遊勝「紹介しよう、デニス。超高校級のマジシャンの夢野秘密子さんだ」back

遊勝「紹介しよう、デニス。超高校級のマジシャンの夢野秘密子さんだ」


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なんか気楽に読んでたけど凄いテーマのssだな

144: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 20:59:29.85 ID:dTjXkwRbO
>>143
お読み頂きありがとうございます。励みになります。
続きを投下させて頂きます。
145: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:03:04.04 ID:dTjXkwRbO
ー2ヶ月後・未来機関第一支部ー
支部長「ーーー仕方が無い。これより近日中に、全ての超高校級は、その才能と記憶を封印し、それぞれの出身国から見た国外で、一般人として生きて貰うことにする」
職員「なっーーー」
支部長「我々の薬物技術ならば、可能だ」
支部長「キーボくん……あのロボットには、また別の方法を試みることになるだろうがな……」
職員「いや、しかしーーー」
支部長「つい最近発生した、超高校級の集団失踪事件は、知っているだろう?」
職員「……ええ、まあーーー」
支部長「私は、あれを、誘拐事件であると見ている」
職員「!」
支部長「しかし、犯人グループは未だ特定出来ていない……」
職員「……」
146: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:07:07.63 ID:dTjXkwRbO
支部長「……また、あのようなことが起きては一大事だ。故に、全ての超高校級には、犯人グループを検挙するまで、薬物投与で才能と記憶を封印し、それぞれの出身国から見た国外で、一般人として生きて貰う」
支部長「そうして、犯人グループの目から超高校級を隠すのだ。もちろん、厳重に監視はするが……」
職員「……」
支部長「超高校級の才能は、時に人の生命を奪う兵器となる」
支部長「それほどの才能の持ち主が、世界各国から合計百人以上も誘拐されたのだ。これ以上、誘拐されたらどうなる?」
支部長「そうした多くの才能が、我々を含めたありとあらゆる人々の生命を奪うことに使われたらどうなる?」
支部長「私は、それがとても恐ろしい」
職員「……」
支部長「そんなことになれば、この希望に満ちた世界が、絶望によって崩れ去ってしまうかもしれない」
支部長「それだけは絶対に避けねばならないんだ。我々は何としても、この希望に満ちた世界を、絶望の魔の手から守り通さなくてはならない」
支部長「キミも、それを理解して欲しい」
職員「……承知しました」
147: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:09:04.24 ID:dTjXkwRbO
支部長「すまないな、こんなことに巻き込んでしまって……」
職員「……いえ、支部長の言っていることは、正しい」
職員「此度の事件が誘拐事件だとすれば、犯人グループは、あれほどまでの大規模な誘拐に成功したことになる」
職員「それだけ強大な相手となれば、当然の警戒でしょう」
支部長「……」
職員「……しかし、犯人グループは、どうやってそんなことを可能にしたのでしょうか?」
職員「あれだけ大規模な犯行をすれば、必ず足がつくはずですが、まったくと言って良いほど尻尾を掴ませない」
職員「……これではまるで、犯人グループは異世界からの侵略者で、超高校級はその異世界に連れ去られたかのようではありませんか」
支部長「……私にも、わからん」
支部長「だが、犯人グループが如何なる存在であるにせよ、これ以上の誘拐は防がねばならない」
支部長「才能と記憶の封印、実行するぞ」
職員「はっ……」
148: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:11:13.27 ID:dTjXkwRbO
ー希望ヶ峰学園・女子寮ー
夢野「すまんのう、デニス。 電話ごしでしか話せなくてな……」
デニス『……しょうがないよ。超高校級の集団失踪事件が発生して未だに解決していないんだからさ』
デニス『残り少ない超高校級のキミが、警備の厳重な希望ヶ峰学園の寮で待機する。それは仕方の無い当然の話だと思うよ?』
夢野「まったく、何であんなことになったんじゃ……」
デニス『……本当、何でだろうね?』
149: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:13:11.15 ID:dTjXkwRbO
夢野「……それはそうと、デニス。今日の電話は、いつもかけてくる時と比べて、かなり早くかけてきたのう」
デニス『……うん、そうだね』
夢野「何か、ウチに急いで伝えたいことでもあるのか?」
デニス『……』
夢野「……何度も言うようじゃが、《RUMーマジカル・フォース》の返却は受け付けんぞ?」
夢野「確かに、あのカードは高額じゃったが、ウチはお主にデュエルを教わり続けていたんじゃ」
夢野「あのカードは、そのお礼じゃ」
夢野「胸を張って使えば良いのじゃ」
150: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:15:17.87 ID:dTjXkwRbO
デニス『……もちろん、そのつもりだよ』
夢野「!」
デニス『何度もそう言われておきながら返却するだなんて、却ってキミに失礼だ』
デニス『それに、あのカードは、ボクのデッキと合うし、シャドーメイカーなども出しやすくなる』
デニス『本当に、嬉しいプレゼントだったよ……』
夢野「んあ!? そ、そうか……!」
151: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:16:25.29 ID:dTjXkwRbO
夢野(嬉しい、のう……!)
152: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:18:36.45 ID:dTjXkwRbO
夢野「ーーーんあ? じゃが、そうなると、今日早く電話をかけてきたのは、違う理由ということになるのう」
デニス『……そうだね』
夢野「結局なんなんじゃ? その理由は?」
デニス『……ボクが人を探している、ということは前に一度話したよね?』
夢野「んあ……? そういえば、いつだったか、お主は『自分が持っている顔写真と同じ顔の人物を探している』と言っておったな……」
夢野「? もしや、お主ーーー」
デニス『そう、実は、会ってしまったんだよ』
夢野「!?」
デニス『……ボクが持つ顔写真と同じ顔の人物にーーー』
デニス『ーーー会ってしまったんだよ』
153: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:20:37.12 ID:dTjXkwRbO
夢野「……んあ!? それは本当か!?」
デニス『……うん、その人は、顔写真の顔と間違いなく同じ顔をしていた』
デニス『毎日のように写真を見て確認していたからね……探し人はあの人で間違いないよ』
夢野「……!」
デニス『……会えてしまった以上、ボクは、その事実を認めなくていけないーーー』
デニス『ーーーそれも、一刻も早くに、だ』
デニス『……だからこそ、会えてしまった事実を、一刻も早くキミにも伝えることで、己に強く印象付けようと思ったんだ』
デニス『そのために、ボクは、今日早くキミに電話をかけたんだ』
154: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:23:22.09 ID:dTjXkwRbO
夢野「そうか……」
デニス『……』
夢野「強く印象付けるだとか……ウチには、ようわからん理屈じゃがーーー探し人に会えて、良かったではないか」
デニス『……』
夢野「……それで、その後どうなったんじゃ?」
夢野「デュエルは、したのか?」
デニス『……』
夢野「……んあ、デニスよ。何を黙っておる?」
夢野「ウチはお主が探していたという、そやつのことを全く知らんのじゃぞ? そやつが男か女かも知らん」
夢野「何も言わんのでは、そこからどうなったのか、ようわからんでは無いか」
デニス『……』
夢野「……なんじゃ? どうした?」
夢野「会えて、嬉しくないのか?」
デニス『……いや、何でもないよ』
155: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:24:49.89 ID:dTjXkwRbO
夢野(……なんじゃ、デニス?)
夢野(元気が無いようじゃが……)
夢野(……この感じ、これではまるでーーー)
夢野(ーーー最後に会った時の、お師匠様のようなーーー)
デニス『……』
夢野「ーーーデニスよ」
デニス『……何かな?』
夢野「また、ウチとデュエルしてくれ」
156: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:25:55.72 ID:dTjXkwRbO
デニス『……えっ、?』
夢野「……」
デニス『どうしたの、急に?』
夢野「……なんでも無いわい」
夢野「なんとなく、じゃ」
デニス『……』
夢野「なんとなく、言わなくてはならない」
夢野「そう、思ったのじゃ」
157: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:27:27.07 ID:dTjXkwRbO
夢野(……そうじゃ、なんとなくーーー)
デニス『……』
夢野(ーーーこう言わんと、どこかに行ってしまう)
夢野(そんな気がしたんじゃーーーー)
158: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:28:14.70 ID:dTjXkwRbO
デニス『………………』
159: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:30:21.18 ID:dTjXkwRbO
デニス『ーーーわかったよ、夢野さん』
夢野「!」
デニス『約束だ! またボクとデュエルしよう!』
夢野「……ありがとな」
デニス『……キミからも約束してくれるかい? 夢野さん?』
夢野「……もちろんじゃ。ウチからも約束するわい」
夢野「……もし、破ってみい! ウチのマジカルコンボでギッタギタじゃぞ?」
デニス『えっ、? ひょっとして、またキミのマジカルコンボでライフで回復しまくってから、《お注射天使リリー》三体でボクにダイレクトアタックする気?』
デニス『あれは、心臓に悪かったなあ! ハハハ!』
夢野「たわけ! 《魔導師の力》を三枚がけしてトラピーズマジシャンをパワーアップさせてダイレクトアタックしたあと、《カタパルト・タートル》で打ち出したことのあるお主よりはマシじゃ!」
デニス『いや待ってよ! あの時はキミのマジカルコンボ……《サベージ・コロシアム》と《レインボー・ライフ》によるライフ回復で、キミのライフが三万ポイント近くあったんだよ? 仕方無くない?』
夢野「何を抜かすんじゃ!? そうなったのも、元はといえば、お主が魔法でトラピーズマジシャンの攻撃力を一万ポイントもアップさせたからじゃろうがーー!!」
デニス『いやいや! そうなったのも、元はといえばーーーー』
………
160: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:32:10.88 ID:dTjXkwRbO
ピッ……!
デニス「………………」
161: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:34:59.44 ID:dTjXkwRbO
デニス(……あーあ)
デニス(会いたく、なかったなあ……)
デニス(何で、いま、あの娘に……黒咲瑠璃に会っちゃったんだろうなあ、ボク……)
デニス(いま会わなければ、もっと大道芸をしていられたかもしれないのに……)
デニス(勝ち負けを気にしなくて良いデュエルを、やり続けられたかもしれないのに……)
デニス(夢野さんと、先生と、楽しくデュエルしていられたかもしれないのに……)
デニス(その上で、もっとデュエルに強くなれたかもしれないのに……)
デニス(もっと強くなれれば、夢野さん、先生……ユーリのことだって、もっと理解出来るようになれたかもしれないのに……)
デニス(そうすれば、みんなで笑いあえる……エンタメデュエルを、出来るようになれたかもしれないのに……)
デニス(戦争だって、ボクのエンタメデュエルで、起こる前に無くせたかもしれないのに……)
デニス(……そんな、魔法のように甘い、平和な世界が、あったかもしれないのにーーーー)
162: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:45:30.48 ID:dTjXkwRbO
デニス(ーーーでもそうなる前に、ボクは、あの娘に……黒咲瑠璃に会ってしまった)
デニス(黒咲瑠璃は、ボクの大道芸の、観客となってくれてしまった)
デニス(黒咲瑠璃は、ボクの記憶に残ってしまった。故に、ボクがアカデミアに帰還したが最後、その際に使用される記憶照合マシーンによって、黒咲瑠璃……セレナと同じ顔の人物と接触したことは、確実にアカデミアにバレてしまう)
デニス(それを機に、戦争が、始まってしまう)
デニス(……そう、それが全てなんだよ)
デニス(……定期的にアカデミアに帰らなければ、ボクはデュエルディスクに内蔵された次元転送装置を遠隔操作され、強制送還させられる……)
デニス(……だからと言って、デュエルディスクから離れようにも、ボクはボクのディスクから、あまり遠くまで離れることが出来ない)
デニス(遠くまで離れると、ディスクに内蔵された次元転送装置が自動で作動し、ボクとディスクをアカデミアに強制送還させてしまうからだ)
デニス(もちろん、デュエルディスクを破壊するわけにも行かない。そんなことをすれば、内蔵された次元転送装置まで連動して破壊され、その影響で周囲の空間に異常を発生させ、ボクが次元の藻屑になる可能性が高い)
デニス(……ボクは、生きている限り、アカデミアから逃れることは出来ないんだ)
デニス(ボクは生きている限り、必ずアカデミアに帰還することになり、その際に使用される記憶照合マシーンによって、黒咲瑠璃と接触したことがアカデミアにバレてしまう)
デニス(その情報を元に、アカデミアは必ず黒咲瑠璃を探し当てるだろう)
デニス(結局、エクシーズ次元との戦争が、始まってしまうことになるんだ)
163: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:48:39.53 ID:dTjXkwRbO
デニス(……アカデミアでの記憶照合を拒否することも出来ない。そんなことをすれば、裏切り者の烙印を押され、ユーリに処刑されることになる)
デニス(ユーリは、あのアカデミアの中で、ただ一人だけ、トラピーズマジシャンを受け入れてくれた……)
デニス(……そのユーリに処刑されてしまうんだ)
デニス(今のままのボクじゃ、ユーリに勝てる可能性は限りなくゼロに近い……)
デニス(……エンタメデュエルで笑顔にするなんて、夢のまた夢だ)
デニス(ほぼ間違いなく処刑されることになるだろう)
デニス(……仮に、処刑を免れたとしても、あの【剣闘獣】使いような幽閉生活か、ドクトルのモルモット生活が関の山)
デニス(そう、ボクが裏切り者に堕ちたところで、ボクは大切なものを全て失うだけで終わる)
デニス(人との繋がりを……全て失うだけで終わってしまうんだ……)
164: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:50:44.02 ID:dTjXkwRbO
デニス(……これ以上、何かを考えるのはよそう。ボクらの未来は、プロフェッサーに考えて貰えば良いんだから)
デニス(甘くて楽しい夢はこれで終わり。魔法のような、秘密のひと時はこれで終わり)
デニス(時計の針は動き、また別の夢がはじまる。そう、ここからはーーー)
デニス(ーーー悪夢(ハンティングゲーム)の時間だ……)
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165: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:52:25.16 ID:dTjXkwRbO
夢野「……あれからウチはーーーー」
デニス「ボクはーーーー」
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166: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:53:31.94 ID:dTjXkwRbO
「「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」」
167: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:54:54.14 ID:dTjXkwRbO
今はここまで。
次回からは、一気に時が飛びます。
168: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 21:55:21.79 ID:dTjXkwRbO
今はここまで。
次回からは、一気に時が飛びます。
169: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:13:19.47 ID:dTjXkwRbO
投下します。
170: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:15:51.41 ID:dTjXkwRbO
ー1年後・ペンデュラム次元・遊勝塾のデュエル場ー
バタンッ……
夢野「……久しぶりじゃのう、デニスよ」
デニス「夢野さん……」
夢野「すまんの、ペンデュラム次元まで呼び出して……」
デニス「……」
夢野「……ウチはお主と久しぶりに話がしたいと思っておる。そのために、ペンデュラム次元まで呼び出した」
夢野「……エクシーズ次元や融合次元でも話は出来るのじゃが、ウチが融合次元に行くにせよ、お主がエクシーズ次元に行くにせよ、そこで落ち着いて話が出来るとは限らんからのう」
夢野「次元戦争は、まだまだ、終わったばかりなのじゃからな……」
デニス「……」
夢野「故に、榊遊勝に頼んでここを貸して貰い、エクシーズと融合のどちらでもないペンデュラム次元まで呼び出させて貰った」
夢野「すまんの……」
デニス「……キミが謝る必要は無いと思うよ?」
デニス「キミは当たり前のことをしているだけだし、ボクはそれに応えなければならない義務がある」
デニス「……だから、キミが謝る必要なんて、ぜんぜん無いんだ」
夢野「……」
171: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:17:45.45 ID:dTjXkwRbO
夢野「……あー、この前の、お主と榊遊矢とのデュエル、観ておったぞ」
デニス「……」
夢野「最初が、ちと頂けんかったがーーーそれでも終わりは良かった」
夢野(ウチが渡したカード、《RUMーマジカル・フォース》も使ってくれたからの……)
夢野「……本当に、良いデュエルじゃったぞ、デニス」
デニス「……喜んでくれたのなら、何よりだよ」
172: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:18:45.92 ID:dTjXkwRbO
夢野「…………」
デニス「…………」
173: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:21:49.21 ID:dTjXkwRbO
夢野「……本題に移るが、デニスよーーー」
デニス「?」
夢野「ーーーウチとデュエルしてくれ」
デニス「!?」
夢野「ウチはペンデュラム次元で、プロデュエリストになる」
デニス「なっ、!?」
夢野「理由はもちろん、お金を稼ぐためじゃ」
夢野「エクシーズ次元の復興は、融合次元からの賠償金……つまりはお主たちの税金によって賄われておるが、それだけでは復興のスピードが遅くなる」
夢野「故に、デニス。お主はプロデュエリストになって高い収入を得て、そのほとんどをエクシーズ次元に渡そうと思っているそうじゃな? 榊遊勝はそう言っておったぞ」
デニス「……」
夢野「……ウチも、そうやって、お金を稼いで、エクシーズ次元の復興の役に立たねばならんと思った」
夢野「無論、それは、ウチのマジカルショーだけでも可能じゃが、プロデュエリストとして名を馳せた上でショーをすれば、より客は入り……興行収入は高くなる」
夢野「それに加えて、プロデュエリストとしての収入も加わる」
夢野「プロデュエリストにならん手は無い」
夢野「じゃからこそ、デニス。お主には、ウチがプロになる実力を身につけるための、そのデュエル相手になって欲しいのじゃ」
174: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:23:19.45 ID:dTjXkwRbO
デニス「……良いのかい、夢野さん?」
夢野「……何がじゃ?」
デニス「……確かに、キミのデュエリストとしての素質を考えれば、ボクとデュエルして強くなって、プロデュエリストを目指すことも出来るだろう」
デニス「だけど、キミはそれで良いのかい……?」
夢野「……」
デニス「……ボクらアカデミアが、何をしていたのか、キミだって知らないわけじゃないだろう?」
175: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:25:21.46 ID:dTjXkwRbO
夢野「……もちろん、知っておるわい」
夢野「赤馬零王に言われるがままに、フワフワしたようわからん理想郷がために、エクシーズ次元の街を破壊し、人々をカード化していたこともーーー」
デニス「……」
夢野「ーーーウチら超高校級を誘拐して、VR空間……仮想世界でコロシアイをさせたこともーーー」
夢野「ーーー全部、知っておる」
176: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:28:16.58 ID:dTjXkwRbO
デニス「……仮想世界での、コロシアイが何の目的で行われたかも知っているんだろう?」
夢野「……そうじゃな、あのコロシアイの目的は、エクシーズ次元を守っている未来機関を、デュエルを介さずにカード化するためじゃ」
デニス「……」
夢野「エクシーズ次元は、未来機関のデュエリストによって守られていたからのう」
夢野「……無論、ハートランドやその付近を守っていた未来機関は運悪くほぼ壊滅したそうじゃが、未来機関の全てが、ハートランドやその付近と同じように壊滅しているわけでは無かったのじゃ」
夢野「ハートランドという一つの市に救援を寄越すまでの余裕は無かったようじゃがーーーそれでも未来機関は、このエクシーズ次元の各地でアカデミアの侵略を食い止め続けていたのじゃ」
夢野「そうした未来機関のデュエリストは強かった」
夢野「いくらアカデミア兵がデュエルを挑んでも、相手が未来機関のデュエリストでは、大概のケースで返り討ちか、引き分けまで持っていかれてしまうわい」
夢野「そして、人をカード化する場合は、対象の人物にデュエルで勝利する必要があったのじゃ」
夢野「故に、返り討ちや引き分けにされたが最後、カード化は不可能」
夢野「じゃが、アカデミアのカード化システムは、条件を満たせば、デュエルを介さずにカード化することが可能じゃった」
デニス「……」
夢野「……そう、カード化の対象となる人間の心が、ある程度絶望に呑まれた状態であるという条件下ならば、デュエルを介さずにカード化することが可能となるのじゃ」
177: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:32:13.46 ID:dTjXkwRbO
夢野(……無論、カード化に必要な絶望の量には個人差があり、デュエルが強い者であればあるほど、多くの絶望が必要だったようじゃがな)
デニス「……」
夢野「……そして、そうした絶望に呑まれさせる手段こそが、コロシアイだったのじゃ」
夢野「そう、かつて江ノ島盾子が、希望を打ち砕いて世界中の人間を絶望させるために、超高校級の生徒にコロシアイをさせたように」
夢野「赤馬零王もまた、未来機関の希望を打ち砕いて所属するデュエリストを絶望させるために、江ノ島盾子のコロシアイを模倣し、ウチらにコロシアイをさせたのじゃ」
夢野「次元戦争が起こる前、もしくは次元戦争が始まって間も無い時のドサクサに紛れて、超高校級を誘拐して記憶を操作し、戦争中にコロシアイを行わせーーー」
夢野「ーーー殺人事件が発生してから、学級裁判が終わって裁判場を出るまでの映像を、ソリッドビジョンを利用したスクリーンで、未来機関の各支部の上空に、映し出させてのう」
夢野「……その映像が自分たち未来機関を絶望させるためのものであることは、未来機関もわかってはいたじゃろう」
夢野「じゃが、だからといって、目を逸らすことは出来なかったんじゃ。なにせ、超高校級の希望である苗木誠の残した、新しい希望ヶ峰学園の生徒が、絶望的なコロシアイをさせられていたんじゃからのう」
夢野「見れば見る程、絶望するとわかっていても、目を逸らさずにはいられない」
夢野「そうして、未来機関に絶望を与え続け、デュエルを介さずにカード化が可能になるまで、絶望させる」
夢野「なんとも、悪辣なやり口じゃわい」
デニス「………」
178: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:35:38.93 ID:dTjXkwRbO
夢野「……無論、赤馬零王によるコロシアイは、仮想世界でのコロシアイじゃった。故に、コロシアイの中で死んだ皆も厳密には死んでおらん。本来の肉体は仮死状態にある」
夢野「じゃが、あのコロシアイは、江ノ島盾子によるコロシアイに負けず劣らずおぞましいものだとウチは思っておる」
夢野「なぜなら、江ノ島盾子のそれとは違い、希望が勝っても良いのじゃからな」
デニス「……」
夢野「希望が勝っても、融合次元の民衆は喜ぶ」
夢野「そう、あのコロシアイは、決してエクシーズ次元だけに放映されていたのではない」
夢野「融合次元でも放映されていたのじゃ。それもエクシーズ次元とは異なり、全ての部分を、な」
夢野「もちろん、実在の人物を使ったコロシアイなど胸クソ悪いだけで受け入れられんじゃろうが、架空の人物を使えば話は別じゃ」
夢野「……エクシーズ次元から誘拐され、コロシアイをさせられた超高校級は、融合次元の民衆の認識では、架空の人物に過ぎん」
夢野「赤馬零王は、ウチらの世界では現実の出来事である超高校級同士によるコロシアイを、何年も前から融合次元中に放映させていた」
夢野「現実の出来事ではない架空の物語と、融合次元の民衆に認識させた上でな」
デニス「……」
夢野「架空の物語と同じ歴史を辿った世界があれば、それは架空の世界であるかのように扱われる」
夢野「架空の世界に住む人物もまた架空の人物」
夢野「ハンティングしてコロシアイをさせようと、融合次元の民衆にとっては何の問題も無かった」
夢野「いや、むしろ、そのコロシアイは、融合次元の民衆に受け入れられてしまうというわけじゃ」
デニス「……」
179: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:49:29.23 ID:dTjXkwRbO
夢野(……もっとも、数年前から赤馬零王が放映していたコロシアイは、江ノ島盾子が黒幕のコロシアイだけでは無かった)
夢野(たった一回のコロシアイでは、時間と共に、コロシアイや超高校級という概念自体が忘れられてしまい、それらが架空の存在であるという風に印象付けること難しくなる)
夢野(そのため、赤馬零王は、江ノ島盾子以外が黒幕のコロシアイも放映していたのじゃ)
夢野(……赤馬零王本人から聞いた話じゃが、あやつは、以前存在していたとされる “ 一つの世界 ” で行われたコロシアイも融合次元に放映していたという話じゃった)
夢野(赤馬零王が元々住んでいたとされる “ 一つの世界 ” では、どういうわけか江ノ島盾子によるコロシアイがフィクション作品の出来事であり、それを雛形としたフィクション作品が何十作とあったようじゃからのう……)
夢野(赤馬零王の記憶にあるそれをそのまま融合次元に放映することで、いろんなコロシアイを見せ、融合次元の人々がコロシアイや超高校級が架空の存在であるということを忘れないようにしていたというわけじゃ……)
180: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:52:51.08 ID:dTjXkwRbO
夢野「……ともかく、架空の人物にされた超高校級が、コロシアイの最後に希望か絶望を選択する」
夢野「選択するのはどちらでも良い。希望エンドでも、絶望エンドでも、どちらも物語に合った結末じゃからのう」
夢野「故に、希望を選んだところで、融合次元の民衆が喜ぶだけで終わってしまうのじゃ」
デニス「……」
夢野「……そうした事実を、エクシーズ次元に派遣されたアカデミア兵は、未来機関に教えた」
夢野「……かつて苗木誠が選択した “ 希望 ” さえも、融合次元の民衆の喜びとなってしまっている」
夢野「流石の未来機関でも、そんな事実を聞かされ、希望ヶ峰学園の誇る超高校級が “ 希望 ” を選択し続けているともなれば、そんなコロシアイが繰り返し行われてしまえばーーー」
夢野「ーーー未来機関は、着実に絶望に呑まれていく」
夢野「コロシアイをさせられた者たちが、希望でも絶望でも無い結末に持っていかない限り、その上で仮想世界を二度と再利用出来ないくらい完全に破壊しない限りーーー」
夢野「ーーー絶望に呑まれていく」
夢野「その絶望の進行具合によっては、アカデミア兵は未来機関のデュエリストを、デュエルを介さずにカード化することも可能となる」
夢野「おぞましいにも程があるわい」
181: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:55:39.28 ID:dTjXkwRbO
デニス「……そこまで、わかっているのならーーー」
夢野「……」
デニス「ーーーどうして、キミは、ボクなんかにーーー」
夢野「……確かにウチは、赤馬零王、そしてお主ら融合次元がやったことを許すわけにはいかん」
デニス「……」
夢野「あのコロシアイのせいで……ウチのような一部を除いた超高校級の生徒は、未だ仮死状態にある」
夢野「赤馬零王、Dr.フェイカー、各次元の科学者が総出で目覚めさせようとはしているがーーー」
夢野「ーーーいつ、目覚めるか、その目処は未だついておらんのが現状という話じゃ」
夢野「それに加えて、ウチらが住むエクシーズ次元に対する数えきれんほどの蛮行」
夢野「許せるはずがないわい」
デニス「……」
182: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:57:15.08 ID:dTjXkwRbO
夢野「……じゃが、許せないからと言って、共に歩めないわけではないはずじゃ」
デニス「えっ……?」
夢野「いっしょにデュエルしながら、前に進めないわけでは無いはずなんじゃ」
夢野「同じ心を持つ、人間なんじゃからのう」
デニス「!?」
183: ◆02/1zAmSVg 2019/05/04(土) 23:59:16.82 ID:dTjXkwRbO
今日はここまで。
184: 以下、

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お尻に挿れる約束を破って無許可で前に突っ込んだ結果www→姉「いたあいよおおあああああ」弟「抜けねえ(´;ω;`)」

パチンコ打ってると高確率で頭痛になるんだけど同じ奴いる?

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