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太平洋の酸性化でカニの殻がとけていることが確認される(アメリカ海洋大気庁)


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太平洋の酸性化でカニの殻がとけていることが確認される(アメリカ海洋大気庁)
2020年02月05日 ι コメント(15) ι 知る ι 水中生物 ι #
Howcheng / wikimedia commons
 大気中に含まれる二酸化炭素の増加は、海洋の酸性化も進めている。そしてこのほど、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の研究グループによって、太平洋の酸性化により、アメリカイチョウガニの殻が侵食されていることが明らかにされた。
 こんなにも早くカニに影響が出るとは誰も予測していなかったようで、将来の海産物の確保や海洋生物全般の健康へ向けて鳴らされた警鐘ととらえられる状況となっている。
 カニですら深刻な影響を受けているのだとすれば、食物連鎖の中の他の生物たちも、何らかの影響を受けている可能性が濃厚となってきた。
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炭酸イオンの不足がカニの殻を弱くする
 「すでにカニに影響が出ているというのなら、手遅れになる前に食物連鎖の各要素に注意を向けさせるよう手はずを整える必要が大いにあります。」と、研究グループのニナ・ベドナーセク博士は語る。
 北アメリカ西海岸に生息するアメリカイチョウガニ(学名 Cancer magister)は、重要な食用種で、年間200億円を超える水揚げ量があると推定される。
UliU/iStock
 今回の調査では、海水の酸性化が進んだせいで、カニの殻がとけ、欠けてしまっていることが判明した。
 海洋酸性化は、二酸化炭素が海水に吸収されてpHが低下することで起き、これが連鎖的な化学反応の引き金となる。その帰結として、水素イオンが増え、炭酸イオンが減る。
 サンゴや他の甲殻類と同様に、アメリカイチョウガニもまた炭酸イオンを利用して頑丈な殻を作っている。その材料が不足すれば適切に殻を育てることができず、外敵への抵抗力も弱くなる。
A new NOAA-funded study shows for the 1st time that #OceanAcidification along Pacific NW coast is impacting shells and sensory organs of young #Dungeness #crab: https://t.co/vV1ECrzmec
Via @NOAAResearch pic.twitter.com/m4c99Dfq6q— NOAA (@NOAA) January 23, 2020
カニの殻の形成異常や発達の遅れ
 産業革命以降、世界の海の平均pHは8.2から8.1へ低下し、酸性度は26パーセント上昇した。
 調査で捕獲されたアメリカイチョウガニの殻には、傷やへりの異常といった、カニの泳ぐ力や浮揚する力を低下させるはっきりとした跡が確認された。
 そうした殻にダメージのあるカニの多くには、通常よりも小さく、成長が遅れているらしき兆候も見られた。
 また酸性化はカニの幼生の機械的受容器を不安定にしており、重要な感覚機能や運動機能の欠損につながるリスクを生じさせている。
GS S from Pixabay
予想以上にく広まる海洋の食物連鎖全体への影響
 以前、海洋酸性化が西海岸の翼足類の生息数に影響を与えているという報告があった。これらはアメリカイチョウガニの主食であって、海洋の食物連鎖全体が重大な影響を受けているであろうことを示唆するものだ。
 だが、こうした調査結果は意外ではない。意外だったのは、そうした影響が数年後ではなく、現時点ですでに確認されてしまったということだ。
 研究グループは今後さらに調査を進め、アメリカイチョウガニをはじめとする海洋生物が海洋酸性化にどのように対応するのか予測したいとのことだ。
 この研究は『Science of the Total Environment』(1月22日付)に掲載された。
References:noaa. / zmescience/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント



1


1. 匿名処理班


- 2020年02月05日 09:18
- ID:EGOOd4td0 #





カニの甲羅が溶けるということは将来的に生物の骨もやばいかも






2


2. 匿名処理班


- 2020年02月05日 09:20
- ID:nE9PoMm10 #





胡散臭いなぁw
甲羅の形状が変化するほど酸性度が強ければ、
エラなんて真っ先にやられて魚なんか生きていられないんですけどw






3


3. 匿名処理班


- 2020年02月05日 09:45
- ID:cslRgOfc0 #





体の内側からどんどん殻を生成すればいいんじゃないかな






4


4. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:06
- ID:iZjQHJj20 #





化学物質による遺伝子異常とかもありそうだけどその辺は流石に調べてあるよね






5


5. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:06
- ID:2c.wOEkh0 #





大昔にも大規模な温暖化や海の酸性化は自然に起こっているらしい。
今の状況も人間のせいなのか、自然な現象なのかはハッキリとは分からないらしいし。
いずれは起こる自然な現象を人間が後押ししてる形なのかな?






6


6. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:12
- ID:D79yd5Um0 #





勘違いしないように書いておく
酸性化によって溶けているのではなく、酸性化によって殻の材料の炭酸イオンが枯渇しているだけ






7


7. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:16
- ID:Vf67j9.30 #





これ公表する場所まで車で行ってると考えると笑っちゃうね






8


8. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:20
- ID:WkdSSVks0 #





表層水の二酸化炭素の濃度の上昇は、大気中の濃度が上がれば化学平衡で比例して上昇するのはわかるんだけれど、カニが生活している海底でも溶解した二酸化炭素濃度の上昇が維持されているとしたら、海水温の低下かなんかあって炭酸塩補償深度が上昇しているって話になるんやろか。






9


9. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:26
- ID:Zi6MU4kO0 #





環境の変化に対する適応じゃないかな
例えば、海流の強さ弱さでサザエの殻の突起があったりなかったりするように、カニのいる環境が変化したことで棘や殻の厚みに変化が起きたとも考えられるよね






10


10.


- 2020年02月05日 10:48
- ID:IuK2acSO0 #











11


11. 匿名処理班


- 2020年02月05日 10:52
- ID:3lAiMzjV0 #





一瞬カニの殻が柔らかくなったら食べやすいな って考えてすまん






12


12.


- 2020年02月05日 11:04
- ID:bv.ZJ4r90 #











13


13. 匿名処理班


- 2020年02月05日 11:08
- ID:FmvehfYa0 #





取り敢えず海水だけ引っ張ってきて陸上で養殖してみたらどうや?
海水の成分の話なら同じ結果になるやろ。






14


14. 匿名処理班


- 2020年02月05日 11:19
- ID:E.EaT99u0 #





もっと待てばカニの殻を気にせず食べやすくなるね






15


15. 匿名処理班


- 2020年02月05日 11:25
- ID:NadfxxSi0 #





>>7
それは屁理屈






16


16. 匿名処理班


- 2020年02月05日 11:26
- ID:apLsgGUy0 #





陸上生物で例えると、大気が酸性化して皮膚が化学やけどを起こすみたいなものか。。。それより先に呼吸器に重大なダメージが出て生存できないだろう。カニだって、呼吸器なり消化器に致命的な障害が先にでるだろう。エセ科学記事みたいね。自然保護の権利で一儲けをたくらむ団体の戦略的デマと推察する。






17


17.


- 2020年02月05日 11:39
- ID:ZM5Y7gYY0 #











18


18.


- 2020年02月05日 11:58
- ID:gjrPlgl70 #











19


19.


- 2020年02月05日 12:06
- ID:48LQksIU0 #











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