仮面ライダーバロンP第2話「蒼翼の乙女」back

仮面ライダーバロンP第2話「蒼翼の乙女」


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1:
※アイドルマスターシンデレラガールズと仮面ライダー(主にバロン)のクロスSSです。
※仮面ライダーバロンこと駆紋戒斗がプロデューサーになります。
※今後他ライダーシリーズからも出演予定はあります。
※基本的に台本形式ですが、地の文あり。
よろしくお願いします。
前回↓
仮面ライダーバロンP第1話「始まりの巫女」
2:
仮面ライダー鎧武外伝
THE iDOLM@STER BARONGIRLS
―第2話 蒼翼の乙女―
高木社長と出会い、アイドルのプロデューサーとなった駆紋戒斗。
新興プロダクションのため、社長以外のメンバーは事務員の千川ちひろ、アイドル候補生の道明寺歌鈴のみだ。
高木は戒斗に事務所の中核となるアイドルの発掘を託すのだった。
3:
―事務所―
ちひろ「プロデューサーさん、大丈夫でしょうか?」
高木「心配いらないよ。彼は私の見込んだ男だ。きっと素晴らしいアイドルをスカウトしてくるだろう」
ちひろ「でもあの人、『記憶喪失』なんですよね? 仕事している場合じゃない気もするんですが……」
高木「本人の意志を尊重したんだ。動いていたほうが思い出すかもしれないと言っていたからね」
ちひろ(本当に『記憶喪失』なのか怪しいものね……身元を洗ってみる必要があるか)
4:
―海岸―
奏「高校生活なんて、しょせん全部遊びなの? だとしたら……私ってなんなのかしら」
現実と理想のギャップ。
満たされない心。
居心地の悪い世界が奏でる不協和音に耐えられなかった。
だから水奏は海に来ていた。
ほんの少し遠くまで来てしまった。
帰宅は遅くなるだろうが構うことはない。
平日の夕方だけあって静かなものだ。
波の音で心地よく耳を癒したい。
海を見て心を落ち着けたい。
様々な事象が折り重なり、混じり合ってぐちゃぐちゃになった頭の中を少しでも解きほぐしたかった。
5:
だというのに―
男A「彼女?ひとりなの?」
いかにも軽薄そうな二人組が奏のそばに寄ってきた。
奏は深いため息をついた。
奏「悪いけど、今、話しかけないでくれる? そういうの求めてないから」
男B「そんな冷たいこと言わずにさぁ。暇してるなら俺らと遊びに行こうぜ」
奏「いまの私、怒りと悲しさと寂しさを、ミキサーにかけたみたいな状態なの。そんな心境で、誰かと話す気分じゃないし」
相手の察しの悪さに辟易しながらも言葉を続ける。
奏「だから、ひどい言葉を浴びせられるのがイヤだったら……。ここからすぐに立ち去って」
男A「こんなところにひとりでいるから寂しくなるんだよ。いい店知ってるから一緒に行こうよ。気分も晴れるぜ」
6:
とことん物分りの悪い連中である。
表面だけしか見られない薄っぺらい人種だから当然といえば当然か。
だったらもっとわかりやすく拒絶してあげよう。
しかし、奏が罵倒の言葉を口にするより先に、男たちがアクションを起こした。
男B「いいから来いよ。楽しませてやっから」
男A「そうそう。ここじゃあなんだから場所変えて話そうぜ」
奏「ちょっと、放しなさいよ……放して!」
奏の腕を掴み、強引に連れて行こうとする男たち。
抵抗するが男二人の力に敵うわけがない。
7:
男A「ぎゃあっ!」
突然男の一人が悲鳴をあげた。
何やら腕にカードのようなものが突き刺さっている。
拘束の手が緩んだ隙をついて奏は男たちから距離を取る。
男B「何だテメエは!?」
正面から海辺には似つかわしくないスーツ姿の男が堂々と歩いてくる。
戒斗「俺はその女に用がある。貴様たちは邪魔だ」
男B「どこの誰か知らねえが、俺らに刃向かってタダじゃ済まさねえぞ!」
戒斗「名乗る時は名刺を渡すのがマナーらしいな。お前にもくれてやろう」
スナップを効かせた右手から放たれた名刺手裏剣は額に思い切り突き刺さる。
男は情けなく呻いて砂浜に倒れこんだ。
8:
戒斗「失せろ、負け犬!」
男A「ち、ちくしょう!」
男B「今に見てろ!!」
ひいひい喚きながら逃げていくチンピラたち。
戒斗「小煩い連中だ」
奏「あの……」
戒斗「怪我はないか?」
奏「え、ええ」
まるでチープな恋愛映画の導入部分だ。
強引なナンパに困っているところに颯爽と現れヒロインを助ける。
これが二人の運命の出会いだった。
一般的な女性だったらドキドキの展開だろう。
この男の愛想がもう少しよければの話だが。
9:
戒斗「ならば俺の話を聞いてもらおうか」
奏「あら、名刺?」
さっき男達に突き刺さったのと同じものだろうか?
高校生の奏が名刺に触れる機会はそう多くなかったが、おそらく普通の名刺だと思われる。
材質は紙。
薄い鉄板とか強化プラスチックとかそういう硬度のある物質ではない。
破けるのかしら?
試してみたい衝動に駆られる。
だが、さすがに渡された名刺をその場で破くのは失礼だろうと思い直した。
奏「プロデューサー……あなたが?」
戒斗「そうだ。アイドルをやってみる気はないか?」
奏「私をアイドルに……?」
戒斗「お前なら、強いアイドルになれそうだ」
強いアイドルって何?
普通は可愛いとか、売れっ子とかじゃないの?
女子プロレスラーの勧誘じゃないわよね?
10:
奏「冗談でしょう。そういう人、多いのよね」
戒斗「俺は本気だ」
奏「みんな、そうやって言うのよ。でも、そうじゃない。傷つくのはいつだって言われた方なのに。そんな嘘、もう慣れちゃった」
戒斗「……その言葉は俺に対してのものか?」
奏「え?」
戒斗「それとも、お前が生きてきた、この世界に対してのものか?」
奏「……っ」
奏は目を逸らさずにはいられなかった。
図星だったから。
嘘や欺瞞に満ちた世界はいつだって私を傷つける。
期待は何度も裏切られ、それでも期待してしまう自分の愚かさにもうんざりしていた。
11:
戒斗「諦めるのはお前の勝手だ。そのまま下を向いて、這いつくばって生きていけばいい」
奏「……」
戒斗「だが、空を見る気があるなら、俺と共に来い。お前には羽がある」
奏「空……? 羽……?」
戒斗「空があり、羽がある。お前ならどうする?」
奏「どうするって……」
戒斗「……」
奏「……飛ぶわ。フフ、目指すべき空があって、羽ばたける羽があるならね」
戒斗「それが答えだ」
奏「ねえ、あなたが私に空を見せてくれるの?」
戒斗「見せるのは俺じゃない。お前に空を見せるのはお前自身の力だ」
彼が本気で自分と向き合おうとしてくれていることが、その真剣な眼差しから理解できた。
この人は本当に自分がアイドルになれると信じてくれている。
12:
奏「うーん、どうしようかなぁ……。フフ、こうなったら、ヤケね。そんなに誘いたいなら……」
もう答えは決まっているのに。
嬉しさや照れくささを隠すためにこんなことを言ってしまう。
奏「いま、この場で、キス……してくれる? してくれたら、なってもいいよ。どう?あなたにできる?……なんてね」
今日の私、少しおかしい。
この人の熱に当てられたのかしら?
戒斗「それがお前の『覚悟』か……。いいだろう」
奏「え……?」
戒斗「俺の『覚悟』は……」
奏の眼前に右拳を掲げる。
戒斗「この拳の中にある」
13:
キスを求めている女に拳を返す男なんて見たことも聞いたこともない。
一見意思疎通が取れていないような行動だったが、奏には納得することができた。
奏(不器用な人……)
破滅的に言葉選びが下手で、妥協を知らない。
この常人には理解不能な行動も彼なりの本気なのだ。
空っぽであるはずの拳の中に彼の『覚悟』が満ち満ちているように感じられたことが奏は嬉しかった。
奏「いいよ。アイドル、やってあげる。 だから……」
戒斗の手を取り―
奏「私をここから連れ出して」
それに対して戒斗が何か返そうと口を開いた時―
14:
男A「ああっ! いやがったな!」
先ほど逃げたチンピラ二人が戻ってきた。
戒斗「懲りない奴らだ。またやられに来たのか?」
男A「あんな手品で調子に乗るなよ!」
男B「そ、そうだ!俺たちは超人なんだ!てめえなんざ目じゃねえ!!」
男たちは掌に収まるくらいの大きさの箱型の装置を懐から取り出した。
戒斗はその装置に見覚えがあった。
かつて共に戦った探偵が使っていたものとよく似ている。
『アノマロカリス』
『バード』
ガイダンス音声を発した装置、『ガイアメモリ』を、それぞれ肩に設置したコネクタを通じて、体内に挿入する。
その悪魔の小箱は男たちを『地球の記憶』を宿した異形へと変貌させる。
アノマロカリスドーパントとバードドーパントの誕生である。
15:
奏「い、一体、何がどうなって……」
アノマロカリス「さあ、痛い目に遭いたくなかったらその女を渡せ!」
戒斗「この女が欲しいなら俺を倒せ。俺より強いことを示せ」
戒斗はいつの間にかベルトを装着し、錠前を右手に掲げていた。
「変身」
『バナナ!』
『ロックオン!』
『カモン! バナナアームズ!』
空にファスナーが開いたような穴が開き、巨大なバナナが出現。
戒斗に向かって落下する。
光溢れる果実は展開され、その姿を装甲の騎士に変える。
『ナイトオブスピアー!』
バード「ビ、ビビることはねえ!虚仮威しだ!」
バロン「行くぞ!」
16:
力の差は歴然だった。
数の上ではバロンが不利だったが、そのへんのチンピラと彼とでは潜ってきた修羅場の数が違う。
ドーパント側の攻撃は全く当たらず、隙を突かれて反撃を喰らい、地面に転がされている。
奏「す、すごい……」
自分が観ていたのはチープな恋愛映画ではなく、SFアクションだったらしい。
とんでもない世界に連れ出されてしまったものだ。
奏は躍動するバロンの姿に目を奪われていた。
逃げ出すことを忘れる程に。
17:
アノマロカリス「オイ!」
バード「わかってる!近づいたらこっちが不利だ」
アノマロカリスは海中へ潜行、バードは空中へ飛翔し、バロンとの距離を取る。
バロンの武器は槍一本。
対する二体のドーパントには飛び道具がある。
遠距離からなら一方的にいたぶることができるだろうという算段だ。
ただ逃げられる可能性はある。
ではどうするか?
バード「逃げられなくすりゃいいじゃん」
バードは羽手裏剣を奏に向けて発射した。
奏「……!」
常人では不可避の攻撃。
もうダメだと諦めかけた時―
18:
バロン「弱者の考えそうな卑怯な手だ」
真紅の騎士が割って入り、その身で全ての殺意を受け止めた
バード「的が自分から当たりに来てくれるなんてラッキー!」
ゲラゲラと下品に笑いながら、羽手裏剣を連射し続けるバード。
海中に潜むアノマロカリスも同じく奏を狙って歯の弾丸を発射し始める。
バロンはその攻撃の全てを身体、あるいは槍で防ぐ。
一発たりとも奏には通さない。
バロン「動くなよ。奴らはお前を狙っている」
奏「でも……このままじゃあなたが」
バロン「俺はこんな卑怯な真似をする……弱者には負けんッ!」
一方的な攻勢と距離を取っていたための油断。
海中の敵は狙撃地点からずっと動いていない。
狙撃能力は優秀でも射手としての能力は三流以下である。
これだけ撃ちまくってバロンに位置が特定されないはずがない。
19:
『カモン!バナナスカッシュ!』
戒斗「せいぃッ!!」
アノマロカリスが潜む海中に向け、バナスピアーの矛先から巨大なバナナ型の斬撃が放射される。
飛び道具の存在を想定していなかった敵は直撃を受け、波打ち際まで吹き飛び爆散した。
バード「バカな! あそこまで届くのか!?」
まさかの反撃に面食らったバードは思わず攻撃の手を止めてしまう。
その隙を逃すバロンではなかった。
『マンゴーアームズ!』
素早くロックシードをチェンジし、仮面ライダーバロンマンゴーアームズへと姿を変える。
バナナアームズよりもさらにパワーに特化した重装甲のアームズだ。
20:
『カモン!マンゴーオーレ!』
マンゴーを模したメイス型の武器、マンゴーパニッシャーからエネルギーの塊が放出され、バードに迫る。
必死に逃げ果せようとするバードだったが、角切りマンゴーのような散弾へと変化したエネルギー弾は、敵の逃げ場と翼を奪い去った。
戒斗「そんな薄汚れた羽で空を飛べると思うな」
爆発して無様に墜落した鳥の化け物は元の人間の姿に戻った。
アノマロカリスも同様だ。
二人共顔はやつれており、傍らには排出されて砕けたガイアメモリの残骸が散らばっている。
変身を解いた戒斗はとりあえず二人を波にさらわれない位置まで運んでやる。
さすがに病院まで連れて行ってやる義理はないのでこのまま放置するつもりだ。
21:
奏「もしかして死んじゃったの?」
戒斗「いや、気絶しているだけだ」
奏「そう……」
戒斗「風邪くらいは引くかもしれんが……バカ共にはいい薬だ」
奏「……あなたは大丈夫なの? その……。私を守って、攻撃をたくさん受けていたでしょう」
戒斗「大したことはない」
奏「ありがとう……。助けてくれて」
戒斗「礼を言われる筋合いはない。 俺はお前のプロデューサーだ」
奏「フフ、そうだったね」
奏(本当に不器用な人……)
今が夕焼け時で良かったと奏は思った。
夕陽が自分の顔を赤く染め上げ、本来の赤を隠しくれていたから―
「終末の時は……来たれり……」
「迷える我らを……救いたまえ……」
22:
次回予告
『次回、THE iDOLM@STER BARONGIRLS』
「『アイドル連続昏睡事件』か……物騒だね」
「奴が壊せないほどの力を得て生き残るか。何もかも奪われて負け犬になるか。二つに一つだ」
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第3話 純潔の女神
つづく
2

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