真姫「私の名前を呼んで」back

真姫「私の名前を呼んで」


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にこ「おはよう、花陽。頼まれてたDVD持ってきたわよ」
花陽「ありがとう!にこちゃん!!」
花陽「まさかにこちゃんが持ってるなんて思ってなかった…さすがだね!」
にこ「まあね、そういえば花陽はあのアイドルの写真集持ってるんだっけ?」
花陽「うん!たまたま見つけて…最後の一冊だったんだけど買えてよかったなあ」
にこ「花陽が良かったら貸してほしいんだけど…」
花陽「いいよ!にこちゃんには借りてばっかりだし、たまには花陽も貸してあげたかったんだ♪」
にこ「そんな事気にしなくていいわよ」フフッ
真姫「……」
2:
凛「おっはよ??!」
花陽「おはよう、凛ちゃん」
にこ「おはよう、凛ったら朝から元気ね…」
凛「二人でなんのお話ししてたの?」
にこ「アイドルの話よ」
凛「かよちんもにこちゃんも本当アイドル大好きなんだね」
花陽「うん!」
凛「それで、にこちゃん今日の約束覚えてる?」
3:
にこ「…なんだっけ?」
凛「ひっど???い!忘れちゃったの!?」
にこ「冗談よ、新しくできたラーメン屋に行くんでしょ?」
凛「む?…ちゃんと覚えてるならいいけど…」
にこ「悪かったわよ、凛」
花陽「二人とも、ラーメン美味しかったら花陽も一緒に連れて行ってね」
凛「本当はかよちんにも来てほしいのに…」
4:
にこ「花陽はダイエット中でしょ、ラーメンなんて食べていいわけ無いじゃない」
にこ「それに、海未にバレたらとんでもない事になるわよ」
花陽・凛「そうだね…」
にこ「まあ、花陽は凛を見習って元気に運動したらいいと思うわ」
凛「えへへ?」
にこ「凛は花陽を見習って少しは大人しくしなさい」
凛「そんなぁ…」
花陽「あはは…」
にこ「そろそろ朝礼始まるし、また後でね」
凛「じゃあね?にこちゃん!」
6:
真姫「…」
にこ「なんだ、アンタもいたのね」
真姫「何よ、いたら悪いの?」
にこ「朝から反抗的ね…ホント困ったもんだわ」
にこ「そんなところでぼーっとしてたら遅れるわよ」
真姫「…」フン
にこ「そんな態度とったって遅刻は遅刻よ、私は行くからね」
7:
――教室――
凛「真姫ちゃんおっはよ?」
花陽「おはよう、真姫ちゃん」
真姫「おはよう」
凛「真姫ちゃん、今日の放課後予定ある?にこちゃんとラーメン食べに行こうと思うんだけど」
真姫「今日はちょっと…」
凛「そっか…しょうがないね」
真姫(ごめんね凛…本当は行けるんだけど…)
花陽「真姫ちゃん?」
真姫「何でもないわ、それよりもそろそろ先生来るわよ」
凛「じゃあ席にもどろっか」
花陽「そうだね」
真姫(なんで…あの人は…)
8:
――昼休み――
真姫(なんかもやもやするし音楽室にピアノでも弾きに行こうかしら)
真姫(それにしても、なんなのよ…この気持ちは…)
真姫(ピアノ弾いていれば少しは気がまぎれるかもしれないし…なんか情けないけど…)
真姫(最近は誰かの前で弾く事が多かったけど、一人で弾くのもいいかもしれないわね)
―――――――――――――――――――
真姫(やっぱりこんな事じゃ気分転換にならないわね…)
真姫(誰に聞かせる為でもない、ひどく雑な演奏…なんか今の私の心の中みたい)
真姫(音の大きさもリズムもバラバラ…何一つ噛み合ってないわ…弾いててイライラする…)
真姫(はぁ…なんか疲れちゃった。午後の授業さぼりたい気分…)
真姫(アイドル始めてからこんな事なかったけど…たまにはいいかしら…)
真姫(確か今日は音楽の授業ある日だったし、保健室に行かないと…)
9:
真姫(昼休みだけど先生いないわね、ベッド借りても大丈夫かしら?)
真姫(ベッド誰も使ってないし、別にいいわよね)
真姫(このまま寝ちゃおうかしら…一応花陽にメールだけ…)
ガチャ
真姫(先生かしら…?一応使わせてもらうわけだし一言だけ…って)
にこ「アンタ、ここにいたの?よく会うわね」
真姫「…別にいいでしょ」
にこ「まあね、体調悪いなら寝てなさいよ。私の事気にしなくていいから」
真姫「そうさせていただく…って足怪我してるじゃない」
にこ「さっきの体育で足擦りむいただけよ。自分で消毒できるからいいわ」
真姫「消毒したらダメよ、逆に治り遅くなるから」
12:
にこ「そうなの?」
真姫「めんどくさいから説明はしないけど、傷の周りを水で綺麗にして絆創膏貼るだけの方がいいのよ」
真姫「傷の周りも炎症も起こしてないし感染もしてないから大丈夫よ」
にこ「さすが医者の娘ね…」
真姫「ほら、座って。私が貼ってあげるから」
にこ「アンタ体調悪いんだからいいわよ」
真姫「うるさいわね…私がやるって言ってるんだからいいの!」
にこ「なんでにこが怒られるのよ!」
13:
希「…ふたりとも何やってるん?」
にこ「げ」
真姫「別に…」
絵里「保健室でケンカなんて感心しないわね。あら?先生はいないの?生徒会の用事で来たんだけど…」
にこ「いないみたいよ」
希「あれま、すれ違いになっちゃったみたいやね…そういえばにこっち足大丈夫?」
にこ「ちょっと擦りむいただけだし大丈夫よ」
絵里「そう、良かったわ。それで何で揉めてたの?」
14:
にこ「絆創膏貼るぐらい自分で出来るっていうのに、コイツがしつこいのよ」
希「あはは…また二人でいちゃいちゃしてたんか…」
真姫「いちゃいちゃなんてしてない!」
絵里「真姫がやってくれるっていうんだもの。やってもらったら?」
希「間をとってウチがやってあげてもええよ?」
にこ「希は悪戯しそうだからイヤ」
希「にこっちのいけず…」
絵里「じゃあ、私は?」ニコニコ
にこ「絵里はなんか失敗しそう…笑顔も怖いし」
絵里「そんな事ないのに…」
希「じゃあ、真姫ちゃんで決まりやね」
15:
にこ「にこには自分で貼るって選択肢もあると思うんだけど」
希「先輩を気遣う後輩の行為を無駄にするなんてにこっちは悪い先輩やね」
絵里「せっかくだし、ね」
にこ「…分かったわよ」
真姫「なによ二人とも…」
希「じゃあ、後はお二人で」
絵里「じゃあね、二人とも」
真姫・にこ「…」
16:
にこ「…さっきは悪かったわよ」
真姫「別に…じゃあ傷口をキレイにするわ、ちょっと染みると思うけど」
にこ「…っ」
真姫「すぐ終わるから我慢して」
にこ「わ…分かったわ…」
真姫「はい、後は乾かして絆創膏貼っておしまいよ」
にこ「…ありがと。じゃあ行くから」
真姫「うん…」
にこ「アンタも…体気を付けなさいよ」
真姫「…ありがと」
真姫(心配してくれるのは嬉しいけど…)
真姫(私は医者の娘でも、アンタでもないの…)
17:
――放課後――
花陽「真姫ちゃん、体調は大丈夫?」
真姫「ええ、大丈夫よ」
凛「良かった、凛心配してたんだよ」
真姫「…ありがと」
18:
ことり「真姫ちゃん、ちょっといいかな?」
真姫「どうしたのよ」
ことり「真姫ちゃんの衣装合わせしたいから、ちょっといい?」
真姫「わかったわ」
海未「真姫、曲の件で相談が」
真姫「後でいい?衣装合わせあるの」
海未「すみません、今日は弓道部の方にも顔を出さないといけないので…」
真姫「それなら海未の方が先ね」
穂乃果「真姫ちゃん、穂乃果にピアノ弾いてくれるって約束は?」
真姫「あんなの冗談に決まってるでしょ」
穂乃果「そんなあ…」
19:
にこ「ことり、にこの衣装合わせが先で良いわ」
にこ「海未は弓道部の方あるんだからそっちの方が効率良いでしょ」
穂乃果「ええ?穂乃果は!?」
にこ「穂乃果は黙って練習してなさい」
穂乃果「にこちゃんひど?い!」
にこ「全く…少しはリーダーらしくしなさいよ」
穂乃果「にこちゃんのケチ…」
真姫「…」
海未「真姫?どうかしましたか?」
真姫「なんでもないわ」
20:
海未「これで次の曲は大丈夫そうですね」
真姫「はあ…」
海未「真姫…?悩みなら伺いますよ?」
真姫「例えば…海未が人の名前を呼ぶときってどういう時?」
海未「名前ですか…?こうして人と話している時なんかそうですね」
真姫「聞き方が悪かったわ…その…普通に呼ぶというか…そのうまく言えないんだけど…」
海未「難しい質問ですね…例えば穂乃果やことりなんかは昔からこの呼び方ですし…」
21:
真姫「じゃあ、希や絵里は?最初は先輩って呼んでたじゃない」
海未「それはあの二人が先輩と呼ぶことを禁止したせいもありますが」
海未「先輩や後輩の垣根を超えて仲良くしようという目的でしたし…親しみを込めてという事だと思います」
海未「最初はぎこちない感じでしたが、この呼び方を始めてからμ’sの空気も良くなったような気がします」
真姫「…分かったわ。変な事聞いてごめんなさい」
海未「いいですよ。相談があればいつでも来てくださいね」
真姫「ええ、ありがと」
海未「では、弓道部の方に行きますので」
22:
真姫「ことり、遅くなってごめんなさい」
ことり「気にしないでいいよ♪曲の方は大丈夫?」
真姫「ええ」
ことり「じゃあ、一回着てもらっていい?」
真姫「分かったわ」
23:
真姫「ねえ…ことり」
ことり「もしかしてサイズ合わなかった?」
真姫「そうじゃなくて…ことりが友人の事を名前で呼ぶときってどういう時?」
ことり「ことりが…?ことりと真姫ちゃんみたいに仲良くなった時かな?」
真姫「そ…そう…ありがと…///」
ことり「真姫ちゃん照れてるの?」
真姫「照れてない!」
24:
穂乃果「真姫ちゃん終わった?」
真姫「終わったけど」
穂乃果「じゃあ、お・ね・が・い♪」
真姫「めんどくさいわね…じゃあ私の質問に答えてくれたらいいわよ」
穂乃果「穂乃果に任せて!!」
真姫「…穂乃果で大丈夫かしら」
穂乃果「も??真姫ちゃんひどい!」
真姫「仲が悪い人と仲良くなる時ってどういう時?」
穂乃果「う?ん…お互いを認め合えた時かな」
真姫「…穂乃果からそんな答えが出てくるとは思わなかったわ」
穂乃果「昨日読んだ漫画に描いてたから」アハハ
真姫「穂乃果らしいわね」フフッ
25:
真姫(…やっぱりあの人には認めてもらってないのかしら)
真姫(アイドルとしても…友人としても…)
真姫(…)
花陽「真姫ちゃん?そろそろ帰ろう?みんな帰っちゃったよ」
真姫「…ごめんなさい。もう少し練習したいの」
花陽「そう?あまり無理しないでね」
真姫「ありがとう、花陽」
26:
真姫「はあ…はあ…」
真姫(こんなレベルじゃあの人には…)フラッ
真姫「あれ…足が…この…ま…ま…じゃ…」ハァ…ハア…
にこ「真姫ちゃん!!」
真姫「あれ…にこ…ちゃん…」ハァ…ハア…
にこ「黙ってなさい、とりあえずゆっくり呼吸するのよ」
27:
真姫「なんで…凛と出かけたんじゃ…」
にこ「忘れ物したのよ、そんな事より自分の事心配しなさい」
真姫「多分…軽い熱中症…」
にこ「分かったわ、とりあえず私の飲み物飲みなさい。凛にちゃんとしたもの買ってきてもらうから…」
真姫「ありがと…」
28:
にこ「お礼なんていらないわよ。さっき手当してくれたんだし」
にこ「手かかるけど真姫ちゃんも、にこの後輩なんだから面倒見るのは当然でしょ」
真姫「…うん」
にこ「それにこんな時間まで練習して、曲作りも勉強もあるのに体壊しちゃうわよ」
にこ「最近、少しはアイドルらしくなってきたと思ったけど…無茶したらダメじゃない」
真姫「ごめん…」
にこ「全く…そうやって素直になれば少しは可愛いのに」
真姫「…」プイ
29:

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