渋谷凛「プロデューサー(女性)に恋したみたい……」back

渋谷凛「プロデューサー(女性)に恋したみたい……」


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・プロデューサー(女性)が結構出番があります。
・百合一応注意
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2: 以下、
渋谷凛「そう、プロデューサー。女の人で、私より背が高くて、スタイルもよくて、美人で、スーツがきまっていて、とても気配りのできる、かっこよくて……」
凛「……うん、なんか自分で言ってて恥ずかしくなった」
凛「でも、プロデューサーのこと、意識しちゃうんだよね。なんか最近、プロデューサーの顔もちゃんと見れない感じ」
凛「朝起きると、まずプロデューサーのことを考えるんだ。それから、プロデューサーのことを考えて身だしなみを整えて……」
凛「プロデューサーに会うと、まともに近くで顔を見れないんだけど、遠くからプロデューサーをみたりするんだ」
凛「でも、他の人にはこんなこと言えないよ……ハナコ」
ハナコ ワンッ
凛「うん、皆のこと信用しているけど、女の人が女の人のこと好きって思ったら、皆ひくだろうな……」
3: 以下、
次の日 事務所
凛(プロデューサー、今事務所だよね……なんかプロデューサーのこと考えていたら、事務所に入るのも緊張する)
凛(髪、乱れてないよね……)サワサワ
凛(……よし、行こう)
ガチャ
凛「おはようございます……って、あれ?」
凛(プロデューサーも、ちひろさんもいない……)
女性プロデューサー(以下、P)「凛、おはよう」
凛「ひっ」ビクッ
P「何、そんな悲鳴あげなくてもいいじゃない」
凛「あ、ごめん。プロデューサー。あと、おはよう」
P「うん、おはよう」ニコッ
凛 カァッ
4: 以下、
P「あっ、凛、肩になんかついてる」
凛「えっ、あっ、ほんとだ。なんだろう……」
P「なんかのくずかな。今日、風強いからねえ。寒いし。おばさん、困るよ」
凛「まだ、お姉さんでしょ。プロデューサー」
P「へへっ、これでもおばさん初心者だよ。でも、確かにお姉さんの方が好きかな……」
凛(あ、プロデューサーが近い……)
P「ゴミ、とったよ。どうもなんかのビニールのかけらみたい」
凛(プロデューサー、良い匂いだなぁ……どこの香水使っているんだろう?)
5: 以下、
島村卯月「えっ、プロデューサーさんがどこの香水を使っているか、ですか?」
凛「うん、なんかハーブティーみたいな、さわやかな香りがしたんだ」
本田未央「うーん。しきにゃんに聞けば一発だと思うけど、私たちのプロデューサーと接点あんまないからなあ」
卯月「ところで、何でプロデューサーさんの使っている香水が気になったんですか?」
凛「えっ、あ、いや、たまたま良い匂いがしたから、気になっただけで……」
未央「ふーん……」
6: 以下、
別の日 Pの運転する社用車の中
P「三人ともラジオのゲストの仕事、お疲れ!」
TP「お疲れ様ですー!」
P「今日は私も現場いけなくてごめんねー。でも、私も車の中でラジオきけたから、きいていたよ。3人とも良かったよ」
北条加蓮「そうなんだ。でも、プロデューサー、私のトークきいて、なんか思うところあったら詳しく聞きたいんだけど」
P「うーん、加蓮はもうちょっと積極的に話しても大丈夫だと思う。でも、凛や奈緒、パーソナリティさんのトークを聞きながら、ちゃんと自分らしさが出ていたトークをしていたよ」
加蓮「そっか……ありがと」
神谷奈緒「ねえ、プロデューサーさん。あたしは?」
P「奈緒は今日はちょっと積極的に話し過ぎたね。もうちょっと、周りのトークを聞きながら話したほうがいいかも」
奈緒「うぅん、そっかぁ……」
P「今日のトークテーマは『好きなもの』で、好きなアニメの話を振られたからしょうがないよ。でも、周りが困るほどトークしていたわけではないし、
まあ、そこが奈緒っぽくて、かわいいから、大切にした方が良いよ」
奈緒「ううっ、かわいいは余計だ……」カァ
7: 以下、
凛(……聞けない)
凛(……プロデューサーの意見、聞きたいけど、ちょっとこわくて聞けないな……)
P「凛、どうしたの? 具合悪い?」
凛「えっ、いや、そんなわけじゃ」
P「そう、ならいいけど。なんかあったら言ってね」
凛「うん、ありがとう……」
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また別の日
奈緒「……ということがあったんだ。凛だったら、自分が調子悪くても、そこらへんはちゃんと聞くと思うけど、その時は黙っちゃってさ」
卯月「そんなことがあったんですね。凛ちゃん、最近様子がちょっと変ですよね……」
未央「そうだね。私も気になっているんだけど、ちょっとそこには触れちゃいけないオーラが出ている感じがしてさ……」
加蓮「……あのさ」
卯月「はい?」
加蓮「直接、本人に聞いてみない?」
奈緒「えっ、それはちょっと強引じゃないか?」
加蓮「うん、私もそう思う。でも、このままお互い黙っていても、変によそよそしくなっちゃうだけだと思う。
 凛も、何があったか知らないけど、凛もあのまま悩みを溜めちゃうタイプだから、ちょっと強引にでも話をきいた方が良いと思う」
未央「……そっかあ。そうだね。私も賛成」
奈緒「うん、あたしも良いと思う」
卯月「私も賛成ですが、凛ちゃんも敏感になっているので慎重にいかないと……」
加蓮「そうね。あくまで遊ぶていにして、まあ、そこから凛に聞いちゃう感じの流れで……みんな予定あいてる? 凛には私から予定きいておくけど……」
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休日 カラオケ
奈緒「はー! 久しぶりにこれ歌えてすっきりしたぁ!」
凛「この歌、歌いやすそうだね。アニメソングだからかな」
未央「確かに、子供向けの特撮とかアニソンとかって歌いやすいよねぇ。小学生の頃、兄弟で一緒に歌っていたなー」
卯月「私も何かアニメソング歌おうかなぁ」
加蓮「皆がそれなら、あたしはこれにしようかな」
凛(……凄く楽しいんだけど、なんか皆どこか気を使っている感じがする)
凛(私が悩んでいるの、バレバレなのかな……)
凛(……こういう時、プロデューサーならどうするんだろう?)
加蓮「……凛?」
凛「ん、あ、なに?」
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加蓮「最近どうしたの? 何か悩んでる?」
凛「え?」
奈緒「ちょっとあたしたちも気になってたんだ。もしよければでいいけど、相談にのりたいんだけど……」
未央「話しにくかったら、大丈夫だよ。でも、もしできるなら、しぶりんの悩みをちょっとでも解決できたなあ、と思って……」
凛「……」
卯月「無理はしなくていいですからね」
凛「……ありがとう。正直に話すね。実は……」
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卯月「プロデューサーさんに恋した、って。あの、プロデューサーさんにですか?」
凛「うん、あの、女性のね」
未央「そっかぁ……そりゃ、大変だね……」
凛「大変という感じはないかな。でも、最近どんどん思いが強くなって、プロデューサーのこともまともに見れない。大変というか、やっぱ、ちょっとつらいかな……」
奈緒「うーん、相手は女性だろ。男の人へでも、告白するとか難しいのに……」
加蓮「……いいんじゃない?」
凛「え?」
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加蓮「相手の人に思いをぶつけるのが、今の凛にとって一番じゃないかな?」
卯月「確かに、今の凛ちゃんはずっと思い詰めてて辛そうです」
未央「それなら、言っちゃった方が早い、か」
凛「でも、相手は大人の女のひとで、私は女子高生、女の人同士で、しかもアイドルとプロデューサーだよ? 
 プロデューサーも困るだろうし、それで関係がギクシャクしちゃったら、仕事にも影響出て、皆に迷惑かけちゃう」
加蓮「うちのプロデューサー、そんなにヤワじゃないでしょ」
凛「……!」
奈緒「確かに、あたしたちのプロデューサーだもんな」
加蓮「まあ、ここまで話聞いちゃって、アドバイスしちゃったし、いざとなったら、連帯責任で何とかするからさ」
凛「なんとかって?」
加蓮「奈緒が次のライブで魔法少女の格好して、アニメソングメドレーを歌うってことで」
奈緒「えー! それ、連帯って言わないぞ、あたしだけじゃん!」
13: 以下、
凛(私は、加蓮のアドバイスと、皆の後押しをきいて、告白しようと思った)
凛(確かに、私たちのプロデューサーはそんなことで、他の人の態度が変わるような人じゃない。それは、今まで仕事をしてきて、私が一番知っていること)
凛(でも、これで変な方向行っちゃったら、私がプロデューサーと顔合わせにくい気もする……)
凛(……)
凛(それでもやろう。このままもやもやしていても、だめだ。やろう)
14: 以下、
翌日 事務所 屋上
P「凛、どうしたの。二人きりで話がしたいなんて」
凛「あ、あのね、その……」
P「うん、どうしたの?」
凛(うわあ、プロデューサーがこっちずっと見てる……恥ずかしい……けど……!)
凛「私、プロデューサーのことが好き! プロデューサーとアイドルとかの間じゃなくて、その、私、プロデューサーに恋してるの! だから、その……」
凛(うわあ、言っちゃった。しかも思いっきり大きな声出ちゃった、恥ずかしいぃ……わかっていたけど、返事とか聞きたくない……どうせ、だめって……)
P「じゃあ、さ、明日、一緒にどっか行かない?」
凛「……へ?」
P「ちょうど私と凛、明日で休み被るんだよね」手帳ペラッ
凛「え、あ」
P「昼すぎから夜まで付き合ってほしいな。夜の食事をするときに答え返しても良い?」手帳パタン
凛「う、うん。明日は用事ないし、その時でも、大丈夫……」
P「じゃあ、そうしましょう。なんか、ごめんね」
凛「いや、その……」
千川ちひろ「プロデューサーさん、ここにいた! テレビ局の人から電話が来てます!」
P「はーい、わかりました、今行きます!……あの人かな……私の業務用携帯にかけろっていつもいってるのになあ」
P「じゃあ、凛、明日の午後1時に事務所の駐車場で待っててね」
凛「……」
凛「……あれ?」
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夜 凛の部屋
凛「なんか予想してない展開になった……」
凛「どうしようか、ハナコ」
ハナコ ワンッ
凛「……悩んでいてもしょうがないか」
凛「もう寝よう」
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翌朝 事務所 駐車場
凛「眠れなかった……」
凛「……ほんとは服装ももうちょっと考えていきたかったけど……」
ブロロロ…
凛(一台、車が止まった。車よくわかんないけど、青がおしゃれだな)
P「凛、おはよう!」
凛「あ、おはよう、プロデューサー……って、その車、プロデューサーの?」
P「うん、そうだよ」ニコニコ
凛(……相変わらず、笑顔がまぶしい)
P「早乗りなよ」
凛「うん」
17: 以下、
車内
P「さあ、今日は遊ぶぞー!」
凛(……結局、返事はどうなるんだろう。というか、プロデューサーの私服ってはじめてみるな……)
凛(私服、意外とラフなんだ。ロングスカート似合ってるなあ)
P「今日のその凛の格好、いいね」
凛「えっ、そうかな」
P「すごくいいよ。やっぱ凛は綺麗で大人っぽいよね。女子高生とは思えないくらい。ほんと美人さんだよ」
凛「そ、そんなこと言われても……」カァッ
凛「ぷ、プロデューサーだって、その服、すごく、似合って、る……」ゴニョゴニョ
P「あはは! そんな声小さくしなくていいじゃん、もっとしっかり褒めてよ!」
18: 以下、
凛「で、どこいくの?」
P「あ、そうそう。まずは買い物かなあ」
凛「買い物?」
……………
P「どう、このお店?」
凛「へぇ、なんか私好みのレディースばっかだ……こんなお店があるんだ……」
P「うん、凛の家とか、うちの事務所から離れているけど、シックな感じのファッションが結構品揃えいいんだよね」
凛「見て、いいの?」
P「うん、気に入ったのあったら持ってきて」
凛「え、プロデューサーが買ってくれるの? なんか悪いよ」
P「いーの、いーの。凛にはいつもお世話になっているから、私からのお礼だよ」
凛「う、うん」
凛(お世話になっているって、お世話になっているのはこっちのほうなんだけどな……)
19: 以下、
街中
P「あー、楽しかった! もっと買わなくてよかったの?」
凛「うん、ありがとう。むしろ、色々とコーディネートしてくれてありがとう。やっぱプロデューサーは服装選びとかもうまいよね」
P「いやいや、そんなことは……ん?」
凛「? どうしたの?」
P「ちょっと、ここも寄って良い?」
凛「香水のお店?いいけど」
P「あっ、あった。これ買っていくね」
凛「それ、いつもつけているやつ?」
P「そうそう。よくわかったね。職場でもつけているんだ。そんなにきつい匂いじゃないから、結構好きなんだよね」
凛「ふーん、そうなんだ」
20: 以下、
車内
P ?♪
凛(なんか、いつもの仕事の時のプロデューサーと違うな。なんか楽しそう)
P「ん? なんか私の顔についてる?」
凛「いや、なにも……」
P「やっと凛がこっち見てくれた。うれしいな」
凛「えっ」
P「最近、うつむいてる凛ばかり見るからさ」
凛「あっ、ごめんね」
P「ううん。好きな人の顔を見れないのは、当然のことだと思うよ」
凛「ううっ……」
21: 以下、
博物館 ドレス展
P「ここの特別展、見たかったんだよねー。ヨーロッパからの、昔の貴重なドレスも多数展示してあるってさ、気になってて」
凛「へぇ、意外」
P「そう? 私、結構こういう服好きよ」
凛「そうなんだ」
P「これでもね、小さい頃の夢はお姫様だったの」
凛「似合いそうだよね」
P「私はその時、そう思わなかった。お姫様の夢をあきらめた後は、ウエディングプランナー、ドレスメーカー、洋服屋さん、古着屋さん……結局、どれにもならなかったけどね」 
22: 以下、
P「凛には夢があるの?」
凛「うーん、今はアイドルの仕事でもっと色んなことやってみたいかな。
 でも、小学4年生くらいまではいろんな仕事になりたいって言ってたな。
 はじめは近所のローソンの店員さん、婦警さん、飛行機のANAのキャビンアテンダント。
 一番周りをびっくりさせたのは、曲芸飛行のブルーインパルスのパイロット」
P「……」
凛「なんか、何になっていいか、わかんない感じだよね。プロデューサーの夢は、なんか統一性があるっていうか、一直線だよね……」
P「くくっ……あははは!」
凛「?」
P「ご、ごめん。凛の夢を笑うつもりは全然ないんだ。でも…ふふっ!」
凛「何がおかしいの?」
P「気づかないの……? ローソンの店員さんは青を基調とした服だし、警察官の制服も青いし、ANAのカラーは青……ふふふっ」
凛「あっ……」カァ
P「それで、『ブルー』インパルス……ひひひっ! ははは!」
凛「もう、笑い過ぎ!」
23: 以下、
車内
凛 ムスッ
P「まだ怒っているの?」
凛「別に……」
P「はは、怒っているね」
凛「でも、ドレス、綺麗だったな。プロデューサーも色々と教えてくれたから、楽しかった」
P「よかった」
凛「プロデューサーって、色んなこと知ってるよね。気配りもできるし、かっこいいし……」
P「買いかぶりすぎだよ。私は、凛や、他のアイドルのほうが輝いて見えるな」
凛「え」
P「私はお姫様になりたかったけど、背が高いし、そもそもお姫様って何だと思って、その夢をあきらめた。ウェディングプランナーも大変そうで、なんか自分と違うとか思って……」
P「そうやって、夢が小さくなって、消えちゃったんだよね……」
凛「……」
P「私ね、凛の小さい頃の夢、ほんとに素敵だなと思う」
P「青ばっかなのはちょっと面白かったけど、夢が広がっていく感じがしたんだよね。それで、今アイドルで夢見てるって、ほんとうにきれいで、素敵だよね」
24: 以下、
P「夜はレストランで食事をとってあるけど、その前に寄るところがあるんだ。少し歩くよ」
凛「うん、ここに車止めるの?」
P「そう。夜は私、お酒飲むから。帰りはタクシーで帰ろう」
凛「ええ、なんか色々と悪いね……」
P「いいの、気にしなくて。私も楽しいし」
P「……今日も寒いよね」
凛「プロデューサーって、もしかして寒がり?」
P「というか、気温にちょっと敏感なんだよね、着込めば暑くなるし……ックション!」
凛「(くしゃみかわいい)……大丈夫?」
P「うん、もうちょっと暖かいと思っていたんだけどなあ。もっとちゃんと着込めばよかった」
凛「じゃあ、私のマフラー、使う?」
P「え、いいの? 凛は寒くない?」
凛「いいよ。私、着込んでるし」
P「ありがとう……へへっ、あったかーい」
凛(かわいい……というか、私のマフラーをプロデューサーが巻いてるってちょっとドキドキする……)
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P「着いた、ここだよ」
凛「ここって、ドレスのレンタルしているお店?」
P「そう……ここでね……」
凛「……どう?」
P「わぁ、綺麗! 青いドレスが冴えるね」
凛「こんなの、はじめて着たよ……プロデューサーも赤いドレスいいなぁ」
P「ふふ……こういう大人っぽいドレス、凛に着せたかったんだよね」
凛「あんまり着たことなかった……結婚式とかも小学生以来だし、パーティにいくみたいね」
P「まあ、似たようなものよ」
26: 以下、
高級レストラン 個室
ウェイター「どうぞ」
P「ありがとう」
凛(すごいなあ……こんな凄いお店はじめてだ)
ウェイター「これから、シェフがいらっしゃいますので、少々お待ちください」
P「わかりました」
28: 以下、
P「一応コース料理を頼んであるからね」
凛「ねぇ、プロデューサー」
P「ん?」
凛「あの……告白の答え、夜の時に聞かせてくれるんだよね?」
P「うん。そうだね」
凛「聞きたいんだけど……」
P「うん。じゃあ、早言おうか」
凛 ドキドキ
P「あのね……」
29: 以下、
シェフ「失礼いたします」
凛「あ……」
P「あ、どうも?」
シェフ「わたくし、当店のシェフでございます。私から、今回のコース料理のご紹介と、飲み物を承ります」
シェフ「では、まず前菜から……」
凛(あああ……聞きかけていたのに……余計にもやもやする)
P「……今日のメインディッシュ、お肉はどこのを使っているの?」
シェフ「ええ、今日は……」
凛(プロデューサー、色々ときいてるけど、私にはわからないな……)
凛(でも、プロデューサー、なんか楽しそう。今日はプロデューサーの色んな顔がみれて良いなあ)
凛(香水何を使っているのかもわかったし、ドレスが好きなとこも見れた。嬉しそうに笑っているところ、普段見ない服装、昔の夢の話……)
凛(……)
30: 以下、
P「うん、やっぱりワインはその料理に合うのを選ばなきゃね。でも、凛にはまだ早いよね」
凛「……」
P「あのね、私、結婚するの」
凛「え……」
31: 以下、
P「ちょっと前に、彼からプロポーズされて決めたんだ」
凛(嘘……)
P「だから、まだ皆には話してない。上司やちひろさんにもね」
凛(いやだ……)
P「でも、この機会だから、凛には言っておこうと思って――」
凛「やだ!」ガタン!
P「……」
凛「プロデューサー、ごめん。でも、お願い。まだ私や、私たちと一緒にいて」
凛「私、まだアイドルでやりたいこと、いっぱいあるっていったよね」
凛「それをプロデューサーと一緒にやっていきたいの。お願いだから、一緒にいて」
凛「わがままで身勝手だとわかってる。でも、私、今、プロデューサーが目の前からいなくなったら、ほんとに……」ポロ
凛「ごめんなさい……でも、でも……」ポロポロ
P「……あー、やっちゃったなあ……」
32: 以下、
P「私、まだ、全然、凛のこと、わかっていなかったね……」
P「そうだよね、凛だって女の子だもんね、ごめんね……そりゃ、混乱するよね」
凛「ううっ……グズッ……ひっく」ポロポロ
P「ほら、ハンカチ。涙拭いて」
凛「ありがとう……」
P「ほら、座って。深呼吸してみ……」
凛「……うん」
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P「落ち着いた?」
凛「……うん、ごめんなさい」
P「いや、私の言い方が悪かったね。はじめにいっておくと、仕事はやめるつもりはないよ」
凛「え、そうなの」
P「うん、まだやることいっぱいあるしね。事務所にも言うけど、やめるつもりはないよ」
凛「なんだぁ……」ホッ
P「……でもね、本当のこと言うと、すごく悩んだんだ」
P「彼とは、中学生の頃からの同級生で、腐れ縁なんだよね。高校の時に恋人になって、ずっと付き合ってた」
P「そんな彼と結婚したかったけど、仕事も大切にしたかった。彼も仕事で忙しかったし」
P「でも、こないだプロポーズされて、そこでちょっと考えちゃった」
P「仕事もしたいし、結婚もしたい。そのことを彼に話したら、『じゃあ、結婚してから考えないか』って」
35: 以下、
凛「……いい人、だね」
P「うん、優しいよ。たまにドジだけど、基本しっかりしてるし」
P「彼、夢を追いかけていて、それでヨーロッパに行ったりして、私とも会ってない時期があったの。メールとかのやりとりはしていたけどね」
P「でも、正直、これから不安だよ。お互い忙しいと思うし、会える時間もどうなるか不安。結婚生活は不安だよ、できるかどうか……」
凛「……でも、私、できると思う」
P「……どうして?」
凛「わからない。わからないけど、プロデューサーならできそう。私も、さっきあんなこと言っちゃったけど、応援したい」
凛「……まだ、気持ちはまとまってないけど、いつか、私も、プロデューサーも、いつまでも一緒に仕事はできないんだね……」
凛「……私、今までプロデューサーに支えてばかりだったけど、私がいつか、プロデューサーを支えたいな、なんて……」
P「もうなってるよ」
凛「え……」
P「もうなってる。凛は私の支えだよ……みんなそう、加蓮も、奈緒も、未央も、卯月も……他のアイドルも……みんなそう」
P「私もそんなみんなの支えになりたいと思っている。あのね、私は、アイドルとプロデューサーはお互いを支えっていくものだと思うの」
P「そういう意味では、アイドルとプロデューサーは相棒とか、パートナー同士だと思うんだ」
P「だから、私は凛の支えになっているかもしれないけど、凛も私の支えになっているの」
36: 以下、
P「だから、ごめんね。凛の恋する気持ちは、私は受け取れない。まどろっこしい真似をしてごめんね」
凛「ううん、いいの。そうじゃなかったら、私も納得しなかったと思うし」
凛「それに気が付いたことがあるんだ」
P「?」
凛「なんていうか、これは恋じゃなくて、憧れなんじゃないかって」
凛「私、これまで恋とかしたことないけど、今日、プロデューサーと遊んでみて、なんか違う気がしたんだ」
凛「それでね、婚約者さんの話をしている時のプロデューサーをみて、プロデューサーとその人が幸せになってほしいって思った」
凛「その時、ふと思ったんだ。ああ、私、恋してたんじゃなかったって」
凛「困ったとき『プロデューサーならどうするだろう』って思ってた。プロデューサーのしぐさや考えをみて、マネしたいと思った」
凛「そんな思いが膨らんで、好きになったんだと思う」
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P「こないだ、ラジオでたよね。トライアドプリムスの3人で、トークテーマ『好きなもの』っていうの」
凛「あったね」
P「あれ聞いたときね、私うれしかった。ちょっと不器用な感じはしたけど、好きなことを一生懸命話そうとするところは良かった。凛らしかったよ」
P「私ね、凛は変わったと思った。はじめ会ったときの『ふーん、アンタが私のプロデューサー?』なんて言ってた頃と、ずいぶん変わった」
凛「ちょっと、恥ずかしいかな……」
P「それはそれでらしくてかわいいけどね。でも、今、一生懸命に歌とか、アイドルの仕事がとても好きで頑張ってますって言ったとき、本当に感動したよ」
P「……世の中、何があるかわからないなって改めて思ったよ。これから、どうなるかわかんないけど、凛には凛の人生をしっかり歩んでほしいな」
P「私は、あなたのプロデューサーだけど、凛のことは、たとえアイドルをやめても、何があっても応援するから」
凛「……うん!」
38: 以下、
P「あ……そうそう」ガソゴソ
凛「?」
P「これ、凛にプレゼント」
凛「これ……香水」
P「うん、凛に合うな、って思ったの? どう?」
凛「うん、これ、ほしいと思っていたんだ。ありがとう」ニコ
39: 以下、
シェフ「お待たせいたしました。前菜でございます」
P「わー、おいしそう!」
シェフ「きっとお口に合うと思いますよ」
P「うん」
凛「……あの」
シェフ「はい、いかがされましたか?」
凛「もしかして、そのシェフさん、プロデューサーの婚約者?」
P「!?」
シェフ「……え、喋っちゃったの?」
P「えー、いや、婚約したことは話したけど……どうしてわかったの?」
凛「いや、なんかプロデューサーもシェフの人とよく話していて幸せそうだと思ったし。シェフさんも、プロデューサーと話していて、嬉しそうだなと思ったから……」
P「……ふふ、はは、あっはっは!!」
シェフ「いやー、凄いね。君。鋭いなあ……」
P「凛はすごいなあ。かなわないよ!」
40: 以下、
凛「それから、その日はプロデューサーとは二人でしかできない話をしたよ、すごく楽しかった……」
凛「次の日は仕事だったけど、プロデューサーの目をみてちゃんと話せるようになった」
凛「プロデューサーもそれからしばらくして、皆に結婚することを伝えていた」
凛「私も、他のみんなにも、ちょっと印象が変わったって言われた」
凛「加蓮、奈緒、未央、卯月……みんなにもちゃんとどうなったか話したよ」
凛「みんな、ほっとして、よかったね、っていってくれた」
凛「プロデューサーとも、しっかりやっているよ。色々と忙しいけど、皆で支え合ってやってる」
凛「そう。それで、明日はプロデューサーの結婚式なんだ」
凛「プロデューサーの花嫁衣裳しっかりと見なきゃ」
ハナコ ワンッ
凛「だから今日はもう寝なきゃ……ね、ハナコ」
41: 以下、
結婚式 教会前
卯月「プロデューサーの花嫁姿ドキドキします」
未央「早く見てみたいなあ……」
奈緒「ブーケトス、緊張してきた……」
未央「なんでかみやんが緊張するの?」
奈緒「いや、だって、ほら、飛んで来たらどうしようかと思って……」
未央「受け取る気まんまんだね!」
卯月「奈緒ちゃんはかわいいですね!」
奈緒「なっ、そんな、違……!」
凛「なんかあの三人、すごく盛り上がってる……」
加蓮「ほんと。凛も緊張しているでしょ」
凛「うん、まあ、正直……」
42: 以下、
加蓮「今日、いい香水つけているね」
凛「うん、プロデューサーからもらったんだ」
加蓮「へえ、いいなあ」
凛「あのね、加蓮、ありがとうね」
加蓮「? 何が?」
凛「告白すればいいってアドバイスしてくれたから、私、告白できた。あとで未央にもきいたけど、あの時も加蓮が言って、私に悩みを打ち明ける場をセットしてくれたんだね」
凛「そうじゃなきゃ、私もずっともやもやしっぱなしで、何も変わらなかったと思う」
加蓮「……あのね、実は私も、凛と同じ気持ちだったんだ」
凛「えっ」
加蓮「凛が告白する前だよ。私の体のこととか気を使ってくれて、他にも気配りしてもらって、それからすごくいいなって思ったの」
加蓮「でね、二人きりになって、プロデューサーに思いをぶつけてみたの。そしたら『私には彼氏がいるんだ』って言われた」
加蓮「最初はびっくりした。で、私もその後、ちょっと二人で遊びにいって、私の話をきいてもらったり、プロデューサーからの話もきいたんだ」
凛「そうなんだ……」
加蓮「凛はもやもやしたかもしれないけど、私、なんかちょっとうらやましく思っちゃった。なんか態度が違うな、と思って」
凛「まあ、プロデューサーもあの時期にあんなこと言われたから、動揺したんだと思う。プロデューサー、ああみえて不器用なところあるから……」クスクス
加蓮「そうそう……」クスクス
43: 以下、
未央「あっ、花嫁きた!」
卯月「プロデューサーさん綺麗……」
奈緒「ああ、なんか普段のプロデューサーさんと全然違うなあ……」
加蓮「綺麗だね……」
凛「そうだね……」
44: 以下、
P「ブーケトス、いきまーす! えい!」ヒョイ
凛「えっ……」ポン
未央「おっ、しぶりんが受け取った!」
卯月「凛ちゃんやりましたね!」
奈緒「あー! いいなあ!」
加蓮「凛、やったじゃん。次に結婚できるって」
凛「うーん、まだそのつもりはないかな。でも……」
加蓮「でも?」
凛「うれしいから、とっておこう」
おわり
45: 以下、
以上です。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
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52: 以下、

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