【YDK】善子「ヨハネ堕天使神ってる」back

【YDK】善子「ヨハネ堕天使神ってる」


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善子「塾…?」
「そうよ。よしちゃん最近、学校の成績落ちてきてるでしょ?」
善子「でも…」
「よしちゃんは頭いいけれど、もっと勉強しなきゃ教師にはなれないわよ?」
「よしちゃんはやれば出来る子なんだから。頑張りなさい」
善子「……はい」
やれば出来る子。
YDK。
引用元:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1512743054/
2 :
【よし子 7さい】
善子「ママ! 今日ね、よしこね、学校でしょーらいのゆめって書いたの。見て見て!」
「あらそう。見せて」
「……『わたしのしょうらいのゆめは、学こうのせん生になること』…!」
「よしちゃんは先生に成りたいのね! いい子よ!」
善子「えへへ〜!」
親は、私が教師になることを嘱望した。
私が教師に成りたいと言うと、親は喜んだ。
私はそれが嬉しくて、何度も繰り返した。
善子「よしこ、しょーらいはママやパパみたいな、先生になるの!」
4 :
私は、電車に揺られている。
行き先は、親が勝手に入会を決めた学習塾だ。
善子「………」
YDK。
どこかで聴いた3文字のアルファベットを呟いてみた。
『やれば・出来る・子』
やれば出来る。
じゃあ、やらなければ…?
YDK。
『やらないのは・ダメな・子』
5 :
【善子 10さい】
「よしちゃん。ちょっと」
善子「なに、ママ?」
「テスト…見たわ」
善子「あ、算数のテストね!」
善子「そのテストね、最後の問題が難しかったんだけど、あきらめずにがんばったら正解できて…」
「……どうしてこんなに点数が低いの?」
善子「え?」
7 :
「85点と採点されてるけれど、これはどういうこと?」
善子「それは…。あ、他の子も点数低かったの! だから…」
「問題を見たけど、この程度のテストなら100点じゃないとおかしいわ」
「よしちゃん。あなたは将来、教師に成るんでしょう? だったらしっかり勉強しなくちゃいけないわ」
「よしちゃんは善い子なんだから、勉強をしないダメな人間にならないようにね」
善子「…」
「分かった?」
善子「……うん。勉強がんばるね」
私は、親の悲しむ顔が見たくなかった。
だから勉強を頑張った。
勉強をしないのは、ダメな子だからだ。
私は悪い子じゃない。
私は善い子なんだ。
9 :
塾の看板は白く明滅していた。
空の闇は、そのまばゆい光を強調する。
善子「………」
YDK。
『やっても・できない・子』
私は今まで、勉強を怠ったことはなかった。
勉強すれば親が喜んでくれる。
だから友達も作らず、机に張り付いて勉強してきた。
私は頑張った。
勉強して勉強して勉強した。
でも、その努力には結果が伴わなかった。
善子「………はぁ」
私は、親の期待には応えられなかった。
11 :
【善子 11歳】
善子「塾…?」
「そうよ。よしちゃん最近、学校の成績落ちてきてるでしょ?」
善子「でも…」
「よしちゃんは頭いいけれど、もっと勉強しなきゃ教師にはなれないわよ?」
「よしちゃんはやれば出来る子なんだから。頑張りなさい」
善子「……はい」
この日から私は、YDKに囚われた。
12 :
私が塾に通いだしたのは、小学校高学年の頃。
塾では、学校の授業でわからなかった部分を復習し、まだ習っていない単元を予習して、クラスメイトと差をつけた。
中学に入ってからも通い続け、学校の授業以外にも高校受験に向けての対策も進めていた。
私は毎日、家でも学校でも塾でも勉強した。
勉強した。とにかく勉強した。
この頃の私は、いわゆるガリ勉だった。
学校では、『机島模試子』なる仇名を付けられていたそうだ。
別に構わなかった。嘲笑われても気にならなかった。他人なんてどうでもよかった。
親の為に、教師に成る為に、夢を叶える為に、私は勉強した。
……いや、目的なんてものはとうに見失っていた。
私は、自分が自分であるために、自分の存在意義を示すために、勉強し続けた。
YDK。
『やらないと・ダメな・子』
13 :
【私 14歳】
善子「……ママ。塾に行くから、電車代ちょうだい」
「はいはい。どうぞ」
善子「……ありがと」
「よしちゃん、また学校の成績が落ちてるみたいね?」
善子「……分かってる」
「塾ではテスト対策してないのかしら? 今度、講師の人と話をしなきゃ…」
善子「だ、大丈夫だから。私から先生にテスト対策してくれるようお願いする」
「そう。それならいいわ」
「内申は受験に響くんだから、しっかりしてもらわないとねぇ」
善子「うん…」
「あら、引き止めちゃったわね。早く塾に行ってらっしゃい」
善子「………………行ってきます」
14 :
家から歩くこと十数分。
私は、看板煌めく建物に入った。
中は相変わらず音で賑わっていた。
他の人達は私のことなど気にも留めず、四角い画面に釘付けとなっている。
私も席に着いた。そして手慣れた所作で準備を整え、画面を見つめた。
画面の中には、道着をまとったキャラクターがいた。
私がボタンを押すとそのキャラクターは反応し、攻撃を繰り出した。
キャラクターは私の操作通りに動き、そのことが私の胸を躍らせた。
この日も私は、ゲームに興じた。
16 :
レバーを傾けると、キャラクターはその方向に移動する。
ボタンを押すことでキャラクターは技を繰り出し、押し加減で技の強弱を調節できる。
その他にもガードや必殺技などを駆使し、先に対戦相手の体力を0にした方が勝利となる格闘ゲームだ。
私はゲームセンターに来ると、他のゲームには目もくれず、このゲームの筐体に向かう。
かなりやり込んでいるため、実力は上級者レベルだと自負している。
「さあ、勝負しましょう!」
ゲームをしていると突然、筐体の向こう側から挑戦状が叩きつけられた。
対戦中だった画面は切り変わり、挑戦者が乱入してきた。
拒否権はないため、その勝負に臨むしかなかった。
嫌ではなかった。むしろ私は、彼女との対戦を望んでいた。
『対戦相手 ヨハネ』
私と堕天使との戦いが、幕を切った。
17 :
善子「くっ……この…!」
ヨハネ「ふふふ♪」
私はこのゲームに、それなりの自信があった。
しかし、相手はそれを上回る実力を備えていた。
勝負は瞬きする間もなく決した。
ヨハネ「今日も、私の勝ちね♪」
善子「くっ、強い…」
ヨハネ「どうする?もう一戦やろうか?」
善子「お金、もうないです」
ヨハネ「あら、そう? 私が出してあげてもいいけど」
善子「……大丈夫です」
ヨハネは立ち上がり、私に目配せすると、その場を離れていった。
私も立ち上がり、彼女の後を追った。
18 :
私たちはベンチに座った。
奢ってもらった午後茶を両手で覆うと、その温もりを感じられた。
ヨハネ「ねえねえ、YDKちゃん」
善子「なんですか?」
ヨハネ「今日もいい勝負だったわ。ありがと」
善子「…」
私には、彼女の言葉が嫌味のように聞こえた。
実際、私たちの間にはそれ程の実力差があった。
善子「……必殺技のコマンドは覚えたんですけど、うまくタイミングが掴めないんです」
ヨハネ「的確にコマンドを入力できるだけですごいじゃん。神ってるよ!」
善子「はぁ…」
彼女はよく、不思議な言葉を使った。
19 :
善子「あの、『神ってる』って何ですか?」
ヨハネ「え、知らないの? 神ってる〜」
善子「はぁ…?」
ヨハネ「ほら、ゲームの難易度で言えば分かりやすいでしょ」
ヨハネ「かんたん、ふつう、むずかしい…と来たのに、その次はなぜか鬼よね?」
ヨハネ「そういうことよ」
善子「え…。よく分からないんですけど…」
ヨハネ「要するに、深く考えなくていいの」
善子「はぁ…」
結局この時は、彼女の言葉を理解するに及ばなかった。
私が『神ってる』の意味を知るのは、それから数年後のことだ。
20 :
【YDK 14歳】
ヨハネ「さあ、勝負しましょう!」
手合わせが、私たちの挨拶だった。
善子「やっぱり勝てない…」
ヨハネ「技を狙いすぎなのよ。地道に弱い攻撃を続けるのも手よ」
善子「地道に…」
ヨハネ「YDKちゃんは要領いいんだから、落ち着いてやればいつか勝てるって!」
善子「……ありがとう。でも、無理だと思います」
ヨハネ「どうして?」
善子「私は、やってもダメな子だからです」
ヨハネ「『やっても・ダメな・子』………ふふ、YDKってそういう意味だったのね」
ヨハネ「私てっきり、『やれば・出来る・子』の略でYDKだと思ってたわ」
善子「そうですね…。どちらかというとそれは、ヨハネさんにぴったりな名前だと思いますよ」
ヨハネ「私もYDKなの?」
善子「善い方の、だけど」
21 :
ヨハネ「YDK、YDK…」
彼女は、3文字のアルファベットを呟いた。
ヨハネ「でもどうせなら、もっといい感じの名前にしたいわ」
ヨハネ「YDK、何か良さげな案とかない?」
善子「え? ……じゃあ、Yは『ヨハネ』…とか」
ヨハネ「いいねいいね! 最初が決まれば、自ずと他も決まっちゃうね」
善子「もう決まったんですか?」
ヨハネ「うん。でも教えないよ〜」
善子「どうしてですか…?」
ヨハネ「なんとなく、ね」
ヨハネ「……それより、あなたの名前もいい感じに変えましょう!」
嫌な予感がした。
ヨハネ「YDK…」
ヨハネ「『善子・堕天使・神ってる』…とかどう? 結構いい響きじゃない?」
善子「なんですか、それ…」
名乗ったことは一度もなかったのに、彼女は私の本名を知っていた。
そのことに関して、私は特に疑問を抱かなかった。
22 :
プレイヤーネーム:ヨハネさんは、私にとてもよくしてくれる、ちょっと変わった人だ。
私がゲームセンターに通い始めてからずっと、格闘ゲームで対戦してきた仲だ。
彼女はとても善い人で、とてもゲームが巧かった。
彼女の人となりに触れ、私はすぐに彼女に好感を持った。
私は彼女に憧れた。
彼女は私とは正反対であり、私と違って善い人間だった。
反面教師ならぬ、正面教師にできる人間だった。
私は彼女のように、善くあろうとした。
だが、やはりYDK。
私は彼女にはなれない。
何故なら、私は悪い子だから。
23 :
【悪子 14歳】
親は、言葉を失ってしまった。
呆れてものも言えなかったのだろう。
それは、塾からの電話を親が取ったことで、発覚してしまった。
「塾に行かず、ゲームセンターに通っていた、ですって…?」
「それも、半年も…」
善子「四ヶ月…だけど」
「四ヶ月も半年も一年も一緒よ! あなた何考えてるの!?」
善子「……ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃないわよ! 半年よ!? 半年分の授業料パーよ!?」
「最近成績が落ちてると思ったら、まさかゲームセンターなんかに浸ってたなんて…」
「どうして、よしちゃんが…」
善子「………」
「ねえどうして…? どうして塾をサボってたの? 何か嫌なことでもあったの?」
善子「……ないよ」
「だったらどうしてサボってたのよ!」
善子「……ごめんなさい」
「私は、よしちゃんの為を思って…」
親は、『よしちゃんの為』と言った。
その言葉が引っかかった。
私の為…?
得体の知れない感情が込み上げ、私の喉を焼いた。
24 :
ヨハネ「そっか…。もうYDKちゃんと一緒にゲームできないんだね」
善子「ごめんなさい…」
ヨハネ「YDKちゃんは最後まで、私に勝てなかったわけだけど…。まあ仕方ないか」
ヨハネ「またいつか、一緒にゲームしましょう? その時は、私のことをコテンパンにしてくれていいわ!」
善子「はい…」
ヨハネさんは、寂しそうな、でもどこか満足気な表情を浮かべていた。
ヨハネ「でもさ、ほんとにYDKちゃんが悪いのかな?」
善子「私がしたのは、悪いことです。塾をサボって、ゲームセンターに通って、借りた電車賃をゲームに費やして…」
ヨハネ「あはは。確かによくないね」
ヨハネ「けど、YDKちゃんは悪くはないよ」
善子「え…?」
ヨハネさんはよく、変なことを言う。
25 :
ヨハネ「『高い』の反対は『高くない』、『大きい』の反対は『大きくない』…」
ヨハネ「『善い』の反対は『善くない』。善子ちゃんは、何も悪くないよ」
善子「でも、私は悪い子だから…」
ヨハネ「サンタさんが来てくれないって? 安心して、サンタさんなんて存在しないから!」
彼女なりの冗談で励まそうとしているのが伝わって、申し訳ない気持ちになった。
ヨハネ「善子ちゃんは頑張りすぎたんだよ。ここいらで一旦休憩してみるのもいいんじゃない?」
善子「……どうすれば、休めるんですか…?」
ヨハネ「簡単だよ。嫌なこと全部ほっぽり出しちゃえばいいよ」
ヨハネ「学校も家庭も塾も勉強も受験も、全部知らないふりして忘れちゃえ!」
ヨハネ「そうしたらきっと、本当の自分が見つかるよ」
善子「本当の、自分…?」
ヨハネ「YDKでも、悪い子でもない………本当の、善子ちゃんがね」
26 :
善子「………」
嫌なことは全部投げ捨てる。
それはつまり、現実逃避だ。
現実をないものにする…。妄想に入り浸る…。
『私』は、どこに居るのだろう?
善子「………休もう」
この日から私は、部屋に引き篭もった。
35 :
【よしちゃん 3さい】
善子「ママ! これ、つくった!」
「あらぁ、よしちゃんすごいわ」
善子「あのね、よしちゃんね、がんばった!」
「すごいわ。流石よしちゃん、賢いわ」
「そうねぇ…。将来は教師かしら?」
善子「きょーし?」
「そうよ。よしちゃんはママみたいに教師に成るといいわ」
「偏差値の高い高校に進学して、有名な国立大学に入って、そして立派な教師に成るのよ」
「よしちゃんは賢い子なんだから、ママの期待通りに育ってね?」
善子「うん!」
36 :
善子「………」
自分の殻に篭っていると、段々と自分のことが見えてきた。
私は親の期待に応える為だけに、生きてきた。
私の人生は、親のエゴで出来ていた。
「ねえ、あなたからも何か言ってよ…」
「なんで俺なんだ…。善子のことは全部お前に任せてるだろう」
「私、あの子が何考えてるか分からないのよ…。引き篭もってる理由も話してくれないし…」
「あなたもあの子の親なんだから、親の務めぐらい果たしたらどうなの?」
「疲れてるんだ…。カウンセラーでも呼んで、早く学校に復帰させればいいだろう」
「ちょっと、あなた!」
引き篭もることで分かったことがあった。
親は、私のことを数字でしか見ていなかった。
私の成績しか興味がなく、テストの点数でしか私のことを語れなかったのだ。
37 :
コンコンコンと、扉は弱々しく鳴った。
「よしちゃん…」
善子「………」
「ねえ、よしちゃん…」
「これ以上、ママのことを苦しめないで…」
「ママ、もう疲れちゃったのよ…」
「よしちゃん…」
私は、勉強が嫌いだ。
私は、親が嫌いだ。
でも…
善子「……ごめんなさい、ママ」
「よしちゃん…!」
私は殻を破り、現実に身を堕とした。
38 :
【津島善子 15歳】
善子「……お母さん。話があるの」
「何?」
善子「私ね…、高校は浦の星に行きたい」
「…!」
私の言葉に、親は激昂した。
親がそういう人間であることを、私は知っている。
善子「ごめんなさい。私は何をやってもできない子なの」
善子「どれだけ勉強したって成績は伸びないし、ゲームだって全然上達しなかった」
善子「私はお母さんが思ってるような人間じゃないの。だからお母さんの期待には応えられない」
善子「これで、私の反抗期は最後にするから、教師にもなるから…お願いします」
善子「私を、自由にしてください」
頭を下げていたので、このとき親がどんな顔をしていたのかは知らない。
ただ、私にとって、そんなことはどうでもよかった。
私はもう、親の顔を窺って生きる人生はやめたのだ。
41 :
【??? ??歳】
「YDK、YDK…」
私は、3文字のアルファベットを呟いた。
「でもどうせなら、もっといい感じの名前にしたいわ」
「YDK、何か良さげな案とかない?」
「え? ……じゃあ、Yは『ヨハネ』…とか」
「いいねいいね! 最初が決まれば、自ずと他も決まっちゃうね」
「もう決まったんですか?」
「うん。でも教えないよ〜」
「どうしてですか…?」
「なんとなく、ね」
42 :

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