大石泉「まゆとボウリングに来た」back

大石泉「まゆとボウリングに来た」


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1:
まゆ「いずみちゃん…」
いずみ「今日はどうしたの」
まゆ「プロデューサーさんがこの間、ボウリングするって話ししてて…」
P『ボウリング? そうだなー、学生時代にやったきりかな』
いずみ「わざわざ録音したのを再生しなくていいから」
まゆ「でも私、テレビとかで見たことはありますけどボウリングしたことないです…」
いずみ「それじゃプロデューサーと行く時のために練習しに行こっか」
2:
――ボウリング場
まゆ「いずみちゃん…」
いずみ「恐ろしいスコアだね」
まゆ「どうしたらいずみちゃんみたいにきれいに投げれるのでしょう…」
いずみ「まずボール選びから見直そうか、どんなボール選んだの?」
まゆ「重いほうが倒しやすいと思ったのでなんとか持てるこれで」
いずみ「そんなに震えながら持つものじゃないから軽くしようか」
いずみ「ボウリングの球の重さってスコアにそんなに影響するものじゃないらしいよ」
まゆ「そうなんですかぁ?」
いずみ「うん、どっちかというとちゃんと投げれる方が重要だから持ちやすい重さで親指がきれいに入る大きさの穴があいてる球を選ぶんだって」
まゆ「いずみちゃんは物知りですねぇ」
いずみ「今調べたんだけどね」
3:
まゆ「いずみちゃん…」
いずみ「うーん、事態は好転せず」
まゆ「あっ、両手で投げたらまっすぐいきましたよぉ」
いずみ「でもそれでも力の偏ってる方に…ほら曲がった」
まゆ「どうしましょう…」
いずみ「今度は投げ方かな」
まゆ「投げ方…こうやって、こうっ…じゃダメみたいですねぇ…」
いずみ「うん、後ろから見るとまっすぐ腕を振ってないから曲がるに決まってるよね」
まゆ「まっすぐ腕を振るとボールが太ももに当たります」
まゆ「こう…」
いずみ「実演しなくていいから、というかあざになるからやめて」
まゆ「心配してくれるんですか!」
いずみ「心配するに決まってるでしょ」
いずみ「いいからボウリングするよ」
まゆ「はぁい」
4:
いずみ「とりあえず今ぱっと調べた感じだと教えやすい投げ方はなかった」
まゆ「えっ…そしたらまゆはプロデューサーさんとボウリングできない…」
いずみ「そこで、見る場所を決めようと思う」
まゆ「見る場所?」
いずみ「そう、まゆは投げるときどこを見てる?」
まゆ「まゆは…あのピンとピンの間ですねぇ」
まゆ「さっきからいずみちゃんがあそこにボールを当てて倒してるので」
いずみ「あそこに当てられればいいスコアが出やすいらしいからね」
いずみ「だけど見る場所はあんな遠くのピンじゃなくて、そこ」
まゆ「そこ?」
いずみ「うん、このスパットって呼ばれる三角のマーキングを見ながら投げるの」
5:
まゆ「これを…見ながら…投げ」
いずみ「ちょっと待って」
まゆ「えっ、待てな…待てました」
いずみ「良かった…投げるときに親指の爪をピンに見せるようにして投げてみて」
まゆ「親指の爪を見せるように…?」
いずみ「うーん…ちょっと手を貸して」
まゆ「はい……! いずみちゃん、これ…!」
いずみ「その親指に描いた絵をピンにまっすぐ見せながら投げてみて」
まゆ「いずみちゃんがまゆの親指にハート描いてくれたいずみちゃんがまゆにハートくれたいずみちゃんが」
いずみ「うわぁ、いいから投げなよ」
いずみ「ほらこっち見ながら投げるとケガするよ」
まゆ「そー…れっ! ……いずみちゃん!」
いずみ「うん、初ストライクおめでとう」
まゆ「いずみちゃんのおかげでストライク取れました…これでプロデューサーさんとボウリング行くことになっても大丈夫です」
いずみ「知ってたけどやっぱり行く約束をしてたわけじゃないんだね」
まゆ「いずみちゃんありがとうございます」


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