【デレマス近代劇】渋谷凛「Cad Keener Moon 」back

【デレマス近代劇】渋谷凛「Cad Keener Moon 」


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 ところで日露戦争っていつごろだっけ?
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【デレマス近代劇】渋谷凛「Cad Keener Moon 」
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2: 以下、
 大日本帝国は、露戦において戦術的な勝利をおさめた。
 しかし真に大衆が望んでいたのは、不敗の大和神話の幕開けではなく、
 困窮した生活を潤す賠償金であった。
 北方の島がいくらか手に入ったところで、なんだと言うのか。
 連日のデモ、打ち壊し、
 華族や富裕層を狙った強盗、焼き討ち、
 民衆の怒りはとどまるところを知らぬように見えた。
3: 以下、
だが、彼らの心に、
「この国は変わらない。
自分達は搾取の構造から抜け出すことはできない」
という一種の諦観がなかったとは言い切れない。
いくらデモを行っても、状況は一向に改善しない。
憲兵達の目は、ぞっとするほど冷ややかだった。
4: 以下、
 それでも一縷の希望にすがって、運動は継続された。
 いつかきっと、いつかきっと。
 その“いつか”は、誰にも分からなかった。
5: 以下、
今年30になる海軍将校は、生娘のように恥じらった。
 
見合いの席だったのだが、婦女相手に相応しくない話をしてしまった。
「軍艦のお話、とても興味深かったです」
そう言って微笑むのは、神谷奈緒という少女。
燻んだような栗色の髪。くっきりとした眉。
夕暮れのように、静かな情熱を秘めた瞳。
一般的には、小生意気という印象を与える容貌。
だが、将校は彼女を一目で気に入った。
仕事上留守にすることが多く、なよっと儚い女では、
家を回していけないと思うからだ。
6: 以下、
「いや、申し訳ない。
 女性のお方にはつまならい話を…」
その言葉を聞いて、奈緒の眉がぴくりと動いた。
「あたしを普通の女と一緒にしないで欲しい」
 先ほどと、口調ががらりと変わった。
“化けの皮が剥がれた”、将校はそんな印象を受けた。
生意気で、無礼な口の聞き方。 
しかしそれが彼にとっては、
かえって打ち解けているように感じられた。
「だから軍艦のお話、もっと聞かせて?」
夕暮れが、とろん、と揺らめいた。
将校は彼女に勧められるまま、話を続けた。
7: 以下、
留置所の看守は眉をひそめた。
先日逮捕された女が、牢の中で騒いでいる。
「キャハ〜っ!
 
 加蓮ちゃん最ッ高!!」
長い髪をぶんぶん振り回して笑い転げている。
同じ牢の女がなにか面白い冗談を言ったらしい。
8: 以下、
「大槻っ!
 静かにしろ!!」
 「あぅ…スイマセーン…」
 看守が怒鳴ると、彼女はしおらしくなった。
 その仕草に嗜虐心か、ある種の意外性が
 喚起されたのか、彼の胸は高鳴った。
 大槻唯。
 埼玉から東京のデモに合流し、商家の打ち壊しを行った。
 素性を調べると、女学校を中退して、
 ほぼ家出状態だという。
 彼女にとっては、日露戦争の実質的な敗北など
 どうでもよく、ただの気晴らしなのかもしれない。
 看守は唯を見つめながら、自身の太ももをさすった。
9: 以下、
 ひゅうひゅうひゅうと、激しい風が、
 橘ありすの髪をさらった。
 彼女はいま、炭水車の上部にいた。
 なぜ自分がこんな場所にいるのか、
 自分でも分かりかねていた。
 数年前まで、自分は巴里にいて、
 学友達にからかわれながらも、
 そこそこ楽しく毎日を過ごしていたはず。
 それなのになぜ。
 考えても疑問は尽きない。
 結局水奏という女がどうなったのかも分からないし、
 隣室の安部菜々が、政府直属のスパイだったことに対しても。
 京の老舗塩見屋に、娘などいなかったことも。
 世界は、ありすにとって分からないことだらけ。
10: 以下、
 もしかすると、橘ありすの人生は、誰かしらの作為によって、
 生まれた時から操作されているのではないか。
 真実などどこにもなく、 
 自分は、自分が知らぬうちに喜劇の役者として、
 物語の中で生きているのでは。
 そんな真っ暗な不安が、頭のなかをぐるぐるした。
 しかしありすの身体は思考に関係なく動いた。
 炭水車の外壁に4、5箇所適当な穴を開ける。
 水がしゅるしゅると、風に流れて散っていった。
11: 以下、
 日本人の若き外交官は赤面した。
 目の前の、露西亞語の通訳の女。
 新雪を思わせるような、爽やかな銀髪。
 とろりと滑めらかに白い肌。
 高すぎず、ちょうどいい形の鼻。
 そして星空のように、深みのある碧眼。
 名前はアナスタシア。
 半分露西亞の血が入っているらしいが、
 そんなことは頭から吹き飛んでしまうくらい、
 彼女は美しかった。
12: 以下、
 内閣は外務に、露西亞との交渉を試みるよう指示している。
 あくまで、“試みる”ように。
 はじめから何かが引き出せるとは、誰も思っていない。
 ただ、努力はしたというポーズを
 国民に見せることが重要なのだ。
 若い外交官は、根室に新設された、
 対露専用の来賓館に派遣された。
 実質これは、左遷に近かった。
 成果を期待されない仕事に従事するのは、
 同じく期待されない人間のみ。
 彼は自身の身を嘆いていた。
13: 以下、
 しかし、アナスタシアを見ていると、
 別にいいかという気がしてくる。
 公職という立場で、見目麗しい女性と
 忌憚ない言葉を交わせるなら、
 肌寒い境遇も少しは温められる。
 いやむしろ、なにもせずとも給料が払われるだけ、
 自分が随分な身分になったような気さえした。
「どうか、しましたか?」
 黙っている青年を見て、アナスタシアが首をかしげた
 その仕草が愛らしくて、彼は心中で、
 露西亞万歳を三唱した。
14: 以下、
ある意味、幸福な男であった。
15: 以下、
記者の渋谷凛は、目の前の女を吟味した。
流れるような蒼の短髪。
サングラスをかけていて、目線は分からない。
季節は冬だが、肌はすべすべとしている。
唇がやけに艶かしく、同性の凛でも妙な気持ちになる。
「さて、どんな話を聞きたいのかしら」
彼女は、情報屋を名乗った。本名は教えてくれない。
「そうだね…とりあえず、
 軍部について…」
内容ゆえ、声量は下げた。
料亭の個室とはいえ、安心はできない。
隣に聞かれるのも不都合で、
一見おすまし顔の女中なども、“口が滑りすぎる”。
16: 以下、
「…ざっくりね」
女は苦笑した。
軍部は対露戦の勝利に酔い、
新たな戦争の準備を始めているという噂があった。
さらに国民には秘密にスパイの
養成機関を作ったという情報も凛は掴んでいた。
17: 以下、
「…英吉利から最新の軍艦を買い付けるらしいわ。
 それも三隻」
凛は言葉を失った。
今の日本のどこから、そんな金が出てくるのか。
「…軍部は、国会に圧力をかけてる…」
軍事予算の拡大、つまるところ大増税。
公表されれば国民は激怒を通り越して、卒倒するやも。
「…証拠は?」
凛は尋ねた。口先の言葉だけで、記事は書くことはできない。
巷には根拠のない風説を垂れ流す新聞社があふれているが、
凛のプライドはそれを許さない。
異端ともいえる女の記者であったが、
彼女の職業精神はきわめて高潔である。
18: 以下、
「証拠ね…ふふっ、少しは自分で努力をしたら?」
お前自身で探せ、というつもりらしい。
「その件は…まず保留で…
 次は…デモの動向について」
凛は尋ねた。
小規模ではあるが、
打ち壊し、焼き討ちは確実に増えている。
警官隊、憲兵との衝突もあり逮捕者、
および死傷者の数も増大している。
いまだ運動は決め手に欠けるところがあるが、
記者としては見過ごせない。
19: 以下、
「…デモはもうすぐ終わるわ。
 貴女が調べる必要はまったくない。」
凛はむっと、声を漏らした。
お前がやる必要はない。彼女が一番嫌いな言葉である。
それと、凛の私感から言って、デモはまだ終わらない。
まだまだ、本番前の余興といってもよいくらいだ。
「…ずいぶんな決め付けだね…証拠は…自分で探せ?」
凛が尋ねると、情報屋はにっこりと笑った。
そして、それじゃあ、と
別れの投げキッスをして部屋から退出した。
不覚にも、凛の胸は高鳴った。
20: 以下、
鷺沢文香は、数年前に欧州で出版された、
天文学の論文を読んでいた。
コーヒーが空になって、すでに数時間が経過しているが、
喫茶店の店主は咎めない。
文香は馴染みの客である。
「お腹すいた〜ん♪」
喫茶店のドアが、少々乱雑に開かれた。
入ってきた女は、空いているのに文香の横に
どっかりと腰をかけた。
「ん、何読んでんの?」
彼女は、文香の読んでいた本をばしりと取り上げ、
ぱらぱらめくった。
「つっまんない本」
そして、乱雑に文香の前に放った。
21: 以下、
「そんな本ばっかり読んでるから、表情も暗いし、
 雰囲気も暗いんだよ。
 もう、ちょっと新しくて過激なことでも始めたら?」
 打ち壊しとか、そう言って、女はけらけら笑った。
 文香は眉をひそめた。
「…言葉を…つつしんで……ください…」
 喫茶店の店主が、おや、という顔をした。
 文香が怒るのは珍しい。
 まあ、あれだけ失礼な態度をとられれば、
 無理もないが…。
「“つつしみ”……?
 帰ったら辞書で調べとくよ!」
 そう言って、また女はけらけら笑った。
22: 以下、
陸軍の大将は、執務室で傲岸な息を吐いた。
20年ほど前、海軍および政府と共同で、諜報機関を作った。
スパイなどという卑劣で陰湿な行為は、軍人としての矜持に
反していたが、女がやるということで溜飲を下げた。
その諜報機関が、巴里で目覚ましい成果を上げた。
欧州列強のアジア戦略に関する機密文書を、
そっくり写して持ち帰ったのだ。
大活躍といっていい。
そのおかげで、戦略的にも少なからぬ利を得た。
23: 以下、
だが最近の諜報機関は、
どうも軍の意向から離れていっている。
政府と協同で、軍部の政治的な
台頭を抑えようとしているのではないか。
単なるやっかみなのかもしれないが、
機関の存在を知る者は、次第に懐疑的になりつつある。
たとえば、文書を国内でも暗号で
やりとりしている、という点が不審だった。
なぜ同郷の者に対してまで情報を隠そうとするのか。
自国にスパイが入り込んでいることを、
欠片も考慮できない人間達には、
それが重大な裏切りのように感じられる。
陸軍大将は部下に命じて、暗号の解析を命じた。
女性を蔑視している彼にとって、これ以上機関が
隠れて成果を上げるのは、許し難いことであった。
24: 以下、
渋谷凛は、あてもなく町をさまよっていた。
デモ隊のビラは、そこかしこに溢れかえっている。
運動が鎮まるような気配はない。
文学を専攻していた大人しい学生なども、
『革命』と題した詩集を
自費で出版するなどしている。
これが民衆の間では流行っているらしい。
気取った羅甸語などの詩を、読
めもしないのに囃し立てている。
馬鹿馬鹿しい。
凛は詩集を手に取った。
ぱらぱらと適当にめくる。
するとほどなく、
アルファベットの文字列が見つかった。
25: 以下、
凛は伊太利亜語に多少の覚えがあったので、
内容の咀嚼を試みた。
しかし、文章はまったく意味の通らないものだった。
読者どころか、書いている者も読めないのでは。
凛は苦笑した。
ナンセンスな文章を書き散らす
文豪気取りは山ほどいるが。
これもその類いか。
やはり馬鹿馬鹿しいと思いながらも、ページをめくる。
だが次第に、ページをめくる手がゆっくりになった。
詩集は流行している。
一般大衆の間で読まれている。
もちろん、デモに参加する人間も目にするだろう。
この一見不可解な文章は、もしかしたら…。
凛の、記者としての勘が疼いた。
26: 以下、
看守は、大槻唯の叫びを聞いた。
同じ牢にいる北条加蓮が、
胸の痛みを訴え倒れたという。
駆けつけると、加蓮は蒼白して
ひゅう、ひゅうと、不規則な息を吐いていた。
「このままじゃ加蓮が死んじゃうよ!!」
医者を呼んでほしい、と唯はすがりついて
看守に懇願した。
ここで、彼の嗜虐心が疼いた。
27: 以下、
「俺はその女が死のうと困らないな。
 どうせ外に出たら、またデモに参加して、
 世間様の迷惑になるんだ」
冷たい声で、そう言い放った。
唯は涙を浮かべてズボンを引っ張った。
彼女は荒い息を吐いて、服が乱れていた。
「助けて欲しいなら……どうする?」
下卑な顔をして、看守は尋ねた。
唯は、はっとした表情になった。
「分からない…」
「分かってるくせに」
看守は、唯のあごに手を添えた。
そしてもう片方の手では、ベルトを外した。
「やめて…」
唯が、ふるふると顔を横に振った。
そこで火がついた。
28: 以下、
「いい加減にしろよクソ野郎」
 看守の身体は炎に包まれていた。
 北条加蓮が、石油ランプを彼にぶつけたのだった。
29: 以下、
デモ参加者2名が留置所から脱走。
当直の看守1人が重度の火傷。
この知らせは醜聞として世間に流れた。
他に囚われていた人間が釈放された後、
外で看守の不埒な行為を証言したのだ。
 
警察と憲兵らは握りつぶそうとしたが、
ある出版者に切れ者の記者がいて、すっぱ抜かれてしまった。
30: 以下、
 さらにその記者は、恐れを知らぬのか、
 
 白昼堂々と警察署を訪ねてきた。
 だが、署内の皆が彼女の言葉に耳を傾けた。
 近日中に、大規模なデモ活動が
 神戸で展開されるという。
 それは『革命』という詩集の中に
 暗号として記されていて、
 過去の号の解読と、デモの発生を照らし合わせれば
 確かな情報だった。
31: 以下、
 これに応じて警官や憲兵だけでなく、
 陸軍からも大量の人間が
 次の活動地とされる神戸に配置された。
 対露戦の後も、東北に駐留していた兵士らもかき集められ、
 歴史上例を見ない大弾圧が始まろうとしていた。
 
32: 以下、
 陸軍大将は机を叩いた。
 怒りではない。喜びゆえに。
 渋谷という記者が解読した暗号は、
 機関で用いられていたものと一致した。
 これまで不透明だった作戦の数々が、
 陸軍にとっても明らかとなった。
 さらに、機関はデモ運動を操作し、
 軍部を意図的に疲弊させようとしている、
 という事実も分かった。
 これから、目にもの見せてくれる。
 陸軍大将は鼻息を荒くした。
 彼は、渋谷凛が女性であることを知らなかった。
33: 以下、
 最新式の軍艦は、まず大湊に入港する計画になっていた。
 都市部に近い横須賀などに置けば、国民が騒ぐ。
 既成事実として世論に受け入れさせるためには、
 周到な準備が必要なのだ。
 今はまだ、時期が悪い。
 軍艦を受け入れるにあたっての細かな
 日程の調整はすでに済んでいる。
 それが記された書類は、大湊から東京まで
 現在郵送中である。
34: 以下、
「うーん、まずい…」
 貨物列車の機関士は低く唸った。
 出発する前にはなかったはずの穴が、
 炭水車に空いている。
 このままでは運行に支障が出る。
 軍事に関わる書類なども運んでいるから、
 迅な対処が必要だ。
35: 以下、
幸い、車両基地がすぐ近くにあった。
機関士は、同乗していた兵士に説明をして、
停車の許可を得た。
やれやれ、これで一件落着。
彼がそう思ったのもつかの間。
車両基地には、デモ隊がひしめき合っていた。
まさか、貨物を狙っているのか。
冷や汗を流した兵士の1人が、車外へ引きずり出された。
さらに、銃を構えようとした別の兵士は、首を斬り落とされた。
「フンフンフフーンフンフフー♪」
その女は、陽気な鼻歌まじりで死体に近づき、
流れ出る血を、傷口からちゅるちゅる吸った。
「うーん、不っ味い♪」
その様子を見た機関士は、意識を失った。
36: 以下、
陸軍大将は机を叩いた。
今度は激怒と不安ゆえに。
神戸で起こった大規模デモの鎮圧には成功した。
だが、東北から東京に向かっていた貨物列車が襲われた。
それには、軍事機密の記された書類が荷物として積まれている。
37: 以下、
かなり深刻な状況だ。
機密を守れないというレッテルを
貼られるのもまずいが、
なにより内容が明かされるのがまずい。
デモはさらに激化する。
国民を弾圧したという汚名は着慣れたが、
件の看守のせいで、“武力”そのものに対するイメージが
すこぶる悪くなっている。
そして今度は、くそったれ海軍の道連れで、陸軍までも。
政府は議員を少し入れ替えるだけで、
国民の信用を得られるのが恨めしい。
38: 以下、
そうだ、機関のせいにしてしまえばいい。
もとはと言えば、奴らがはじめに企んだこと。
陸軍大将ははじめそう考えたが、実行には移せなかった。
自分たちは独断で機関の暗号を解読したのだ。
それを根拠に騒げば、どのみち陸軍の信用は失墜する。
どうすればいい…どうすれば…。
陸軍大将の胃は、ビーフシチューの
ようにとろけそうになった。
 
39: 以下、
若い外交官は、極北の地での生活を満喫していた。
先週などは、近所の子どもたちと
かまくらを作ったり、雪合戦をしたりした。
アナスタシアも一緒だった。
仕事はないので、日誌にそのまま事実を書いた。
下手くそな絵も添えておいた。
また昨日は、アナスタシアと天体観測をした。
彼女は天文学に造詣が深く、無知な彼に対しても、
わかりやすく教えてくれた。
40: 以下、
ずっとここにいたいなぁ。
彼はそう思いながら、日誌にアナスタシアの絵を描いた。
彼女のことは毎日描いていたので、
風景に比べて、グロテスクなほど際立っていた。
お絵かきが終わって、お昼寝タイムの男に、
アナスタシアはくすりと笑って、毛布をかけた。
そして、執務室の椅子に腰掛けて、本を読み始めた。
それは、『星の見る夢』と題されていた。
41: 以下、
 陸軍大将の下に、塩見周子という女が現れた。
 彼女は紛失したはずの軍事機密書類を持っていた。
「ご機嫌いかが?」
 周子は尋ねた。
 まんまと出し抜かれ、生命線を握られている気分はどうだ。
 陸軍大将にはそう聞こえた。
42: 以下、
「貴様…」
「ああちなみに、これコピーして
 露西亞に送付する手筈もついてるから。
 最高のカードになるしね。
 “政府にとっては”、だけど」
 
 彼の言葉を、周子がさえぎった。
 無礼で、生意気で、鼻持ちならない。
 女の分際で。
 陸軍大将にとっては、我慢の限界だった。
43: 以下、
「お前達のやることなど、はじめから知っていたんだ!!」
 暗号は解読した、
 これからやろうとしている事も分かっている。
 彼はそう叫んだ。
 しかし周子はけらけら笑うだけだった。
「暗号を解読したって、相手に教えてどうすんの?
 まあ、もう手遅れなんだけど」
 彼女はある文章を口ずさんだ。
 その意味が、陸軍大将には全く分からなかった。
44: 以下、
「それでは“つつしんで”、失礼致しま〜す♪」
 閉じたドアに、彼は階級章を投げつけた。
45: 以下、
おしまい
47: 以下、
乙クローネのメンバー揃ったか
唯や加連、奈緒、アーニャ辺りは特殊機関紅盧煉の工作員かも
頭の回る狡猾な奴が生き残り勝つ、フレちゃん陽気な暗殺者になってる
日露戦争は第一次世界大戦の10年前の出来事でごさいます
48: 以下、
フレちゃんが血を飲む理由、分かるかな……
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497409176/
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とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)【禁書×けいおん!】舞台は禁書、主役は放課後ティータイム
ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」これは無理だろ(抗う事が)
岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」ゲェーッハッハッハッハ!
紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」全編AAで構成。か、可愛い……
岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」……サティスファクション!!
遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」パワーカードだけがデュエルじゃないさ
ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」ただでさえ天使のミクが感情という翼を
アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」小僧・・・!
クラウド「……臭かったんだ」ライトニングさんのことかああああ!!
ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」ビターンビターン!wwwww
僧侶「ひのきのぼう……?」話題作
勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」いつまでも 使える 読めるSS
肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」まさにVIPの天才って感じだった
男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」壁ドンが木霊するSS
ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」読み返したくなるほどの良作
犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」面白いしかっこいいし可愛いし!
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