはずがありません」
観柳「おそらくは腕利きの大工などを刀で脅し、作らせたのでしょうねぇ」
刃衛「刀を持つのは久々だな、うふふ」チャキッ
観柳「“殺し”は困りますよ、刃衛さん」
刃衛「分かっているさ。お尋ね者になれば、牛肉を斬れなくなってしまうからな」
刃衛「それに殺さずとも、肉を斬る感触は十分味わえる」
弥彦(ったく、こんなのが赤べこの料理人だなんて未だに信じらんねーよ)
観柳「では皆さん、突撃いたしましょう!」
124:
剣心の屋敷 扉の前──
ひょっとこ「ここから先には行かさねぇぜ!」ズンッ
べしみ「喰らえ!」ギュッ…
観柳「私相手に飛び道具で勝負とは、少々無謀が過ぎますねェ」
ガルルルルルル……!
べしみ「ぐあああっ!」
べしみ(ちくしょう、手足を的確に撃ち抜きやがった……!)ドサッ
刃衛「あちらのデカイのは、油のニオイがプンプンするねぇ」
刃衛「ガトリングガンじゃ引火するかもしれんな……俺が斬る」
ザシュッ!
ひょっとこ「ぐは……っ!」
ひょっとこ(炎を吐く暇すらねぇとはな……!)ドズゥンッ
弥彦「御庭番衆をいとも簡単に倒しちまいやがった……!」
左之助「さすがは元最強の維新志士に、元新撰組隊士ってとこかい」ニィッ
130:
元新撰組だったっけ?
132:
>>130
じんえは新撰組
人斬りを楽しんでたからクビ
134:
屋敷に突入する四人。
般若「私は御庭番衆密偵方、般若」ザッ
式尉「俺は御庭番衆本丸警護方、式尉」ザッ
般若&式尉「次は我々がお相手しよう」
観柳「……どうやら先ほどの二人とは、格が違うようですねェ」
刃衛「面白い……あの般若面は俺に譲れ」ニィッ
左之助「んじゃ、あっちの筋肉バカは俺に任せてもらうぜ!」
観柳「分かりました」
観柳「では私はこの先にいる、御庭番衆の“御頭”を相手するとしましょう!」
弥彦とともに、さらに奥の部屋に突入する観柳。
バァンッ!
観柳「あなたが御頭、四乃森蒼紫ですねぇ?」
蒼紫「そうだ」
蒼紫「抜刀斎と戦うため、私怨はないが貴様にはここで死んでもらう」
三局の戦いが幕を開けた。
142:
般若「キエエエエッ!」
シュバッ! シュバァッ!
般若の鉤爪が、刃衛の頬を切り裂く。
刃衛(紙一重でかわしたはずだが──)ツ…
刃衛(なるほど、あの腕の入れ墨が目測を狂わせているのだな)
刃衛「うふふ、こうでなくては面白くないっ!」
ギャリンッ! シュバァッ! ザシュッ!
般若「私は御庭番衆密偵方、般若! お前の剣術もすでに調査済だ!」
刃衛「うふふ」
刃衛「ならばこれはどうかな?」ギュルッ
ザバシュッ!
般若「が、は……っ!」
般若(刀を背中に回し、持ち手を入れ替えるとは……!)ドサッ
刃衛「“背車刀”までは知らなんだか」
刃衛「だが、なかなか楽しいひとときだったぞ」
147:
ドゴォッ!
左之助「ちぃっ!」
式尉「俺の拳とお前の拳じゃ、俺の方が上のようだな」
左之助「たしかにな……一発の威力じゃ、俺はてめぇに劣るかもしれねェ」
左之助「だが観柳のおかげで、俺は新しい技を編み出したんだぜ!」
ドガガガガガガガガッ!
まるでガトリングガンのように、拳を放つ左之助。
式尉(こんな喧嘩屋が……乱打だと!?)
左之助「てめぇの肥大した筋肉じゃ、こんな芸当は無理だろ!」ドガガガガッ
式尉「くっ……俺様は全身凶器、武器は拳だけじゃねぇんだぜ!」グオッ
左之助「うおおおおおっ!」グオッ
ゴッ……!
両者の頭突き同士がぶつかり合い──
式尉「あ……ぐぅ」ドサッ
左之助(へ……頑固親父譲りの石頭も、たまには役に立つもんだ……)
154:
蒼紫「勝負だ、ガトリング斎」チャッ
観柳「小太刀ですか……」
観柳「たしか通常の刀より小回りがきく分、防御力に長けるとか……」
蒼紫「博識だな。防御に徹した俺の小太刀は、ライフルの弾すら防ぎきる」
観柳「ならば、ガトリングガンの弾はどうでしょうかねェ!?」
ガルルルルルル……!
蒼紫「ぐああ……っ!」ドサァッ
一瞬で足を撃ち抜かれる蒼紫。
弥彦「すげぇ、やっぱ観柳は無敵だ!」
蒼紫「さすがはガトリング斎……殺せ」
蒼紫「でなくば、俺は抜刀斎だけでなく貴様をも狙うぞ」
観柳「かまいませんよ、私はいつでも受けて立ちます」
観柳「それに……あいにく弾切れになってしまいましたのでねェ」
すると──
168:
バンッ!
剣心「あれほど大口を叩いたわりに敗北とは、無様なものでござるな」ザッ
蒼紫「抜刀斎……!」
剣心「しかしながら、ガトリングガンを弾切れまで使わせたのは見事」
剣心「褒美として、今から約束を果たしてやるでござる」チャキッ
弥彦「てめぇ! もうそいつは足を撃たれて、立つこともできねぇんだぞ!」
剣心「童(わっぱ)……戦いで、怪我や病気など言い訳にもならんでござるよ」
観柳(まずいですねぇ、この状況で緋村剣心が出てくるとは……)
観柳(弾を補充しなければ蒼紫さんは助けられない……!)
観柳(しかし、あの男がそんなスキを与えるとは考えられない……!)
剣心「まずは動けぬ蒼紫を始末し、次にガトリング斎を斬る」
剣心「童は半殺し程度にとどめ、落人群にでも放り込んでやるでござるよ」
弥彦(ち、ちくしょう……ここまでなのかよォ!)
175:
バァンッ!
式尉「ちょっと待ったァ!」
般若「御頭の前にまずは我々御庭番衆が」
ひょっとこ「てめぇの相手を」
べしみ「してやるぜ!」
剣心「負け犬が束になったところで、拙者の飛天御剣流は破れぬよ」チャキッ
般若「ガトリング斎」ボソッ
般若「お前がガトリングガンの弾を補充して、抜刀斎を撃つのに何秒で足りる?」
観柳「十五……いや、十秒あれば」
般若「そんなに早いのか!?」
般若「ならば我々四人でなんとか抜刀斎を食い止めるから」
般若「お前は抜刀斎を狙ってくれ」
観柳「……すみませんねぇ」
御庭番衆、決死の戦いが始まった。
186:
だが──
ザシッ! ドシュッ! ズバッ! ビシュッ!
蒼紫「般若! 式尉! ひょっとこ! べしみ!」
すでに傷を負っていたこともあり、四人は五秒足らずで倒された。
剣心「手負いで拙者に挑むとは、過信もいいところでござるな」
剣心「だが、四人ともかろうじて生かしてはいる」
剣心「そしてこうやってこいつらを、人質兼肉壁にしてしまえば──」グイッ
剣心「いかにガトリング斎といえど、手の打ちようがなかろう」
観柳「くっ……!」
蒼紫(この俺が不甲斐ないばかりに……!)
剣心「こいつらを殺されたくなくば、ガトリングガンから離れろ!」
観柳「く、くそっ……!」スッ…
ガトリングガンから離れる観柳。
187:
弱者を守るための飛天御剣流の教えとはなんだったのか。
189:
2行で4人死なすなwww
190:
例のシーンがほぼカットされとるwww
196:
剣心「おぬしがそのガトリングガンを購入する資金を稼ぐまでに」
剣心「どれほど汗水流して働いたかは知らぬが──」
剣心「並大抵の努力ではなかったはずでござろう」
剣心「だが“陸の黒船”飛天御剣流の力さえあれば、働く必要など絶無!」
剣心「刀でもって脅してやれば、金を払う必要など一切ないのだからな……」
剣心「とはいえ便利ではあるから、これからは阿片で金をも掴み取るつもりでござるが」
剣心「刀! これこそまさに力の証!」
剣心「真の『最強』は拙者! 死ぬでござるよ!」ジャキッ
ギュオッ!
神にて、丸腰の観柳に斬りかかる剣心。
弥彦「観柳ッ!」
観柳(薫さん、弥彦君、左之助さん、刃衛さん……お別れですねぇ……)
ザシュッ!
202:
剣心「がっ……!?」
刃衛「うふっ……やはりこの感触、いいねえ」
剣心(しくった! 他に気を取られ、こいつのことを忘れていた……!)ガクッ
刃衛「うふわははははは! トドメはくれてやる、やれ!」
観柳「感謝しますよォ、刃衛さん!」
ガトリングガンを構える観柳。
剣心「!」
剣心「ま、待つでござるよ! た、助け──」
観柳「命乞いなら、あなたのお好きな刀様に頼んでみろ!!!」
ガルルルルルルルルルル……!
剣心はあっという間に、両肩と両足を撃ち抜かれた。
剣心「ぐあぁぁぁ……! おろぉぉぉぉ……!」ゴロゴロ
弥彦(さすが観柳……かろうじて“不殺”は守ったみてーだな)
206:
大怪我じゃねぇかwwww
211:
かwwwwろwwwwうwwwwじwwwwてwwww不wwww殺wwwwwwww
212:
さすがは刃衛だ…
219:
駆けつけた警官隊によって、緋村剣心は逮捕された。
左之助「蒼紫たちは揃って行方をくらましちまったが、これであの女狐は助かったな」
刃衛「一件落着といったところか」
観柳「…………」
弥彦「観柳、どうした?」
観柳「私もどこかで一歩道をずれれば──」
観柳「彼のような、非道な悪徳商人になっていたかもしれませんねェ」
弥彦「そんなことねェさ!」
弥彦「仮になったかもしれなくとも、なってねぇんだから関係ねぇよ!」
観柳「ありがとうございます……弥彦君」
刃衛「さてとお前ら、これから赤べこで祝勝会といかんか」
刃衛「今日はいい肉を仕入れたからな。最高の牛鍋ができそうだ」
刃衛「道場で待ってる神谷の娘も呼んでくるといい」
左之助「よっしゃあ!」
観柳「たまには少しくらい勘定を払いましょうね、左之助さん」
226:
赤べこ──
刃衛「最高級の霜降り肉だァ!」ザクザクザクザク
刃衛「うふわはははははははは!」ザクザクザクザク
長岡「なんなんだ、この店は……なんなんだ、あの料理人は!?」
長岡「どうやら……とても俺らの手に負える店じゃねえな」
手下A「そうっすよ、幹雄さん! ありゃ異常っすよ!」
手下B「やめときましょう! あんなのと鉢合わせになったら絶対殺されますよ!」
長岡「マジメに……働くとするか」
長岡「あばよ、燕。色々と迷惑かけたな」ザッ
燕「幹雄様も……お元気で」
こうして人知れず、赤べこの危機は去った。
233:
その後も石動雷十太なる剣客がやって来たが──
雷十太「武田ガトリング斎、吾輩と究極の殺人剣“真古流”を築こうではないか!」
観柳「結構です」
ガルルルルルル……!
雷十太「ひぃぃぃっ! あ、危ないではないか!」
刃衛「なんだ、このろくに人を斬ったこともなさそうな刀とツラをぶら下げて」
刃衛「殺人剣などとほざいている愚物は」ギロッ
雷十太「あわわわわ……! 体が動かない……!」ジョボボ…
由太郎「先生がこんなに情けなかったなんて……俺、神谷道場に移ります」
雷十太「そ、そんな……お前がいないと真古流の資金が……」
左之助「とっとと出ていきやがれ!」
ドゴォッ!
雷十太「げぶぅっ!」ゴロゴロ
観柳と仲間たちによって、あっさり撃退された。
242:
さらに、絵師・月岡津南が炸裂弾で内務省襲撃を試みるが──
ガルルルルルル……!
津南「バカな! 炸裂弾の導火線だけをガトリングガンで撃ち抜くとは!」
観柳「バカはそちらです」
観柳「こんなバカなことは中止し、今すぐ引き返しなさい」
左之助「さすがは観柳、かなわねぇな」
左之助「克よぉ……もっと隊長があの世で笑ってくれるようなやり方で」
左之助「政府の腐ったやり方を正していこうぜ」
津南「……分かった」
観柳「では炸裂弾は重火器に詳しい私が、穏便に処分しておきましょう」
左之助「ありがとよ」
観柳によって未遂に終わった。
251:
しかし、かつての宿敵の登場によって、平穏な日々は終わりを告げる。
神谷道場──
薫「なんなのよ、この人……!?」
観柳「まさか、あなたは──斎藤一!?」
斎藤「十年ぶりだな、ガトリング斎」
斎藤「十年という月日は抜刀斎もそうだったが、人を腐らせるには十分な時間のようだ」
観柳「今さら、何をしに来たんです?」
斎藤「思い知らせに来ただけだ」
斎藤「刀とガトリングガンという違いはあれど──」
斎藤「俺たちと貴様は敵同士ながら、“悪・即・斬”という正義を共有していた」
斎藤「おっと、貴様の場合は“悪・即・射”か」
斎藤「“不殺”となった人撃ちなどに、なんの意味も価値もない」
観柳「あなたが何をいおうと、私はもう人を殺めるつもりはありませんねェ」
斎藤「そうか、ならば──」
斎藤「お前の全てを否定してやる」チャキッ
252:
悪・即・射wwwwwwwwwwwwwwww
262:
>>252
外道な感じがする
265:
斎藤「行くぞ!」
ガルルルルルル……!
斎藤はあっという間に、足を撃ち抜かれた。
斎藤「ぐおおっ……!」ドサァッ
観柳「あなたらしくもありませんねぇ……なぜこんなマネを?」
斎藤「うぐ……つい先日の大久保卿暗殺事件……」
斎藤「あれは……志々雄一派の仕業だ」
観柳「志々雄! ……あの男、生きていたのですか?」
斎藤「危険因子として政府に処分されたはずだったが、奴は生きていた」
斎藤「そして明治政府を転覆させるため、京都を拠点に暗躍を始めている」
斎藤「俺は政府の密命を受け、貴様に志々雄討伐の要請をしに来た」
斎藤「と同時に……貴様の実力を見極めに来たのだ」
斎藤「だがいくらガトリングガンといえど、“不殺”では奴らには勝てん」ググッ…
斎藤「もし志々雄を討伐する意志があるなら、“不殺”を捨て、京都に向かえ」ヨロ…
268:
よえええwwwwwwwww
269:
新撰組三番隊組長とはなんだったのか
270:
おいwwwwwwww
271:
斎藤wwwwwwwwwwwwww
272:
やっぱりwwwwww
276:
まさに最強
280:
薫「ねえ、行かないわよね!?」ガシッ
薫「あなたは武田観柳なのよ! 人撃ちガトリング斎なんかじゃないのよ!」
観柳「しかし……志々雄は危険な男です」
観柳「あくまで私利私欲のために動いていた緋村剣心とはちがい」
観柳「その欲望に際限はなく、放っておけば日本中を喰らい尽くすでしょうねぇ」
観柳「ですから……私は京都に行きます」
薫を抱きしめる観柳。
観柳「ありがとう……そして、さよなら」
観柳「私は流浪人兼実業家」
観柳「また流れるのです」
観柳「せめてもの詫びとして、全財産の半分をあなたに差し上げます」
ザッ……
明治十一年五月末
この日、武田観柳は再び流浪人に戻り、漆黒の闇の中へ、独り消えていった──
288:
翌日──
薫「──ってことなの! 私も京都に行くわ!」
左之助「俺も行くぜ! あのヤロウ、挨拶も無しに出ていきやがって!」
弥彦「俺も行く!」
由太郎「もちろん俺もな!」
恵「私は患者さんがいるから、行けないわ」
刃衛「うふふ……」
刃衛「京都か……新撰組を抜けて以来、行っていないが面白そうだ」
刃衛「是非、俺も行かせてもらおう」
刃衛「妙、無期限の休暇をもらうぞ」
妙「しょうがない人やなぁ」
燕「皆さん……頑張って下さい!」
302:
そして、観柳は京都への道中で、巻町操と遭遇していた。
操「えーっ!? アンタ、蒼紫様たちと戦ったの!?」
観柳「えぇ、その後彼らはどこかに行ってしまいましたがねぇ」
操「蒼紫様とアンタ、どっちが勝ったのよ!」
観柳「私ですよ、もちろん」
操「ウソつけ! 蒼紫様がアンタみたいな青ビョータンメガネなんかに負けるか!」
観柳「ホントですよ、これでね」ガチャッ
ガルルルルルル……!
操「うわぁぁぁぁぁっ!?」
観柳「それはさておき、あそこに村があります」
観柳「休憩がてら寄っていくことにしましょう」
操「なんかさびれた村だけど……ま、いっか」
303:
見せるために試しうちするなwwwwwww
304:
余裕の無駄撃ち
305:
これはししお戦が楽しみwww
311:
新月村──
操「なにこれ……村っていうか廃墟じゃない!」
観柳「ふ〜む、人が全く見当たりませんねぇ」
ザザザッ!
二人を囲む大勢の兵隊。
兵士「ここは偉大なる志々雄様が、政府のブタどもから勝ち取った土地!」
兵士「余所者には、死あるのみ!」
操「なんなのよ、こいつら!?」
観柳「ほう、もしかして志々雄がここにいたりするのですか?」
兵士「!」ギクッ
観柳「分かりやすい人たちですねェ」
兵士「黙れ! 余所者には死あるのみ!」
ガルルルルルル……!
兵士たちは手足を撃ち抜かれ、全滅した。
320:
志々雄の館──
志々雄「アンタがあの“人撃ちガトリング斎”か」
観柳「はろぉう」
志々雄「だが、“不殺”でこの俺を倒そうなんざ100年──」
ガルルルルルル……!
志々雄「ぐがっ……!」ドサッ
一瞬にして、志々雄は足を撃ち抜かれた。
志々雄「ち……ここは退くとするか」
宗次郎「はい」ダッ
尖角「ヴァアアアアアアアッ!」ズアッ
ガルルルルルル……!
尖角「ぐぎゃあああああっ!」ドサッ
尖角も足を撃ち抜かれた。
しかし、尖角を撃っていた隙に、志々雄は宗次郎に運ばれて逃げてしまった。
観柳(すごい足のさですねぇ……。私としたことが、逃がしましたか……)
337:
斎藤「だからいっただろう」ザッ
斎藤「“不殺”では志々雄には通用せん、と」
観柳「斎藤さん、あなたも来ていらしたんですか」
斎藤「ふん」
斎藤「とにかくお前の中途半端な攻撃で、奴に火をつけちまったことは間違いない」
斎藤「奴は京都に着き次第、お前を倒すために動くだろう。俺に同行しろ」
観柳「いえ、私は操さんとともに京都の御庭番衆と合流させてもらいましょう」
斎藤「ほう……? そのイタチ娘、御庭番衆だったのか」
操「だれがイタチよ!」
斎藤「ま、駒が増えるに越したことはないな」
斎藤「では俺は一足先に京都に行く」
観柳「分かりました」
観柳「…………」
観柳(やはり“不殺”では、あの悪鬼を止めることはできないのでしょうか……)
344:
葵屋──
操「ここがあたしの家よ!」
観柳「これはこれは、立派な料亭ですねぇ」
翁「おお、操! ──と、そちらは武田ガトリング斎殿、ですな?」
観柳「なぜ、私のことを……!?」
翁「実は昨日、御頭である四乃森蒼紫が部下を連れて帰ってきましてな」
翁「東京での出来事は全て聞いております」
観柳「ふうむ、なるほど」
翁「あと、蒼紫と一緒にあなたの東京の仲間も来ておりますぞ」
観柳「!」
358:
薫「ごめんね……来ちゃった」
弥彦「挨拶も無しに出ていくなんてひどいぜ!」
由太郎「俺、絶対足手まといにはならないよ!」
刃衛「うふふ、話は聞いたぞ。志々雄真実……楽しめそうだ」
観柳「皆さん……ご心配をおかけしました」
観柳「ところで、左之助さんは来られなかったのですか?」
刃衛「あのトリ頭は修業しながら来るといっていた。すぐ追いつくだろう」
蒼紫も姿を現す。
蒼紫「ガトリング斎、道中で操が世話になった」
観柳「お久しぶりですねぇ」
蒼紫「貴様には東京での借りがあるからな。我々も力を貸そう」
観柳「御庭番衆が協力してくれるとは心強い。感謝いたします」
観柳(これでこちらの戦力は整った……。あとは志々雄がどう出てくるか……)
369:
比叡山アジト──
志々雄「方治、京都大火と東京砲撃は後回しだ」
志々雄「足にもらったこの傷は、俺自身の隙が招いたもの」
志々雄「今、宗次郎に各地に散った十本刀を招集させているが──」
志々雄「十本刀が集まり次第、まずは人撃ちガトリング斎とその仲間を仕留める」
方治「……なるほど」
方治「ガトリング斎はガトリングガンの扱いに長けるだけでなく」
方治「一個人には不相応なほどの財力と、商人らしい合理的思考を備えると聞きます」
方治「放置しておいては、この先どんな邪魔立てにあうか分かりません」
方治「グズグズしていると、ますます力をつける恐れもある」
方治「精鋭で以って、一気に叩き潰すのが得策やもしれませんね」
志々雄「決まりだな」ニッ
「その話、拙者にも一枚噛ませて欲しいでござるよ」
384:
由美「きゃああっ!?」
方治「だれだ貴様! どうやってここまで入った!?」
剣心「拙者は緋村剣心。おぬしらと同様、ガトリング斎と因縁がある者でござる」
方治「な……! 東京で逮捕されたと聞いたが、脱獄していたのか!」
志々雄「顔を合わせるのは初めてだな、先輩」
志々雄「肩と足とガトリングガンで撃たれたと聞いたが、大した回復力だ」
剣心「撃たれる瞬間、わずかに照準をずらしていたでござるよ」
剣心「長時間は動けぬが、人を一人二人斬るくらいなら問題はない」
志々雄「だが、東京で敗れたてめえがいっぱしの戦力気取りか?」
志々雄「悪いが、俺も弱者と組むってのはご免被りてえ」
志々雄「どうしても一枚噛ませて欲しいってんなら、なにか土産を──」
剣心「……つい先日、師匠より飛天御剣流の奥義を会得してきた」
方治「なんと!?」
志々雄「ほう……おもしれぇ」
志々雄「いいだろう、同盟成立だ」
401:
葵屋──
志々雄一派から、観柳宛に果たし状が届いた。
『決闘を申し込む』
『日時は明日』
『場所は比叡山北東中腹、六連ねの鳥居の祠』
『当方の戦力は志々雄真実、十本刀、客人一名』
観柳「なるほど……斎藤さんのいうとおり、彼に火をつけてしまったようですねェ」
蒼紫「だが、決闘の方が無駄な犠牲を出さず、手早く決着をつけられるな」
刃衛「こんな面白そうな祭り、もちろん俺も参加させてもらうぞ」
左之助「俺も下諏訪で身につけた新技で、暴れてみせるぜ!」
左之助「──にしても、客人一名ってのが少し気になるな」
観柳「あの男が客と認めるほどの人物です。おそらく相当な使い手でしょうねぇ」
403:
ガトリングガンに技名がないのにどうやって5連激のシーンを再現するんだ
409:
>>403
ガ、ト、リ、ン、グ!って一文字ずつ言えばいい
404:
翌日、観柳たちは志々雄のアジトがある比叡山へと出発した。
流浪人兼実業家 武田観柳
元喧嘩屋 相楽左之助
赤べこ料理人 鵜堂刃衛
元新撰組三番隊組長 斎藤一
御庭番衆御頭 四乃森蒼紫
神谷活心流門下生 明神弥彦
神谷活心流門下生 塚山由太郎
御庭番衆密偵方 般若
御庭番衆本丸警護方 式尉
御庭番衆京都探索方 柏崎捻至
414:
>>404
地味に翁が来てるw
413:
アジトの門番として、“破軍”の二人が立ちはだかる。
才槌「ひょ〜ひょっひょっひょっひょ!」
才槌「来よったか! 身の程知らずの蟻どもが!」
才槌「ずいぶん頭数がおるようじゃが、このワシと不二にとってみれば」
才槌「キサマらなど踏み潰されるだけの蟻に過ぎん! ここでまとめて──」
ガルルルルルル……!
ガルルルルルル……!
ガルルルルルル……!
不二「ぐおおおお……!」ドズゥ…ン
足を撃ち抜かれ、不二は倒された。
観柳「おやおや、あの老人も落ちて気絶してしまったようですねぇ」
翁「ジジイ同士、ぜひ戦ってみたかったのに残念だわい」
424:
由美「ようこそいらっしゃいました」
由美「ここには九つの扉がございます」
由美「扉の中には、それぞれこちら側の兵が一人ずつ待ち受けております」
由美「もし全員を倒せたら、志々雄様のいる場所へ案内いたしましょう」
観柳「中にいるのは残りの十本刀と客人、というわけですか」
斎藤「ふん、こんな余興はさっさと済ませるに限る」ギィィ… バタン
刃衛「うふふ、俺はここにさせてもらおうか」ギィィ… バタン
蒼紫「俺はここだ」ギィィ… バタン
左之助「せっかくだから俺はこの扉を選ぶぜ!」ギィィ… バタン
般若「私はここにしよう」ギィィ… バタン
式尉「俺様はこっちだ!」ギィィ… バタン
翁「ワシはこっちの敵を相手しよう」ギィィ… バタン
弥彦「由太郎、俺たちはここにしようぜ!」ギィィ…
由太郎「おう!」バタン
観柳「では私は、残るこの扉にしましょうかねェ」ギィィ… バタン
432:
翁「おぬしがワシの相手か」
方治「“百識”の方治……いざ参る!」チャッ
翁(銃剣……!)
パンッ! パンッ! パンッ!
翁(くっ、十本刀のくせに銃なんて卑怯じゃわい!)ダッ
方治「他の御庭番衆ならいざ知らず、とうに隠居した老人など私の敵ではない!」
翁「たしかに……ワシは御庭番衆最強の座は、とうに蒼紫たちに譲った……」
翁「じゃが」
キィンッ!
方治「な……トンファーで弾丸を弾いた!?」
方治「し、しまっ──(接近され──)」
翁「円殺轟鉤棍!!!」
ズガァッ!
方治「げぶぅ……っ!」ドサッ
翁「御庭番衆“最恐”の座まで譲った覚えは、ない」
442:
式尉「俺様の相手は、鎌女ってわけかい」
鎌足「あら、私は鎌女じゃなくてカマ男よ」ザリッ
式尉「ならお互い遠慮は無用……超重武器同士、派手にやり合おうかい!」
ズガァッ! ドゴォッ! ガキィンッ!
轟音を立ててぶつかり合う、巨大鉄球と大鎌。
ブチィッ!
大鎌によって、巨大鉄球の鎖が切断される。
鎌足「勝負あったわね。そして攻防一体の“乱弁天”……これで詰みよ」ギュルルルルルッ
式尉「アンタのが技量は上だってのは認めよう。ならば俺はこの筋肉を信ずるのみ!」
筋肉を頼りに、強引に乱弁天を突破しようとする式尉。
鎌足「な、なんですって!?」
式尉「うおおおおおおおおおッ!」グオッ
ガツンッ!
式尉の頭突きが、鎌足を打ち倒した。
式尉「ぐっ……俺の体にまた傷が増えちまった……がな」ガクッ
446:
張「御庭番衆が相手なら、出し惜しみはせえへんで」シュルッ
張「調べによるとアンタ、間合いをごまかす術が得意らしいが」
張「この“刀狩”の張と“薄刃乃太刀”に、それは不可能や!」ギロッ
シュバッ! シュッ! シュルンッ! ザシュッ!
般若「くっ……!」
張「ハハハハハッ! アンタの間合いの外からじっくりと解体(バラ)したる!」
般若「ならば──これはどうだ」カパッ
張(な、なんやあのツラ!?)ギョッ
般若(今!)シュッ
ドゴォッ!
張「化け物ヅラで猫だましとは、せこいマネしおって……! ──このダボがァッ!」ビュッ
般若「この勝負、冷静さを欠いたお前の負けだ。──砕(サイ)ッ!」
ズドォッ!
般若渾身の突きが、張の顔面を打ち抜いた。
般若「私としても、この素顔をこんな使い方はしたくはなかったがな」
448:
やだ…みんなかっこいい…
450:
その頃、弥彦と由太郎は──
弥彦「やたら天井が高い部屋だとは思ったがこんなのアリかよ!」
由太郎「あれじゃ、こっちの攻撃は全く届かない!」
蝙也「貴様らのようなガキが、俺の飛空発破を破れるワケがなかろう」
蝙也「後がつかえているんだ。さっさとくたばれ」ポイッ
ズガァンッ! ドゴォンッ!
弥彦「くっ……由太郎! あのコウモリ野郎は、耐久力はさほどでもねえはずだ」
弥彦「竹刀を投げるぞ!」ブンッ
由太郎「おうっ!」ブンッ
ガゴッ! ガスッ!
蝙也「見苦しい悪あがきをしよって! ならば……“空中飛空発破”!」ズガァンッ
蝙也は爆弾を空中で爆発させ、さらに高度を上昇させた。
弥彦「ちくしょう……これじゃもう打つ手がねえ!」
「よくやった、二人とも。ここからは吾輩に任せてもらおうか」ザンッ
由太郎「あ、あなたは……!」
452:
おい……まさか……
453:
まさかのwwwwwwwwwwwww
464:
由太郎「雷十太先生!」
雷十太「由太郎、お前に“情けない”と罵られた後、吾輩は己を見つめ直した」
雷十太「これまでの自分を恥じ、技と精神の修養を重ねた」
雷十太「現在吾輩は殺人剣ではなく伝統武術として、古流の再生を目指しておる」
雷十太「そして騙していたお前に一言詫びをしようと、神谷道場を訪ねたのだが──」
雷十太「戦いのため京都に向かったと聞き、ようやく追いついたのだ」
由太郎「俺はもう神谷活心流の剣士だけど……先生が来てくれて嬉しいです!」
弥彦「へっ、人間変われば変わるもんだな」
蝙也「いつまで俺を無視して、ゴチャゴチャとしゃべっている!」
蝙也「ガキ二匹にウドの大木が加わったところで、俺の勝利は揺るがん!」
雷十太「秘剣“飛飯綱”……二連撃!」キィンキィン
ザシュッ! ズバァッ!
蝙也「俺の翼が斬られ……うわぁぁぁぁぁっ!」ヒュルルルルル…
ズドォンッ!
新生・石動雷十太、“飛翔”の蝙也をみごと撃墜。
483:
ズドォッ! ドズゥッ!
夷腕坊「ぐふふっ……おでにこぶし、効かない……」ニィッ
左之助「さすがはデブ……ぶ厚い脂肪してやがる」
左之助「だったらコイツだ! 破壊の極意、二重の極み!」
ズガァンッ!
夷腕坊「ぐふ……!?」
ドバァンッ!
二重の極みの衝撃で、夷腕坊は粉砕された。
左之助「オイオイ、まさか破裂しちまうとは……! ──ん!?」
外印「やれやれ、二重の極みを使える者が安慈の他にもいたとはな。誤算だったよ」
外印「あの技には、衝撃吸収機巧も意味をなさんからな」
左之助「なるほど、あのデブは人形だったってワケかい」
外印「“丸鬼”の夷腕坊改め、“機巧芸術家(からくりあるていすと)”の外印」
外印「作品を壊された借りは、きっちりと返させてもらう!」
492:
外印「再起不能は覚悟せい!」ヒュッ
シュバァッ! ザシュッ!
左之助「ちっ、なんだこの糸は!? 触れるだけで皮膚が切れやがる!」
外印「斬鋼線……拳一辺倒のお前に破れるシロモノではない」
左之助(たしかに……まともにやり合ったら、全身ズタズタにされちまう)
左之助「──なら、こうしてやらぁ!」
バァンッ! ズガァンッ! ドォンッ!
周囲の壁を、二重の極みで破壊しまくる左之助。
外印「勝機はないと悟り、トチ狂ったか……」
外印「む!?」
外印(土煙で……私の視界を遮りおったか! ど、どこへ!?)
左之助「こっちだ、ボケ」
ドボォッ!
外印「が、は……!」ドサッ
500:
安慈「ぬうんっ!」ブウンッ
蒼紫「無駄だ」ユラ…
蒼紫「お前の拳……もし触れれば、ただでは済まないことは分かる」ユラ…
蒼紫「だがお前の巨躯では、この流水の動きはとらえられまい」ユラ…
ザシュッ!
安慈「がっ……!」ヨロッ
蒼紫「お前は外法の悪というわけではなさそうだ。大人しく負けを認めろ」
安慈「ま、まだだ……!」ググッ
安慈「炎の中で命を落としたあの子たちが輪廻の環をくぐり転生するその時まで」
安慈「“明王”の安慈は負けるわけにはいかぬのだ!!!」
ブオンッ!
安慈の拳が、蒼紫の腹部をかする。
蒼紫「ぶっ……!」ゴブッ
蒼紫(並大抵の威力ではないと予測していたが、かすめただけでこれほどの衝撃とは……)
安慈「ぬおおおおおっ!!!」
502:
ブウンッ! ブオンッ! ブウンッ!
蒼紫(さすがは十本刀、流水の動きに徐々に対応し始めている……)ユラ…
蒼紫(だが、次の一撃で──)タンッ
安慈「ぬうんっ!」
グサッ!
安慈が床に突き刺した剣から、二重の極みの衝撃が伝導する。
蒼紫(遠当て──!)ドザァッ
安慈「ぬああああっ!」
拳でトドメを刺そうとする安慈。
蒼紫「だが俺とて待つ者がいる。まだ死ぬわけにはいかん」チャッ
蒼紫(回天剣舞六連!!!)
ズザザザザザザッ!
安慈「私は……“明王”は……負けぬ!」ググッ…
蒼紫(この僧……精神が肉体を凌駕しているようだな)
505:
蒼紫「俺もかつて、“最強”の二文字にとらわれていた」
蒼紫「だが、武田に敗れ、抜刀斎の手で般若たちを失いかけ、樹海で修業を重ね」
蒼紫「ようやく気づいた」
蒼紫「俺は行き場のない部下のためにではなく──」
蒼紫「部下のせいにして、最強を追い求めていたに過ぎなかったと」
蒼紫「お前も同じことだ」
蒼紫「死んだ子供とやらは、お前が“明王”になることなど望んでいなかったはず」
蒼紫「お前は子供たちの願いから目を逸らし、怒りを発散しているだけに過ぎん」
安慈「黙れぇっ!」
ズボォッ!
小太刀の柄が、安慈のノドにめり込んだ。
安慈「ごあ……っ!」ドサッ
蒼紫「いかに強靭な肉体だろうと精神だろうと、呼吸器を塞がれれば倒れざるをえまい」
蒼紫「いずれお前も気づく時が来るだろう……この俺のようにな」
508:
刃衛は十本刀“盲剣”の宇水と交戦していた。
宇水「この程度か? ま、志々雄を殺る前の準備運動にはちょうどいい強さだ」
刃衛(盲人ゆえ、“心の一方”は全く効かぬし)
刃衛(動きを先読みされ、こちらの技はあの亀甲の盾によってさばかれてしまう)
刃衛(まさに最悪の相性といえる)
刃衛(だが──)
刃衛「これでいい!」
刃衛「これでこそ斬り合いは面白い!」
刃衛「うふわははははははあああっ!!!」ダッ
宇水「狂人め……」
宇水「だが狂人とて、我が心眼から逃れることは不可能!」ギュルン
ドズッ!
宇水の手槍ローチンが、刃衛の太ももに突き刺さる。
刃衛「どうだ? この俺の肉の感触は……」ニタァ…
宇水「悪くない」ニィッ
511:
刃衛「肉をえぐってくれた礼に、こちらも奥の手を使わせてもらおう」
刃衛「我! 不敗! 也!」ググ…
刃衛「我! 無敵! 也!」メキメキ…
刃衛「我……最強なり」シュウウ…
宇水(心拍数が増大し、筋肉が膨張した!? おそらくは自己催眠の一種……!)
刃衛「これぞ影技“憑鬼の術”……行くぞ!」ダッ
宇水(いっ! しかも威力が桁違いに上がっている!)
ズガァッ!
宇水「(ティンベーに亀裂!?)おのれぇ! ──宝剣宝玉百花繚乱!」シュバババッ
刃衛「おっとォ!」ザッ
宇水(く……完璧な交差法だったはずだが、傷三つとは!)
刃衛「人は“思い込む”ということに、とかく脆い」
刃衛「昔の俺は、自分は死ぬまで人斬りに過ぎぬと思い込んでいたが」
刃衛「ガトリング斎……いや、観柳によって料理人という新たな道を示された」
刃衛「宇水といったか……お前もそうなんじゃないか?」
515:
刃衛「俺も剣客のはしくれ、洞察力には優れているつもりだ」
刃衛「志々雄を殺すといいつつお前は……自分は志々雄に勝てないと思い込んでいる」
宇水「な!?」
刃衛「うふふ、どうやら図星だったようだなァ!!!」ザッ
宇水「何が可笑しい!!!」ザッ
ドシュッ……!
二人の剣客が交差する。
刃衛「……ぐっ」ガクッ
宇水「動揺が、技を曇らせたか……」ニィッ
宇水「心眼も……自分の心までは……見抜けな、んだ……」ドサッ
刃衛「この場は生かしておいてやろう」
刃衛「もっともその後鮮度を取り戻すか、さらに腐るかまでは、面倒みきれんがね」
刃衛(そういえば、京都には赤べこの姉妹店があると聞いたが、後で寄ってみるか)
刃衛(久々に人の肉を斬ったら、ますます牛の肉を斬りたくなっちまった)
519:
新撰組最強ともいわれた男は、幕末最強といわれた因縁の敵と対峙していた。
斎藤「…………」
剣心「十年ぶりでござるな、斎藤」
斎藤「ふん……俺はお前など知らん」
剣心「なっ!?」
斎藤「己の剣に溺れた愚物など、俺の眼中にはないからな」
剣心「拙者を侮辱するでござるか!? 飛天御剣流、龍翔──」
ドズゥッ!
剣心「ぐ、は……っ!」
斎藤「加減した牙突すらかわせんとは……心だけでなく技量も地に落ちたようだな」
剣心「さ、さすがでござるな……」
剣心「ならば拙者も、師匠のもとで会得したこの技で応じよう」
剣心「飛天御剣流、奥義──」チャッ
526:
剣心「屑龍閃!!!」
剣心「細目! 政府の犬! スダレ頭! 不良警官! かけそば中毒!」ダッ
剣心(相手を罵倒しながら、敵に突きを放つ!)
剣心(怒り狂った相手は、防御も回避も不可能!)
剣心(これぞ飛天御剣流奥義“屑龍閃”!!!)ビュッ
ガキンッ!
剣心「え」
斎藤「俺を相手に突きで勝負とは、地に落ちたどころのハナシではなかったか」
斎藤「阿呆が」
斎藤「もはや出す必要もないが、かつて貴様用に編み出した技で勝負を決めてやる」
   牙 突 零 式 ! ! !
ズドォッ!!!

比古(あんな濁った眼をした奴に、本当の奥義など伝授するわけなかろう)グビッ
比古(バカ弟子が……!)
527:
このままだと志々雄フルボッコだな
531:
ひでえwww
533:
ひどい技だwwwwwww
541:
剣心「ぐあああああっ!」
剣心「拙者の右腕がぁぁぁ……っ!」ゴロゴロ
斎藤「惨めだな。今の貴様は、俺の“悪・即・斬”には到底値しない」
斎藤「だが俺はガトリング斎のように甘くはない……。金輪際、剣は振るえまい」
斎藤「目障りだ、とっととこの場から消え失せろ」
斎藤「そしてその歪んだ剣と心にまみれた人生を、一人空しく完遂することだ」
斎藤「貴様にはお似合いの末路だ……」
剣心「うぐっ……一片の淀みなく……己が道を貫く……」
剣心「簡単なようで……なんと難しいでござるか……」
剣心「斎藤……おぬしはこれから近代化する明治で……」
剣心「どこまで刀に生き……“悪・即・斬”を貫けるで、ござるかな……」
斎藤「無論、死ぬまで」
因縁の対決は、斎藤一の完勝に終わった。
547:
そして──
武田観柳の相手は、十本刀最強“天剣”の宗次郎であった。
宗次郎「じゃあさっそく、始めましょうか」
観柳「えぇ」
観柳(この青年の足のさは、ガトリングガンをも避けかねませんねェ……)
宗次郎(ガトリングガンに手加減は無用……“瞬天殺”で一瞬で決めちゃおう)キンッ
宗次郎が刀を鞘に納めた瞬間──
観柳「今です!」
ガルルルルルル……!
宗次郎「うわぁぁぁっ!」ドサッ
宗次郎はあっという間に足を撃ち抜かれた。
宗次郎「ぼくは……間違っていたんですか……!?」
観柳「えぇ、間違っていました」
観柳「あなたの足のさを生かせる職業なら、他にも色々あるはずからねぇ」ニコッ
こうして観柳たちは、志々雄一派の精鋭を全員打ち破った。
559:
由美「ま、まさか……!」
由美「宗のボウヤや、抜刀斎まで敗れるなんて……!」
観柳「さてと、志々雄のところへ案内してもらいましょうか」
由美「分かったわ……」
由美「だけど志々雄様に挑めるのは一人ずつ……誰から挑むの?」
観柳「無論、私です」ニィッ
観柳「構いませんよね、皆さん?」
斎藤「好きにしろ。貴様が殺られたら、俺が志々雄を殺すだけのこと」
蒼紫「異論はない」
刃衛「それなりに楽しめたし、一番美味しいところは譲ってやろう」
左之助「頼むぜ、観柳!」
弥彦「ここまで来たら、一気に決めちゃってくれよ!」
567:
大灼熱の間──
志々雄「待っていたぜ、ガトリング斎」
志々雄「てめえに撃たれた足の傷がうずきやがる……」
志々雄「俺の糧になれ」
ギャリィ……ッ!
志々雄「終の秘剣、火産霊神(カグヅチ)!!!」
観柳「近代兵器、回転式機関砲(ガトリングガン)!!!」
両者の最大奥義が激突する!
ブオアアァァァァッ……! ガルルルルルルルルル……!
志々雄「グアアアアッ!」ドサッ
足を撃ち抜かれる志々雄。
この瞬間こそまさに、時代が志々雄真実でなく武田観柳を選んだ瞬間であった……!
568:
銃は剣より強しか…
574:
>>568
名言だなこれは
582:
志々雄「俺の弱肉強食という信念も──」
志々雄「てめえのガトリングガンには遠く及ばなかった、というわけか……」
観柳「志々雄さん、弱肉強食という信念、なにも武力にこだわる必要はないでしょう」
観柳「実業家の観点からいわせてもらいますが」
観柳「商売の世界も、弱肉強食である部分が多々ありましてねェ」
観柳「例えば客がよく来る店は繁盛し、客が来ない店は潰れるのみです」
観柳「あなたは武力では私に及びませんでしたが──」
観柳「商売の世界では通用する可能性が残されている」
観柳「あなたは弱肉強食を掲げる場所を間違えていただけなのです」
観柳「これからは、今までとは違う場所で実力を発揮すべきでしょう」
志々雄「…………」
志々雄「フッ……一理あるかもしれねえな」
592:
死闘は幕引きとなった。
首領である志々雄が観柳に完敗したため、一派は解散。
配下の兵隊は大部分が捕縛された。
特攻部隊である“十本刀”の面々もその能力を買われ、
明治政府と裏取引をし、第二の人生を送ることになった。
しかし、裏取引に応じなかった者たちもいた。
彼らはというと──
593:
登場人物誰も死んでねぇwww
真の不殺や…
596:
赤べこ──
宗次郎「買い出しに行ってきます」シュンッ
志々雄「牛鍋に火をつけるか。シャアアアアアアッ!」ボワァッ
安慈「二重の極みで、ゴミを粉砕!」ズガァッ
方治「私が赤べこの経営を徹底的に改革してやる!」ギロッ
由美「いらっしゃいませぇ」ウフッ
鎌足「客引き対決、由美さんには負けなくてよ」ウフン
宇水「我が心眼で、良質な食材を選び抜く!」ニィッ
宗次郎「買い出し終わりました」ザッ

妙「あの新入りの人たち、ホントよく働いてくれて助かるわぁ」
観柳「適材適所……これが“びじねす”における基本ですからねェ」
薫「さすが観柳ね!」
刃衛「うふふ……これで赤べこはますます繁盛するというわけだ」
605:
落人群──
オイボレ「ええじゃないか、ええじゃないか〜……おや?」
剣心「もういい……もう疲れた……」
オイボレ(ふむ……)
オイボレ(どうやらこの若者は、“捨てて”しまったようじゃのう)
オイボレ「ほれ若いの、シケモクでもどうじゃ?」
剣心「!」ピクッ
剣心「吸うでござる! 吸うでござる!」ガバッ
オイボレ「落人群はお世辞にも良き場所とはいえぬが」
オイボレ「なんの楽しみもない場所、というワケでもない」
オイボレ「こうして出会ったのもなにかの縁」
オイボレ「これからは共に肩を寄せ合って生きていこうではないか」
剣心「うむ……そうでござるな!」スパー…
609:
剣心が疲れてるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
614:
剣心…すっかりくたびれちゃって…
615:
しかし、観柳にはまだ清算しなければならない過去が残されていた。
神谷道場──
観柳「薫さん」
観柳「かつて私がまだ“人撃ちガトリング斎”だった頃──」
観柳「闘いの最中、私は自分の妻を撃ってしまったことがあるのです」
薫「え……」
観柳「雪代巴……美しく、そして誰よりも優しい女性でした」
観柳「おそらく彼女の弟は、今でも私を恨んでいることでしょう」
観柳「これは実業家としての勘ですが、まもなく彼は私の前に立つ」
観柳「そんな気がするのです」
観柳「ですが、私はようやくこの罪を償う方法を見つけたのです!」
薫「観柳……」
まもなく、観柳の予感は現実となる。
625:
縁「俺の姉さんを殺した罪! 上海で身につけた倭刀術でもって人誅を下してやる!」
ガルルルルルル……!
縁「ぐおああぁぁぁっ!」ドサッ
足を撃ち抜かれる縁。
観柳「聞きなさい」
観柳「私はあなたに慰謝料を支払う準備があります」
縁「慰謝料だと!? ふざけ──」
縁(姉さん!?)
縁(俺の中にいる姉さんが今までにないくらい、笑顔になった!)
縁(姉さんは……アイツを許すというのか……!)
縁「俺の……負けだ……。同志にも伝えておく……!」ガクッ
観柳「どうやら……巴さんが微笑んでくれたようですねェ」
   示 談 成 立 ! ! !
そして時は流れ……
628:
おいwww
629:
適当すぎだろwwwwwwwwwwww
630:
慰謝料wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
634:
罪を償う方法って示談かよwwwww
644:
神谷道場──
弥彦「チィーッス」
薫「あ、来たわね」
弥彦「これから出稽古だってのになんの用だよ、観柳」
観柳「弥彦君、あれから色々ありましたねェ……」
観柳「私は薫さんと結婚し、薫さんは息子、観路を出産しました」
観柳「恵さんは会津に戻り、左之助さんは日本を出て、斎藤さんは異動……」
観柳「赤べこは刃衛さんや志々雄さんたちのおかげでさらに繁盛し」
観柳「そこに雪代縁の人脈も加わったことで、今や海外展開を始めるほどです」
観柳「京都にいる御庭番衆も蒼紫さんを中心に、楽しくやっているようです」
観柳「そしてあなたもまた、燕さんや由太郎君、雷十太さんといった仲間に恵まれ」
観柳「今や日本有数の剣士となりました」
弥彦「どうしたんだよ観柳、今日はやけに多弁じゃねえか」
観柳「構えなさい」
観柳「一本勝負です」ガチャッ
657:
薫「弥彦、今日はあなたの十五歳の誕生日でしょ」
薫「元服っていって、昔の武士ならもう一人前として扱われるわ」
弥彦「!」
弥彦(そうか、観柳は俺が一人前になったか試そうとしてるんだ!)
弥彦「よしっ!」ザッ
観柳「では薫さん、合図をお願いします」
薫「──始めっ!」
弥彦「うおおおおっ!」ダンッ
ガルルルルルル……!
弥彦は一瞬にして足を撃ち抜かれた。
弥彦「ぐあぁぁぁっ!」ドサッ
弥彦「へへ……やっぱかなわねぇか……」
観柳「えぇ、ですがいい気迫でしたよ」
659:
やりやがったwwwwwwwwwwwwww
660:
やっぱり駄目じゃねえかwwwwwwww
662:
こうなると思ったよwwwwwwwwwwwwww
668:
わかってたんだ…わかってたんだよ…
くっそwwwwwwwwwwwww
671:
観柳「今日は、あなたに受け取って欲しいものがあるのです」
観柳「弥彦君、元服の祝いにこれをぜひ受け取って下さい」ガシャ…
弥彦「回転式機関砲(ガトリングガン)……!」
弥彦「こんな大事で高価なもん、いくらなんでも受け取れねえよ!」
観柳「いえ」
観柳「次代を担うあなたにこそ、これを託したいのです」
弥彦「…………」
弥彦「分かったぜ、観柳」ガチャッ
観柳「しばらくは扱いに苦労するかと思いますが」
観柳「あなたなら、いずれガトリングガンを自在に使いこなせるようになるでしょう」
観柳「そしていつか、私を越えて下さい」
弥彦「ああ!」
695:
薫「……ねぇ、やっぱり十五年共に過ごしたガトリングガンを手放すのは寂しい?」
観柳「ふ〜む……寂しさもありますが、嬉しさの方が上ですかねェ」
観柳「いずれは観路にも、弥彦君のような立派な若者になってもらいたいものです」
薫「ふふふ、そうね」
観路「おかねもちこそ、このよでさいきょう!」
薫「観柳」
観柳「はい?」
薫「とりあえず、お疲れ様!」
    るろうに観柳 明治回転式機関砲浪漫譚 〜 完 〜
700:
乙。おもしろかった!
701:
お疲れ!面白かったよ
703:
今年屈指の名スレだった
乙!
704:
素晴らしいSSだった
マジ乙
705:
ここまでしっかり作りこんでくるとは、超乙、これ以上ない乙
706:
縁を示談させちゃったのが一番ワロタwwwww
乙www
708:
久しぶりに爆笑したわwwwww
乙!
713:
これぞ本物の抜刀斎が為し得なかった
本当の不殺の物語
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