【バンドリ】千聖さんは慕われたい【SS】back

【バンドリ】千聖さんは慕われたい【SS】


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※キャラ崩壊してます
 
 ちょっと百合してます
2:
――花咲川女子学園 中庭――
白鷺千聖「…………」
千聖「はぁ……」
丸山彩「あれ? おーい、千聖ちゃーん!」
千聖「あら、彩ちゃん」
彩「どうしたの、ベンチでため息なんて吐いて?」
千聖「ちょっと考えごとをしてたのよ」
彩「なにか悩みごと?」
千聖「……まぁ、そうね。悩みと言えば悩みかしらね」
彩「そっか。隣、座るね」
千聖「ええ」
彩「それで、何に悩んでたの?」
千聖「……別に無理に聞かなくたっていいのよ、彩ちゃん」
彩「千聖ちゃんが放課後のベンチで黄昏てたら放っておけないよ。それにパスパレのみんなの悩みは私の悩みみたいなものだもん」
彩「だからさ、話せることなら聞かせて欲しいなって思うんだ」
----------------------------------------------------------------------------
3:
千聖「…………」
彩「……やっぱり言い辛い?」
千聖「いいえ、そんなことはないわ。ありがとう、彩ちゃん」
千聖「でも……やっぱりそういうところなのかしらって少し思って……」
彩「そういうところ?」
千聖「ええ。……実は私、あんまり後輩に慕われていないような気がしててね」
彩「え、そうかな?」
千聖「そうよ。ほら、思い出してみて? 彩ちゃんと私が学校で一緒にいる時」
彩「うん」
千聖「彩ちゃんには色んな後輩が気さくに挨拶してくるでしょ?」
彩「うーん……そうかなぁ。1人の時とかはそうだけど、千聖ちゃんと一緒にいるとあんまり声をかけられないような……」
千聖「いえ、それは勘違いよ。結構気さくに声をかけられているわ。隣で見ている私が言うんだもの、間違いないわ」
彩「そっか、千聖ちゃんがそう言うならそうかもね」
千聖「ええ」
4:
千聖「けど、私に対してだと、みんなすごい畏まってるじゃない? 下手すると同級生とか先輩にまでそんな対応されるし……」
彩「うーん、確かに思い返してみると……腫物を扱うようにって言うとちょっとアレだけど……」
千聖「花音と一緒にいる時もね、彩ちゃんと似たような感じなのよ」
千聖「花音には先輩後輩関係なくみんなすごく親し気に話しかけるのに、隣の私にはよそよそしいというか距離があるような感じで……ね?」
千聖「……やっぱり私、後輩どころかみんなに怖い人だって思われているのかしらね……」
彩「比べる人が間違ってるっていうか、花音ちゃん以上に親しく話しかけやすい人っていないと思うけどなぁ」
彩「いつもポヤポヤホワホワしてるし、いつ話しかけてもすぐに返事してくれそうだし」
千聖「彩ちゃんもそうだものね」
彩「え、そうかな? 街中を歩いててもあんまりファンの人に話しかけられないよ?」
彩「変装してる時は結構声かけられるけど、何にも変装してなかったりバイトしてる時なんて全然だよ?」
千聖(それはファンの人たちの大部分が気を遣ってくれているからよ、彩ちゃん)
千聖(彩ちゃんが……こう言っちゃうとなんだけど、お世辞にも上手とは言えない変装してる時って『話しかけてください! 丸山彩はここにいます!』みたいなオーラが出ているし……)
千聖(というか私が決めた彩ちゃんの非公式ファンクラブの会則がそうだし……『変装している時以外はプライベート也、話しかけるべからず』って)
5:
彩「千聖ちゃん? どうかした?」
千聖「いいえ、なんでもないわ」
彩「そう?」
千聖「ええ。とにかく、ファンの人たちというより、身近な後輩たちにね? もう少し気軽に接してもらいたいな、なんて思っているのよ」
彩「そっかぁ。うーん、学校の人たちにフレンドリーに……」
千聖「フレンドリー……まぁ、そうね。言ってしまえばそういうことよね」
千聖「あれかしらね、私ももう少し、花音や彩ちゃんみたいに隙を作るべきなのかしらね」
彩「え、好き? そんな急に言われても……」テレテレ
千聖「Likeの方じゃないわよ?」
彩「……あ、あはは、やだなぁ、ちゃんと分かってるよ」
千聖(勘違いしていたわね、彩ちゃん……)
千聖「でもそういうところのおかげよね。彩ちゃんにみんなが親しく話しかけてくれるのって」
彩「えーっと、つまり?」
千聖「みんなに愛されてるってことよ」
彩「そ、そうかな? えへへ、そうだと嬉しいなっ」
6:
千聖「やっぱりこういうところね。私ももっと懐に入ってこれるような隙を持てば……例えばうっかり忘れ物をしたり、時間に遅れたりとか……」
彩「うーん、でも千聖ちゃんが遅刻なんてしたら、みんな体調が悪いんじゃないかって心配すると思うよ」
彩「私とか花音ちゃんなら『どうしたの?』って話しかけるけど、他の人からしたら余計に話しかけにくくなっちゃうんじゃないかな」
千聖「……そう。それじゃあ彩ちゃんのようにイジられたりはしないかしらね……」
彩「え?」
千聖「紗夜ちゃんが言ってたのよ。彩ちゃんが遅刻すると、クラスがバラエティー番組みたいな状態になるって」
千聖「燐子ちゃんも褒めてたわよ。『流石バラドルですね……言い訳の内容が……誰にでもツッコミやすいよういつも練りに練られてます……。これがプロの技……』って」
彩「え、私そんなつもりないんだけど……」
7:
牛込りみ「あ、千聖先輩っ」
千聖「あら、りみちゃん。どうもこんにちは」
りみ「こんにちは。彩先輩も、こんにちは」
彩「うん、こんにちは」
りみ「あの、この前は本当にありがとうございました」
千聖「いいのよ。当たり前のことをしただけだもの。それより、もう本を読みながら歩いていないわよね?」
りみ「はいっ。千聖先輩に言われた通り、ちゃんと歩いてますっ」
千聖「そう。それならよかった」
彩「…………」
りみ「あ、それで、あの……」
千聖「うん? どうかしたの?」
りみ「その……やっぱり千聖先輩って、いつも忙しいですか……?」
8:
千聖「いいえ。時期にもよるけど、りみちゃんの為に時間を作るくらい簡単に出来るわよ」
りみ「本当ですか? で、でしたら……この前のお礼がしたいので、今度一緒にお茶でも……」
千聖「あら、それは素敵なお誘いね。分かったわ。一緒に美味しいお茶を飲みましょう」
りみ「え、えへへ……ありがとうございます」
千聖「私は大体……そうね、直近ならこの日かこの日なら平気よ」
りみ「それじゃあこっちの日で……どうですか?」
千聖「ええ、分かったわ。ふふ、楽しみにしているわね」
りみ「は、はい。私も、その……楽しみにしてます」
9:
彩「……ね、ねぇ」
りみ「あ、お話の邪魔しちゃってごめんなさい! 私はもう行きますねっ」
千聖「あら、そんなに気を遣わなくてもいいのに。もっとゆっくりお話してても平気よ?」
りみ「い、いえ……それは約束の時の為にとっておきたいから……」
千聖「え?」
りみ「な、なんでもないですっ。それじゃあお二人とも、お邪魔しましたっ」
千聖「転ばないように気を付けてね」
彩「えっと、ばいばい、りみちゃん」
りみ「はい、それでは……」ペコリ
千聖「…………」
彩「…………」
10:
千聖「はぁ、私に対してだとすぐに話を切り上げたがる……やっぱり怖がられてるのね」
彩「えっ?」
千聖「どうかしたの、彩ちゃん?」
彩「いや、えっ?」
千聖「……?」
彩「いやいやいや!? どこからどう見てもりみちゃん、千聖ちゃんにぞっこんだったよ!?」
千聖「そんな訳ないじゃない。もしもそうだったらここでもっと私たちとお話しているわ」
彩「えぇ……どう見てもりみちゃん、2人っきりでお話したい系のこと呟いてたよ……」
千聖「そうかしらね?」
彩「そうだよ。というか、りみちゃんと何かあったの? お礼がどうって言ってたけど」
11:
千聖「ああ、ちょっとこの前、りみちゃんが車に轢かれそうになったのを助けたのよ」
彩「え!? りみちゃん大丈夫だったの、それ!?」
千聖「ええ、無傷よ。あの子ったら、作曲の本を読みながら歩いていてね……すごく集中していたんでしょう。赤信号に全然気付いてなくて……思わず駆け寄って後ろから抱き止めたの」
彩「抱き止めたって……あすなろ抱きみたいに?」
千聖「まぁ、そんな感じだったかしら」
千聖「それで、もしその場に私がいなかったら通りがかった車に轢かれていたかもしれないって思うだけで心臓が止まりそうで、思わず本気で叱っちゃったのよ」
彩「本気で叱る……」
千聖「ええ。りみちゃんの言い分も聞いたんだけど、ポピパのみんなのために作曲の勉強をしていたんですって」
千聖「そんなことを言うものだから、私も『それでりみちゃんが怪我しちゃったらみんなが悲しむでしょう』って、つい熱くなっちゃって……」
彩「…………」
千聖「ええ、彩ちゃんの言いたいことは分かるわ。お節介な上に口うるさいわよね。私も冷静になってから後悔したわ」
12:
彩(いや……全然分かってないよ……)
彩(千聖ちゃんが本気で叱る時って、すごい心配そうな顔でまっすぐにこっちを見つめて怒るから心に色々と突き刺さるんだよ……)
千聖「……でも、本当にりみちゃんっていい子よね。車に気付かないほど集中するなんて、すごく友達想いで優しくて……」
彩(そして叱った後はそうやって絶対にその人を肯定する。言い分の中の頷ける部分を探して、共感してくれる)
彩(本気で叱られた時、同い年の私でも『私のこと本気で考えてくれてるんだ』って嬉しくなるのに……年下の、それもりみちゃんみたいな子に同じことしたら……そりゃさっきみたいになるよ……)
千聖「はぁ……私もあれくらい可愛げがあればもっと気さくに接してもらえるのかしら……」
彩「いやぁー……千聖ちゃんは千聖ちゃんのままでいいんじゃないかなぁ……?」
千聖「けど、ほとんどみんな、りみちゃんみたいな反応するのよ? 学校ですれ違った時とかも畏まって……」
彩「どれだけみんなに慕われてるのさ、千聖ちゃん……」
13:
花園たえ「あ、千聖先輩。それに彩先輩も」
千聖「あら。こんにちは、たえちゃん」
彩「こんにちは」
たえ「こんにちは。中庭にパスパレの2人がいるのってなんだか珍しいですね」
千聖「ええ、ちょっとね……」
彩「千聖ちゃんの相談に乗ってあげてたんだよ」
千聖「ちょ、ちょっと、彩ちゃん」
たえ「へぇ、そうなんですね。どんな悩みなんですか?」
彩「えっとね……」
千聖「ま、待って、別にそれは下級生に聞かせなくてもいいんじゃないかしらね?」
彩「……だって。ごめんね、たえちゃん」
たえ「そんな……千聖先輩、あんなに一緒にお茶する仲なのに……私は悲しい……しくしく」
千聖「ち、違うの、たえちゃん」
彩(明らかな嘘泣きにびっくりするくらい狼狽えてる……。なんだかんだで年下の子にすごく甘いんだよね、千聖ちゃんって……)
14:
たえ「何が違うんですか?」
千聖「えーっと、これは私の威厳に関わる部分の話というか、とにかくね? あんまり人に聞かせるような話じゃないの」
たえ「人に聞かせるような話じゃない……アレですか? 花音先輩によく話してる、彩ちゃんかわいムグッ」
彩「え?」
千聖「そ、そうね、そんな話ね。だから、ね? それもここで話すようなことじゃないわよね?」
彩「え、なんで急にたえちゃんの口を塞いで……?」
千聖「あ、彩ちゃんは気にしないでいいのよ?」
たえ「ほーはほひえはいへふね」モゴモゴ
千聖「ええ、分かってくれたなら嬉しいわ」
たえ「ひはほへんはひ、ふるひいへふ」モゴモゴ
千聖「ああ、ごめんなさい。たえちゃんがおかしなことを言うものだからつい……」
たえ「ぷはっ。それにしても、相変わらず千聖先輩の手っていい匂いがしますね」
千聖「そうかしら?」
たえ「はい。沙綾とは違った優しい匂いがして、私は好きですよ」
千聖「そう。ありがとう」
15:
たえ「いえいえ。あ、そういえば、りみが千聖先輩を探してましたよ?」
千聖「それなら大丈夫、さっき会って用件は済ませたから」
たえ「そうですか。それじゃあ、私はこれからオッちゃんのご飯を探しに行くので、ここら辺で失礼しますね」
彩「おっちゃんのごはん……?」
千聖「嬉しがるのが可愛いっていうのは分かるけれど、ちゃんとしたものも食べさせないとダメよ?」
たえ「大丈夫です。しっかりと塩梅には気をつけてますので」
千聖「そう。怪我をしないようにね」
たえ「はい。それじゃあまた」
千聖「…………」
彩「…………」
16:
千聖「はぁ……やっぱり下級生でまともに話してくれるのはたえちゃんくらいかしらね」
彩「まとも……かなぁ?」
千聖「まともよ。たえちゃんは花音とも仲良しだし、一緒にウサギを捕まえた仲だし」
彩「まぁ、確かにあんなに取り乱す千聖ちゃんって初めて見たかも」
千聖「アレは忘れてちょうだい。お願いだから」
彩「……うん」
彩(今度花音ちゃんにどんな話なのか聞いてみよ)
彩「それにしても、やっぱりたえちゃんって不思議な子だね」
千聖「……そうかしら?」
彩「え、そうだと思うけど。天然……って言っていいのか分かんないけど、すごく独特な雰囲気してるし」
千聖「そんなことないわ。たえちゃんだって普通の女の子だし、可愛いところがたくさんあるのよ」
千聖「困ったことがあれば私にも気軽に相談してくるし、すごく友達想いだし、ウサギのことになると人一倍熱心だし」
千聖「さっきのオッちゃんっていうのもたえちゃんが飼ってるウサギで、最近はおやつに野草を採っていってあげてるのよ」
17:
彩「そうなんだ。そういえば一緒にお茶する仲だって言ってたね、たえちゃん」
千聖「ええ。私と花音とたえちゃんで、つぐみちゃん家の珈琲店によく行くの」
千聖「最近はたえちゃんと2人で、っていうことも増えてきてるわ」
彩「へぇ……だからたえちゃんにはあんまり遠慮がないんだね」
千聖「そうね。パスパレのみんなや花音ほどじゃないけど、たえちゃんには気兼ねしないわね」
彩「やっぱりたえちゃんくらいの子じゃないと千聖ちゃんに遠慮しちゃうのかなぁ」
18:
彩(……なんて呟いてからも、千聖ちゃんの相談は続きました)
彩(その合間合間に通りがかった後輩のほとんどが千聖ちゃんにきっちり挨拶をしていきます)
彩(普段はあんまり気にしていませんでしたが、今日はそういった人たちの様子をじっくり観察してみました)
彩(ある人はりみちゃんのように、またある人は何か感極まった風に、さらにある人は何か母性を求めるような目をしていました)
彩(確かにたえちゃんのようにフレンドリーに話しかけてくる人はいません)
彩(けど、改めて様子をうかがってみると、崇拝というか敬愛というか、そういった形の好意を持って言葉を投げてくる人がほとんどでした)
千聖「……はぁ。やっぱりみんな、どうしてか距離があるのよね……」
彩(だというのに千聖ちゃんはそんな寝ぼけたようなことばかりをのたまっています)
彩(どういうことでしょうか。明らかに顔に『叱って下さい、白鷺先輩っ』って書いてある女の子がたくさんいましたよ、白鷺千聖さん?)
彩(捉えようによっては浮気じゃあないでしょうか?)
千聖「どうすれば怖がられずに慕われるのかしら……」
彩(そういう後輩の数を両手両足の指で数え切れなくなったころ、またまた寝ぼけた言葉を吐き出す千聖ちゃんに、流石に私も怒りました)
19:
彩「いやっ、千聖ちゃん!」
千聖「なに、どうかしたの彩ちゃん?」
彩「はっきり言うけど、千聖ちゃん全然怖がられてないからね!?」
千聖「そうかしら」
彩「そうだよ! ここで千聖ちゃんに挨拶したうちの3人に1人くらいが目にハートマーク浮かべてたよ!」
彩「バッチリ慕われてるよ! むしろ羨ましいよ! 私もそんな風に頼られる先輩になりたいよ!!」
彩「私なんて同級生どころか後輩にまでイジられ弄ばれることだってあるのに……!」
千聖「…………」
彩「もー! 千聖ちゃんばっかりズルい! 私も頼られたい!」
20:
千聖「……いいえ。私からすれば、彩ちゃん以上に頼りになる人なんていないわ」
彩「え……?」
千聖「もしも私が、彩ちゃんの言う通りにみんなに頼られる先輩になれているのなら……それは全部彩ちゃんのおかげだもの」
千聖「パステルパレットに入って、彩ちゃんに出会わなかったら、きっと……いえ、絶対にそんな私は存在しなかった。これだけははっきりと断言できる」
千聖「子供の頃から芸能界で活動していたっていう、ちっぽけなプライド。自分さえよければいい、自分の力だけで何でもやってみせる、なんていう驕り昂ぶり」
千聖「そんな矮小でつまらないものを後生大事に抱える人間だった白鷺千聖を変えてくれたのは……彩ちゃんだもの」
千聖「私の人生において欠かすことが出来ない人物を1人あげなさい、って言われたら、あなたの名前を挙げるわ」
彩「千聖ちゃん……」
千聖「ふふ。さっきの彩ちゃんの勘違いも、そういう意味では正解ね」
彩「さっきの勘違い?」
千聖「スキっていう言葉よ」
彩「そ、それって……」
千聖「ええ。大好きよ、彩ちゃん」ニコリ
千聖「ごめんなさい。私は慕われているって思ってなかったけど、そう見えてた彩ちゃんにはちょっと面白くなかったかもしれないわね」
21:
千聖「……許してくれないかしら?」
彩「……別に、私は……」
千聖「もちろんタダで、なんて虫のいいことは言わないわ。今日、ウチの両親が旅行で留守なの」
千聖「だから……ね?」
彩「ふ、ふーん……」
彩「…………」
彩「……ま、まぁ? 千聖ちゃんがそこまで言うなら? 私も全然気にしてないし? 全然、許しちゃうけどね?」
千聖「ふふ。ありがとう、彩ちゃん」
彩「もう、まったく、千聖ちゃんはしょうがないなぁー!」
22:
千聖「そうね。それじゃあもう1つお詫びに、私が料理を振舞おうかしら」
彩「ほんと? えへへ、嬉しいなっ」
千聖「そうしたら、一緒に買い物して帰りましょうか。彩ちゃん、1回お家に戻る?」
彩「ううん。千聖ちゃんの部屋に着替えとか置いてあるし、このまま行くよ」
千聖「そう。じゃあ行きましょうか。はい、彩ちゃん、手」
彩「うん! えへへ、たえちゃんじゃないけど、やっぱり千聖ちゃんの手って柔らかくて好きだなぁ」
千聖「そういえばこの前、猫カフェで収録があって……」
彩「あ、その番組私も見たよ。まさか友希那ちゃんがあんな満面の笑顔で……」
23:
―少し離れたところ―
氷川紗夜「…………」
白金燐子「…………」
紗夜「……思うのですが」
燐子「……はい」
紗夜「ほぼ常に、ああして手を繋いではベタベタしながら歩いていますよね、丸山さんと白鷺さん」
紗夜「一緒に松原さんがいれば多少はまともですけど、大抵ひどくイチャイチャしていますよね」
燐子「……はい」
紗夜「……アレに話しかける勇気はありますか」
燐子「わたしには……ないですね……」
紗夜「私にもないわ。なのにどうしてそれに気付かないのかしら、あの2人は? 私たちが間違っているんですか?」
燐子「……いえ、正常だと……思います……」
24:
紗夜「…………」
燐子「…………」
紗夜「風紀委員として厳しく取り締まるべきかしら……」
燐子「でも……ロゼリアも……あまり人のことを言えないような気が……」
紗夜「…………」
燐子「友希那さんと今井さんが……」
紗夜「……そうね」
燐子「この前、練習前のスタジオで……」
紗夜「それ以上言わなくて大丈夫です」
燐子「……はい」
25:
紗夜「…………」
燐子「…………」
紗夜「……ですが、愚痴くらいならいつでも聞きます」
燐子「すいません……誰かに吐き出さないと……ちょっとおかしくなりそうで……」
紗夜「今日は幸い練習もありませんし、ファミレスにでも行きましょうか」
燐子「はい……ありがとうございます、氷川さん」
おわり
26:
無自覚ジゴロな千聖さんが見たいと思っていたらどうしてかこうなりました。
申し訳ありませんでした。
元スレ
http://engawa.open2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1536824383/
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