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助手席女「右折! ねえ右折右折! 今右折できたって!」男「……黙れ」


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1:
車を走らせる男女。
ブロロロロロ…
女「あっ、あそこの角で右折しよ!」
男「……」
女「ねえ、右折右折!」
男「……」
女「右折! ねえ右折右折! 今、右折できたって!」
男「……黙れ」ギロッ
女「!」
引用元:http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1514479592/
6:
女「なんで右折してくれなかったの!? 信じらんない!」
男「……」
女「あそこで右折してくれれば、全てがうまくいったのに!」
男「右折したら、君のお父さんと部下達が待ち受けていたんだろう?」
女「!」ギクッ
男「おそらく、道路は完全に封鎖されていて、俺はブレーキをかけざるをえない」
男「ブレーキをかけたが最後、お父さんの部下が車に殺到し、俺たちは車から引きずり降ろされる」
10:
男「そしたら、まず君はお父さんに手錠をかけられ、拘束される」
男「あとはもう、あの厳しいお父さんの操り人形にされるだけの人生だ」
男「お父さんのいうとおりに生活し、お父さんのいうとおりに花嫁修行をし」
男「会ったこともない上流階級の誰かと政略結婚させられ」
男「自分の意志を持つことを許されないセレブとして一生を終える」
女「……かもね」
男「一方捕まった俺は、数億か数十億か、手切れ金を渡された後解放されるだろう」
女「そうよ! だからあなたのためにも今は右折すべきだったのよ!」
男「やはり俺のために右折しろといってくれたのか……ありがとう」
17:
男「だが、俺はこんなところで君と離れ離れになりたくないんだ」
女「……!」
女「だけど、今白旗を上げないと、お父さんは手段を選ばないわよ!」
女「あなたを殺そうとしてくるかもしれない!」
男「だろうな。あの人はそういう人だ」
女「だったら……!」
男「だったら逃げるまでだ」
女「逃げて……くれるの?」
男「ああ、逃げてやろう。二人で……どこまでも」
ブロロロロロ…
21:
部下「……」
部下「お嬢様には、あの角で車を右折させれば、相手の男の命は保証し」
部下「なおかつ、男には一生遊んで暮らせるだけの金をやる、と伝えていたのですが」
部下「男とお嬢様は右折しませんでしたね」
部下「手切れ金として用意した、この三十億円も無駄になってしまいました」
父「あくまでワシから逃げようというのか」
父「ワシの手から逃げられると思うな! 絶対に二人を捕えてくれるわ!」
父(娘はワシが立派な女にする、と亡き妻にも約束したのだから……)
ズキッ…
父「ふん……左目がうずきよるわ」
23:
ブロロロロ…
女「どうやって逃げるつもり?」
男「あいにくノープランさ」
女「ええっ!?」
男「綿密なプランを立てたところで、それが通じる相手じゃないだろう?」
女「それは……そうね」
女「敵対する相手がどんな作戦を立てても、お父さんは叩き潰してきたもの……」
男「とにかく腹が減っては戦はできぬだ。ファミレスにでも寄ろうじゃないか」
女「賛成!」
26:
ファミレス――
男「本当は高級レストランにしたかったけど、こういう店の方が安心だからな」
女「うん、高級レストランに入るなんてネズミ捕りにわざわざ入るようなもんよ」
店員「ご注文は?」
男「ハンバーグ定食」
女「私はカルボナーラ」
店員「かしこまりました」
30:
しばらくして、店員が食事を持ってやってきた。
店員「お待たせいたしました」
店員「ハンバーグ定食と、カルボナーラです」コトッ
女「わっ、おいしそー!」
男「待った」
女「え?」
店員「どうされました? お客様」
男「このハンバーグ、猛毒が入ってるな。カルボナーラには強力な睡眠薬が混ぜてある」
店員「……ちっ」
32:
男「彼女の父親に雇われたのか?」
店員「その通りだよ。――シェアアッ!!!」
店員は右手にナイフ、左手にフォークを持ち、襲いかかってきた。
ビュオッ! ビュアッ! シュバッ!
男「……!」
店員「やるな!」
女(ナイフ攻撃は鋭いけど、フォーク攻撃はあまり大したことないわね)
33:
店員「シャッ!」シュバッ
男「もらった!」ガシッ
店員「しまった!」
女「やったわ! そのまま右腕を折っちゃえ! そうすればもう戦えないはずよ!」
店員「や、やめてくれ……! 許してくれぇ……!」
男「……」
34:
男「いや、左腕を折る!」ササッ
ボキィッ!
店員「ぐあああああっ……!」
店員の左腕がおかしな方向に曲がった。
店員「なぜだ……! なぜ左利きだと分かった……!?」ブラーン…
男「お前のフォーク攻撃の拙さ、わずかではあるがわざとらしさを感じた」
男「それでふと、こんな噂を思い出したんだ」
男「裏社会に“自分を右利きだと思わせ敵を油断させ、左による一撃で敵を仕留める”という」
男「殺し屋がいるってな」
店員「参ったね……これも一種の有名税、か」
男「どうする、続けるか?」
店員「降参だ……。あんたは右腕だけで勝てる相手じゃないからな……」
男「ありがとう。さ、出よう」
女「う、うん!」
37:
ブロロロロ…
女「まさかファミレスにも刺客がいるなんて……」
男「おかげで飯を食いそびれちまった」
男「この調子だと、君のお父さんはあらゆる施設に追手を送り込んでるだろう」
男「国内に安全な場所はもうないのかもしれない。なら海外に逃げるしかないな」
女「ってことは、空港に行くの?」
男「空港はダメだ。捕まりに行くようなものだ」ピッピピッ
女「何してるの?」
男「今、港に逃がし屋の手配をした。このまま向かおう」
38:
港――
港には二隻の船が停泊していた。
右の船は木造のボロ船、左の船は最新式の船である。
男「おそらく、どちらかが逃がし屋の船で、どちらかが追手の船だろう」
男「逃がし屋も、どんな船かを俺に伝える余裕はなかったから」
男「俺たちでこの二択を選ぶしかない」
女「もし間違えたら……」
男「二人とも捕まり、君は家に連れ戻され、俺は海に沈められるだろうな」
39:
女「右にしましょう!」
男「どうして?」
女「だって、逃がし屋さんは余裕がなかったんでしょ?」
女「最新式の船を用意してるはずがないよ!」
男「たしかに一理ある……」
男(――だが!)
41:
男「俺はあえて右は選ばない! 左の船にする!」ダッ
逃がし屋「おおっ、こっちを選んでくれたか!」
男「やはりあのボロ船は追手だったか」
女「お父さん、どうしてあんな船を手配したんだろ?」
男「きっと俺たちが“逃がし屋なら急ごしらえの船を用意するに違いない”と思うであろう心理を」
男「巧みに利用したんだ」
女「危うく引っかかるとこだったわね……」
43:
逃がし屋の船が出港する。
逃がし屋「じゃあ出発するぜ! あんなボロ船、すぐに振り切ってやる!」
男「頼む!」
女「お願いします!」
ボロ船も動き出す。
船長「ぬ……逃がしはせんぞ!」
船長「この船は見た目はボロだが、中身は最新鋭のエンジンが搭載されておるからなァ!」
44:
ゴォォォォォォ…
逃がし屋「なんだあの船!? 見た目はボロ船だが、性能は抜群じゃねえか!」
逃がし屋「みるみる追いついてきやがる!」
男「左後方に迫ってきてるな」
女「どうしよう!?」
船長「逃がさんぞ! 貴様らを捕えて、あの方に捧げてくれるわ!」
45:
逃がし屋「ヤツは左に迫ってる! こうなりゃ右に舵を切るしかねえ!」
女「そうよ! 右折しなきゃ逃げ切れないわ!」
男「……」
男「いや、右折はしない! 左に舵を切る」グイッ
ガツンッ!
船長「な……! 私の船のウィークポイントに正確に船体をぶつけやがった!」
47:
ブクブクブク… ゴボゴボゴボ…
船長「し、沈む……! 助けてくれぇっ!」バシャバシャ
逃がし屋「ざまあみやがれ! これで悠々と逃げられるってもんだ!」
男「いや、助けよう」
逃がし屋「……な!?」
女「私も同じ気持ちよ。私たちの駆け落ちで死人は出したくないもの」
逃がし屋「ったく、しょうがねえな! 追手の命を心配する逃亡者なんて聞いたことねえ!」
48:
船長「すまぬ。助けられた……」
男「俺たちの駆け落ちで死人を出したくなかっただけさ」
船長「私も海の男だ。敗北した以上、手向かいはせん」
女「ありがとう、船長さん」
船長「さて……借りを返す意味で、忠告させてもらおう」
船長「いっておくが、海外に逃げても無駄だ」
逃がし屋「なんだと!?」
船長「あの方のネットワークは海外にも及んでいる」
船長「途上国や紛争地帯に逃げ込んだとしても、必ずや追手が差し向けられるだろう」
男「……だろうな。下手すりゃ、すでに刺客が待ち伏せてるかもしれない」
女「だったらもう、北極か南極しかないじゃない……」
船長「あの方は北極や南極でも追いかけてくるだろう。いや、たとえ宇宙でも……」
逃がし屋「マジかよ……!」
49:
船長「しかし、私には一つだけ心当たりがある」
男「なんだって?」
船長「あの方から逃れるには、無人島に行くしかない」
逃がし屋「無人島!? はっ、そんなんで逃げられるわけないだろ!」
船長「地図に載ってない無人島だとしたら……?」
男「!」
船長「しかも、私の知っている無人島は食べられる植物が豊富で、十分生活していける」
船長「いくらあの方でも、地図にない島までは追ってこれまい」
女「本当なら願ってもない話だけど……」
逃がし屋「話がうますぎるぜ……」
船長「私を信じてくれ!」
男「分かった……信じよう。どうせ他に行くあてはないんだ」
51:
ゴォォォォォォ…
船長「あそこだ。あの無人島なら、誰も追ってこれないはずだ」
逃がし屋「ったく、結局今回の仕事はあんたの手柄になっちまったな」
女「あそこが私たちの家になるのね!」
男「……」
52:
無人島では一人の男が待っていた。
父「待っておったぞ」
全裸で仁王立ちをしている。
女「お、お父さん!?」
男「まさか先回りされていたとは……!」
逃がし屋「てめえ、裏切ったな!? わざとここへ誘導したな!?」
船長「ち、違う! 私は本当に……!」
男「船長は悪くない。あの人が俺たちの行動・思考を読み切ってただけの話だ」
父「その通り!」
54:
父「さぁ、下りてくるがいい」
男「……」スタッ
無人島でにらみ合う二人の男。
しかし、今この瞬間の二人の威圧感は、彼らを除く全人類にも勝っていただろう。
父「ワシに先回りされたとはいえ、よくぞここまで逃げてきた。褒めてやろう」
男「ありがとうございます」
父「ワシに何かいいたいことはあるか?」
男「娘さんを……僕にください!」
父「ならぬ」
男「ならばあなたを倒してでも、頂くまで!」
父「……来るがいい」
55:
男「娘さんを僕にくだ――砕ッ!」
ドゴォッ!
男の右ストレートが突き刺さるが、父はビクともしない。
父「矢・乱ッ!」
ズドドドドドドドッ!
矢のような拳による乱舞が、男の全身を貫く。
男「が、は……っ!」
56:
男「娘さんを幸せにしてみせるッ!」
父「できるわけがないッ! 青二才がッ!」
ドガガッ! ドガッ! バキッ! ドガッ! ドゴォッ!
両者、防御を捨てた殴り合い。
しかし、パワーもスピードもテクニックもどれも明らかに父が上をいっていた。
逃がし屋「あの男さんが、こうも歯が立たないなんて……!」
女「お父さんは財力で今の地位を築いたとよくいわれるけど、実は違うの」
女「今でこそ財力や権力を使うけど、昔はあの腕っぷしだけで成り上がっていったのよ」
船長「我々部下も、その強さに惚れ込んでいるのだ……」
60:
父「ぬがぁっ!」
ドゴォッ!
男「がふっ……! や、やりますね……」ヨロッ
父「当然だ。老いたとはいえ、貴様のような若造に負けはせん」
父「ついでにいっとくが、貴様が倒したあの≪左利きの殺し屋≫……」
父「元々ヤツの標的はワシだったのだが」
父「ワシは得意の左で攻撃させた上で返り討ちにし、ワシの部下にしたのだ」
男「……!」
父「絶望したか?」
男「だからといって、負けられませんよ!」ダッ
父「諦めの悪さだけは認めてやろう!」
61:
ズドンッ!
男「ぐあぁ……っ!」
バキィッ!
男「がふっ……!」
船長「防戦一方だ……。もはや勝負は見えた……!」
逃がし屋「ちくしょう、あのおっさんに弱点はねえのか!」
女(弱点……)
女(ある……! お父さんには一つだけ弱点がある!)
62:
女「聞いて!」
男「!」
女「お父さんの左目は……見えてないの!」
父「ぬ……」
男「どういうことだ?」
女「昔、お母さんは不幸な落石事故で亡くなってしまった……」
女「その時、お父さんはお母さんを助けようとして、左目が潰れてしまったのよ!」
父「その通り、ワシの左目は義眼になっておる」ギョロッ
男「そうだったのか……」
64:
男(左目が潰れてるということは……右拳を中心に戦えば、お父さんは避けられないはず)
男(そうすれば――勝機が出てくる。しかし……)
女「だから……だから!」
女「左のパンチだけでお父さんを倒してっ!」
男「任せとけっ!!!」
父「――なんだと!?」
66:
父「ワシに情けをかけようというのか? 愚か者がっ!」
男「そうじゃない。弱点を突いてあんたに勝っても、あんたは超えられないからだ!」
父「どんな手段を用いても勝つという美学もある! 事実、ワシはそうして勝ってきた!」
男「あいにく、俺はあんたとは違う!」
バキィッ!!!
魂のこもった左拳が炸裂する。
父「ぐ、ぐおっ……!」
67:
男「だあああっ! でやぁぁっ!」
ガッ! バキッ! ゴッ!
父「ぐ……!」
父(左目がうずく……)ズキズキ…
父(妻よ、お前もか……。お前もあの若造の味方をするというのか……)ズキズキ…
男「……?」
父「なにを遠慮しておる! ワシはピンピンしてるぞ、かかってこい!」
男「はいっ!」
70:
父(妻よ……天国から見ているか。ワシらの娘は……)
男「うおおおおおおっ!!!」
父(こんなにも強い男を見つけてきたぞ……)
ドゴォッ!!!
ドザァッ…
71:
ザザァン…
男「俺の……勝ちですね」
父「本当に左拳だけで、ワシを倒すとはな……完敗だ」
父「妻も満足したのか、左目のうずきもすっかり消えてしまったわ」
父「ワシはもう……お前たちの前に姿を現すことはなかろう」
男「いえ、それはダメです」
父「?」
男「あなたには……孫の顔を見て欲しいですから」
父「ふっ……抜かしおるわ」
女「お父さん、ありがとう!」ウルッ…
父「夫を支える良妻になれよ……娘よ!」
女「うんっ!」
72:
父「では、皆を連れて、港まで戻ってくれ」
船長「かしこまりました!」ビシッ
父「君には迷惑をかけた。少ないが……」
逃がし屋「こ、こんなに頂けるんですか!? なんもしてないのに!」
ゴォォォォォ…
女「……終わったね」
男「ああ……終わった」
男(だけど激しい戦いをしたせいで、ポジションがズレてしまったようだ……)
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