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オーストラリアのウォンバット、過去の山火事で行き場をなくした動物たちに巣穴を貸してあげていた!?
2020年01月14日 ι コメント(11) ι 知る ι 動物・鳥類 ι #
image credit:cageys_planet/Instagram
過去前例がないほどの勢いで、多くの地域を焼き尽くしているオーストラリアの森林火災。この災害により、およそ10億頭もの貴重な動物たちが住処を奪われ、命を落としていると伝えられている。
そんな中、人々の心を少しだけ明るくさせる投稿がSNSで拡散している。
生態学者によると、カラパイアでもおなじみの、人懐っこくてまるっこかわいい、ウォンバットが、過去の山火事で、他の小動物たちと巣穴を共有していたというのだ。
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自らも危機に瀕しながら他の動物に巣穴を提供していた!?
生態は異なるものの、コアラに近い種族とされており、ずんぐりした体型に小粒な目元でどこか愛嬌のあるウォンバット。
現在のオーストラリア森林火災では、負傷したウォンバットが力なく道路を横切る痛々しい姿がSNSでシェアされるなど、ウォンバットを含む多くの動物たちが被災している。
しかし、過去の山火事でウォンバットの行動を記録していた生態学者は、ウォンバットが被災した他の小動物たちと巣穴を共有していた事例があり、ウォンバットの巣穴に隠れた様々な小動物たちが死を回避できた可能性があることを示唆している。
ただ、今回の前例のない危機においては、まだその行動が確認されていないそうだ。
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A post shared by Mel (@runmumsb) on Jan 10, 2020 at 2:32am PST
「過去にウォンバットが巣穴を貸した事例はある」とNature誌
新たに発表された『Nature』の記事によると、はコトドリやワラビーなどの小動物が、過去に避難場所としてウォンバットの巣穴を利用していたという前例があることが述べられている。
しかしそれらの小動物が偶然ウォンバットの巣穴を見つけたのか?ウォンバットのものと知っていたのか?ウォンバットが自発的に共有したかどうかは未確認のようだ。
メルボルンのバンドゥーラにあるラ・トローブ大学の生態学者マイケル・クラーク教授は、次のように話している。
森林火災が起こると、コアラのように小さく孤立した個体群の動物は、未燃部分へ避難する能力というのが非常に限られているため、あらゆる問題に直面することになります。
過去の火災の間に、炎から逃れようとワラビーやコトドリがウォンバットの巣穴に入るという行動があったことは事実です。
大多数の動物は大きな火災に巻き込まれると、単に焼け死んでしまいます。ハヤブサやアカクサインコのような大きくてく飛べる鳥でさえ、火から逃れることは困難なのです。
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A post shared by Linda Jackson (@opallindaoz) on Jan 6, 2020 at 6:21pm PST
SNSで拡散中の誤情報に注意
SNSでは、ウォンバットの行動について少し尾ひれがついて拡散しているようだ。これについてグリーンピースニュージーランドは、このように綴っている。
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A post shared by Greenpeace NZ (@greenpeacenz) on Jan 9, 2020 at 2:15am PST
オーストラリアからの報告では、過去にウォンバットは巨大で複雑な巣穴を共有することを選択したため、無数の小動物が死を免れたとあります。
更には、ウォンバットは「羊飼い」のような行動を示し、危険に晒されている動物を安全な場所へ放牧しているところも見られたという報告もありますが、オーストラリアでシェアされているSNSの情報は、真実ではありません。
グリーンピースニュージーランドは、オーストラリアの多様な野生生物の破壊に心を痛めている人々らの一部が、このかわいいウォンバットを「真のヒーロー」と表現し、尾びれ背びれがついた誤った情報を流している傾向があることを暗に仄めかしているようだ。
例えばそれは以下のようなツイートだ。
Apparently wombats in fire effected areas are not only allowing other animals to take shelter in their deep, fire-resistant burrows but are actively herding fleeing animals into them.
We’re seeing more leadership and empathy from these guys than the entire Federal government. pic.twitter.com/LGcpSu9x0M— 💧Riff Raff (@RichardAOB) 11 January 2020どうやら被災した地域のウォンバットが、深くて耐火性のある巣穴に他の動物を避難させているだけじゃなく、逃げ回る動物を積極的に安全な場所へ導いているらしい。
連邦政府全体からよりも、これらの動物からより多くのリーダーシップや共感を得てしまう。
また、あるユーザーはこのようにツイートしており、どんどん話が伝言ゲーム化して尾びれ背びれがついているのがわかる。
なんて心温まる、そして心痛む話なの!炎の中のウォンバットは、他の動物たちと巣穴を共有して、しかも積極的に放牧させているんですって!
他の動物がウォンバットの巣穴に避難していたという過去の事実は本当だ。だがそれ以外の、ウォンバットの利他的な行動についての信ぴょう性は定かではなく、未確認の逸話に基づいている可能性が高い。
しかし、ウォンバットの平和なヒロイズムの物語が拡散している理由は、現在壊滅的な状況に直面しているオーストラリアの人々の心に、ささやかな希望をもたらしているからかもしれない。
生き残ったワラビーを救うため、食料投下作戦が開始される
人間だって生存の危機に直面している動物たちを放ってはおかない。ニューサウスウェールズ州環境当局では、なんとか生き残ったワラビーたちを救おうと、食物投下作戦が開始され、ここ1週間でニンジンやサツマイモなど約1000kgがヘリコプターで上空から投下された。
Thousands of potatoes being air dropped to help Australia
環境当局はワラビーの生息地の餌や水の量が回復するまで、継続して補給をし続けるという。また、どの動物がどれくらい生存しているのか?餌は足りているのかなどをチェックするため、カメラの設置も開始されたという。
References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo
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