桜田ジュンの心は雨模様back

桜田ジュンの心は雨模様


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翠星石「へいっ! 真紅ぅ! パスパスパスゥ!」
雛苺「ヒナにもボールを触らせてなのよ真紅?」
真紅「いやっ! このまま、いけるっ! とりゃぁっ」シュバッ
翠星石「ナイッシュー…」
雛苺「あーん…、また真紅がスタンドプレーに走ったのぉ」
真紅「ふっ、ローゼンメイデンは個々人のスタンドプレーが全体としてチームプレイになるものよ」
472 :
真紅「あら、見て分からない? バスケよ」
ジュン「そんな気はしていたが、僕の部屋にはボールもゴールも無い。
  ただ単にお前達3人がぐるぐる走り回って暴れていたようにしか見えん」
真紅「マイスターローゼンなら心眼で見極めなさい」
翠星石「そうですそうですぅ。翠星石達の華麗な動きで迫真の3on3が表現されていたはずですよ」
ジュン「なんだ、エアバスケか」
真紅「なんだとは何よ! あなたには感じられないの!? 私達桜田メイデンの見事な連係プレーの前に
  水銀燈、蒼星石、薔薇水晶のお高くとまった乙女どもが手も足も出ず、泣き崩れていくさまを!」
雛苺「スカッとしたのよ?」
翠星石「姉より優れた妹など、いねぇのです」
ジュン「仮想敵に対して陰湿な真似をしすぎ。あと、水銀燈が一番お姉ちゃんのはずだろ翠星石」
473 :
真紅「そうね。確かにジュンはそう言っていたけど、私達はそれを聞いただけだわ」
翠星石「チビ人間のルールに従うなどという恭順の意思を示した覚えはねーです」
雛苺「うぃ! ヒナ達は合意なんかしてないのよ!」
ジュン「屁理屈を…。エアバスケだか何だか知らんが
  体を動かすなら外でやったほうが楽しいだろ? ほらほら、外で遊べ外で」
真紅「梅雨入りして、外はジメジメしていて気持ち悪い」
翠星石「不快度数がマッハですよ」
雛苺「うぃ、ストレスたまっちゃうの!」
ジュン「その君達のせいで僕のストレスがマッハなんですけど」
真紅「梅雨が明けるまでの我慢よジュン」
翠星石「そう言えば白薔薇が梅雨が早く終わるように願掛けをしているそうですよ」
雛苺「ガンカケ…て、極めたら攻撃効果は120%上昇、防御面では63%上昇する伝説の格闘技なのよ!」
真紅「やるわね雪華綺晶。まさか格闘で天候に挑もうとは…」
ジュン「それ、ガン=カタな」
474 :
翠星石「せっせとテルテルボウズをデカチビ人間の部屋のベランダに吊るしているらしいですぅ」
ジュン「雪華綺晶にしては随分と普通だな」
翠星石「いやいや、そんな普通なわけねーだろーがです。残酷に関してはシグルイの次に定評のある白薔薇ですよ」
真紅「ただのテルテルボウズではないというわけね」
翠星石「梅雨が明けるまで毎日、一体ずつブサ綺晶を首吊りにしているそうですぅ」
雛苺「うにゃーーっ! ブサ綺晶がカワイソウなのー!」
真紅「えっ? あっちとこっちは時代がずれているから単純計算はできないけど
  結構前よね、梅雨入りしたのって! ということは…」
翠星石「既に10体以上のブサ綺晶が物干し竿に並んで吊るされているのですぅ!!
  おまけにたまに晴れの日があったとしても、梅雨明けまでこの儀式は続くのですよーっ!」
ジュン「何て迷惑な! 洗濯物が干せないじゃないか!」
真紅「ちょっとジュン! 怒るところはそこじゃないでしょ!」
雛苺「ジュンはブサ綺晶がカワイソウじゃないのよ!?」
ジュン「…お前らだって、以前の梅雨だか七夕の時に姉妹を全員吊るしただろ?(※)」
※金糸雀と六体のてるてるぼうず 参照
翠星石「あるぇ? そうだったっけですぅ?」
真紅「全然しらなぁぁ?い、何よそれェェーーーッ、ヤッダァーーッ、スゴイ変」
雛苺「ヒナ達そんなことしないの! ジュンはウソついているのよ!
  ウソつきは泥棒のはじまりなの! 泥棒メイデンなの!」
ジュン「……」
475 :
ジュン「うん? 唐突に真面目なことを言いだしたな真紅」
真紅「だから翠星石、雛苺。ドタバタするのはやめて、大人しく乙女らしい語らいでキャッキャウフフしましょう」
翠星石「ドールズトークというわけですか」
雛苺「わ?い! ヒナ、おしゃべりも好きなの?」
ジュン「…あんまり大声でわめくなよ」
翠星石「ふふん、トークに花を咲かせるのも庭師たる翠星石のつとめですぅ」
ジュン「うまいこと言ったつもりか」
476 :
真紅「…というわけで昨年度の『イラっとさせる薔薇乙女の発言第一位』は
  蒼星石の『バーテンダーの力量はジントニックを頼めば分かる』…でいいわね?」
雛苺「うぃ」
翠星石「異議なしですぅ。あれには双子の姉である翠星石ですらイラっときたですよ」
ジュン「……」
真紅「何? ジュン? 何か言いたそうな顔をしているけど」
翠星石「私達はうるさくしていなかったはずですよぉ」
雛苺「そうなの。ジュクジュクとお話し合いを進めいていたの」
ジュン「それを言うなら『粛々(しゅくしゅく)』だろ。確かに、うるさくはなかったが
  淡々と姉妹の揚げ足を取ったり、悪口を言い並べていたのには寒気すら覚えたぞ」
477 :
翠星石「残りの1割はスイーツの話題ですぅ」
雛苺「ジュンは女を知らないの」
ジュン「……」
真紅「ともかく、これから蒼星石に『昨年度、最もイラッとさせた薔薇乙女大賞』を
  見事、受賞したことを知らせなくてはいけないわよね」
翠星石「授賞式も執り行おうですぅ」
雛苺「お庭で立食パーティーするの!」
真紅「いいわね、それ。じゃあ、今すぐうちへ来るようにも言わなくちゃ」
雛苺「蒼星石をオメデタでオモテナシなの! いっぱいチューショーしてあげるのよ!」
ジュン「中傷じゃなくて表彰。いや、ここは中傷であってるのか。と言うか先ず来ないだろ蒼星石」
真紅「ハル・ベリーはラジー賞の授賞式に出て、見事なスピーチまで披露したわよ」
ジュン「変な喩えを出すな」
翠星石「そうです真紅ぅ。蒼星石はそこまで器用な性格じゃないですよ、手先は器用ですが」
真紅「…案ずるより生むが易し、早いとこ薔薇屋敷に電話電話…と」スタスタ
雛苺「ヒナが電話のボタン押すぅ?! ピッポッパってするの?」スタスタ
翠星石「お?お?、ちゃんと電話番号覚えているですかチビ苺?」スタスタ
ジュン「長電話だけはするなよ?、電話代だってタダじゃないんだからな」
478 :
真紅「たたたたたた、大変よジュン!」バターン
ジュン「何事だよ? あとドアはもう少し静かに…」
翠星石「それどころじゃあないんですよ! いいいい、今っ! 蒼星石に!
  薔薇屋敷に電話したら、何が起きたと思うですぅ!?」
ジュン「どうせ、蒼星石に冷たくあしらわれたんだろ」
雛苺「違うの! 蒼星石もおじいちゃんも電話に出なかったのよ!」
ジュン「……?」
翠星石「電話に出たのは婦長さんだったのですぅ」
ジュン「ああ、あのメイドさん達のリーダーの」
479 :
ジュン「へー」
真紅「『へー』じゃない!」バチコーン
ジュン「いってーーーッ!? な、何!? ビンタ!? いきなり? なんでっ!?」
真紅「あなた馬鹿なの!? あまり私を怒らせないで頂戴! ぶつわよ?」
ジュン「もう既に、ぶってるだろうが!」
翠星石「フッ、真紅は『ぶつ』と思った時、既に行動は終了しているのですぅ」
ジュン「すっげー迷惑…」
雛苺「蒼星石は優雅にお馬さんに乗っているのにヒナ達はむなしく妄想でバスケだったの!
  ジュンはヒナ達がかわいそうだと思わないのよーーーーーッッ!」
ジュン「思わねーよ」
480 :
  翠星石達にもっと優しくしろですぅ!! 乗馬クラブ…いや、バナナワニ園に連れてけです!」
ジュン「何故、バナナワニ園?」
真紅「馬を超えるにはもはやワニに乗るしかない」
ジュン「乗る気かよ。無理に決まってるだろ」
真紅「無理だとか無駄だとか言った言葉は聞き飽きたし私達には関係ない」
ジュン「だろうな。僕も正直、言い飽きてきたところだよ馬鹿野郎」
雛苺「それでも! ヒナ達は何としてもワニさんに乗るの!」
翠星石「そして一緒にデスロールするんですぅ!」
ジュン「デスロールを何か勘違いしてないか。下手したらワニに頭をかみくだかれるぞ」
翠星石「その時はチビ人間に直してもらうですぅ」
真紅「頭が砕けたぐらいじゃ死にゃしないわよ薔薇乙女は」
雛苺「頭なんて飾りなの?! たかがメインカメラなの!」
ジュン「どっちだよ。と言うか、どっちにしても確かにお前らの頭は見るだけの機能で、考える機能は無いっぽいな」
真紅「ふんぬっ!」バチコーン
ジュン「ぎにゃああああっーーー!」
真紅「言ったはずよジュン。私達を小馬鹿にした発言をすると、ぶつと」
ジュン「だから、ぶってから言うな!」
481 :
翠星石「翠星石も、翠星石もですぅ! この退屈な日常を振り払った非日常へと招待してくれです!」
ジュン「非日常の塊のお前らが何を言う…」
翠星石「え?い! とにかく! 連れてけ連れてけですぅ!」
雛苺「遊びに連れてって?なのぉ!」
真紅「ジュン、私を豊島園に連れてって」
ジュン「あ?もう、うるさいぞ妖怪ツレテケども! というか何故そこは甲子園じゃなくて豊島園?」
482 :
ジュン「…は?」
翠星石「お、そいつぁグッドアイディアですぅ」
雛苺「ジュンでお馬さんごっこするの?」
真紅「いいことジュン、乗馬用の馬の歩き方は斜対歩と言って…」
ジュン「いやいや、ちょっと待って! 何で急に僕が馬に!」
真紅「右前脚と左後脚を同時に…」
ジュン「聞けよ! 人の話!!」
真紅「…ちっ、うるさいわねぇ。私達が大声出すと怒るくせに…」
ジュン「真紅が僕の話を無視して喋り続けるからだ! 前々から言おうと思っていたが
  どうして真紅は僕の…他人の話を聞かないんだ!?」
真紅「勘違いおしでないわよジュン。この真紅、話を聞いていなわけではない。
  どんな話だろうと半分は聞いている」
ジュン「それを話半分と人は呼ぶ」
真紅「そうかもね。でも、そうじゃないかもしれない。そもそもこの真紅様は1を聞いて10を知る乙女。
  半分も聞けばその話の内容は全て理解できる」
翠星石「おお! カッコいいですぅ真紅!」
雛苺「かなりあなんてメじゃない才女なの!」
483 :
  ならば一々最後まで耳を傾けるのは時間の無駄だとは思わなくて、ジュン?」
ジュン「うーん、殴りたい」
真紅「何を馬が『殴りたい』とか言ってるのよ!」
翠星石「そうです! さっさと四つん這いになれですぅ!」
ジュン「嫌だ。絶対に嫌」
真紅「馬のくせに口ごたえするんじゃないわよ。ほら、四つん這いになりなさい、早く。
  あまり抵抗するようだったらハンターハンターのキメラアント編に出てきた人間犬みたいにしてもいいのよ」
ジュン「それだけは勘弁。と言うか僕を馬にしたところで蒼星石のホンモノの馬にはかなわないだろ? な? な?」
雛苺「うにゅにゅ、そう言われれば…」
真紅「そんな気もするわね」
翠星石「うぐぐっ! 憎らしきはこの麗しの双子の姉を誘いもせず、おじじと二人だけで乗馬クラブに行った蒼星石です!
  蒼星石なんて、蒼星石なんて…白い白馬から落馬しやがれですぅ??!!」
ジュン「なんじゃ、そりゃ」
484 :
翠星石「は?」
真紅「それを言うなら鼻を明かすよ雛苺」
翠星石「チビ人間馬もバナナワニもダメ、こうなったらnのフィールドの幻の馬、ユニコーンに乗るしかない…ですか?」
真紅「馬鹿おっしゃい。鏡の国のアリスでもユニコーンはライオンとガチで殴り合いするほどの実力者。
  あまりの暴虐ぶりにノアの箱舟を降ろされた唯一の生き物よ」
雛苺「なのぉ?、ユニコーンなんて相手にしたらヒナ達、顔面を食いちぎられちゃうの?」
ジュン「頭は飾りだったんじゃないのか」
真紅「これは少し、本腰を入れての再度のドールズトークで解決策を図る必要があるわね」
雛苺「うぃ! 今日のヒナ達は頭脳派なの!」
翠星石「三人寄ればもんじゃ焼き、ですぅ!」
ジュン「……」
485 :
真紅「…というわけで昨年度の『イラっとさせる薔薇乙女の発言第一位』は
  水銀燈の『乙女は黒に染まれ』…でいいわね?」
翠星石「異議なしですぅ。あれは水銀燈の中の中学二年生が大暴れだったですよ」
雛苺「次点の、水銀燈の人の『アリスが私にもっと輝けと囁いている』も、かなりキてたの」
真紅「ワンツーフィニッシュとは流石ね最凶の逆十字さんは」
ジュン「……」
真紅「何? ジュン? 何か言いたそうな顔をしているけど」
ジュン「…なんで『イラっとさせる薔薇乙女の発言第一位』が蒼星石から水銀燈に変わってるんだよ。
  巻き戻したのか? 時間のネジを?」
真紅「そんな非生産的なことはしないわ」
486 :
真紅「『厳正』なる審査のやり直しよ。ンとセを抜いたらゲイよ」
ジュン「……」
雛苺「ヒナ達は自らの間違いを認められる薔薇乙女なの」
ジュン「蒼星石をいじめようと思ったけど、逆に生活レベルの差を見せつけられそうになったから
  ディスるターゲットを水銀燈に変えただけにしか見えない。
  と言うか冒頭のエアバスケから何一つ成長していないな…お前ら」
真紅「それはあなたが人間で…私達は人形だから」
ジュン「シリアスっぽく言っても、もう騙されないぞ」
翠星石「真紅、チビ人間なんて放っておいて早いとこ水銀燈に
  『イラっとさせる薔薇乙女の発言第一位』受賞のお知らせをしようですぅ」
雛苺「また、ヒナが電話番号をピッポッパッてするの?」
真紅「そうね、早くしなくちゃ」イソイソ
ジュン「…やれやれ」
487 :

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