-->
ロンドン塔に住むカラスの1羽が消息不明に、国が崩壊するというジンクスに全英が震える(イギリス)
2021年01月17日 ι コメント(15) ι 知る ι 動物・鳥類 ι #
イギリスの守護神として知られているカラスの1羽が行方不明に / ravenology1/Instagram
イギリスのロンドン塔には、古くからワタリガラス(レイヴン)が常に6羽住んでいる。塔に住むこのカラスたちは、王国と要塞を守る大切な存在だと17世紀から伝えられてきた。
ところが、そのうちの1羽がここ数週間行方不明になっているという。塔の広報担当者は、死んでしまった可能性もあるとしてSNSで伝えたところ、ついに国崩壊の危機が迫っているのか!?と、全英が震えているという。『Evening Standard』などが伝えている。
スポンサードリンク
-->
イギリスの守護神、ロンドン塔に住むカラスの伝説
ロンドン塔のカラスにまつわる伝承は17世紀に遡る。
当時、イギリスで腺ペストが大流行し多くの死者を出したことで、その死体をついばむカラスが大量に繁殖した。加えて同年代に起こったロンドン大火でもカラスの数が増えた。
その時代、イングランド王だったチャールズ2世がカラスの駆除を検討したところ、とある王室付きの占い師に「カラスがいなくなればロンドン塔は崩壊しイギリスは滅びる」と助言された。
そこでチャールズ2世は、「国と要塞を守るために、ロンドン塔には少なくとも6羽のカラスを置く」と決め、近衛兵にカラスの世話をさせるようになったという。
以降、何百年もの間、ロンドン塔には常時6羽のカラスが住んでいる。
ロンドン塔に住むカラス(2016年撮影): Colin / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0
長い歴史の間には、その数を下回ることもあったが、その都度数を6羽に保つよう補われ、2018年には塔で繁殖プログラムを開始し、現在は予備のカラスを含め7羽がロンドン塔に住んでいたようだ。
そうした伝説のもと、ロンドン塔のワタリガラスは観光客にも非常に人気がある存在となってきたが、そんな中、そのうちの1羽が、去年から数週間行方不明になってしまったことが発表された。
塔で女王格だったカラスの“メリーナ”が行方不明に
ロンドン塔は、1月13日にSNSを介して、女王格だったメリーナというメスのレイヴンが、クリスマス前から数週間行方不明になっていることを明かした。
We have some really unhappy news to share. Our much-loved raven Merlina has not been seen at the Tower for several weeks, and her continued absence indicates to us that she may have sadly passed away. (1/4) pic.twitter.com/ccwCIBfdlT— The Tower of London (@TowerOfLondon) January 13, 2021
塔の広報担当者によると、メリーナは2007年からロンドン塔に住んでいたという。時に、カラスたちは敷地外へ出ることがあっても、いつもはちゃんと塔に戻ってくるそうだ。
以下の動画は2020年4月に公開された家に戻ってくるメリーナの姿を撮影したものだ。
まだ健在だったころのメリーナ Raven Merlina goes to bed
また、風切羽の手入れがなされてあるため、ロンドン塔のカラスたちが遠くへ飛んで行ってしまうことはないと推測されている。
こうしたことから、何週間も戻ってこないメリーナは、「もしかしたらもうどこかで死んでいる可能性がある」と、ロンドン塔はその悲しみをTwitterでシェアした。
予備に1羽いるので国の崩壊の心配はなし
ロンドン塔の護衛兵ヨーマン・ウォーダー(Yeoman Warder)の1人で、カラスの飼育係「レイヴンマスター」を務めるクリス・スカイフさんは、Instagramのアカウント『ravenology1』で、ロンドン塔のカラスとの日常を投稿しており、メリーナの失踪にはとても心を痛めているという。
View this post on Instagram
A post shared by Chris Skaife (@ravenology1)
多くの皆さまがこのニュースに悲しんでいることでしょう。私も同様です。数日間、アカウントを更新できないかもしれませんが、お許しください。
SNSでこのように悲しみを吐露したスカイフさん。
メリーナがいなくなってしまったことで、6羽のルールが崩れ、国の崩壊を心配する声が多く上がったが、これに対しクリスさんはこう語った。
予備の1羽がいるので大丈夫です。今のところ国は安泰でしょう。今後メリーナの代わりのカラスを補填する予定はありません
View this post on Instagram
A post shared by Chris Skaife (@ravenology1)
なお、野生のワタリガラスは平均寿命が10〜15年と言われているが、ロンドン塔のカラスは40歳まで生きることで知られている。
written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい
すごく賢い。ワタリガラスは人間と同等の社会生活能力があることが判明(オーストリア研究)
飼い主の死後、人間不信となっていたペットのワタリガラスが、保護施設の男性と深い絆を育む(イギリス)
自分の心の中を振り返る。カラスには人間のような高度な認知能力があることが判明(ドイツ研究)
ワタリガラスは感情を共有する。ネガティブな感情が他のカラスに伝染していくことが判明(国際研究)
生後4か月のワタリガラスの認知能力は大人の類人猿に匹敵することが判明(ドイツ研究)
この記事に関連するキーワード
キーワードから記事を探す
- 崩壊
- 危機
- ワタリガラス
- ロンドン塔
- イギリス
- 行方不明
- 伝説
- 鳥
-->
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
スポンサードリンク
- twitter公式アカウント
- facebook公式ページ
- カラパイア全記事一覧
「知る」カテゴリの最新記事
「動物・鳥類」カテゴリの最新記事
「動物・鳥類」カテゴリをもっと見る
この記事をシェア :
人気記事
最新週間ランキング
1位
4065 points
ディズニーのファンタジーかな。同じ柄を持つ大親友トリオ、馬とポニーとダルメシアンの種を超えた絆が美しい(オランダ)
2021年1月11日
9573091314
2位
3965 points
永久凍土が解け、毛が残された状態のケブカサイの子供が発見される(ロシア)
2021年1月5日
5643358340
3位
2859 points
ハイエナだって甘えたい。もっと撫でてとおねだりするよ
2021年1月4日
1972616244
4位
2380 points
人間の犯した過ちで50年間燃え続ける巨大なクレーター、トルクメニスタンの地獄の門
2021年1月6日
2752031767
5位
2202 points
ずっと見てられるやつ。ビーバーが作ったダムを横断する野生動物たちの1年間を早回しで(アメリカ)
2021年1月8日
2691901725
もっと読む
----------------------------------------------------------------------------
スポンサードリンク
Facebook
カラパイア
コメント