橘純一「明日から修学旅行だ!」back

橘純一「明日から修学旅行だ!」


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寝かさねえぜ(意味深)
70: 以下、
なんかもう紳士がリア充過ぎて辛い
俺の修学旅行の思い出に女の子が登場する事は無いぜ!
まぁ当時K的中二病真っ盛りで女子避けてたんだけれども
72: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:44:38.85 ID:BPoS8XS7o
【3日目 自由行動 京都 下鴨神社境内】
棚町「えーとなになに、『賀茂御祖神社境内』……ほんとにココでいいのかしら?」
棚町「……でも行ってみるしかないわね、この先で恵子たちと会えるかもしれないし」
棚町「それにしてもツイてないわねー。まさか修学旅行中に迷子になるなんて」トボトボ
棚町「だいたい、いくら自由行動だからって一日中縁結びにしなくても
いいじゃない。あちこち結び目が絡まって、こんがらがるだけよ」
棚町「やっぱり反対するんだったなー。…………それにしても長っい参道ね、木ばっかりじゃないの」
橘「あれ、薫?」
棚町「えっ、ええ? じゅ、純一? ……なんでアンタがここにいんのよ!」
74: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:45:38.47 ID:BPoS8XS7o
橘「自由行動のコースなんだよ。ていうかお前、どうして一人でこんなとこ歩いてるんだ?」
棚町「うっ、それは……」
橘「それは?」
棚町「それは……てかよく見たらアンタも一人じゃないの! 梅原君たちは?」
橘「ああ……それが、実は僕班のみんなとはぐれちゃって」
棚町「……つまり、アンタも迷子ってわけね」
橘「『も』ってことは、やっぱり薫もか」
棚町「わかってんだったら、最初から聞かなきゃいいじゃない!」
橘「いや、でも、高校生は迷子にならないだろ。普通」
棚町「じゃあアンタは異常ね」
橘「お前もな」
橘・棚町「…………はあ」
76: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:47:41.01 ID:BPoS8XS7o
??????
棚町「――つまり妹さんへのお土産を探していたら、
いつの間にか梅原君たちとはぐれてしまった、と」
橘「ああ。はぐれたのに気がついてから慌ててみんなを探しまわったんだけど、
結局見つからなくってさ。仕方がないから班の次の目的地に行けば
合流出来るんじゃないかと思って、こうして一人でやって来たってわけさ」
棚町「ドジねーアンタ」
橘「うっ。……そういう薫はなんで一人なんだよ?」
棚町「あたし? あたしはねえ、お昼食べた後にふらふらーっとしてたら、
なんかみんないなくなっちゃってたのよ」
橘「僕とたいして変わりないじゃないか!」
棚町「高校生にもなって迷子になるなんて、恵子たちにも困ったものよね」
橘「迷子になったのはお前だろ!」
棚町「アハハ、そうだっけ?」
77: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:48:22.40 ID:BPoS8XS7o
橘「そうだっけ? じゃないよまったくもう。
――探しものは見つからない、梅原たちとははぐれる、電車もバスも
ゴチャゴチャしててよくわからないから歩きまわって、もうクタクタだよ」
棚町「あーもう、グダグダ言わない! 男でしょ! ――見てみなさいよ、
ずーっと向こうまで木立が続いてて、中々素敵なところじゃないの」
橘「まあ、確かに」
棚町「深呼吸でもしてみたら? マイナスイオンのパワーでリラックスできるわよ」
橘「マイナスイオン?」
棚町「やだアンタ、知らないの? 今話題なのよー。滝とか森の周辺には
マイナスイオンが豊富で、健康にもいいんですって」
橘「ふーん」スーハー
棚町「どう? リラックスできたっしょ?」
橘「うーん、そうだな……なんとなく頭がスッキリしたような」
棚町「ほら見なさい! よーしそれじゃあ気を取り直して、レッツゴー!」スタッ
橘「お、おい待ってくれよ薫」スタスタ
橘(マイナスイオンか、初めて聞いたな)
橘(それにしても薫のやつ、こんな状況だっていうのに、普段とちっとも変わらないんだなあ……)
78: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:51:41.20 ID:BPoS8XS7o
??????
橘「そういえば薫、薫たちの班は自由行動、『縁結びツアー』なんだろ? 
下鴨神社に縁結びの御利益なんてあるのか?」
棚町「んーあたしもね、恵子に聞いただけだから詳しくは知らないんだけど、
今いるこの境内のどこかに『相生社』っていう有名な縁結びの社があるらしいのよ」
橘「ふんふん」
棚町「そんでね、その隣には、二本の木がひとつに結ばれた『連理の賢木』って呼ばれる
御神木もあるんですって。つまり、それがあたしたちの班の目的地ってわけ」
橘「ふーん。まあこの森には、そんな神さまがいてもおかしくない雰囲気はあるかもな。
風が葉っぱを揺らす音なんか聞いてると、いかにもって感じで」
棚町「もしかしたら、本当に神さまがいるかもしれないわよ?」
橘「じゃあこの広い森のどこかに、縁を結ぼうとする神さまと、
それを求める田中さんが蠢いてるってわけか」
79: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:52:51.43 ID:BPoS8XS7o
棚町「ふふっ、そのはずなんだけどね。……今のところ、両方共影も形もないわね」
橘「梅原たちの姿も見えないし、このまま合流できなかったらどうしよう……」
棚町「まあその時はさ」
橘「その時は?」
棚町「仕方がないから、この後もあたしたち二人で楽しみましょうよ」
橘「そんなことしていいのかな?」
棚町「あら、こんな美少女とデート出来る機会を、アンタみすみす逃す気?」
橘「どこに美少女がいるって?」キョロキョロ
棚町「ここ、ここ」
橘「僕にはさっぱり見えないな。……まっ、一人でいたってつまんないし、
それに僕一人じゃ無事に宿まで帰れるか心細いからな、付き合うよ」
棚町「よし、じゃあ決まりね」
橘「ああ」
80: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:53:45.81 ID:BPoS8XS7o
??????
橘「なあ薫、薫が探してたのってあれじゃないのか? 『えんむすびの神』って看板出てるぞ!」
棚町「ほんとね、行ってみましょう! ――うん、これよこれ! 相生社!」
橘「じゃあこの隣にある木が……」
棚町「連理の賢木ね」
橘「へえ、これが……」
棚町「こっちが見つかったのはいいけど、肝心の方がね」
橘「田中さんたち、いないみたいだな」
棚町「まだ来てないのかしら? それとも……」
橘「少しここで待ってみたらいいんじゃないか? どのみち田中さんたちが先に
来てたんだとすれば、もう追いつくのは難しいだろうし」
棚町「それもそうね」
橘「ここにいれば、梅原たちも通りかかるだろうしな」
81: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:55:02.92 ID:BPoS8XS7o
??????
棚町「……」
橘「……」
棚町「暇ね」
橘「ああ」
棚町「……」
橘「……」
棚町「ねえ、なにか芸でもやってよ」
橘「なんで僕が……縁結びでもしたらいいんじゃないか?」
棚町「縁結び?」
橘「元々その予定だったんだろ?」
棚町「そりゃそうだけど……そうだ、アンタもやりなさいよ。ついでだし」
橘「えっ? ぼ、僕はいいよ……」
棚町「なんでよー?」
橘「縁結びとか、好きじゃないんだよ」
棚町「わかった。縁結びしても彼女が出来なかったら、悲しいもんねー」
橘「ち、違うよ! わかった、やるよ。やればいいんだろ? まったく」
棚町「へへ、そうこなくっちゃー」
82: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:56:04.12 ID:BPoS8XS7o
??????
橘(なになに、まず絵馬に願い事を書くのか……なんて書こう? 願い事か……)
橘「よし、こんなもんかな」
棚町「書けたの? 見せて」チラッ
橘「お、おい。見るなよ!」
棚町「いーじゃない、減るモンじゃあるまいし」
橘「じゃあ先にお前のを見せてみろよ」
棚町「あら! 乙女の秘密を覗き見しようだなんて……とんだ変態ね」
橘「だーれが乙女だ」
棚町「まあ大方『クリスマスまでに彼女が欲しいー』とか
そんなんでしょ? ここ縁結びの神さまなんだし」
橘「……そりゃ、一応な。大体ここまで来て『サラサラストレートヘアーに
なりますように』とか書いてたら、おかしいだろ」
棚町「それは誰の願い事かしら?」ガシッ
橘「く、首を絞めるな、息が!」
橘(でも背中に感じるこの柔らかい感触は! ……ってそんなこと考えてる場合じゃない!)
橘「タンマタンマ! スミマセンデシタ! カオルサマ……」
棚町「ったく。わかればいいのよ、わかれば」
橘「はあ……苦しかった」
棚町「それじゃ、さっさとお参り済ませちゃいましょ。
次はこの絵馬を持ってお社の周りをぐるぐる回るんですって」
橘「そんなことするのか!」
棚町「そこで貰った手引書に、そう書いてあるもの。さっ、行きましょう。善は急げよ」スタスタ
橘「あ、ああ」スタスタ
83: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:56:43.42 ID:BPoS8XS7o
??????
棚町「えーと次は、『お社の前で二礼二拍手一礼』ですって」
橘「縁結び一つに随分と手間がかかるんだな、この神社」
棚町「んーでも、その方が御利益ありそうじゃない」
橘「まあ、言われてみれば」
棚町「でしょう? ――では」
棚町「…………」ペコ
橘「…………」ペコ
橘(……そういえばここは縁結びの神さまなんだから、薫の願い事も
当然恋愛のことなんだよな? ……薫に彼氏か。……うーん、あんまり想像つかないな)
84: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:57:21.13 ID:BPoS8XS7o
棚町「……一、純一!」
橘「……ん、なんだよ薫」
棚町「なんだよじゃないでしょ? どしたの、ボケーッとして」
橘「いや、なんでもないよ」
棚町「そう? ちゃんとお参りはした?」
橘「あ、うん」
棚町「そっ。じゃあ次は『連理の賢木に結わえてある綱を二回引く』ですって。それで終わりみたい」
橘「――綱ってこれのことか? でもこの綱二本あるぞ? 左右に一本ずつ」
棚町「えーとちょっと待ってね。……ふんふん、『男女の場合は両側から引く』んだって」
橘「ああ、なるほど。じゃあ僕は左にするよ」
棚町「で、あたしが右ね。――用意出来た?」
橘「ああ!」
棚町「じゃ、せーの!」シャンシャン……
橘「――よし、これでお終いだな」
85: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:58:18.39 ID:BPoS8XS7o
棚町「んー、なんだか達成感があっていいわね、これ」
橘「……ところでさ薫、ちょっと気になったんだけど」
棚町「ん、なにー?」
橘「僕たち今、最後のお参りを一緒にやったろ?」
棚町「うん、それが?」
橘「この場合、『僕たち二人の縁』を結んだことになるんじゃないのか?」
棚町「…………え?」
橘「だからさ、これだと僕と薫の……」
棚町「えええええー!」
橘(ああ、やっぱり薫も気がついてなかったのか……)
86: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 21:59:53.26 ID:BPoS8XS7o
棚町「で、でも、『男女の場合は』って手引書に書いて……」
橘「もしかしてそれ、『カップルの場合は』ってことなんじゃないか?」
棚町「あ……うう……」
橘「……やれやれ、また早とちりか」
棚町「アンタも気づいてたんなら言いなさいよ!」
橘「僕も終わってから気がついたんだよ……」
棚町「うう……」
橘(なんだか結構動揺してるみたいだな、薫のやつ
……そんなに嫌だったのかな? ちょっとショックだよ……)
橘「でもまあ、気にすることないよ、薫」
棚町「……えっ?」
橘「よく考えてみろよ、僕と薫は元々縁が結ばれてるようなもんじゃないか」
棚町「えっ? ……じゅ、純一まさか、それって……」ドキッ
橘「だってそうだろう? 僕たちはすでに『腐れ縁』って縁で結ばれてるじゃないか」
棚町「…………は?」
87: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:00:50.82 ID:BPoS8XS7o
橘「腐れ縁の悪友。神さまだって、僕たちの関係くらい
わかってるさ。だからそんなに心配しなくても……」
棚町「……」
橘「薫?」
棚町「……あ、うん。そ、そうよね! 腐れ縁、腐れ縁! もう、脅かさないでよね!」アタフタ
橘「うん? まあだからあんまり気にすることないよ。それに、たかが縁結びなんだし」
棚町「べ、別にあたしは気にしてなんか!」
橘「その割に顔が真っ赤だぞ」
棚町「これは色々動き回ったから!」
橘「もしかして、僕とカップルになってるところを想像しちゃったとか?」
棚町「ぅ…………///」
橘(……え、もしかして恥ずかしがってる、のか? ウソだろ? まさか本当に……)
橘(……あれ、どうしたんだろう? なんだか急に薫のことが可愛く見えてきたような……)
棚町「そんな訳ないでしょうが! なに言ってんのよ!」
橘「だ、だよな! あはは……。ごめんごめん」
棚町「ったく、ばっかじゃないの?」
橘「悪かったよ、珍しくうろたえてる薫を、ちょっとからかってみたくなったもんだから」
棚町「大体あたしたちは――」
???「おーい、薫ー!」
橘・棚町「――!」
88: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:02:00.54 ID:BPoS8XS7o
棚町「恵子? 違うの今のは!」アタフタ
橘「そうだよ田中さん、これは僕の悪ふざけで!」アタフタ
棚町「…………恵子?」
橘「誰もいないな……」キョロキョロ
棚町「今の声、確かに恵子のだったわよね?」
橘「たぶん、そうだったと思うんだけど」
棚町「だってあたしの名前を呼んだのよ? 恵子ー? いるんだったら出てきなさーい!」
橘「……本当にいないみたいだな」
棚町「じゃああの声は一体……。まさか、恵子の怨霊? 
先に縁結びをしちゃったあたしたちに、恨みを抱いてるのかも」
橘「お前は田中さんをなんだと思ってるんだよ! ……聞き間違いかなにかだろ?」
棚町「……まあ、あんまり釈然としないけど、そういうことにしときましょうか。……疲れたわ」
橘「僕もだよ、その辺少しで休むか」
棚町「そうね」
橘(田中さんの声が聞こえた気がしたんだけどなあ……)
橘(薫が可愛く見えたり、僕に気があるように思えたのも、勘違いだったのかな?)
橘(ホッとしたような、残念なような……)
90: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:03:13.32 ID:BPoS8XS7o
??????
10分後
田中「あ?、いたいた! 薫?!」
棚町「……恵子」
田中「あっ! 橘君もいる!」
橘「やあ田中さん……。ひょっとしてその後ろにいるのは」
梅原「よう大将! 探したぜ?」
橘「梅原! 班のみんなも」
棚町「どうして梅原君たちが?」
田中「薫がいなくなちゃった後に、班のみんなと薫のこと探してたんだけど、
その時同じように橘君を探してた梅原君たちと会って」
橘「それで……」
田中「聞けば目的地もほぼ一緒だし、そこに行けば二人も
見つかるかもしれないって思ったから、合流したの」
棚町「なるほどね」
田中「そんな呑気に! 探したのよ? 二人とも」
棚町「ごめんね? ついボーっとしてて」
橘「僕も、反省してます……」
田中「まったくもう……」
91: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:05:06.04 ID:BPoS8XS7o
梅原「まあまあ田中さん、無事見つかったんだから、その辺にしといてやんなよ」
橘「梅原……」
梅原「修学旅行中だって、少しは夫婦水入らずで過ごしたかったんだろう? わかるぜ、その気持ち」
棚町「なっ!」
橘「違う、誤解だ!」
梅原「ああ、大将。お前が遠くに感じるぜ……」
田中「そうだったの?」
棚町「たまたまよ、たまたま!」
92: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:06:13.64 ID:BPoS8XS7o
梅原「隠すなよ? 自由行動中にこっそり抜け出して、二人で落ち合う計画だったんだろ?」
橘「違うって言ってるだろ! 迷子になってる時この参道で、偶然会っただけだよ!」
田中「ほんと??」
棚町「本当よ! なんであたしが純一と」
田中「ふ?ん」ニヤニヤ
梅原「二人が揃ってたもんだから、つい深読みしちまったぜー」ニヤニヤ
橘「勝手な行動して悪かったよ、だからもう勘弁してくれ……」
梅原「わかったわかった」
田中「――じゃ、薫。行きましょ?」
棚町「行くって何処に?」
田中「決まってるでしょ、縁結びよ、縁結び。――橘君もどう? 男子もみんなするって」
橘「あっ、僕は……」
棚町「……ごめん恵子。あたしもう、済ませちゃった、縁結び。……その、純一と……」
田中「へ?え」ニヤニヤ
梅原「お熱いこって」ニヤニヤ
棚町「だっ、だから違って言ってるでしょうが!」
93: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:09:13.87 ID:BPoS8XS7o
【旅館 ロビー】
梅原「着いた着いた!」
橘「くたびれたな」
梅原「おいおい、くたびれたのはこっちだぜ? お前を探すのに、俺たちゃ随分苦労したんだからよ」
橘「あ、そうだったな……ごめん」
梅原「しかも、棚町とデートしてるとはよう」
橘「あ、あれは事故みたいなものだって」
梅原「そうかい?」
橘「そうだよ」
橘(でももし、あのまま梅原たちと遭遇しないままだったら、
下鴨神社のあとも、薫と二人きりで半日行動出来たんだよな……)
橘(ちょっと惜しいことしたかな? ……いやいや、何を考えてるんだ僕は!)
橘(それにしても、あの謎の声はいったい何だったんだろう?)
橘(田中さんに聞いみても、知らないって言うしな)
95: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:10:51.25 ID:BPoS8XS7o
梅原「お、桜井さんたちだぜ」
香苗「やほー」
梨穂子「やほ?、おかえり純一。自由行動楽しかった?」
橘「ああ、それなりにな」
梅原「それなりどころじゃ…………あ、いやこいつ、迷子になってよ、探すの大変だったぜ」
香苗「えー、ほんとに?」
橘「あ、うん……。少しボーっとしててさ。あはは……」
梨穂子「でもちゃんと見つけてもらえたんだ?」
橘「なんとかな」
梨穂子「なら良かったけど」
梅原「世話がやけるぜ」
橘「悪かったよ」
96: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:12:09.79 ID:BPoS8XS7o
梨穂子「でも私、こんな都会で迷子になったりしたら、旅館まで辿りつけないまま死んじゃうよ……」
香苗「いやーそれは……」
橘「はは……僕も危なかったよ。バスや電車に乗ろうと思っても、
路線図がゴチャゴチャしてて、どうなってるのかさっぱりわからないし」
梨穂子「ああ?、あれ見ると頭がこんがらがっちゃうよね?。
私も全然だから、香苗ちゃんにおんぶにだっこだったよ」
香苗「でも桜井のおかげで、美味しいものいっぱい食べられたからね」
橘「今日も『茶道の勉強』だったのか。……あんまり食べ過ぎるなよ?」
梨穂子「こ、これは茶道部員としての義務だよ! だから仕方ないんです!」
橘「義務ねえ」
香苗「桜井はお夕飯抜きね」
梨穂子「そんなあ、香苗ちゃん……」
香苗「冗談よ。さて、もう部屋に戻ろ? 足がくたくたよ」
梨穂子「そだね、じゃあ二人ともまたね?」パタパタ
橘「ああ、またな」
97: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:12:59.31 ID:BPoS8XS7o
梅原「……なあ、大将。物は相談なんだがよ」
橘「なんだよ?」
梅原「どうよ、今夜も天国の扉を叩いてみねえか?」
橘「天国って……! じょ、女子部屋に行くのか?」ソワソワ
梅原「おうよ。昨夜のメンツ辺りにまた声掛けてみて……な? 
お楽しみの続きといこうじゃねえか」ヒソヒソ
橘「……悪くないな」
梅原「じゃ、決まりだな」
高橋「あーら、橘君に梅原君。こそこそしちゃってなんの相談かしら?」
橘「た、高橋先生……」
梅原「な、なんでもないっすよ」
橘「そうそう……それでは……」スタスタ
高橋「待ちなさい?」
98: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:13:50.89 ID:BPoS8XS7o
橘「えっ?」
高橋「あなた達二人には、これから就寝時間まで、みっちり特別補習を受けてもらうから」
梅原「はい?」
橘「なんで、僕たちがそんなことを?」
高橋「あーら、いやだ。わかってるでしょ? 昨夜は……大層お楽しみだったらしいじゃないの?」
橘「なんでそれを!」
梅原「バカ!」
高橋「昨夜、あなた達が女子部屋のあるフロアに忍び込んで、
こそこそと怪しい行動をとっていたと、報告があってね」
梅原「な……」
高橋「修学旅行だからってはしゃぎ過ぎている二人には、
たーっぷりとお灸を据えてあげる必要があるみたいね」ゴゴゴゴゴ
橘「そんな……」
高橋「わかったかしら?」
橘・梅原「……はい」
橘(さようなら、僕の天国……)
99: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:17:39.02 ID:BPoS8XS7o
【4日目 夜 大阪 天保山ハーバービレッジ】
梅原「嫌になるくらいカップルだらけだな、ここは」
橘「デートスポットらしいからな、当たり前だよ」
橘(潮風を感じながらショッピングモールでは買い物を楽しめて、さらに水族館や
観覧車まであるなんて、至れり尽くせりだな。――まあ僕には関係ないか)
梅原「しかしこうしてよく見ると、うちの学校の連中も男女で
ひっついてるのが多いじゃねえか。けっ、どいつもこいつも浮かれやがって」
橘「修学旅行最後の夜、そして自由時間。そりゃ誰だって多少は浮つくさ」
梅原「赤い糸をたぐり寄せるのに、必死ってわけだ」
橘「だな」
100: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:18:32.93 ID:BPoS8XS7o
梅原「――どれ、俺もいっちょ行ってみっかな」
橘「僕も行くよ」
梅原「おっと、悪りいがこっからは別行動な」
橘「なんでだよ?」
梅原「お前と一緒だと……どうも、おいしいとこ取りと言うか……
お前に女の子を持ってかれる気がしてよ」
橘「そんなことないだろ」
梅原「いや、まあともかくだ、俺は俺で主役になれるよう
見えない所で頑張るから、大将も頑張れよ。
――清水の舞台から飛び降りられるようにな。じゃな」スタスタ
橘「あ、ああ……」
橘(行ってしまった。……僕はどうしよう? その辺を適当にぶらついてみるか)
102: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:19:25.99 ID:BPoS8XS7o
??????
橘(――あれ、あの後ろ姿は……絢辻さん、だよな? 観覧車の前に佇んで、なにやってるんだろう?)
橘(観覧車を見上げてるのかな? なんとなく元気なさそうに見えるのは、僕の気のせいだろうか……)
橘(どうしよう、声をかけてみるべきか、否か……)
橘「あ、あの、絢辻さん?」
絢辻「橘君?」
橘「えーと、こんなところでなにしてたの?」
絢辻「え? その……ただ観覧車を眺めてただけ、かな」
橘「そうなんだ。綺麗だよね、その、光ってて」
絢辻「ふふっ、そうね」
橘「巨大なクリスマスツリーに見えないこともないよね!」
絢辻「それは……ちょっと大きすぎるんじゃない?」
橘「あ、そうだよね! あははは……」
橘(これじゃなんか僕、凄くバカっぽくないか?)
103: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:22:28.15 ID:BPoS8XS7o
絢辻「橘君、私に何か用だった?」
橘「あ、ううん。――ただ、どうかしたのかなーって思って……」
絢辻「……そう?」
橘(『いつもと違う雰囲気に見えたから』なんて、恥ずかしくて僕にはとても言えないな……)
橘「絢辻さんは、観覧車には乗らないの?」
絢辻「……うん、私はいいかな。こうして眺めているだけで、充分だから」
橘「そうなんだ」
絢辻「……」
橘「……」
橘(マズい! このままだと会話が終わってしまう。……なにか、打開策は……)
橘「あ、あのさ、絢辻さん――!」
105: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:23:30.70 ID:BPoS8XS7o
??????
係員「それではどうぞ、ごゆっくり?」
 バタンッ
橘(絢辻さんと観覧車で二人きり……)
橘(多少強引だったけど、まさかオッケーしてもらえるとは……。誘ってみるもんだな)
 シーン
橘(……せっかくの機会だ、なにか話さなきゃ)
橘「修学旅行ももうすぐ終わっちゃうね、明日の今頃はもう家かな?」
絢辻「……」
橘「?」
絢辻「……そうね、なんだかあっという間だったわ」
橘「ずっと続けばいいのにね、修学旅行」
絢辻「うん、そうね」
橘(あれ、ひょっとして機嫌を損ねちゃったかな? なにかマズいこと聞いただろうか……)
106: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:26:01.93 ID:BPoS8XS7o
橘「――うわ、もうこんな高いところまで上がってきてたんだね」
絢辻「ほんと――ここまで来ると、人がみんな蟻ん子みたいに
ちっちゃく見えちゃうわね。クラスの子たちも何人か見えるわ」
橘「下でデートしてる人たちを見て、さっき梅原がボヤいてたよ。
『みんな浮かれやがって』とか、『赤い糸をたぐり寄せるのに必死だ』とかって」
絢辻「その梅原君は?」
橘「たぶん、赤い糸をたぐり寄せるためにあちこち動き回ってるんじゃないかな」
絢辻「つまり、ナンパ?」
橘「うん。まあ結果はしれてるけどね」
絢辻「あら、そんなふうに言ったらかわいそうよ」クスクス
橘「はは」
絢辻「――でもそれだけみんな、一生懸命なのよね。幸せを求めて」
橘「梅原は特にね」
絢辻「そんなに頑張ってたら女子の人気が梅原君に集中し過ぎて、
クラスの人間関係がこんがらがっちゃうんじゃない?」
橘「梅原をめぐって、女の子たちの争いが起きる、ってこと?」
絢辻「そう。もしそんなことになったりしたら、大変よ?」
橘「絢辻さん、本当にそんな心配してる?」
絢辻「さあ、どうかしら。嘘だと思うんだったら、『ダウト』って言ってもいいわよ?」クスクス
橘「はは、勘弁してよ……」
絢辻「ふふふっ」
107: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:27:39.26 ID:BPoS8XS7o
橘「あ、絢辻さん、後ろ、夜景が綺麗だよ」
絢辻「――本当ね。さすがに私たちの町とは違うみたい」クルッ
橘「冬になって雪が降ったりしたら、もっと綺麗なんだろうね」
絢辻「うん、素敵だと思うわ」
橘「絢辻さん冬は好き?」
絢辻「そうね、私クリスマスが好きだから」
橘「へえ、じゃあ創設祭とかも」
絢辻「ええ、楽しみよ。橘君は嫌い? クリスマス」
108: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:28:31.98 ID:BPoS8XS7o
橘「うーん、嫌いじゃないけど……ちょっと苦手かな」
絢辻「あら、どうして?」
橘「べ、別にこれといった理由もないんだけどね。でも創設祭には、去年参加しなかったんだ」
絢辻「そうなの……今年は出てみたら? きっと楽しいわよ」
橘(えっ! それってもしかして、『一緒に創設祭まわりましょ』的な?)
絢辻「それに、一応学校行事よ?」
橘「そうだね、今年は出てみようかな!」
絢辻「え? ええ、そうね」
橘(あ、絢辻さんと二人で創設祭……!)
橘(もし本当にそうなったとしたら、最高のクリスマスだろうな……)
109: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:29:20.57 ID:BPoS8XS7o
??????
 ガチャ
係員「ご利用ありがとうございました」
絢辻「眺めも良くて、楽しかったわね」
橘「うん。観覧車って初めて乗ったけど、僕も楽しかったよ」
絢辻「初めてって……橘君、観覧車に乗ったことなかったの?」
橘「いや、その……実は僕、高い所がちょっと苦手でさ、
だからこれまで観覧車とかの類は敬遠してたんだ」
絢辻「……そうだったの」
橘「あはは……」
絢辻「でもそれなら、どうして私を観覧車に誘ったりしたの?」
110: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:30:08.93 ID:BPoS8XS7o
橘「それは、その……絢辻さんが、本当は乗りたいんじゃないかと思って……」
絢辻「えっ?」
橘「あ、でも僕も乗ってみたかったというか! だけど一人で乗るのもあれだし!
あの、その……実際に乗ってみると中々いいものだね!」アタフタ
橘(若干足がフラフラするけど)
絢辻「……クスッ。ねえ、橘君ってなんだか――」
橘「絢辻さん?」
絢辻「……ううん、ごめんなさい。なんでもないの」
橘「そ、そう?」
絢辻「それじゃ橘君、私もう行くね?」スッ
橘「あ、うん……」
橘(ああ、やっぱりちょっと調子に乗りすぎたかな……)
絢辻「そうだ」クルッ
橘「?」
絢辻「誘ってくれてありがとう、橘君。――本当は乗りたかったの、観覧車」
115: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:50:48.72 ID:BPoS8XS7o
【5日目 空港】
高橋「じゃあみんな、集合時間までには必ず戻ること、いいわね?」
橘(関西とももうすぐお別れか)
橘(……やっぱり今日も、絢辻さんは元気なさそうに見えるな)
梅原「修学旅行も、もう終わりだな」
橘「梅原」
梅原「缶コーヒー、飲むか?」スッ
橘「ああ、サンキュ」
梅原「あっち行って座るか」
橘「そうだな。――なあ梅原、絢辻さんなんだけどさ」
梅原「絢辻さん? 絢辻さんが、どうかしたか?」
116: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:51:33.68 ID:BPoS8XS7o
橘「うん、なんか元気ないと思わないか?」
梅原「……んー、そうか? 俺には普段とあんま変わんねえように見えたけど」
橘「そっか……」
梅原「……ふーん」
橘「ん?」
梅原「いやまあ、楽しかった旅行が終わっちまうんだ、誰だって嫌になるってもんだぜ。
俺だって家に帰ったら、店の手伝いやらなんやらが待ってんだからよ」
橘「大変だな」
梅原「つらいけど、仕方がねえさ。これが寿司屋の息子に生まれた宿命ってもんよ」
橘(そんなオーバーな……)
117: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:52:15.66 ID:BPoS8XS7o
梅原「それより大将、森島先輩へのお土産は、どうした?」
橘「ああ、それか」
梅原「なに買ったんだ?」
橘「それが実は、買ってないんだ」
梅原「おいおいなにやってたんだよ? どうすんだ、今から探すのか?」
橘「いや、先輩へのお土産は買わないことにしたんだ」
梅原「どうしちまったんだよ、大将」
橘「その、忘れてたんだよ」
118: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:53:20.96 ID:BPoS8XS7o
梅原「はあ?」
橘「だから忘れてたんだ、本当に。
みんなと過ごす修学旅行があまりにも楽しくて、
途中からお土産のこと、ほとんど考えてなかった」
梅原「呆れて物が言えねえ……」
橘「はは、僕もだよ……でもさ、現時点における僕の森島先輩への
気持ちって、その程度なんだなって気付かされたよ」
梅原「所詮は憧れ、か……」
橘「うん。だからさ、僕自身がこんな状態なのに、森島先輩にお土産を渡すわけにもいかないだろ?」
梅原「まっ、そうかもな。――でもよ、そんなんじゃ今年も寂しいイブになっちまうぜ?」
橘「いいや、そうはしない。……今年こそ、僕はやるよ! 
これからはもっと女の子に対して積極的にアタックして、
そして素敵なイブを過ごすんだ!」
梅原「ほーう、随分とやる気じゃねえか」
橘「縁結びの神さまに願掛けしてきたからな。『清水の舞台から、飛び降りられますように』って」
梅原「……そうか。そいつはいいや」
橘「だから見てろ梅原! 帰ったら、週明け、いや来月から!」
梅原「なんか頼りねえな……」
橘「とにかく、今年は頑張ってみるよ」
119: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:54:25.81 ID:BPoS8XS7o
梅原「……まあ今すぐ先輩にお土産渡して玉砕しちまうより、却っていいかもしんねえな」
橘「なんでフラれるのが前提になってるんだ!」
梅原「そりゃお前、そうだろ」
橘「……まったく、せっかくのやる気が萎えたらどうしてくれるんだよ」
梅原「ははは、そん時は俺が発破かけてやるから、安心しな大将」
橘「梅原……」
梅原「じゃあ、まっ、頑張ろうぜ。お互い今年のクリスマスを、可愛い彼女と過ごせるように」
橘「ああ」
橘(自分に出来ることからやっていかなくちゃな! 現実味のない計画のことは忘れて)
120: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:55:24.39 ID:BPoS8XS7o
橘(……そういえば梅原は、可愛い彼女のアテがあったりするのかな?)
橘「なあ、梅原は――」
香苗「――おーい、橘くーん!」タタタッ
橘「あれ、やあ香苗さん」
香苗「こんなとこに居たの、探したわよ」
橘「探したって、僕になにか用?」
香苗「用があるのは私じゃなくて、桜井。探してたわよ? 橘君のこと」
橘「梨穂子が? なんだろう」
香苗「なんでもお土産がどうこうって」
橘(梨穂子、お土産……)
橘(……あ! そうだ美也に頼まれてたお土産を、探してもらうよう梨穂子にお願いしたんだった!)
121: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:56:36.20 ID:BPoS8XS7o
橘「香苗さん、梨穂子はどこに?」
香苗「あっちの方に走っていったわ」
橘「わかった、ありがとう。スマン梅原、ちょっと行ってくる。コーヒーご馳走さま!」タタタッ
梅原「やれやれ……」
香苗「……橘君ってさ、案外冷たいよねー」
梅原「香苗さんは優しいな」
香苗「べ、別に、見てらんないだけよ!」
梅原「それならたぶん、もうちょっとの辛抱だぜ」
香苗「え?」
梅原「まあ見てなって、あいつきっと、清水の舞台から飛び下りるからよ」
香苗「?」
梅原「どこに着地するかは、わかんねえけどな」
122: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:57:56.05 ID:BPoS8XS7o
??????
橘「梨穂子!」
梨穂子「あ、純一?。こっちこっち」
橘「僕、さっき香苗さんに聞いて」
梨穂子「そこの売店にあったよ?、頼まれてた関西限定まんま肉まん!」
橘「おお、これが! ついに見つけたぞ!」
梨穂子「街中では全然見つけられなかったのに、まさか空港にあるだなんて驚きだよ?」
橘「……梨穂子、もしかしてずっと探しててくれたのか? 旅行の間中」
梨穂子「ん?四六時中ってわけじゃないけど、お土産屋さんに寄ったついでとかにね」
橘「……なんだか僕、梨穂子に迷惑かけちゃったみたいだな……ごめん」
梨穂子「ああ、気にしないで。迷惑ってほどでもなかったから」
橘「そうか? ありがとな、梨穂子」
梨穂子「へへ、喜んでもらえてよかったよ」ニコッ
橘(僕がお土産のことを忘れていた間も、梨穂子は……。ごめん、梨穂子)
123: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 22:58:26.34 ID:BPoS8XS7o
??????
橘「たくさん買っておいたから、梨穂子も食べに来いよな?」
梨穂子「え?、私はいいよ?」
橘「面倒かけちゃったんだから、そのぐらいさせてくれよ。
他にも梨穂子の好きそうなもの、色々用意しておくからさ」
梨穂子「ん?、じゃあ今度お邪魔しちゃおうかな」
橘「ああ、待ってるよ」
梨穂子「そうだ、私も美也ちゃんに、何かお土産買っていこ?っと」
橘「え、いいよ、そんなの」
梨穂子「私が買って行きたいんだからいいの」♪フンフ-ン
橘「そうか? 悪いな」
橘(……梨穂子からお土産を貰ったら、きっと美也も喜ぶだろうな)
橘(どれ、僕も少し物色してみるか! 大きな空港の売店だから、色んなものがあるなあ)
橘(……ん? これは……)
124: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:00:14.80 ID:BPoS8XS7o
【絢辻詞の黒い手帳】
・10月○日(月)
 今日から久しぶりの授業が始まった。まだ修学旅行気分が抜けていないのだろう、
クラスの中は騒がしく、委員として注意する回数が普段より多くて嫌になる。それでも
予想の範囲内、学校なんてまだいい方だ。
 
 その他変わったこと、特に無し。
 ……いや、一つだけ。小さなスノードームを手に入れた。
 修学旅行のお土産だと言って、あたしにくれたのだ。……橘君が。
128: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:06:14.79 ID:BPoS8XS7o
 約一週間ぶりの登校、クラス委員の仕事を口実に、あたしはいつもより早く家を出た。
早朝の空気は冷たく、一日ごとに深まりつつある秋と、その向こうにある冬の存在を
肌に感じた。そろそろ、冬物の準備をする必要があるだろう。
 教室には一番乗りだった。人気のないがらんとした部屋に、なぜか安堵感を覚える。
 そこで、気が緩んでしまったのだろう。自席に座りしばし静寂を満喫していると、
軽い眠気に襲われた。
129: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:06:57.63 ID:BPoS8XS7o
 頭を振って立ち上がり、教室の窓を一枚開ける。冷たい風が吹き込んできて、ほてった
身体に心地良い。
 そのままあたしは吹き流しのように風を受けながら、窓辺でボーっと、外の景色を
眺めていた。目に映るのは、見慣れた町並み、いつもの光景。
 遠くの山々、流れる白い雲、か弱い青を敷き詰めた空。
 ……あたしは戻って来たのだ、日常に。
 窓を閉め着席する。頭の中で一日のスケジュールを再確認したあと、あたしは仕事に
取り掛かった。
130: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:07:37.41 ID:BPoS8XS7o
 二・三十分もすると、登校して来たクラスメイトたちの声で、教室内は徐々に騒がしく
なってくる。一言二言の簡素な挨拶だけを交わし、あたしは仕事を続けていた。
 その時だ、橘君がやって来たのは。人の気配に顔を上げると、机をはさんだ所に橘君が、
遠慮がちな様子で立っていた。
「あら、おはよう橘君」
「おはよう、絢辻さん」
 普段、遅刻ギリギリで登校して来るようなこのクラスメイトが、わりと早い時間に
いることに、まず驚いた。
「今日は早いのね?」
「うん。たまには早起きしようと思ってさ」
 結構なことねと思いつつ、あたしの意識は早くも机上の仕事へと戻りかけていた。
 しかし、橘君が立ち去る様子はない。
「もしかして、私になにか用があるのかな?」
「あ、うん。そうなんだ」
 なら最初からそう言って欲しい。
「実は絢辻さんに渡したいものがあってさ」
「えっ?」
「はいこれ、修学旅行のお土産」
131: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:08:23.45 ID:BPoS8XS7o
 差し出された包みを見て、無論あたしは困惑した。一緒に修学旅行へ行ったクラス
メイトから、修学旅行のお土産を貰うなどとは、考えてもみなかった。一体どういう
思考回路をしていたら、こんな馬鹿げたことを考えつくのだろう? 賄賂のつもり
かしら? 実に不可解だった。
 そんな疑念を悟られたのか、橘君は慌ててこう言い足した。
「旅行中色々とお世話になったし、それに絢辻さん、こういうの好きそうだなーって
思ってさ」
 その声はあたしの耳に、やけに大きく、優しく、響くのだった。
 そしてあたしは呆然としてしまって、気が付くと橘君のお土産をこの手に受け取って
しまっていた。
132: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:09:28.88 ID:BPoS8XS7o
 包みの中から現れたスノードームは、こぢんまりとしていて中々可愛げがあった。
ガラス製のドーム越しには、クリスマスツリーのミニチュアが鎮座している。
 ……確かに、あたしの気に入りそうなものだ。
 そして、お土産を貰ってこんな気持ちになるのは初めてかもしれないなと、ふと思う。
「嬉しい」と言うか「可笑しい」と言うべきか。
 どちらにせよ、橘君がくれたお土産は、あたしの周りにあるうわべだけの、少しも心を
動かさない無意味なそれとは違っているようだった。
 人の温もりのする、優しい贈り物。
133: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:10:43.69 ID:BPoS8XS7o
「どうかな、迷惑じゃなければいいんだけど……」
 橘君が訊ねる。
「迷惑だなんて、そんな……。ありがとう橘君。私、とっても嬉しいわ」
 自分で自分の言葉に、苛立ちを覚えてしまう。こんな時でさえ、あたしは上っ面の
お礼しか言えないのだ。
「喜んでもらえたみたいで、よかったよ」
 違うのだ、あたしが言いたかったのは、あんな白々しい科白じゃない。――けれども、
そんなことを言えるわけがなかった。
 あたしは白を黒と言いくるめ、そして独りで、勝手にこんがらがっていくのだ。
「でも橘君……その、これ高かったんじゃない?」
 何かを誤魔化すようなあたしの問いかけに、橘君は一瞬目を丸くして、そんなことは
些事だと言わんばかりに首を振った。そして、
「空港の売店で売ってたものだし、そんなでもないよ」
 と言って、屈託なく笑った。
 橘君は、あたしが喜ぶ姿を見て、それで充足しているらしかった。
134: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:11:51.53 ID:BPoS8XS7o
 それから、いくつかの他愛無い会話を交わした。修学旅行の思い出、橘君が買っていった
お土産を食べ過ぎて、お腹を壊した妹さんの話。当然仕事は進捗せず、気が付くと予鈴が
鳴っていた。
「この音を聞くのも久しぶりだね」
「うん、そうね」
「じゃあ僕、席に戻るよ」
 そう言うと橘君は、くるりと背を向け、自席へと引き返していった。
 ……自分が何故、あのような行動に出たのか、よくわからない。
「ねえ、橘君!」
 あたしは咄嗟に立ち上がり、橘君を呼び止めていた。
「なに? 絢辻さん」
 振り向いた橘君の顔を、うまく見据えることが出来ない。自分が妙なことを口走ろうと
していると、わかっていたからだろうか。
 あたしが言葉に詰まっていると橘君が、
「どうかした?」
 と訊ねてくれた。それでも、あたしは口を開くことが出来ない。「絢辻詞」には、
言えやしない。
「……ううん、なんでもないの。お土産、ありがとう」
 あたしに橘君を呼び止めさせた何かは、不意に訪れ、そして去った。
135: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:12:44.10 ID:BPoS8XS7o
 橘君から修学旅行のお土産を貰ったのには、こんな顛末があっての事だった。
 あたしの指が、今は自室の机の上に置かれたスノードームをつつく。揺らしてみると、
自分の周りにだけそっと、一足早いホワイトクリスマスがやって来たみたいだった。一抹の
寂しさと同時に、自然と笑みがこぼれてくるのをあたしは感じる。
 ……橘純一、不思議な人だ。
 あたしの嘘を容易く見抜く橘君、一人でいるあたしを見つけてくれた橘君、そして、
今朝の橘君。
 この数日の間だけでも、何度彼に驚かされたことだろう? 十把一絡げのクラスメイトの
一人として、彼を捉えていたあたしの判断は、間違っていたのかもしれない。
136: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:13:27.21 ID:BPoS8XS7o
 そこではたと気付く、我ながらおかしなことを考えているな、と。あたしには、
どうでもいいことのはずだ。
 ……結局あたしも、修学旅行気分が抜け切れていなかったのだろう。今日は、
どうかしていたのだ。
 しっかりしなければ、そろそろクリスマス委員を決める時季が近づいている。
 余計なことに気を取られている場合じゃない。
 ……そう、何を思ったのか、あの時あたしは橘君を呼び止め、こう言おうとしたのだ。
「わたしと一緒に、クリスマス委員やってみない?」と。
 目を閉じ再び考え込む。もしもあの時、自分が衝動に身を任せていたら。もしも
橘君が「ダウト」と言ってくれていたら……。
 ……まったく。今日のあたしは、やっぱりどうかしているみたいだ。
 腹いせにもう一度スノードームを小突く。
 すると、困ったような表情を浮かべた橘君の姿が、あたしの頭をよぎった。
 終
137: ◆TI638OYiZI 2015/02/01(日) 23:15:16.32 ID:BPoS8XS7o
以上です
ご覧いただきありがとうございました
138: 以下、
乙!自分の気持ちに戸惑う絢辻さん最高!!
アマガミのSSもっと増えるといいな
139: 以下、

すばらしい
141: 以下、
乙!
年に三回くらいアマガミアニメで見てるけど
Vitaでゲーム版買いなおそうかな……
ちなスト子派
142: 以下、
良かった
逢ちゃんと紗江ちゃんにはまだ出会ってないんだなあ
Vita版出てちょうど1年だけどまだまだ遊べる
144: 以下、
今更だけど乙
凄く良かった
女子部屋の押し入れのシャンプーの残り香と縁結びの神社の田中さんの声と
女子部屋に行ったことをチクったのは田中Bさんでいいのかな?
145: ◆TI638OYiZI 2015/02/02(月) 22:41:57.05 ID:kyNL4Rx/o
>>144
ありがとうございます
どう解釈するかについては読者の権利だと思うので
読んでくれた方それぞれにおまかせします・・・としか言えません
ごめんなさい
感想くれた人たちもありがとうございましたー。嬉しかったです
140: 以下、

なんかこう、最終的に絢辻さんが良い話に持っていくとは思わなんだ
青春のかほりがした
エビコレ+ アマガミ特典なし
角川ゲームス 角川ゲームス 2014-01-30
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勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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金糸雀:諸星きらり「16cm」 (02/15)
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電子の海から
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