菫「照と咲のせいで個人戦が滅茶苦茶になった……」back

菫「照と咲のせいで個人戦が滅茶苦茶になった……」


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1:
恒子『決まったー!優勝は長野からやってきた清澄高校だー!』
恒子『圧倒的!大将宮永咲によるワンサイドゲームで見事清澄がラスからトップに躍り出ましたー!』
恒子『強い強い!大将戦前、白糸台と清澄の差は20万以上。これがひっくり返されましたー!』
菫「な、なんてことだ……」
誠子「本気の淡が一方的に……阿知賀も臨海女子も手出しできず……」
尭深「それまでは安定して加点する大将だったはず、なのに」
照「…………」
3:
菫「誠子、淡を起こしに行こう。終わってから突っ伏したままだ」
誠子「大将戦前268000あったのが?48000になったらもう立ち直れませんよ」
菫「だからこそだ。昔小鍛冶プロに粉砕された人は恐怖と罪悪感のあまり1日以上立つことすらできなかったらしい」
菫「こんな感じで、大量リードをフルボッコにされてな」
誠子「わかりました」
菫「(しかし……宮永咲。この戦いを見ると……照の妹で間違いないな。否定してるが)」
菫「(どうせなら白糸台に誘ってほし――っ!)」ブル
菫「(い、今何か後ろから殺気が……照か?)」
照「…………」
5:
菫「淡!大丈夫か!?」
淡「」
穏乃「」
ネリー「」
誠子「駄目みたいですね」
憧「シズ……シズは悪くなから。勝てっこないよあれは」
穏乃「……分かってる。でも……でも」
智葉「化け物が相手だった。気にすることはない。帰るぞ」
菫「ほら、みんな何とか立ち直ってる。一度戻って」
淡「」
12:
憧「たぶん立ち直れないと思いますよ」
菫「何でだ?大量失点ぐらい、誰だってある。今回は相手がだな」
憧「いや、試合前にすっごい挑発してたんです」
憧「あんたなんかテルーの妹じゃないだとか、ドボンにして醜態をさらしてやるとか」
菫「あー」
誠子「それはきつい。私が背負って戻らせますので、先輩はインタビューを」
菫「インタビューより淡を何とかしないと。私も戻る」
14:
菫「代わろうか?」
誠子「いえ、もうすぐですから」
菫「そうか、なら……ん?嫌な気配がする」
誠子「気配?……うちの控え室からなんですけど」
菫「(まさか照か?)おい、何があっ」
照「」ゴゴゴゴゴ
尭深「」ガタガタ
菫「な、なんだこれは!?何があったんだ!?」
照「咲……よくも淡を……」ゴゴゴゴゴ
菫「おい、照!」
照「潰す!二度と麻雀ができないようにしてやる!!」ゴゴゴゴゴ
17:
久「咲、お帰りなさい」
和「咲さん……±0以上に稼げるなら普段からやってください。手を抜くのは失礼です」
咲「ごめんね、でもあの時は自然と力がわいて」
まこ「和の失点を取り返そうとしたんじゃないかのぅ、この世の終わりのような顔しとったから」
和「言わないでください!私だって……優勝がかかった試合で、私のせいで負けたら」
久「大丈夫よ、私だって準々決勝じゃ愛宕さん相手に結構やられたし」
優希「それより白糸台のインタビューやってるじぇ」
久「もう?うちにはまだ来てないのに」
まこ「白糸台じゃからのぅ、それに先鋒の歴史的大差からの大将戦の歴史的大敗じゃけん」
26:
アナ『えー白糸台の敗因ですが』
菫『ノーコメントです』
アナ『大将s』
菫『ノーコメントです。これ以上話しません』
アナ『で、では宮永さんに話を。清澄の大将の名字は宮永ですが、どう関係が』
照『私に妹はいません』
アナ『え?でもあの角といい、驚異的な』
照『私とあの女は関係ありません。仮に妹であったとしても、淡をあそこまで苦しめた人を妹と思いたくありません』
照『団体戦でいつも手を抜いて淡の時だけ本気を出して――』ブチ
30:
久「咲、これはね、一度口に出したから後に引けなくなってこう思ってもないことが出てしまうあれよ」
久「ドラマとかである、ちょっとしたことで大っ嫌いて言ってしまうあれ。だから」
咲「」
和「さ、咲さん?」
咲「あは、あはははは」
久「咲、落ち着いて、これはね」
咲「こうなったらお姉ちゃんもその取り巻きも邪魔する奴も」
和「咲さん!!」
咲「全部ゴッ倒す!!」ゴゴゴゴゴ
和「ひぃ!?」ガタガタ
33:
個人戦
菫「予選が始まった……」
菫「(あれから照が止まらない)」
菫「(いつもの営業スマイルもしなくなり、咲というワードを出すとそれだけで漏らしそうになくような眼で睨んでくる)」
菫「(尭深は漏らすし、淡は個人戦棄権、どうなってるんだ全く)」
菫「この状況で照と対戦する人には同情するよ」
菫「いつだったかな、照に負けた後腹いせに家庭の事情で煽るバカがいて、そのあとあんな感じになったな」
菫「私も一緒に打ったが、漏れそうだった。煽った奴と巻き込まれた一人は漏らしてたし」
38:
ビー
菫「よし、勝ったぞ。飛ばせなかったのが、+32000」
菫「われながら上出来だ。さて、今ほかのところはどうなってるかな?」
予選順位
1位 宮永咲  +123300
2位 宮永照  +107600
3位 愛宕洋榎   + 34900
4位 弘世菫  + 32000
菫「おい何があった!?あいつら何やったんだいったい!?」
40:
ダダダダ
菫「おい誠子!いったい何があったんだ!?」
誠子「菫先輩……これを見てください」
菫「これ……っ!?」
菫「宮永咲、2連続で子の3倍満を直撃、その後親の倍満で24000。それまで3人がリーチして点棒が0に」
菫「最後は役満で48300……悪魔だ」
菫「照は照で最初の親から全員飛ぶまで上がり倒してる」
菫「……この個人戦、2人上がりまくって終わりそうだ」
48:
誠子「先輩、2人と当たらないことを祈ります」
菫「ああ、そうだな」
『予選2回戦の相手を発表します。1号室――』
誠子「始まりそうですね」
菫「頼むぞ、当たるな」
『3号室、宮永咲』
菫・誠子「!?」
『――――――。4号室』
菫「ふぅ……心臓に悪い」
52:
『6号室。宮永照、弘世菫、二条泉、花田煌』
菫「」
誠子「あ、ああ……」
菫「……行ってくる」
誠子「遺骨は拾いますよ」
菫「死にはしないからな。心が砕かれるだけで」
菫「私が相手だから……そんなわけないよな」
58:
照「」ギュルルルル
煌「わ、私は飛ばされませんから」ハアハア
泉「ひぃ」ガタガタ
1位 宮永照  85300
2位 弘世菫   10400
3位 花田煌   4100
4位 二条泉   200
菫「(放銃は極力避けたが、まずいな)」
60:
泉「あ、あぅ」ガタガタ
煌「ぐぅ」ハアハア
菫「(仕方がない、死体蹴りのようだが許せ。楽にしてやる)」
菫「ロン!対々、混一色、三暗刻、ドラ3。16000」
ブス
泉「ぅあ、また……」
ビー
菫「終わった、悪夢のような半荘が終わった……」
照「…………」ゴゴゴゴゴ
菫「て、照……ここで私が上がるとお前の点は減るが、私だって」
照「それでいい。勝負事ならたとえ身内でも手を抜かないのが麻雀」ゴゴゴゴゴ
照「咲は……」ゴゴゴゴゴ
67:
菫「ただいま……」
誠子「お帰りなさい」
菫「照は?」
誠子「帰ってすぐ出ていきましたよ」
菫「近寄られるだけで漏らしそうになる奴を外に……一緒にいるのも怖いな」
誠子「大健闘でしたね。飛ばされないどころか最初の持ち点を超えましたし」
誠子「順位こそ原村和と小走やえに抜かれましたが、まだ行けます!」
菫「そうだな!こっから」
72:
『予選3回戦の相手を発表します。1号室。弘世菫』
誠子「呼ばれましたね」
『愛宕洋榎、石戸霞』
菫「全国の3年の猛者勢ぞろいか。腕が鳴るな」
『宮永咲』
菫「なんでだぁあああああ!!!」
79:
洋榎「やらな……あかんねんな」
霞「ここで予選敗退も覚悟しないといけませんね……」
菫「(絶一門か、石戸霞の放銃はなさそうだな)」
菫「(そうなると私と愛宕が標的になる、何とかして躱さないと)」
咲「その白、カン」ゴゴゴゴゴ
霞「え?」
洋榎「これは……宮永咲伝家の宝刀嶺上開花!?」
咲「もいっこカン、もいっこカン」ゴゴゴゴゴ
咲「ツモ。全帯公、三槓子、三色同刻、嶺上開花、赤2。16000」
菫「(これは……石戸霞の絶一門をもってしても無理か)」
86:
ビー
1位 宮永咲  94300
2位 愛宕洋榎 6400
3位 弘世菫  2100
4位 石戸霞 ?2800
洋榎「これやばいな。辻垣内智葉はまだ宮永とやってへんし」
菫「あの二人とやった私はどうすればいいんだ」
霞「ツキはそのうちめぐってきますよ」
洋榎「あんたえらい平気やな。大丈夫なんか?」
霞「私の高校ではこのような大量得点大量失点はよくありますから」
89:
洋榎「やらな……あかんねんな」
霞「ここで予選敗退も覚悟しないといけませんね……」
菫「(絶一門か、石戸霞の放銃はなさそうだな)」
菫「(そうなると私と愛宕が標的になる、何とかして躱さないと)」
咲「その白、カン」ゴゴゴゴゴ
霞「え?」
洋榎「これは……宮永咲伝家の宝刀嶺上開花!?」
咲「もいっこカン、もいっこカン」ゴゴゴゴゴ
咲「ツモ。白、三槓子、三色同刻、嶺上開花、ドラ3。16000」
菫「(これは……石戸霞の絶一門をもってしても無理か)」
95:
菫「さてどうなるか」
絹恵「お姉ちゃん大変や!」
洋榎「絹、どないした?」
絹恵「あの荒川憩が宮永照から倍満直取りしたんや!」
菫「何!?照がそんな高い手を個人戦でも振り込んだだと!?」
絹恵「それよりもそのあと」
洋榎「そのあと?まぁ、チャンピオンなら取り返してトップなんやろ?」
絹恵「そこから荒川憩ばっか狙って飛ばしてしもたんや。荒川憩が高校で初めて飛ばされたんやて」
菫「これじゃあ一種の兵器だ……前年の2位でそんな結果になるなんて」
98:
第4回戦
憩「取り返すしかない……たとえトラウマを植え付けてでも、このままでは終われんわ」
菫「まいったな……」
竜華「初戦でむしられた分、泉の敵取らなあかん。こんなところでくたばらわけにはいかんねん」
美穂子「華菜、よくわかったわ。あなたが戦った相手が、天江衣以上の化け物だったことが」
菫「(荒川は第3戦、清水谷は初戦、福路は第2戦で宮永にお世話になっている)」
菫「(必死で点を取り返そうとするから、全員高い手でむしり取りに来る。だが)」
菫「私は照だけでなく咲ともやり合ったんだ。私だって取り返さないといけないんだ!」
101:
菫「い、一日目が終わった……疲れた」
誠子「あの二人の点数がとんでもないことになっています。このままいくと小鍛冶プロが残した大記録に並びそうです」
菫「何したんだあのプロは」
淡「ぁ……菫、お帰り……」
菫「お、ましになったか。よかった」
誠子「尭深はホテルに戻しました。先輩の殺気をもろに浴びていましたので」
菫「お、おぅ」
誠子「今のところ、決勝に出れる16位に入っているのは……」
103:
誠子「宮永咲、宮永照、辻垣内智葉、愛宕洋榎、小走やえ、原村和、江口セーラ、ネリーヴィルサラーゼ」
誠子「エイスリンウィッシュアート、薄墨初美、弘世菫、神代小蒔、メガンダヴァン、白水哩、末原恭子、小瀬川白望」
淡「11位だよ。2人とやって」
菫「ああ、でも全国の猛者はこんなもんじゃない」
誠子「4回戦前は先輩17位だったんですが、末原神代と地雷を踏んで、鶴田姫子が吹っ飛んでいきました」
菫「そうか……」
誠子「まだ2人と当たっていない人もいますから、この先まだ順位は大幅に変わりそうです」
106:
菫「しかし照ってこんなに強かったか?ここまで一方的に粉砕することはできないだろ」
菫「荒川だって、照が連荘を止めれば火力が落ちることくらい知ってるはず。飛ばされることは」
誠子「奥の手があったんでしょうか?私たちには見せていない」
菫「おいおい、そんなのあったら手を抜いてるってことだろ?」
菫「妹に手を抜いただとか言っておいてそれはないだろ」
誠子「あれで手を抜いてたとなるとそれはそれですごいですね」
菫「ったく、何考えてるんだか……」
112:
翌日 第5戦前
菫「あの2人とやり合うことはない」
菫「それを考えると気分が晴れる。このままいけば16位以内には残れそうだ、はは」
菫「相手はちゃちゃのんとかいうやつに江口セーラ、本内成香か」
菫「江口は関西で名が売れてる雀士、気を付けないと」
ビー
セーラ「楽しく打とな」
成香「お願いします」
いちご「愛宕洋榎を決勝で倒してやる」
菫「(ふぅ、あの2人と戦ってない奴は馬鹿高い手で来ないから気が楽だ)」
菫「(第4戦は3人そろって高い手だったから放銃のやり合いで疲れた)」
114:
ビー
セーラ「トップや!宮永と戦う前まで稼ぎまくるで!」
成香「ふぅ、ラスじゃなかった」
いちご「うぅ……」
菫「2位か、まあ圏内だろうな」
『予選6回戦の相手を発表します。1号室――』
『2号室。薄墨初美、弘世菫』
菫「おお、一つ上が相手だな」
『3号室。佐々野いちご、宮永照――』
菫「同情するよ。アイドルがテレビにひどい顔さらす羽目になるんだから」
117:
6回戦
初美「なんとしても2人と戦うまでに点をためるのですよー」
菫「麻雀って点をためて吐き出す競技だっけ?江口といい」
初美「姫様の敵です。絶対飛ばされずに残ってみせます」
菫「もう交通事故扱いだなあの2人。出会ったら終わりというか」
菫「ま、私はもう戦ったからそういうの気にしなくていいからな」
初美「うー、もう一度当たってしまえばいいのですよー」
菫「ないない」
121:
ビー
菫「よしトップで切り抜けた。早く戻って順位を見ないと」
菫「誠子!どうなった?」
誠子「荒川憩が舞い戻ってきました!」
菫「そうか、そうだよな。個人戦2位がここでくたばるわけがない」
誠子「先輩は8位まで上がりましたよ、ネリーとエイスリンで点の取り合いになって、漁夫の利で福路がトップになったんで」
誠子「辻垣内、小走、原村、江口、ネリー、エイスリンはまだあの2人とやってません。差はないとみてもいいでしょう」
菫「よし、これで楽に打っても残れる」
「もう一度当たってしまえばいいのですよー」
菫「…………」
124:
菫「なぁ、照ともう一度やり合うなんてないよな?」
誠子「は、はぁ?何を言ってるんですか……」
誠子「先輩は去年個人戦に出ているんですから。一度やったら決勝に残らない限りないです」
菫「そうだよな、そうだよな!」
『予選3回戦の相手を発表します。1号室。宮永咲、辻垣内智葉――』
菫「!?」
誠子「これは……注目のカードですね」
菫「ああ、これで辻垣内が切り抜けたらまず残れるからな」
127:
7回戦終了後
菫「はは、楽勝だった。+20000を超えるとは」
菫「どうなった!?辻垣内は?」
誠子「沈みました。嶺上開花からの役満で一撃です」
菫「…………」
誠子「それでも今までの貯金で3位キープです。他は変動なしです」
誠子「あるとすれば、あの2人がまた10万点ずつ稼いだことでしょうね」
129:
『予選8回戦の相手を発表します――』
『10号室。小走やえ、弘世菫――』
菫「来た!上位だ」
やえ「ふっふっふ、見せてやろう。王者の打ち筋を」トン
菫「5位……まだあの2人と当たっていないとはいえ、逆転したいな」トン
やえ「甘い!私はくたばらんからな。ロン!」
やえ「立直、七対子。裏がのってドラ2だ」
菫「くっ。流石上位に残るだけはある」
135:
菫「2位になってしまった。しかも?だ」
やえ「まあいいじゃないか。私は宮永とやっていない。あの2人とやってここまで残ること自体素晴らしいことだ」
菫「ありがとう。あなたも頑張ってくれ」
『予選9回戦の相手を発表します――』
『3号室。エイスリンウィッシュアート、小走やえ、宮永照、江口セーラ』
やえ「おお、これはこれは」
菫「ご愁傷様」
やえ「なぁに、心配ご無用。脅えてもどうにもならんのよ」
137:
9回戦終了後
菫「小瀬川白望……考えたあと点が上がると聞いたが。やりすぎて手が読めた」
菫「みんな高い手を狙って打ち方を崩したりしてる。普通に打つこちらからしたらやりやすいがな」
菫「さて、どうなったかな?」
誠子「小走がうまく2位を死守しました。飛ばされる寸前でエイスリンをぎりぎり飛ばして」
菫「と、なるとだな」
誠子「先輩は+53000。小走?8800、江口?20100、エイスリン?24100」
菫「無茶苦茶だ照」
139:
誠子「次はどうなるでしょうか?そろそろあの2人がやり合ってもおかしくは」
菫「あの2人が相手ねぇ、悲惨だな」
『予選10回戦の相手を発表します。1号室』
『宮永咲、宮永照、原村和、薄墨初美』
菫「で、出た……」
誠「原村は小走が?になったので4位に。薄墨はここで大量失点すると圏外に行きそうですね」
菫「今日戦った相手なんだ。なんとか残ってほしいのだが、無理だろうな……」
142:
和「(まさかこの2人が……)」ガタガタ
初美「(手っ取り早く終わらせて逃げるのですよー)」ガタガタ
咲「」ゴゴゴゴゴ
照「」ゴゴゴゴゴ
咲「おい、そこの露出狂」ゴゴゴゴゴ
初美「は、はい!?(私のほうが年上なのに)」ガタガタ
咲「早く終わらせるためにポンポン振り込むんじゃねーぞおい」ゴゴゴゴゴ
照「そこのピンク、お前もだこら」ゴゴゴゴゴ
和「はい……(咲さん、照さん、いったい何があなたたちをそこまで駆り立てるんでしょうか?)」ガタガタ
148:
菫「終わったぞ。悪夢の1号室はどうなった?」
誠子「倒れた2人を運び出しているところです。試合はあの2人が直取りを目指して流局が多かったんですが」
誠子「薄墨が先輩に、原村が咲に振り込んでしまって」
誠子「2人の殺気が増してしまったのか、倒れて試合中止になりました。点数は倒れた時点のものです」
菫「なんてことだ」
誠子「2人が去ってから体は少し動いているので次の試合には間に合うと思いますが」
誠子「薄墨はぎりぎり残りましたね」
菫「…………」
151:
こうして、次々と犠牲者を出しながら予選は終わった――
誠子「ついに予選が終わりましたね」
菫「ああ、そうだな……」
菫「(あの後、辻垣内、愛宕、小走と上位にいた人はもう一人の宮永と泣く泣くやる羽目になった」
菫「(荒川は咲のほうは嶺上開花を極力防ぐ戦法を用いてトップに肉薄するという快挙を成し遂げた)」
菫「(末原は咲とやり合った際放送禁止レベルの顔を披露したらしい。終わった後どうするんだろうか?)」
157:
        優勝
                  │
        ┌┬───┴───┬┐
        ││             ││
  ┌┬─┴┴┬┐      ┌┬┴┴─┬┐
  ││      ││      ││      ││
┌┼┼┐  ┌┼┼┐  ┌┼┼┐  ┌┼┼┐
││││  ││││  ││││  ││││
宮辻江白  原小神小  末弘愛薄  宮荒清メダ
永垣口水  村走代瀬  原世宕墨  永川水ガヴ
咲内セ哩  和や小川  恭菫洋初  照憩谷ンァ
  智│  え蒔白  子  榎美      竜  ン
  葉.ラ        .望            華

誠子「決勝戦のトーナメントはこうなりました」
菫「よっしゃあああ!!!あの二人がいない!」
160:
誠子「ここからは1試合ごとですね」
菫「ああ、今回の個人戦で客観的にあの2人を見るのも初めてということになるな」
菫「江口……死ぬんじゃないぞ」
誠子「あの3人と宮永咲との対戦成績が一番いいのは江口ですが」
誠子「辻垣内は嶺上開花からの役満なんで」
菫「最善の戦法は他の2人を攻で飛ばすことだ」
菫「そういう芸当ができるのが宮永咲なんだが」
165:
咲『カン。もいっこ、カン』ゴゴゴゴゴ
咲『ツモ。立直自摸断公九嶺上開花、三暗刻、三色同刻。8000オール』ゴゴゴゴゴ
恒子『出ましたお得意嶺上開花!親の倍満で+24000!開幕早々これは大きい!』
恒子『小鍛治プロ、これは2位争いに注目ということでしょうか!?』
健夜『そうなんだけど、これ2位決まるのかな?』
恒子『それはどういう……あーー!!』
恒子『なんと!宮永咲、配牌で一向聴。しかも暗刻が1つあります!』
168:
菫「うわ、これ下手したら全員飛んで終わるぞ」
恒子『これぞまさに牌に愛された少女というべきもの!さあ宮永咲一人で終わるのでしょうか!?』
菫「インハイの歴史上そんなことってあるのか?」
健夜『懐かしいな。インハイの準決勝でそれやったんだ』
恒子『おおっと!ここで小鍛治プロの20年以上前の伝説が』
健夜『まだアラサーだよ!10年前だからね!』
恒子『冗談です。えーと、その際は三人麻雀で決着をつけるんでしたね。起家から順に決めるとかわいそうなので』
171:
咲『カン。ツモ』ゴゴゴゴゴ
咲『自摸嶺上開花、中、赤1。4100オール』ゴゴゴゴゴ
恒子『決まったー!小鍛治プロ以来の3人同時飛び!』
恒子『三人麻雀での準決勝進出争いだー!』
恒子『非常にまれなので放送の計算に入っていませんが、延長してお送りしますのでご安心を』
恒子『それではCMに入りまーす』
菫「何が牌に愛された少女だ」
菫「ただの悪魔じゃないか」
172:
恒子『さあ、三人麻雀の時間です!』
恒子『臨界女子の辻垣内智葉が34000でトップ。それを29000で江口セーラが、27000で白水哩が追いかけます』
智葉『……これで』
セーラ『チー』カッ
哩『んっ///』トン
菫「普通の麻雀だ」
菫「まごうことなき普通の麻雀だ」
ツー
菫「あれ、どうしてだ?普通の麻雀を見ただけで涙が」
176:
恒子『さあ、三人麻雀の時間です!』
恒子『臨界女子の辻垣内智葉が34000でトップ。それを29000で江口セーラが、27000で白水哩が追いかけます』
智葉『……これで』
セーラ『ポン』カッ
哩『んっ///』トン
菫「普通の麻雀だ」
菫「まごうことなき普通の麻雀だ」
ツー
菫「あれ、どうしてだ?普通の麻雀を見ただけで涙が」
179:
恒子『決勝第1戦はまさかの三人麻雀に』
恒子『三人麻雀の勝者は辻垣内智葉。準決勝に駒を進めました』
恒子『お次は清澄原村和、晩成小走やえ、永水神代小蒔、宮守小瀬川白望の4人です』
恒子『インターミドルチャンピオンの原村和には応援の声が届いております』
恒子『そのほとんどが予選で倒れてから復帰したこと、宮永咲、照に立ち向かう勇気をたたえるものです』
和『阿知賀の皆さんは個人戦に出ていないので、私がみんなの代わりに行けるとこまで行きます』
やえ『名門晩成の名に懸けて、負けるわけにはいかないのだよ』
小蒔『降ろす神様次第でチャンスがあります!』
白望『ダル……』
181:
菫「一人とんでもない力を使う人がいるが、2人に比べたらましだ」
菫「しかしここで勝てば準決勝で咲と当たることになる」
菫「あの場に足を踏み込む度胸もないときつい勝負だな」
白望『ちょっとたんま』
小蒔『zzzZZZ』
やえ『永水の先鋒は厄介だ。何とかして封じ込めたいが』
和『オカルトは認めません。たとえあのような勝ち方を見せられても』
183:
やえ『よぅし!それロンだ!』
白望『(手を高くしたのが裏目に出たか)』
やえ『不思議な力にも欠点がある。そこを攻め切ってこそ王者よ』
和『オカルトなんてありえませんから』
菫「普通だ。平和だ」
菫「いいな。あ、私も平和に打てるんだ」
184:
ビー
恒子『さあ2回戦は僅差で原村和と小走やえが逃げ切りました』
菫「よし、出番だ」
洋榎「おーぅ、よろしく」
恭子「大丈夫やろか……」
初美「あの2人は除外して残りの14人で決勝戦がしたいのですよー」
186:
菫「(ここは薄墨の火力を上げないように打ち、そして愛宕洋榎だ)」
洋榎「来るでー来るでー」
菫「(異様なまでにロン牌を止め、そして上がりに持っていく腕)」
恭子「もうあんな顔は晒さんで……」
菫「(末原は基本的な打ち筋だが見本のようにきれいで理に適っている)」
菫「…………」
菫「本当に、決勝までこういう風に打てるといいな」ボソ
洋榎「そんなん言うなや。みんな思っとる」
菫「そうだな」
188:
オーラス
洋榎:35200
  菫:25800
恭子:20000
初美:19000
菫「(ここで勝つと照とバトルだ)」トン
菫「(予選の時は幸いにも集中攻撃はなかったが、今度はそうもいかない)」
菫「(このままいけば放銃率が低い愛宕、次の組は照の打ち方を熟知している荒川だ)」
菫「(私が行けば集中攻撃で吹っ飛び、下手すれば心に傷が残る)」
菫「…………」
菫「(……何を思ってるんだ私は。ここに来るまで何人倒して来たんだ)」
菫「(私は倒された人の分、勝ち進むべきなんだ。決して手など抜いていいわけがない)」
菫「(行くぞ!)立直!!」トン
189:
恭子「う、オーラスやし……降りるのは厳禁や。行くしかない」トン
恭子「立直!!」トン
菫「やはりその牌があふれたな。ロン!立直断公九」
恭子「ああ、跳満でひっくり返せたんに」
菫「ふぅ……勝って、照とだな」
ビー
洋榎「あそこ、降りようとしたやろ。次に行くん躊躇して」
菫「まあな。でも失礼だから行くことにした」
洋榎「そうそう、それでこそや」
193:
菫「さっきはいい感じに終わったが」
恒子『あー!また自摸だ!これで4回連続。役も満貫を超えました!』
恒子『先ほどから荒川憩が連荘を止めようとしていますが最初の1回きり』
恒子『最強の名にふさわしい圧倒的な麻雀を展開しています。いや、これを麻雀といっていいんでしょうか?』
菫「これとやるんだよなぁ」
誠子「頑張って下さい」
誠子「そういえば永水から差し入れが。黒糖のようです」
菫「黒糖を食べているのがいたな。後でお礼を言わないとな」
菫「これは尭深にあげよう」
194:
        優勝
                  │
        ┌┬───┴───┬┐
        ││             ││
  ┌┬─┴┴┬┐      ┌┬┴┴─┬┐
  ││      ││      ││      ││
  宮辻      原小      弘愛      宮荒
  永垣      村走      世宕      永川
  咲内      和や      菫洋      照憩
    智        え        榎     
    葉             
誠子「準決勝はこうなりました」
菫「決勝に残れるか……難しいな」
197:
咲『』ゴゴゴゴゴ
智葉『ちっ、宮永照を倒す前にこの化け物を倒す必要があるのか』
和『(咲さん、私は負けません。一緒に決勝に)』
やえ『王者の……言ってる場合じゃないな』
咲『カン』ゴゴゴゴゴ
智葉『くっ』
和『!?』
やえ『げぇ』
咲『ツモ。四暗刻』ゴゴゴゴゴ
やえ『は、はぁあああああ!?』
200:
菫「うーわ」
誠子「5度目の役満だそうです」
菫「なんだこいつ」
やえ『まだまだ、これから』
咲『その二萬カン』ゴゴゴゴゴ
やえ『うぁ。ま、まさか……いや、それは』
咲『カン、もいっこカン、もいっこカン』ゴゴゴゴゴ
やえ『あぁあああああああ!!!!』
咲『ツモ、四槓子』ゴゴゴゴゴ
203:
菫「ついに出しやがった」
恒子『出ました連続役満!これも小鍛冶プロ以来の珍記録!』
恒子『点棒は原村和が辻垣内智葉を上回っています。なので決勝進出は宮永咲と原村和のお二人です!』
和『……いいんですか?私は1回死に物狂いで』
智葉『これが麻雀だ。仕方がない』
やえ『』
菫「また見るとはな……くたばって立てなくなった人間を」
205:
準決勝第2戦
洋榎「ここまで来たんや。決勝行きたいわ」
憩「こっちのセリフですーっ」
照「」ゴゴゴゴゴ
菫「(しのげるか?この化け物を)」
菫「(いや、化け物といっても同じ部員で、団体戦が終わるまで親しい仲だったんだけど)」
菫「(よく考えるんだ。照は高で上がり、相手の打ち筋を瞬時に見破る)」
菫「(こうなった以上下手に上がりにいかず、降りればいいんだ)」
208:
照「ツモ、ツモ」ゴゴゴゴゴ
菫「(まだいい、親の自摸だからまだ子の点棒に差はない)」
憩「(……いつもなら安く始まり、そして手も大きくなっていく)」
憩「(なぜ3000の次が12000となる?)」
洋榎「(あの菫が顔色を変えんってことは、こういうこともあるってことやな)」
菫「(照だってたまに2翻から始まる事だってある。そこから一気に満貫に)」
照「ツモ。自摸、清一色、ニ盃口。8200オール」コゴゴゴゴゴ
菫「(な、これはおかしいぞ。いくらなんでもこの上がり方は)」
210:
ジャラジャラ
菫「(ぶ、不気味すぎる。何が起こるというんだ)」トン
憩「(こんなん計算外や。どないせえと)」トン
洋榎「(何やねんこいつは)」トン
照「…………」ゴゴゴゴゴ
菫「(こ、怖いぞ。これは何かとんでもないことが)」トン
憩「(とりあえず振らんことを第一に。最悪三人麻雀で)」トン
洋榎「(まだ張ってへんやろ。まだ張ってへんやろ)」トン
214:
照「…………」ゴゴゴゴゴ
菫「(そういえば照、この局で一度も一九字牌を切っていない)」
菫「(まさか……いや、今の照に常識を当てはめるな)」
菫「(ここは危険だが、真ん中を)」トン
憩「(よく真ん中を……国士か?)」トン
洋榎「(まさか、国士?)」トン
照「…………」ゴゴゴゴゴ
照「ツモ」ゴゴゴゴゴ
バタン
菫・憩・洋榎「「「!?」」」
照「国士無双、13面待ち」ゴゴゴゴゴ
217:
洋榎「ふざけんなーーー!!!」バッコーン ジャララ
菫「おい馬鹿!卓をひっくり返すな!!」
洋榎「ここまで来たらイカサマや!!!こんな麻雀あってたまるか!!」ジタバタ
憩「たしかに」
『これ以上騒ぐと失格扱いとします!』
菫「ほらやめろ。おとなしく三麻で勝負だ」
洋榎「ぐぅ」
220:
菫「…………」
憩「…………」
菫「……勝った」
菫「(さっきの一件で頭に血が上った愛宕洋榎からうまく直取りし、そこから逃げ切ることに成功した)」
菫「(途中の追い上げが怖かった。一瞬照のように見えたな)」
洋榎「くそっ……頭に血が上りすぎたわ!」
憩「上るというより沸騰したというべきですーぅ」
洋榎「ぎぎぎ」
菫「ああ、次はあの2人と打つんだな……」
223:
夜 最終戦
   優勝
          │
  ┌─┬─┴─┬─┐
  │  │     │  │
  宮  原      弘  宮   
  永  村      世  永    
  咲  和      菫  照    
誠子「最終戦ですね」
菫「行って、散ってくる」
228:
バタン
菫「ふーっ、一番乗りか」
菫「振りこむと後が怖い……怖いが、最終戦……最低でも4位」
菫「今後のことを考えてもここで結果を残したい」
バタァン
和「はぁ、はぁ……」
菫「どうした?あれが追っかけてくるのか?」
和「いえ、でも一緒にいると怖いんです。もう咲さんとは思えないんです」ブルブル
菫「安心しろ。私もあれが照とは思いたくない」
232:
バタァン
ゴオオオオォォォ!!!
和「ひっ」ガタガタ
菫「――っ!?来たな。化け物どもが」
咲「…………」ゴゴゴゴゴ
照「…………」ゴゴゴゴゴ
ビー
『最終戦を始めます』
237:
東一局 東 親:和 南:咲 西:菫 北:照
和:25000
咲:25000
菫:25000
照:25000
和「(起家……ツモられたくない)」ガタガタ
咲「…………」ゴゴゴゴゴ
菫「(絶対振るんじゃないぞ。眼で殺されるぞ)」
照「立直」ゴゴゴゴゴ
菫「(あ゙あ゙あ゙あ゙ダブル立直考慮してなかったああああ!!)」
242:
和「(これは……くっ)」
咲「…………」ギロ
和「ひぃいぃいい!?」ガタガタ
菫「おい!眼で脅すな!ダブル立直相手にわざともくそもあるか!!」
菫「(振るんじゃないぞ……振るんじゃないぞ……)」バクバク
和「――っ」トン
照「ロン。ダブル立直一発、混一色、小三元、ドラ1。24000」
菫「(ダブル立直で3面待ち……どうしろと?)」
咲「っあーー!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
和「ひぃいぃいい!誰か助けて下さいぃい!!!」ジワッ
菫「ダブル立直に安全牌なしの3面待ちは仕方ないだろ!!!」バン
249:
親:咲
東二局 東 親:咲 南:菫 西:照 北:和
和: 1000
咲:25000
菫:25000
照:49000
和「あは、あはは……」
照「もう次はない」ゴゴゴゴゴ
咲「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「(私には人和という可能性がある。しかも役満の)」
菫「(間違っても振り込みなどできない。振ったあとのことは考えたくないな)」
菫「(落ち着け、人和は満貫だ。それより、次はないという発言から、役満が来てると考えるべきだ)」
菫「(国士から一九字牌は厳禁、緑一色を考えて色のない索子もアウト。九蓮宝灯……これはないだろう)」
菫「(ならば……七索だ!これなら緑一色でもまず振り込まない)」トン
咲「ロン」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「は?……は?」
251:
菫「1,2.3……7まで対子……これは」
咲「平和、清一色、公ニ盃口。24000」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
咲「大車輪があれば終わってたのに」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
照「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「わざとじゃないからあああ!!!というかお前何で待って――」
菫「(萬子の純正九蓮宝灯……)」ガタガタ
照「萬子切っておけば」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「(や、やばい……照の殺気がとんでもないことになった)」ガタガタ
254:
親:咲
東二局 一本場 東 親:咲 南:菫 西:照 北:和
和: 1000
咲:49000
菫: 1000
照:49000
和「」
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
トン
照「ロン」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「な、人和だと!?」
照「そんな軽い役じゃない」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
照「純正九蓮宝灯。32300」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「(もう、何があっても驚かないぞ)」
259:
親:菫
東三局 東 親:菫 南:照 西:和 北:咲
和: 1000
咲:16700
菫: 1000
照:81300
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
照「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「は、はは……」
菫「(これは……麻雀の神が私を助けてくれるのか?)」
菫「(それとも、この後宮永咲に殺されるから死ぬ前に上がらせてやるという死神の情けか?)」
262:
菫「ツ、ツモ……天和……16000オール……」
和:?15000
咲:  700
菫:  49000
照:  65300
ビー
『優勝は白糸台高校3年、宮永照!!!他者の役満すら味方につけました!!!』
菫「(2位になった……全国2位……だが)」
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「」
271:
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「ぶぶぶ物理的に戦うなら、っ私は、つつ強いからな」ガタガタ
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「そ、そぅれい以上近づくなぁあ!!!ちち近づいたら……シャープシュートを」
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「いやあああ!!!お願い近寄らないでえええ!!!」
和「さ、咲さん!!!!!もう終わったんです!!!これ以上は!!!!」
272:
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
和「」ゴクッ
菫「」ガタガタ
咲「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
咲「」ゴゴゴ゙ゴゴゴ
咲「」゙ゴゴゴ
咲「…………」
菫「……?」
照「…………」
菫「もとに……戻っ……た?」
273:
照「あ、菫……今何時?」
菫「…………」
照「?」
菫「……お前、もしかして個人戦の記憶なかったりするのか?」
照「個人戦?今って団体戦で淡が咲と」
菫「駄目だこりゃ……無意識というか、神代小蒔のあれか?」
菫「で?そっちは?」
咲「え?わ、私ですか?」
咲「私は……お姉ちゃんがインタビューで答えてから、記憶が」
菫「…………」
275:
菫「なあ、照。お前、手を抜いてた?今までここまでの麻雀をしているのは見たことが」
照「ほんの少しだけなら本気は出せるけど、すぐに理性が吹き飛んでしまうから無理」
菫「……お前は?」
咲「私は……±0を目指してるけど、本気出したら+にすることはできるよ。ちょっとだけだけどね」
菫「(ちょっと?これが……いや、意識がないから本気出したかどうか覚えてないのか)」
菫「ということはだな、本気を出すと理性が吹き飛んで他人のメンタルをズタズタにする麻雀マシーンになると」
菫「そうなるととんでもないことになる。だから無意識のうちにリミッターがかかっていたということだな」
咲「うーん、よくわからないけど、そうなのかな?」
菫「照はほんの少しだけその片鱗を見せることができるが、それ以上は無理と」
菫「……はぁー」
276:
菫「照、お前馬鹿だろ」
菫「妹は本気が出せないんだ、お前みたいにリミッターを起用にはずせない。外すと……忘れてしまいたいあれになる」
咲「あれ?」
菫「ああ、信じがたいことだろうが、お前は意識のないうちに役満を6回上がって全国の女子高校生雀士の大半を粉砕した」
菫「こういうわけだ。本気が出せないのは出すとああいうものになるから脳がリミッターをかけていたんだ」
菫「淡のあれは……点を取り返さないといけない使命感と淡の挑発で脳のリミッターが外れたんだろう」
咲「えも私は団体戦の記憶も少し残ってるし、そのあとのインタビューまで」
菫「あーあれだ、そのインタビューの時に制御不能になったんだ。たぶんそうだ」
菫「だ・か・ら!!妹が本気出せないのはそういう理由!舐めてるように見えるのはお前の勘違いだ!!!」
菫「ほら、だから和解しろ!!」



279:
菫「ぁあー、なんて個人戦だったんだ。何人麻雀辞めるんだろう……」
照「菫、咲とも一応和解できた。本格的にするのは家に帰って」
菫「あーもう今話しかけるな!一人にしてくれ、疲れたんだ……」
菫「(個人戦の期間の疲れ、たぶん部活の合宿3年分ぐらいだと思う)」
菫「(他の、特にあの2人とやり合った人は……みんな同じような感じだろうな)」
菫「はぁーー」
洋榎「おーい、この残った14人でどっか行かへんか?心を癒す意味でも」
洋榎「特にこの……さっきからにわかだとか王者だと言ってるこの人」
恭子「奈良の晩成高校の小走さんや……」
照「どこ行くの?」
洋榎「いや、心を癒さなあかんくなった元凶が来たらあかんやろ……」
280:
バァン
菫「……?」
健夜「や、やっと、やっと出会えた」ハァハァ
健夜「全力の私と、対等にやり合えそうな人が、日本に」
照・咲「「?」」
健夜「私が全力を出したら、国内のプロはみんなやられるから」
健夜「でもこの二人なら……私と対等に」
照「い、言ってる意味が」
咲「わかりません」
健夜「全力で打とう!国内じゃ力をセーブしないといけないけど、あなたたち2人なら!」
283:
照「(リミッターはそう何度も外せないはず)」
咲「(本気の小鍛冶プロって……)」
照「咲、逃げるぞ」
咲「うん」
ガシ
照「?菫、何で手をつか」
ガシガシガシ
咲「みんな、手を放してよ……」
菫「照、大量の雀士をぶっ飛ばしたんだ」
菫「お前も少しは味わっとけ」ニヤァ
286:
セーラ「せやせや」ニヤニヤ
憩「最強になったら味わえんから、味わってみるのも悪くないですーぅ」ニヤニヤ
洋榎「さー行ってもらおうか。アラフォーの拷問部屋へ」ニヤニヤ
智葉「一度くらい苦しみを味わえ」ニヤニヤ
竜華「行っとけ行っとけ」ニヤニヤ
恭子「ごめんな咲ちゃん、ここは空気読むわ」
哩「縄で縛るよりいいプレイやと」ニヤニヤ
ダヴァン「面白いと思いマスよ」ニヤニヤ
初美「味わうのですよー」ニヤニヤ
288:
小蒔「ふふふ」ガシ
照「お、おい馬鹿やめろ!!」
白望「ダル」ガシ
照「だるいと思うなら手を放して」
やえ「面白そうなことを私抜きで」ガシ
咲「の、和ちゃん……ガタガタ
和「咲さん……」
和「一度、味わってください」ニッコリ
照・咲「「いやああああああああ!!!!」」
291:
菫「ふぅ……なんかすっきりした」
菫「よし、みんなで傷ついた心を癒すんだろ?行こ――」ガシ
菫「はっはっは、愛宕さん。なんで手をつかんでるんだ?」
洋榎「アラフォーのご指名や。どうせなら個人戦2位もつれて来いと」
菫「え?」
憩「去年2位でよかったわー」ガシ
菫「え?え?え?」
竜華「行こうや」ガシ
菫「や、あの、ちょ」
洋榎「行くでーーー!!!みんな担ぎ上げろーーー!!!」
292:
菫「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」
菫「何で私ばっかりこうなるんだーーーーー!!!!!!」
―槓―
295:
ちょー乙だよー
302:
洋榎「あははは、やっぱみんなでバカ騒ぎするんはええなー」
憩「ほんまや、疲れるけど癒される」
竜華「踊れ踊れー」
ダヴァン「これが日本の伝統文化、馬鹿騒ぎ」
智葉「そんな伝統文化はない」
洋榎「はー3年間姫松で麻雀やったけど、いろいろおもろかったなー」
洋榎「まーうちは麻雀推薦で近畿の名門大学入れるしー、遊ぶでー」
菫「はっは、そうか……ならやるか?麻雀」
304:
洋榎「おお、帰ってきたんやな。お疲れさん」
菫「ああ、ただいま。そして今からお前をあそこへ連れていくガシ
洋榎「……はい?」
菫「あそこでアラフォーアラフォー連呼してるのがばれたんだ。それでお前も指名されたんだよ」
洋榎「…………」
洋榎「うちだけやないからな。アラフォー言うたんはうちだけやないから」
洋榎「やからうち以外もつれていくんや」
菫「具体的に誰が言ったか教えてくれ」
洋榎「恭子、原村以外の全員」
306:
菫「残念だが……全員アラフォー連呼がばれたと言ったところで逃げた」
洋榎「あの裏切り者どもめ」
洋榎「恭」
菫「邪魔する奴は全員連れていくから、連れて行かれたくなかったら」
恭子「主将!見逃してください!」ダダダ
和「私は赤の他人なので」ダダダ
洋榎「嘘ぉん!?それはないやろ!?」
菫「さぁ、行こうか。何安心しろ……2,3時間の辛抱だ」
308:
照「……ひっく」
咲「お姉ちゃん……」
健夜「本気の麻雀、最高!若返ったみたい」
洋榎「これは……すごいな」
菫「じゃ、頑張れ。そのうち私が」
洋榎「どーせまだあの11人東京におるから連れてこいや」
洋榎「さーて、インハイ、地獄の延長戦。やりますか」
―もいっこ、槓―
317:
面白かった
318:
乙なのですよー
31

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