海未「ブロークン・アロー」back

海未「ブロークン・アロー」


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9:
海未「これは…」
『……引っかかった♪』
68: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:09:49.00 ID:ezSWSMzc0
『まっすぐなやり方が最善とは限らないって教えたわよね?』
『私が細工しておいたの。どのボタンを押してもタイマーがセットされるように』
『最初の一発をそこで起爆させるのは計画通りなのよ』
『そうしなきゃ、私が本気だってことがお馬鹿さんたちに伝わらないでしょ?』
『マヌケ共の目を覚まさせるにはキツめのモーニングコールかもしれないけど』クスクス
花陽(なんて人…!)
69: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:11:10.32 ID:ezSWSMzc0
『親友としての忠告よ。恥ずかしがらずに尻尾を巻いて逃げなさい』
『手遅れになる前に。そこはあなたがいるべき場所じゃない』
海未「……小泉さん」
海未「この坑道の深さは…?」
花陽「え…っと、確か600メートルだったかな…」
海未「絵里、いいことを思いつきましたよ」
海未「レズ弾頭は二本ともここで心中させます」
海未「地下深くに運んでしまえば、地上まで被害は伝わりません」
『――――賢いわね。でも間に合うかしら』
『今、私たちも到着したわ』
70: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:13:03.46 ID:ezSWSMzc0
日曜洋画劇場
   ラブライブ!× ブロークン・アロー
71: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:15:57.89 ID:ezSWSMzc0



リフト『』ゴウンゴウンゴウン
海未「早く、早く降りてください…!」
花陽「地図によればここが最深部ですっ」
花陽「あとは弾頭を乗せたこのトロッコを…おっ重いいい」キュラ…キュラ…
海未(こんな調子ではすぐ絵里たちに追いつかれて――)
絵里「見ーつけた?」DoDoDoDoDoDo!!!!
72: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:16:48.06 ID:ezSWSMzc0
花陽「ひゃあ!」グラッ
海未(トロッコが…!)
キュラキュラキュラ
絵里「お帰り」
ヒデコ「撃て撃てー!!」
ズダラララララララララッ!!!
海未「っ…多勢に無勢です、奥へ!」ダッ
73: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:17:34.87 ID:ezSWSMzc0
絵里「ね? 簡単に取り返せたでしょ」
絵里「にことヒデコは急いで作動してない方を上に運んで」
絵里「亜里沙、雪穂ちゃんと先に行ってボートの用意をしておいて」
にこ「あんたは?」
絵里「私はあの二人を足止めしとくから。ほら行った行った」
絵里「」チラッ
【開花まであと20:
絵里「フフ…」
74: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:19:38.77 ID:ezSWSMzc0
海未「小泉さん、もう一度貴女の銃を」
海未(ハンヴィーの敵から奪った銃とこれで)
海未「ここで絵里と勝負をつけます…!」チャカッ
――BANG!BANG!BANG!
   DoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!――― 
海未「はああああっ!!」BANG!BANG!BANG!BANG!BANG!
絵里「あはっ♪」DoDoDoDoDo!!!!!
――ドォンドォン! 
   ズ゙ガガガガガガ… 
75: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:21:57.63 ID:ezSWSMzc0
チャリンチャリンチャリン…
海未「はぁ、はぁ…」ガチャリ
海未(充満した硝煙で何も見えません―――が)
海未(確かに感じます……この壁の反対側に、彼女の存在を)
海未(私と同じように…岩に背を預け、弾倉を交換している…その息遣いまで)
―――――――――――――――――――
絵里「あーっ、あーっ」シュウウウウウウ
絵里「ねえ、鼓膜がキンキンしてない?」
絵里「つい楽しくって撃ちすぎちゃった。洞窟で撃ち合いなんてするもんじゃないわね」
絵里「それにしてもズルいわよ? 二挺拳銃に横っ飛び撃ちなんてカッコよすぎ」
絵里「どこで覚えたの? まるで映画のヒーローじゃない」
―――――――――――――――――――
海未「…それはどうも」
―――――――――――――――――――
絵里「………でもね」
絵里「私は、あなたの本質を知ってるわよ」クスッ
76: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:24:34.11 ID:ezSWSMzc0
絵里「あなたのことを仲間に誘いたかったのは本当よ」
絵里「でもしなかった。強い正義感の持ち主だから?」
絵里「違うわ。私の知っている海未の本当の姿は、一羽の臆病な白ウサギ」
絵里「自信も思い切りも足りないから、ここ一番で勝負を決めることができない」
絵里「肝心な局面で臆してヘマするような仲間は要らないわ」
絵里「だから誘わなかったの。海未聞いてる?」
77: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:28:09.91 ID:ezSWSMzc0
海未「…そちらの狙いは読めてます」
海未「挑発からのカウンターは絵里の得意技ですから」
海未「ついでに貴女の最終プランも」
海未「西木野ホスピタルの同性愛科に弾頭を隠すつもりですね」
海未「そこなら衛星のレズ波探査を誤魔化せ、町の住民を人質に取れる…でしょう?」
―――――――――――――――――――
絵里「…お利口さんね」クスッ
―――――――――――――――――――
海未「目的は金ですか」
―――――――――――――――――――
絵里「政府を脅して優雅な引退生活。悪くないでしょ?」
78: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:29:53.39 ID:ezSWSMzc0
海未「違いますね」
海未「優秀で誇り高い貴女は、実力がそのまま評価されない現状に我慢できなかった」
海未「たとえ金を受け取れなくても、上層部に一泡吹かせてやれればいいと考えているのでは?」
―――――――――――――――――――
絵里「……」
―――――――――――――――――――
海未「自分は出来る人間だということを証明したかったのでしょう?」
海未「私に言わせればそんなものは」
海未「自分の思い通りにならなくて喚く駄々ッ子と変わりません」
海未「学校やラブライブの会場で銃を乱射するような連中と同類。KKEが聞いて呆れますよ!」
―――――――――――――――――――
絵里「ッ…!」
79: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:31:14.20 ID:ezSWSMzc0
ヒデコ「」コソコソ
花陽「危ない、後ろ!」
海未「!」クルッ
ヒデコ「おら!」っ手榴弾
絵里「ハラショオオオオオオ」DoDoDoDoDoDoDo!!!!
海未「っ…!」サッ
ヒデコ「ぐわああああああ!!???」っ手榴弾ポロッ
絵里「あ」
海未(マズい…!)
海未「てやぁ!」バシーン
ドォォン! ガラガラガラ…
80: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:31:45.55 ID:ezSWSMzc0
花陽「すごい…空中で爆弾を蹴り飛ばすなんて」
海未「ですがリフトへ通じる道が…」
―――――――――――――――――――
絵里「海未!またこっちの勝ちね!」
絵里「弾頭の片割れは貰っていくわ。残された方のカウントも早めさせてもらった」
絵里「残り数分、せいぜいその子と仲良くしてなさい。じゃあね!」
81: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:33:20.08 ID:ezSWSMzc0
【開花まであと03:
海未「くっ…絵里め!」
花陽「私たち…ここで死ぬんだね」
海未「…落ち着いてますね」
花陽「もう駄目って分かったら…力が抜けて」
花陽「最後ぐらいジタバタせず、静かに」
ゴ―…ゴウ――……―
花陽「………でも、アルパカさんのことだけは心残りです」
花陽「お腹空かせてるだろうなぁ……お水も欲しがって」
ゴウゴウゴウゴウ
海未「……この音は?」
花陽「そうですっ! 川がありましたっ」
82: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:34:24.22 ID:ezSWSMzc0
花陽「銅山が閉鎖された理由は、掘り進めていったら川にぶつかったから」
海未「地図を見せてください。なるほど…こっちの方へ行けば」
【KEEP OUT】
海未「せい!」バキン
花陽「天然の滑り台みたい…まさかここを」
海未「いくんですよ、さあ!」
花陽「ぴゃあ!」ズルズルズル
ボチャァン! ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
うみぱな「わあああああああああ」
83: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:35:27.01 ID:ezSWSMzc0
――バラバラバラバラバラバラ
『A-RISEよ!そこの車、停止しなさい!』
真姫「話が違うじゃない!あんな武装ヘリに追っかけられるなんて!」
絵里「今考え事をしてるの。イライラさせないで」
にこ「で、マジにどうすんのよ?」
絵里「そろそろ時間よ。エンジンを切る」
真姫「正気なの!? 止まったら私たち全員…」
ボギャッ
84: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:37:18.37 ID:ezSWSMzc0
真姫「かっ?!?」
絵里「シーッ、運転中はお静かに!」
真姫「っ…ぁ…」
にこ「あーあ」
真姫「」
絵里「あっけないわね。人を黙らせるのって」
絵里「ずっとあなたみたいな連中にこき使われてきた」
絵里「とうとう目に物見せてやれる日が来たのよ」



【開花まであと00:
ピーッ
カッ――
85: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:38:28.46 ID:ezSWSMzc0
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ツバサ「なに!?この衝撃は――」
あんじゅ「大地が波打ってる!」
英玲奈「そ、操縦不能!墜落する!」
ツバサ「なっ――きゃああああああ!」
―――K a B O O O O M !
絵里「見た? 今の落ち方見てた!?」
絵里「あんなの、映画でも見たことないわ!」
にこ「あんた楽しそうね」
にこ「ま、面白かったけど。A-RISEなのに墜落するなんて」
絵里「ふふっ、爆発時に発生したEMP(電磁パルス)の威力よ」
絵里「この車みたいに対策がされてない電子機器は全部オシャカ」
絵里「爆発が地下なのが惜しいわね。地上ならでっかい白百合の花が拝めたのに「それ死んじゃうから」
86: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:39:15.86 ID:ezSWSMzc0
【ROUND7 河川】
ザァァァァァァァァ
海未「ぷはぁ」
花陽「げほげほ」
海未「岸へ…!」
花陽「…ぅぅう」
海未(ショック状態ですね)
花陽「咲いちゃいけない花を…咲かせちゃった…」
花陽「わた…ちが爆発……たようなもの……うしよぅ……」ブツブツ
87: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:39:48.24 ID:ezSWSMzc0
ギュッ
海未「落ち着いて。ゆっくり息を吸って」
海未「今、前方を飛んでいるものが見えますか?」
花陽「…ハトのつがい」
海未「銅山がレズ波を遮ってくれた証拠です」
海未「もし地上に漏れていれば、あらゆる生物はレズとなって根絶やしになります」
海未「だから…その、とにかく安心してください」
花陽「園田さん…」
花陽「……手は冷たいけど…優しいんだね」
海未「貴女も、あったかいですよ」
88: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:40:20.56 ID:ezSWSMzc0



花陽「随分下流まで流されちゃったみたい」
海未「!――隠れて」
海未「あそこでボートの番をしているのは絵里の一味です」
海未「ということは」
絵里「亜里沙に雪穂ちゃん、ボートの準備ご苦労様」
亜里沙「遅かったね。またお邪魔されたの?」
絵里「ええ。でももう解決し―――?」サッ
89: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:41:06.17 ID:ezSWSMzc0
花陽(こっちを見てる…)
海未(まさか…気付かれた?)
絵里「……」
にこ「どうしたの」
絵里「いえ…なんでもない」
絵里「弾頭を運んできましょう。川下りよ」
90: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:42:16.16 ID:ezSWSMzc0
海未「全員で何処かへ行きました。チャンスです」
花陽「このボート壊しちゃうの?」
海未「いえ、拝借します」
海未「今エンジンを…」
「漕げよー漕げよーボート漕げよ?♪」「モーターボートでしょ」ガサガサ
花陽「も、モドッテキタヨォ?」
海未「川に飛び込んで!」ボチャン
花陽「ぁ…う…えっと…!」
花陽(今から…ダメ、音が聞かれ…)
花陽(こ、この中に…!)ササッ
91: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:43:14.93 ID:ezSWSMzc0
雪穂「そろそろ基地の方へ脅迫ビデオが届いてる頃かな」
絵里「いよいよ最後の仕上げよ。みんな気を抜かないで」
にこ「出発しんこー」
ドロロロロロロロロロロロロロ…
海未(行ってしまいました…)チャポン
海未(小泉さん……まさか、ボートに乗ったまま…?)
92: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:43:44.37 ID:ezSWSMzc0
花陽(あぅぅ…私のバカぐずのろま!)
花陽(大変なことになっちゃった…)
花陽(どうか見つかりませんように…!)
93: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:44:20.46 ID:ezSWSMzc0
??????
『午後2時までに2000億円を用意させなさい』
『金を渡さなかった場合は…こうよ』
『ザァァァァァ―――』
穂乃果「あれ、映像が途切れてるよ?」
ことり「刺激の強い内容だったから…カットしました」
94: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:44:46.45 ID:ezSWSMzc0
ことり「もし弾頭を使われたら…被害は半径50キロで25万人」
ことり「さらにその倍の人数が、一年以内にレズを発症します」
ことり「男の人も女の人も、動物も植物も…生きてるものは全部」
穂乃果「大変だ…」
ピーッ
「東條中佐より連絡が入ってます」
「鈴湖付近で、園田大尉を保護したと」
95: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:45:46.25 ID:ezSWSMzc0
希「海未ちゃんご苦労やったね。あとはウチらに任せて」
ことり「湖の対岸でボートが見つかったの」
ことり「そこからトラックのタイヤ痕が西へ向かう道路にまで」
ことり「あなたの話とも合致するよね」
希「今基地中の兵士とヘリがトラックの捜索に出払ってるんよ」
海未「……」
ことり「さっきから地図とにらめっこしてどうしたの?」
海未「どうも腑に落ちません」
海未「検問だらけの陸路を突っ切るような無謀…スマートな絵里らしくない」
海未「私が彼女なら鉄道を使います」
96: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:47:06.48 ID:ezSWSMzc0
ことり「でもこの線路は西の町を通らないよ?」
海未「病院のネームプレートもタイヤ痕も、彼女の得意とする引っかけだとしたら」
希「西へ行くと思わせて…本当はこっち、東カンダーか」
希「エリちならあり得るね」
海未「至急捜索隊を呼び戻してください」
希「それがなぁ…EMPの影響で無線が使えなくて」
海未「では私たちで行きましょう」
ことり「いけませんっ」
97: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:48:02.53 ID:ezSWSMzc0
ことり「あなたのことは基地へ連れ戻せと命令が」
ことり「線路のことだって深読みし過ぎだと思うけど…」
海未「彼女のことは私が一番よく知ってます。私には分かるんです」
ことり「…随分その人を買ってるんだね」
海未「絵里は…私の目標でした」
海未「彼女の様になりたいと思い続けてきたのに…こんな形で裏切られるなんて」
海未「弾頭を盗まれたのは私の責任です。私がやらなくちゃいけないんです!」
希「よっしゃ」
98: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:49:07.46 ID:ezSWSMzc0
希「ヘリはウチのを使って」
希「責任もって海未ちゃんをエリちのとこまで届けるよ」
ことり「中佐…!」
希「今この場で一番偉いんは誰かなー?」
ことり「うぅ…ズルいよぉ」
ことり「…頑張ってくださいね」
海未「二人とも…感謝します」
99: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:50:02.53 ID:ezSWSMzc0
【FINALROUND 貨物列車】
ガタンゴトンガタン…
雪穂「アンテナのセッティング完了しました」
雪穂「これで貨物室の弾頭は、このリモコンで遠隔でも操作できます」
絵里「手際のいい仕事って大好きよ」
絵里「亜里沙、政府に弾頭の行き先は東カンダーだと伝えて」
絵里「にこはヘリのカバーを取って離陸準備を」
絵里「五分後に飛び立つわ。弾頭のタイマーを作動させて」
絵里「入金を確認したら…その時はこれで解除してあげる」
花陽(バレずにここまで来ちゃったけど。私一人の手に負えないよねこれ?)
花陽(いや…いつまでも怖がってちゃダメ。あの人なら…!)
100: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:51:05.21 ID:ezSWSMzc0
【貨物車】
雪穂「?♪」カタカタカタ
花陽(弾頭を弄ってる…今がチャンス?)
花陽(はっ…花陽は今銃を持っていないんでした)
花陽(……このハンマーで)ソッ
花陽「ええぇい!」
101: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:51:32.77 ID:ezSWSMzc0
雪穂「おっと」ピタッ
花陽(指二本で止められた!?)
雪穂「気配には気付いてたよ。自分と同じメガネキャラだからって弱いと思った?」
バシーン!
花陽「あぅぅ…!」
102: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:52:22.19 ID:ezSWSMzc0
雪穂「こー見えても軍人一家の生まれなんだ」
花陽「うぅ、ゲホッ」
雪穂「銃…は飽きたな」
雪穂「ナイフにしよっか……いや、やっぱりこの親指で」
花陽「ハンマーなんてどうでしょうっ」ブンッ
ヒュルルルルル――ゴチン!
雪穂「ふぎゃッ」コテッ
花陽「はぁ…はぁ…メガネだから弱いと思いましたか?」
花陽「公園監視員を舐めないでください」
103: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:53:05.66 ID:ezSWSMzc0
花陽「銃は頂きます」ゴソゴソ
花陽「ついでにそちらの知識も貰えればいいのに」
花陽「これどうやって解除すれば…」
にこ「そこまでよ」チャキッ
花陽「――!」
絵里「わざわざご苦労様」
絵里「でもね監視員さん。ここはあなたの管轄外じゃなくて?」
104: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:54:10.29 ID:ezSWSMzc0
絵里「一人で来たんだ」
絵里「度胸あるのね。海未には見捨てられた?」
花陽「…彼女は勇敢な人です」
絵里「みんな勘違いしてるのよね。あの子意外とヘタレなのよ?」
絵里「あなたはどっちかテストしてあげましょうか」ツツー
花陽「っ??!」ゾクゾク
絵里「フフ…ひんやりしてるでしょ?この銃身」
絵里「撃てばたちどころに熱くなるの、感じてみる?」
105: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:55:11.49 ID:ezSWSMzc0
絵里「さあ…あなたのせいで中断した作業を完了させるの」
絵里「暗証コードを押して。最初は…2のボタン」ツー
花陽「うぅ…ぐすっ」
絵里「いい子ね。次は1よ」ツツツ
絵里「どうしたの、押して…押すのよ」グィ
【1021:
106: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:55:54.54 ID:ezSWSMzc0
絵里「仕上げに、エンター」
花陽「っ……」ポロポロ
絵里「ほらもうひと踏ん張りよ。頑張って」
花陽「くぅ…!」ポチッ
107: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:57:06.08 ID:ezSWSMzc0
【キャンセル】
絵里「ハラショー…どうやら勇気は本物みたい」
花陽「どうせ死ぬんです…他の人を巻き込む気はありません」
絵里「そう。だったらサヨナラ、サヨナラね」
花陽「近いうちにまた会うことになると思いますよ」
絵里「…言うじゃない」
絵里「にこ! 貨車の扉を開けて!」
絵里「せめて土の上で死なせてあげる」
108: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:58:11.27 ID:ezSWSMzc0
ガラガラガラ――ビュウウウウウ
絵里「ダスビダー……っ!」
バラバラバラバラバラ――!
にこ「ヘリ!いつの間に」
花陽「あ…」
海未「もう逃がしませんよ絵里!」チャキッ
絵里「海未…」
絵里「やっと、私に追い付いたわね」クスッ
109: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 01:59:04.27 ID:ezSWSMzc0
花陽「ぴゃい!」バッ
にこ「あいつ、外に逃げ」
――DoDoDoDoDoDoDo!!!!
にこ「ちっ」サッ
絵里「海未いいいいい!!!」ダララッ!ダララッ!ダララッ!
海未「はぁぁぁッ!」DoDoDoDoDoDoDo!!!!
絵里「ぐあ…ッ」
にこ「絵里!?」
絵里「腕にカスっただけよ、扉閉めてッ」
110: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:00:11.32 ID:ezSWSMzc0
ゴォゥゥゥゥゥゥゥゥ
花陽「くぅぅ…!」ヨジヨジ
海未「花陽が列車の外壁に!」
海未「中佐、もっと近付けてくさだい!」
希「飛び降りる気?」
海未「彼女を助けるにはそれしかありません!ロープを借ります!」
海未「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」バッ
111: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:00:53.75 ID:ezSWSMzc0
ダンッ
海未「さあ、これに掴まって!」
花陽「うんっ」
絵里「今よ、動けない二人にありったけの弾を」
希「援護はまかしとき海未ちゃん」バラバラバラ
にこ「ふん、射手がいないヘリなんて怖くもなんとも」
希「悪い子たちは散髪しちゃる!」
112: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:01:47.90 ID:ezSWSMzc0
バラバラバラバラバラ――!!!
にこ「ちっか」
絵里「伏せて!ローターに巻き込まれるわよぉ!」
バラバラバラバラバラ――バズン!ズバズバズバ
にこ「なっ」
亜里沙「アンテナを壊されちゃった…」
絵里「それだけじゃない…私たちのヘリに傷まで」
113: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:02:27.75 ID:ezSWSMzc0
亜里沙「テイルローターが…これじゃ飛べないよぅ」
にこ「畜生、よくもやってくれたわね!」DoDoDoDoDo!!!!
ブーッブーッ
希「流石に無理しすぎたか…エンジンの調子があかん」
希「ウチに付き合えるのはここまでみたい…海未ちゃん幸運を!」
114: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:03:17.28 ID:ezSWSMzc0
亜里沙「ヘリは追い払えたけど」
にこ「これじゃ手動でタイマーをセットしても30分以内に逃げ切れない」
にこ「計画を見直す必要があるわ」
絵里「…海未を探して。あの二人の排除が最優先よ」
115: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:05:06.03 ID:ezSWSMzc0
ガタンゴトンガタンゴトン…
花陽「助かりました」
海未「貴女を巻き込んでしまってすまないと思っています」
海未「同じように、無辜の市民が暮らす町へこの列車を辿り付かせるわけにはいきません」
海未「花陽は貨車の連結部を切り離しに行ってください」
海未「私は残って、彼女との決着をつけます」
花陽「…また会えるよね?」
海未「そちらも、どうか無事で」
うみぱな「」コクッ
116: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:06:58.35 ID:ezSWSMzc0
【タイマーセット】
絵里「……」
絵里「こうなったら派手にいきましょう」ピッピッ
ピーッ
【開花まであと05:
117: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:07:32.98 ID:ezSWSMzc0
にこ「アンタなにやってるのよっ?」
亜里沙「お姉ちゃん!?こんな話聞いてないよ」
絵里「…」ニッ
118: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:08:41.82 ID:ezSWSMzc0
にこ「タイマーを解除して、早く!」チャキッ
絵里「人間いつかは命を捨て去る日が来る。問題はその捨て方だと思うの」
絵里「味気ないのは趣味じゃないのよ」
にこ「ふざけんなっ!にこはまだ死ぬつもりは」
絵里「もうすぐ鉄橋よ。下の川に飛び込んでそれから必死に逃げれば?」
亜里沙「あわわ…お姉ちゃんがおかしくなっちゃった…」
「その通り!絵里、貴女はイカれてます!」
119: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:09:28.43 ID:ezSWSMzc0
ゴトン!
亜里沙「壁に誰か取り付いてる!」
絵里「海未よ!」ダララッ!ダララッ!
にこ「クソ!」DOM!DOM!DOM!
ドガァン!バキンバラバラ…
雪穂「」ブラーン
亜里沙「ユキホ!?」
絵里「しまっ」
海未「“引っかけ”ですよおおおおおおお」ゴォォォォォ
120: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:10:59.87 ID:ezSWSMzc0
海未「てやぁ!」
にこ「ぐえっ?!」バキン
にこ「にごぉおおおおお゛お゛お゛お゛お゛お゛っ」ヒューン
――――ボチャァン
絵里(貨車の外壁に引っかけた囮に注意を惹き付け、反対側からラペリングで突入するなんて)
絵里「ハラショーよ!今のはいいフックねっ、見直したわ!」ダララッ!ダララッ!
海未「待たせましたね!決着をつけましょう」DOM!DOM!
絵里「海未ッ――!」ダララッ!ダララッ!ダララッ!
海未「絵里ぃぃぃ!!」DOM!DOM!DOM!
121: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:12:22.39 ID:ezSWSMzc0
―― チャキッ
絵里「…弾切れでしょ?」
海未「そちらこそ…」
絵里「私には必殺のクロスカウンターがあるもの」スッ
海未「…それは弾頭のリモコンですか」
絵里「これを賭けて残り三分、最後の1ラウンドを楽しまない?」
海未「ここで昨日の続きを…?」
絵里「昨晩…いえ、ずっと前から預かりっ放しの二千円札」ピラッ
絵里「これもアンティするわ。勝者の総取りってことで」
海未「」ジリッ…
絵里「ほら時間がないわ。ゴングよッ――!」
122: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:13:46.77 ID:ezSWSMzc0
ガタンゴトン…
花陽「あった、連結部」
花陽「これを外して…ううう゛う゛ん゛」ギィィ
ガチャコン
花陽「はぁ、はぁ…よかった、これで…!」
花陽(貨物車が離れてく……あそこで二人は今も)
キキィィィィィィィィィィィ―――――!!!!!!
123: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:14:47.78 ID:ezSWSMzc0
花陽「わ゛わ゛っ??」グラッ
花陽(先頭車が止まった!? 誰かがブレーキを)
亜里沙「ごめんなさい!もう付き合いきれない、うわーん!」ピュー
花陽「……大変、このままじゃ貨車がこっちに突っ込んで…!」
124: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:15:57.57 ID:ezSWSMzc0
【開花まであと01:
絵里「シッシッ、ッシィ!」
海未「くっ…」
絵里「ほらほらどうしたの、防戦一方じゃない?」
海未(威力もキレもケタ違いです…!)
絵里「初めて会った時に分かったわ。あなたにはハングリーさが欠けてるって!」
絵里「所詮いいとこ育ちのお嬢様なのよッ。厳しい鍛錬を積んでもどん底を経験したことがない!」
絵里「謙虚で堅実って言えば聞こえはいいけど、自分で自分の可能性を狭めてるだけッ」
絵里「折角の能力も生かしきれず……生涯、人生の本当の熱を感じれずに終わる」
絵里「ここぞという場面で勝ち切ることのできない、噛ませ犬の一生よ」
125: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:16:54.10 ID:ezSWSMzc0
絵里「最近は格闘技でも何でも、血が出すぎたら止めが入る」
絵里「違うでしょ? 人生って、そんなものじゃないはず」
絵里「昔のボクシングみたいに百ラウンド以上、肺が己の血に浸かっても戦い続けなきゃ!」
海未「貴女は脳を揺らされ過ぎておかしくなったんです!」
絵里「かもねっ」
絵里「おら、ガラ空きよッ」
海未「ぐぅ゛っ…!」
海未「っぐ……ハァ、ハァ…」
絵里「そうよ。歯を食いしばって、もっと血を流しなさい」
絵里「それが生きてるってことよ」
126: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:17:57.72 ID:ezSWSMzc0
海未「…今のパンチは効きました」
海未「お陰で目が覚めましたよ」
海未「大それたことをやろうだなんて考えたことはありません」
海未「ただ、身の回りのことを粛々と。それだけで満足でした」
海未「ですが…私は私の世界を守るため…貴女に勝ってこの国を救います!」
絵里「そうよっ、デカいことしましょ? 一緒にやれないのが残念だけど!」
うみえり「はぁぁぁぁぁあああ!!」
127: 以下、名無しにかわりましてSS報VIPがお送りします 2018/06/18(月) 02:19:12.25 ID:ezSWSMzc0
【開花まであと00:
海未「ふッ、たぁ、とぉ!」
絵里「へ、それでいいのよッ」
【開花まであと00:
海未「」スッ
絵里(フェイント…!)
【開花まであと00:
海未「すぁ!」
絵里「うぐっ…」
海未「おおおああアッ」
【開花まであと0

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