しんのすけ「あと……どのくらい生きられるのかな?」back

しんのすけ「あと……どのくらい生きられるのかな?」


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1:
………
 
しんのすけ「な〜んちゃって////」
 
みさえ「このおバカッ!!」
 
みさえのゲンコツが繰り出される。
 
それはしんのすけが入院してから一週間目の話だった。
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3:
しんのすけ「だってぇ〜ん…早くお外で遊びたいゾ!」
 
みさえ「我慢なさい! 更に具合悪くなったらどうするの!」
 
しんのすけ「オラ大丈夫だゾ!…………ゲホッゲホッ」
 
みさえ「ほらー…まだ良くなってないんだからおとなしくなさい!」
いつも元気なしんのすけには、病院のベッドで寝てばっかりの生活にはもうウンザリなのだろう……
 
私だってなんとかしてあげられるならなんとかしてあげたい……
 
してあげたいけど………
5:
みさえ「脊髄小脳変性症………?」
 
医者「はい……」
 
ひろし「それって治るんですよね!? ね!?」
 
ひろしの言葉に医者は首を縦に振らなかった
7:
医者のそぶりに顔が青ざめる二人
 
みさえ「…それってどういう病気なんですか!? 治療法は無いんですか!?」
 
医者「最初は[よく転ぶ]と言った症状がよくあらわれます。進行するにつれて歩けなくなったり
手が自由に動かせなくなったり…… 最終的には言葉が話せなくなり、寝たきりになります。
最悪死に至ります……」
 
ひろし「そ…そんな……」
 
みさえ「嘘でしょっ!?」
 
医者「現在治療法が確定されておらず、難病の一つと言えます……」
9:
医者とこれからの治療について話し終わり、しんのすけが待つ病室へ向かう途中
 
散々泣いた二人は途方に暮れていた。
 
みさえ「どうしよう……あの子にどんな顔して会えばいいの……」
 
ひろし「……………」
 
みさえ「あの子にちゃんと教えなきゃいけないのかしら……」
 
ひろし「……………」
 
みさえ「ねぇアナタってば!!」
 
ひろし「うるせぇな!! オレだってどうしていいのかわかんないんだよ!!」
 
みさえ「なによっ!!」
 
ひろし「……すまん」
 
みさえ「…………」
11:
……しんのすけの待つ部屋についてしまった。
 
ひろし「なぁ……」
 
みさえ「…なに?」
 
ひろし「しんのすけには…黙っていよう。今アイツに言っても アイツにはよくない。」
 
みさえ「そうね…… あの子にはまだ……」
 
ひろし「みさえ、アイツ勘がいいから少しでも様子が違うと気付かれるぞ。 普段通りにいこう……な?」
 
みさえ「あなたこそ…… さ、行きましょう。しんのすけが待ってるわ」
12:
重すぎワロタ
14:
しんのすけ「お! 待ちくたびれたゾ!!」
 
ひろし「あぁ〜!!わりぃわりぃ!!」
 
みさえ「ちゃんとおとなしくしてた?」
 
しんのすけ「もっちろん! …ねーねーとうちゃん! スッゴく美人の看護婦さんがいたゾ!!」
 
ひろし「おぉ〜いいねぇ! うひひ……」
 
みさえ「このおバカ!」
 
みさえは二人の頭を叩く。
 
しんのすけ「も〜!! 痛いゾかあちゃん!! ………あれ?」
 
みさえ「な……なによ!」
 
しんのすけ「かあちゃん……目が赤いゾ?」
19:
前回と前々回は惨劇だったので今回は感動系ってやつです。
みさえ「え………?」
 
しんのすけ「かあちゃんだけじゃなくて とうちゃんもだゾ!」
 
ひろし「……あぁ〜!! さっきスッゴク臭い部屋があってな! 目が痛くなって赤くなってるんだよ!!」
 
みさえ「そ……そーよ!!」
 
しんのすけ「ふ〜ん……臭いのは嫌だゾ! ところでオラどんな病気なの? まさか不治の病!? いや〜ん///」
 
みさえ「た…ただの食中毒よ!! 心配ないわよ!」
 
しんのすけ「昨日隠れて食べたプリンのせいかなぁ〜?」
 
みさえ「アンタあれ賞味期限過ぎてたじゃない!!おバカ!!」
 
しんのすけ「いやぁ〜///」
 
ひろし・みさえ「ほめてない!」
 
……本当にただの食中毒ならよかったのに……
22:
みさえ「それじゃ、いい子にしてるのよ!! また明日来るからね!」
 
ひろし「もっと美人な看護婦さんがいたら教えてくれよなっ!」
 
しんのすけ「えぇ〜!! もう帰っちゃうのぉ〜? オラも帰りたい帰りたい帰りたいぃ〜!!」
 
しんのすけの言葉に心を打たれる二人
 
しかし今はまだ……
 
みさえ「よくなったらすぐ帰れるわよ……ね?アナタ」
 
ひろし「あぁ……じゃあ、また明日な!」
 
しんのすけ「ふーんだ! 明日お土産待ってるから〜!! んじゃ!」
 
部屋を後にした二人の顔は今にも泣きだしそうてあった
24:
家に帰宅した二人
 
いつも賑やかな我が家は
 
何も会話の無い暗い家庭へと変化しつつあった。
 
こんな静かな夜は
しんのすけが幼稚園のお泊り会以来である。
 
みさえは一人居間で泣き崩れている。
 
ひろしは何も言わず黙って座りこんでいる。
 
その空気を感じ取ったのか、ひまわりも泣き出してしまった……
 
気が付くと夜が明けていた
28:
しんのすけ「ねぇ〜オラいつになったら退院できるのかな?」
 
みさえ「プリン食べた罰よ! しばらく入院してなさい!」
 
しんのすけ「あ〜あ……早く幼稚園に行ってみんなと遊びたいゾ!」
 
みさえ「早く遊びたいんだったら あんまり動き回らないでおとなしくしてるのねっ!」
 
しんのすけ「ほ〜い」
 
………
 
 
私はこの子の前で いつもと同じ母親を演じていられているだろうか?
 
この子の笑顔を見ていると、本当に難病にかかっているかわからなくなる……
 
もしかしたら医者の診断ミスなのではないか?
そういう期待すら持ってしまう……
30:
しんのすけ「ふぁあ〜あ……退屈だゾ!!」
 
ひろし「お! しんのすけ!! お土産買ってきてやったぞ!」
 
しんのすけ「おぉ!! なんだなんだ〜!?」
 
ひろしの持って来た袋の中を必死に覗き込むしんのすけ
 
しんのすけ「まさかこれは……… アクション仮面秘密基地セットDX!?」
 
ひろし「おまえずっと欲しがってたヤツだろ? 入院してる間暇だろうからさ、俺の小遣いはたいて買ってやったんだから… 大切にしろよなっ!」
 
しんのすけ「うぉ〜!! 父ちゃん フ・ト・モ・モ〜!」
 
ひろし「それを言うなら太っ腹! だろ? まぁ暇だろうけど頑張るんだぞ!」
 
しんのすけ「こうなると入院生活も悪く無いですなぁ〜!」
 
ひろし「コラコラ! それじゃ、また明日来るからなぁ〜」
 
しんのすけ「じゃっ!」
 
病室を後にするひろし
 
ひろし(…アイツ本当に病気にかかってるのかって位元気だなー………………)
 
深いため息をつく。
34:
しんのすけ「かあちゃん! オラおトイレ行ってくるぞ!」
 
みさえ「あ! あたしも自販機で何かジュース買ってこようかしら?」
 
しんのすけ「ずる〜い! オラもオラも!」
 
みさえ「はいはい。 じゃあ行きましょう。」
 
しんのすけ「ほっほ〜い!」
 
ベッドから降りたしんのすけはスリッパを履き、歩きだした。
 
しんのすけ「かあちゃん! おトイレってどっちだっけ?」
 
みさえ「ほら〜 そこの右にあるでしょ!」
 
しんのすけ「お! あったあった!」
 
しんのすけが歩き始めたその時だった。
 
ベチン
しんのすけ「お?」
 
しんのすけは転んでしまった。しんのすけ自身何が起こってるかわからない状況だった
35:
「最初は[よく転ぶ]と言った症状から始まります。」
 
みさえ(……まさかね?)
 
立ち上がったしんのすけはゆっくりと前に歩き出した。
 
トイレまであと3mといった所で
 
ベチン
 
しんのすけ「あれっ?」
 
しんのすけはまた転んでしまった。
 
しんのすけ「おかしーなー?」
 
みさえ(……まさか!!)
37:
医者「症状が出始めたようですね……」
 
みさえ「………。」
 
みさえの顔がみるみるうちに青ざめていく。
 
本当は病気にかかっていないんじゃないか?
 
そんな期待も打ち砕かれたショックも大きい。
 
 
医者「しんのすけ君にはやはり内密に……?」
 
みさえ「はい…」
 
医者「では、我々も十分注意したいと思います…」
 
みさえ「よろしくお願いします」
 
このまましんのすけには伝えないほうが、しんのすけのタメよね?
 
そう……よね。
39:
もうやめて
40:
そしてしんのすけが入院して10日が経った。
 
医者「今の所目立った症状も無いようですし、一度退院しましょう。なにかあった場合すぐに知らせて下さいね。」
 
みさえ「はい。ありがとうございました…」
 
ひろし「本当にお世話になりました。」
 
みさえ「さ、しんのすけの所へ行きましょう。」
 
ようやくベッドの上の生活とさよなら出来るせいか、しんのすけは上機嫌だった。
 
しんのすけ「わぁ〜いわぁ〜い!! たいいんたいいん!!」
 
みさえ「よかったわね! しんのすけ」
 
ひろし「よぉ〜し!帰ったら何して遊ぼうか?」
 
しんのすけ「ん〜…… まずシロにご挨拶して〜 アクション仮面見て〜……あと……」
43:
ひろし「なんだ? どこでも連れて行ってやるぞ!」
 
しんのすけ「みんなでご飯が食べたいゾ!」
 
ひろし・みさえ「しんのすけ……」
 
よっぽど入院していて淋しかったのだろう。
 
なんだかんだ言ってしんのすけはまだ5歳の子供だ。
 
俺達が恋しかったんだな……
 
ひろし「よぉ〜っし!! 今日は寿司食いに行くぞ!!」
 
しんのすけ「うわぁ〜い!! お寿司お寿司!!」
 
みさえ「もぉ〜… 仕方ないわね! 行きましょう!」
45:
しんのすけ「オラなっとまき食べるゾ!!」
 
みさえ「私はやっぱりイクラかしら〜」
 
ひろし「いやいやここは定番のマグロだろ!」
 
寿司の話題で盛り上がる車内。
 
久しぶりの一家団欒に笑顔が溢れ出す。
 
せめて今は…
 
せめて今は楽しませてあげたい。
 
 
ひろし「よし!着いたぞ!」
46:
ひまわり空気だな。
47:
(´;ω;`)
49:
店員「へいいらっしゃい!4名様で?」
 
みさえ「はい」
 
店員「ボックス席にご案内になりま〜す!」
 
しんのすけ「おぉ〜! くるくる〜!」
 
みさえ「好きなの食べなさーい!」
 
ひろし「おうっ! たくさん食え食え!」
 
しんのすけ「やっぱりまずはなっとまきだゾ!」
 
納豆巻きの皿を取るしんのすけ。
 
しんのすけ「いただきまーす!」
 
箸で納豆巻きを取ろうとした時だった。
 
しんのすけ「………んー?」
 
みさえ「どうしたの?しんちゃん」
 
しんのすけ「箸が上手く使えないゾ……」
 
……しんのすけの手がプルプルと震えていた。
50:
みさえ「アンタいつも変な持ち方してるからでしょ!」
 
しんのすけ「ん〜……じゃ、手で食べよっと!!」
 
モグモグと食べ始めるしんのすけ
 
事無きを経て安心するみさえ
 
……この病気はゆっくりと進行するハズなのに…
 
大丈夫…よね?
 
 
何事も無くどんどん食べるしんのすけ
 
その様子を見て少し安心した。
53:
翌日の朝…
 
ジリリリリリ…と、目覚ましが鳴る。
 
いち早く起きたのはいつも寝坊するしんのすけだった。
 
しんのすけ「みんなー!起きるんだゾ!!」
 
みさえ「……? しんちゃん早いわねー どうしたの?」
 
ひろし「俺久しぶりの休みなんだから静かにしてくれよぉ〜…」
 
しんのすけ「久しぶりの幼稚園だゾ!!」
 
みさえ「……」
 
しんのすけの病気の事はまだよしなが先生達には説明していない。
 
「風邪が酷くなり入院した」と伝えていたんだけど…
 
もしもの事を考えたら…
 
みさえ「しんのすけ!」
 
しんのすけ「かあちゃん!早くあさごはん!」
 
みさえ「あんた今日はおやすみしなさい。」
54:
しんのすけえええええええええええええええ
56:
しんのすけ「え〜? なんで!!」
 
私が病気の事を知らせに行く……とは言えない。
 
この子は油断できないから電話も危ないし、一緒に行っても盗み聞きするかもしれない……
 
まだ…この子に知られちゃいけないの。
 
みさえ「…お医者さんに言われてるからよ!」
 
しんのすけ「え〜!! オラ大丈夫だゾ! 行きたい行きたい行きたい〜!! みんな待ってるんだゾ!」
 
みさえ「……うるさいわねっ!! ダメって言ってるでしょ!!」
 
しんのすけ「………!」
 
しまった…つい声を荒くしてしまった…
 
しんのすけ「かあちゃん…なんか変だゾ…」
57:
みさえ「退院明けなんだからあたりまえでしょ!」
 
しんのすけ「……わかったゾ……」
 
ひろし「ほら、俺も今日休みだからさ、俺と遊ぼうぜ!」
 
しんのすけ「え〜……とうちゃんとぉ〜? 仕方ないなぁ〜」
 
ひろし「おまえなぁ〜;」
 
みさえ「さ、もう少し寝てなさい。しんのすけ」
 
しんのすけ「ほ〜い……」
 
肩を落とし布団に戻るしんのすけ
 
ごめんね…明日から行かせてあげるから。
58:
みさえ「じゃあ買い物行ってくるからしんのすけとひまわり宜しくね〜!」
 
ひろし「おう! 行ってらっしゃい」
 
しんのすけ「チョコビ忘れないでね〜」
 
みさえ「はいはい! 行ってくるわね」
 
ドアを閉めて自転車に乗り込むみさえ。
 
みさえ「さて…幼稚園に行かなくちゃ」
60:
よしなが先生「……そんな!! 嘘でしょ!? 野原さん!!」
 
園長「本当なんですか? 野原さん!!」
 
みさえ「私は冗談を言いにここに来たわけじゃありませんので……」
 
よしなが先生「だってしんちゃんは……」
 
園長「よしなが先生!!」
 
よしなが先生「……はい。」
 
園長「それはとてもお気の毒です。気をしっかり持ってくださいね。」
 
みさえ「それで……特によしなが先生にお願いなのですが… しんのすけの様子がおかしかったら教えて頂きたいのです。 そしてそれ以外はいつもと同じように接していただけたら……」
 
園長「しんのすけ君には説明を…?」
 
みさえ「はい。 まだ知らない方がしんのすけのタメにもなると思うんです……」
 
園長「わかりました。我々も全力を尽くしたいと思います」
 
みさえ「ありがとうございます。」
 
よしなが先生「私も全力でしんちゃんに気付かれないようにサポートしますので!!」
 
みさえ「よしなが先生…ご迷惑をおかけします…」
 
よしなが先生「そんな……」
62:
ボーちゃん「医者 に なる。何年 かかっても しんのすけ 治す。」
70:
>>62
素直に面白そうなんですけど。
63:
ネネ「ねぇ……今の聞いた!?」
 
マサオ「しんちゃん…かわいそう」
 
ぼーちゃん「ぼ」
 
風間「あいつ……」
67:
ネネ「凄い事聞いちゃったわね……」
 
マサオ「しんちゃん……大丈夫かなぁ?」
 
風間「大丈夫なわけないだろっ!?」
 
ぼーちゃん「しんちゃんまだ知らない」
 
ネネ「自分の病気の事がわかったら 流石のしんちゃんだってパニックになるわよ…」
 
風間「僕もしんのすけの立場だったら聞きたくないな……」
69:
マサオ「ねぇ……しんちゃん死んじゃうのかな?」
 
ネネ「マサオ!てめぇ今の言葉もう一回言ったらどうなるかわかってんのか? このオニギリ!!」
 
マサオ「うぁあああああ!! ごめんなさいごめんなさい!!」
 
風間「ネネちゃん…怖いよ…」
 
ぼーちゃん「僕らも しんちゃんに ばれない ように きをつける!」
 
ネネ「そうよ! しんちゃんのタメだもん!」
 
風間「よぉ〜し! 春日部防衛隊 ファイヤー!!」
 
ネネ・マサオ・ぼー「ファイヤー!!」
74:
前がみえねぇ
75:
翌日
しんのすけ「んじゃ、行ってくるゾ!」
 
みさえ「行ってらっしゃーい!」
 
みさえ(フフフ…… あの子ったらあんなに張り切っちゃって…)
 
しんのすけ「久しぶりのバスだゾ!よしなが先生久しぶりぃいい〜!」
 
よしなが先生「あらしんちゃん久しぶりね! お体大丈夫?」
 
しんのすけ「全然大丈夫だゾ! ウンチも沢山出たし!」
 
よしなが先生「はいはい…」
 
苦笑しながらみさえにお辞儀をするよしなが先生
 
風間「しんのすけ! 久しぶりじゃないか!」
 
しんのすけ「風間くぅうん! 会いたかったぁあん!」
 
風間に抱き着くしんのすけ
 
風間「やめろよ気持ち悪いな!」
 
しんのすけ「久しぶりだからって照れちゃって//」
 
風間「照れてなんかいない!!//」
 
バスの中が笑いに溢れる
82:
しんのすけ「や!」
 
マサオ「あ……しんちゃん」
 
ネネ「おはよう…しんちゃん」
 
ぼーちゃん「ぼ……」
 
しんちゃん「あれー?どうしたんだ? みんな元気がないゾ!」
 
風間「そうだよみんな! せっかくしんのすけが久しぶりに幼稚園に来たのに……」
 
ネネ「なんでもないわよ!ね?マサオ君!」
 
マサオ「う…うん!」
 
ぼーちゃん「しんちゃん 体 大丈夫?」
 
しんのすけ「だいじょぶだいじょぶー! さ、何してあそぼっか!? オラ病院でずっと暇してたから いっぱい遊びたいゾ!」
 
ネネ「じゃあリアルおままごと!」
 
一同「えー!!」
 
ネネ「なによ?なんか文句ある?」
 
一同「ないです……」
 
ネネ「じゃあ決定ね!」
83:
しんのすけ「久しぶりのリアルおままごとは体にこたえたゾ……」
 
風間「お疲れ様……」
 
風間が苦笑いでしんのすけに同情するように言った。
 
しんのすけ「でも……」
 
風間「でも?」
 
しんのすけ「やっぱりみんなで一緒に遊ぶのは楽しいゾ!」
 
風間「そうだな! やっぱりしんのすけが居ないと盛り上がらないもん!」
 
しんのすけ「あれ〜? 風間君。 それって愛の コ・ク・ハ・ク?」
 
風間「んな訳ないだろっ!」
85:
よしなが先生「みんなー! お昼の時間ですよー! 手を洗って入って来てねー!」
 
園児「ハァーイ!」
 
風間「ほら…変な事言ってないで行くぞ!」
 
しんのすけ「あぁん 待って風間くぅ〜ん…… ってうわぁ!!」
 
ベチンッ
 
しんのすけは勢いよく転んでしまった
 
その様子を見たよしなが先生と風間達がしんのすけのもとに集まった
 
 
よしなが先生「大丈夫!? しんちゃん!!!」
 
風間「大丈夫かしんのすけ?」
 
しんのすけ「んも〜……ちょっと転んだだけでおおげさだゾ!」
 
風間「お前なぁ! 心配してやってんのに……!」
 
しんのすけ「最近よく転ぶから慣れてるゾ!」
 
一同「…………」
 
健気なしんのすけの言動に 心が痛んだ。
88:
しんのすけ「おかえりー!!」
 
みさえ「こら! 帰ったらただいまでしょ!」
 
しんのすけ「そうともいうー」
 
みさえ「あら……」
 
しんのすけの姿を見ると、膝に擦り傷がかなりついている…
 
みさえ「アンタそれどうしたの!!」
 
しんのすけ「なにが?」
 
みさえ「膝よ膝!!!」
 
しんのすけ「あぁ〜!! って ぉお!? なんだこれー」
 
みさえ「どうしてそうなったのよ!!」
 
しんのすけ「なんか最近よく転んじゃうんだゾ!」
 
みさえ「…………」
 
おかしい、こんなになるまで転ぶなんておかしい。
 
みさえ「しんちゃん、ちょっと病院行きましょう!」
89:
しんのすけ「えぇ〜!! もう嫌だゾ!」
 
みさえ「膝痛いでしょ? 治してもらいに行くよ!」
 
しんのすけ「んもー……ワガママだなぁ。かあちゃんは。」
 
みさえ「あんたのために言ってるんでしょーが!!」
 
しんのすけ「ほ〜い」
 
なんだろう……凄く嫌な予感がする。
92:
医者「はぁ〜い! きちんと消毒出来たからねー!」
 
しんのすけ「し・み・るぅううう////」
 
みさえ「変な声出さないの!」
 
医者「しんのすけ君、ちょっとあっち行って看護婦さんに絆創膏貼ってもらってねー」
 
しんのすけ「ほっほ〜い!!」
 
しんのすけは喜んで隣の部屋へ行った。
 
どうやらここの看護婦さんがお気に入りみたいだ。
 
医者「野原さん………」
 
医者の表情が変わった。
 
みさえ「何でしょう………?」
 
嫌だ……聞きたくない。
 
医者「思ったより状況は深刻です。しんのすけ君の病気の進行は例に無く、とても早く体を侵しています。……このまま行くと……」
 
ダメっ!!聞きたくない!!
 
「そう長くは……持たないでしょう。」
 
みさえ「………!!」
93:
みさえ「……あと、あの子はどれくらい生きられますか?」
 
医者「例が無い早さなのでなんとも…… 予測ですがこのままいくと、1年…… 持って3年でしょう。」
 
みさえ「そんな!! 10年や20年単位で進行するはずじゃ!!」
 
医者「しんのすけ君が特異な体質なのか、症状が表れるのが早過ぎるのです。
…何が起きるかまだわかりません。 気をしっかり持って下さい。」
 
みさえ「そんな……!!」
96:
いちびっとるの涙
101:
103:
>>101
大ジョッキにしか見えない
192:
夜11時頃………
 
しんのすけも寝静まった頃
 
居間からひそひそとひろしとみさえの声がする。
 
みさえ「あなた……どうしましょう…」
 
涙声で話すみさえ
 
ひろし「どうするったって……俺達は全力でしんのすけのサポートするしかできないんだよ……」
 
みさえ「このまましんのすけが死ぬのを待てって言うの!?」
 
ひろし「声が大きいぞ! しんのすけに聞こえたらどうするんだよ!?」
 
みさえ「……」
 
ひろし「こればっかりはどうしようも無いんだよ…… 俺がかわれるぐらいならかわってやりたいけど…!!」
 
みさえ「どうしてあの子が……どうして……!」
 
ひろし「とにかく…今はしんのすけのやりたい事、させてやろう。」
 
みさえは泣きながら頷く。
194:
宣告されてから一ヶ月後の休日。
 
しんのすけの症状はよく転ぶだけで大きな変化はない。
 
ほっと胸を撫で下ろすひろしとみさえ。
 
正直毎日生きている心地がしない。
 
いつしんのすけの病気が進行するのか。
 
考えただけで眠れない日が続く。
 
ひろし「なぁ! しんのすけ! どっか行くか?」
 
みさえ「あらー いいわねぇ! どこかでかけましょうか!」
 
しんのすけ「んー……オラ……」
 
しんのすけは悩みに悩んだ末こう言った
195:
しんのすけ「サトーココノカドーに行きたいゾ!」
 
意外な事に近所のデパートだった。
 
みさえ「し…しんちゃん?いっつも行ってるデパートじゃない?他に行きたい所はないの?」
 
ひろし「そうだぞ! とうちゃんどこへでも連れていってやるぞ!」
 
しんのすけ「別にみんなで一緒にいられればどこでもいいんだゾ!」
 
ひろし・みさえ「しんのすけ……」
 
その言葉に重みを感じた。
 
しんのすけ「でもぉ〜 どうしてもって 言うならぁ〜・・ 暑いからなぁ〜・・」
 
「海に行きたいゾ!」
199:
しんのすけ「わぁ〜いわぁ〜い!! うみー!!」
 
みさえ「あんまりはしゃぐんじゃありません!! ブレーキが急にかかったらどうするの!」
 
しんのすけ「んもー…… ワガママだなぁかあちゃんは」
 
ひろし「まぁまぁせっかく海に行くんだからさ、はしゃいでも仕方ないよなー? しんのすけ!」
 
しんのすけ「さっすがとうちゃん!」
 
みさえ「まったくもう……」
 
海に向かうにつれて賑やかになる車内
 
そんな中みさえはある事に気付く。
 
みさえ「ねぇあなた…なんか臭くない?」
201:
ひろし「そうか? また俺の足の臭いが臭いとか言うんだろ!!」
 
みさえ「ちがうわよっ!」
 
しんのすけ「確かに臭いゾ……」
 
みさえ「でしょ?」
 
みさえが後ろを振り向いた時だった。
 
ひまわり「ビェエーンビェエーン!!」
 
ブチャァ
 
ひまわりがウンチをしていたのだ。
 
しんのすけ「あぁ!! 臭いのは、ひまのウンチだったんだー」
203:
ひまわりやっと出番来たなwww
202:
みさえ「あらー…オムツ変えなきゃ。あなたー車とめてー!」
 
しんのすけ「んもー……仕方ないなぁー!オラが変えてやるゾ!」
 
テキパキとオムツをかえるしんのすけ
 
初めてひまわりのオムツを変えた時とは大違いだ。
 
嫌がらず、真剣にやってる。
 
しんのすけ「よしひま!出来たゾ!」
 
ひまわり「ウィーヒヒッ!!」
 
ひまわりも嬉しそうだ。
 
着々とお兄ちゃんとして成長しているんだな……
205:
うれしそうな馬ですね
204:
しんのすけ「うわぁー海だゾー!!」
 
白い砂浜。真っ青な海と空。
 
絶好の海水浴日和だった。
 
みさえ「きれーねー!!」
 
ひろし「あぁ……いいー景色だ。よし!泳ぐぞしんのすけ」
 
しんのすけ「ブ・ラジャー!!」
 
それからゆっくりと時間は過ぎ夕暮れ時に……
 
みさえ「見て……日が沈んで行くわ……綺麗ね……」
 
しんのすけ「お日様がいなくなっちゃうゾ!」
 
ひろし「あははっ また明日でてくるさ。」
 
みさえ「また来年も この海に皆で来たいわね……」
 
ひろし「あぁ……また来年も必ず来よう。」
 
しんのすけはただ、消えゆく夕日を淋しそうに見ていた。
 
ひろし「さぁ!帰るか!」
206:
幸せな日々はそう長くは続かなかった。
 
しんのすけが病気を宣告されてから3ヶ月が経った。
 
みさえ「しんちゃーん 起きなさい!! バスが来ちゃうでしょっ!?」
 
返事が無い
 
みさえ「しんちゃーん!?」
210:
急いでしんのすけの寝ている部屋に走るみさえ。
 
みさえ「しんちゃん!!しんちゃん!!」
 
しんのすけ「か…かあちゃん……」
 
みさえ「しんちゃん!!どうしたの!?」
 
しんのすけ「かあちゃん……足が……動かせないゾ…」
 
不思議そうに自分の足を見つめるしんのすけ
 
そう、着々と病気がしんのすけの体を蝕み始めていたのだ。
213:
oh
214:
><;
216:
なん・・・だと・・・・?
217:
みるみる内に顔が青ざめてくみさえ
 
みさえ「あなた!! しんのすけが……!!」
 
ひろし「しんのすけがどうした!?」
 
いつもは寝起きの悪いひろしも、跳び起きる。
 
しんのすけ「足が動かないんだゾ……なんで?」
 
……そろそろ、すべてを伝えるべき時なのかも知れない。
 
ひろしは決意した。
 
ひろし「しんのすけ… いまから父ちゃんが言う事は嘘じゃ無い。
本当の事だ。 お前が信じられなくても、理解できなくてもよく聞いてくれ……」
 
みさえ「あなた!!」
 
ひろし「もうこれ以上隠し通すのは無理だろ!?」
218:
しんのすけええええええええええ
220:
ひろし「しんのすけ……お前は今不治の病に侵されている。足が動かないのもその証拠だ。そのうち色んな所が動かなくなるだろう……」
 
しんのすけは黙ってひろしを見つめて話しを聞いている。
 
ひろし「お前の命はあと何年持つかわからない…… 今まで黙っていて悪かった!」
 
しんのすけ「……やっぱり」
 
ひろし「………?」
 
しんのすけ「……やっぱり変だと思ったんだー! オラよく転ぶし たまにオハシ持てなくなったり…… もう…とうちゃんとかあちゃん足臭いゾ!」
 
一見元気そうに返答するしんのすけだが、声が震えている。
223:
みさえ「しんちゃん……」
 
ギュッとしんのすけを抱き抱えるみさえ
 
みさえ「ごめんね……ごめんねごめんね……」
 
泣きながら謝り続けるみさえ
 
しんのすけ「な……なんでかあちゃんが謝るんだゾ! ……なんで… う……ウワァアアアァン!!」
 
大声で叫びながら、しんのすけは我慢していた涙を流し始めた。
 
ひろし「しんのすけ……父ちゃんと母ちゃん、それにひまわりとシロがついている。心配するな……」
 
ひろしも涙を流し始めた。
 
…こうして、しんのすけは初めて自分の病気を知るのであった。
224:
それからリハビリの日々だった。
 
辛くても 辛くてもしんのすけは諦めなかった。
 
リハビリのおかげもあって、少しずつ歩けるようになってきたが、ヨチヨチ歩く程度しか歩けない。
 
車椅子を使用する日々が続いた。
 
性格は相変わらずおちゃらけている。だがひろしやみさえから見たら空元気にしか見えなかった……。
 
そして宣告されてから5ヶ月が経った。
229:
よしなが先生「野原さーん! しんちゃん迎えに来ましたよー!」
 
みさえ「はぁーい!!」
 
しんのすけ「よっ! よしなが先生!」
 
みさえ「コラッ! おはようございますでしょ!!」
 
しんのすけ「そーともゆー」
 
風間「よしなが先生! お手伝いします!!」
 
よしなが先生「あら、ありがとう!!じゃあ車椅子はいいからしんちゃん連れて行ってくれるかしら?」
 
風間「はい! ほらしんのすけ!いくぞ!」
 
しんのすけ「会いたかったぁ〜ん// 風間くぅ〜ん//」
 
風間「こら! やめろよしんのすけ!!」
 
しんのすけ「じゃ! 行ってくるゾ!」
 
みさえ「はいはい… よしなが先生、よろしくお願いします…」
 
深く礼をするみさえ
 
よしなが先生「はい! それでは行ってきますね!」
 
みさえ(…本当に、いい友達と先生が居てしんのすけは幸せ者だわ……)
230:
しんのすけ「でねでね風間くぅ〜ん!! オラ久しぶりに歩けるようになったんだゾ!」
 
風間「へぇ〜! そうなんだぁ〜!! 凄いなしんのすけ! やったじゃないか!」
 
風間くんはいつもオラの話しをちゃんと聞いてくれる。
 
とうちゃんやかあちゃんに話し辛い話しも
 
風間くんなら話せるんだゾ!。
 
そんな風間くんにはいつも感謝してるんだゾ…
 
風間「もしなんかあったら言えよ! しんのすけ!」
 
オラ、風間くんと友達になれてよかったゾ!
 
…でも直接お礼を言うのは恥ずかしいゾ……
 
よしなが先生「はーいみんなー!そろそろ幼稚園につきますよー!」
 
風間「よし、しんのすけ立てるか?」
 
しんのすけ「大丈夫だゾ!!」
 
二人は仲良くバスを降り教室に入っていった。
232:
お昼休み……
 
外で遊ぶ園児達をぼーっと見つめるしんのすけ
 
歩けなくなってから
 
幼稚園で一人ぼっちの時間が多くなった。
 
運動の時間はいつも見学。気を使って先生やいつものみんなは話しかけてくれるが、それも虚しい。
 
しんのすけ(…オラも外で遊びたいなぁ…)
 
たそがれていた時だった。教室のドアが開く。
 
そこにいたのはいつものみんなだった。
233:
人が少ないのう・・・
ネネ「しーんちゃん!」
 
ぼーちゃん「ぼぉ」
 
マサオ「えへへ……元気?」
 
風間「やっぱりしんのすけがいないと何しても面白くないよ。だから僕達教室で遊ぶ事にしたんだ!」
 
しんのすけ「みんな……」
 
風間「さぁ! 何して遊ぶ?」
 
この時ばかりはさすがにネネちゃんもリアルおままごとは提案しないようだった。
 
しんのすけ「う〜ん……」
 
悩みに悩んだしんのすけはこう言った。
 
しんのすけ「お絵かき!」
234:
しんのすけ・・・生きろ!
235:
ネネ「いいわね! そうしましょうよ!!」
 
マサオ「え〜… 僕絵下手だから嫌だなぁ……」
 
ネネ「黙れオニギリ」
 
マサオ「は…はぃい!!」
 
ぼーちゃん「なに…描く?」
 
しんのすけ「じゃあねー みんなが好きなモノ!!」
 
風間「僕にかかれば簡単さ!!」
 
ネネ「それじゃ、描きましょう!」
239:
数十分後……
 
ネネ「できたー!!」
 
マサオ「僕も!!」
 
ぼーちゃん「んぼっ!!」
 
風間「余裕さ!」
 
しんのすけ「オラもできたぞー!」
 
風間「じゃあネネちゃんから発表していこう!」
 
ネネ「ネネはね〜 大好きなうさちゃん!!」
 
マサオ「うわぁー!上手!!」
 
ネネ「マサオ君は何を描いたの?」
 
マサオ「僕はねー じゃじゃーん! 車!!」
 
ネネ「まあまあね」
 
ぼーちゃん「ぼくは 東京 タワー」
 
風間「…個性的で……いいと思うよ!」
 
ぼーちゃん「ぼ!」
241:
風間「僕はママさ!」
 
しんのすけ「あらートオルちゃん? 魔女っ子マリーちゃんやもえPじゃないのかしら?」
 
風間「いや描こうか迷って……ってちがーう!!」
 
みんなの視線が風間くんに集まる
 
風間「コホン……// し、しんのすけは何描いたんだよ!! 見せてみろ!!」
 
強引に奪い取る風間くん
しんのすけ「いやぁああん// 風間くんったら強引〜//」
 
風間「………!」
 
ネネ「なになに〜!!」
 
マサオ「見せて見せて〜!!」
 
ぼーちゃん「ぼ!」
 
風間「しんのすけ…これって…」
【衝撃】うちの妹(14歳)が胸をネットに晒した末路wwwwあほすぎwwww
243:
ぼーちゃんにいちいち吹くwww
247:
そこに描かれていたのは、笑顔の人々。大人や子供、様々の人達が描かれている。
 
しんのすけ「オラのとうちゃんかあちゃんと〜ひまわりとシロと〜かすかべ防衛隊のみんなと〜
組長と〜よしなが先生と〜……んもう、いっぱいいて描ききれなかったゾ!」
 
風間「しんのすけ……お前……」
 
しんのすけ「オラ、みんながだーいすき! みんなと一緒にいられて本当に楽しいゾ!!」
しんのすけの発言に、辺りがあったかい空気につつまれた。
 
風間(こいつは一生懸命病気と闘って辛いハズなのに、なんで? …しんのすけ、お前は凄い奴だよ…)
 
ネネ「しんちゃん!! 私もしんちゃん大好きよ!!」
 
マサオ「僕も!」
 
ぼーちゃん「ぼくも!」
 
涙目になりながら皆が言う。
249:
風間「ぼ…僕だってかけがえの無い友達だと思ってるさ!!」
 
しんのすけ「あれー? ほんとかなー?風間くん。」
 
風間「ほ…ほんとだよ!!」
 
しんのすけ「ふーん……ま、いっか!」
 
風間「なにがだよっ!!」
 
辺りが笑いに溢れる。
 
しんのすけ(風間くんは1番のオラの親友だゾ……ありがとう。風間くん)
250:
宣告されて7ヶ月が経った。
 
ひろし「ただいまー!」
 
しんのすけ「おかえりー!」
 
ヨチヨチ歩きで出迎えるしんのすけ
 
みさえ「あらあなた!お帰りなさい ご飯にする? お風呂にする?」
 
しんのすけ「それともワ・タ・シ?//」
 
みさえ「このおバカっ!」
 
ひろし「アハハ……今はどっちともいいや。 それよりみさえ 話しがあるんだ。」
 
真剣な顔で話すひろしに、ただ事ではないと気付くみさえ
 
みさえ「…なーに?」
252:
なんだよ…なんなんだよこれ…
目からみそ汁が
253:
みさえ「しんちゃん…ちょっとお風呂入ってなさい。」
 
しんのすけ「えーなんでー?」
 
みさえ「いーから!」
 
渋々お風呂へと向かうしんのすけ
 
居間に移動するひろしとみさえ
 
ひろし「オレ……会社辞めようと思うんだ。」
 
みさえ「………!!」
 
みさえは驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの表情に戻りこう言った。
 
みさえ「そろそろ…言うんじゃないかと思ってたわ。大丈夫よ。私あなたにちゃんとついていくって決めてるんだから!」
 
ひろし「オレ…しんのすけの事が心配でいても立ってもいられないんだよ!! 少しでもしんのすけと一緒にいてやりたいんだよ!!」
254:
これは直るフラグですねそうですねそうだといえよたのむ10円やるからそういってくれ
256:
俺は100円出そう
255:
みさえ「あなた………」
 
ひろし「しんのすけの残りの人生、少しでも充実させてやりたいんだ!! どこかへ出掛けたり一緒に遊んだりしてやりたいんだ!」
 
真剣な表情で訴えるひろし
 
「そんなの……ダメだゾ!!」
 
ひろし・みさえ「……!」
 
しんのすけがドアを開け、ひろしに言った。
 
ひろし「おまえ…聞いてたのか?」
259:
しんのすけ「今とうちゃんが会社やめても、オラは嬉しくなんかないゾ!!」
 
ひろし「おまえ…自分の体の事わかってるだろ!?おまえだってとうちゃんと一緒にいたいだろ?」
 
戸惑いを隠せないひろし。
 
しんのすけ「オラ…みんなと一緒にいたいけど……オラは……オラはもう死んじゃうんだゾ!残されたひまわりはどうなるんだゾ!」
 
涙声で言うしんのすけ
 
みさえ「パパはね、しんちゃんのためを思って辞めようとしてるのよ!!」
 
しんのすけ「そんなの……ありがためーわくだゾ!!」
 
ひろし「しんのすけ………」
 
しんのすけ「だから辞めるなんていうなー! 男らしくないゾー!」
 
その言葉と同時に座り込むしんのすけ
263:
ちょっと歩くのでさえ辛いのに、頑張って立っていたせいか足が持たなかったようだ。
 
みさえ「しんちゃん……!!」
 
しんのすけを抱き抱えるみさえ
 
ひろしはうつむいたまま喋ろうとしない。
 
みさえ「しんちゃん……もう寝なさい。パパの事は心配しなくていいから……」
 
しんのすけを寝室に連れて行くみさえ
 
ひろし(……オレにとっての幸せは、しんのすけにとって迷惑なのか? ……オレはどうしたらいいんだ?)
268:
みさえ「さて……しんのすけも寝た事だし……どうするの?あなた。」
 
ひろし「しんのすけは……オレと一緒にいたくないのかな?」
 
みさえ「そんなことあるわけないじゃない! …私が思うに、しんのすけは…病気だからって特別扱いされるのは嫌なんじゃないかしら。
今まで通りの私たちで居て欲しいんじゃないかしら。」
 
ひろし「みさえ……」
 
みさえ「わたしも…働かないあなたの姿なんかあんまり見たくないわ!働いてるあなた、カッコイイもん。」
 
笑顔で語るみさえ。
 
ひろし「…………」
 
ひろしはムクッと立ち上がり、胸ポケットの中に入ってた辞表を破り始めた。
 
みさえ「あなた……!!」
 
ひろし「オレ……やっぱり仕事続けるよ。仕事してないとオレじゃない気がする。しんのすけに目覚めさせて貰ったよ……」
 
みさえ「フフッ……これからも頑張ってね! あなた!」
 
ひろし「ああ!」
 
ひろしは仕事を続ける事を決意した。
 
妻と息子と娘のため、そして自分のために。
271:
目から海水が
273:
宣告されてから九ヶ月が経った。
 
しんのすけ「じゃ、行ってきまーす」
 
みさえ「行ってらっしゃーい!!」
 
いつものようにバスに乗り込むしんのすけ。
 
 
風間「おはようしんのすけ!」
 
しんのすけ「よっ!」
 
いつものたわいない会話をしる二人。
 
でもこの時間がしんのすけにとっては大切な時間だった。
 
しんのすけ「風間くん! オラ最近ちゃんと字がかけるようになったゾ!」
 
風間「やるじゃないかしんのすけ! じゃ幼稚園ついたら書いてみせてよ!」
 
しんのすけ「ほほ〜い!!」
 
もとからあまり字が書けなかったしんのすけだが、手のリハビリも兼ねて字を覚え始めたのだ。
277:
お昼休みになった頃
 
相変わらずしんのすけは一人ぼっちで外で遊ぶ園児達を羨ましそうに見つめている
 
そんな中いつも話しかけてくれるのは風間くんだった
 
風間「やぁしんのすけ。朝約束しただろ? 字を書いてみろよ〜!」
 
しんのすけ「ほほ〜い!!」
 
紙に向かって真剣に書き始めるしんのすけ
 
紙には
 
「野原しんのすけ」
 
と書かれていた。
278:
風間「すごいじゃないかしんのすけ!漢字も書けるのか!」
 
しんのすけ「いやぁ〜//」
 
風間「他にも書いてみろよ!」
 
しんのすけ「ほい!」
 
こうして仲良く二人は昼休みを過ごしていた………
 
午後のお勉強が終わり、みんなが帰る中……
 
風間「しんのすけ!ほら行くぞ!」
 
しんのすけ「ほほ〜い!」
 
風間くんがしんのすけを車椅子に乗せ、みさえがいる幼稚園の玄関に向かう。
279:
風間「ほら!ついたぞ! それじゃ……」
 
しんのすけ「風間くん待って!!」
 
風間「ん?どうしたんだしんのすけ」
 
しんのすけ「風間くん……あのね……」
 
風間「……?」
 
しんのすけ「いつも…… ありがとうなんだゾ!///」
 
風間「ば…ばかっ!!別にいいよ!!// それじゃあな!!」
 
風間くんは照れを隠すように走って帰っていった。
 
それからしばらくしてからみさえが来た。
 
みさえ「遅くなってごめんね!!」
 
しんのすけ「遅いゾみさえ!」
 
みさえ「だってぇ〜 おケイがぁ〜!!」
 
しんのすけ(やっと……やっと…ちゃんと風間くんにお礼が言えたゾ!)
 
これがしんのすけと風間くんの最後の会話になった。
281:
うわあああああああああああ
282:
うわあああああああああああああ
284:
翌日……
 
ついにこの日がやってきてしまった。
 
しんのすけを起こしにいくみさえ
 
みさえ「しんのすけー! 起きなさーい!」
 
しんのすけ「………………!!」
 
しんのすけはこの時気付いた。
 
自分の声が出ない事を。
 
みさえ「しんのすけ? ほらおはよーは?」
 
声が出ない事に焦りを感じるしんのすけ
 
必死に喋ろうとするが声にならない声が出るばかりだ。
 
みさえ「しんちゃん!?」
 
みさえもしんのすけの異変に気付く。
 
みさえ「しんちゃん!?どうしたの!? しんちゃん!!」
288:
みさえが何を言っても
 
返事を返せない。
 
何をしても伝わらない。
 
しんのすけは悔しさのあまり涙を流してしまった。
 
みさえ「あなた!! あなたー!!」
 
数時間後、病院に着くと同時に医者のもとへ走る野原家
 
みさえ「しんのすけが……しんのすけが!!」
 
医者「落ち着いて下さい野原さん!! 何があったのですか!?」
 
ひろし「声が…出なくなったんです!!」
 
医者「なんですと!? すぐに調べましょう!!」
 
もしかしたら…
もしかしたら、風邪で声が出ないだけなのかも知れない。
 
状況が悪いほど、人は少しの可能性にかけたくなるものである。
 
数分後……
 
医者「野原さん、検査結果が出ました……」
 
みさえ「しんのすけはどうなったんですか!?」
289:
何だ死亡エンドじゃないのか
よかったよかった・・・のか・・?
291:
医者「残念ながら……しんのすけ君が喋る事は…もうないでしょう。」
 
聞きたくなかった。
 
ただの風邪だと期待していただけにダメージも大きい。
 
いつか来るとは知っていながらも、その日はまだ遠いと思っていた。
 
「しんのすけがもう喋れない」
 
頭の中でその言葉が響く。
 
「ほほーい!!」
 
「妖怪ケツでかおばばー!」
 
「とうちゃん!かあちゃん!」
 
「オラ…大人になったら美人のおねーさんとケッコンするゾ!」
 
……何気ないいつもの会話が
 
もう出来なくなると思うと
 
感情がみるみる内に込み上げてくる。
 
みさえ「しんぢゃあ゛あぁああん!!!」
 
ひろし「しんのずげー!!!!!」
295:
叫ぶと同時にしんのすけは車椅子に乗せられ戻ってきた。
 
しんのすけは泣いていない。
 
むしろ私達を励まそうとジェスチャーしている。
 
思えばしんのすけが病気にかかってから
 
私達は何回泣いたかわからない。
 
だけどあの子は全然泣かず、必死に生きている。
 
子供のくせに甘えたがらない。…あの子は病気にかかってから強くなった。
 
肉体的にではなく、精神的に。
 
私達よりずっとタフだ。
 
情けないな……私達。
 
1番辛いのは、しんのすけのハズなのに……
298:
もう苦しくて読めない・・・
303:
それからしんのすけは再度入院することになった。
 
ベッドの上にはホワイトボードと沢山の紙、ペンが用意されていた。
 
しんのすけの筆談用にだ。
 
みさえ「しんちゃーん りんご持ってきたから、むいて食べましょうか!」
 
みさえの方をジッと見てから震える手でホワイトボードに一生懸命何かを書き始めるしんのすけ
 
『オラ うさぎさんが いいな』
 
みさえ「はいはい……ちゃんとうさぎさんに切るわよ!」
 
喜ぶ表情を見せるしんのすけ。
 
みさえ「ほら!出来たわよ!うさぎちゃんDX!」
 
『ありがと かあちゃん』
 
みさえ「ふふ… 他になんか食べたい物があったらいいなさいね!」
 
『ほ〜い』
 
…こんな生活がいつまで続くんだろう。
 
喋れなくなってから更に
 
病気にかかる前の何事もない日々が幸せだったか思い知る。
307:
くそ・・・泣けてきやがる・・・。
308:
再度入院してから二日後
 
風間「しんのすけ!大丈夫か!?」
 
ネネ「しんちゃん!」
 
笑顔で迎えるしんのすけ。
 
風間「僕たち二人、ひまわり組の代表としてお見舞いに来たんだ!」
 
ネネ「はいこれ!!」
 
ネネが渡したのは千羽鶴だった。
 
『ありがとうだゾ!』
 
風間「しんのすけ…おまえ喋れなくなったのか!?」
 
『そうなんだゾ…』
 
ゆっくりと文字を書くしんのすけ
 
ネネ『しんちゃん…可哀相…』
 
二人は事の重大さに気付く。
 
しんのすけを励ましにきたのに…話しを聞いて重たげな表情になる。
313:
『でもだいじょぶ! 字があるゾ!』
 
暗い表情の二人に笑顔で語りかけるしんのすけ
 
ネネ「そっか!そうよね! じゃあネネ、しんちゃんにお手紙書くね!」
 
風間「僕も手紙書くよ!」
 
『うれしいゾ! お手紙待ってるゾ!』
 
…それから数分、しんのすけ達は色々と雑談をした。
 
 
風間「じゃあ僕たちそろそろ帰るよ。」
 
ネネ「またくるからね!しんちゃん!」
 
『んじゃ そーゆーことでー』
 
ガチャン。
 
部屋のドアが閉まる
315:
なんでもないようなことが・・・幸せだったと思う・・・
319:
いそいそと紙とペンを取り出すしんのすけ
 
しんのすけ(オラ…いつまで字が書けるかわからないゾ。今のうち、伝えたい事を紙に書いておくゾ…」
 
震える手でペンを握りしめ、字がぐちゃぐちゃになりながらも一生懸命自分の思いを形に残していく。
 
消灯時間ギリギリまでベッドの机に向かっている。
 
しんのすけ(…オラ、いつ手が動かなくなっちゃうのかな? オラ、いつ死んじゃうのかな…?)
 
涙が滲み出てくる。
 
しんのすけ(オラ… まだ死にたくないゾ…… 死にたくなんかないゾ!!)
 
 
大声で泣きたくても。
 
 
泣き声は出てくれない。
323:
ああそうか・・手も動かなくなってくるんだったな
太刀悪いな
322:
しんのすけが再度入院してから一ヶ月が経った
 
トゥルルルル……
 
野原家に電話が鳴り響く
 
みさえ「はい野原ですー」
 
医者「野原さんですか!? しんのすけ君の容態が!!!」
 
ガチャ……
 
受話器を落とすみさえ
 
みさえ「しんのすけ!!!!!!!」
 
ひまわりをダッコし、ドアを開け車に乗り病院へと向かっていた。
 
みさえ(……しんちゃん!! しんちゃん!!)
 
車のスピードもどんどん上がっていく。
327:
まさに泣ける2
333:
病院の駐車場でひろしに電話をかけるみさえ
 
みさえ「あなた!! しんのすけが!!」
 
ひろし「今行く!!」
 
ろくに事情を説明しないにも関わらず、会社を出るひろし
 
ひろし「すいません部長! 息子が!! それでは!!」
 
部長「待ちたまえ! 野原くん! 野原くーん!!」
 
そこにはもうひろしの姿は無かった。
 
みさえ「先程連絡を頂いた野原です!! 息子は!?息子は!?」
 
看護婦「少々お待ちください…」
 
みさえ「息子の命がかかっているんです!! 早くして!!」
 
鬼の形相で言うみさえ
 
看護婦「は……はい!!
 
……
 
看護婦「息子さんは4Fの集中治療室です。」
 
みさえ「わかったわ!!」
336:
みさえはエレベーターを待っている時間ももどかしく感じ、自分の足で階段をのぼる事にした。
 
みさえ「しんちゃん……しんちゃん!!」
 
4Fの集中治療室の前には医者が待っていた。
 
みさえ「先生!しんのすけは!? 大丈夫なんですか!?」
 
首を横にふる医者
 
医者「しんのすけ君の容態は急変してしまいまして……」
 
みさえ「なんでもいいからしんのすけに会わせて!! 早く!!」
 
医者「……ではこちらへ」
342:
ピッ・・・ピッ・・・
 
一定間隔の電子音が鳴る。
みさえ「……………!!」
 
そこには変わり果てたしんのすけの姿があった。
 
鼻にはチューブがつけられ、体はピクリとも動かず、眼球のみ動いている。
 
みさえ「しんのすけ!!」
 
医者「野原さんお静かに!!」
 
みさえ「だって……だって!!!」
 
大粒の涙を流し、その場に座り込むみさえ。
 
するとそこに遅れてひろしがやってきた。
 
ひろし「し…んのすけ………?」
 
ひろしも泣き叫ぶ。
 
医者「野原さん。気をしっかり持ってください!!」
344:
ブワッ(´;ω;`)
348:
医者「この様子だと……今夜が……」
 
更に追い討ちをかける医者。
 
みさえ「い゛や゛ぁあああああああ!!!!!!!」
 
ひろし「嘘だろぉおおおおお!!!!!」
 
ひろし「先生! どうにかしてくれよ!! 医者だろ!?」
 
医者「こればっかりはどうにも……私達は、最善の手をつくしてきましたが……」
 
みさえ「しんちゃん!! しんちゃん!!」
 
ひろし「しんのすけ!!しんのすけ!!」
 
必死の呼びかけに応えたかのように
 
しんのすけの目からポロリと一粒涙が流れた。
351:
しんのすけの右手がプルプルと動き出す。
 
ひろし「しんのすけ!? どうしたんだ!?」
 
みさえ「字よ!!あなた!! 手を出してあげて!!」
 
ひろし「あ…あぁ……!!」
 
しんのすけの手元に手を伸ばすひろし
 
ひろし「なんだ……?」
 
『あ』
 
『り』
 
 
 
 
『が』
 
 
『と』
354:
ピリリリリリッ ピリリリリリッ
 
看護婦「先生! 心拍数ともに血圧が減少しています!!」
 
医者「電気ショックだ!!」
 
ウィィーン ボンッ
 
反応がない
 
ピリリリリリッ ピリリリリリッ
 
機械の音が鳴り響く
 
医者「もう一度だ!」
 
ウィィーン ボンッ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ピーーーーーーッ
359:
あああああああああああ
362:
医者「…………」
 
看護婦「先生……」
 
医者「午前11時32分 死亡確認」
 
みさえ「うそ…………」
 
ひろし「そんな……………」
 
時間が止まったかのようだった。
 
しんのすけが……
 
わたしたちよりさきにしぬなんて……
 
ひろし・みさえ「し゛んのす゛げぇえええええ!!!!!」
365:
ああああああああああああああ
367:
ああああああああああああああああああああああああ
369:
しんのすけの葬儀が終わった。
 
私達は魂が抜けたような生活をしていた。
 
トゥルルルル……トゥルルルル……
 
家の電話が鳴り響く。
 
ガチャ
 
みさえ「のはらです……」
 
みさえの声にいつもの元気は無い。
 
看護婦「野原さん……あなたがたに渡したい物があるのですが……一度病院にいらして頂けませんか?」
 
みさえ「あ……はい。」
 
ひろしとひまわりを連れ、病院へと向かう。
378:
あっさり死んでしまった・・・クソクソクソッ!!
376:
看護婦「これ……しんのすけ君から渡すように頼まれてたんです…」
 
それは
 
少しクシャクシャになった紙だった。
 
ちゃんと広げてみてみるとそこには文字が書かれていた。
 
どうやら手紙のようだ。
 
ひろし「……なになに?」
382:
『とうちゃん かあちゃん ひまわり このてがみをよんでいるということは オラはもうしんじゃったんだね。』
『オラ すこししか いきられなかったけど すっごくたのしかったゾ!』
『うみ もういっかいいけなかったね でもオラみんなといられるだけでうれしかったんだゾ!』
『とうちゃん! ひまわりのためにがんばって はたらくんだゾ!』
『かあちゃん! むだづかいはあんまりしちゃだめだゾ! おべんぴ なおすんだゾ!』
『ひまわり! ひまわりはオラににて きっと びじんさん になるゾ! かっこいい オムコさんみつけて しあわせになるんだゾ!』
『みんなにであえてよかったゾ! オラもうこわくなんてないゾ! んじゃ、そーゆーことでー』
 
震える手で書いた文字はぐちゃぐちゃだった。
紙には所々に丸いシミがある。
だが一文字一文字頑張って書いた文字は
ひろしとみさえにはちゃんと伝わったようだ。
ひろし・みさえ「…………………」
手紙を読む二人の頬は
流しきってしまったハズの涙がまた一粒二粒ポロポロとつたっていた。
383:

381:
386:
>>381
やめろおおおおおおおお
そのAAをのせるなーーー
391:
しんのすけが亡くなってから7年が経った。
 
風間君達は毎年お香をあげに来てくれている。
 
あの子が生きてたら これくらい大きくなってたのかな…と思うと、寂しくなる。
 
ひまわりも今年小学生になった。
 
お兄ちゃんがいたことを話しても
 
ほんの少ししか覚えてないようだ。
 
私は一度たりともしんのすけを思わなかった事はない。
 
あの子の手紙を時々読み返してはあの頃の日々を思い出している。
 
ひろし「なぁ……みさえ、ひまわり」
 
みさえ「……なぁに?」
 
ひまわり「どうしたの?パパ。」
 
ひろし「海……いこうか」
395:
はぁ・・・ やばい鬱った・・
396:
波の優しい音色が あの日の出来事を鮮明に思い出させる。
 
 
ひろし「あいつとの約束…果たせなかったな…」
 
みさえ「そうね…」
 

 

 
しばらく沈黙が続く。
 
ひまわり「ねぇ…お兄ちゃんってどんな人だったの?」
 
みさえ「しんのすけ? う〜ん……」
 
みさえ「言葉では言い表せないわ。ひまのようにいたずらをよくしたり、美人の女性が好きで追いかけまわしたり……そりゃあ手のかかる子だったわ。」
 
ひろし「でもな、だれよりも家族や友達を大切にする優しい奴であったのも確かなんだ。」
 
ひまわり「ふぅ〜ん……」
397:
おい、シロの出番まだかよ
402:
>>397
確かにシロがほとんど出てこないな。
410:
ひまわり「もっと海を高いところから見たい!」
ひまわり「ひろし!抱いて!」
ひろし「パパ抱っこと言いなさい!」
みさえ「あの子はいつまでも私達家族の一員よ。 心の中でいつまでも一緒なのよ。」
 
ひろし「ひまわり、お兄ちゃんの分まで 沢山生きるんだぞ。」
 
ひまわり「はぁ〜い」
 
ひろし「…さ、帰ろうか!」
 
みさえ「えぇ!!」
 
ひまわり「うん!」
 
 
 
 
 
天国からオレ達をいつまでも見守っててくれるよな?
 
 
な?しんのすけ…………
 
 
 
『ほっほ〜い!』 END
412:
>>1
お疲れさん。
418:
泣いた
さんくす
420:
乙。
目から涙がでるくらいしか面白くなかったぜ・・・
450:
> ひまわり「ひろし!抱いて!」
せっかく泣けそうだったのにwwwwwwwwwwww

454:
>>450
> ひまわり「ひろし!抱いて!」
これ入れないと最後まで気分落ちたまま終わりになるから
少しでも笑えるようにと思って。
458:
471:
なんだこのストーリーテラー
>>1乙
48

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