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【FGO】マシュ「真名不明の人理修復」
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このSSはFate/Grand Orderの2次創作です
弊カルデア要素や設定の独自解釈を多分に含みますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします
また、途中にて亜種特異点のサーヴァントの真名バレがありますので、あわせてお気を付けください
2: 以下、
【特異点F】
オルガマリー「…………」
マシュ「…………」
〔あの、そろそろ膝が……〕<ポーン
オルガマリー「ア゛ァ゛ン?」
〔すいません! なんでもないッス!〕<ポーン
マシュ「しょ、所長! その、これはマスターの責任ではないかと……」
オルガマリー「いいえ、マシュ、これは間違いなくこいつの責任よ! でなければなんで……」
新宿のアサシン「……」
新宿のアヴェンジャー「……」
新宿のアーチャー「……」
エルドラドのバーサーカー「……」
レジスタンスのライダー「……」
不夜城のアサシン「……」
不夜城のキャスター「……」
アーチャー・インフェルノ「……」
アサシン・パライソ「……」
オルガマリー「なんで、召喚した英霊が全員真名不明なのよ!!! 馬鹿じゃないの!!」
〔面目次第もございません!!〕<ポーン
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3: 以下、
新茶「まーまー、少し落ち着いたらどうかね。あまりカッカしていては美容に悪いヨ?」
オルガマリー「うるさいわね!! 言っとくけど、あなた達も同罪だからね!!」
新殺「おっと、こいつは手厳しい。いったい俺たちの何が悪いのかな? 姐さん?」
オルガマリー「誰が姐さんよ、誰が!!」
〔姉御系所長……そういうのもあるのか!〕<ポーン
オルガマリー「だまらっしゃい!!」
マシュ「あのですね先輩、所長は皆さんが頑なに真名を明かそうとしないので怒っているのです」
〔それが何か問題なの?〕<ポーン
マシュ「……確かにこれが通常の聖杯戦争であれば、真名を秘匿しても問題ないのですが……」
オルガマリー「今回は特異点修復です! 戦力の把握のために真名は必要不可欠じゃない!」
〔へー〕<ポーン
オルガマリー「少しはやる気見せんかい!!」
マシュ「私もマスターを守るためにも、ぜひ皆さんの真名をお伺いしたいのですが……」
全員『いや、それはちょっと……』
オルガマリー「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
マシュ「所長! 落ち着いて! 髪の毛を引きちぎらないでください!!」
レジ騎「おーおー、女のヒステリーってのは恐ろしいねぇ」
エルバサ「なぜこっちを見る。叩き潰されたいか、貴様」
4: 以下、
オルガマリー「私たちカルデアの使命が、途方もなく尊いものであるっていう自覚はないの!?」
インフェルノ「それは分かってはいるのですが……その、深い事情があって真名は明かせぬのです」
マシュ「深い事情?」
パライソ「はい……真名を明かそうにも、私たちの霊基がそれを許してはくれないのです……」
マシュ「なんと……他の皆さんも同じ理由で真名を明かせないのですか?」
新茶「いや? 少なくとも私は好きで隠しているのだがね」
オルガマリー「はぁ!? なんでよ!!」
新茶「名を明かさぬミドルダンディーってかっこいいじゃないか! そうは思わんかね、レディ?」
オルガマリー「カルデアに帰ったら、所長権限でこの髭親父をレアプリズムに変えるわ」
新茶「ジョーク! ジョークだからネ!! 私にもちゃんと深ーい事情があるよ!!」
オルガマリー「……全員、やんごとない事情があって真名が明かせないのはよーくわかりました」
不夜殺「それはそれは、分かっていただけたようでなによりじゃ」
オルガマリー「それならあなた達の宝具はどうなっているの?」
レジ騎「問題なく使えるぜ?」
不夜殺「断片的な展開という形にはなるがの。所謂、お試しキャンペーンというやつじゃな!」
インフェルノ「よければそこのしゃれこうべ相手に試して見せましょうか?」
<GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!
マシュ「いつの間にこんなに!?」
オルガマリー「ちょっと!? 囲まれてるんなら早くいいなさいよ!!」
新殺「まぁ、そう慌てなさんなって。ほれ、マスターもあぶねえから下がってな!」
マシュ「戦闘開始します!」
オルガマリー「索敵さぼったロマニは減給よ!! 覚えてなさい!!」
ロマン『す、すいません所長! 正直忘れられてたかと思ってました!』
5: 以下、
???戦闘中???
<ジュウメンマイフクムエイノゴトク!
<アウトレイジ、アマゾォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
<ホウグ……ダンペンテンカイ……コヨイハココマデ……
???戦闘終了???
マシュ「本当に、皆さん宝具を使えていましたね……」
オルガマリー「ええ、そうね。だけど、そこの3人、ちょっとこっち来なさい。話があるから」
エルバサ「ん、よかろう」
新殺「おうさ、了解」
不夜術「はい……なんでしょうか?」
オルガマリー「まずはそこの二人。あんたたち、さっき宝具名言ってたわよね?」
エルバサ「……さて、なんのことやら」シレッ
新殺「姐さんが何を言ってるのやらさっぱりだねぇ」シレッ
オルガマリー「すっとぼけてんじゃないわよ!! 思いっきり叫んでたじゃない!!」
エルバサ「……少しばかり気合を入れすぎただけだ」
新殺「右に同じく」
オルガマリー「嘘つけ、そこの入れ墨男!! どこの世界にジュウメンマイフクムエイノゴトクなんて気合の叫びがあるのよ!!」
新殺「最近流行りのルーティンって奴だよ。知らない?」
オルガマリー「納得できるかぁぁぁ!!!!」
ロマン(あぁ……所長の血圧値が急激に高くなっていく……)ハラハラ
6: 以下、
エルバサ「とにかく、正式名称を書けなければ宝具名を看破したとは言えん!」
オルガマリー「はぁ!? 何よそれ!! 詭弁もいいとこじゃない!!」
エルバサ「何が詭弁なものか! 重要なのは私たちが納得したかどうかだ!」
ロマン『さすがバーサーカー! 有無を言わせぬ気だ!』
〔まぁ、当てれば問題ないんじゃないですかね〕<ポーン
オルガマリー「無茶言わないでよ!! どんな当て字すりゃいいかさっぱりよ!!」
マシュ「まぁ、大概の宝具が無理 矢理感あふれてますからね……」
オルガマリー「あっ、でもアンタは余裕ね!! あなたの宝具は”十面埋伏無影の如く”ね!!」
新殺「んー、残念ながらハ・ズ・レ♪」
オルガマリー「なんでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」ガンガンガンガン!!
マシュ「所長!! 壁に頭を打ち付けないで!! 髪の毛が真っ赤に染まってしまいます!!」
※正解は「十面埋伏・無影の如く」です。中黒が足りないとは是非もないよネ!
7: 以下、
オルガマリー「ええい、そっちの二人はもういいわ!! 次はあなたよ、不夜城のキャスターとやら!」
不夜術「はぁ、私ですか……私は別に宝具の名前など叫んではいませんが……」
オルガマリー「ええ、確かにそうね。だけどさっきの宝具で呼び出してたの何?」
不夜術「……あれは私が呼び出した、なんの変哲もない使い魔ですが」
オルガマリー「どこがよ!! ”千夜一夜物語”の登場人物にしか見えなかったんですけど!!」
不夜術「……見間違いでは?」
オルガマリー「んなわけないでしょ、この駄肉サーヴァント!!」
不夜術「駄……駄肉……! ショックで死んでしまいそう……!」プルプル
〔所長の口がどんどん悪くなっていく……〕<ポーン
オルガマリー「そこの外野、うるさいわよ!! 大人しく正座してなさい!!」
〔うっす〕<ポーン
ロマン『素直だ……』
8: 以下、
オルガマリー「とにかくあなたの真名はもうわかったわ!! あなたは”シェヘ……!」
不夜術「いけません!!!!」
オルガマリー「ッ!?」
ロマン『うわぁ!? 急に大声出さないでくれ! ゴマ団子がこぼれたじゃないか!』
マシュ「ちょっと? ドクター?」
不夜術「驚かせてしまい、申し訳ありません……ですが、あなたはその先を”口に出してはいけない”のです」
オルガマリー「は? なんでよ?」
不夜術「こと、物語において、むやみに真実を明かそうとする人物はたいてい碌なことになりません……無粋な詮索は、時に周囲からいらぬ反感を買うことがあります……」
オルガマリー「……つまりどういうことよ?」
不夜術「これらの事実から導き出される答えは一つ……今、私たちの真名を明かすと、あなたは死にます」
オルガマリー「はぁ!?」
不夜術「具体的に言えば、普段から全幅の信頼を寄せている人にこっぴどく裏切られた上に、驚愕の真実を告げられて、絶望の中で死んでしまう……あなたのキャラから、そんな最期が予想されます」
ロマン『えらく具体的だなぁ!!? しかも、失礼だけど容易に想像できる!!』
マシュ「で、ですが、所長はそんな実態のない脅しに屈するような人では……!」
オルガマリー「そそそそそそそそそ、そんな、そんなこと、あ、あ、あるわけないでしょ!? ばばばば、馬鹿も休み休みいいなさいな!! まぁ、私は優しいから、そこまで言われたら真名を明かすのは止めにしてあげてもいいけど? あくまで、親切としてね? ええ!」
マシュ「効果覿面だったのですか!?」
ロマン(まぁこんな状況だし、英霊に死の予言なんかされたらねぇ……)
オルガマリー「いいいいいいから、先に進むわよ!!」カクカク……
パライソ「膝が笑ってからくり仕掛けのようになっていますね」
ロマン『先行きが不安だ……』
9: 以下、
―――――――――――――――――
マシュ「ふぅ……戦闘終了です、マスター」
〔みんな、お疲れ様〕<ポーン
パライソ「勿体無きお言葉、感謝の極みにございます」
不夜殺「こやつら、骨ばかりで拷問のし甲斐がないのう」
不夜術「私としては、戦闘自体ないほうがいいのですが……死にたくありませんし……」
新茶「私も、膝とか腰が痛むから戦闘は遠慮したいナー……」
オルガマリー「英霊なのにどうして腰痛に悩んでるのよ……大丈夫なの?」
ロマン『まあ、戦力の低下にはなっていないので、納得しては?』
オルガマリー「まあね……でも本来の目的である特異点の調査は一向に進まないわね……」
マシュ「当初の予定では48人で当たるはずのミッションでしたが……」
ロマン『それが気付けば最後の一人だからね……』
エルバサ「下らんな。個々人がそれを補うほど働けばいいだけのことではないか」
オルガマリー「それが出来たら苦労はしないわよ!!」
レジ騎「いいや、人間諦めなければ意外とどうにかなるもんなんだぜ? だからお嬢ちゃんも最後まで諦めねえで前に進むんだぜ」
不夜術「そうですね……私も数十通りの謝罪方法を用意して、最後まで諦めないようにしていますね……」
マシュ「それは、後ろ向きに全力疾走してますね……」
オルガマリー「……私も命乞いの方法を考えておくべきかしら」
ロマン(まだ気にしてる……)
10: 以下、
新茶「ふむ……だが、エルドラド君が言うことはまぎれもなく正解の一つでもある」
マシュ「どういうことです?」
新茶「単純な話さ。人が減ったが進捗は滞らせたくない、というのであれば、単純な話、出力を倍にすればいい」
レジ騎「今回の場合は、頭数が足りない分、倍のさ、倍の距離、足を動かせばいいってこったな」
ロマン『確かに2倍早く動けば効率も2倍になるって、理屈は分かるけど……』
マシュ「ですが、新宿のアーチャーさん。この瓦礫の山では素早く動こうにも無理が……」
新茶「そこで出てくるのが我らサーヴァントの力というわけサ! ちょうど適任が”一人と一体”いることだしネ!」
オルガマリー「一人と一体って……あなたまさか……」チラッ
新宿狼<グルルルルルルルルルルル…………
パライソ「なるほど……あの体躯であれば、さぞ素早く地を駆けることでしょうね」
オルガマリー「狼にまたがって、冬木の町を飛び回れと!?」
〔ものの〇姫だね! わかるとも!〕<ポーン
マシュ「狼に乗るなんてとても素敵な体験ですね! 所長!」
オルガマリー「あれ!? いつの間にか私が乗ることになってる!?」
11: 以下、
〔さぁ、時間も無いんで早く乗ってくださいよ、所長〕<ポーン
新宿狼「ガルルルルルルルルルルルルルルルル……」
オルガマリー「今にも喰い殺さんばかりの勢いで威嚇されてるんですけど!!」
新殺「まぁ、仮にもサーヴァントなんだから大丈夫だろ!」
不夜殺「うむ! 見てみよ、あの満面の笑みを!」
新宿狼(鋭い牙を見せた満面の笑み)
オルガマリー「性質の悪い魔獣にしか見えないんですけど!?」
ロマン『観測した上では確かに英霊ですよ。……まぁ、エクストラクラスではありますが』
オルガマリー「エクストラクラス!? 本当に大丈夫なんでしょうね!?」ビクビク
新宿狼「グルルル……グワォン!!!!」
オルガマリー「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!? こっち向いて吠えるんじゃないわよ!!」ビクッ
マシュ「あぁ……すっかりおびえきってしまって……」
〔まるでシ〇リス君みたいだね〕<ポーン
オルガマリー「もうやだぁ……私が何したって言うのよぉ……助けてよレフゥ……」ベソベソ
不夜殺「ふむ、なんとも良い声で鳴くのう。拷問のし甲斐がありそうなやつじゃの!」
オルガマリー「やだあああああああああああああああああああ!!」ビエー!
不夜術「……なるほど。よう児退行して無力さをアピールする命乞い……新しいですね」
レジ騎「……参考にする気か?」
12: 以下、
インフェルノ「しかし、今は一刻を争う大事。オルガマリー殿、少々の御無礼、お許しを」ガシッ
オルガマリー「へっ?」
インフェルノ「……首無し騎士殿、魔狼殿!! 後は頼みます!!」ブォッ!!
マシュ「なっ……所長の頭を掴んで……!」
〔投げたぁーーーーーー!!?〕<ポーン
オルガマリー<いやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………
新宿狼「ワォ――――――――――ン!!!」ダダダダダダダダダ……
マシュ「まるでフリスビーみたいにキャッチして、そのまま走り去っていきました!」
新茶「これで万事OK。後は偵察結果を待つだけ、というわけだね!」
パライソ「忍以上に手段を選ばぬお方にござるな」
レジ騎「お前ら鬼かよ……」
インフェルノ「はて、なんのことやら? 鬼だなんて人聞きの悪い」シレッ
新茶「どちらかといえば悪魔ではないかね?」シレッ
スタッフ『大変です!! Dr・ロマンが泡吹いて倒れました!!』
ダ・ヴィンチ『ええい、誰かバケツに水と氷を入れてきたまえ! ロマンの顔にぶっかけて起こしてやる!』
13: 以下、
―――――――――――――――――
新宿狼「ワフッ、ワフッ」
オルガマリー「おぇぇぇぇ……」タパー
マシュ「戻ってくるなり、川辺につっぷして嘔吐してしまいました……」
〔Oh……〕<ポーン
レジ騎「あんまり愉快な乗り心地じゃなかったみてぇだな」
不夜術「そのようですね……死にたくないので、私は絶対に乗らないようにしましょう」
新殺「まぁ、気分が悪くなった原因はそれだけじゃあないかもしれないがね」
パライソ「そうですね、ここの景色は常人には些か”こたえる”やもしれませぬ」
マシュ「それは……この無数の石像のことですか?」
エル騎「間違いなく”元人間”だったもんだがな。ひでぇことしやがるぜ……せっかくの労働力を……」
不夜術「この表情……じわじわと殺されていったのでしょうか……苦悶に満ちていますね」
不夜殺「ぐぬぬ……それではまるで妾の考えた凌遅刑のパクリではないか!! 著作権の侵害で訴えてやるー!」
???「人聞きが悪いですね。これは私のオリジナルですので……非難される謂れはございませんよ」
インフェルノ「ッ!? 何奴!!」
シャドウランサー「名前なんて、これから死にゆくあなた達に言ってもしょうがないでしょう?」
<オエエエエエエエエエエエエエ……
<ワンッ
14: 以下、
マシュ「危ないマスター! 私の後ろに!!」
影槍「遅いですよ。その命もらい受けました!」シュバッ!
???「そりゃこっちのセリフだ!! アンサズ!!」ゴオォォォォォッ!
新茶「おお、やったかネ!?」
???「あんた、分かって言ってやがんな!? まだ仕留めてねえよ!」
影槍「聖杯戦争の生き残りですか……随分としぶといこと」
???「おかげさまでな!! おい、そこのマスター、援護してくれねえか!」
〔応ッ!! えぇっとセイバークラスの英霊は……〕<ポーン
現状の戦力:弓×2、騎×1、術×1、殺×3、狂×1、讐×1
ロマン『あらためて見るとバランス悪っ!?』
〔しょうがないからエルサちゃん、お願いします!〕<ポーン
エルバサ「任せるがいい……って、おい! なんだその珍妙なあだ名は!!」
〔ありのままの腹筋を見せてくれているので……つい〕<ポーン
エルバサ「この戦闘が終わったら覚悟しておけ、マスター!!」
???「なんでもいいから早く手伝え!! 俺も相性厳しいんだよ!!」
影槍「……なんだかぐだぐだしてきた気がしますね……」
15: 以下、
オルガマリー「……あれ? 私もしかして忘れられてる!?」
首無し騎士「ポンポン(肩を叩いてドンマイのポーズ)」
オルガマリー「同情なんかいらないわよ!!」
16: 以下、
???戦闘中???
<ニクカイニナリハテルガイイ!!
<チョッ、ミサカイナシカヨ! ヤメッ、ア゛ア゛ー!
ドグシャア!
<ルーンダケッテノモ……ヤリニクイ……モンダ……
<キャスターガシンダ!!
<コノヒトデナシ!!
???戦闘終了???
エルバサ「下らん……ただの弱者であったか」
マシュ「敵性反応の消滅を確認。お疲れ様です」
不夜術「あのキャスターの尊い犠牲によって、なんとかなりましたね……」
不夜殺「せめて、あやつの名前は忘れんようにしておこうかの!」
パライソ「それはよいのですが……そもそも、まだ名乗っていませんでしたよ?」
不夜殺「では、妾が名付けてやろう! どことなく犬っぽかったから阿旺(アワン)というのはどうじゃ?」
???「いや、お断りだよ!!」
マシュ「なんと、キャスターさんが生きてました!」
エルバサ「ふむ、手加減はしていなかったのだがな」
???「まさかの確信犯!?」
エルバサ「まだ味方と決まったわけでもないのに、なぜ気を遣わねばならん」
ロマン(思ったよりも正論だった……)
17: 以下、
オルガマリー「ねぇ、そろそろいいかしら」
マシュ「あ、所長、おかえりなさい」
〔(放っておかれて半泣きだった)所長、おかえりなさい〕<ポーン
オルガマリー「その不穏な間はあえて放置するとして……あなた、はぐれサーヴァントね?」
???「おう、本来の聖杯戦争に呼ばれてたサーヴァントってことになるな」
オルガマリー「そう、ならこの冬木の事情を説明してちょうだい」
???「カクカクシガジカ」
ロマン『つまるところ、セイバーを倒して聖杯を回収すれば解決ということだね』
マシュ「その件のサーヴァントの居場所については?」
???「あの山にある洞窟の中に籠ってやがるぜ」
オルガマリー「ああ、あそこね……」
新茶「ほう、早索敵に行った成果が出ているようだネ!」
オルガマリー「おかげさまでね! 特にあの山は揺れが酷くて……うぷっ」
???「苦労してんだな嬢ちゃん……」
オルガマリー「分かってもらえて何よりよ……サーヴァントにも話の分かる奴がいるのね!」
新殺(今、遠まわしにディスられたな……)
18: 以下、
オルガマリー「気が合ったところで、そろそろあなたの真名を聞いてもいいかしら?」
???「いいぜ教えてやるよ、俺の名前は”クーh、グエッ!?」
オルガマリー「いきなり首に蛇の跡が!?」
パライソ「キャスター殿、御免!」
インフェルノ「マスター、しばし彼をお借りします!」グイグイ
〔な、なんでさ!?〕<ポーン
新殺「少しばかり、俺たちのことを説明するだけだから! すぐ戻るから!」ギリギリ
ロマン『関節極めながら言うセリフではないよね!?』
新茶「早くこっちに連れてきたまえ!! 洗脳の準備は出来てる!!」
オルガマリー「すごい物騒な単語が聞こえたんですけど!?」
マシュ「先輩! 令呪を使って新宿のアーチャーさんを止めてください!」
〔了解!! 令呪をもって命じる……!〕<ポーン
【宝具解放】【霊基回復】
〔ごめん、無理でした〕<ポーン
不夜術「尊い犠牲でしたね……(今季二度目)」
???「俺、死ぬのか!?」
新茶「心配いらんとも、成功すれば君のルーンのスピードは倍になる!」
???「その声でそのセリフは止めろ!!」
ア〇バ「新しい秘孔の究明だ!!」
ロマン『ついに名前まで変わった!?』
オルガマリー「あんた、それが真名じゃないでしょうねぇ!!?」
19: 以下、
――――ややあって――――
オルガマリー「………………」
マシュ「………………」
ロマン『………………』
〔………………〕<ポーン
冬木のキャスター「…………すまん」
新茶「いやー、なんと彼も”真名不明”と来た! 偶然って怖いナー!」
オルガマリー「ソウヨネ、グウゼンッテコワイワネ」
マシュ(ついに所長が壊れた……)
冬木術「というか、この名前はどこぞの魔女に刺されそうで怖いな……」
インフェルノ「あら、それでは”炎上都市のキャスター”のほうがよいですか?」
〔略して”炎上のキャスター”と呼ぼう〕<ポーン
ロマン『それこそ縁起でもない名前なような……』
冬木術「もうなんだっていい! とっととセイバーをぶっ倒しに行くぞ!!」
オルガマリー「そうね! 全力で向かいましょう!」
マシュ「了解しました! それでは、マスターは私が抱えます」
オルガマリー「じゃあ、私も誰かに抱えてもらおうかしら……ん?」
新宿狼(おもむろに所長の首根っこを咥える)ハムッ
オルガマリー(全てを察した笑顔)
20: 以下、
???移動中???
<モウスコシユックリオネガ、イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?
<ショチョウドノガマタシンデオラレルゾ!
<カッテニコロスナアアアアアアアアアアアアア!
???移動終了???
<オボロロロロロロロロロロロロロロロ
ロマン『君たち、少しは手加減したらどうなんだい!?』
不夜殺「すまんの! よい反応ゆえ、ついいじりたくなってしまってな!」
〔わかる〕<ポーン
マシュ「先輩……お気持ちはわからないでもないですが……所長は皆さんが思っている以上に余裕がないのです……そこのところを考えて対応してはいただけないでしょうか……」
新茶「いいや、理解しているからこそ、あえていじっているのだヨ?」
ロマン『? それは一体どういうことだい?』
レジ騎「俺たちは、あいつに余計なことを考えさせないようにしてんのさ。あの嬢ちゃん、本当に余裕が無くなったらヒステリーを起こすようなタイプだろ?」
マシュ「今までも十分にヒステリーを起こしてましたが……」
パライソ「そこはそれ、絶妙な匙加減というやつです。少なくとも、膝を抱えて足を止めるようなことにはならなかったでしょう?」
ロマン『そうだったのか……僕はてっきり、面白いからいじっているものだとばかり……』
不夜殺「まあ、少しだけいたずら心があったことは否定せんがの! ほんの2、3割……いや、4か5……7、8割だけじゃぞ!」
ロマン『圧倒的に気遣いのほうが少ない!!』
21: 以下、
オルガマリー「もう吐くものが胃液しかない……」ヨロヨロ……
インフェルノ「大丈夫ですか? よければ肩をお貸ししますが……」
オルガマリー「悪いけど頼むわ……」
ロマン『あんな素直な所長久々に見たなぁ』
エルバサ「インフェルノ、悪いがそのままソイツを抱きかかえてくれ」
オルガマリー「な、なによ!? また投げ飛ばす気!?」ビクーッ
冬木術「いや、そうじゃねえよ……随分遅かったじゃねえか、ええ?」
???「うちの”姫”が不機嫌だったものでね、お守りから抜け出すのに苦労したよ」
マシュ「! 汚染されたサーヴァント……!」
シャドウアーチャー「月並みなセリフではあるがあえて言おう……お前たちをここから先には通さん」
インフェルノ「……足止めするのはいいが、別に倒してしまって構わんのだろう、ではないのですか?」
不夜殺「妾は、かっこいいポーズとやらが見たかったのだが」
影茶「おっと、心は硝子だぞ?」
22: 以下、
オルガマリー「本丸直前での妨害ってわけ? でも生憎とこっちのほうが頭数は上よ!」
影茶「知ってるとも。だから、こちらも”頭数”だけは揃えて来た」
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』
ロマン『て、敵性反応多数!! 計測が追いつかない!?』
不夜術「圧倒的物量による力押し……!! このままでは死んでしまいます!!」
エルバサ「ええい、騒ぐな、抱き着くな!! どれだけ雑魚を集めようと、所詮、烏合の衆だ!」
レジ騎「女王様の言う通りだぜ! それに、ここまで来れば、あとは頭を潰せば俺たちの勝ちだ!」
パライソ「ここは我らで抑えます! マスター達は大聖杯へ!!」
新宿狼「アオ――――――ン!」
マシュ「了解しました! マスター、行きましょう!」
〔みんな、頼んだよ!!〕<ポーン
新茶「マスター君、待って! そろそろ関節が辛い!!」
新殺「しょうがねえなぁ! ほら、棺桶ごと担いでやるよ!」
不夜殺「くふふー♪ セイバーとやらは、どんな声で鳴いてくれるかの!」
インフェルノ「それでは皆様、殿の務め、任せます!」
オルガマリー「ちょ、ちょっと、ぐえっ! 小脇に抱えないで!! 上下動がさらにきつい!!」
23: 以下、
冬木術「さてと……カッコよく残ってはみたものの……お前ら策でもあんのか?」
エルバサ「? 何を言っている。この程度の連中、我らの力で蹴散らすだけではないのか?」
レジ騎「俺ぁ、とりあえず凶骨を分捕れるだけ分捕ってとんずらしようと思ってるが?」
不夜術「大聖杯よりはこちらのほうが生き残れそうでしたので……」
新宿狼「ガジガジガジガジ……(骨をかじっている)」
パライソ「殿勤めは、主の命をどれだけ長らえさせられるかが肝要にござる」
冬木術「つまり揃いも揃って策なしか!!」
影茶「随分と舐められたものだな……お前たち、やってしまえ!!」
『SYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』ガッシャガッシャ
冬木術「くそっ!! 分かっちゃいたが、数が多くてめんどくせえ!!」アンサズ!
エルバサ「加えて、あの弓兵の妨害もある! 埒が明かんな!」ドガァ!
影茶「なんだ? 卑怯とでも罵るつもりか?」ヒュパッ!
不夜術「いいえ、立場が逆ならば私もそうしていたでしょうし、特には」コノヨウニ……
パライソ「同感ですね。こと戦闘においてはなんでもありでしょう」サブロウ!
レジ騎「そうだな、だからこっちのやることにも文句は無しだぜ?」オラオラオラァ!
冬木術「ん? おいおっさん! あんた何する気だ!?」
レジ騎「巻き込まれたくなかったら必死で耐えな!! おい、エルドラドのバーサーカー!!」
エルバサ「なんだ、この忙しい時に!!」ドグシャア!
レジ騎「あのアーチャー、さっきあんたのことを【美しい】って言ってたぜ!!」
影茶&冬木術『……………………はぁ?』
他一同『!!』
24: 以下、
エルバサ「……………………………………ほう?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
影茶「何をするかと思えば……下らん悪口……悪口?だけじゃないか……」
冬木術「おいおいおい、冗談言っている場合じゃねえぞ、船乗りのおっさん!!」
不夜術「冗談などではありません、キャスター!! 早く彼女から離れなさい!!」
冬木術「あん? 一体それはどういう……ぐわああああああああああああ!?」ボグシャア!
エルバサ「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!」
パライソ「キャスターがまた死んだ!!」
レジ騎「このひとでなし!!」
影茶「ぼ、暴走だと!? ええい、これだからバーサーカーは!!」
エルバサ「ドコダ、ニガサヌゾ■■■■■!!」ドガガガガガガガガ!!
『YARARETAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!』シュゥゥ……
影茶「チッ! ああなってはスケルトン共は役立たずか! だが、逆に防御はお粗末になった! 取ったぞ狂戦士!!」ギリギリギリ……!
パライソ「今です! 魔狼殿!!」
ガサガサッ!
影茶「!? なっ、後ろ……!」
新宿狼「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!!」グシャア!!
影茶「グッ……! ガハッ!!」シュゥン……
25: 以下、
不夜術「ふぅ……なんとか生き残れました……キャスターの尊い犠牲によって!」
冬木術「死んでねえよ!!」ガバッ
レジ騎「おっと、生きてやがったか」
冬木術「前に潰された経験がなかったらヤバかったぜ!! だけどな、お前らせめて何やるかは事前に伝えろよ!」
レジ騎「言わなかったからこそ不意をつけたんじゃねえか……それに、勘違いしてるが、まだ終わっちゃいねえぜ!!」ダッ!
冬木術「あっ、おい!! いきなり逃げ出して、何をして……」
エルバサ「■キ■■スウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」ドガガガガガガガガ!!
冬木術「どわああああああああああああああ!!?」
パライソ「これは、しばらく元に戻りそうにないですね」
不夜術「ええ……二人とも洞窟の奥に逃げて行きました……私たちも後を追いましょう」
新宿狼「ワフッ」
<ウツクシイトハイワセヌゾオオオオオオオオオオオオ!!!
<イッテネエヨ!! クソッ、ヤヨケノカゴ! 【回避】
<アッ、テメエダケズリイジャネエカ!! ソレナラオレモ、フクツノイシ! 【ガッツ】
<オノレ、ニガスカイダテンヤロオオオオオオオオオオオオオオ!!
26: 以下、
――――――――――――――――――――――――――――
マシュ「ついに着きました……これが大聖杯……」
ロマン『漏れてるだけでもかなりの魔翌力だ……!』
オルガマリー「カハッ……カフッ……オボロロロロロロロロロロ……」
〔うちの所長の魔翌力放出も負けてないですよ!!〕<ポーン
ロマン『張りあうものじゃないと思うけど!?』
インフェルノ「申し訳ございません……私が至らぬばかりに……」サスリサスリ
新茶「飴ちゃん食べるかネ?」
オルガマリー「いらないわよぉ……」
不夜殺「おい新宿の、吐き気が止まるツボとかないんかの?」
新殺「いいよぉ、ここをちょいと押せば……」グリィ!
オルガマリー「はひぃ!? カッ……!」チーン
マシュ「所長が白目を剥いてしまわれた!?」
新殺「ん? 間違えたかな?」
新茶「それ私のセリフ……ではなかったネ、うん」
スタッフ『ドクターがまた倒れました!!』
ダ・ヴィンチ『鼻に七味唐辛子でも突っ込んで無理やり起こしてしまえ! 今は倒れている暇なんてないのだからね!』
???「ええい、貴様ら!! 私を無視してコントを始めるとか、いい度胸だな!!」
マシュ「あ、先輩! サーヴァントです!」
〔ごめん、所長が目覚めるまでちょっとタンマ〕<ポーン
マシュ「先輩!?」
???(よし、潰そう)チャキッ
27: 以下、
マシュ「と、とりあえずお伺いしますが、あなたが聖杯を手にしたというセイバーで間違いないですか!」
セイバーオルタ「いかにも私がセイバーだ。私はこの聖杯の力をもって、世界を燃やし尽くすと、そう決めたのだ」
マシュ「一体、なぜそんなことを……!」
セイバーオルタ「その理由を語るつもりはない。知りたくば、私を打倒してみるがいい!」
ロマン『魔翌力反応、急激に上昇……! 宝具を使うつもりだ!!』
〔しまった、逃げ場がない!?〕<ポーン
オルガマリー「ちょっと!? サーヴァントはともかく、私とコイツはひとたまりもないわよ!?」
マシュ「所長、マスター! 私の後ろに隠れてください! せめて、私の命と引き換えに……!」
新茶「いいや、命を懸ける必要はないとも、キリエライト君。あの魔翌力量であれば、君の宝具で容易く防げるとも」
マシュ「で、ですがアーチャーさん! 宝具を使おうにも、私は真名が……!」
不夜殺「いや、妾たちも真名を明かさずに宝具使っておるではないか」
マシュ「……たしかに!」
新殺「とりあえず難しく考えないでやってみ」
マシュ「あっはい、やってみます! 疑似宝具展開!」
バシュゥゥゥゥゥゥ!
ロマン『あっさり使えた!? あれだけ苦労してたのに!?』
セイバーオルタ「だからどうした、結果的に防げねば意味はあるまい! エクスカリバー……」
不夜殺「おっと、足元注意」オタメシキャンペーンジャ
セイバーオルタ「モルがぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!?」ドプン
ロマン『宝具を落とし穴代わりに!?』
オルガマリー「うわぁ……大口開けてたから毒をモロに飲み込んでるわよ……えげつなぁ……」
セイバーオルタ「ふざけるなよ貴様らぁ!!」ゴボボボボボボボボボ
28: 以下、
セイバーオルタ「この程度、魔翌力放出で抜け出せば……!」
インフェルノ「おや、それでは私も手伝いましょうか?」ガシッ
セイバーオルタ「なっ、貴様っ!!」ギリリ……
オルガマリー「あれは、狼に無理やり乗せられた時にやられた、首を掴んでからのオーバーヘッドスロー!!」
インフェルノ「宝具、断片展開! 燃えろ、飲み込め、何もかも!」
新茶「んー、実にいい軌道で投げてくれるネ、いい放物運動線だ」チャキッ
マシュ「落下予測地点にはすでに新宿のアーチャーさんが待ち構えています!」
新茶「素晴らしい! 世界は破滅に満ちている!!」アーッハッハッハッハ!
ロマン『宝具チェインが決まった!!』
セイバーオルタ「ここまでか……」シュゥン……
マシュ「セイバーの消滅を確認! 私たちの勝利です!」
オルガマリー「……あれ、マシュが宝具を発動した意味は!?」
新茶「いや、ちょうどいい機会だから、ハッパをかけとこうかなと……」
ロマン『特異点のボスを当て馬に使ったのかい!?』
オルガマリー「もう、非常識すぎて驚く気も失せるわね……」
マシュ「ま、まぁ、所長、特に不都合は無かったですし、あまり気になされないほうがいいと思います」
〔これで事件も解決できたしね!〕<ポーン
オルガマリー「……そうね、あとは聖杯を回収すれば特異点の修復は……」
???「おっと、それは少しばかり待ってもらえないだろうか」
ロマン『なっ……!? あなたは、何故あなたがここに!?』
オルガマリー「……レフ? レフ、あなたなの!?」
レフ教授「やぁオルガ、元気そうで何よりだ」
29: 以下、
マシュ「レフ教授!? 爆発で死んだのではなかったのですか!?」
オルガマリー「そんなことどうでもいいじゃない! ああ、レフ! 聞いてちょうだい、こいつらったら酷いのよ! 寄ってたかって私のことをいじめてくるのよ!」
不夜殺「いじめとは心外じゃのう! あんなもの宴の余興程度のいじりではないか!」
新茶「アラフィフ知ってるよ、それって今はハラスメント事案なんだってネ!」
新殺「なんとも世知辛いねぇ」
オルガマリー「そういうところよ!! そういう!!」
レフ教授「君たち、彼女はとても繊細なのだよ? もう少し丁重に扱いたまえ!」
〔はい、すいませんでした!〕<ポーン
マシュ「流れるような土下座です!」
新茶「マスター君! あんな胡散臭いやつに頭なんか下げてはイカン!」
オルガマリー「お前もどっこいじゃろがい!!」
ロマン(口悪っ)
新殺「でも、それにしたってあのトゲトゲネクタイは無いわぁ……」
不夜殺「ああいう糸目の腹心ポジは裏切るものと相場が決まっておる! 妾の皇帝レーダーが告げておるわ!」
インフェルノ「全体的にダサ……珍奇な出で立ちですね」
ロマン『辛辣!』
不夜殺「というか、ぶっちゃけアレのどこに惹かれる要素があるかわからん! 趣味が悪い!」
新茶「パパ活とか疑っちゃうよネ!」
インフェルノ「女という身を安売りしてはいけません! まだ若いのですから節度を!」
オルガマリー「ガンド!! ガンド!!」バンバン!
新殺「ははは、どすこいどすこい」ペシッ
30: 以下、
オルガマリー「もうやだー!! レフー!!」ダッ
マシュ「あ、所長! 急に走ったら危ないです!」
オルガマリー「レフー! 助けてレフー!!」
レフ教授「オルガ……本当に君だけはいつも私の思い通りになってくれてとても嬉しい。その愚かさは誰にも負けない美徳に違いない」
オルガマリー「…………え?」
マシュ「レフ教授までオルガ所長をいじり始めました!」
新茶「だけどあのいじり方はダメだなぁー……見たまえ、あまりに急すぎて所長君がツッコめていない!」
不夜殺「場の雰囲気に無理に合わせようとして失敗した感じじゃな!」
新殺「コミュ障のオタクみたいだな」
レフ教授「……貴様ら道化共は黙っていたまえ! ええい、とっとと目的を果たして私は帰る!」キラッ
ロマン『あれ、レフ教授がいつの間にか聖杯を!?』
オルガマリー「レフ!? 何やってるの!? 目的ってどういうこと!?」
レフ教授「ここまで来て分からんかマヌケめ!! 今回の黒幕は私だということだよ!」
マシュ「な、なんですって!?」
新茶「ほら見ろ! やっぱり裏切った! これだから紳士然としたやつは好かんのだ!」
インフェルノ「半分私怨では?」
不夜殺「というか、裏切り云々はお主が言えた義理では無いと思うぞ」
31: 以下、
ロマン『まさか、あの爆発は君の仕業だったっていうのか!』
レフ教授「いかにも、あれは私の仕業さ!! ……一部、殺し損ねた連中もいるがな」
マシュ「所長が特異点に送られてしまったのもですか!?」
レフ教授「確実に消し飛ばそうと、オルガの足元に爆弾を仕掛けた副産物だがな! 汚物をまき散らしながら必死で駆けずり回る姿は、それなりに愉快だったなぁ!」
オルガマリー「まさか、真名が分からない連中しか召喚出来なかったのもあなたの仕業……!」
レフ教授「いや、それについてはノータッチだが……」
オルガマリー「なんでよ!! タッチしなさいよ!! 私、全部黒幕のせいにしようと思ってたのに!!」
ロマン『ひどい責任転嫁だ……』
レフ教授「というか、思ったより元気だな貴様!? てっきり、無様に泣き叫んで膝を抱えるものかと思ってたのに!」
オルガマリー「そうしたい気分よ!! でも、そんなことより私のヒステリーが上回っただけよ!!」
レフ教授「ええー……」
〔所長……強くなられましたな……!〕<ポーン
オルガマリー「誰かさんのおかげでね!! 全く感謝したくはないけど、結果的に助かったわ!! こんちくしょう!!」
32: 以下、
レフ教授「ええい、不快だ!! こうなったら、少しでも溜飲を下げてから退散するとしよう!!」
オルガマリー「!? う、動けない!! ちょっと何するつもり!?」
レフ教授「なに、ただの八つ当たりだとも! これを見たまえ!」シュゥン
ロマン『な、なんだあれは!? カルデアスが真っ赤に染まっている!?』
マシュ「幻影か何かでしょうか!?」
レフ教授「正真正銘の本物だよ! オルガ、君ならあれが意味するものはわかるだろう?」
オルガマリー「人理の崩壊……! あなた、とんでもないことをしでかしたみたいね!!」
レフ教授「さて、今からこの小娘をあのカルデアスに放り込んでやるとしよう」
ロマン『なっ、核融合炉に人を放り込むようなもんだぞ!?』
オルガマリー「冗談じゃないわ! この外道! 悪魔! クソダサネクタイ!!」
レフ教授「ようしわかった! 超特急で放り込んでやろう!!」グイッ
オルガマリー「やらせるもんですかぁ!! ぐぬぬぬあああああああああ!!」ガックンガックン
レフ教授「クソッ! ありったけの魔翌力で抵抗しているのか! だがいつまで持つかな!」
マシュ「ああ!? 所長!!」
〔みんな! なんとかならない!?〕<ポーン
インフェルノ「無理です! ここからだと遠すぎて……!!」
新殺「加えて、あちこち振り回されていて、目標が定まらん!」
新茶「任せたまえ、策なら用意してある。さて、マスター君、お好みのオーダーはあるかね?」
〔なんでもいいから、所長を助けて!〕<ポーン
新茶「承った! 魔弾よ!!」ズドドドドド!
オルガマリー「ぎゃあああああああああああ!!!!?」ドドドドドド!
レフ教授「!?」
マシュ「全弾所長に命中!?」
ロマン『ファー!!? 何やってんの!! 何やってんの!!!!』
33: 以下、
オルガマリー「ゲェッホ!! ゲッホ!! なにこれ! ものすごく匂う!」
不夜殺「おお、生きとったか」
マシュ「アーチャーさん、いったい何を撃ったのですか!?」
新茶「”彼”が迷わないように、匂いをつけてやったのサ!」
アオ――――――――――――――――ン!!
レフ教授「遠吠え!? まさかあの犬畜生か!」
新茶「ご名答! さあ、フリスビーの時間だヨ!!」
新宿狼「ウオ――――――――――ン!!」シュバッ!
オルガマリー「ぐえええ!?」ガシィ!
インフェルノ「お見事にございます!」
新宿狼「ワフッ、ワフッ!」シュタッ
マシュ「大丈夫ですか、所長!」
オルガマリー「大丈夫よ! あんなの、こいつの散歩に比べれば屁でもないわよ!」
新宿狼「ガルルル……」ガジガジガジガジ
オルガマリー「痛たたたたたた!!」
マシュ「……懐かれてはいるようですね」
オルガマリー「その愛情表現で死にそうなんですけど!? 痛ったーい!!」
34: 以下、
レフ教授「クソクソクソクソ!! どこまでもコケにしてくれるな貴様ら!!」
不夜殺「おかしなことを言うでないわ。悪党のたくらみなぞ、一蹴してナンボじゃろ」
レフ教授「こうなったら、貴様ら全員殺しつくさねば治まらん! 人理焼却を待たず、ここで諸共叩き潰してやる!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ロマン『なんだ!? レフ教授の姿が……いや、霊基が変化していく!?』
レフ教授?「恐れおののけ! これが我が真の姿! 魔神柱フラウロスで……」
エルバサ「フラウロスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」ドグシャア!
レフ教授だったモノ「ぐわああああああああああああああああああああああ!!?」
ロマン『ミンチより酷い!?』
冬木術「よっしゃあ!! なんかよくわかんねえけど、矛先が変わったぜ!!」
レジ騎「ぜぇ……ぜぇ……いくらサーヴァントつっても、この歳での全力疾走は堪える……」
パライソ「お館様! ご無事でしたか!」
不夜術「どうやら、誰も死んではいないようですね……何よりです……」
マシュ「皆さんもご無事だったのですね!」
エルバサ「アアアアア……ん? なんだ、人違いか……つまらん」ポイッ
ロマン『あ、カルデアスに……』
レフ教授「ぐわああああああああああああああああ!?」ドジュウウウウウウウ!
〔……よし! 解決!〕<ポーン
冬木術「捨て台詞を吐く暇すらねぇとは……」
パライソ「なに、外道の最後など、大抵あんなものにござる」
エルバサ「なんだ? 今のが最後だったのか? チッ、もう少し手加減して本気を引き出すべきだったな……」
不夜術「私は無駄な戦闘をしないで済んで助かりましたが……」
不夜殺「妾はせっかくだからもう少し拷問してやりたかったのう」
ロマン(体のいいおもちゃ扱い……)
35: 以下、
マシュ「とりあえず、これで特異点の修復は完了したと思いますが……」
オルガマリー「……ロマニ、カルデアスの様子は?」
ロマン『……依然として赤く染まっています。人理はまだ、消滅したままです』
新茶「なるほど、すでに犯行は終わった後というわけだ」
オルガマリー「そう……じゃあロマニ、帰還準備をなさい」
ロマン『で、ですが所長、一つ問題が……』
オルガマリー「分かってるわよ、私は帰れないって言うんでしょう?」
マシュ「……え?」
オルガマリー「レフが言ってたでしょう? 爆弾は私の足元に仕掛けたって。なら私は粉微塵よ」
不夜術「なんと……! 想像しただけで気分が悪くなりそうな死因です……!」
不夜殺「あのカルデアスとやらに放り込まれるよりはマシじゃろ」
オルガマリー「とにかく、後のことは全てあなた達に任せるわ」
〔魔術協会への弁明もですか!?〕<ポーン
オルガマリー「心配するとこそこなの!? でもそうね、私を散々いじり倒したのだもの、あなたもせいぜい苦労すればいいわ!!」シュワァ……
マシュ「所長!! 体が……!」
ロマン『強制退去が始まってる!? 所長!!』
オルガマリー「もう時間切れみたいね。それじゃあ、カルデアの所長として命じます!」
〔所長!〕<ポーン
オルガマリー「必ず世界を救いなさい! 失敗したら許さないんだから―――――」シュゥン……
―――
――――――
―――――――――
36: 以下、
―――――――――
――――――
―――
「……ん、うぅん……」
「あっ! 目を覚ましましたよ!」
「本当かい!? 所長、所長聞こえますか!?」
「んぅ……あ、れ……? 私、死んだんじゃ……?」
「それは、彼らが何とかしてくれたんです!」
「彼ら……?」
不夜術「どうやらうまくいったようですね……死ななくてよかったです……」
冬木術「まさか俺まで付き合わされるとはな……」
インフェルノ「まあ? か弱いおなごを助けずに帰ったほうがよかったと?」
パライソ「冬木のキャスター殿はなんと薄情な……」
エルバサ「やはり、あのまますりつぶしてやったほうが良かったのでは?」
レジ騎「そりゃあもったいねえ、せっかくだから労働力にしようぜ!」
不夜殺「拷問じゃ! とにかく拷問にかけよ!」
新殺「ははは! あんたら、本当に自重しないな!」
新茶「特に止めない時点で君も同類だと思うヨ?」
新宿狼「(ガジガジガジガジ)」
冬木術「おい、この野郎!! 杖を齧るんじゃねえ!!」
「あなた達が私を……? 一体どうやって……?」
新茶「はっはっは、それは私たちの”真名隠し”のおかげだヨ! 感謝したまえ!」
「真名……隠し?」
37: 以下、
新茶「時に、カルデアの所長君。シュレーディンガーの猫、という思考実験を知っているかね?」
「ええ……確か、箱の中にいる猫が半分生きていて半分死んでいるっていう……」
新茶「その通り。箱の中の猫は、50%の確率で生きているはずである。だが、観測するまでは、どちらの状態も箱の中に等しく存在する―――量子力学の矛盾を表現した、有名な話だ」
不夜殺「うぅ……たとえ想像でも猫のことなど、考えたく無いわ……」
新茶「とにかく、このたとえ話で言いたいことは『観測者の存在そのものが、事実に影響を与える可能性がある』ということだ。言い換えれば、観測されなければ、事実が確定することはないのだヨ!」
「……? だからそれが一体どういう……」
不夜術「所長様……どうぞ、これをご覧ください」スッ
「なによこの映像…………ッ!? これ、カルデアの外なの!?」
不夜術「その通り、すでにこのカルデアの外に人理は存在しません。カルデアは人類という観測者を失った……つまり、このカルデアの出来事は人理として確定していないのです」
新殺「そうして、少しばかり細工をさせてもらったのさ『カルデアの所長』様」スッ
「? なにこれ? みんなの職員証じゃ……ん?」
カルデアのシールダー「あの……その……はい……」
カルデアのドクター「…………ハハハ……」
カルデアの天才「あ、私も少し協力させてもらったよ?」
〔どうも”カルデアのマスター”です〕<ポーン
カルデアの所長「…………え、えええええええええええええ!?」
38: 以下、
所長「何よこれ!! 何よこれ!! 何なのよこれ!!!!」
インフェルノ「ええ、理を書き換えさせていただきました」
パライソ「この場にいる方々はサーヴァントも人間も、等しく真名不明となります」
所長「なんでまたそんなことを!?」
ドクター「全員の真名を封鎖して、爆発事故の被害者であったという因果から一時的に退避、然る後に”死体のみ”を別途錬成……”爆発事故で人が死んだ”という事実だけを残して、肝心の”誰が死んだか”の部分を曖昧にしてしまったんですよ……」
所長「無茶苦茶にもほどがないかしら!?」
エルバサ「無茶苦茶であろうが、助かったのだから文句はないだろう?」
所長「そ、れは、そうだけれども……!」
新茶「いやー! ”偶然”我々のような真名を隠したサーヴァントばかりで助かったネ!」
冬木術「……よく言うぜ、俺の真名まで無理やり秘匿しやがったくせに……」
エルバサ「おっと、モーニングスターが滑った」ドゴス!
冬木術「あぶねっ!? 足の指つぶれるところだろうが!!」
所長「というか、まさか……あなた達最初から分かってたから、私のために真名を隠して……?」
新殺「あ、悪いけどそれとは関係ないです」
所長「無いんかい!! 感動しかけて損した!!」
39: 以下、
ドクター「それより所長、起きたばかりで非常に心苦しいのですが、カルデアの現状を……」
所長「……そ、そうよ! 忘れていたわ! カルデアスの様子は!?」
シールダー「かくかくしかじかです!」
所長「7つの特異点……! またとんでもない案件が舞い降りて来たものね!」
ドクター「所長、我々はカルデア最高責任者の……あなたのオーダーを待っていました。どうか、号令をお願いします」
所長「決まってるじゃない! 今から我々カルデアは人理修復を目的としたミッション、Grand Orderを発令します! 言っとくけど、拒否権はないわよ、カルデアのマスター!!」
〔ウィーッス〕<ポーン
所長「返事ィ!!」ズドン!
〔ガンド撃ち!?〕<ポーン
シールダー「先輩がスタンした!?」
冬木術「あいつ、軽口吐かなきゃ死んじまう呪いでもかかってんのか?」
所長「いい!? あんたはこのカルデアで唯一のマスターなのよ!? 人類の存亡はあなたに掛かってるって分かってんの!?」
ドクター「あ、あー……所長、その、言い辛いと言えば言い辛いのですが……」
所長「あ? 何よドクター! 今、こいつを折檻して立場ってものを分からせて……」
ドクター「あの、所長にもあります、マスター適性」
所長「…………え!?」
40: 以下、
天才「君、一度魂になってレイシフトしてただろう? そこから復活して、マスター適性もそのまま引き継いだらしいんだ」
ドクター「つまり、その……特異点修復は、マスター君と所長の二人でやることに……はい……」
所長「待って、おかしいじゃない!! 仮にも組織の最高責任者が前線に出るって言うの!?」
インフェルノ「? 何かおかしなことでも? 戦場であれば当たり前でしょう?」
所長「今は戦国時代じゃないでしょ!! 私に一騎当千の武力なんてないわよ!!」
パライソ「それでも、お館様より魔術の腕前は上なのでは?」
所長「そうだけど、そうだけれども!!!」
エルバサ「では、何だ? 貴様、碌に戦場の経験も、腕前もないマスターを一人前線に放り出して、自分だけは砦に引きこもっていようと思っていたのか?」
所長「ぐぅっ!?」
レジ騎「いやいや、気にするこたぁ無いぜ。主人が自分の奴隷に汚れ仕事を任せるのは至極当然じゃあねえか、なあ?」
シールダー「え、所長……まさか先輩のことをそんな風に……?」
所長「ふぐぅ!? ち、違うわよ!? そんなことを考えてなんていないわ!! ちゃんと仲間として扱っていますとも!」
新殺「だったら、魔術の基礎もおぼつかないマスターに付き合って、特異点へ行ってくれるよな?」
所長「ふ、ぐ、そ……それ、は……!」
不夜殺「ま、人手が足りぬからしょうがないの! 残念じゃったな、くふふー!」
所長「ぐぬうううううううううううううう!!!」
41: 以下、
所長「じゃあ、せめて戦力増強するわよ!! 力になりそうなサーヴァントを片っ端から召喚してやるわ!!」
新茶「あ、言い忘れていたが、新しく召喚したサーヴァントも漏れなく真名不明になるヨ」
所長「なんですって!?」
不夜術「この”真名秘匿空間”に例外はないので……」
所長「え、じゃあこれから出会うサーヴァントは全員!?」
新殺「真名不明だな!」
所長「特異点で出会うであろう過去の偉人も!?」
インフェルノ「真名不明です」
所長「この事件の黒幕でさえも!?」
パライソ「真名……不明です!」
ドクター(なんで得意気なんだろう……)
所長「じゃ、じゃあ、その真名秘匿空間とやらを解除すれば……」
不夜術「その際は、所長がまた消滅することになりますが……」
所長「オ゛ア゛ァ゛ー!!」バターン!
シールダー「あぁっ! 所長が倒れた!!」
ドクター「前途多難だ……」
42: 以下、
???ここからの特異点修復はダイジェストでお送りします???
【第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン】
フランスの復讐者「我が復讐の炎ですべて焼き尽くして……!」
新宿狼「アオオオオオオン!!(宝具解放)」
仏讐「ギャアアアアアアアアアア!!?」
フランスのキャスター「聖処女ォーーーーーーーーー!!?」
不夜殺「復讐者とか言っておきながら、ルーラークラスで来るからこうなるんじゃよ」
新殺「張り切ってんなー、あいつ」
新茶「まぁ、ぶっちゃけ彼がまともに活躍できるのはここだけだからネェ……」
新宿狼「ウォン!?(訳:マジで!?)」
所長「というか、なんで私が背中に乗せられてるの!?」
シールダー「なんでも、冬木でのドライブが忘れられないとか、首無し騎士さんが……」
首無し騎士【(^^)b】
所長「スケッチ持ってるなら横着すんなや!! ちゃんと文字を書きなさいよ!!」
首無し騎士【(´・ω・`)】
フランスの調停者「あの……なんで皆さん、真名看破が効かないんですか?」
不夜術「……NKF(名前隠すフィールド)のリソースがあのサーヴァントにどんどん消費される……! 死んでしまいそう……!!」
ドクター(名前が変わっている……)
43: 以下、
【第二特異点 永続狂気帝国 セプテム】
ダサいネクタイの教授「ハハハハハハ! また会ったなカルデアの諸……なんだこの名前は!?」
新殺「あ、生きてた」
所長「そういえば、彼事情を知らないのよね……」
教授「ええい! あの時のようにはいかんぞ!!」ズゴゴゴゴゴゴゴ!
ドクター『特異点Fの時と同じ反応だ! 気を付けて!!』
魔神柱「私は七二柱の魔神が一柱! 魔神……!」
エルバサ「あん?」ゴゴゴ……
魔神柱「……魔神柱である!!」
ローマの皇帝「あやつ、名乗りを妥協しおったぞ?」
シールダー「以前のトラウマがしっかり残っていたようですね……」
ドクター『まぁ、どっちにしろ真名は言えないんだけどね』
所長「というか、ネクタイに負けず劣らずキモいデザインね」
不夜術「では、キモいデザインの魔神柱に改名しましょうか?」
所長「あ、じゃあ頼めるかしら?」
キモいデザインの魔神柱「なぁ!? 勝手に人の名前を!!」
所長「あーっはっはっはっは! ざまあ無いわね!!」
ドクター(ほんと、強くなったなぁ、所長……)
44: 以下、
【第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス】
小物の船長「おいおいおい!!! なんだこの名前は!!! 断固抗議する!!!」
獅子のアーチャー「いや、ぴったりじゃないか?」
投石のアーチャー「というか、なんでライダーじゃないんだろうね?」
レジ騎「あいつがライダー名乗って戦ってる姿、想像できるか?」
スイーツのアーチャー「無理ね!」
大海原のランサー「言われてますよ、大将?」
小物「クソッ! クソォ!! なんでお前たちの名前は普通なんだよ!! おかしすぎるだろ!!」
スイーツのアーチャーの熊「そんなことないよ? 見てごらん、本当は俺が本体のはずなのに、添え物扱いだよ? だから、君も諦めよ?」
小物「いいや拒否する!! そも、愛称とかで言うならあいつはBBAって言われてなきゃおかしいだろ!!」
大海原の船長「あいつ、少し前に倒したオタクのライダーの生まれ変わりだったりするのかい? 砲弾ぶち込みたくて仕方ないよ!!」
大海原の船員「やべえ! 船長がマジ切れでいらっしゃる!!」
所長「どうでもいいから早くしてぇ……船酔いで気分が悪く……うぷっ!」
シールダー「すっかり吐き癖がついてしまいましたね……」セナカサスサス
45: 以下、
【第四特異点 死界魔霧都市 ロンドン】
ロンドンのセイバー「蒸気のキャスター、錬金術のキャスター、魔霧の魔術師に、交流のアーチャー、ダメ押しに魔霧のランサーと来て、もうさすがに看板だろうと思ったら……!」
魔術王ソロモン「ふん、気になって足を運んでみれば……」
ゴールデンのバーサーカー「おい! 話が違うんじゃねえか!? あいつ、真名を名乗れてんぞ!?」
所長「ちょっと、キャスター! どうなってるの!?」
不夜術「秘匿空間はまだ生きています……! ルールは間違いなく彼にも適応されているはずです!」
ソロモン「凡百のサーヴァントが拵えた結界が私に効くとでも?」
ロンドンのキャスター「格が違いすぎるな! ということは……なるほど、あいつグランドクラスか!」
不夜殺「皇帝たる妾よりも上の霊基だとぅ!? 不敬にもほどがあろう!! ずるいぞ!!」
ソロモン「……やかましいな……やはり羽虫はここで潰しておくべきだな」ズドドドドドドド!
新殺「うおわああああああああ!!」Weak
シールダー「まずいです、このままでは全滅してしまいます!」
新茶「うーん……業腹だが、この場であいつをとっちめる策が何一つ用意できん!! 代入できる値が足りなすぎる!!」
所長「そう? だったら決まりね!! 全員撤退よ!! アヴェンジャー!!」
新宿狼「ウオ――――――――ン!!」ドドドドドドドドドド!
ドクター(すっかり騎乗に慣れてらっしゃる!?)
インフェルノ「ついでにこの空間を潰して足止めします! でぇい!!」ズドォン!!
ソロモン「……天井を崩して……まあいい、人理焼却までの短い命、せいぜい堪能するがいい」
所長「うるさい!! 私たちは絶対に生き残ってやるんだから!! 首洗って待ってなさい!!」
46: 以下、
【第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム】
――――ワシントンSide
アメリカのライダー「……なんなのこの名前? 決めた奴を連れてきなさい!!」
〔ハーレーを乗り回しそうな名前してますよね〕<ポーン
米騎「全くよ!! まぁ、確かにライダースーツを着込んだ私はさぞかし美しいことでしょうけど? それとこれとは話が別よ!! この名前は全然おしゃれじゃないわ!!」
不夜殺「ビッ〇のライダーとか言われんかっただけ、まだマシだと思うが……」
パライソ「あの露出度はいかがなものかと思います」
新殺「だよなー。あれ、ほとんど下着だよなー」
アメリカのセイバー「いや……そなたらの姿も大概だと思うが……」
アメリカのバーサーカー「それよりも、私はその痣が気になります。もしや未知の感染症では……!」
パライソ「ひっ……!」
新殺「マスター、助けてくれ!! あの姐さん何度言っても話が通じない!!」
野獣のバーサーカー「ピーチクパーチクうるせえなぁ。真名秘匿なんてどうでもいいじゃあねえか。どうせお前ら、全員俺に殺されるんだからよ」
エルバサ「名前の通り、矜持すら持たぬ野獣とはな……よかろう、そこまで吠えるならば、せめて私を楽しませて見せろよ」
野狂「テメエこそ俺を楽しませられるのか? その綺麗なお顔に傷がつかねえうちに引っ込んでろ」
〔あ、言っちゃった!?〕<ポーン
エルバサ「今、この顔のことなんつったぁ!!?」プッツ――z__ン
シールダー「退避!! 皆さん、退避です!!」
米剣「なんだ!? いったい何が始まるのだ!?」
新殺「大惨事大戦だよ!! ホワイトハウスダウン!!」
<■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!
<ハハッ、スコシハタノシメソウジャアネエカ!!
47: 以下、
――――荒野Side
所長「……士気に関わるけど、とりあえず言うわ……これ、さては無理ゲーね?」
魔神柱’s(ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ)
不夜術「ふっ……」スゥッ
新茶「待ちたまえキャスター君!! 我々を置いて座に帰ろうとしないで!!」
不夜術「無理です!! 絶望感だけで死んでしまいます!!」
直流のキャスター「だがやるしかあるまい! 魔神柱など何するものぞ! 我が直流によって、一切灰塵へと変えてやろう!!」
インフェルノ「いいでしょう! 私も出し惜しみはしません!! この身に宿す鬼の力、余すことなくご覧にいれましょう!!」
アメリカのキャスター「あー……張り切ってるとこ悪いんだけども……なんとかなりそうよ?」
新宿狼「グルルルルルアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」ズバババババババババ
緑衣のアーチャー「ステータスにめちゃくちゃ補正が掛かってないか!?」
新茶(そういえば地元だったネ)
レジ騎「ハッハー!! 俺も調子がいいぜ!! 錨が出し放題だ!!」ジャラララララ!
不夜術(厳密には彼は地元ではないような……)
アイドルのランサー「よーし! なんだかアタシもノってきたわよ! 応援として一曲歌うわ!!」ボエー!
新宿狼「キャイン!!?」Weak
所長「アヴェンジャーーーーーー!?」
緑茶「お前、ホントいい加減にしろよ、この駄竜!!」
48: 以下、
【第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット】
ガキィン! ガキィン!
キャメロットの女神「もう何度宝具を打ち込んだと思ってる!! いい加減倒れろ、シールダー!」
シールダー「倒れません! だって私には倒れちゃいけない理由があるから!!」
※退場組
新茶「そうだー! 頑張れー! 草葉の陰から応援してるぞぅ!」←早々にやられた
インフェルノ「丹田に力を籠めて耐えるのです!」←同じく
エルバサ「膂力を振り絞れ!! 貴様なら出来る!!」←宝具一発はなんとか撃った
新殺「あっつ!! 熱波で肌が焼ける!!」←星出してリタイア
パライソ「今ほど、この装束を恨んだことはないです!!」←宝具封印は弾かれた
不夜殺「妾の玉のお肌を何と心得る!!」←バフ撒いて退場
新宿狼「クゥン……」←結構耐えたが、素の体力の低さが祟った
※生存組
レジ騎「諦めねえのは確かに俺の信条だがよ……正直、堪える……」←ガッツでなんとか
不夜術「早く死んでください!! 私が死なないために!!」←王特攻でなんとか
銀腕の剣士「腕溶けそうです」←相性でなんとか
天才「ははは、気を抜いたらみんな仲良く座に直帰だね!」
所長「相性悪すぎなのよ!! シールダーがいなかったら、とっくに戦線崩壊してたわよ!!」
シールダー「……というわけです!!! 全く、肝心な時に居ないあのごく潰しが恨めしいです!!」
<グオオオオオオオオオオオオオオオ!? キュウニココロガイタイ!!
<……イイキミダナ……
49: 以下、
【第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア】
所長「アヴェンジャー!! ロールしつつ突進で回避!!」
新宿狼「ウォン!!(訳:合点!)」ダッ!
悪泥のバーサーカー「ちぃっ! また首をはね損ねたか! 人の身だというのに死線を見極めるとはな!! 」
所長「こっちはその死線の先に行ったことあんのよ!! 憶えてないけど!!」
パライソ「もはや、ものの〇姫にしか見えませぬな……」
シールダー「ウルクの生活でずいぶん鍛えられましたからね……」
??????
バビロニアのランサー「頭脳は十分……となれば、あとは筋肉をつけましょう!!」
所長「ぬおおおおおおおおおおおお!?」
??????
バビロニアの賢王「優秀ならば手を動かせ!! まだ粘土板は山と残っているわ!!」
所長「うぬううううううううううううううううう!!」
??????
ジャングルのライダー「まずは受け身! 次に受け身! 最後に私とスパーリングデース!」
所長「ぐわあああああああああああああ!?」
??????
所長「体に筋肉が満ち足りている……もう何も怖くないわ!!」
〔それフラグですよ、所長!?〕<ポーン
ドクター『ねぇ、終わった? 僕、あんな所長見てられないんだけど!? 終わった!?』
50: 以下、
【終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン】
51: 以下、
ソロモン「……大人しく人理焼却を待てばいいものを、わざわざ死にに来るとはな」
所長「死ぬつもりなんて微塵も無いわ。ましてや”偽物のソロモン”にやられるなんて不名誉、許容できるわけないでしょ」
ソロモン「ほう? なぜ偽物だと?」
シールダー「女神やビーストクラスでさえ真名を名乗れなかったのに、あなただけが例外というのは、やはりどう考えても不自然です!」
不夜術「この術式はとても繊細なのです……誰か一人でも真名を名乗れたのであれば、その時点で法則が破綻するようにできています……」
新茶「だというのに、君は魔術王ソロモンを名乗ったのだから、その名前が偽りであると考えても不思議はないと思うが、いかがかネ?」
ソロモン?「ハハハ!! よくぞ見破った! 確かに私は本物のソロモンではない!!」ゴゴゴ……
インフェルノ「姿が変じていきます! お気を付けを!」
極点のビースト「我が名は極点のビースト! 人理に終焉をもたらすものである!」
所長「……鹿?」
シールダー「鹿っぽいです」
不夜殺「鹿にしか見えぬ」
パライソ「むしろトナカイでは?」
新殺「あんなゆるキャラいたよな」
エルバサ「角へし折って飾りにしたい」
レジ騎「角が高く売れそう」
インフェルノ「私もよく鹿を狩ったものです」
新茶「鹿撃ち……ハンチング帽……うっ! 頭が……!」
不夜術「とりあえず、突進を警戒しておきましょうか」
ビースト「よーし、有無を言わさず消し飛ばしてやる!! そこに並べ!!」
52: 以下、
―――――――――
――――――
―――
所長「マシュ! マシュ!!」
〔……!? あれ、名前が!〕<ポーン
不夜術「……彼女はこの結界のルールから外れました……つまりは……」
所長「ッッ!! あなたよくもマシュを!!」
ビースト「なんだ? 寂しくなったか? ならば、すぐにでも彼女のもとに送ってやるぞ?」
パライソ「お館様、奴はまだ余力を残しております。奴はまだ、あの宝具を撃てます……!」
レジ騎「なんて燃費してんだよ……! 一度防ぐだけでこっちは限界だってえのによ!」
エルバサ「おのれ認めんぞ……! このまま力尽きるしかないなどと……!!」
新茶「だが、現状我々に打てる手は何一つない。せめて一矢だけでも報いてみるかネ?」
所長「ええ! そうさせてもらうとするわよ!! ガンドでもなんでもやってみて傷の一つでもつけてやらないと気が済まないわ!!」
???「いやいやいや。そこはちょっと落ち着きましょうよ、所長」
所長「え……ドクター!? あんたなんでここにいるのよ!?」
ドクター「それはもちろん、あなたの手助けのためですよ所長。職員が上司の手伝いをするのは当たり前でしょう?」
ビースト「な……そんな、貴様は!? あり得ぬ、そんなはずがあるはずはない!! なぜだ、なぜここにいるのだ”魔術王”!!」
ドクター?「ご指名もあったし、時間も無いから巻きでいこうか」シュワァ……
所長「ドクター、あなた……!」
イスラエルの魔術王「我が名はイスラエルの魔術王。ビースト、お前に引導を渡すものだ」
〔…………ドクター〕<ポーン
真・魔術王「……君には謝らないといけないね。せっかく所長を助けてくれたと言うのに、君の恩に報いるにはこの方法しか無い、なんてね」
所長「何を……一体なんのことよドクター!! あんた何をするつもりなの!? 私は絶対許さないわよそんなこと!!」
真・魔術王「すみませんね所長、後は頼みます。さぁ、いこうかビースト」 【訣別の時来たれり、其は世界を手放すもの】
ビースト「やめろ! やめろおおおおおおおおお!!」
53: 以下、
ビースト「魔神が……! 結合が解けていく……!!」
ロマン「……どうやらうまくいったみたいだね。新宿のアーチャー君にならうなら、ジョーカーを切らせてもらったってとこかな」
新茶「全くだヨ。常々何かあるナーとは思っていたが、まさか自爆特攻をしでかしてくれるとはネ!」
ロマン「よく言うよ。君たち、僕の正体は分かっていただろう?」
インフェルノ「……ええ、我らは未来に縁を結んだサーヴァントですので」
ロマン「ああ、道理で……所々、手際が良すぎるとは思っていたけど……」
パライソ「申し訳ございません……我らに力があれば……」
ロマン「ああ、気に病む必要はないさ。それに、今は謝罪よりも別のものを見せてほしいな」
〔……みんな、戦闘準備〕<ポーン
所長「……ソロモン王……いえ、ロマニ・アーキマン。あなたが最後に見るものは、私たちの勝利よ! カルデアの所長として、盛大に送り出してあげるから!!」
ロマン「ありがとうございます、所長。あなたは、やはり前を向いて頑張っているほうが似合います」
ビースト「ええい、まだだ、まだ間に合う! 我らの結合が解けきる前に光帯を回し、人理焼却を達成してやるとも!!」
所長「上等よ!! こっちもとっととあなたを倒して、人理保障を達成してやるんだから! 行くわよアヴェンジャー!!」
新宿狼「ウオオオオオオオオオオオオオオオン!!」
パライソ「所長殿!? 出すぎでございます! 少しは自重を!!」
新殺「ええい、大人しくできないのかね、あの主様は!!」
ロマン「…………さすがにここまで逞しくなるとは……思ってもみなかったなぁ……」シュゥゥ……
54: 以下、
―――――――――
――――――
―――
所長「もうちょっと……! もうちょっとだから、頑張ってねアヴェンジャー!」
新宿狼「ウォン!」ドドドドドドドドドドド!
天才『急いでくれたまえ! 思ったよりも崩壊の時間が早い!!』
所長「分かってるわよ!! マシュとロマンが助けてくれたのに、ここで死んでたまるもんですか!!」
パライソ「……!! 止まってくださいお館様方!」
所長「何言ってるのよパライソ!! 止まれって一体どういう……!」
???「こういうことだよ、カルデアの諸君」
新茶「あー……君も大概しつこいネ。少しは往生際よくできないものかネ?」
人王ゲーティア「生憎と物分かりが良いほうではないのでね……最期の勝ちまでは譲れないというわけだ」
天才『おいおいおいおい、これは不味いぞ! ここでゲーティアの相手をすれば、確実に間に合わなくなる!!』
ゲーティア「それはいいことを聞いたな。では、全力で邪魔をさせてもらうとしよう」
所長「……カルデアのマスター。ここは私が食い止めるから、あなたは先に逃げなさい」
〔……嫌です〕<ポーン
所長「聞き分けなさい、これは所長命令よ!!」
〔絶対に嫌です!!〕<ポーン
所長「私は”真名秘匿”によってなんとか生きている身よ!? 元に戻った世界で生きていられる保証なんてないの!! だから、あなたが戻ったほうがいいって言ってるじゃない!!」
〔違う! 全然違いますよ所長!〕
所長「何が違うって言うの!?」
「あなたは最初から死んでなんていないんです!!」
55: 以下、
所長「………………何、よ、それ、一体どういう……」
「バビロニアで賢王が言ったよね。人理を修復しても、死んだ人は生き返ったりしない。単に帳尻が合うようになるだけだって」
「そりゃ、その通りだよね。一度死んだ人間がそう簡単に生き返るはずがない。そんなこと、分かってた。分かってたつもりだった」
「それでも、私は助けたかった。あの時、誰にも褒められたことがないって、誰にも認めてもらえなかったと泣いていたあなたを、どうしても助けたかった!」
「そんな時に、私は偶然平行世界を渡り歩く人に会った。それで、思いついたんだよ。レイシフトでは救えない、でも平行世界なら所長を救えるかもしれないって」
「思いついた後は、カルデアにある文献をひたすら読んだり、契約している英霊のみんなに片っ端から聞いて回った。一度は行けたのだから、二度目もなんとかなると、信じて疑わなかった」
「だけど、ダメだった。渡りたい平行世界に行くための楔が、下総の時の宮本武蔵ちゃんみたいな縁が無いから、この世界に来ることが出来ないと……そう結論付けるしかなかった」
「もとよりただの思いつき、所詮夢物語だった……そう思って諦めようとしたその時に、私は声を聞いた。誰あろう、”自分自身”が助けを求める声を聞いた」
『自分は爆発事故で死んでしまった。あのままだと、所長は人理焼却を乗り切れずに死んでしまう。だから、あなたが代わりに所長を助けてあげて』
所長「っ!? じゃあ、あなたは……!」
「……死んでしまった”本来の48人目”の皮をかぶった、平行世界のカルデアから来た”49人目”のマスター。それが、この自分の……カルデアのマスターの正体です」
56: 以下、
「平行世界の自分の頼み……当然聞くつもりだったし、受けない理由はなかったのだけど、ここでいくつかの問題があった」
「一つは、平行世界に自分の世界の歴史を持ちこむ恐れがあるということ。死んだ自分と成り代わるという行為によって、”本来”の所長が死んでしまった人理に近づく恐れがあるということ」
「二つ目は、この平行世界へ行くことが、レイシフト以上に安定しないこと。もしも平行世界の人間だと気が付かれてしまったら、魂が世界から弾き飛ばされて元の場所に戻るかもしれなかった」
「三つ目は、手助け出来る時間が限られていたこと。自分の死が間違いなく確定する、人理修復までしか、所長を助けられなくて、その後の困難にはどうあがいても付き合えないこと」
「これらの問題を解決できなかったら、どのみちこの世界の所長は死ぬ。確信に近い予感があったから、自分は必死に考えた。どうすればいいか、ひたすら考えた」
「一つ目の問題の解決はある意味簡単だった。”本来”の世界との混線によって、所長が特異点Fでマスター適性を獲得してしまったことで解決できてしまった」
「”本来”の世界……”人理修復が可能である”ことが実証されている世界……その世界に歴史が近寄ってしまうのであれば、いっそ思い切り寄せてしまえばいい。ただし、役柄はすり替えさせてもらってね」
「すなわち、”人理修復”を成し遂げたマスターの役を、所長に演じてもらうこと。かつての旅路の追体験をしてもらうこと。そして、これによって三つ目の問題も自然解決した」
「だって、人理修復なんていう壮大な旅路を経験して、成長しない人間なんていない、でしょう?」
所長「な……! そん……な……!」
57: 以下、
「だけど、二つ目の問題が厄介だった」
「かつての人理修復で世話になった英霊は、ことごとく世界の壁に阻まれた……おそらく、問答無用で世界そのものにバレて、叩きだされたってことなんだろうと思う」
「かくいう自分にしても、数瞬前の自分と性別が一致しないくらい存在が不安定で、いつ正体がバレて締め出されるか分からなかった」
「だけど、安易に認識阻害の魔術を使っても、いずれは”認識が阻害されている”という違和感によって、全て破綻するかもしれない」
新茶「だから、我々は一計を案じさせてもらった。どうせ正体を隠すなら、もっと盛大にやってやれと、そう進言したのだよ」
所長「……新宿のアーチャー」
パライソ「我らは、人理修復のその先でマスターと縁を結んだ英霊なれば、この世界についてくることは容易でした。そして、”真名隠し”の実績があったから、この世界でも難なくそれを実行できた」
不夜殺「しかも今回の妾たちはスペシャルにやることにしたのじゃ! 認識阻害の術式を盛大に使って皇帝らしい豪華な真名隠しを実行したのじゃ!」
不夜術「ミスディレクション、という言葉があります……観客の注意を逸らすことで、真に隠したいタネを守るという、マジックのテクニックです……今回で言えば、私たちの存在がそうです」
新殺「俺たちがド派手に正体を隠したおかげで、マスターのささやかな認識阻害に目が行くことは無かった、だろ?」
エルバサ「そして、冬木で貴様が自分自身を死人だと勘違いしたことに、我らは乗ることにした。貴様を生き返らせるため、というでっち上げ話によって、全員に認識阻害をかけることに成功した」
インフェルノ「これで、もはやマスターが疑われることはなくなりました。全員が全員を正しく認識できないのですから、誰か一人に対して違和感が湧くなど、あるはずがございませんもの」
レジ騎「そうすりゃ、あとは波任せ風任せ! 成り行きのままに人理修復をすりゃあ、万事解決ってな寸法よ!」
58: 以下、
「だけど、まさかこんな問題が出るとは思ってなかったなぁ……思えばあの時は一人だけだったから、この空間の崩壊もまだ緩やかだったんだけど……」
所長「……今は、私とあなたの二人がいる……その情報量の多さによって、この空間の崩壊が早まってしまったということ?」
「多分ね……だから、あなたは先に帰るべきだ。どのみち、この終局より先には自分は付き合うことができないからね」
所長「……嫌よ! 仮にあなたの言う通りだとしても、私はカルデアの所長として、カルデアの職員を無事に帰す義務があります! それは、平行世界のあなたであっても変わらない!」
「……ははは、本当に強くなりましたね、所長……あなたの行く末を見ることができないのが、本当に残念でなりませんよ」
所長「そのセリフは、もう少し後にとっときなさいよ! まだ別れの言葉には早いんだから!」
「いいえ、これが今生の別れですよ……”ヘシアン・ロボ”!!」
ヘシアン・ロボ「ウォォォォォォン!」ガシッ
所長「!? ちょっとアヴェンジャー!? 何してるのよ、離しなさい!!」
「所長! これからも大変でしょうけど、あなたならきっと乗り越えられますよ! 頑張ってくださいね! あなたを助けられて、本当によかった! さようなら!」
所長「待ちなさい!! 待ちなさいよ!! カルデアのマスター!! 私こそ、あなたに礼を―――――………」
ウォ―――――――――――――――ン…………
59: 以下、
「……さて、ごめんね、待たせちゃったみたいで」
ゲーティア「なに、もとより一人は逃げるだろうと踏んでいたからな……それに、どうやらお前は平行世界の私に勝ったみたいじゃないか。ならば、リベンジ戦というのも悪くないだろ?」
「ははは、そうだね……うん、それじゃあ勝負の前に一つだけいいかな?」
ゲーティア「最期のわがままに付き合ってもらった礼だ。言ってみるがいい」
「……正直に言うと、本当はソロモン王……ドクター・ロマンも助けたかったんだけどね。でも、さすがにそれは欲張りすぎたみたい……悔しいなぁ」
ゲーティア「……気休めにはならんかもしれんが、その感覚は私もよく知っているとも」
「うん、知っているよ。だからこそあなたはビーストになってしまったんでしょ?」
ゲーティア「そうだな……では、そろそろ始めるとしよう。カルデアのマスター」
「うん。所長を救うための……この平行世界最後の戦いだ! 行くぞみんな!」
モリアーティ「さて、授業を始めようか!」
燕青「侠客として、ただこの拳を振るうのみ!」
武則天「聖神皇帝の威光にひれ伏すがよい!」
シェヘラザード「これが、山場ですね……」
ペンテシレイア「我が部族の力、存分に振るってみせる!」
コロンブス「金にはならなそうだが……名声に箔付けんのも悪かねえな!」
望月千代女「お館様、なんなりとご指示を!」
巴御前「いざ、ご下命のままに!」
―――
――――――
―――――――――
60: 以下、
―――――――――
――――――
―――
【人理保証機関 カルデア】
オルガマリー「…………」カタカタ……
マシュ「所長。資料作成、お疲れ様です。コーヒー、淹れてきました」トン
オルガマリー「ん……ありがとうマシュ。あと、そんなにかしこまらなくていいわよ。一緒に特異点を走り回った仲じゃない」
マシュ「いえ、それは……いいえそうですね。では改めて、これからは所長のことを”先輩”とお呼びすることにします」
オルガマリー「あら、それは浮気かしら? あいつに言いつけてやろうかしらね?」
マシュ「それは勘弁してもらいたいですね……それで所長、カルデアのマスターについてなんですが……」
オルガマリー「……全然駄目ね。カルデアのデータは全て破損・喪失してるし、カルデア以前の戸籍なんかも行方知れず。頼みの綱の家族にしたって、すでに死別している様子だったわ」
マシュ「そう、ですか……せめて名前だけでも知りたかったのですが……」
オルガマリー「全く! 真名不明にしたって限度ってもんがあるわよ!! 最後まで正体不明とか、協会への報告書をどう誤魔化したものか!」
マシュ「そうですね……誰も彼も真名すら知りえませんでしたが……でも、その生き方、在り様はとてもいい思い出になりました」
オルガマリー「マシュはのんきね、私は胃に穴が開きそうよ! あーあ、また特異点でも発生すれば、この仕事をダ・ヴィンチに押し付けられるんだけどなー」
マシュ「ふふっ……まさかそんな都合のいいことがあるわけ……」
ヴィー! ヴィー! ヴィー! ヴィー!
ダ・ヴィンチ『あーあー、すまない所長。緊急事態発生だ! つまらん仕事を放り投げてこっちにきたまえ!』
マシュ「…………」
オルガマリー「……口は災いの元だったわね……」
61: 以下、
ダ・ヴィンチ「あー、呼び出したりしてすまなかったね。用件について心当たりは?」
オルガマリー「……このカルデアで緊急招集がかかる事案なんて、特異点発生くらいしかないじゃない」
ダ・ヴィンチ「その通り! 日本の新宿で特異点の発生を確認! 年代は1999年!」
オルガマリー「……変ね。その時期に新宿で人理に関わる重大事件なんてあったかしら?」
ダ・ヴィンチ「さぁね、でも今は人理が不安定な時期でもある。どんな小さな傷が、綻びになるかわからない以上、放置しておくのも得策ではないと思うがね?」
オルガマリー「当り前じゃない! 私たちは人理保証機関カルデアよ! どんな特異点だって、見過ごすわけにはいかないんだから! レイシフトの用意を急いで!!」
マシュ「了解しましたマスター! どうか、お気をつけて!」
―――――――――………
【悪性隔絶都市 新宿】
???「いやー、すまんね所長君! もうちょっとだけ続くんじゃ、というやつなんだよ、これが」
オルガマリー「」
新宿のアーチャー「というわけで改めて名乗らさせてもらおう! 私の名は新宿のアーチャー! 真名は明かせないんだな! ゴメンネ!!」
オルガマリー「…………オ゛ア゛ァ゛ー!!!」バターン!
マシュ『先輩!? しっかりしてください先輩!! 先輩!!』
62: 以下、
短時間のお付き合いありがとうございました。
2周年記念からやり始めて、つい先日、ようやく亜種特異点攻略もすべて達成しました。
うちのカルデアで特異点Fからずっと頑張ってくれた、エルドラドのバーサーカーと新宿のアサシンへの感謝も込めて、このSSを書きなぐりました。
セイレムの前に投下出来て本当に良かったです。
最後のほうの説明は、テンションが乗りに乗った時に雰囲気で書いてしまったので、正直全然分からんかと思います。
本当に申し訳ない。
終局特異点は、あのストーリーの感動体験もあってか、あんまり茶化せなかったので、真面目というか中二臭くなってしまいました。
一応補足すると、カルデアのマスターは、あの後元の編纂事象に戻りました。
というか、本来のFGOでも早く所長が復活してほしいです。
セイレムで何とか……なりませんかね?
それでは、HTML依頼出してきます。
最後にもう一度、お付き合いありがとうございました。
64: 以下、
良い作品だ
感謝&乙
65: 以下、
乙、面白かった
所長は年末あたりに今度こそ復活するはず…
元スレ
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美琴「……レベル5になった時の話ねえ………どうだったかしら」御坂美琴のレベル5に至る努力の経緯
上条「食蜂って可愛いよな」御坂「え?」ストレートに上食。読めて良かった
一方通行「もっと面白い事してモリモリ盛り上がろォぜ」こんなキャラが強い作者は初めて見た
美琴「週末は アイツの部屋で しっぽりと」超かみことを見てみんなで悶えましょう
ミサカ「たまにはMNWを使って親孝行しようぜ」御坂美琴のDNAは究極に可愛くて凄い
番外個体「 」番外通行SSの原点かな?
佐天「対象のアナルを敏感にする能力か……」ス、スタイリッシュアクションだった!
麦野「どうにかして浜面と付き合いたい」レベル5で楽しくやっていく
ミサカ「俺らのこと見分けつく奴なんていんの?」蒼の伝道師によるドタバタラブコメディ
一方通行「あァ!? 意味分からねェことほざいてンじゃねェ!!」黄泉川ァアアアアアアアアアア!!
さやか「さやかちゃんイージーモード」オナ禁中のリビドーで書かれた傑作
まどかパパ「百合少女はいいものだ……」君の心は百合ントロピーを凌駕した!
澪「徘徊後ティータイム」静かな夜の雰囲気が癖になるよね
とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)【禁書×けいおん!】舞台は禁書、主役は放課後ティータイム
ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」これは無理だろ(抗う事が)
岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」ゲェーッハッハッハッハ!
紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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