男「・・・・・・」 ゴリラ「ウホッウオッホホホ」back

男「・・・・・・」 ゴリラ「ウホッウオッホホホ」


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男「・・・・・・・」
ゴリラ「ウホッホオウッ ゴホフッ」
5 以下、
男「・・・・・・」
ゴリラ「ウホゥホ ホヴフ」
男「・・・・・・」
ゴリラ「ブシュル・・・ゴア」
  ゴキン
6 以下、
  いつも、ゴリラに殺されるところで目が覚める。
8 以下、
チュンチュン
男「・・・・・・」
男「あー」
顔を洗い、身支度を整え、学校へいく。
12 以下、
なぜ開いた
と来ると思ったらまさかまさかの続きがあるッテイウ
13 以下、
この夢を見る様になったのがいつ頃なのか、覚えていない。
何十年も遠い昔の事のように感じる。
夢の中で、ゴリラと一つの大きな部屋にいる。
そうして俺はゴリラに殺される。
時には殴られ、時には絞められ、齧られ。
殺される事で目が覚める。
ゴリラの暴力の生々しい記憶を帯びて、俺は朝を迎えるのだ。
14 以下、
しかし、これが果たして夢なのかという事も俺には判断がつかないのだ。
夢とも思えぬ、超現実的感覚が伴っているからだ。
あまつさえ痛みの感覚すらも残して起きる事もある。
小さい頃、初めてこの夢をみた時は、ただただ怯えた。
成す術もなく嬲り殺され・・・いや、今でも成す術はないのだが。
起きた時には頬が涙で濡れていた。
それから、毎日同じ夢をみるようになった。
16 以下、
怖いわwww
17 以下、
通常夢というのは虚ろな感覚のままに過ぎるものだという。
だがゴリラと共にいるときの俺の意識や感覚は至極はっきりしている。
視界も、痛みも、時間の経過を感じる感覚も、現実のそれとなんら変わりはしない。
ただこれは夢だと理解していて、そうして俺はゴリラに殺される。
初めは抵抗もした。殺されない為の努力を。
だがその部屋に逃げ場はなく、野生の力の前に抗える力も俺にはない。
いつからか、冷めた感覚のまま諦めていた。
殺されたところで、俺は現実に目覚めるからだ。何も問題は無い。
19 以下、
広い、真っ白な部屋の中。
俺とゴリラ。
いつ殺されるかは解らない。それはゴリラの気分だ。
一度、一週間近く放置された事もあった。
飢餓状態で死にそうになっている時に、頭を叩き割られた。
起き抜けに妙に腹が空いていたので、思い切り食べた。
21 以下、
夢の中で起こった事もはっきりと記憶に残る。
明確な思考も可能だ。
なので体感的には、俺は実際の年齢よりもかなり年をとっている。
この事は他の人間にはあまり言っていない。
変な人間だと思われるからだ。
幼少の頃、病院で医者に見てもらったが、何ら解決はしなかった。
依然俺は、ゴリラに殺され続けている。
23 以下、
女「おはよー」
男「おはよう」
女「どしたの?首いたいの?寝違えた?」
男「いや・・・ちょっとゴリラに首を捻られて」
女「ああ・・・そっか」
彼女は、俺の夢ゴリラの話を知っている数少ない人間の一人。
いわゆる幼馴染みという奴だ。
雰囲気が大人びているので、周りのガキみたいな連中と違い、一緒にいて気が楽である。
24 以下、
俺は自分の内側にゴリラを飼っている。
いったい、なぜこんな夢を見るようになったのかは自分でも解らない。
そうして一日が終われば、また俺は寝床に就く。
ゴリラに殺される為に。
26 以下、
ところである日、ふと思いついた。
俺は夢の世界では、基本的に服を着ている。
それは前日の自分の服装が反映されるようだった。
ならば、前日に何かゴリラに対抗する“何か”を身につけていれば、
それをゴリラ側の世界に持ち込めるのではないか。
もしかして、武装する事も可能なのではないか。
好奇心が芽生えた。
28 以下、
ふむ
29 以下、
早俺は、ナイフを懐に抱いたまま一日を過ごしてみる。
そうすると、夢の世界の俺は、ナイフを握っていた。
これは新しい発見だった。なんと夢に物を持ち込む事が可能。
この驚愕の事実は、俺を少なからず驚嘆させた。
しかしナイフ一本程度では、ゴリラの強力な暴力には到底及ばない。
瞬殺である。
次の日、バナナを持ってゴリラを懐柔する作戦にでてみた。
ゴリラは美味しそうにバナナを食べた。
食後に俺は殺された。
32 以下、
まず武器をもってゴリラを制すという考え方自体はいいだろう。
問題は、ただの学生である自分がどれほど強力な武器を持ち得るか、という事だ。
親の庇護のもと、保護者つきの未成年。
せいぜい用意できるのは、ナイフやバットくらいの物でしかない。
缶スプレーを持ち込み、簡易火炎放射も試してみたが、駄目。ゴリラ強い。
作戦を練らなければ。
だがそういう事を考えるのは、とても楽しかった。
一つの趣味ができた。
だが同時に、一つの疑問が沸き起こる。
34 以下、
夢の世界では、ゴリラに殺される事が覚醒のアクションである。
ならば、自分を殺すゴリラがいなくなれば。
自分がゴリラに殺されなくなったとしたら。
一体自分はどうなるのか?
35 以下、
男「女は、どう思う?」
女「うーん・・・どうだろうね」
学校の昼休み。俺は女と空き教室で弁当を食う。
36 以下、
女「それは私に聞かれても・・・って感じ」
男「そうか」
女「うん」
男「でもゴリラを倒すって指標ができたのは凄い事だ」
女「それで、今日も濃硫酸入りの瓶もってご昼食ってわけ」
男「ああ。理科室から拝借してきた」
女「物騒だよね」
37 以下、
物騒だなおい
38 以下、
女「別に疑う訳じゃないけど・・・なんか突拍子もない話だよね」
女「ゴリラの夢の話は昔から聞いてるけど、なんだかねえ」
男「うん」
女「まぁ、好きにしなよ。ゴリラ退治がんばって」
男「ああ」
そうして俺は、日常をやり過ごしながらまたゴリラと対峙する。
40 以下、
しかし、どうやってもゴリラには勝てなかった。
所詮付け焼き刃の武装では歯が立たないのか。
そこでトレーニングを始めてみた。
まず俺本体が虚弱過ぎる。
基本的に夢の世界の自分のスペックは、現実の自分とリンクする。
なので、少しでも基礎能力を上げておけば、多少は持つかもしれない。
毎日ランニングと、腕立て腹筋。
それに通信空手も始めて見た。
しばらく続けたが、人とゴリラの差はやはり埋められそうもない事に気付いて、やめた。
42 以下、
やはり、強力な武器が必要だった。
少なくとも通常学生が用意できるようなレベルのものでは駄目だ。
銃火器が要る。
拳銃なんかがあれば、あのゴリラも殺せるかもしれない。
それに近接用にスタンガンなんかも欲しいな。
欲しい。
45 以下、
そうして俺は、ネットを利用し、非合法な方法で銃を手に入れる事にした。
非合法なのでもちろんバレれば社会的にマズい。
慎重に事を進める。
アングラな取引に必要な金の高は、自分が思っていたより随分と安かった。
家が人より裕福な自分には、その金額を用意する事は十分可能だった。
そうして、俺は銃を手に入れる。
黒光りする銃身。手にずっしりとくる重量。弾丸。
心を踊らせた。それを身につけて過ごす一日は、スリルに満ちている。
47 以下、
期待
48 以下、
男「・・・・・・」
ゴリラ「ウホ ゴフッホホホ!」
  ドン
49 以下、
 ドン
 
   ドン
   ドン
  ズドン
52 以下、
男「・・・・・・」
ゴリラ
53 以下、
   俺は、ゴリラを殺した。
54 以下、
きたあああああああああああああああああ
55 以下、


男「・・・」
男「・・・・・・」

57 以下、
静寂。
硝煙の臭い。
ゴリラだったものから流れる血液。




58 以下、
   何も起きない。
59 以下、
達成感に満ちたのは、ほんの一瞬だけだった。
そうして代わりに、じわじわとある感情が去来してきた。
ゴリラに殺される事が引き金となり目覚める。
では、ゴリラに殺されなければ。
ゴリラに殺されなければ。
61 以下、

男「あ」
男「あああ」
63 以下、
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
67 以下、
俺はすぐに後悔した。
ゲームか何かだと思っていたのだ。
ゴリラを殺せば、“何か”があると。
勝手にそう、思い込んでいた。
しかし何も起こりはしない。
まさか俺はずっとこのまま。
自分の潜在意識下に、閉じ込められたままなのだろうか。
71 以下、
この、真っ白で無機質な空間に、永久に閉じ込められるのだろうか。
いや、待て。
そもそもの前提が間違っている可能性がある。
“ゴリラに殺されて目覚める”のではなく、
“自分が死ぬ事”によって覚醒するのかもしれない。
弾倉には弾があと一発。
73 以下、
そうだ。これは夢なんだ。
この一発を自分に撃てば。
死ねば。
きっとまた、同じ朝を迎える事ができるんだ。
この悪夢から、解放されるんだ。
そうに違いない。
そうだ。
そう。
74 以下、
銃を、自分のこめかみにあてる。
そうして、引き金を引いた。
76 以下、
・・・・・・
・・・・・・・・・
78 以下、
  気がつくと、目の前に俺がいた。
81 以下、
相も変わらず真っ白なこの部屋で。
目の前に俺がいる。いや、これは昔の俺だ。
幼少の頃の俺じゃないか。
なんだこれは。
現実に帰れたんじゃないのか。
82 以下、
まさか・・・
87 以下、
すぐに違和感に気付いた。
自分の体の。
自分の肌の手触り。ざらざらするような。
筋肉の、固い感触。
この部屋に鏡は存在しない。
だが、俺は今自分がどんな姿になっているのか
それは朧げながら確信ができた。
88 以下、
子供の俺は、俺をみて恐怖したのか泣いている。
そうだろう、怖いだろうな。それはよく覚えている。
そして、今自分が何をすべきか。
理解した。
そうして俺は、俺の首の骨を折る。
有り余る力で。溢れ出す力で。
89 以下、
そうすると、俺の死体はふうっと消えた。
忽然と消えた。
それから、何十時間が経過する。
そうすると、またふうっと俺が現れた。
幼い俺が。
92 以下、
自分で自分を殺す。
それは背徳感か罪悪感なのか解らないが、複雑な心境だ。
だが、俺が殺してやらないと、こいつは現実に、“向こう側”に帰れない。
永遠にこの部屋に居る事になるだろうな。
だから、殺す。
96 以下、
恐らく、俺は気が遠くなるほどの時間を、この部屋で過ごすのだろう。
目の前のこいつが、俺を殺せる様になるまで。
成長し、好奇心で俺を殺せるようになるまで。
俺が俺に殺された後、自分がどうなるかはわからない。
またもとの世界に目覚めるのか。
それとも本当に死んでしまって終わるのか。
ただはっきりしているのは、この醒めない悪夢を終わらせるにはその方法しかないってことだ。
101 以下、
ああ、なんだか、意識がぼやけてきた。
“俺”としての自我が失われていくのが解る。
俺はこれから、本当のゴリラになるのだ。
記憶も正気も失って。
そういう予感がする。
まぁ、しばらく待つしかないだろうな。
104 以下、
  俺が殺されるまで・・・この退屈な“現実”を過ごしていくしかないようだ。
  ときどき俺が、バナナのお土産でももってくるのを期待して。
107 以下、
ゴリラオワリ
108 以下、

面白かった
112 以下、
すげえええ!
こういう話大好きです、乙。
113 以下、

ウッホッホきた!これでかつる!
なスレかと思ったら全然違ったでござる
119 以下、
かなり面白かった
125 以下、

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