海未「うみデイト」back

海未「うみデイト」


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銃を構えたその瞳に一瞬ドキッとしてしまう・・・なんて事はなく。それもそのはずで
海未「虎太郎くん。もう少しこう…脇を締めた方がブレずに照準を合わせやすいと思いますよ?」
虎太郎「うん」
海未「大丈夫ですか?」
虎太郎「うん」
私の初デートの相手は10才以上も年の離れた男の子でした。
虎太郎「お姉ちゃんの言う通りにしたら当たった!」
でも、その笑顔は卑怯です。
----------------------------------------------------------------------------
2: 以下、
その日は今年の最高気温を記録する程の暑さでした。
海未「はい、はい。そうですか」
「そうだよぉ。うぅ・・・でも、今日くらいいいかな?一日くらい…」
海未「ダメですよ。あなたは受験生なのですから」
「ぶー。海未ちゃんの鬼ぃ。はあ・・・この日は毎年縁日に行くって決めてたのにぃ。夏期講習なんて申し込むんじゃなかった。って言うか絵里ちゃん達だって受験勉強してた様子なかったよね?部活してたよね?」
海未「あの二人は普段から積み重ねていた物があるから大丈夫なんです。あなたは普段から勉強をしていました?」
「そうだけど・・・。あの二人だって・・・二人?そうだよ!もう一人居たでしょ!三年生は」
海未「そうやってやらなくていい理由を探そうとしない!あなたはあなた何ですから。こんなくだらない話をしてる暇があるなら英単語の一つでも覚えた方がいいですよ。という事で電話切りますよ?」
「やっぱり鬼だぁ」
海未「それじゃあ」
「はーい」
プツッ
3: 以下、
半ば強制的に電話を切った私は再び勉強机へ向かうのでした。
例年、この日は幼馴染達と縁日に行くのが恒例なのですが、私達は受験生なので勉強をしなくてはいけないのです。
ミーンミンミンミン。
とは言うもののこの暑さ。勉強に身が入らないのも頷けます。どうしてこうも日本はこうも暑いのでしょうか。
暑いからエアコンをつける。簡単な話ですがその行為がさらに温暖化を進めるらしいのです。そう言われると意地でもエアコンをつけない様にしてしまう。そもそも、私の部屋にはエアコンがないのですが・・・。
海未「はあ・・・。図書館で勉強しようかな」
図書館であれば私がエアコンのスイッチを押さなくても元から入っているので致しかたないと言うか。屁理屈ですけど、その方が勉強も捗るのです。
4: 以下、
そうしましょう。そうと決まれば先程まで重かった体も羽の様に軽く・・・なんてのは言い過ぎですが。我ながら身のこなしの軽い事。
「海未?どこかへ行くのかい?」
家を飛び出そうとしたその瞬間、後ろから声を掛けて来たのは私の祖母です。
海未「はい。図書館で勉強でもしようかと。何か頼まれ事でもありましたか?」
「何だい。勉強かい。海未は本当に真面目だねぇ。今日は縁日だろう?」
海未「受験生ですから。勉強しないと」
「あまり根を詰めても何にもらないものだよ」
海未「それは・・・分かっては居るのですが周りの友達もみんな受験生ですから。一緒に行く相手も・・・」
「友達以外に行く相手は居ないのかい?」
友達以外?友達以外で縁日に行く相手・・・と惚けたフリをしては居るけど祖母が言いたい事は分かります。
5: 以下、
生憎、私はそっちの方面には疎いと言うか同年代の女子よりもだいぶ遅れているのは自覚しています。
「まあ、いいさ。確かに勉強は大事だからね。頑張って来るんだよ」
海未「はい・・・」
「ただ、もし縁日に寄って来る様な事があったら焼き物でも買って来ておくれ」
海未「お好み焼き・・・で良いですか?」
「何でもいいさ。そこは海未に任せるよ」
こうやって、祖母はいつも私に口実を与えてくれるのです。ただ、今回ばかりは本当に一緒に行く相手など居ないのですが。
6: 以下、
ミーンミンミンミン。
結局、縁日に行く相手も居ないので図書館に向かっていると途中の道で見覚えのある男の子を見かけました。
海未「あら!?」
虎太郎「あ?」
海未「虎太郎くん、こんにちは」
彼の名前は矢澤虎太郎、私の友人の弟です。
海未「もしかして一人ですか?」
周りを見渡しても他に誰もいませんが、小さい子がこんな所を一人で出歩いているのも考えずらいのできっと誰かと来てるはずだと思ったのですか。
海未「あの・・・お姉ちゃんは今日は一緒じゃないのですか?」
と聞くと声を出さずゆっくりと首を振るだけ。
海未「やっぱりそうですか。もしかして、はぐれたとか?」
今度はゆっくりと首を縦に振りました。もしかして、人見知りなのでしょうか?
7: 以下、
だいたいにして、彼は私の事を覚えているのでしょうか?前に会ったのはだいぶ前ですし・・・彼にとっては大勢いた中の一人だったでしょうから。
海未「虎太郎くん。私の事を覚えていますか?」
虎太郎「うん」
海未「本当ですか」
どうやら覚えいたらしく少し嬉しかったです。
虎太郎「μ'sのお姉ちゃんだ」
海未「はい。そうですよ」
おや?なんだか、以前会った時と雰囲気が変わったと言うか・・・かなり大人しく言葉もたどたどしかった記憶があったのですが。男子三日会わざればと言うものでしょうか?それはちょっと違うかな。
8: 以下、
海未「私の名前は海未です。そう言えば自己紹介はしていませんでしたね」
虎太郎「海未お姉ちゃん」
海未お姉ちゃんと言われると少し照れると言うか・・・子供の頃から密かに弟や妹に憧れていたので意外な所で夢が叶った形です。
海未「それはそうと迷子なんですよね」
虎太郎「うん」
海未「ちょっと待ってて下さいね。今、お姉ちゃんに連絡しますから」
携帯を取り出して彼の姉に電話をしました。
「にこでーす。ただ今電話に出られません」
まだ変えて居なかったんだ・・・音声案内。
海未「それにしても困りましたね。どうしましょうか。ここで待っていた方がいいのか」
9: 以下、
そんな事を思いながらふと虎太郎君の方を見ると右手に紙を数枚握りしめているのに気が付きました。
海未「虎太郎君?その右手に握りしめている物は一体・・・?」
虎太郎「これ?」
海未「福引の引換券・・・ですか」
なるほど。何となく読めて来ました。私達の街の縁日では毎回福引が開催されるのです。彼が握りしめていた物はその引換券でした。引換券は商店街の組合に参加しているお店で買い物をした際に手に入れる事が出来るのです。
海未「縁日に行く途中だったのですね」
虎太郎「うん」
彼は縁日に行く途中に迷子になったのです。
10: 以下、
それが分かった所で彼の家族とは連絡取れないのが現状には変わりありません。取り敢えず少しお喋りでもしながらここで待つ事にしましょう。もしかしたらここに戻って来るかもしれませんし。
海未「虎太郎君、にこ・・・にこお姉ちゃんは元気にしていますか?」
虎太郎「うん。元気」
海未「そうですか。元気ですか」
虎太郎君の姉とは半年前まで毎日の様に顔を合わせて居ましたが、彼女が高校を卒業してからはお互い忙しくなかなか会う機会も減っていました。
11: 以下、
海未「元気な事は良いことですね」
虎太郎「うん」
海未「虎太郎君は今年でいくつになったんですか?」
虎太郎「1・・2・・3・・4・・5・・5?」
海未「5歳になったんですか?」
虎太郎「ん?・・・」
海未「そ、そうですか。えっと・・・」
ここで気が付きました。私って会話の引き出しが極端に少ないと。子供相手に何を喋れば良いのか悩んでしまいます。
12: 以下、
なんて困っていると
「あれ?海未ちゃんやん?」
聞き覚えのある声に呼び掛けられました。
海未「希!?」
希「久しぶりやね」
私の高校の部活のOG。東條希でした。ちなみに全然久しぶりなんかではなく彼女とはしょっちゅう会っています。
海未「先週もあったじゃないですか」
希「一週間も会ってないやん。だから久しぶり」
海未「そうですか」
希「所で海未ちゃんこんな所で何してるん?ってあれ?虎太郎君やん。え?どうしたん?物凄い意外な組み合わせ・・・」
13: 以下、
私と虎太郎君が一緒に居る事がそんなに意外なのでしょうか?
希「にこっちは一緒じゃないの?」
海未「はい。どうやら迷子の様で」
希「ふ?ん。そうなんや。迷子の所を海未ちゃんにナンパされたんや?海未ちゃんもやるやん!」
海未「は、はあ?違います!お互い知らない顔じゃありませんし偶然出くわしたら声も掛かるでしょう?」
希「いや・・・冗談やん。そんなに必死になって弁解しなくても・・・」
海未「だって希が変な事を言うから!!!」
希「そんなに変な事は言ってないと思うけどなぁ
14: 以下、
虎太郎「喧嘩??」
あっ、しまった。虎太郎君の前だと言う事を忘れていました。と言うか虎太郎君の前で変な事を言う希が悪いと思うのですが。
希「ちゃうよ?。お姉ちゃん達物凄い仲がええからちょっとふざけてただけ。急に大きな声出してゴメンな」
虎太郎「うん」
希「でも、そっか。迷子か?。電話は?」
海未「しましたけど・・・電話が通じなくて・・・」
希「ふ?ん、そうなんや・・・虎太郎君はお祭りに行く途中だったのかな?」
虎太郎「うん」
希「そっか。なら、海未ちゃんが連れて行ってあげたら?」
連れて行ってあげたら?
海未「私がですか?」
希「うん。ウチが連れて行ってあげたい所なんやけどこの後バイトでな?」
15: 以下、
海未「けど・・・勝手に連れ出しても・・・もしかしたら探しに戻って来るかもしれないじゃないですか」
希「ん?・・・留守電にメッセージでも送っておけばええやん。ここに戻って来るかも分からないんやし。虎太郎君も早くお祭り行きたいやろ?」
海未「それは・・・確かにそうかもしれませんが」
希「虎太郎君も早く行きたいよね?」
虎太郎「うん」
希「ほら!」
海未「じゃあ・・・電話が掛かって来るまで一緒に行きますか?」
虎太郎「うん!」
希「良かったな?。初デートがこんな綺麗なお姉ちゃんでラッキーやね」
虎太郎「デート?」
海未「ちょっ、希!!」
希「そう。デ・イ・ト」
16: 以下、
海未「何を変な事言ってるんですか!」
希「またそんな大声だして」
海未「うっ…」
またやってしまいました。虎太郎君が不安そうな目でこちらを見ています。けど、私の性格を知っていて変な事を言うのがいけないと思うのです。
だいたい、私だって初デートなんですから・・・。
希「ん?何か言った?」
海未「いえ、何も」
思わず口に出していた様です。
海未「まあいいです。それじゃ虎太郎君。一緒に行きましょう」
虎太郎「うん」
こうして虎太郎君とお祭りに行く事になりました。
17: 以下、
お祭りに向かう途中虎太郎君とこんな会話をしました。
海未「虎太郎君は毎年お祭りに来ているんですか?」
虎太郎「うん。お姉ちゃんと」
海未「お姉ちゃん・・・にこお姉ちゃんとですか?」
虎太郎「とか」
海未「とか?ああ・・・こころちゃん達も一緒って事ですね」
虎太郎「うん。お姉ちゃんは?」
海未「お姉ちゃん?あっ、私ですか?」
虎太郎「うん」
18: 以下、
海未「私もお祭りには毎年来ていましたよ。去年はμ'sの皆んなと・・・そう言えば去年はにこお姉ちゃんをお借りしちゃいましたね」
虎太郎「いいよ」
海未「ありがとうございます。毎年恒例だったんですよね。幼馴染の穂乃果とことりと。受験生ですからね。思えば出会ってから初めてかもしれません。二人と縁日来ないのは」
虎太郎「そうなの?」
海未「はい。でも、この先そう言った事が増えて来ますよね。穂乃果とは受験する大学も違うし・・・ことりに至っては海外・・・なかなか会えなくなっちゃいますね」
虎太郎「寂しい?」
19: 以下、
海未「ううん。寂しくなんてありませんよ」
虎太郎「本当?」
海未「うん。離れてたって心は繋がっていますから」
嘘。寂しいに決まっています。二人とはずっと一緒にいたのですから。いつかはそんな日が来ると分かってはいたけれど。まだ卒業まで半年もあると言うのに・・・。
そんな事を思っていると虎太郎君が私の手を握ってきました。
虎太郎「お姉ちゃん。行こう」
海未「え?あっ、はい」
きっと、暗い表情をしていたのでしょう。握り返した手は女である私の手よりもだいぶ小さく、その温もりは彼の優しさを感じさせる温かさでした。
21: 以下、
幼い頃に迷子になった記憶があります。とても不安で怖くて母が見つけてくれた時安心して気が緩み泣いてしまったのです。今の私の気持ちはそれに近く彼に手を握り締められた時それを思い出しました。
海未「これじゃあ、どっちが迷子か分かりませんね。」
虎太郎「ん?」
海未「いえ。何でもありませんよ」
しっかりしなくちゃ。
海未「そんな事よりお腹空きましたね」
虎太郎「お腹?」
海未「はい。虎太郎君は空きませんか?」
虎太郎「空いた?」
海未「じゃあ、あっちに着いたら何か食べましょう」
虎太郎「うん」
22: 以下、
ワイワイ ガヤガヤ
縁日は相変わらず人の数で、その数の多さに一瞬目の前がクラッとしてしまいそうでした。
海未「だいぶ人が多いので手を離してはダメですよ?」
虎太郎「うん」
私は虎太郎君の手を絶対に離さない様に強く握り締めました。
海未「虎太郎君は何か食べたい物はありますか?」
虎太郎「ん?………」
海未「あっ!たこ焼きなんてどうですか?」
虎太郎「食べたい!」
海未「決まりですね」
23: 以下、
たまたま近くにあったたこ焼きの屋台が目に入ったので提案してみました。たこ焼きなら二人でシェアも出来るので女と子供だけでも食べきれると思ったのです。
海未「しかし、どの屋台もそれなりに並んで居ますが…たこ焼きは特に並んで居ますね」
虎太郎「うん」
海未「少し我慢して下さいね」
虎太郎「大丈夫。海未お姉ちゃんは…」
海未「ん?」
24: 以下、
虎太郎「喋り方・・・どうしてですがいつもつくの?」
海未「私の喋り方ですか?」
虎太郎「うん。先生みたい」
なるほど。喋り方ですか。よく聞かれる質問です。小 学生の頃など
「園田さんはどうしていつも敬語なの?」
と何度聞かれたことか。以前凛にも
凛「海未ちゃんの喋り方ってちょっと独特にゃ?」
と言われました。流石に凛に言われたくありませんと心の中でツッコミましたが。と言うか私の場合は別に独特ではないと思うのですが。
25: 以下、
海未「変ですか?」
虎太郎「うちのお母さんもお姉ちゃんもそんな喋り方しないから」
海未「私は昔からこの喋り方なんです。けど、虎太郎君が変だって言うならちょっと恥ずかしいけど変えますよ?」
虎太郎「変・・・じゃない」
海未「そっか。あっ、ほら。前に進んでるよ」
虎太郎「あっ!喋り方!」
海未「ん?何の事でしょう?」
虎太郎「一回変わった」
海未「え?気のせいじゃないですか?」
なんて冗談を言う自分に少し驚き、気がつくとあっという間に私達の番まで来ました。
26: 以下、
海未「すいません。たこ焼き一つ下さい」
店員「あいよ」
虎太郎「お姉ちゃん、僕持つ」
店員「おっ、仲のいい姉妹だねぇ。よしっ!一個オマケしちゃおう」
海未「えっ!?そんな、悪いです。それに私達姉妹じゃ…」
店員「あっ、ごめんね。次のお客さん待ってるから。はい、坊主。お姉ちゃんと仲良く食べな」
虎太郎「うん」
やはり、側から見ると姉妹に見えるのでしょうか。
希『じゃあ、デート楽しんで来てな?』
まあ、当然ですね。男女がデートしてるとは普通思わないでしょう。と言うかデートじゃないですし。
27: 以下、
虎太郎「熱っ」
海未「ふふっ、冷まさないと火傷しちゃいますよ」
虎太郎「うん」
素直にフーフーとたこ焼きを冷ます虎太郎君。
虎太郎「はむっ」
海未「ふふっ。美味しいですか?」
虎太郎「うん」
たこ焼きを一つ食べ更にもう一つ手を伸ばしフーフーとたこ焼きを冷まし始める虎太郎君。
虎太郎「はい」
海未「え?」
虎太郎「あ?ん」
まさか、私に?
28: 以下、
少し人目が気になりました。大勢の人が見ている前であ?んだなんて。けど、相手は子供ですし希の言う通り私は少々大袈裟だという事も自覚していましたから素直に受け入れる事にしました。
海未「あ、あ?ん」
パクっと口に入れました。虎太郎君が冷ましてくれたお陰で口の中を火傷せずに済みました。
虎太郎「美味しい?」
海未「うん。美味しいです」
ふと思いました。虎太郎君が同年代の男の子だったとして私は素直に受け入れる事が出来たのかなと。
虎太郎『海未、あ?ん』
海未『あ?ん』
海未「なんて…恥ずかし過ぎます」
虎太郎「お姉ちゃん、どうしたの?」
海未「へ?い、いえ。何でもありませんよ」
頭で考えていた事がふと口に出てしまうのも私の悪い癖です。
29: 以下、
けど、こんな私にもいずれは恋人が出来る時が来るかもしれません。
海未「ほかに何か食べたい物はありますか?」
虎太郎「ん?」
今はまだ、そう言う話をするだけで恥ずかしい恥ずかしいと赤面する事しか出来ないけど。
虎太郎「あ?かき氷。美味しいそう」
海未「本当ですね。食べましょか?」
虎太郎「うん」
でも、本当は気づいています。私が恥ずかしいと言う時。
虎太郎「ん?いちご・・・レモン・・・」
海未「じゃあ、私がレモンを買いますから。二人で分けながら食べましょう。すいません、レモンと」
虎太郎「ブルーハワイ」
海未「ブルーハワイ?」
虎太郎「青いから!お姉ちゃんの名前と一緒!」
そう言う時ほど、心の中では憧れているのだと。
30: 以下、
凛「あ?海未ちゃんにゃ?」
急に今日聞いた中で一番の大きな声で名前を呼ばれました。
海未「あ、凛?」
凛「海未ちゃ?ん。あれ・・・虎太郎君?あれ?珍しい組み合わせにゃ?」
虎太郎「こんにちは」
凛「はい。こんにちは?。なんだ?海未ちゃん達も来てたんだ。皆んな、受験勉強で忙しいかなって思ってさ今回は遠慮したんだよ。凛はかよちんと真姫ちゃんと来てたんだけどね。二人共迷子みたいで・・・」
迷子なのは凛では?
海未「あ?・・・今日は穂乃果とことりは一緒じゃないですよ」
凛「え?そうなんだ。え?じゃあ、にこちゃんと?」
海未「にこも一緒じゃないです」
凛は一緒不思議な顔をしました。
凛「じゃあ、どうして虎太郎君と二人なの?」
31: 以下、
海未「それは・・・」
凛「それは?」
海未「デートですよ。見て分かりませんか?」
凛は何かを言おうとしたのを我慢したようで
凛「そっか。じゃあ、邪魔しちゃ悪いよね」
と言いました。
凛「今日ね、凛達歌わせて貰うんだよ。良かったら見ていってよ。凛達、ちゃんとやれてるから」
海未「そうだったんですか。楽しみですね、虎太郎」
虎太郎「うん」
『迷子のお知らせです。○○からお越しの星空凛ちゃん。お友達がお待ちです』
凛「にゃ・・・携帯があるんだから迷子のお知らせなんかしなくてもいいのに。スタッフさんの仕事を余計に増やしてさ。最近、真姫ちゃんにいじられてる気がするんだよね。まあ、いいや。じゃあ、楽しみにしててね」
やっぱり、凛が迷子だったんじゃないですか。
海未「行きましょうか?」
虎太郎「うん」
32: 以下、
パンパーン
虎太郎「お姉ちゃんの言う通りにしたら当たったよ」
海未「ふふっ、虎太郎君は飲み込みが早いですね。うちの道場に欲しいくらいだな」
虎太郎「道場?」
海未「うん。私の家は道場をやってるんですよ。弓道とか古武道とか日舞って言っても分かりませんよね」
虎太郎「うん」
海未「でも、虎太郎君だったら直ぐに上手くなると思いますよ」
33: 以下、
なんて、冗談を言っていると
「ちょっと。スカウトするなら姉の私を通してくれない?」
聞き覚えのある声が。
虎太郎「お姉ちゃん!」
やはり、本当の姉には敵わう訳もなくその小さな手は私から離れて行きました。
にこ「ごめんね、こんな時間まで。希から聞いたわ」
海未「こんな時間?」
そう言えば、辺りが真っ暗・・・えっ!?もうこんな時間?私はこんな時間まで連れ回して・・・。
34: 以下、
にこ「本当、ちょっと目を離した隙に居なくなるし。ここあも虎太郎も・・・ね?」
こころ「ダメですよ。虎太郎、ここあ」
ここあ「ごめんなさい」
虎太郎「なさい」
にこ「助かったわ。まさか二人同時に迷子になるとは思わなかったし。携帯もなんか電波が悪かったり色々タイミングが悪かったみたいで。本当は早く電話するべきだったんだけど」
海未「いえ、気にしないで下さい。私も楽しかったですから。ね?」
虎太郎「うん」
にこ「そう言ってもらえると助かるわ。そう言えば、もうそろそろ」
海未「凛達のステージですよね?」
にこ「そう。どれだけ上達したのか見てあげましょう」
35: 以下、
それから、凛達のステージを皆んなで観ました。
にこ「ふん。まあ、にこが居ないのにあれだけ出来れば上出来じゃない」
なんて言っているけど、さらに上達した「五人」を観て心底満足そうな表情をしていました。
凛「皆んなありがとうにゃーーー」
真姫「さあ、盛り上りも最高潮に達した所で!」
花陽「フィナーレです!」
ヒューーーーウ
海未「あっ・・・」
虎太郎「お姉ちゃん。今日はありがとう」
ギュッ
バーーーーン
打ち上がった花火は彼の顔を照らし出して直ぐに消えてしまいました。
36: 以下、
花火が終わると大勢居た人が一斉に帰ろうとするので行列が出来てしまいます。
にこ「ほら、こころ、ここあ。絶対に手を離すんじゃないわよ」
ここあ「うん。分かった!」
にこは少しだけ嫉妬した表情で私を見ていました。
37: 以下、
にこ「さっ、それじゃあここでお別れね」
海未「そうですね」
にこ「本当、今日は悪かったわね。受験生をこんな時間まで付き合わせて」
ここあ「お姉ちゃんは全然勉強してなかったよね?」
にこ「私の話はいいのよ」
こころ「そうですよ。お姉様はアイドル活動で忙しくて勉強をする暇なかったんです。それにお姉様は勉強しなくてもいつもテストで満点を取って来るので必要ないのですよ」
へ?それは初めて知りました。
にこ「まあ、それはそうとして。本当にありがとうね。それと、なんか色々虎太郎がご馳走になったみたいで」
そう言いながらにこは財布を出そうとするので
38: 以下、
海未「あっ、大丈夫ですよ。私が勝手にした事ですから」
にこ「ダメよ。こう言う事はちゃんとしないと」
海未「あっ、じゃあ」
にこ「え?」
海未「虎太郎君?」
虎太郎「ん?」
海未「次、デートする時に虎太郎君が奢って下さい。もし、虎太郎君が大きくなって今日の事を覚えていてくれたら。その時」
虎太郎「うん。約束」
海未「約束です」
にこ「あ、あんた・・・本当に海未?ダメよ。海未はいい子だけど・・・直ぐに忘れなさい。お姉ちゃん認めないから!」
差し出されたこの小指もその頃にはもっと大きくなっているのかな。
39: 以下、
ミーンミンミンミン
穂乃果「あ?ん。もう飽きた?」
海未「まだ始めて30分でしょ!」
穂乃果「そんな事言ったって?。暑いし。やる気出ないよ?」
確かに、今日もかなり暑く座っているだけで参ってしまいそうです。
海未「とは言っても。受験に失敗したくないでしょう?」
穂乃果「そうだけど。そう言いえば!こないだの縁日に海未ちゃん行ったんだって?雪穂から聞いたよ!」
海未「あ?それは・・・成り行き上仕方なく」
穂乃果「私にはあんな事を言っておいて?。ズルイ」
海未「はあ。それは謝ります」
穂乃果「来年は絶対に一緒に行くからね!」
海未「じゃあ浪人する訳にはいきませんね」
40: 以下、
穂乃果「そ、そうだね。よし、ちゃちゃっと合格しちゃって」
海未「ちゃちゃっとって言っても試験はまだ先ですが」
穂乃果「細かい事はいいの。来年からも毎年一緒に行こうね」
海未「・・・いつまで一緒に行けるかな。お互い」
穂乃果「え?何?」
海未「何でもありませんよ。さあ、図書館で勉強しましょうか。ここじゃ暑いでしょう?」
穂乃果「あっ!そうだね!途中でアイス買って行こうよ。そうと決まればことりちゃんにも連絡しておかないとね」
海未「そうですね」
41: 以下、

元スレ
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ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」これは無理だろ(抗う事が)
岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」ゲェーッハッハッハッハ!
紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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