ティア・グランツ「私、もう待つのはやめたの」back

ティア・グランツ「私、もう待つのはやめたの」


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ルーク・フォン・ファブレ。
キムラスカ・ランバルディア王国の公爵家に生まれ、王位継承権第三位を持つ嫡男であった。
「ルーク」
「はい、父上」
「お前にこれをやる」
「これは……日記、ですか?」
「俺の出来損ないの……弟のものだ」
生まれながらにして死を定められた者であり、世界転覆を図ったオラクル騎士団総長、ヴァン・グランツ謡将の手により幼い頃に誘拐され、その後はフォミクリー技術を用いた自らのレプリカ(以降、レプリカ・ルークと記載する)に居場所を奪われ、ヴァンの直属の部隊、六神将の鮮血のアッシュを名乗り、暗躍する。
「ルーク、お前は弟の生まれ変わりだ」
「僕が、レプリカ・ルークの……?」
「これからお前はあいつの代わりに生きろ」
エルドラントでのヴァンとの決戦の折、戦死したかに思われたが、レプリカ・ルークがその身を捧げて融合したことにより生きながらえ、その後、婚約者であるキムラスカ王国の王女、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアと結婚し彼女との間に嫡男である男児を儲ける。
「どうした、ルーク! 剣先を下げるな!」
「はあ……はあ……はい、父上」
「情けない。あいつはもっと強かったぞ!」
頑なにルークの名を取り戻すことに難色を示し、レプリカとの融合を果たしてからもアッシュと名乗っていた彼の意向で、息子には亡きレプリカに託した名であるルークと名付けた。
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2: 以下、
「あなた、ルークはまだ小さいのですから……」
「ナタリア。お前はお前の仕事をしろ」
「本来であれば、王位継承者はあなたですわ」
「俺はファブレ家とは関係ないただの平民だ」
「はあ……本当にあなたは頑固なのですから」
ルークの名を捨てたアッシュは王位を継がず、高齢を理由に退位したインゴベルトに代わり、ナタリアが女王に即位することとなった。
「構えろ、ルーク」
「はい、父上」
「ふん。隙だらけだ」
「あぐっ!? ち、父、上……」
「甘ったれた所だけはあいつそっくりだな」
アッシュはかつてレプリカ・ルークの旅が始まり、そして終わった地であるタタル溪谷に息子を置き去りにした。そこで彼女は待っていた。
「相変わらず、容赦がないわね……大丈夫?」
「あなたは……?」
「私はティア。ティア・グランツよ」
こうして、オリジナル、レプリカ、そして息子へとルークの名は引き継がれ、そしてその名を背負うこととなったファブレ家の一人息子は再び、自らが生まれた意味を知る旅に出る。
3: 以下、
「あ、あなたが大詠師、メシュティアリカ姫」
「本名は好きじゃないの。ティアって呼んで」
「わ、わかりました……ティアさん」
「さんは要らないわ」
決戦の後、兄であるヴァン・グランツこと、ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデを第七譜歌を用いて倒したティア・グランツ、本名メシュティアリカ・アウラ・フェンデは現在、大詠師としてダアト教会の重鎮である。それよりも。
もう30近い年齢だというのに若々しく、むしろ色気は増しており、まだ色恋を知らぬ子供のルークですらクラクラと目眩を覚える程だった。
溪谷に咲き乱れる、タタル草の白い花と、白い月、そして崩落したエルドラントを背景に佇むティアは、可憐であり、美しく、幻想的で思わず見惚れてしまった。すると、怪訝そうに。
「なに? 私の顔に何か付いてる?」
「べ、別に、なんでもありません! ……じゃなかった。なんでもねーよ! お、おばさん!」
「お、おばさん……」
しょぼんとするティアの姿に罪悪感を感じた。
しかし、これが自分に求められる言動である。
レプリカ・ルークは旅の初めは粗暴な言動が目立ち、アクゼリュス消滅を悔いたことにより更生して真の英雄へと至るのだ。それに則ろう。
4: 以下、
「ったく。父上にも困ったもんだぜ」
「心配しなくても大丈夫。あなたは私が必ず無事に家まで送り届けるわ。だから安心して」
「おばさん、今も戦えんのかよ?」
「ま、またおばさんって……ええ、もちろんよ」
「その無駄にデカい胸、戦闘で邪魔じゃね?」
なるべくレプリカ・ルークに近い言動を心がけて、ティアの豊満な胸を揶揄うと睨まれた。
「ルークはあれでも紳士だったわ」
「あぅ……ご、ごめんなさい」
「あ、謝っちゃうんだ……かわいい」
本物のレプリカ・ルークを知るティアに駄目だしされてしょぼくれているチビルークのあまりの可愛さに気が緩んだその時、魔物が現れた。
「うわぁっ!?」
「不覚! 避けて!?」
サイノッサスの牙に貫かれる、その間際。
「ガイ様、華麗に参上!」
「師匠!」
ルークが習っているアルバート流剣術の師匠である、口元に蓄えた髭が致命的に似合わないガイこと、ガイラルディア・カラン・ガルディオス辺境伯が颯爽と登場し、魔物を斬り倒した。
5: 以下、
「ありがとう、ガイ。助かったわ」
「なんのなんの。このくらいなんでもないさ」
キラリと白い歯を輝かせるガイ。
しかし、やはり髭が似合わない。
ティアが指摘するか迷ってると。
「師匠、いい加減その髭やめてくださいよ」
「お前が師匠呼びをやめたら剃ってやるよ」
げんなりしたルークの頭をくしゃりと撫でて。
「なにせ、師匠ってのは髭が命だからな」
ガイのその言葉でティアはハッとする。
そう言えば、兄さんも髭を生やしていたと。
ガイなりにそれを継いでいるのかも知れない。
「ありがとう、ガイ。その気持ちは嬉しいわ。だけど私もあなたに髭は似合わないと思うわ」
「ティア……お前は相変わらずキツイな」
ティアはそもそも兄の髭が嫌いだった。
久しぶりに会った時、冗談かと思った程。
どうして男の人が髭に拘るのか理解出来ない。
今の幼いルークや亡きイオン様のようにずっとツルツルであればいいのにと本当に心底思う。
6: 以下、
「それで、ティアのメロンがなんだって?」
「ガイ! 子供の前よ! やめて!」
悪ノリしたガイが胸の話題を蒸し返した。
メロンと言われればたしかに。ロマンである。
今となってはもはやスイカの域かも知れない。
「ほら、子供の特権で触らせて貰えよ」
そんな耳打ちをされて顔を真っ赤にしてると。
「ガイ! ルークが聞いたらきっと怒るわよ」
「いいじゃないか。別に減るものじゃないし」
「そういう問題じゃないわ!」
こんなとき、レプリカ・ルークだったら。
チビルークは懸命に考えて、結論を出した。
少々惜しいが、本来の旅の目的を優先しよう。
「ば、馬鹿なこと言ってないで先に進むぞ!」
「あ、待って。1人では危険よ!」
ルークになりきり、先へと進むチビルーク。
その小さな背中を追いながら言葉を交わす。
ティアとガイは、共に思うところがあった。
「私は、こんなことは間違っていると思うわ」
「ああ、俺も同感だ」
あまりに強引過ぎるアッシュの教育の片鱗を目の当たりにして、2人は心配を募らせた。
7: 以下、
「まずはチーグルの森を目指そう!」
ルークは早々とこの旅の方針を定めていた。
レプリカ・ルークと旅路を歩み、彼と同じ経験を重ねて、何を思い、学び、そして何を感じたのかを身をもって体験しようと考えていた。
「私は特に異論はないけど……」
「極力、俺たちは手出しはしないからな」
ティアとガイはあくまで護衛。保護者である。
多忙な彼らにとっては束の間の休暇の旅行だ。
あのアッシュが頭を下げて頼んできたからこそ、それぞれ思うところはあれど引き受けた経緯があった。故に、助力は最小限に留めた。
「ところでお坊ちゃんよ」
「なんですか、ガイ師匠」
「旅の終わりはもう決めているのか?」
師匠に問いかけられて、返答に窮した。
レプリカ・ルークと同じ旅を歩むならば、旅の終着点はここタタル峡谷となるだろう。
世界をひと巡りして、再びここへと帰るのだ。
ひとまず、そのようにしてみようと考えた。
「世界を巡って、ここに戻るつもりです」
「ふうん? それで、その後は?」
「その後とは……?」
「王都に帰るのか?」
それはそうだろうと思う。当然の帰結である。
レプリカ・ルークも当初はそれが目的だった。
けれど何故だろう。今は考えたくなかった。
「俺としちゃあ、そっちの方がよっぽど大切で、お前が向き合うべき問題だと思うがな」
師匠の言葉は、弟子の胸に深く突き刺さった。
8: 以下、
「ここが、チーグルの森……」
北ルグニカ平野の穀倉地帯であるエンゲーブから北東にしばらく進むとチーグルの森に着く。
ダアト教会が崇める始祖、ユリア・ジュエと契約を結びし聖獣が住うこの森は、人の手が入っておらず、まさしく原生林であり、鬱蒼と木々が生い茂っていた。巨木を見上げていると。
「みゅみゅ?」
「うわっ! なんだこの魔物!?」
気づくと1匹の魔物が足元に出現していて。
剣を向けても逃げる気配はなく見つめられた。
傍らにティアが近づき、ルークを宥めた。
「剣を下ろして。この子たちがチーグルよ」
見ると、同じような魔物が巨木の根本から湧いており、ルークは取り囲まれてしまった。
「ご主人様の匂いがするですの!」
身動きが取れないでいると、何やら金属製のリングをまるで浮き輪のように携えたチーグルが空中を浮遊して、ルークの顔面に張り付いた。
「は、離してください! 聖獣様ぁ!?」
「みゅ?」
「じゃなかった……離せよ、このブタザル!」
「みゅうっ!?」
やや躊躇いつつも罵声をあげてレプリカ・ルークのような口調で引き剥がして、放り投げる。
しかし始祖ユリアが残したソーサラー・リングの力によって浮遊出来るミュウは墜落する前に姿勢を立て直し、まじまじとルークを見つめ。
「な、なんだよ……」
「どうしてご主人のふりをしてるのですの?」
「っ……お、お前には関係ないだろ」
首を傾げるかつての仲間であるミュウに、ティアとガイは歩み寄り、短く簡単に説明した。
「久しぶりね、ミュウ」
「アッシュの奴が、無理な教育をしててな」
「その教育の一環として旅をしているのよ」
「ティアさん! ガイさん! よくわからないですけど、ミュウも一緒に行きたいですの!」
どれだけ似ていても真似てもミュウはわかる。
自分のご主人様はレプリカ・ルークだけだと。
それでも今は亡き主人と同じ匂いがする少年のことが気になって、再び旅の仲間に加わった。
9: 以下、
「やあやあ。これはこれは。皆さんお揃いで」
「ジェイド! 来てたのか!」
「久しぶりですね、ガイ、ティア」
ミュウをつれてチーグルの森を出ると、そこには見上げる程巨大な軍艦が停泊しており、その甲板上に2人の人物がこちらを見下ろしていた。
1人はマルクトのジェイド・カーティス中将。
そしてもうひとりは、スタイル抜群の女性で。
「やっほーガイ! 元気だったー?」
「導師補佐まで……」
「むぅ。アニスでいいって言ってるのにぃ」
ダアト教会の導師補佐。アニス・タトリン。
導師フローリアを支える教会の重鎮である。
こんな僻地に大詠師と導師補佐が揃っていた。
「教会のお仕事はよろしいのですか?」
「もぉーティア、敬語はやめてよぅ」
「し、しかし……」
「これからしばらく旅をするんだから、また昔みたいに仲間として接して。ね? お願い!」
見目麗しく肉感的な成長を遂げたアニスと、さらに女としての魅力に磨きをかけたティアとのやり取りをルークが口をパクパクしながら凝視していると、その隙にガイが甲板に飛び乗り。
「いいのかよ、軍艦を足代わりにして」
「問題ありません。たまには権力を行使しませんと、下の者に示しがつきませんので」
「あんたは相変わらずだな」
「小官はともかく、そちらはすっかり貴族に戻られたようで何よりです。ガイラルディア辺境伯殿」
恭しく礼をするジェイドに苦笑しつつ、ガイは簡単に今回の旅路での所感を伝えた。
「お坊ちゃんはこれで洗脳されてるようだ」
「これは……ルークの日記、ですか」
「これを小さいうちから読まされたらしい」
レプリカ・ルークは旅の日記をつけていた。
それは自らがレプリカと知る前、誕生以前の記憶を持たない彼に医者が勧めたものだった。
それに目を通しながらジェイドは思案する。
10: 以下、
「あんたがマルクトのカーティス中将か」
「おや、私の名をご存知とは物知りですねぇ」
レプリカ・ルークのようになるべく尊大に接してみたが、ジェイドは飄々として掴みどころがなく、早くもルークは苦手意識を覚えた。
「どうしました? 顔色が悪いですよ?」
「別に……」
ルークは軍艦を見るのも初めてであり、もちろん乗るのも初めてだった。当然、船酔いした。
「アニス、彼を船室までご案内してください」
「はいよ! アニスちゃんについてこーい!」
もう二十代も半ばだと言うのにまるで少女のような口調で先導する導師補佐。すると不意に。
「先、お風呂入る??」
「へ?」
「アニスちゃんが洗ったげよっか?」
「アニス!」
「あはは! 冗談に決まってるじゃん。ティアったら、もしかしてやきもち?」
「怒るわよ」
「やっば! ほら、早く行こ!」
心臓に悪いと思いつつ、船室の扉を開くと。
「適当に座って」
「あの、アニスさん、ここは……?」
「あたしの船室だよ?」
ふわりと香る、甘い香り。
シーツも布団も枕もピンク。
自分の船室に幼い少年を連れ込んだアニスは人懐っこい笑みを浮かべちょいちょいと手招き。
「おいで」
「え、でも……」
「いいから早く来いっての」
レプリカ・ルークの日記に書かれたアニス・タトリンの腹黒な人物像から何か裏があるのではと警戒したルークを強引に引き寄せ、抱いた。
「ア、アニスさん……?」
「ルークは昔、私に胸を貸してくれたの」
アニスは覚えている。
イオン様が死んでしまった時。
泣きじゃくる自分を抱きしめたルークを。
「ティアは潔癖だから、私で我慢してね」
などと言いつつ、アニスも育っている。
けれど、幼いルークは劣情など催さず。
さりとて、泣き言のひとつも言わずに。
心地よさに包まれて、すぐに寝息を立てた。
「……ちぇっ。やっぱ、あたしじゃダメかぁ」
すっかり眠ってしまったチビルークに嘆息して、優しく抱きかかえ、船室まで運んだ。
11: 以下、
「アニス、彼の様子はどう?」
「心配しなくてもぐっすり寝てるよ」
艦橋に戻ってきたアニスに真っ先に尋ねたのはティアであり、アニスはジトっとした目で。
「そんなに心配ならティアが寝かしつけてあげればいいじゃん。あの子だってきっと喜ぶよ」
「わ、私は大詠師で、聖職者だから……」
アニスの指摘にしどろもどろになったティアに深々と嘆息して、導師補佐として説教した。
「あのね、ティア。その理屈だと教会では孤児院が開けなくなるじゃん。気にしすぎだよ」
というか、アニスだって聖職者である。
もっとも、せっかく身体が育ったのだ。
それを有効に活用して、何が悪いのか。
「こんな胸の肉で寄付を集められるならアニスちゃんはいくらでも見せちゃいまーす!」
「や、やめなさい、はしたない!」
「おやおや?? なんの話ですか?」
「是非とも御相伴に預かりたいもんだな」
法衣の襟を開いて谷間をアニスが晒し、それを必死に隠そうとするティアの騒ぎを聞きつけて、ジェイドとガイのおっさんコンビが寄ってきた。
「カーティス中将! このままでは艦の風紀が乱れます! アニスを止めてください!」
「残念ながら、私はもう厳格な陸軍ではありませんので。風紀は大して重視していません」
「え? それは、どういう意味ですか……?」
「お見せしましょう。このタルタロス弍号機の真骨頂。この船はただの陸艦ではないのです」
ティアが小首を傾げると、待ってましたと言わんばかりにジェイドが指を打ち鳴らし、全てを知るガイがやれやれと首を振り溜息を吐いた。
12: 以下、
「ノエル、準備はよろしいですか?」
「はい、中将閣下。いつでも離陸可能です」
「ノ、ノエル、あなた何故陸艦に……?」
「お久しぶりです、ティアさん。そのご質問は、答えるよりも実際に見た方が早いかと」
ジェイドの指示に応じたのはノエル・ニークスであり、飛晃艇アルビオール二号機のパイロットであり、ティアたちの仲間のひとりだった。
「中将閣下、ご命令を」
「タルタロス弍号機、飛翔せよ!」
命令を受け、操縦桿を引き上げた、瞬間。
「嘘……軍艦が、空を飛ぶなんて……」
ふわりとした浮遊感の後、みるみる窓の外の景色が小さくなる。巨大な軍艦が浮いたのだ。
「どうです、ガイ?」
「まさに、男のロマンだな」
似合わない髭を撫でながら頷くガイに、アニスはうへぇーっと、吐きそうな顔をしつつ。
「男ってほんと馬鹿だよねぇ」
「ほんとそうね……兄さんもそうだった」
「ルークもね」
白けた眼差しをおっさんコンビに送っていると、ノエルが何やら酷く恥ずかしそうに。
「女なのに馬鹿で申し訳ありません……」
「ノ、ノエルに言ったんじゃないよぅ!」
「そ、そうよ! あなたは立派よ!」
シクシクと涙を流すノエルを慌てて元気付けるティアとアニスを見て、ガイとジェイドは笑い、艦橋は昔のようにとても和んだのだが、ミュウだけはこの場にご主人様がいないことを寂しがり、小さな吐息を切なく吐き出した。
13: 以下、
「……浮いてる」
夜中、トイレがしたくなってルークが目を覚ますと、乗っていた陸艦が空中を飛んでいた。
ヴァンの陰謀を防いでから、早10年あまり。
飛晃艇の生産は加して、その数は増えた。
けれど、軍艦を飛ばすなんて前代未聞である。
そのことに畏怖を覚えるよりも先に興奮を覚えるのはやはり男子に生まれた性なのか、チビルークは月夜に照らされる甲板に出てみた。
「風が気持ちいい……」
「お気に召しましたか?」
不意に背後から声をかけられて振り向くと。
マルクト空軍の青いマントをたなびかせて。
両手を背中で組み月光を眼鏡に反射させて表情が伺い知れないカーティス中将が佇んでいた。
「ま、まあまあだな」
「ルークならきっと気に入ったでしょうに」
「うぐっ……」
痛いところを突かれて何も言い返すことが出来ないチビルークに、ジェイドは冷たく告げた。
「あなたはルークのレプリカではない」
眼鏡の奥の赤い瞳は、やはり伺い知れない。
「オリジナルがレプリカの真似ごとをするなど、愚か以外のなにものでもありません」
そこまで言われては腹が立つ。いや、悔しい。
「だったら、俺は何のために生まれたんだ!」
「彼もそれを探していました」
そうだ。そしてレプリカ・ルークは見つけた。
「畜生。俺、惨めだな……レプリカを知るあんたたちなんかと、旅をするんじゃなかった」
彼らは皆、レプリカ・ルークの仲間であり、友だった。彼の居場所であり、存在理由である。
彼が羨ましかった。自分にもありのままの自分を肯定して受け入れてくれる友達が居たら。
14: 以下、
「ルークは、私の数少ない友人でした」
やるせない思いを抱えて癇癪を起こしたチビルークに歩み寄り、見に纏う青いマントをその肩にかけてやりながら、ジェイドは語った。
「沢山の過ちを犯した彼に共感を覚えた」
「共感……?」
「人は得てして、間違える生き物です」
ジェイド・カーティス。
養子になる前の旧姓は、バルフォア。
ネクロマンサー・ジェイドの異名を持つ。
フォミクリー技術並びにレプリカの生みの親。
その言葉は、ひとつひとつが、重かった。
「私は完璧主義でしてね。自分の過去の過ちがどうしても許せなかった。しかし、ルークを見て知ったのです。人は変われる。ならば、過去の過ちも将来の糧にすることが出来るのだと」
ジェイドは決戦の後、フォミクリーの研究を再開して、不安定な彼らを世界に繋ぎ留めた。
もしその技術があの時に完成していれば、ルークが消えずに済んだのかも知れない。けれど。
「ルークと出会わなければ、私は過去の過ちに蓋をしたまま見向きもしなかったでしょう。決戦の後、消えゆくレプリカたちを見ても感じるのは後悔だけで彼らの為に有効な手立てを考えようともせずに見捨てていたに違いありません。それが禁忌というものです」
死した恩師を救おうと生体レプリカを作るも失敗して暴走してしまい、バルフォア博士は姓を捨て、カーティス家の養子となった。
それからも研究を続けたが上手くはいかず。
過去の過ちに蓋をして、それを禁忌とした。
「我ながら愚かでした。頭の良いふりをして、諦めの悪いサフィールを嘲笑っていましたが、今となっては研究を続けていれば良かったと思わずにはいられません。そうしていれば、もしかしたらかけがえのない友を救えたかも知れないのにと、そう思わずにはいられないのです」
もしそうだったとして。
その世界にはチビルークの居場所はなくて。
あの綺麗な大詠師はきっと、レプリカ・ルークと結ばれていただろうと思うと、なんだか。
15: 以下、
「勝手なこと言うなよ!」
怒鳴っても、カーティス中将は動じない。
「俺がルークだ!」
震える声を抑えて、喉を枯らして叫ぶ。
「どうして誰も俺を認めようとしない!?」
そんな子供の駄々にジェイドやれやれと首を振って、一瞬、青い手袋に包まれた手のひらがブレたかと思ったら、チビルークは吹っ飛んだ。
「愚か者が!」
「ぐっ! ああっ!? やめっ」
「力というものを思い知りなさい」
起き上がるよりも前に馬乗りにされて。
抵抗出来ないルークに手を振り上げて。
それでも、それ以上殴ることはなくて。
「……興が削がれました」
こちらを見下ろす赤い瞳には、紛れもなく失望の色が浮かんでいて、無性に腹が立った。
「な、なんだよ! 殴りたいなら殴れよ!」
「あなたはやはり、ルークではありません」
またそれか。やめてよ。何も言えなくなる。
「私は滅多に人を叱らないそうです」
腕を掴んで、半ば強引に起こしながら、ジェイド・カーティス中将は酷く悲しそうに。
「ルークではない者を叱っても意味がない」
言われて、チビルークのほうが悲しくなった。
16: 以下、
「失礼。少々言い過ぎましたね」
「うう……うわああああああん!」
チビルークはわんわん泣いた。
やれやれと嘆息して謝罪するジェイド。
そこでふと気づく。
甲板に水溜りが生じていた。
スプラッシュだろうか。やれやれ。
「フハッ!」
「わ、嗤うな!」
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「嗤うなあああああああああああっ!?!!」
ジェイドは嗤う。抗議になど耳を貸さず。
容赦なく、邪悪に、愉悦をぶちまける。
この過ちが将来の糧とならんことを祈って。
「ふぅ……おや?」
「酷い……こんなのあんまりだ」
我に返ると目の前には膝を抱いて少年が蹲っていて、なんだか水溜りの面積を増したようだ。
「怖くて更にちびっちゃいましたか?」
「う、うるさい! どっかいけ!」
「私でよければ一緒に入浴しましょうか?」
「黙れ! お前なんか嫌いだ!」
「そうですか。では、バトンタッチですね」
くるりと振り向き、物影に潜む者に告げる。
「ティア、あとは任せましたよ」
「気づいて、いたのですか……?」
「これでも軍人の端くれですから」
すれ違いざま、肩を叩かれて泣く子を任されたティアは、こんな状況でバトンタッチされて途方に暮れつつも、チビルークが放って置けず、おずおずと歩み寄って、手を差し伸べた。
17: 以下、
「大丈夫? 着替え、ちゃんと出来る?」
「で、出来るよ! そのくらい!」
場面は変わってティアの船室にて。
汚してしまったズボンの着替えを手伝おうとするティアを部屋から追い出して、なんとか着替えたルークは、ようやく落ち着いてきた。
「もう入っても平気?」
「あ、はい、どうぞ! じゃなかった、ここはお前の船室なんだから遠慮なんかすんなよ!」
ルークを真似るあまり言動がすっかりおかしくなっていることを自覚しつつ、ティアを部屋に入れると、彼女はどこか落ち着かない様子で。
「隣、座ってもいいかしら……?」
「か、勝手にしろ!」
ぶっきら棒にそう言うと、拳ひとつ分という微妙な距離感で、ティアはベッドに腰かけた。
「あの、ひとつ聞きたいのだけど……」
「なんだよ」
「怒らないで聞いてね?」
「その前置きがうぜぇっての!」
レプリカ・ルークならばこう言う筈。
チビルークは上手くトレースしていた。
たしかに似ている。故に、ティアは尋ねた。
「あなた、苦しくない?」
「は?」
何を言ってるのかわからず、首を傾げると、ティアはじっとこちらを見つめて、こう続けた。
「ルークの真似をするのは、辛くない?」
やはり、意味がわからなくて、困惑した。
18: 以下、
「どういう意味だよ、それ」
尋ね返すとティアはなるべく刺激しないよう言葉を選びつつ、慎重に自らの考えを口にした。
「ルークは私と同じだったのよ」
「だから、意味わかんないっての」
「弱さを隠して、強がっていたの」
たしかに、日記には弱音が多々記されていた。
「だから、乱暴な態度で自分を守っていた」
「それがどうしたんだ?」
「でもね、根は臆病で、優しい人だったの」
そう語るティアの表情には幼いルークでもわかるくらい恋慕が浮かんでおり、苛々した。
「つまり、俺にそうなれと?」
「そうなる必要なんてないわ」
「俺がルークじゃないからか?」
「違うわ。人は誰しも臆病なところがあって、優しいところもある。だから、わざわざそうなろうとする必要なんてないということよ」
ようやく言いたいことがわかった。
なんとも遠回しな言い方である。
日記に記されていた通り、不器用なのだろう。
「なんだよそれ。それじゃあ、俺の今までの努力はなんだったんだよ! 全部無駄か!?」
剥き出しの感情を叩きつけるチビルーク。
ティアは正面から受け止めて、考える。
赤い髪。緑の瞳。けれど、アッシュではない。
ナタリアの血か、髪の色が僅かに薄い。
顔立ちもどことなく優しくて、彼に似ている。
真似するまでもなく、彼は似ていた。
もしかしたら、だからこそ、アッシュは。
19: 以下、
「私はアッシュを誤解していたのかも……」
「父上がなんだって?」
突然父親のことを持ち出されて怪訝な顔をするチビルークに、ティアは考察を口にした。
「きっとアッシュの狙いは逆なのよ」
「父上の狙い……?」
「ルークとあまりにも似ているあなたを、どうにかして変えたかったのだと思うわ」
根底から覆すようなその発言に瞠目するチビルークに、ティアはなるべく噛み砕いて話した。
「アッシュは最終的にルークを認めたの」
「知ってるよ。父上はレプリカに負けて……」
「それもひとつの要素だけど、最大の要因は彼が彼だけの人生を歩んだからこそ、ひとりの人間として、その存在をアッシュは認めたのよ」
ルークはアッシュのレプリカだ。
けれど、彼と父上は違う。
日記を読めば、そのことがよくわかる。
考え方も、価値観も、全く異なる人間だ。
てっきりそれを再現しようとしているのだとばかり思っていたが、どうやら違うらしい。
20: 以下、
「もしもあなたが本質的な部分でルークに似ているのだとしたらアッシュに反発していた筈」
「父上に、反発なんて……」
「あら? もしかして、怖いの?」
レプリカ・ルークなら、きっとこう言い返す。
「こ、怖くなんかねーよ!」
「彼は怖がりだったわ」
まただ。結局、別人の真似なんか出来ない。
「怖がっていいのよ」
こちらに膝を向けて、ティアが肩に手を置く。
その柔らかな手のひらから温もりが伝わる。
すると、なんだか不思議と素直になれた。
「私たちは怖がりだから、仲間を頼るの」
「仲間……?」
「ええ。私の兄ですら、そうだった」
利用すると言いつつも、仲間を大切にした兄。
それを思い返すと、考えに確信を持てた。
ティアは肩を引き寄せて、優しく抱きしめた。
「大丈夫。私たちがついてる」
「ほんと……?」
「ええ。本当よ」
優しい声音で囁きながら、譜歌を口ずさむ。
大詠師の譜歌は美しく、心地良かった。
ウトウトしてふと気づく。今の状況は不味い。
「お、俺、もう寝るから!」
「え? 行っちゃうの……?」
「お、おやすみ!」
上目遣いで引き留めるティアはやはり三十路目前とは思えぬ程の色気を放っており、このままではいけないと本能に駆られたチビルークに逃げられ、爪を噛んでふて寝して、小さく呟く。
「……ばか」
それは久しぶりの、人を罵る言葉であった。
21: 以下、
「皆さん、進路変更です」
翌日、タルタロス弐号機は進路を変更した。
朝っぱらから叩き起こされたガイが、目をこすり欠伸をしつつ、ジェイドに行き先を尋ねた。
「どこへ向かうつもりだ、ジェイド」
「過去の因縁にケリをつけに行きます」
向かったのは、シルバーナ大陸。
ジェイドの故郷であるケテルブルクより北西へと進み、大陸の端にある猛吹雪が吹き荒れる世界の最果て。そこに彼の師が封印されていた。
「すごい吹雪ね」
「ノエル、大丈夫なのか?」
「はい! この船には錬成飛符石が搭載されていますので、このように助走をつければ……」
吹き荒れる猛吹雪を見たティアとガイが懸念を伝えると、ノエルは説明しつつフルスロットルて吹雪を抜けて、ロニール雪山を通過した。
「すごい! 流石ノエルだな!」
「えへへ。それほどでも……」
褒めるガイに照れるノエル。一方、アニスは。
「うへぇ?海岸線が崩壊してますよぉ」
「あれが通称、ネビリムの岩です」
一行はその崩落した海岸線へと着陸した。
それは到底、自然形成されたものではなく。
なんらかの強大な力によって破壊された跡。
聞き覚えのある響きを耳にして、気づく。
「あれ? ネビリムってたしか……」
「ええ。私の恩師の名前です」
アニスに補足しつつ、ジェイドは告げた。
「これは言ってしまえば完全に私怨なのですが、私だけでは勝てません。どうか皆さんのお力を貸してください。この通りお願いします」
「ひゃわっ!? 中将が頭を下げるなんて!」
深々と頭を下げるジェイドを見て、ガイが嘆息して、ティアが慌てて顔を上げさせた。
「おやめください、中将!」
「水臭いじゃないか、ジェイド」
「そうですね……私らしくありませんでしたね」
「きっとルークもそう言う筈です」
ティアの言葉に頷いて、洞窟の中へと入った。
22: 以下、
「俺は、どうすれば……」
「あなたは我々の後方で待機です」
言われるがまま一行についてきたルークに、ジェイドは当然のように後方待機を命じた。
むっとするが船で待機しろとは言わなかった。
そのことに首を傾げているとガイが苦笑して。
「ショック療法のつもりかい? 中将さんよ」
「大したことではありません。大人というのは、子供に力を示す義務があるのですよ」
「しかし、中将。あまりに危険です」
「心配は要りません。奥の手が控えています」
ティアが口を挟むと、何やらジェイドは含みのある眼差しと、言葉と、微笑みで黙らせた。
「ミュウにも何か出来ることはないですの?」
「ミュウはあの子の傍についていてください」
「はいですの!」
出口の岩陰に隠れたルークと、その傍に浮かぶミュウの前に出たアニスはくすくす笑って。
「なんか変な感じ。あそこはイオン様のポジションだったのに。いつの間にかあの日のルークより大人になって守ってあげるなんて不思議」
「あなたももう良い年齢ですからね。そろそろ結婚相手でも見つけて子育てをしてみては?」
「中将にだけは言われたくなぁーい!」
「おや? ならばガイ辺りはどうでしょう? 玉の輿ですし、優良物件に違いありませんよ」
「髭を剃ってくれたら考えてみてもいいかも」
そんな馬鹿話をしながら進むと、ティアが。
「シッ。奥に何かいるわ」
「ようやく、お出ましか」
ガイが剣を抜いて油断なく構える。
最奥には、一脚の皮張りの豪奢な椅子が、こちらに背を向けて空中に浮かんでいた。
23: 以下、
『はぁーはっはぁーっ!』
「この頭の悪そうな笑い声は、まさか……」
「どうやら悪い予感が的中したようです」
椅子が回転して正面を向くと、そこには案の定、ディストこと、サフィール・ワイヨン・ネイスが座っていて、ジェイドを歓迎した。
『よく来ましたねぇ、ジェイド』
「ディスト! あんた生きてたの!?」
アニスが問いかけても反応を示さない。
「どうやらよく出来たホログラムのようですね。声は生前に録音されたものらしい」
ジェイドの言う通り、よく見るとディストの足元には音機関が設置されており、それで空中に映像を投影しているらしかった。
『あなたが諦めた研究を私が引き継ぎ、ネビリム先生の復活まであと僅かというところまでこぎつけたのですが、不運にも音素を収集中に封印されてしまいましてね。まあ、陰険ジェイドならばこの程度の封印の解呪は造作もないことでしょう。というわけで、あとは任せます』
どうやらディストには解呪出来なかったらしく、結局ジェイドに丸投げしたようだ。
「鼻垂れディストめ。勝手なことを……」
「解呪、出来そうか?」
「ええ。その為にここへ来たのです。封印を解き、今度こそネビリム先生を眠らせる為に」
真偽は不明であるが封印されているという情報は事前に得ていたジェイドは尋ねたガイに頷き、何やら複雑な工程を経て、設置された封印術式を解呪した。
24: 以下、
『素晴らしい! 流石は我が永遠のライバル! これで! ネビリム先生は完全に復活……』
チュインッ!
ディストの賞賛は、解呪に伴って開いた岩の隙間から発射された光弾によってかき消され、音機関に直撃したことにより、ホログラムは消滅して、強制的に沈黙させられた。
「血迷いましたか、ディスト。私たちの先生は、このような無慈悲な攻撃などしない」
岩の隙間から飛び出してきた人物は、ディストによって様々な改造を施された、もはやレプリカとすら言えない怪物であった。
『久しぶりね。私の可愛いジェイド』
「黙れ。貴様はネビリム先生ではない」
『うふふ。怖がらなくていいわ。すぐにサフィールと同じように優しく逝かせてあげるから』
ネビリム先生によく似た顔をして、同じ声で言葉を発するが、意思疎通は図れず、ジェイドを始めとした一行は戦闘は避けられないと判断して、それぞれ武器を手に取り、身構えた。
『あはは! 死になさい! 私のジェイド!』
「来ます! ガイは前衛、アニスは中衛。私とティアは後方から譜術にて砲撃を行います!」
「詠唱中は、このガイ様が守ってやる!」
「アニスちゃんも、やっちゃうよぉ?!」
「皆、頼むわ。回復は私に任せて!」
世界を救った英雄たちが再び集い、怪物となり果てたゲルダ・ネビリムと対峙した。
25: 以下、
「うぉおおおおおおおおっ!!」
真っ先に切りかかったガイは瞠目した。
ガキンッ!
「な、なんだ、この固さは!?」
「恐らくディストの仕業でしょう。奴め、二度と先生を失いたくがない為に物理攻撃がほとんど通らない肉体を用意したらしい」
ジェイドの見立て通り、ディストによって改造が施されたネビリムには刃が全く通らない。
「どうすりゃいいってんだよ!?」
「譜術ならば、或いは。サンダーブレード!」
ズカンッ! バリバリバリ!
ジェイドの放った雷の剣がネビリムを地面に縫い付け、紫電が迸った。怪物が咆哮をあげる。
『い、痛い! 痛いぃいいいいっ!?』
どうやら効いているようだ。
しかし、譜術には詠唱が必要不可欠である。
故にガイは刃が通らないと承知の上で、ネビリムに猛攻を仕掛けて、その時間を稼いだ。
「ガイ! 下がって! いっくよぉー!」
ゴシャッ!
息つく間もない猛攻で疲労したガイを下がらせ、アニスがジェイドの形見である譜業人形、トクナガを巨大化させ、さらには自らの拳も用いて、ネビリムへとラッシュを仕掛けた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」
普段の愛嬌ある彼女からは想像もつかないほど、鉄拳にて滅多打ちするアニスであったが、剣と同様にやはり物理攻撃は通らず。
「痛ったぁーい! アニスちゃんの可愛いおててが真っ赤っかだよぉ! くそぉ! おらぁ!」
ドゴォッ!!
手が痛いといいつつも、なるべく柔らかそうな腹部に強烈なボディブローを決め、吹き飛ばした落下点にはガイが居合の構えで待っていた。
26: 以下、
「断空剣!」
ズバァッ!
手応えは依然なし。やはり、強固だ。
刃は弾かれたが、コンボを加算する。
稼いだ時間でティアが詠唱を終えた。
「ホーリーランス!」
ズガガガガガガガガッ!!
大量の光の槍が降り注ぐ。
すかさずジェイドも譜術を発動。
ネビリムの周囲に結晶体が出現した。
「プリズムソード!」
ドガガガガガガガガガガガガガッ!!!!
ホーリーランスと合わさり、まるで掘削機のような勢いでネビリムを串刺しにしていく。
それに乗じて、アニスも譜術を発動。
「ネガティブゲート!」
ギュオオオオオオオッ!!
強力な重力が発生して、ネビリムを押し潰す。
岩陰から戦闘を見ていたチビルークは、世界を救った英雄たちの力を肌で感じて、震えた。
「すごい……」
「ティアさんたちはやっぱり強いですの!」
戦闘では役立たずの癖に何故か誇らしげなブタザルこと、ミュウがムカつくけれど、それよりも目の前で繰り広げられる戦闘に見入った。
27: 以下、
「やったか!?」
「だといいんですが……」
「そうはいかないみたいね」
「火力が全然足りないよぉ」
物理攻撃よりは効果があるとはいえ、ネビリムは譜術に対する耐性も持ち合わせているらしく、入ったダメージは微々たるものだった。
「このままでは埒があきませんねぇ。仕方がありません。それぞれ秘奥義を発動しましょう」
「おう! そうこなくっちゃな!」
「弟子が見ている前で張り切るのは結構ですが、いかに秘奥義とは言え、物理攻撃は通らないでしょうから、ガイは囮をお願いします」
「せっかくカッコいいところを見せるチャンスだったのに……はあ。わかったよ。やるよ」
秘奥義を披露出来ると聞いて、俄然やる気を出すガイであったが、陰険ジェイドに見透かされて出鼻を挫かれ、仕方なく囮を務めることに。
「気高き紅蓮の炎よ! 燃え尽くせ!」
天高く飛び上がったガイが炎に包まれる。
「鳳凰天翔駆!!」
ズギャンッ!! 
「フッ……勝てない勝負はするんじゃないぜ」
惚れ惚れする程、カッコよかったが、身に纏った炎に焼かれて髭の先端部がチリチリになっていて、やはり師匠は髭を剃るべきだと思った。
28: 以下、
「消えなさい! 旋律の戒めよ……」
「穢れなき風。我に仇なす者を包みこまん……」
「お楽しみを始めるよぉ?!」
ガイの秘奥義にネビリムが怯んだ隙に、それぞれが己の最高の技を繰り出した。
「死霊使いの名の下に具現せよ!」
空間が歪み、ネビリムは完全に囚われた。
「ミスティックケージ!」
「イノセントシャイン!」
「フィーバータ?イム!」
闇、光、そして目にも止まらぬ乱打の嵐。
チビルークはしかと目に焼き付けた。
極めし者の最高の技の数々を。
それはあまりにも現実味がなく。
それでもたしかに目の前で炸裂して。
爆音が残響して、地鳴りが続いている。
「力というものを思い知りなさい」
「本気を出したのは久しぶりよ」
「一丁あがり!」
彼らはたしかに本物の英雄なのだと理解した。
29: 以下、
「今度こそやったか!?」
「いいえ、まだです!」
戦闘によって溶けた雪が水蒸気となり辺りに立ち込める。その奥から現れたネビリムは健在。
「うへぇ……まだピンピンしてるよぉ」
「気をつけて。何か、嫌な予感がするわ」
げんなりするアニスにティアが注意を促した、まさにその時。ニタリと、ネビリムが笑った。
『うふふ……うふふふふふ! 悪い子ねぇ、ジェイド。悪い子には、お仕置きしないと!!』
「いけません! 全員、散開!!」
『エンドオブフラグメント!!』
ジェイドが散開を命じるも間に合わず。
ネビリムの符術が完成して、眩い閃光に包まれた直後、強烈な熱線と衝撃波に襲われた。
『真の力というものを思い知りなさぁい』
耳鳴りしてもネビリムの甘ったるい声が届く。
岩場に隠れて難を逃れたチビルークであったが、地形を変えるほどの衝撃によって落石が発生して、巨大な岩が頭上から降ってきた。
「アターック!!」
まさに間一髪。ルークを救ったのはミュウだ。
ソーサラーリングの力で身体を強化したミュウが、助走をつけた頭突きで岩を砕いてくれた。
「あ、ありがとう、ミュウ」
「ミュウも役に立つですの!」
しかし、攻撃をまともくらった英雄達はボロボロで倒れ伏し、見るも無残な有様であった。
30: 以下、
『あは。あはは! あはははははは!!!!』
高らかに響き渡る、ネビリムの勝利の哄笑。
英雄達は満身創痍であり、打つ手はない。
秘奥義ですらトドメを刺すには至らなかった。
万事休すの彼らを庇うように、飛び出した。
『あらぁ? 坊やはだぁれ?』
「俺はルーク・フォン・ファブレだ!」
チビルークは堂々と名乗った。父の名を。
そしてレプリカ・ルークから継いだ名を。
誰何した癖に、ネビリムは興味を失って。
『あなたを最初に逝かせてあげるわぁ』
そう簡単に死ぬつもりはない。剣を構えた。
「やってやる……やってやるぜ! うぉおお!」
チビルークの身体から音素が迸る。
その輝きで、英雄達の意識が戻った。
ルークの秘奥義を発動しようとしているようだが、未熟なチビルークには不可能であった。
31: 以下、
「くそっ! このままじゃみんなが!!」
「ルーク! 逃げろ!!」
「逃げなさい! ルーク!」
「私たちはいいから、ルークは早く逃げて!」
「ルーク、逃げて!」
身動き取れない英雄たちは後退を命じた。
しかし、それは無理だ。逃げられない。
幼い頃から憧れていた英雄を見捨てられない。
「僕は……どうせ偽物だから」
ずっと隠していた思いが、口をついた。
「そんな僕が死ぬことで、皆が助かるなら……」
それが、生まれた意味となるのならば。
「ちょっと怖いけど、死ぬ」
「ルーク!!」
それは生前のルークの世迷言。
ティアの悲痛な叫びが響き渡る。
なんとか立ち上がるも、間に合わない。
最悪の結末が過ぎった、その時。
「なんだこの有様は。まったく、世話の焼ける英雄が居たもんだ。どけ。雑魚は下がってろ」
悪態を吐きながら、アッシュが立ち塞がった。
32: 以下、
「なんとか、間に合いましたか」
「助けを呼ぶのが遅ぇんだよネクロマンサー」
実はネビリムに挑む前に、ジェイドが万が一の為の奥の手として増援にアッシュを呼んでおり、錬成飛譜石を搭載したアルビオール3号機に乗って駆けつけ、辛くも間に合ったのだった。
「父上……」
「下がっていろ」
チビルークは泣きそうだった。
安堵と、羞恥と、屈辱が押し寄せる。
父の期待に応えられなかったことが辛い。
「悪いところばっかりあいつに似やがって」
アッシュは卑屈なルークが嫌いだった。
特に自らがレプリカだと知った後。
奪った居場所を差し出す奴に腹を立てた。
「まあ、今はいい。次は間違えるなよ」
「ふぇっ?」
「あいつが間違える度に、俺は尻拭いをしてきた。だから、お前の尻拭いだってしてやる」
レプリカ・ルークは何度も間違えた。
取り返しのつかないことも、あった。
だが、なんとか挽回出来る範囲で努力した。
それでいいのだと、アッシュは諭した。
『あなたはだぁれ?』
「俺はアッシュ。ただのアッシュだ」
頑なにそう言い張るアッシュ。
ネビリムの誰何に意味などない。
ただ命を落とす順番が早いか遅いかだけ。
無論、ただでやられるつもりはない。
33: 以下、
「アッシュ! ひとりでは危険よ!」
「チッ! 雑魚が! 近寄るんじゃねぇ!!」
駆け寄ろうとするティアたちに罵声を浴びせ、単独でネビリムと対峙するアッシュ。
あまりに無謀だと誰もが思った、その時。
「わたくしを忘れて貰っては困りますわ」
「母上!?」
「ついてくるなとあれほど言ったのに……」
「あら、わたくしから逃れられると思って?」
声のした方を見ると崩落した岩山から弓を構えて、ナタリアが狙いをつけていた。矢を放つ。
「降り注げ聖光! アストラルレイン!!」
光の矢が降り注ぎ、ネビリムを釘付けにした。
「砕け散れ! 絞牙! 鳴衝斬!!」
間髪入れずに、アッシュの斬撃が入った。
「てめぇら何してやがる! 畳み掛けるぞ!」
喝を入れられたティアは我に返り、本来の役目であるヒーラーの仕事をこなした。
「リザレクション!」
「エンジェルブレス!」
ティアがジェイドとアニスを癒して。
ナタリアがガイとティアをそれぞれ完全に回復させて、体勢を立て直した。英雄はしぶとい。
34: 以下、
「助かりました、アッシュ」
「ふん。さっさとケリをつけちまえ」
「やれやれ。やはりあなたはルークとは違って、チームでの戦闘には不向きなようですね」
「当然だ。俺とあいつは別の人間だからな」
そのやり取りにチビルークはハッとする。
ティアが船室で語っていた内容と同じだ。
やはり父上の真意はそこにあるのだろう。
「まずは俺から行くぜ! 神の斬り! 見切れるか! 閃破! 瞬連刃!!」
火蓋を切ったのはガイ。神の剣を見舞った。
「フィーバータイム! からの?十六夜天舞!」
秘奥義にさらに秘奥義を重ね連撃するアニス。
「いくわよ! 天地に散りし白き煌華よ! 運命に従い敵を滅せよ! フォーチュンアーク!」
タタル峡谷で見た白い華を連想させる秘奥義をティアが放ち、その美しさに見惚れていると、ジェイド渾身の大規模譜術が発動した。
「天光満つるところ我は有り……」
「おいおい、ジェイドの旦那! やる気か!?」
「みんな逃げて!」
「中将、本気だわ……」
わらわらと慌てて避難する英雄たち。
ナタリアと合流して、ティアが展開するバリアの中へと入った。しかし、アッシュと息子は。
「よく見ていろ。あれがケジメだ」
「はい、父上」
父の背に庇われながら、ルークは見届けた。
35: 以下、
「黄泉の門開くところ汝あり……」
まさしく天に黄泉の門が開き、紫電が迸る。
「出でよ神の雷! ……これで終わりです」
一抹の寂しさを浮かべ、神の雷を落とした。
「インディグネイション!!」
『あああっ!? 音素が、乖離していく……』
「安らかに眠ってください……ネビリム先生」
巨大な雷に打たれ、崩壊する自らの師の成れの果てを看取り、ジェイドはケジメをつけた。
「終わったようだな」
「ええ。皆さん、ご助力感謝します」
アッシュに頷き、深々と頭を下げるジェイド。
泣いているのかも知れないと思ったが、顔を上げた時にはケロリとしており飄々とした声で。
「では、帰りましょうか」
ガイは決戦の後、残されたレプリカが住う辺境の領地へと戻り、アニスはダアトで下ろした。
大詠師であるティアも本来ならばそこで下りる筈だったが、彼女は最後までついてきた。
36: 以下、
「帰ってきた……」
帰還したのはバチカルの宮殿ではなく、旅が始まったタタル峡谷であり、ティアと歩いた。
「あの、大詠師メシュティアリカ姫」
「だから、ティアでいいわ」
そうはいかない。これはケジメなのだ。
「僕はもう、ルークになろうとは思いません」
きっぱりとそう言うと、嬉しそうに微笑んで、ティアは頷いてくれた。照れつつも続ける。
「これからは僕なりに、自分の人生を歩もうと思います。それでもし立派な大人になれたら」
今しかないと思った。約束をしたかった。
「その時、またここであなたに会いたいです」
要するに、待っていて欲しかった。
虫が良いし、図々しい話だと思う。
案の定ティアは首を振って断った。
「私、もう待つのはやめたの」
「へ?」
「だから今、言っておくわ……好き」
気づくとチビルークはティアに抱きしめられていて、耳元で甘く、甘く、好意を囁かれた。
37: 以下、
「大人になるまで浮気しちゃ駄目よ。約束を破ったら、許さないから。いい? わかった?」
「は、はい! わかりました!」
「約束ね」
そう言って、小指を差し出すティア。
父上は約束が嫌いだったらしい。
しかし、レプリカ・ルークは違う。
別に真似をするわけではないけれど。
しっかりと小指を結んで、別れた。
「ティアは悪女ですねぇ」
「なんのことですか?」
再びダアトへと向かう船の中で、ニヤニヤして揶揄ってくるジェイドにつんと澄まして尋ね返すと、ミュウに顔を覗き込まれて。
「ティアさんお顔が真っ赤なのです!」
「ミュ、ミュウ! 余計なこと言わないで!」
痛いところを突かれて狼狽した隙に、中将が。
「ああして約束していれば、彼がこの先、命を大事にするとでも思ったのですか?」
まるで見当違いなことを言われて、笑った。
「中将が独身な理由がわかった気がします」
「……本当に、悪女になりましたねぇ」
悪女と呼ばれても構わない。
もう意地を張るのはやめた。
今度こそ約束を守って貰う。
「だってあの子、可愛いんですもん」
大詠師メシュティアリカ姫は、昔と変わらず、可愛いものが大好きなのだから。
【テイルズオブジアビス?新たなる旅路?】
FIN
38: 以下、
この物語はあくまでもひとつの可能性です。
個人的にはルークの生存を信じております。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
39: 以下、
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【速報】新型肺炎、国内3人目の感染確認。武漢から旅行で来日中の女性

中国政府、27日から海外への団体旅行を全面中止へ

妻「えっ...夫が会社でミスを...?」女上司「そうなんですよ奥さん」ニチャァ

CT125ハンターカブ、ダサいマフラー替えてカスタムすると総額63万円……悩むなぁ

【デレマス】裕美「私も同人誌だそうかな……」比奈・奈緒「えっ?」菜々「ゑ゛」

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