ドわすれ金糸雀back

ドわすれ金糸雀


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493 :
真紅
ローゼンメイデン第5ドールにしてアリスゲームを制した超究極美少女(自称)。
アリスゲームの過程で犠牲となった姉妹を復活させるためにローザミスティカの再分配を行った結果
姉妹は無事に復活するも自分の本来のミスティカは砕けて失われてしまう。
しかし生来のしぶとさとジュンの作ったモゾーミスティカにより、その後なんとか復活する。
最近、ウナギの完全養殖に興味を持ち始めている。
翠星石
ローゼンメイデン第3ドール。イタズラが大好きで暇さえあれば落とし穴を掘っている。
庭師という肩書きを持っているが『アイスの実』をそういう植物の果実だと勘違いして
庭に埋めて栽培しようとしたことがあり、庭師としての彼女は皆から白眼視されている。
雛苺
ローゼンメイデン第6ドール。甘い物が大好きでドールのくせに虫歯になったことすらある。
真紅、翠星石、雛苺の三者を合わせて『桜田家の三馬鹿』と呼ぶ。
桜田ジュン
桜田家で三馬鹿の世話をする苦労人。この度、見事にマイスターローゼンへと成長し
ローザミスティカを模したモゾーミスティカを作れるほどになったが真紅達からは相変わらず下僕扱いされている。
桜田のり
三馬鹿に加えジュンのことも見守る真の苦労人。
柏葉巴
桜田家の通い妻。
水銀燈
ローゼンメイデン第1ドール。強い、賢い、美しいと三拍子揃った長女。ただし、すぐ憎まれ口を叩く。
めぐが死亡後も彼女をマスターとして寄り添い、nのフィールドで安住の地を探している。
柿崎めぐ
原作本編で死んだので幽霊になった。
金糸雀
ローゼンメイデン第2ドール。薔薇乙女一の知恵者で賢いけれども馬鹿なのが玉に瑕。
ちなみに『三馬鹿』と言えば真紅、雛苺、翠星石のことだが
ただ単に『馬鹿』と言った時は金糸雀のことを指すのが薔薇乙女関係者内での共通認識。
草笛みつ
金糸雀のマスター。金糸雀ラブ。
蒼星石
ローゼンメイデン第4ドールにして翠星石の双子の妹。本来のマスターは桜田ジュンのはずだが
未だに薔薇屋敷に住んでいる。その理由や真意は蒼星石のみぞ知る。
ちなみに桜田家の薔薇乙女達を三馬鹿と呼んだのは彼女が最初である。
結菱一葉
薔薇屋敷の主人。蒼星石のマスターだった人。妙に元気になって車椅子生活とおさらばした。
結菱二葉
一葉の双子の弟。幽霊として薔薇屋敷に住み着いている。
都合が悪くなると成仏したふりをして逃げるお陀仏詐欺の常習者。
雪華綺晶
ローゼンメイデン第7ドール。コドウグの体とマスターの絆を得て実体化したが
アストラル体時代のくせが残っており、壁をすり抜けようとして頭をよくぶつけている。
マスターは隣の世界の大ジュンであるため、実質は桜田ジュンと契約している状況である。
大ジュン
巻かなかった世界の大学生の桜田ジュン。別名ビッグジュン。
ローゼン
桜田ジュンにマイスターの称号を譲り、nのフィールドのどこかで半隠居生活を送っている。
時々、娘達にビデオレターなどで無茶振りをすることがある。
『びっくりして顔がなくなっちゃった!』が持ちネタだが、ラプラスの魔にしかうけない。
薔薇水晶
エンジュメイデン。カテゴリーとしては後述の野薔薇に含まれるが
彼女の誕生には雪華綺晶も一枚噛んでいるので立ち位置は結構複雑。

薔薇水晶のお父様で、自称ローゼンの弟子。
494 :
東果重工
nのフィールド内の大勢力の一つ。機械系の変態技術者集団。
掃除係の小隊長
東果重工の社員。工員として勤めていた工場が金糸雀に自爆ボタンを押されて爆発する。
左遷され掃除人として東果重工所有の揚陸艦に乗るも、金糸雀に艦の自爆ボタンを押されて撃沈。
なんとか生き残り、nフィーで催された星幽祭での現場掃除監督官として抜擢されるが
そこでも金糸雀が展示物のエデンギアを暴走させ自爆。祭は滅茶苦茶になった。
また、その後に金糸雀がお詫びで差し入れたカナリアサブレを喉に詰まらせて死にかけている。
度重なる失態と、それでも生き残る強運に目をつけられて独立小隊の小隊長になり
彼が率いる小隊は彼の来歴から『掃除係』と名づけられたが、多分に嫌味も込められている。
小隊なのに彼含めて構成人員が3人しかいない。
掃除係の隊員A
お調子者の隊員。あまり物事を深く考えない性格で、東果重工にとって扱いやすい社員。
元は黒襟という東果重工の中でも実力行使担当部署の少年部隊出身。
掃除係の隊員B
皮肉屋の隊員。穿った物事の見方をするが、東果重工で生まれた人間なので会社には忠誠を誓っている。
隊員Aと同じく、黒襟少年部隊出身。黒襟は此岸島で全滅したかに思われていたが二人だけ生き残っていた。
野薔薇
ローゼンの真似事をした錬金術師達が作り出したオートマータの総称。その多くは創造主達の能力不足により
不完全な人形で暴走状態に陥っている。また創造主達も彼女達だけを残して既に死亡などして存在していない。
中には自我や意識などを保ったままの『綺麗な野薔薇』も相当数いる。
野薔薇という呼称はラプラスの魔と雪華綺晶が便宜上作り出したものであり
製作者や製作年代も千差万別な『ローゼンメイデンではないその他大勢』をひっくるめた言い方であるが
nのフィールド内ではわりと浸透している。使い勝手が良いのか、自嘲も込めてなのか、野薔薇自身も自分を野薔薇と呼ぶ。
二核の野薔薇
野薔薇の一個体。メインミスティカとサブミスティカを持つという変わった機構の野薔薇。
諸事情により東果重工に奪われたメインミスティカをモゾーミスティカで補完したいと考え、水銀燈に交渉してきた。
495 :
めぐ「はぁ?…、いい湯よねぇ?、生き返るわ?。幽霊だけに、なんちゃって」カポーン
水銀燈「……」
めぐ「あれ? どうしたの水銀燈? いつもだったら、ここで辛辣なツッコミをくれるのにぃ?」
金糸雀「…水銀燈はお風呂が嫌いなのかしら」カポーン
めぐ「ええっ? そうだったの? 意外ー! どうして?」
水銀燈「どうしても何も必要性を感じないからよ。人形は人間と違って老廃物で…」
めぐ「えーい、それ! 水鉄砲!」バシャッ
金糸雀「やったわね、めぐ! お返しかしら?っ」バシャバシャ
水銀燈「話を聞きなさいよ!! そっちからでしょう!? 話題を振ったのはっ!」
めぐ「ごめーん。まさか、ちゃんと答えてくれるとは思わなくて…」
水銀燈「もういい。私は上がるわ、こんなとこ」ザバッ
金糸雀「ごめんかしら水銀燈! 今度はちゃんと聞くから、もう一度お願い」
水銀燈「一度でいいことを二度言うことも嫌いなの。
  大体、アンタがここにいることにすら、私は必要性を感じていないんだから」
金糸雀「そ、そんなっ!?」
めぐ「いいじゃない。私がみっちゃんさんにお願いして、助っ人に来て貰ったんだから!
 水銀燈ったら他人とのコミュニケーション超不得意でしょ。
 そんなんじゃジャバウォック探しも捗らないわ! 私はカナちゃんに凄い期待してるわよ?」
金糸雀「きゃほーっ! めぐ大好きかしら?」
水銀燈「…いい加減、あんたらも上がって服を着なさい。のぼせるわよ」
めぐ「は?い」
金糸雀「はいはいかしら」
496 :
金糸雀「あれ? 何かしらこの音楽? 地獄の黙示録…?」
水銀燈「私の携帯よ。誰からかしら」ピッ
めぐ「えっ? 携帯電話!? 水銀燈いつの間に、そんな物を?」
金糸雀「カナでも持っていないのにかしら…」
水銀燈「はい、もしも…て? 真紅ぅ? どうしてアンタがこの番号を知って…?
  はぁ? 『昨年度最もイラッとした薔薇乙女大賞』を受賞、私が? 馬鹿なのアンタ?」
金糸雀「真紅からの電話のようね」
めぐ「うん」
水銀燈「今すぐ来い? そんな事できるわけないでしょ、忙しいのよこっちは…!
  場所? めぐと一緒に温泉よ、それがどうかして…」
金糸雀「まーた真紅が馬鹿をやってるみたいかしら」
めぐ「好きよねぇ真紅ちゃんも、そういうの」
497 :
めぐ「水銀燈…?」
水銀燈「何か一方的に電話を切られた」
金糸雀「真紅…。それはさておき水銀燈ったら携帯電話なんて興味なさげだったのに
  いつの間にか手に入れているなんて、やり手かしら。でも着メロが地獄の黙示録なのは…」
めぐ「ちょっと狙いすぎよね?」
水銀燈「うるっさいわねぇ。これは拾い物よ。この間、絡んできた東果重工の小隊長が落としていったの」
金糸雀「拾った物をそのまま使っているの!? そんなのドロボーかしら水銀燈!」
水銀燈「戦利品と言って頂戴」
めぐ「ね、ね、ね! それちょっと見せて水銀燈! 触ってみたい!」
水銀燈「ちょっとゴツいだけで珍しくもない携帯電話よ、これ?」
めぐ「いいのいいの! 私、生きてた時ケータイなんてほとんど触ったこと無かったんだから!」
水銀燈「…好きになさい」
めぐ「わぁい!」
金糸雀「カ、カナも! カナもちょびっとだけ興味あるかしら!」
めぐ「それじゃ私の後でちょっと触らせてあげるね」
金糸雀「いぇーい! めぐ大好きー!」
水銀燈「……」
498 :
水銀燈「メイメイに解析させた。ご丁寧に説明書も一緒に落としていったしねアイツ(小隊長)」
金糸雀「小隊長さんも、東果重工からケータイ配給されたばっかりだったのかしら?」
めぐ「けど、メイメイってそんなことまでできたんだ?」
金糸雀「ううむ、人工精霊にそんな技術を仕込むとは恐るべしかしら水銀燈」
水銀燈「アンタのとこのピチカートとかとは出来が違うのよ。私が教育したんだから」
金糸雀「メイメイに同情するかしら…」
めぐ「…うん、堪能した。はい、約束どおり次はカナちゃんの番」
金糸雀「ぃやっほー!」
水銀燈「あ、そうそう…言い忘れてたけど#を押した後に489って押すと…」
金糸雀「押すとどうなるのかしら」ピポパ
水銀燈「ケータイが自爆するから絶対に押さないで」
499 :
水銀燈「…ちっ」
金糸雀「ちょっ!? 今の舌打ちは何? まさか、カナにわざと押させようと」
水銀燈「そんなわけないでしょ。まあ、真紅に番号を知られたケータイなんて爆発した方がいいけど」
めぐ「……」
金糸雀「ふー、間一髪だったかしら。けど、水銀燈の狡猾な罠を見破るカナは流石かしら?」
500 :
めぐ「あっ!」
金糸雀「な、何者かしら! まさかこの魅惑的なレディ・カナの肢体を覗きに…ッ!?」
水銀燈「二核の野薔薇…」
めぐ「水銀燈の知り合い!?」
水銀燈「まあ、ちょっとね。ここの温泉に招待してくれた子よ」
金糸雀「え? えええ?」
二核「ここはカーバンクルの住まう火山の近く、その熱により湧いた温泉です。
  傷ついたカーバンクルが、その傷を癒しに来ることでも有名だとか…」
めぐ「カーバンクル? 何それ? 見たい! 見た?い!」
二核「残念ながら今日はカーバンクルは温泉に居ないようですね」
水銀燈「いたとしても、この二人の騒がしさじゃねぇ。昼寝している亀だって遥か遠くに逃げるわよ」
501 :
  わざわざマスターのめぐとカナまで誘ってくれちゃっての、nフィー旅行なのかしら!?
  水銀燈とは思えないおもてなしの精神かしら! カナは今、超感動しているかしらーーー!」
水銀燈「やかましい。あなたはめぐが呼んだから勝手についてきただけでしょうが。それに私は温泉には興味がない」
めぐ「だったら、どうして…」
水銀燈「ジャバウォックがこの温泉に出現すると聞いたのよ」
二核「……」
金糸雀「ジャバウォック…! 生前のめぐの絶望から生まれた黒い竜…よね?」
めぐ「うん…」
水銀燈「ジャバウォックが複数いること、私がそれを探していること
  どれも秘密にしていたことだったのに。どうして野薔薇、アンタはそれを知って?」
二核「野薔薇達の根は深く、枝は長い。私達のようなジャンクがこのnフィーで
  長く生きるためには、それなりの情報網を構築しなくてはいけないのです」
金糸雀「ちょちょちょ、ちょっと水銀燈! それはひとまず置いとくとして
  ジャバウォックが出るかもしれないと聞いておきながらカナ達には何も知らせずに!?」
水銀燈「知らなくても、どうってことないでしょう」
めぐ「いやいやいや…」
502 :
二核「それでも、もしほんの少しでも本当かもしれないと思ったなら
  マスターのために、この温泉に来ざるを得ない。それがあなたなのですね水銀燈」
水銀燈「ちっ」
二核「先に申し開きしますが、私も直接ジャバウォックを見たわけではありません。
  しかし、この温泉に来るカーバンクルを捕食する黒い竜の姿を見たという者がいました」
金糸雀「それは…誰?」
二核「私と知己の野薔薇でした」
水銀燈「…『でした』?」
めぐ「なんで過去形?」
二核「彼女はカーバンクルの山の頂に住んでいた。しかし、ある日
  ローゼンメイデンと薔薇水晶が何の用か山にやってきた(※)」
※ カーバンクルは桜田ジュンが好き 参照
503 :
金糸雀「……」
めぐ「野薔薇の本能?」
二核「野薔薇はローゼンメイデンを目指し、それを超えようとして作られた存在です。
  しかし、多くの野薔薇はその目的を果たせずに創造主に廃棄された。
  果たせなかった親の夢を叶えるため、彼女達は理屈では説明できない行動をとる」
水銀燈「だから野薔薇なんて呼ばれるのよ。ところかまわず噛み付く野犬と同レベル」
めぐ「で、でもあなたも、その野薔薇…なんでしょ? けど、ええと…何て呼べば…」
水銀燈「めぐ、野薔薇って人形は大抵、自分の本当の名前を言わないわ」
二核「そうです。なぜならその名を付けてくれた人も愛してくれた人も、もういない。
  その名を名乗ることに必要性を感じない。私は野薔薇、それで充分」
金糸雀「けれども、あなたは野犬レベルではないわよね。従来の野薔薇とは一線を画すんじゃないかしら?」
二核「私にもローゼンメイデンに対する憎悪、恐怖は根強く残っています。
  しかし、あまりに長い時を経ると、憎悪は愛へ、愛は憎悪へと裏返ることもある」
水銀燈「…分からないこともないわ、ね」
504 :
水銀燈「珍しい野薔薇だこと」
二核「珍しいと言えば水銀燈、あなたも珍しいことをやっているではないですか。
  幽霊をマスターにするオートマトンなど、私の知る野薔薇達の中にも…」
水銀燈「……」
めぐ「あれ? 幽霊って珍しいの? nフィーなんだから、幽霊ぐらいウジャウジャいるかと思ってた」
金糸雀「nのフィールドはあの世っぽいけどあの世じゃあないかしら、めぐ」
めぐ「?」
二核「ここは夢だけど、夢ではない世界」
めぐ「…?」
水銀燈「nのフィールドも結局は生ある人間達の無意識や夢に依存した世界よ。
  そうした生きた人間の強い意志で縛られた死者が幽霊になることがある。それでも極稀」
めぐ「ふぅん。じゃあ例えば、二葉さんは一葉さんが強く想っていたから幽霊なんだろうけど…
 だったら私が幽霊になってるっていうのは、ちょっと不自然な気もするわねぇ」
水銀燈「あなたが思う以上に、あなたは思われていた。それだけのこと」
めぐ「うっそー! ほんとにー!? 水銀燈ったらそんなに私のことを思って!?」
水銀燈「私じゃあない」
めぐ「え? だったら誰が…?」
水銀燈「ま、いずれ話してあげるわ」
めぐ「いいじゃん、ケチー! 話してよ?!」
水銀燈「いずれって言ってるでしょ。今のあなたにはまだ早い」
505 :
水銀燈「?」
めぐ「nフィーにもあまり幽霊がいないんだったら、この世界に住んでいる人達は何なの?
 年齢不詳だし、長生きしてるみたいだし、普通の人間じゃあないわよね」
金糸雀「彼らは基本的には大昔にnのフィールドへ移住した人達の子孫かしら」
めぐ「移住?」
水銀燈「金糸雀、今はそんな話はどうでもいいでしょうが。野薔薇だって呆れて…」
二核「いえ、ご自由に。私も興味のある話題ですので」
水銀燈「……」
めぐ「話し続けてもいいみたいよカナちゃん。さあ、自慢の解説を入れちゃって!」
金糸雀「おまかせかしら! か?な?り昔は今よりももっと簡単に
  そして頻繁に現世とnフィーの行き来があったようなのかしら!」
めぐ「うんうん」
金糸雀「けれども、やがてその交流は途絶えていった。その時にnフィー側に残ったのか
  残されたのかは分からないけど、そういった人達が生活を続けていたのかしら!」
水銀燈「現世とnフィーの交流が完全に断絶したわけじゃあない。
  特に錬金術師という人種は、往来の仕方を秘儀ともしていた」
めぐ「えーと…じゃあ、結局はnフィーの人達も基本的には生身の人間なんだ」
水銀燈「めぐの言ったとおり、普通ではなくなってるけどね。
  ファンタジー映画で出てくるエルフとかの方が実態としては近いかも」
金糸雀「不思議の国にして、現世の様相をも映す鏡の国。それがnのフィールドかしら!」
二核「東果重工などの大勢力が生まれたのも、現世側での産業革命等に連動してのことですしね。
  直接のつながりはないように見えても、歴史の流れは似通ってくる」
水銀燈「夢が反映される世界な分、発展の暴走っぷりも凄まじいけどね」
めぐ「へー」
506 :
  モゾーミスティカは既に受け取ったんでしょう? これ以上、私達に纏わりつく必要は無いはず」
二核「受けた恩は返すようにお父様に教育されましたので」
水銀燈「……」
金糸雀「それでジャバウォックの出没情報を教えてくれたのかしら」
二核「はい」
水銀燈「そういうことなら、ありがたく受け取っておくと言いたいけど
  すぐにジャバウォックに出会えるわけでもないようね、これじゃあ」
二核「この火山の野薔薇も、頻繁に目撃したのではないようですが
  ここがジャバウォックの餌場の一つであることは間違いないかと」
めぐ「のんびりいきましょうよ水銀燈。のーんびりと。時間だけはたっぷりあるんだし」
水銀燈「……」
金糸雀「そうそう、カナなんてもう一度温泉に入っちゃおうかしら…て、ほあああっーー!?」
水銀燈「何よ、大声あげてぇ?」
金糸雀「カナの…カナのコサージュが無い!」
めぐ「コサージュ?」
金糸雀「ほら、カナがいつも頭につけてるハート形の、あれ!」
水銀燈「ああ、あれ。て言うか、今頃気付いたの? 服着た時に気付きなさいよ」
507 :
  頭部に程よい刺激を受けることで頭脳を働かせていたのかしら! あれ無しだとカナの知力は半減かしら」
二核「それは大変…」
水銀燈「もともと三国志の張飛レベルの知力が半減したところで大差ないでしょ」
金糸雀「あ、あんまりかしらぁ?! お姉ちゃん!」
水銀燈「お姉ちゃんて言うな」
めぐ「金糸雀ちゃん、もっとよく探してみたら? その辺に転がってたりしてない?」
金糸雀「目の届く範囲にはどこにもないかしら…」
二核「と言うことは、もしかしたら温泉の濁り湯の底に?」
金糸雀「そうとしか考えられないかしら! お願い皆! 一緒に探すのを手伝って!」
水銀燈「はぁ!? こんなだだっ広い温泉のどこかに沈んでいるコサージュを探せ? 冗談でしょ、あきらめなさぁい」
めぐ「ちょ、ちょっと水銀燈…」
金糸雀「お姉ちゃん手伝ってくれないのなら、あの秘密をばらしちゃうかしら」
水銀燈「あの秘密…って何よ?」
金糸雀「秘密は秘密かしら。くふふふふ…」
水銀燈「そうそう何度もあんたのくだらないブラフに引っかかる私じゃなくてよ」
金糸雀「あ、そう。だったら水銀燈の秘密、ここで公開しちゃうかしら?。nのフィールドに独自の情報網を
  張り巡らせている二核の野薔薇さんに知られたら、明日からもう水銀燈はお天道様の下を歩けなくなるわね」
水銀燈「……」
508 :
めぐ「プハァ! さっきから温泉の底をくまなく探してるけど見つからないわ?」ザバザバ
金糸雀「水銀燈?っ! そっちは?」バシャバシャ
水銀燈「…ない」ザバッ
金糸雀「本当に?? もっと気合入れて探すかしら! お姉ちゃん」
水銀燈「ア・ン・タねぇ?…」
二核「ところで金糸雀」ジャボッ
金糸雀「あ、野薔薇にも手伝わせちゃってごめんかしら。
  この後、お礼に美味しいラーメンの屋台に連れてってあげるから…」
二核「そういうことではなく、今ふと思ったのですが」
金糸雀「?」
二核「そのコサージュとやらを今日はちゃんと着けて来ていたのですか?」
金糸雀「…え?」
水銀燈「……」
めぐ「……」
509 :
水銀燈「か・な・り・あ?っ?」
金糸雀「いや、ちょっと待ってかしら! カナはコサージュが無くて記憶力も半減中かしら!
  ねえ、めぐ! 水銀燈! 逆に今日のカナが最初からコサージュ着けてなかったか覚えてない?」
めぐ「そう言われると着けていたような、着けていなかったような」
水銀燈「いちいちアンタの装いなんかに気を配ってられないわよぉ」
金糸雀「あああ…、それじゃあどうすれば? そ、そうだわ! 一度お家に電話して
  みっちゃんに確認してもらうかしら! これでカナがコサージュを家に忘れたかどうか…」
めぐ「水銀燈、ケータイをカナちゃんに」
水銀燈「はいはい。ほら、さっさとあのメガネの人間に連絡とりなさい」
金糸雀「みっちゃん、早く出てかしら?」ピポパポプピピ
二核「……」
510 :
  それよりも今日、コサージュ忘れて行ってるわよ。大切なチャームポイントなのに…」
金糸雀「……」
二核「金糸雀?」
めぐ「どうだったの? みっちゃんさんの家にコサージュは…」
金糸雀「……」ピポパポ
ボムッ!!!
水銀燈「ッ!?」
金糸雀「ああっ! うっかりケータイの自爆コードを入力してしまったかしら!
  折角みっちゃんと電話がつながったのに、これでは真相は闇の中へと…」
511 :

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