千歌「梨子ちゃんに大好き、って言われちゃった///」back

千歌「梨子ちゃんに大好き、って言われちゃった///」


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千歌「どういう意味だろ?普通にお友達として大好き、ってことかなぁ」
ねぇ、千歌ちゃん。
千歌「違う意味だったら…お、女の子同士なのに、そんなのヘンだよね?」
千歌ちゃんは、気付いてないの?
千歌「黙って頷いちゃったけど、何かお返事した方がいいのかなー!」
今の千歌ちゃん、誰がどう見ても
千歌「あ??!曜ちゃん、どうしよ?????!!!」
恋する乙女って顔してるよ。
2:
曜「…ごめん、私先に行くね」
千歌「え?梨子ちゃん待ってないの?」
千歌「係の仕事、そんなにかからないって言ってたし、もうちょっとで戻ってくると思うけど」
曜「うん。次の衣装についてルビィちゃんと話もしたいし」
千歌「わかった。じゃあ、梨子ちゃん戻ってきたら一緒に行くね」
曜「じゃ、後でね」
3:
最近、千歌ちゃんと梨子ちゃんと、一緒にいるのが辛い。
恋愛とかに疎かった私でも、近くにいればわかる。
二人は、きっと好き合ってるんだって。
女の子同士で、なんて普通じゃない。
でも、私もそうだったから。
私も、千歌ちゃんのことが好きだったから。
だから、それが手に取るようにわかって。
だから、それが辛かった。
4:
東京からの転校生として、突然現れた梨子ちゃん。
千歌ちゃんとは家が隣ということもあってか、Aqoursを結成してから、二人の仲は急激に近づいた。
梨子ちゃんは、スクールアイドルをやる上でも、作曲ができるという他の人にはない特技を持っているし、それを除いても確かに魅力的な女の子だ。
でも、その奇跡のような出会いは。
私が千歌ちゃんと十年以上育んできた絆を、一瞬で飛び越えてしまって。
それが私には、どうしようもなく耐えられなかった。
5:
ダイヤ「あら、曜さん。ごきげんよう」
鞠莉「ん?曜、なーんか顔色、良くないわよ」
曜「…え?そうですか?」
ルビィ「ぐ、具合が悪かったり…?」
果南「気分が優れないなら、無理しないで今日は休みな」
曜(…そんなに酷い顔をしてるのかな、今の私は)
曜「…そうだね。そう言われればなんだか体調良くないかも。悪いけど、今日は休むね」
花丸「お大事にずら?」
6:
千歌「おっまたせ?!今日も練習がんばろう!」
梨子「あれ、曜ちゃんは?先に来てるって聞いたけど」
ダイヤ「曜さんなら帰りましたわ。なんだか顔色が優れないようだったので」
千歌「え…?」
果南「あんた達、一緒にいたのに気付かなかったの?すっごい具合悪そうだったよ」
千歌「…ちっとも、気付かなかった。普通に話してたと、思ったんだけどな」
7:
曜(みんなに心配かけちゃった。顔に出ちゃうなんて、私はダメだなぁ)
曜(明日からはいつも通り、普通の渡辺曜でいなきゃ)
曜(…いつまで、隠してればいいのかな。いつまでこんなこと、続ければいいのかな…)
ピロリン
曜(…あ、メール…千歌ちゃんからだ)
曜(体調、気遣ってくれてるんだ。やっぱり優しいな、千歌ちゃんは)
曜(…でも、その優しさは、きっと他の人にも向けられているものなんだよね)
10:
梨子ちゃんは、千歌ちゃんに告白、したらしい。
千歌ちゃんから相談を受ける形で知ったことだ。
その返答に思い悩む様子は、恋に浮かれる女の子そのもので。
千歌ちゃんの梨子ちゃんに対する想いは、やっぱり特別なんだと、思い知らされた。
私や、他のみんなへ見せている優しさとは、違う。
きっと、私が同じことをしても、こうはならなかったのだろう。
千歌ちゃんが、梨子ちゃんに見せた表情はどれも、
私には向けられたことがないものばかりだった――
12:
千歌「おはよ?曜ちゃん」
梨子「曜ちゃん、おはよう」
曜「おはよう、千歌ちゃん、梨子ちゃん」
千歌ちゃんと梨子ちゃんは、いつも同じバス停から一緒に乗ってくる。
家が隣同士なんだから、当たり前なんだけど。
…私も、沼津に引っ越さないで、内浦のままだったら、良かったな。
家が近くだったら。バス停が一緒だったら。…何か変わっていたのだろうか。
13:
千歌「曜ちゃん、体調はもう平気なの?」
曜「うん、大丈夫。昨日はみんなにも心配かけちゃったね」
梨子「本当よ?千歌ちゃん、早く歌詞出してって言ってるのに、曜ちゃんが心配で?って全然手付かずだったんだから」
千歌「で、でも梨子ちゃんの脅すような言い方も悪いよ!あんなにプレッシャーかけられたんじゃ出るものも出ないよ!」
梨子「そもそも予定通りに進めてくれていれば、私もこんなに心を鬼にしなくて済むんだけど」
ねぇ、千歌ちゃん、梨子ちゃん
千歌「うぐ…梨子ちゃん、歌詞の締切の時だけは、心だけじゃなくて顔まで鬼に…」
梨子「何 か 言 っ た ?」
千歌「ひぇっ!ほら、その顔その顔!すっごい怖い!」
何の話をしているの?
千歌「曜ちゃんも、そう思うよね!?」
曜「あはは、そうかな」
14:
千歌「授業おわった??!さ、今日も練習がんばるよ!」
梨子「昨日は待たせちゃったから、早く行きましょう」
曜「…ごめん。今日はちょっと水泳部の方に行くね」
千歌「あ、そうなんだ」
梨子「大変ね、水泳部とスクールアイドルの兼部なんて」
曜「あはは…みんなには、体調はすっかり良くなったから大丈夫だよって言っておいてよ」
千歌「うん、わかった。頑張ってね」
15:
…ふと気を抜くと、暗い思考が頭を覆い尽くす。
きっとまた、ひどい顔をしている。
こんなんじゃAqoursの練習にも出られない。
…私は、どうしたらいいんだろう。
梨子ちゃんから千歌ちゃんを奪うなんてこと、できない。
そもそも好き合ってる二人の間に、私が入る余地なんてない。
でも、このまま二人を傍で見続けるなんて、もっとできない。
袋小路のように行き場のない感情が、ぐるぐると渦巻いていた。
16:
千歌「やっとバス来たよ?。あれ、曜ちゃんいない」
梨子「珍しいね。いつもこのバスに乗ってるのに」
千歌「うぷぷ。曜ちゃん、お寝坊さんかな?」
梨子「千歌ちゃんじゃあるまいし…」
千歌「な、なんだと?!!」
梨子「…ところで千歌ちゃん。私、まだお返事聞いてないな」
千歌「え?何のこと?」
梨子「ほら、合宿の時の…」
千歌「…あ、あぁ?。それはまぁ、近いうちに、ね…?」
梨子「ふふっ。待ってる」
17:
千歌「もうすぐ授業始まっちゃうのに、曜ちゃんまだ来ないな?」
梨子「もしかして、本当に寝坊しちゃったのかしら」
千歌「…って、噂をすれば!曜ちゃーん!」
曜「…おはよ、千歌ちゃん、梨子ちゃん」
梨子「おはよう。珍しいね、こんな時間になるなんて」
千歌「曜ちゃん、まさかお寝坊さんしちゃった?」ニヤニヤ
曜「あはは、まぁそんなところ」
梨子「え、本当!?」
千歌「ほらー!私の言った通りじゃん!」
梨子「くっ…曜ちゃんが寝坊してくることなんて一度もなかったから、まさかと思ったけど…」
千歌「私は曜ちゃんの幼馴染だからね!今はしっかり者って感じだけど、昔はたまに寝坊とかしてたんだよ」
曜「…」
18:
先生「では、ここのところを…渡辺さん」
曜「…」
梨子「…曜ちゃん?」
先生「渡辺さん?聞こえてますか?」
千歌「曜ちゃん、あてられてるよ!」
曜「ッ!は、はい」
先生「あらあら、まだ寝ぼけてるの?今朝も遅刻ギリギリの時間に登校してきたでしょう、廊下で見かけたわよ」
曜「す、すみません…」
千歌「…」
19:
千歌「さあって!地区予選に向けて、今日も練習やるぞー!」
曜「…ごめん。今日も練習、行けない」
千歌「え…」
梨子「…水泳部の方へ?」
曜「…うん」
千歌「そうなんだ…」
梨子「無理しないでね」
曜「ありがと…それじゃ」
梨子「…なんだか曜ちゃん、今日一日元気なかったね」
千歌「うん…どうしたんだろ」
千歌「あんな曜ちゃん、初めて見た…」
21:
鞠莉「Oh my God! 理事長のつまんない仕事で遅くなっちゃったワ!練習、もう始まっちゃってるかしら」
鞠莉「オゥ?あれは…」
鞠莉「曜!」
曜「…あ、鞠莉ちゃん」
鞠莉「なんだか元気なさそうね。そっちは帰る方向だし、今日もAqoursの練習はお休み?」
曜「…ごめんね」
鞠莉「…昨日はチカっち、曜は水泳部に行ったって言ってたけど。あれウソよね?」
曜「…」
鞠莉「偶然見ちゃったのよね。曜が帰るところ。水泳部に行った後にしては、早すぎる時間に」
鞠莉「別に責めてるわけじゃないのよ。曜が自分勝手な理由でサボるような子じゃないって知ってるもの」
鞠莉「だから、心配してるの。だって、今のあなた…」
鞠莉「…なんだか、今にも死んじゃいそうな顔してる」
22:
曜「…そう、かな」
鞠莉「ねぇ、曜。もし体調が悪いだけならいいの。きちんと休めば治るから」
鞠莉「でも、何か悩みを抱えてるなら、遠慮なく私に話してちょうだい?」
鞠莉「私は理事長なんだから。困ってる生徒は放っておけないワ!」
鞠莉「…なんていうのは建前。私たち、同じAqoursの仲間なんだから」
鞠莉「だから、もっと頼ってくれていいのよ?」
曜「…うん。ありがとう、鞠莉ちゃん」
曜「あの…私が水泳部に行ってないこと、みんなには…」
鞠莉「わかってるわ。誰にも言わない」
曜「…ごめんね、心配かけて。ありがとう」
23:
先生「では、ホームルームを終了します。起立、礼!」
曜「…」ガタッ
千歌「よ、曜ちゃん!」
曜「…」
千歌「今日も、練習には…」
曜「…ごめん。行けない」
梨子「…そう…」
千歌「曜ちゃん、最近元気ないよね。練習にも全然来なくなっちゃったし…何か、あったの?」
曜「…ううん、なんでもないよ。大丈夫」
曜「ごめんね、心配かけて。大丈夫だから…それじゃ」
千歌「曜ちゃん!」
梨子「…全然、大丈夫には見えないけれど…」
千歌「…」
25:
鞠莉「…今日も曜は欠席?」
ダイヤ「もう5日目ですわ。いくら水泳部と兼部とはいえ…」
千歌「…曜ちゃん、最近私たちとは違う時間のバスで来るようになっちゃったし、学校でも口数が少ないしで…一体どうしたんだろう…」
花丸「何か悩みがある、とか?」
善子「確かに、最近廊下で見かける曜さん、なんだか元気なさそうね」
果南「そういうのは、幼馴染の千歌が一番わかるんじゃないの?」
千歌「私も聞いてみたんだけど、なんでもないよって答えるだけだし、あんな曜ちゃん、見たことなくって…」
ルビィ「なんだか心配だね…」
梨子「…千歌ちゃん。今日の帰り、曜ちゃん家に行ってみない?やっぱり気になるの」
千歌「そうだね…明日から土日で学校も休みになっちゃうし。行ってみよう」
26:
ピンポーン
曜ママ「はーい。あら、千歌ちゃん久しぶりね!そっちの子は…?」
千歌「ひさしぶり、おばさん!こっちはこの間引っ越してきた、梨子ちゃん」
梨子「初めまして。桜内梨子です」
曜ママ「!…そう、あなたが梨子ちゃんね」
千歌「えっと、曜ちゃんいますか?」
曜ママ「…千歌ちゃん、今曜とケンカとかしてるの?」
千歌「え?」
曜ママ「朝もいつもと違う時間に出るようになっちゃったし、その…曜には内緒って言われてたんだけど…」
曜ママ「千歌ちゃんと梨子ちゃんには、会いたくないって…」
梨子「…え?」
千歌「うそ…」
27:
梨子「さっき、曜ちゃんのお母さんが言ってたこと…」
梨子「曜ちゃんが今こうなってる原因が、私たち、ってことだよね…」
千歌「…わかんない」
千歌「全然わかんないよ…ッ!」
千歌「どういうことなの…私たちには会いたくないって…」
千歌「朝も、学校でも、まるで私たちを避けるみたいに…」
千歌「なんでもないよ、なんて…どう見たってなんでもないワケないのに…」
千歌「曜ちゃん、どうしちゃったの…?」
梨子「千歌ちゃん…」
28:
先生「では出欠を取ります。あら、渡辺さんはお休み?」
先生「高海さん、あなた渡辺さんと仲良かったわよね。何か聞いてない?」
千歌「い、いえ、何も…」
先生「そう…また遅刻かしら。たまにはガツンと叱らなきゃ!では出欠を―」
梨子「…曜ちゃん、来ないね」
千歌「…うん…」
梨子「…きっとまた、寝坊してるんだよね?」
千歌「…」
29:
花丸「曜さん、今日はお休みずら?」
千歌「うん…先生には、なんの連絡もなかったみたいだけど」
善子「具合が悪いにしたって、普通先生には連絡くらいするわよね」
ダイヤ「となると、それ以外の理由で…?」
鞠莉「…ねぇ、チカっち達は先週曜の家に行ったんでしょ?どうだったの?」
千歌「そ、それは…」
梨子「…」
梨子「お話は、できませんでした…」
鞠莉「…そう」
30:
果南「千歌たちにも話せないとなると、私たちが聞いたところで結果は同じだね」
ダイヤ「そうですね…曜さんのことは心配ですが、もうすぐラブライブ地区予選も迫ってきています」
ダイヤ「気持ちを切り替えて、私たちは私たちで今できることに集中しましょう」
鞠莉「曜は飲み込みが早いから、戻ってきてもきっとすぐに追いつくわ。でも…」
ダイヤ「…最悪、曜さんを除く8人での動きも練習に入れないといけないかもしれないですね」
千歌「…」
31:
曜ママ「…曜、ご飯ここに置いておくわね」
曜ママ「…今日も、学校行かないつもり?」
曜ママ「理由はもう今さら聞かないわ。でも、何か助けになることがあれば、ママなんだってするから」
曜ママ「…食べ終わったら、食器置いておいてね」
曜(…)
曜(…一体何をやってるんだろう)
曜(みんなに心配かけて、迷惑かけて、来てくれた千歌ちゃんたちを追い払ったりして)
曜(私は何がしたいんだろう。どこへ向かってるんだろう)
曜(…きっとどこへも向かっていない)
曜(みんなが前へ進んでいくなか、私だけここに置き去りになってる)
曜(もがいてももがいても、沼のように沈んでいって、ちっとも前に進まないんだ)
32:
先生「渡辺さんは、親御さんから体調不良で今日も欠席との連絡がありました」
千歌「え…?」
梨子「これでもう3日目だね…」
千歌「さすがにおかしいよ…私、もう一回曜ちゃんの家に行ってくる」
梨子「今から!?もうホームルーム始まっちゃうよ!それに、前行った時…」
千歌「そんなこと気にしてる場合じゃない。何か嫌な予感がするの」
千歌「このままだと曜ちゃん、どこか遠い所に行って、帰ってこなくなっちゃうんじゃないかって…」
33:
千歌「はぁ、はぁ…えっ?」
千歌「なんで曜ちゃん家の前に、パトカーが…」
曜ママ「あ、千歌ちゃん!」
千歌「おばさん!どうしたの!?曜ちゃんに何かあったの!?」
曜ママ「ねぇ、曜のこと見なかった!?」
千歌「えっ?どういうこと?」
曜ママ「曜が、いないの…朝食に手を付けてないから、おかしいと思って部屋に入ったら…」
千歌「…うそ…」
35:
私が死んだら、千歌ちゃん悲しんでくれるかな。
最近は、そんなくだらないことばっかり考えるようになった。
友達が死んじゃったら、誰だって悲しい。
当たり前だよね。
…でも、梨子ちゃんより?
私が死んだら、梨子ちゃんより私のこと、想ってくれるかな?
36:
曜「…」
高い、高いところ。
沼津の街が遠くまで見渡せる。
内浦は、あっちの方角かな。
曜「…」
他人から見たら、なんてことない、ただの失恋というものだろう。
人生の中で、一度や二度経験してもおかしくない、普通のできごと。
でも、私は今まで狭い世界で生きすぎたのかもしれない。
私が17年間で形作った、小さな小さな心の中は、
千歌ちゃんという光を失ったら、真っ暗になってしまった。
37:
曜(…あれ、千歌ちゃん…?)
街の中に、必死の形相で走る幼馴染の姿を見つけた。
人もまばらな平日の駅前を、何かを探すように駆け回っている。
制服姿のまま、学校を抜け出して、今ここにいる理由。
…もしかして、私を探してくれているのかな。
曜(…やっぱり、千歌ちゃんは優しいな)
そんな千歌ちゃんのことが、大好きだったんだよ。
38:
…ねぇ、千歌ちゃん。
聞いてほしいことがあるんだ。
やっと見つけたの。私がまた、千歌ちゃんの一番になれる方法。
すぐに、伝えたいから。
いま、傍にいくね。
39:
ぐら、と傾き出した私の身体。
…曲がりなりにも、飛び込みの選手として活躍もしていたのに。
それはあまりにも不格好で、もはやただの”落下”だったけれど。
千歌ちゃん、ちゃんと見ててね。
私の、最期の飛び込み。
そして、私のこと忘れないで。
大好きだよ、千歌ちゃん。
千歌「…え、…曜ちゃん?」
88:
学校を飛び出した千歌ちゃんは、結局戻ってくることはなかった。
携帯の連絡にも一切反応がなく、心配になった私は、放課後Aqoursのみんなと一緒に千歌ちゃんの家を尋ねた。
玄関では、悲痛な表情を隠しきれない志満さんが対応してくれたが、
千歌ちゃんは今、とても他人に会える状態ではないと言っていた。
一体何があったのかはわからないが、普通じゃないことが起こったのだと、私たちは理解してしまった。
89:
先生「…今日は、高海さんは体調不良のため欠席です。それと…」
先生「渡辺さんが、突然の病気により、長期間入院することになりました」
梨子「…え…」
先生「かなり長い期間になりそうで…もしかしたら、卒業まで復学できない可能性もある、とのことです」
先生「難しい病気のため、面会はできないそうです。お見舞いの品物は病院で預かってくれるとのことなので、寄せ書きなどを渡す場合は―」
梨子「千歌ちゃん…曜ちゃん…一体、何が…」
90:
先生「…では、これでホームルームを終わります」ガラガラ
梨子「先生!あの…曜ちゃん、どうしたんですか…?」
先生「…桜内さん。あなたも、渡辺さんと仲が良かったわね」
先生「…でも、ごめんなさい。私の口からは、詳しく話せない」
先生「高海さんは事情を知っているけど…あまり無理に聞き出さないであげて」
先生「彼女も、いま相当…辛いはずだから」
91:
先生からは教えてもらうことはできなかったが、このまま何もしないわけにはいかない。
曜ちゃんは、私にとっても大切な友人だ。
あの日、何があったのか。私は知らなくっちゃいけない。
それに―
梨子(千歌ちゃん…!)
千歌ちゃんとも、あれから一度も連絡がとれていない。
最悪の事態が次々に思い起こされる頭を振って、私はまた千歌ちゃんの家を尋ねた。
92:
梨子「千歌ちゃん…!」
病室のドアを開くと、ベッドに横たわる曜ちゃんと、そこに寄り添う千歌ちゃんの姿があった。
千歌ちゃんは今日、朝から病院で曜ちゃんのお見舞いをしていたらしい。
私は志満さんに車で送ってもらい、教えてもらった病室へ駆け込んだ。
千歌「梨子ちゃん…」
梨子「…曜ちゃんの、それって…」
千歌「うん、見て。曜ちゃん、気持ちよさそうに寝てるでしょ」
千歌「でも、もう目を覚まさないんだって」
93:
梨子「…え…?」
千歌「今もつないでる機械でなんとか生きてるだけで、外したら、しんじゃうんだって」
千歌「信じられないよね。今にも起き出して、ヨーソローって敬礼しそうなのに」
梨子「そんな…一体何が…」
千歌「…沼津駅前のビルから、飛び降りたの」
千歌「私、見ちゃった。曜ちゃんが落ちてくるところ」
千歌「あの高さから落ちて、命が助かっただけでも奇跡だって、お医者さんは言ってた」
梨子「…どうして、そんな…」
94:
千歌「…ねぇ梨子ちゃん。私たち、どこで間違っちゃったんだろう」
千歌「学校を救いたいって、普通な私たちでも輝きたいって、スクールアイドル頑張って」
千歌「最近はPVの再生数も増えて、ようやくこれからだって思ったのに」
千歌「どうして、こんなことになっちゃったんだろう…」
千歌「私が何回聞いても、曜ちゃん、もう答えてくれないの」
千歌「これじゃ、なんにもわからないよ…曜ちゃん…」
95:
千歌「私も…」
梨子「え?」
千歌「私も向こう側に行けば、曜ちゃんとお話できるかな」
千歌「ちゃんと、思ってること、素直に聞かせてくれるかな…」
梨子「それだけは、ダメ!!」
千歌「梨子ちゃ…!」
梨子「曜ちゃんだけじゃなくって、千歌ちゃんまでいなくなっちゃったら、私…!!」
千歌「…そうだね。私、バカだ。バカチカだ」
千歌「大事な友達を、また悲しませちゃうところだった」
千歌「…うっ…曜、ちゃん…うぅ…」
千歌「うわあぁああぁぁぁあぁぁん……!」
96:
あれから1年の時間が経った。
時の流れは、どんな悲しみも和らげてくれるようで。
ずっと俯いていた千歌ちゃんも、最近はようやく少し笑顔を見せてくれるようになった。
Aqoursは解散し、千歌ちゃんは放課後、毎日曜ちゃんのお世話をしに通っている。
その日学校であったことを嬉しそうに話す千歌ちゃんの目は、愛おしさに満ちていて。
ピクリとも動かなかった指先がかすかに動いたことに、まだ気付かないのだった―
97:

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