【モバマス】多田李衣菜「サバの味噌煮」back

【モバマス】多田李衣菜「サバの味噌煮」


続き・詳細・画像をみる


みくりーなへの挑戦
前作
塩見周子「ぜんざい」
2:以下、
秋風がしっとりと冷たい、10月の夜。
多田李衣菜はダイニングルームで、前川みくの帰宅を待っていた。
2人はユニットを組んで長いが、ここのところ、個別での出演が増えている。
だがそれによって、かえって李衣菜は、
みくへの思いやりが深まっていくような気がする。
寮のルームメイト、仕事仲間、どれにも当てはまらない温かな気持ち……。
3:以下、
テーブルの上には、李衣菜が用意した夕食がある。
収録で疲れていて、なにかと食生活が偏りがちなみくのために、
腕によりをかけて作られた料理。
だが、李衣菜はかすかな不安を感じていた。
扉が開く音。
李衣菜はぱたぱたと玄関に向かった。
「たっだいまにゃ〜!」
みくが帰ってきた。
4:以下、
「おかえり。収録はどうだった?」
「ばっちり!
 
お茶の間のみんなもみくに夢中になること間違いなしにゃ!!」
みくは意気揚々をダイニングへ向かう。
「良い匂いがするにゃ〜」
「うん…ご飯もちょうど炊き上がるようにしておいたから」
李衣菜は新妻のように甲斐甲斐しく、みくの後ろを追った。
だが、ダイニングに入った途端、みくは声を低くした。
5:以下、
「これ、どういうこと?」
みくが目にしたのは、李衣菜が用意した夕食。
普段のみくなら、李衣菜の献身をねぎらうなり、感謝するなりしただろう。
テーブルの上に、魚料理さえなければ。
「りーなチャン、みくがお魚嫌いなの知ってるよね」
あからさまに不機嫌な顔をして、みくが言った。
それに怯えたわけではないが、李衣菜はか細い声で返事をした。
「うん…でも、お魚には栄養がいっぱいあって、
 私は…ただみくちゃんの身体のことが心配で…」
「健康管理くらい、自分でできるよ!!」
6:以下、
李衣菜はみくの怒りと、自分の迂闊さに心が苦しくなった。
みくは他のアイドルと比べて、デビューが少し遅れた。
その影響か時々、異様なほど他者からの干渉を嫌う。
腫れ物のように扱われた時期が、彼女の自立心をささくれ立てせてしまったのだろう。
だが、本来のみくは心優しい少女である。
李衣菜が怯えているのに気づいて、顔をそっと伏せた。
「…大声出してごめん。
 でもみくは、疲れたときは好きなものを食べたいの…にゃ」
外で食べてくる、とつぶやいて、みくは部屋から出て行った。
7:以下、
1人残された李衣菜は、がっくりと肩を落とした。
けれでも胃袋は空腹を訴えていたから、夕食をとることにした。
ほかほかの炊きたてご飯を、お椀によそってテーブルへ。
一人分の「いただきます」が、やけに部屋に響く。
8:以下、
李衣菜はまず、小鉢に箸をのばした。
ほうれんそうの胡麻和え。
きちんと水を絞って味付けをしたので、箸あたりがしんなり優しい。
口に含むと、青臭さを一切感じさせない、
ほうれんそうと胡麻のおだやかな風味が舌に広がった。
野菜の調理で腕前が知れるというが、その点で李衣菜は、
かなりの水準に達していた。
9:以下、
次に彼女が食したのは、野菜のオーブン焼き。
塩を軽くふって、ただ焼いただけの料理だったが、
その“焼いただけ”が良い仕事をしていた。
キャベツやパプリカは、砂糖をまぶしたのかと疑うくらい芳醇な甘み。
子どもたちに敬遠されがちなピーマンとナスも、御馳走へと変わっている。
李衣菜自身でも驚くくらい、ご飯が進んだ。
10:以下、
三品目はまいたけのお吸い物。
スーパーで特売であったため追加した料理であったが、
出汁は粉を使わず、昆布とかつおぶしから煮出した。
それが功を奏し、身体にしみじみと行き渡る、良い仕上がりになっていた。
そして彼女は、とうとう、みくと自分を引き裂いた相手と合間見えた。
11:以下、
サバの味噌煮。
今回の料理の中で、李衣菜がもっとも自信を持っていた一品である。
みくの嫌う魚臭さを最小限にすべく、最大限の努力をした。
わざわざ郊外の魚屋に出向いて、パックにされる前の新鮮なサバを手に入れた。
血抜きや臓物抜きも手際よくこなし、霜降り(お湯のまわしかけ)で身を締めた。
酒、生姜、味噌を絶妙なバランスで使い、時間をかけてゆっくりと煮込んだ。
少なくとも、調理は完璧だった。
それでは味の方はどうか。
12:以下、
塩分が気になって味噌を少し減らしたが、生姜が味のボリュームを支えている。
それでいてわざとらしくなく、きちんと味噌の旨味と調和している。
手間をかけた分、魚の身はほろほろとやわらかく、口の中でとろける。
今晩の夕食はすべて、最高の出来だった。
だからこそ、李衣菜は悲しかった。
みくちゃんに食べてほしかったなあ…。
李衣菜はゆったりとサバを味わいながら、
改めてみくの存在が、出会ったころよりも、
自分の中で大きくなっているのを感じた。
13:以下、
夕食後、李衣菜はみくの分を、自分のお弁当箱に詰めた。
明日の昼食にするつもりである。
だが、みくが食べるはずだったサバの味噌煮を、箸で持ち上げた時、
不意に涙がでてきた。
私は、いらない。
みくは、アスタリスクではなく、
前川みくという1人のアイドルとして、十分以上に活動できている。
健康や食事だって、李衣菜がいなくても、1人でなんとかするだろう。
李衣菜は知っている。
他のアイドルや、みくのファンよりも、知っている。
前川みくは、すごい女の子なのだと。
14:以下、
むしろ自分の方が、みくを必要としている。
憧れのロックなアイドルは、まだ遠い。
いや、ひょっとしたら、
アイドル人生を全てかけても、見つかるかどうかわからない。
親友の木村夏樹は
「その“わからない”に、“だけど”を返せるのがお前のロックだ」
と言ってくれた。
だが、どうしようもなく心細いときがある。
「塩分注意…なーんて…」
李衣菜は、涙がお弁当箱に入らないように、
顔をしばらく上げていた。
15:以下、
翌日、李衣菜はテーブルから顔を上げた。
お弁当箱におかずを詰め終わって冷蔵庫にしまったとき、
どっと疲れがやってきて、ダイニングで眠ってしまったのだ。
時計を見ると、プロダクションに行く時間が迫っていた。
立ち上がると、猫柄のブランケットが床に落ちたが、
李衣菜は気にもとめずに身だしなみを整えた。
そして部屋を出る直前、お弁当のことを思い出して、
冷蔵庫を開けた。
16:以下、
けれども、お弁当箱はなくなっていた。
おかしいな。
李衣菜は台所を探した。
そしてまさかと思って引き出しを開けてみた。
みくのお弁当用の箸が、なくなっていた。
李衣菜はきゅうと胸が苦しくなって、その場にうずくまった。
レッスンに遅れるのもロックかな…。
李衣菜はしばらく、痛いくらいにあたたかい気持ちを、抱きしめていた。
17:以下、

続き・詳細・画像をみる


人の悪口ばかり言っていた同級生Aが結婚したのは同級生B子。Aをよく知っているのに、何でB子は結婚したのかと思っていたら…

斉藤由貴かわいすぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

職場にちょうちょが入ってきた 上司「うおおおおお!」バシ ちょうちょ「」 俺「え……なんで殺したんすか…」

【伝説巨神】バンダイ、サイコジムとかいうトチ狂ったガンプラを発売してしまう

自作PC作っていくよ

焼き芋の皮、食べる?食べない?

【ハンターハンター】オイトの念能力の系統wwwwwwwww

【ハンターハンターネタバレ】ベンジャミンは具現化系wwwwwwww

今井絵理子議員と交際の神戸市議が辞意 こりゃあもう「魔性の女」やなぁwww

兵士「魔物の大軍が現れましたァ!」賢者「私に任せておくがいい」

居酒屋でサンマ食ってたんだが何これ??wwwwww

友人がいきなり私を孤立させようと奔走しだした。私の地元や学生のときの友人にまで接触しだした

back 過去ログ 削除依頼&連絡先