真紅、恵方巻きになる。back

真紅、恵方巻きになる。


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真紅「へー、あら? そうなの?? それはそうよねぇ。うん、あー、なるほどなるほどー」
雛苺「ねえねえ翠星石ぃ。真紅がさっきからずっと電話をかけているのよ」
翠星石「そのようですね。一体、どこの誰と長電話してるんだか」
真紅「やーだ、もう! そんなのイカが可哀想じゃない。本当にあなたって…」
翠星石「相手も気になるですが、話の内容も気になるですぅ」
真紅「え? マジで? あー、そうなんだ?。そりゃ大変だわ。ええ、それじゃあ、また電話するわ」ガチャン
雛苺「電話が終わったみたいなのね」
翠星石「そのようです。お?い、真紅ぅ」
真紅「翠星石に雛苺? いつからそこに?」
翠星石「ついさっきですぅ。ところで真紅はどこに電話をしていたのですか?」
133 :
翠星石「へー、あいつもまだあっちが気に入ってるんですね」
真紅「それもそうだけど、ついでに巻かなかったジュンと斉藤さんの仲の進行具合を週一で報告してもらっているの」
雛苺「そんなスパイみたいなことをさせちゃいけないのよ」
真紅「だまらっしゃい。下僕の繁殖計画管理も主人の務めなのだわ」
翠星石「繁殖て…。ゲスの極みですね真紅は」
真紅「最近は斉藤さんもよく巻かなかったジュンの部屋に来て、ご飯を作ってくれているとか」
雛苺「仲良しさんなの」
真紅「いいえ。思ったよりもまだまだ、ぬるい進展だわ。このままでは
  斉藤さんがジュンに抱きついて『愛してる』と言ってくれるには数世紀かかりそう」
翠星石「そ、それはそうと、どんなご飯を作ってもらったりしているのですぅ? あのデカチビ人間は?」
真紅「この間は節分だからって、例の劇団のみんなと一緒にダイオウイカで恵方巻きイカ飯を作っていたらしいわ」
翠星石「はあ? 恵方巻きは分かるですが、ダイオウイカて…?」
真紅「巻かなかった世界って、ここよりちょっと未来の世界じゃない」
雛苺「うぃ」
真紅「未来では漁業資源の深海魚への依存度がさらに進むとともに
  研究や技術の発達により、ダイオウイカも一般家庭の食卓へ並ぶようになったそうよ」
翠星石「マジですか。すげーですね未来」
真紅「アンモニア臭くて食べられたもんじゃないダイオウイカの消費を伸ばすために
  漁業組合の呼びかけで、巻かなかった世界では恵方巻きもイカ飯が主流に置き換わっている」
翠星石「マジですか。えげつねーですね未来。それにイカ飯ってイカの体にご飯つめる料理ですよね?
  全然、巻く料理でもないのに恵方巻きに便乗するのは無理があるんじゃないのですぅ?」
真紅「巻かなかった世界だけに、恵方巻きも巻いてないって? 面白いこと言うわね翠星石」
翠星石「いや、別に翠星石はその辺を洒落っぽく言いたかったわけじゃあ…」
真紅「こっちの時間世界ですら、サンドイッチやワッフルまでもが恵方巻き商戦に乗っかってるのよ?
  だったらイカ飯も全然ありじゃない。と言うか、既に今でもどっかでやってそうな気がする、イカの恵方巻」
雛苺「そう言われれば、そんな気もしてきたの」
134 :
真紅「というわけで私達も隣の世界に負けていられない」
ジュン「何が『というわけ』なのか、全然分からないんだが…」
真紅「いいの、ジュン? 相手は彼女や大勢の友達と一緒に
  キャッキャウフフしながらダイオウイカの恵方巻きを作っていたのよ?」
ジュン「……」
真紅「なのに、あなたったら一人さびしく、自分の粗末な股間の恵方巻きをイカ臭くしているだけ」
ジュン「してねぇよ!」
雛苺「ええ? ジュンって恵方巻きを、おまたに隠しているのよ!?」
ジュン「ねぇよ!! 頼むから適当なこと言うな真紅! 雛苺が信じる!」
真紅「まあ、今のは物のたとえ。それでもこっちのジュンが巻かなかったジュンに出遅れているのは確か」
翠星石「別にいいんじゃねーのですぅ? どうせあっちの方が未来に生きているんですし」
真紅「そんなことでは永遠に追いつけない。そう、相手が死ぬまでこっちに勝ち目がないことになる」
翠星石「むむむ…、確かに」
真紅「ジュン、あなただって巻かなかったジュンに対して『すぐに追い越してやる』だとか
  『あいつに笑われたくない』だとか大見得きって言っていたじゃない」
ジュン「う…」
135 :
  毎日、自分のせがれいじりに熱中しているだけの猿です』って報告せざるを得ないじゃない!!」
翠星石「おっ、白薔薇にはこっちのチビ人間の状況を教えていたんですね」
ジュン「と言うか、嘘の報告をするな! 馬鹿!」
真紅「だって、報告内容がしょぼいと雪華綺晶に鼻で笑われるんだもの」
ジュン「その報告例だって失笑もんだろうが」
真紅「たまには、この真紅ちゃんに報告会で華を持たせて頂戴ジュン」
ジュン「ああもう、どないせいっちゅうんだ?」
真紅「こっちも夢と希望に満ち溢れたオリジナル恵方巻きを作ってキャッキャウフフしてリア充アピールするのだわだわ」
翠星石「みんなで料理ですか」
雛苺「楽しそうなのー」
ジュン「まあ、それぐらいなら何とかなりそうだな」
真紅「本当!? それじゃ早、オリジナル恵方巻きのアイデアがあるから聞いて頂戴」
翠星石「どんなのです? 言ってみるがいいです真紅」
真紅「ずばり、マッコウクジラ丸ごと一本巻き」
ジュン「却下」
136 :
ジュン「名前だけで嫌な予感しかせんわ! クジラなんて、どこで調達するんだよ!」
真紅「だ、だって相手はダイオウイカよ! それに勝つにはマッコウしかないじゃない!」
翠星石「うむ。確かに真紅の言うことにも一理あるです」
ジュン「無い。無理だ」
真紅「しょうがない。マッコウが駄目なら次はアナコンダ巻きよ」
ジュン「却下」
真紅「なっ!? またもや名前だけで!? どういうつもりよジュン!」
ジュン「お前こそどういうつもりだ。もうちょっと現実的に考えろ」
雛苺「クジラさんもアナコンダさんも、簡単には手に入らないのよね」
ジュン「そういうこと。雛苺でも分かっているんだぞ、真紅」
真紅「ぬうう…」
翠星石「見た目だとか中身のインパクトで勝負するのは止めたほうがいいですよ。
  インパクトでダイオウイカに勝つためには、かなり無茶しないといけなくなるです」
真紅「くっ…」
ジュン「手巻き寿司セットとかで、地味でも皆で仲良くやればそれで充分だろう?」
137 :
翠星石「お? 一階の電話が鳴ってるですぅ?」
雛苺「ヒナが出るの!」
ジュン「いや、いい。僕が出てくる」
雛苺「ぃやーん! ヒナが! ヒナが出たいの?っ!」
ジュン「しょうがないな…。じゃあ最初に出るところだけやらせてあげるから、すぐ代われよ」テクテク
雛苺「うんっ」トテテテ
翠星石「チビ人間とチビ苺が退席したです。で、真紅はもうホームメイド恵方巻きでOKなんですよね?」
真紅「予定から大幅な路線変更を強いられそうだけれども、しょうがない。恵方巻きができれば良しとするわ」
翠星石「真紅の当初の予定では、どこでマッコウクジラを手に入れるつもりだったんですか…」
138 :
雛苺「大変なのー!」タタタッ
翠星石「ん? どうしたですチビチビ共? 電話を取りに行ったはずじゃあ」
真紅「ひょっとして悪戯電話でパンツの色でも聞かれた? そういう時は『はいてない』って答えれば…」
ジュン「違う! 蒼星石から電話だ! 『薔薇屋敷で恵方巻き作りパーティーやらないか』ってさ!」
翠星石「なんですとーっ!」
真紅「何てジャストでグッドなタイミング!」
雛苺「ワタアメに笛なのよね、真紅!」
ジュン「それを言うなら渡りに船だ。で、どうする?」
真紅「どうもこうも、行くに決まってるじゃない!」
翠星石「たとえ真紅達が嫌だと言おうが翠星石だけでも行くですよ!」
ジュン「だと思って、蒼星石にはこちらからは全員参加だと伝えておいた」
真紅「下僕にしてはやるじゃない。よろしい、それでは準備を整えて出発よ」
翠星石「おおーっ!」
雛苺「うぃー!」
139 :
金糸雀「毎度毎度、こんな広い場所で思いっきり料理ができて食べられるなんて楽しいかしら」ワイワイ
みつ「いやはや、持つべきものはやっぱり華族でローゼンメイデンのマスター仲間ですわ」ガヤガヤ
一葉「私の場合は、どちらも頭に『元』が付くがね」
巴「いつもありがとうございます、結菱さん」
一葉「こちらも大勢の方が楽しい。じきに桜田君達も来る予定だよ」
二葉「そうそう。メイド見習いやってたオディールちゃんもフランスに帰っちゃって寂しいし」
蒼星石「はーい、どんどん巻いて食べてくださいよ?。ご飯、重くしてありますからね?」
水銀燈「重く…?」
二葉「ああ、それウチの家庭内隠語(?)で、ご飯いっぱい炊いてあるって意味だよ」
めぐ「ほらほら水銀燈! 手がお留守よ、じゃんじゃん作りましょ、じゃんじゃん!」
水銀燈「そんなに作ってどうすんのよ。どうせ、あなたあんまり食べないのに…」
めぐ「私、食べるのは苦手だけど作るのは好きなの」
水銀燈「……」
二葉「お、めぐちゃん調子よさそうだね? 幽霊生活ももう慣れた?」
めぐ「はい。もう絶好調です」
140 :
二葉「まあ、病気で死んじゃった人は、幽霊になってもその状態で固定されちゃってることが多いから。
  それに顔色の良い幽霊なんてのも、おかしいだろう?」
水銀燈「あんたは随分と元気ハツラツなようだけどねぇ、二葉」
二葉「僕はほら、幽霊として年季が長いから外見も少しは変えられる。
  ふやけた肉とむき出しの骨の姿がお好みだって言うのなら、そうしようか?」
水銀燈「あら、いいわね。今のにやけた面よりそっちの方がよっぽど私の好みよぉ」
みつ「銀ちゃん! 二葉さん! それはちょっと今は…」
一葉「食欲が失せるだろう。二人とも悪い冗談は止めなさい」
二葉「ごめんごめん」
水銀燈「私は別に冗談で言っていたわけじゃあなかったんだけど」
めぐ「え? そうだったの!? だったら私も少し自分の骨を見せといた方がいい?」
巴「か、柿崎さんはそういうの似合わないと思うけど」
めぐ「見せパンとか見せブラとかあるんだから、見せモツとか見せ骨とかもアリよね? ね? 水銀燈?」
水銀燈「…ばっかじゃないのぉ」
金糸雀「そういうのが許されるのはシグルイくらいかしら」
141 :
めぐ「はい?」
二葉「塩には気をつけるように。僕達お清めの塩とかうっかり触れると溶けちゃうから…」
金糸雀「え? 本当なのかしら? 蒼星石、お塩を貸して」
蒼星石「うん、いいよ。一杯あるから」
金糸雀「そーれっ」バサッ
二葉「うわぁああああーっ…!?」シュオオオオ
金糸雀「おお、本当に効果覿面かしら」
蒼星石「これ、いい塩だからね。昔のアストラルオンリーだった雪華綺晶もよく溶けた」
一葉「うむ。二葉や雪華綺晶が溶ける塩は美味い」
二葉「金糸雀! 何で試しちゃうの!? 僕が全部溶けて消滅しちゃったらどうするんだよ全く」シューシュー
金糸雀「二葉の成仏詐欺に比べたらマシかしら」
水銀燈「おふざけも相応にしときなさいよ。めぐにまで塩がかかってたら…」
めぐ「ごめん、結構かかっちゃっていたみたい…」シュオオオオオ
水銀燈「めぐぅううううッッ!?」ガビーン
みつ「きゃああああっ! めぐめぐが消えていくぅうう!?」
二葉「まずい! 僕よりも霊経験が乏しいから、塩への耐性も薄い!」
めぐ「ごめんね水銀燈、もう一緒にいられない…みたい…」シュゴオオオ
水銀燈「ちょっ!? 二葉、どうしたらいいの? これ?」
二葉「砂糖かけると復活するよ」
水銀燈「砂糖!? お砂糖ね!」
蒼星石「砂糖もここにあるよ」
水銀燈「貸しなさい蒼星石!」
蒼星石「後で返してね」
水銀燈「めぐ! ほらっ! しっかりして、これで!」バババッ
めぐ「あ、なんだか元気になってきた」
巴「砂糖で復活するんだ…」
金糸雀「ナメクジみたいかしら」
蒼星石「ナメクジは砂糖ふっても水分が失われるから縮むよ」
142 :
巴「!」
金糸雀「あら、この底抜けに明るくて甘ったるい呼び声は?」
蒼星石「雛苺だ。ジュン君達が来たみたいだね」
雛苺「見て見て! トモエなのー! トモエがいるのよジュン!」ダダダッ
ジュン「ええい、見れば分かる。そんなに大声を出すな」
真紅「あらやだ、水銀燈までいるじゃない」
翠星石「カナチビとみっちゃんさんもいるですぅ」
のり「私達が一番最後みたいだわ」
蒼星石「待ってたよ。先に始めちゃっていたけど、かまわないよね」
ジュン「ああ、そりゃ勿論、全然」
のり「よんでくれてありがとうね蒼星石ちゃん」
蒼星石「さあ、酢飯も海苔も巻物の具も用意してあるから好きに作って食べて楽しんでほしい」
雛苺「わぁい!」
143 :
翠星石「伊達巻きみたいなもんですか。しかし、それを切らずにかぶりつくとは豪勢ですぅ。
  よっしゃ! 翠星石もそれを作るですぅ」
金糸雀「真似しないでほしいわね翠星石」
翠星石「ケチくせーこと言うなですよカナチビ」
のり「ジュン君は何を作るの??」
ジュン「僕は…あれかな。美味しそうなマグロの赤身があるから、鉄火巻きを」
みつ「えー、ジュンジュン! 折角これだけいろんな材料があるんだから
  もっといろんな具を巻いて、切ったら誰かの顔になってるような感じのキャラ恵方巻き作ってよ?」
ジュン「あの…、僕そんなことできませんよ、みっちゃんさん」
みつ「マイスターローゼンに不可能は無いわジュンジュン! ほらほら…」
ジュン「弱ったな…。じゃあ、やるだけやってみます」
のり「お姉ちゃんも手伝うわジュン君」
144 :
水銀燈「べ、別にぃ! どんなのだっていいでしょう!」
めぐ「意地悪しないの水銀燈。教えるぐらいいいじゃない。真紅ちゃん、これは中身が自然薯よ」
真紅「自然薯?」
蒼星石「ああ、そう言えば水銀燈が自然薯を持参してきてたんだ」
真紅「水銀燈が持ってきた?」
水銀燈「誘われたんだから手土産ぐらい用意するのが普通でしょ」
蒼星石「いつもの裏山から掘り出してきたらしい」
めぐ「それを丸ごと酢飯で包んで、恵方巻きにしているの」
真紅「道理でむやみやたらと長い恵方巻きだと思ったわ。けど、自然薯ってすりおろして食べるものじゃあ?」
蒼星石「短冊切りにして、食感を楽しむこともあるらしい」
水銀燈「ふふ、それを丸かじりにできる恵方巻きができたら、素晴らしいわよねぇ真紅?」
真紅「んー…イマイチね。ダイオウイカに比べたら…」
水銀燈「へ? な、何よ! だったらアンタはこれ以上のものができるとでも!?
  見たところ桜田家の面々は全員手ぶらで来ているようで、特別な材料も無いのに!」
真紅「ここに来るまでにアイデアは浮かんでいる。後であなたの度肝をミスティカごとぶち抜いてあげるわ」
水銀燈「はんっ! 口だけなら何とでも言える。後悔するんじゃぁないわよ真紅ぅ?」
真紅「……」
145 :
雛苺「ヒナねぇ! あのねぇ! 甘くてうにゅ?っとしたのが作りたいのぉ!」
巴「そう、やっぱり。そう思ってウチからちょうどいいのを持って来てたのよ、ホラ」
雛苺「わぁ! イチゴジャムなのー!」
巴「練乳クリームもあるわ。これで雛苺の大好きな恵方巻きを作りましょう」
翠星石「…おじじ、あっちの方でとんでもないものを作ろうとしている人達がいるですよ」
一葉「個人の食の好みには口出しをしないのが私のポリシーだ」
翠星石「つっても、酢飯にイチゴジャムと練乳って…想像しただけでも絶望的な味ですぅ」
蒼星石「まあ、どうせ食べるのは雛苺だし。巴さんも一緒なら、大丈夫だろう」
翠星石「あの通い妻気取りは、ああ見えてちょくちょく大胆なことしやがるですよ…」
146 :
ジュン「よし! これで完成だ! 多分!」
みつ「ええっ!? 本当!? さっすがジュンジュン! よっ! マエストロ!」
のり「うまくできているといいわねぇ」
二葉「具に使ったのはマグロの赤身や海苔類か」
ジュン「はい。真紅の顔をイメージして作ったんですが…」
一葉「こればかりは恵方巻きを輪切りにせんと中身が分からんな」
金糸雀「ふー…! こっちも見栄えはアレだけど完成かしら」
翠星石「ふふん、ほれ見ろですぅ。翠星石の方がうまくできているですよ」
金糸雀「カ、カナは味を重視しているのかしら!」
雛苺「うぃー! 完成なのよー!」
巴「おめでとう雛苺」
めぐ「どうやら皆の分もでき上がってきたようね」
水銀燈「それじゃ、とっとと食べてパーティーもお開きにしちゃいましょ」
蒼星石「君はまた、そういうことばかり言っちゃって。しかし、お腹が減っているのも事実」
一葉「うむ。めいめい好きに食べてしまっていいだろう」
雛苺「わーい! いっただっきまーす」
翠星石「おおっと、ちょい待ちですチビ苺」
雛苺「うぃ?」
147 :
雛苺「何それぇ? 本当? ねぇトモエ??」
巴「ええ、本当よ」
雛苺「どっち向いて食べればいいの?」
翠星石「今年は上ですぅ」
雛苺「上なのね。よいしょっと…。ううう…!? た、食べにくいのよ」フラフラ
巴「ひ、ヒナ…! それは違う」
雛苺「うぇ?」
翠星石「がーはっはっはっは! ば、馬鹿丸出しですぅ。方角で上とかあるワケないだろうがですぅ」
雛苺「みゃーっ! 騙したのよね翠星石!」
翠星石「まあまあ、そう怒るなです。翠星石のロング伊達巻も少し食べさせてやるですから」
雛苺「む?、だったら許さないこともないのよ」
148 :
めぐ「ねえ? どう? 水銀燈? 自然薯恵方巻きは?」
水銀燈「すっごい食べにくい。口の中に芋がいつまでも残るわぁ」バリボリ
蒼星石「やはり丸かじりは無理があったみたいだね」
ジュン「よーし、覚悟を決めて僕の恵方巻をついに切るぞ。うまく真紅の顔になってくれればいいんだが」
のり「恵方巻きを切るのは、本来『縁を切る』ってことに繋がるから
  あまり奨励されないんだけど、今回のはキャラ恵方巻きだからそうも言ってられないわよね」
ジュン「よいしょっと!」ズバッ
みつ「お、おおっ! これは」
二葉「この出来栄えは…っ?」
ジュン「……」
水銀燈「何、この顔? ポニョ?」
めぐ「こ、こら水銀燈!」
水銀燈「いいのよ。こういう微妙なのは微妙だとはっきり言っておいてやらないと」
ジュン「…確かに水銀燈の言うとおりだ。素人が感覚頼りで作っても、これが限界か」
のり「初めてにしては顔に見えるのができただけでも大成功よ! ジュン君!」
ジュン「いや、まだ材料が残ってる! もう一つ…今からでも」
一葉「桜田君の職人魂に火がついてしまったか」
蒼星石「あまりそう気張らなくても。これだって真紅の顔に見えないこともないし」
二葉「丸が三つあれば、幽霊の顔に見えるってのと同じレベルだけどね」
一葉「二葉、一言多いぞ」
ジュン「そもそもこんな中途半端な出来のキャラ恵方巻きを真紅の顔だなんて言ったら
  当の真紅にどれだけ、どやされることか…て、あれれ?」
翠星石「どうかしたのですチビ人間?」
149 :
蒼星石「おかしいな。ご飯は重くしてあったし、海苔だって…」
水銀燈「誰か盗み食いでもしたんじゃないのぉ?」
雛苺「ヒ、ヒナは食べてないのよ! ちょっとしか…」
金糸雀「ちょっとしか?」
巴「…それよりも、真紅ちゃんが随分と前からどこにも見当たらないみたいなんですけど…」
のり「えっ!?」
ジュン「あ、そう言えば!」
真紅の声『くっくっく! 気付くのが遅くてよ、みんな』
水銀燈「真紅の声っ!?」
蒼星石「一体、どこから!?」
150 :
 ,r'''; : ; : ; : ; : ; : ; : ; : ; : ; : ; : ,r'      ヽ
 ,i':,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,::,i' .ィ/~~~' 、 l
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ジュン「ななな、なんじゃこりゃー!?」
みつ「いつの間にか、特製調理台の上に、ごんぶとの恵方巻きが!?」
翠星石「しかも真紅が恵方巻きの中から顔を出しているです!!」
寿真紅「これぞ寿真紅(すしんく)。ダイオウイカ飯を越える究極の恵方巻きよ」
一葉「な、なんという…」
151 :
寿真紅「その通り。またの名を『アリス巻き』!」
翠星石「酢飯で周りを囲まれて気持ち悪くねぇのです? 真紅?」
寿真紅「いいえ。まったくもって心地よい感触よ」
ジュン「ば、馬鹿! 食べ物をオモチャにして遊ぶなと、いつもあれほど…」
のり「しかも、こんな他所様のパーティーで」
水銀燈「本当、常識ってもんがないわねぇアンタは」
寿真紅「だ、だまらっしゃい! この寿真紅は決して食べ物を無駄にしているわけではなく
  天から来たる神仏へのお供え物としての性質を備えた、崇高な儀礼上の…」
蒼星石「いやいや、いくら言い繕っても今回ばかりは少し洒落にならな…」
??「すいませ?ん」
一葉「誰だ? お客様か? こんな時に?」
二葉「他に誰か来る予定はなかったはずだと思うけど…」
152 :
水銀燈「末妹!?」
蒼星石「あ、そうだった。一応、間にあえばってことで、雪華綺晶にも今日のことを電話しておいたんだ」
雪華綺晶「申し訳ありませんわ。ブサ綺晶を巻かなかった世界に置いてくるのに手間取りまして」
翠星石「何でブサ綺晶を置いてくる必要があるのですぅ?」
雪華綺晶「ちょうど斉藤さんがマスターの部屋に上がっていたものですから…
   私が出かけているうちに、ちちくり合わないかどうかブサ綺晶に監視させる必要があります」
雛苺「なるほどなのよね」
雪華綺晶「…ああっ、やはり皆様ほとんど食べ終わった後のようですわね。
   お誘いいただいたのに、遅れてしまい雪華綺晶は本当に悪い妹です…」
のり「ゆっきーちゃんが、そう自分を責めることはないわよぉ」
みつ「そうそう。ちゃんと来てくれただけでも…」
153 :
ジュン「ん、ああ、そうか。お前、恵方巻きに埋まってるからその角度だと雪華綺晶が見えないのな」
巴「ちょど真紅ちゃんの真後ろに雪華綺晶が…」
水銀燈「末妹、これ(寿真紅)を丸ごと食べていいわよ。あんたの為に残しといたの」
雪華綺晶「ええ? 本当ですか。ありがとうございます、お優しい黒薔薇のお姉様」ガパアッ
二葉「げっ!?」
寿真紅「なになに? どれを食べるって?」
ジュン「うわっ? 雪華綺晶の口が寄生獣みたいに?」
金糸雀「エーテル化していても、そんなに口が開くのかしら雪華綺晶は!?」
雛苺「いにゃあああああ! ヒナもあれで丸呑みにされたのー!」
雪華綺晶「いただきますっ!」ゴッキュン
寿真紅「ぎゃあああああ……っ」
154 :

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