クロエ「てかアオイ遊び来ないねっつって。チエルが。ま、それだけなンだけど」back

クロエ「てかアオイ遊び来ないねっつって。チエルが。ま、それだけなンだけど」


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クロエ「ぷー……」
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「や、いーんで。ユニ先輩頼りになんないんで」
ユニ「そんなことはないとも。たしかに、苦手な相談内容もあることは認めるが」
ユニ「尊敬する年上のお姉さんに悩みを打ち明けることで、少なからず気持ちに変化が生じるであろうことは想像に難くない。さあ、気負わず話してみたまえよ」
クロエ「……じゃ、話しますケド。チエルのこと、ぶっちゃけどー思います?」
チエル「クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩」
ユニ「どうも何も、可愛い後輩じゃあないか」
クロエ「や、なんも聞こえないっす。うち的には騒音やばたんなんで。90デシちぇる超えちゃってるんで」
チエル「人をサイレンみたいに言わないでくださいよ。ユニ先輩っ、それでそれで?」
ユニ「しかしまぁ、あえて言葉にするのなら……そうさね。永遠に抱きしめていたい」
クロエ「やっぱ洗脳済みなんじゃん。え、こわ。洗脳ってマジであるんすね知らんけど」
チエル「クロエ先輩もどうです? 見てくださいよ、このユニ先輩の姿! チエルに軽?く撫でられただけでぇ……よしよーし♪」
ユニ「ああ……あああああ……!! ああああぁ!! たすけてーーー!!!」
クロエ「どーすんのこれ。ユニちゃん先輩トラウマになっちゃってんじゃん。てか全霊で助け求めちゃってんじゃん」
----------------------------------------------------------------------------
2: 以下、
チエル「クロエせーんぱいっ☆」
クロエ「鳥肌」
ユニ「はぁ、はぁ……。に、逃げるんだクロエ君……。今のチエル君は正気じゃあ──」
チエル「ちぇるちぇる投げキーっCHU?」
ユニ「……がくり」
クロエ「あー、パイセンの犠牲はムダにしないんで。南無。じゃ、うち帰るわ。お疲れっしたー」
チエル「はーい、お疲れでーす。さてと」
チエル「二人きりになったことですし、ユニちゃん先輩のこと舐め回しちゃいましょうかね。ぺろちぇるりーん☆」
ユニ「待ちたまえクロエ君! 大事な先輩を見殺しにする気かね!? クロエ君!!」
クロエ「ぷー……」
チエル「はいユニ先輩、もう一度お願いしまーす」
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「増えたンすけど悩み」
クロエ「てか、マジでチエルどーしたの? ウザさ跳ね上がりすぎじゃね? 跳ね上がり世界新狙えるわ。知らんけど」
チエル「ウザいついでにちょっとだけハグちぇるしてもいいちぇるか? 先っちょだけでいーんで」
クロエ「…………ユニ先輩。ちょー、ちょー」
ユニ「特に隠れて話す必要はないと思うよ。チエル君の変貌ぶりには当初ぼくも驚愕したが、その原因自体ははっきりしているからね」
3: 以下、
チエル「チエル別にいつも通りですけど? なんか変なとこあります? ありませんよね? ハグしてもいーですか?」
クロエ「パイセンにどーぞ」
ユニ「えっ」
チエル「ぎゅ???っ☆」
ユニ「……ぼくを生贄にするんじゃあないよ。まったく、一度巻きつかれると剥がすのに30分はかかるんだ。前回は34分かかった」
クロエ「経験談ヘビーすぎっしょ。アナコンダかって」
ユニ「と、ともかくだね。チエル君がこうして……」
チエル「すりすりちぇるちぇる……♪」
ユニ「おほん。チエル君がこうして過剰に人の温もりを求めるのは、単に今まであった温もりが失われたからだとぼくは結論づけた。つまり」
チエル「らびゅー……? んCHU☆」
ユニ「……続きはチエル君を剥がしてからでも構わないかね?」
クロエ「や、もう分かったンで。てか、なんとなく察しはついてたってーか。あー、端的に換言すれば──」
チエル「…………寂しいです」
ユニ「チエル君……」
クロエ「ぷー……」
4: 以下、
ーーーーーーーーーー
アオイ「ぽけー……」
案内客1「このお花キレー! あっ、こっちの虫もキモカワ?!」
案内客2「あのあの、この花はなんていう種類なんですかー?」
アオイ「ほへ?……」
案内客1「ガイドさん? おーい?」
アオイ「ハッ! ごごごごめんなさい聞いてませんでした廊下に立ってましゅっ!!」
案内客2「えーっと、廊下……?」
アオイ「あーーーー!! 違うんです! 廊下……そう、老化! 最近ボケてきちゃってて! ってなんでやねん!」
「ツッコミになってるよ」
アオイ「ぴゃああっ!? あ、あなたは……! どどっ、どうしてここにっ!?」
案内客1「彼氏かな?」
案内客2「えー、でもちょっと地味じゃない?」
アオイ「かっ……!? ち、違いますよっ! 彼氏じゃなくて団ちょっ、団っ…………旦那さんですっ!!!」
アオイ「ぎゃーーーー!? とんでもないミスやらかしたーーーーー!?」
案内客2「旦那ならアリかも」
案内客1「私もはやく結婚したーい」
5: 以下、
アオイ「…………はふぅ」
「お疲れさま」
アオイ「ありがとうございました……。いろいろサポートしてもらっちゃって……」
アオイ「一時はどうなることかと思いましたけど……なんとか乗り越えることができました! あなたのおかげです! えへへ……」
アオイ「……」
アオイ「……実はこのところ、失敗続きで」
アオイ「つい考え事をしちゃったり、ボーッとしてばっかりで……。ほんとーにダメダメなんです、私……」
アオイ「こんなんじゃ、なかよし部の皆さんにも笑われちゃいますよね。笑って……励まされちゃいます」
アオイ「はぁ?……せっかく勇気をもらったのに、私は一向にダメぼっちのまま……。皆さんに合わせる顔がありません……」
アオイ「……え? 今日はお願いがあって来たんですか? わ、私なんかにお願い……?」
アオイ「私にできることなら……なんでもは無理ですけど……」
「なかよし部が大変なことに」
アオイ「!!!」
アオイ「な、なんでもしますっ! ハッ……! お金!? お金ですかっ!? おろしてきます!!!」
アオイ「……はい? とにかく来てほしい……? わ、分かりました、すぐに行きましょう!」
アオイ「あっ、でも今は手元にだいじょぶマイフレンドくん1号がなくて──いえ、なくてもきっと大丈夫! 私はもうだいじょぶです!」
6: 以下、
ーーーーーーーーーー
チエル「おぎゃ」
ユニ「なになに? クロエ君の乳が飲みたいと?」
クロエ「ま、ユニちゃん先輩の乳は飲めないよね。無いし」
ユニ「……おぎゃ」
クロエ「てかなんで赤ちゃんになんのよ。え、寂しいと歳減んの? アンチエイジング的な? なんそれ金の匂いぷんぷんぷんのすけだわ」
チエル「あー、ユニ先輩ってめちゃんこ寂しがり屋さんなんですね……だからこんな……」
ユニ「ふっふっふ。後に成長したぼくと比べたら度肝を抜くだろうさ。今のうちにこの体型を堪能しておくといい」
クロエ「まだ諦めてないんすね。いいですけど。なんかほら、薬とか。魔法の力とか。あれ? 結構夢あるくね?」
チエル「今のままでいいですよ?抱っこしやすいですし?……♪ は?、癒される?……」
クロエ「……」
チエル「あれ? クロエ先輩なんでちょっと不満顔なんです? あ、もしかしてユニ先輩とばっかりラブちぇるしてるもんだからヤキモチ焦がしちゃったんですか?」
チエル「だってだって、チエルがハグハグしにいくとクロエ先輩顔歪むレベルで嫌そーにするんですもん! グー飛んで来たら嫌ですよう!」
クロエ「別に……。ただ、ほら、アレよ。あー……なんか、暇だし。いや知らんけど。何でもいいわもう」
チエル「えっ……ちょっと勇気出そっかな……。出しちゃおっかなー……?」
ユニ「……ふむ。やはりあざといね、クロエ君は」
ユニ「我が学院初の男子生徒である彼や、中等部に編入したての愛されぼっちであるところのアオイ君を誑かすだけでは物足りないと言うのかね」
クロエ「え、何なん。なんでうち悪女キャラになってんのよ。真逆じゃん。清純じゃん。いやどこがじゃなくて」
7: 以下、
コンコン
ユニ「おや? 来訪者とはまた珍妙な」
チエル「珍妙なのはユニ先輩でしょうに。てゆーか来たの先輩ですよ、きっと。今日遅れて来るって言ってましたし」
クロエ「あー、言ってた。言ってたわ。てか、いないの今気づいたわ」
チエル「またまた?♪ 寂しそうにキョロりんこしてたの気づいてましたよー?」
ユニ「ではクロエ君、応対を頼めるかな。ぼくはこの通りチエル君の魔の手に堕ち、どうにも動けないのだよ」
チエル「むぎゅりんこすりりんこ?♪ ユニニウム充填中?☆」
クロエ「ぷー……。面倒ぃーけど、ま、しゃーない。はいはい、開けます開けますよ」
ガチャ
クロエ「あ? やっぱあんたじゃん。てか、え、何その巨大な箱。どっから持ってきたのよ?」
ユニ「やあ、同志よ。荷物の搬入とは、また精勤なものだね。教員に運ぶよう頼まれた教材か何かだろうか?」
チエル「言ってくれたら手伝ったのにー。先輩ってば水臭いなぁ、もぉー」
箱「……元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して──」
クロエ「…………あ?」
「何か聞こえた?」
クロエ「求む説明。秒で。耳打ち、ほらはやく。バレっから」
8: 以下、
クロエ「ふん、ふん……え、イミフ。や、分かったけど。ぷー……」
チエル「おーい。二人で何やってんですかー。チエル寂しくてバブっちゃうぞー」
ユニ「ち、チエル君……前のめりになるのは構わないが、せめてぼくを下敷きにするのはやめ、やめっ……あああぅぅ……」
箱「ひぃっ……!? 呻き声が聞こえるっ!?」
クロエ「……だいじょぶだから。静かに」
箱「えっ? そ、その声はクロエさん……? あぁ、よかったぁ……拷問部屋に誤配されたのかと思っちゃいましたよ?……」
クロエ「誤配先エグすぎ。てか何注文したん拷問屋」
チエル「ねーねー、せんぷぁーい。その箱ってなんなんです? チエル開封の儀マジラブ勢なんですよぉ。チエルに開けさせてくれません?」
箱「ドキーッ!?」
クロエ「……どーする?」
「どうしよう……」
クロエ「作戦ショボくね? どーなってんの? 秒で崩れてんじゃん。ま、うちがなんとか……面倒ぃーけど。せっかくだし」
ユニ「おお、背中に感じるこの感触はチエル君の……。ふむ、ただの脂肪の塊と侮っていたが、なるほど。世の男性が魅了される気持ちが少しだけ理解できた気がするよ」
チエル「え、ちょ、ナチュラルに性癖目覚めさせないでくれません? チエル責任取れませんからね?」
クロエ「っし。パイセンたちがじゃれあってるうちに──部屋の真ん中に……っと。うわ重。腰砕け散る」
箱「ごめんなさいごめんなさい……! ちゃんと痩せます! 今痩せます! 骨とか削って……あ、服を脱げば……」
クロエ「……いーからおとなしくしとけっつの。箱入りマッパ娘とか未来すぎてもはや過去だわ。てか童話だわ」
9: 以下、
クロエ「…………だる」
「ありがとう」
クロエ「報酬ガン積みでヨロ」
チエル「あ、箱! 箱開けていいです? いいですよねっ? くんくん、はすはす……☆」
ユニ「後輩、いいのかね? 無理に要求を飲む必要はないのだよ? 駄目なら駄目と言ってくれて構わないが」
「むしろ開けてほしい」
クロエ「……アオイ、準備」
箱「はひっ……!」
チエル「くんかくんか……んん? はすはすはすはす……」
箱「…………」
ユニ「チエル君、早く開けたまえよ。どうやらぼくたち宛ての荷物のようだ。彼がそう言っているんだから間違いないとも」
ユニ「ふふ、中身は何だろうね。チエル君ではないが、荷解きをする時は心が躍る。実際は、開けてガッカリという至極残念なこともあるのだが」
チエル「……アオイちゃん?」
箱「……!」
ガタッ
ユニ「うわっ!? は、箱が動いた! ……ふむ、これはまたとないチャンスなのでは? ふぇぇ……お兄ちゃん、ユニ怖いよぉ……」
クロエ「抜かりなく空回りとか流石っすねパイセン」
10: 以下、
チエル「え……? えっ……? せ、先輩……? これって──」
がさごそ……
アオイ「ドーーーン!!!」
クロエ「……っ」
アオイ「元気にこんにちは! 不肖アオイ、皆さんのお力に──」
チエル「アオイちゃーーーん!!!」
がばーっ!
アオイ「ひょわぁああっ!?」
チエル「アオイちゃんアオイちゃんアオイちゃーん! ふぇぇん!」
ユニ「……とんだビックリ箱じゃあないか。いやあ、驚いたよ。あまりの驚きに心の制御がおぼつかない。端的に換言すれば、泣いちゃいそう」
クロエ「うち的にチエルの嗅覚に驚愕なんだけど。今後の付き合い考えるくらい驚いたわ」
チエル「ずびびずばぶべえ……」
クロエ「ま、よかったじゃん。何言ってンのか分かんないけど。嬉しそうなのは、まぁ、分かるし」
ユニ「ふふ、登場の仕方に文句は言うまいよ。ただアオイ君と再会できただけで、ぼくらは何事にも代え難いほどの喜びを感じているのだからね」
アオイ「きゅぅ……」
ユニ「……ただまぁ、それを受け止めるだけの耐性がアオイ君には備わっていなかったようだが」
チエル「人工──」
クロエ「それ息の根止まるやつ」
11: 以下、
チエル「気を取り直して?……☆ アオイちゃんっ、ちぇっるーん♪」
クロエ「まだ諦めてなかったんそれ。流行んねっつの」
アオイ「えっと、あのっ、そのぅ……」
クロエ「久しぶりだね。何日振りかは知んないけど、アレ以来会えてなかったし」
ユニ「編入期間が終わってから、つまり15日前から一度も会えていなかったわけだ。寂しくもなろう」
アオイ「そ、そうですね……。私、ずっと皆さんに会いたかった……」
チエル「そんなのチエルたちだって一緒だよぉ! アオイちゃんのこと、みんなでずーっと話しててっ!」
アオイ「そう、なんですか……? てっきり私のことなんて忘れられちゃったのかと……」
ユニ「忘れるはずないじゃあないか。我々ユニちゃんズがアオイ君と過ごした期間はごく短い日数ではあったが──」
クロエ「さりげ死霊ネーム混ぜないでほしいんすけど」
クロエ「……ま、あんな経験そーできるもんじゃないし。忘れろっつー方が無理くね?」
アオイ「皆さん……。うぅ、優しさで溺れ死にそうです……心なしか息が……ぶくぶく……」
チエル「アオイちゃんしっかり! 優しさは肺には行かないよ! そうだ、一緒に深呼吸しよっか♪ はい、吸ってー☆」
アオイ「す、すうぅっ……」
チエル「吐いてーーー♪」
アオイ「うぷっ……」
クロエ「いや意味ちげーし。緊張で吐きそうになってんじゃん」
ユニ「……ああ、懐かしい。つい先日のことだというのに、こうも胸が熱くなるとは。これが青春……んふふ……」
12: 以下、
アオイ「そ、そうだっ……! 今日は皆さんの力になりに来たんでした!」
アオイ「皆さんが困ってるって聞いたから……私にできることならって駆けつけたんです!」
チエル「困ってること? チエルたちが? クロエ先輩、心当たりあります?」
クロエ「さあ。チエルのウザ絡みには困ってっけど。けどまぁ、いつもだし」
チエル「えー、ひっどーい! 照れ隠しはもっと可愛くやってくださいよう!」
クロエ「ウッザ……」
ユニ「ぼくも特には思いつかないな。小さな困りごとすら無いとは言わないが、生活は概ね順調と言える」
アオイ「あ、あれ……? あの、これは一体……?」
「なかよし部が大変だって言った」
アオイ「えーっと……? 皆さんが大変で、困ってて、困ってなくて? あれ?……?」
クロエ「あー……まぁ大変だったは大変だった。てか、もう解決済みだわ」
チエル「んー、なるほどです。たしかにもう解決しちゃいましたねっ☆」
アオイ「えぇっ!? で、出遅れた……がくりっ……」
ユニ「そう肩を落とすものではないよ、アオイ君。君が来たことで事態は丸く収まったのだから」
ユニ「ぼくらは間違いなく大変だったんだ。君が学院を去ってからというもの、心にぽっかりと穴が開いてしまったようでね」
チエル「寂しすぎて赤ちゃんになっちゃったんだよ……。ばぶぅ」
アオイ「えっ……? ばぶ、えっ……?」
13: 以下、
クロエ「うちもまぁ、顔見たいなって思ってたよ。いや、ほら、アレじゃん。うちら……アレじゃん」
チエル「友達、ですよねっクロエ先輩♪」
アオイ「とも、だち……? あ、夕立の誤植でしょうか……?」
ユニ「素直に受け取りたまえよ。ぼくらはもう友達じゃあないか。友人、フレンズ、言い方はどれでもいいがね」
アオイ「ととと、ともっ、とももももっ……!!」
チエル「だからさ、アオイちゃん。たまには一緒に遊ぼーよ。ねっ?」
チエル「空いてる時間教えてくれたらチエルが会いに行くし、ふらっと学院に来てくれてもいいしさ」
アオイ「あ……あ……」
ユニ「そうそう、一度エルフの森を散策してみたいのだが、どうだろうか」
ユニ「先日起きたマンドラゴラの一件で、新たな知識をこれでもかと得ることができた。学術的な見地から言っても、エルフの森の散策はとても有意義なものになるだろう」
アオイ「あぁぁ……あああああ…………」
クロエ「アオイこれ聞いてなくね。カンペキ自分の世界の扉開いちゃってんじゃん」
アオイ「ああああっ!! やーーーったーーーーー!!! 初めて友達できたーーーーー!!!」
チエル「あはっ、よかったねアオイちゃんっ☆」
チエル「てか気になってたんですけどぉ、先輩ってアオイちゃんのなんなんです? パシリ?」
クロエ「友達扱いされてないとか。謎過ぎて逆にウケる」
ユニ「彼女なりの友達基準があるのだろう。ぼくにはよく分かる。アオイ君にとっての彼はおそらく志を同じくする、謂わば同志」
チエル「や、そういうのチエルよく分かんないんで。みんな友達、みんなハッピー。おっけー? いぇーい♪」
ユニ「そういうところだぞ、チエル君。だから君はいつまでたっても試練なのだ」
チエル「まだ試練扱い!?」
14: 以下、
アオイ「はぁ、はぁ……げほっ、げほっ!」
ユニ「まあまあ、落ち着いて茶でもどうかね。お菓子もあるよ」
アオイ「あ、ありがとうございます……ずずっ」
チエル「はい、あーんっ☆」
アオイ「もがっ!?」
クロエ「あーんの威力考えろし。ほらアオイ、茶ー」
アオイ「……ごくっ、ごくっ」
チエル「はい、あーんっ♪」
アオイ「むぐぅ!?」
ユニ「ふむ。喉に詰まらせたらことだ。ささ、茶でもどうかね」
アオイ「むぐむぐ……も、もう結構ですぅ……」
チエル「はい、あーんっ?」
ユニ「もがぁ」
アオイ「ふふっ、あははっ……!」
アオイ「やっぱり楽しいなぁ……♪ キラキラなチエルさん、優しいクロエさん、おもしろいユニさん……」
ユニ「ぼくがお笑い担当とな。再考を要求する。セクシー担当希望」
チエル「今アオイちゃんが話してるんで座っててもらっていいです?」
ユニ「……」
クロエ「膝抱えなくていーんで。てか、ふつーに座ってくんないすか」
15: 以下、
アオイ「今日、私が呼ばれた意味がようやく分かりました……!」
アオイ「必要とされているんですね、私……」
チエル「うんうん、チエルたちにはアオイちゃんが必須栄養素なんだよー? アオイ酸。ないと枯れる。マジマジ」
アオイ「…………ツッコミとして!」
クロエ「あ?」
ユニ「セルフツッコミの構えと見た。座して待つべし」
チエル「アレ絶対天然ですって! 誰かツッコミを! ツッコミを入れてあげて!」
アオイ「なんでやねん!」
チエル「チエルに来たー!?」
クロエ「……ま、いんじゃね。こんなもんじゃん。普段も、つかアレよ。うちらと気があうのって──」
ユニ「ふふ、それでこそユニちゃんズ構成員としてふさわしい、と言えるのかもしれないね」
チエル「え、なんかキレーに纏めようとしてません? ふつーに親交温めようって気ないんです? てかクソダサい名前で括んないでください迷惑なんで」
アオイ「み、皆さんっ!」
アオイ「私、今後も気軽に遊びに来てよろしいんでしょうかっ!」
クロエ「許可とかいらんでしょ、別に。来たいならさ、来ればいーよ。友達なんだしいつでも。……待ってるから」
ユニ「待ってばかりいないで自分から動いたらどうなのかね。まったく、これだから女狐は嫌なのだ。好感度だけ稼いであとは知らん顔とは。恥を知れ恥を」
クロエ「当たりつよつよのつよ。いいけど。知らんし。どーでも」
16: 以下、
チエル「アオイちゃん! チエルもアオイちゃんとこ遊びに行くよ! 場所の指定とかしてくれたらお仕事の邪魔とかしないで済むかも?」
アオイ「は、はいっ! 戸籍表を見せればいいでしょうか!?」
ユニ「役所にでも行くつもりかね。口頭で伝えたまえよ。ある程度の位置さえ分かれば十分だ。いざとなれば、彼の頼りない記憶に縋ることもできる」
クロエ「なんで一人だと行けんのに道案内はできないんだろね。事務レベル5歳児ナメんなっつって。はー、つっかえ」
アオイ「あぁ……これが友達……! マイフレンド……!」
チエル「そうだよ?? いいでしょ、友達って♪」
アオイ「はいっ! 素晴らしすぎて滑舌が良くなっちゃいました! あいうえおらりるれろ!」
チエル「おにゃのこ同士だとハグとかチューもするんだよー? おいでおいでー☆」
アオイ「ひぃぃ……!」
チエル「……ダメか」
ユニ「さあ、諸君。堅苦しい挨拶は抜きにしようじゃあないか。せっかくこうして再会できたのだから、盛大にパーティーを開くのはどうかね」
クロエ「菓子菓子茶菓子、菓子茶茶茶的な。チエルが溜め込んだ食糧放出しよ。買い出し面倒ぃーし」
チエル「参加費は後日徴収ってことでヨロでーす。あっ、アオイちゃんはもちろん無料だよっ♪ ちぇっるーん☆」
ユニ「ふむ。クラッカーはぼくの魔法で代用するとしよう。さて、グラスを持ってくれたまえ。乾杯の音頭はユニちゃんズを代表してぼくが──」
チエル・クロエ「かんぱーい!」
アオイ「か、かんぱーい……♪」
ユニ「…………再会を祝して」
パンパンパーン!
アオイ「えへへ……皆さんっ、不束者ですがこれからもよろしくお願いしますっ!!」
17: 以下、
おしまい
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1568652598/
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肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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