千歌「暑いよ……」曜「そうだねぇ……」ヌイヌイback

千歌「暑いよ……」曜「そうだねぇ……」ヌイヌイ


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千歌「暑いよー……」
曜「暑いねぇ……」チクチク
千歌「……」
千歌「そう?すごく涼しいよ?」
曜「えっ」
2:
千歌「ほぉら外は涼しい涼しい!全然暑くなーい!」
曜「……まーたなんか始まったぞー」ヌイヌイ
千歌「窓を開けたらきっと潮風がすーっと入ってきてさ!」
曜「そうそう、ベタついた風がじわぁーって侵入ってくるよー」チクチク
千歌「風鈴がちりんちりーんって鳴ってさ!」
曜「衣装が塩害でぱりんぱりーんってなっちゃうよー」ヌイヌイ
千歌「……もー!なんで衣装作りしてるの!!」
曜「だって締め切り近いし」チクチク
3:
千歌「そうだけどさぁ、窓まで閉めきらなくてもさぁ、熱気がさぁ」
曜「昼下がりの潮風はさぁ、湿気がさぁ、布を痛めるんだよねぇ」ヌイヌイ
千歌「もー!布と私どっちが大切なのー!」
曜「千歌ちゃんは汗だくになっても平気だしなー、今は布かなー」チクチク
千歌「もー!」
曜「もーもー言ってたら牛になっちゃうよー」ヌイヌイ
曜「……」ピタ
5:
曜「……千歌ちゃんと牛歌ちゃんって字が似てるよね」プフッ
千歌「ぎゅうか?」ナニソレ
曜「なんでもないよー」ヌイヌイ
千歌「ぎゅうか……ぎゅうか……ぎゅーか……」
曜(千と牛って言ったほうがよかったかなぁ……)チクチク
千歌「うーん……ハッ!なるほど!」
曜「おー、自力で気付いたかぁ」ヌイヌイ
千歌「つまりこういうことだね!」ギュー
7:
曜「!?ちょっ、ちょっと千歌ちゃん!?////」
千歌「チカじゃないぞー!抱きつき怪獣ギューカだぞー!!」ギューッ
曜「ま、待……っ////」カァァ
千歌「どうだー暑いぞー!暑い部屋で暑いことするぞー!窓開けないと暑くて死んじゃうぞー!」
曜「……////」
8:
千歌「どうだー参ったかー……って熱っ!よーちゃんの体温熱くなってない……?」
曜「きゅ、急に抱きついたりしたら危ないからぁ……!////」メガグルグル
千歌「あっ、そ、そっか、ごめん!針のこと考えてなかった」シュン
曜「そうじゃなくて……//////」マッカ
千歌「よ、曜ちゃん顔真っ赤だよ!やっぱりこの部屋から出たほうがいいって!ほら肩貸すからさ」
曜「うう……////」



12:



千歌「まったくもー、ギリギリまで我慢したりして……熱中症になったらどうするの」
曜「……」
千歌「最初に『今、千歌の部屋のエアコン壊れてるから暑いよ』って言ったじゃん」
曜「……」
千歌「窓開けちゃだめなら、最初に言ってくれれば空いてる部屋を借りたのに」
曜「……だって………んだもん」ボソッ
千歌「ん?なんて?」
曜「なんでもないよ!」ムク
15:
千歌「ああもうほら、もう少し横になってなよ。冷たいもの持ってくるからさ」
曜「……別に暑くてこうなったわけじゃないし、もう平気だよ」
千歌「いや、明らかに熱くなってたじゃん」
曜「誰のせいで……!」
千歌「へ?」ドユコト?
曜「千歌ちゃんが大げさなだけで、あの部屋そこまで暑くなかったよ……なのに……」
千歌「……」ンー?
千歌「!」ハッ
17: 起き上がっただけだよ!生えてないよ!(たこやき)@\(^o^)/ 2016/08/17(水) 22:58:53.19 ID:bdLbkXgv.net
千歌「えっと、もしかしてそういう……?////」
曜「……ょぅそろ////」コク
千歌「あ……あーそっか!そっかぁ……////」
曜「ああもう!私が千歌ちゃんのこと好きなの知ってるでしょ!!////」
千歌「ごっ、ごめん!ついいつもの癖で……////」
曜「せっかく付き合いだしたのに千歌ちゃんだけ昔と変わってないなんてずるいよ!」
千歌「わ、私だって曜ちゃんのこと大好きだよ!でもそれは昔からだから変わり様がないよ!」
18:
曜「私はこんなに意識しまくりなのに!」
千歌「いや曜ちゃんさん、その、そこは個人差というかですね」アセアセ
曜「鈍いだけでしょ!鈍なちかっち、略してドカチー!」
千歌「なにその鞠莉ちゃん家のバイクみたいな響き!」
曜「やーいドカチー!ぽんこつ怪獣!」
千歌「な、なにをー!抱きついただけで熱暴走するぽんこつ船長に言われたくありません!」
19:
曜「汗だくなのに抱きつかれりゃ誰だってそうなるよ!ただでさえ柔らかいのに誘ってんの!?」
千歌「ふーん!誘ったってへっぴりなくせに!10年以上抱きついてるのに一度も何もなかったじゃん!」
曜「もう三度はあったよ!」
千歌「その内の二度は私がエスコートしたんですけど!」
曜「ちょ、ちょっと何自分の手柄にしてんのさ!二回目の時だけでしょ!」
千歌「いーや、最初だって私が
美渡姉「 お い 」
ようちか「「」」ビクッ
21:
志満姉「あらあら」ウフフ
志満姉「仲が良いのはいいけど、そういう話は誰もいないところでね♪」
ようちか「「ご、ごめんなさいぃぃ////」」



22:
?海岸?
曜「うう……しばらく恥ずかしくて十千万いけないかも……」トボトボ
千歌「私なんて自分ん家だよ……恥ずかしくて帰れないよ……」トボトボ
曜「!?」
千歌「なにその……うちっちーが豆鉄砲食らったような顔」
曜「……千歌ちゃんも恥ずかしいなんて感じることがあるんだ」
23:
千歌「前から思ってたけど曜ちゃん私をなんだと思ってるの!」
曜「それ聞くの……?////」ポッ
千歌「ああうん、そういうことじゃなくてさぁ……////」
曜「でも言われてみれば……その……シてる時とか恥ずかしそうに顔隠してるよね千歌ちゃん」
千歌「は、はぁ?!?それ曜ちゃんでしょ!涙目で顔真っ赤にしてさ!」
曜「いやいやいや、百歩譲って二回目の時はそんな瞬間もすこ?しはあったかもしれないけど!」
千歌「その二回目が一番長い夜だったんですが? 初回と三回目はあっさり終わったんですが?」フフン
曜「それは千歌ちゃんがすぐに動けなくなっちゃったからでしょ!」
千歌「うっ……」
24:
曜「気失っちゃって結局起きなくってさぁ……あれ? 私テクニシャンじゃん」
千歌「ま、待っ……」
曜「一方で千歌ちゃんは……ハハッ」
千歌「」ガーンガーンガーン
曜「努力は認めるよ努力は。でもあんなに時間がかかっちゃったら翌朝に響くしなー」
千歌「」
曜「千歌ちゃんが感じやすいってのもあるだろーけど、やっぱ私のセンスかなーいや、参った参った」
千歌「」
曜「総合的に見て千歌ちゃんは私より……ーーって千歌ちゃん?」
千歌「」ポロポロ
曜「?!!?!」
26:
千歌「わたしヘタクソなのかな……よーちゃんきもちよくできなかったのかな……」ポロポロ
曜「あっ、ちが、そんなつもりは……」オロオロ
千歌「やっぱりわたしはふつーだから……」ポロポロ
曜「いや、その」オロオロ
千歌「やっぱりわたしじゃよーちゃんをしあわせにできな
曜「そ、そんなことないよ!」
27:
曜「千歌ちゃんの手はすごく優しくて、心地よくて、ええと、時間をかけて愛されてるって気がして……」
千歌「いいよ無理に褒めなくても……気持ちよくなかったんでしょ……?」
曜「気持ちいいに決まってるじゃん!」
千歌「……ほんと?」ウルウル
曜「もちろん!」
千歌「でも失神とかしなかったし……」
曜「シゴキ上等な運動部だから耐えられてただけだし!もうとろけるかと思ったよ!」
千歌「……そうなの……?」
28:
千歌「良かったぁ……」フワッ
曜「……////」ドキッ
千歌「あのね、それじゃ、さ////」モジモジ
曜「……////」ドキドキ
千歌「次は私がしていいよね……?」
曜「あ、それとこれとは話が別なので」
千歌「なんで!!!」ガーッ
曜「えーだって私がしたいもん」
30:
千歌「今の流れは『うん……たくさん気持ちよくしてね?』って言うところだよ!」
曜「いやいや言わないよ!っていうか、え? なに今の、私の真似? 似てなさすぎなんですけど!」
千歌「似てるもん!自分の声に似てるかどうかなんて分かるわけないじゃん!」
曜「その理屈だと千歌ちゃんにだって似てるかどうかわからないじゃん!やーいブーメランブーメラン♪」
千歌「ぬぬぬ……もー!私だって曜ちゃんを気持ちよくしたいのに!」
曜「あ、それは間に合ってます。千歌ちゃんの中触るだけで気持ちいいから」
千歌「……は?」
31:
曜「指先がこう、ぬるっと温かくてなって、ぴくっとしたらきゅーっとしてなんか痺れるっていうかさぁ」
千歌「……」
曜「何度も自分で再現したくなるっていうか、でもなかなか自分だと出せないんだよねぇ」
千歌「……」
曜「美容院でしてもらうシャンプーと自分でするシャンプーが違うのと同じでさ、やっぱり千歌ちゃんじゃないと」
千歌「……」
曜「私としてはすごくいい具合だからだいじょぶー」ニコッ
千歌「……」ジト
曜「だいじょぶー……」アハハ…
32:
千歌「勢いですごいこと言ってるけど本当に大丈夫……?」
曜「……」
曜「////」ボンッ
千歌「へっぴりな上にむっつりだね曜ちゃんは」
曜「うっ」グサ
千歌「定期フェリーより漁船の船長目指したほうがいいんじゃないかなー、ムツ釣りの」
曜「ううっ」グサグサッ
千歌「あ、今のはね?むっつりとムツ釣りをかけててね?」
曜「説明しなくていいから……」
33:
千歌「ふうん? 曜ちゃんは私の中については説明したのに?」
曜「……えっと……忘れてもらえませんか?////」
千歌「……」
曜「その……今のは軽率だったというか、調子乗ってましたすいません////」
千歌「……いいよ、忘れてあげる」
曜「!あ、ありがt
千歌「その代わり」
曜「……!」
千歌「次は私がするからね?」ニッコリ
35:
曜「う……」
千歌「からね?」ニコニコ
曜「……うう」
果南「こらこら、仲良くかわりばんこすればいいでしょ」
千歌「」
曜「」
36:
果南「ジャンケンして勝った方が先攻、負けた方が後攻!千歌も野球やってたんだからわかるよね?」
千歌「……ぇぇええと、や、野球じゃなくてソフトボールだけどどど」カクカク
曜「そそそそこじゃない、そこじゃないよ千歌ちゃ……」カクカク
果南「んー?なんで二人ともそんなかくかくしてんの?」
千歌「……」
曜「……」
果南「ん?」
千歌「あの……いつからそこにいたの?」
37:
果南「私は海があればいつでもそこにいるよ!海っ子だからね!」
曜「や、そういうのはいいんで」
果南「なんだよー……チカが『その代わり次は私がする』とか言って凄んでたあたりからだけど?」
ようちか「「……」」カオミアワセ
ようちか「「セーーーーーーフッ!!!」」
果南「んーー???」



38:



果南「で? なんの話してたの?」
千歌「な、なんでもないよー、ねっ曜ちゃん」メソラシ
曜「そ、そうそう!なんでもないよ果南ちゃん!」
果南「おっ今のはダジャレかな?」
千歌「?」
曜「はい?」
果南「いや、なんでものなんと果南の南をかけて」
曜「……千歌ちゃんわかる?」
千歌「???ごめんわかんない」
果南「あれーー?」
40:
千歌「それで果南ちゃんはどうしてここに?」
果南「ああ、実はさっき十千万に干物を持って行ってさ」
果南「チカは?って聞いたら曜と外に行ったって言うから、また海だろうなと思って」
千歌「……」
曜「……」
果南「え?また私何かいけないこと言っちゃった?」
千歌「……ううん、むしろ姉ちゃんたちがいけないこと言ってないかなって」
41:
果南「いけないこと?」
曜「私たちのこと何か言ってなかった……?」
果南「いや? 特にはなにも」
ようちか「「……」」ホッ
果南「あ、でもそういえば美渡姉が『あいつら最近ずっとサカってる』とか言ってたっけ」
ようちか「「」」
42:
果南「チカたちのところに行こうと思って流しちゃったけど、あれどういう意味?」
千歌「え、ええとね?それは、あのね? ほらアレだよアレ、さか、さか……」
果南「さか?」
ようちか「「さ、サッカー(さか立ち)!」」
果南「……どっち?」
ちかよう「「さか立ち(サッカー)!」」
果南「だからどっちなの」
43:
千歌「もー!曜ちゃんなんで自分の意見変えるの!」ヒソヒソ
曜「千歌ちゃんだって!私が合わせるつもりだったのに!」ヒソヒソ
千歌「じゃサッカーでいくからね」ヒソヒソ
曜「オーケー……せーのっ」ヒソヒソ
ようちか「「サッk
果南「違うよね?」
ようちか「?!」
45:
果南「だってチカは野球派だし、曜もドッジ派じゃん。サッカーしてるとこなんて見たことないし」
曜「え、えっと、最近ハマったというか」
千歌「そうそう!ワールドカップ見てたらこう急にね!」
果南「……」
果南「あー、すごかったもんね。優勝したイタリア代表チームのアランチャ・ミカーノとか」
曜「す、すごかったよねーさすがイタリア人!」
千歌「アランチャ・ミカーノってオレンジ・ミカンみたいだからすぐ覚えたよ!ファンになっちゃった!」
果南「うん、本当に優勝したのはドイツね。イタリアはグループリーグ敗退」
曜「」
果南「チカは大正解!それ私が今みかんから適当に作った名前だよ」
千歌「」
果南「……で……君たちなんの悪巧みしてんの?サカるってなに?」
46:
曜「……」モーダメダ
千歌「……さ」
千歌「……さかなになるってことだよっ」
曜「!千歌ちゃ……」マダヤルノォ?!
果南「ふーん……魚ねぇ」
千歌「そ、そーそー!いやー最近海で泳ぐのが好きでさ!毎日泳ぎまくり!サカりまくりっすよ!」
曜(う、う?ん、さすがにそれは通じないよチカチー!)
果南「……」
千歌(くっ……やっぱりだめかな……)
47:
果南「なんだ!それならウチにくればいいのに!」ニッコリ
千歌「え?」
果南「そっかそっか、二人とも夏本番ってわけだ!昔からすぐ海に飛び込んでたもんね」ニコニコ
曜(通った!?)
果南「ダイヤにまで言われてたよ。チカも曜も常に海に飛び込むきっかけを探してるみたいだって」ニコニコ
千歌「う、うん!そうなんだよー!今も泳ごっかなーって」
50:
果南「なるほどねぇ。あれ? でも水着ないよね?」ジッ
曜(ちょ、千歌ちゃんやぶ蛇!!)
千歌「(やばっ)……えと、忘れちゃって」メソラシ
曜「!あっ、そうそう!さっきはそれをどっちが取りに戻るかで揉めてたんだよ!」
果南「なるほど、それで次は私がするとか言ってたんだね」
果南「ってか一緒に取りに帰ればいいんじゃない?」
千歌「あ、いや……そこはほら、罰ゲームというか」アセアセ
曜「そそっ、しりとりしてたら負けちゃってさ!」
52:
果南「ふぅん……じゃ、今からウチで泳がない? 今日暇だから遊びに誘いにきたんだ♪」
千歌「行く!シュノーケリングしたい!」
曜「私も!でもいいの?お客さんとかは……」
果南「今日は定休だからいいのいいの。久々に一緒に遊びたいしね」ニコ
千歌「わーい!」ピシガシ
曜「やったー!」グッグッ
果南「じゃ、行こっか」クス



55:
【夕方】
?松浦ダイビングショップバルコニー?
千歌「はー今日もよく泳いだー!」グター
曜「千歌ちゃんも大概泳ぐの好きだよねぇー、なんで水泳部入らなかったのー?」グテー
千歌「水泳部の“泳ぐ”と私の“泳ぐ”は違うんだよー」
曜「知ってるー」
曜「千歌ちゃんは水の中で漂いたいんだよねー」
千歌「まぁねー」
千歌「……ごめんねー1年生のときあんなに誘ってくれたのに」
曜「ううん、あれ本当は私が千歌ちゃんといたかっただけだから……」
千歌「……」
曜「……」
56:
千歌「……ほんとはさ、途中でマネージャーやろうかなとも思ってたんだよね。曜ちゃんの」
曜「うん……知ってた」
千歌「知ってたの……?」
曜「千歌ちゃんの部屋で飛込競技の本見つけたから……技の解説にもたくさん線やメモ書きがしてあって……」
曜「春のジュニア五輪の時、東京の会場についてきてくれたのもその為だったんでしょ……?」
千歌「……うん」
57:
曜「でもあの旅行で、千歌ちゃんは本当にやりたいことに出会っちゃったんだよね」
千歌「ごめんね……ずっと待っていてくれたのに」
曜「正直言うとね、μ’sにすごく嫉妬しちゃったんだ」
曜「私がどんなに時間をかけても引き出せなかった千歌ちゃんの本気を引き出したから……私の千歌ちゃんを取られた!って」
曜「けど……あの時の千歌ちゃんはキラキラしていて、ずっとその姿を見ていたいとも思っちゃった」
千歌「曜ちゃん……」
曜「そしてその隣で一緒に夢中でその何かをやりたかった。だから結果オーライだよ」キュッ
千歌「うん……いつもありがと」キュッ
58:
千歌「こうやっていつまでも曜ちゃんの手を握っていけたらいいのに……」
曜「私はずっと握っているつもりだよ。絶対に離さないって決めたもん」
千歌「ほんとにずっと……?」
曜「もちろん」
千歌「曜ちゃんはこれからオリンピックとか出て、金メダルとって雲の上の人になれるかもしれないのに?」
曜「オリンピックの金メダルを舐めちゃだめだよー、飛込競技に関して日本はまだまだ後進国なんだから」
59:
曜「それに私はどうなってもずっと千歌ちゃんの隣にいるよ。……もし千歌ちゃんが許してくれるなら、だけど……」
千歌「私の許しなんて……むしろ私が許してほしいくらいだよ」
千歌「いつも曜ちゃんの背中を追いかけて、でも追いつけなくて、曜ちゃんがどんどん遠くなっていくような気がしてた」
曜「それは私だって同じ。千歌ちゃんを本気にするものが現れるまで、ずっと千歌ちゃんを目を凝らして追いかけてた」
曜「やっとそれが現れたと思ったら、時たま急に千歌ちゃんが遠い世界の人のように思えて、すごく寂しくなったりして……」
千歌「……そうだったんだ」
60:
曜「もしかして私たちお互いの背中を追いかけてグルグル回ってたのかな」
千歌「ふふっ、バターになっちゃうね。それじゃ円の真ん中には何があるの?」
曜「木……だとひねりがないよねぇ」
千歌「……果南ちゃんは?」
曜「ぷふっ……なんでさ」
千歌「だってさ、どっしりしてて強くて……ほら、CMでも出てくるじゃん」
曜「え?なんの?」
千歌「このぉーカナンの木、気になる木ー♪って!」
曜「いやー、ちょっと苦しいんじゃないそれ」クスクス
千歌「そう? 結構上手いと思ったんだけどなぁ」クスクス
果南「私がなんだって?」
ようちか「「!!!」」ビクッ
62:
果南「おー、今日何度めだろうね、その反応」
千歌「も、もー!果南ちゃんこそ何なの!?隠密系のスキルでも身につけたの!?」ドキドキ
曜(……びっくりした)ドキドキ
果南「人を忍者みたいに言わないでよ……せっかく巨峰カルピス作ってきたのに。いらないなら下げちゃおっかなー?」
千歌「ごめんなさい果南ちゃん様」ペコリ
曜「いつもありがとうございます果南ちゃん様」ペコリ
果南「うむ、よろしい」コト コト
64:
千歌「わーい!フローズン付きだー!」
曜「果南ちゃん大好き!」
果南「ふふっ。二人とも今まで通りな感じで安心したよ」
千歌「安心?」
曜「今まで通り?」
果南「二人とも最近付き合い出したでしょ? もう三人で潜ったりできなくなるかなーって思ってたからさ」
千歌「」
曜「」
66:
果南「いやー疎外感っていうかさー。恥ずかしい話だけどちょっと寂しかったんだ。置いてかれたみたいで」テレテレ
果南「ってどうしたの二人とも」
千歌「か、かかかっか、果南ちゃん!!???」ガシッ
果南「お、おうっ」
曜「い、いい、いつから私たちが付き合ってるって気付いて」ガシッ
果南「いつからって……えっと……たしか先月の最初の週の月曜日の三時間目くらいからだけど」
千歌「最初からじゃん!!」
67:
曜「え?見てたの?私が告白するところ見てたの?ねぇ!!」
果南「あ、ああ、私は見てないけど何かすごい情熱的だったらしいね」
曜「!?!??」ダレカミテタノ…?
果南「保健室のベッドで休んでたら二人が入ってきて、抱き合いながら告白し始めた!」
果南「って鞠莉が言ってたよ」
曜「ああああああああ!!////」
千歌「はっ……それ知ってるの果南ちゃんと鞠莉ちゃんだけだよね!?他の人は知らないよね!!?////」
果南「大丈夫だよ、鞠莉は私にしか言ってないし私も誰にも言ってない」
69:
千歌「そ、そっか……////」ホッ
曜「ぎりぎり耐えられるかな……////」ハァ
果南「あ、でも二人が付き合ってることはみんな知ってると思うよ」
ようちか「「……」」
ようちか「「???」」
果南「そりゃただでさえくっ付きすぎだったのに、あの日を境にべったりでしょ? あれは誰でも気付くよ」
千歌「くっつきすぎ……?」
曜「むしろ意識的にセーブしてたのに……?」
果南「……」コイツラマジカ
73:
果南「まぁ……自覚があろうとなかろうと、二人が付き合ってるって噂はずっと前からあったよ」
果南「例を挙げると枚挙に暇がないからやらないけど……そうだね、今だって手をつないでるし」
千歌「ぅぇええ!そんなところから!?」パッ
曜「そんな……もう千歌ちゃんと手もつなげないの……?そんなの間違ってる……」ブツブツ
果南「いや、今更やめても遅いし普通につないでたらいいんじゃないかなー」ヘラ
曜「……果南ちゃんはこういうのおかしいと思わないの?」
千歌「!曜ちゃ……」
曜「同性同士で、しかも小さい頃から家族同然の幼馴染でさ……やっぱりおかしいよね?」
千歌「……」
74:
果南「いや?別に?」
曜「……!なんで!」
果南「だって、おかしいかおかしくないかを決めるのは私じゃないでしょ」
曜「!」
果南「チカは曜を好きになって、曜はチカを好きになった。そんなことは小学生の頃から分かってたことだよ」
千歌「でもその時の好きとは……」
果南「その好きが恋心に成長したってだけ……出世魚みたいなもんでしょ?」
果南「二人にとってはそれが自然なんだから、それをおかしいなんて言う権利は誰にもないんだよ」
76:
曜「果南ちゃん……」ウルウル
果南「まあ、さっきも言ったとおり、もう遊べないかもーとか思ってちょっと寂しくはなったけど」
果南「それも杞憂だって分かったしね♪」ニコッ
千歌「果南ちゃんんんんん!!」ダキッ
曜「ありがとう……!」ヒシッ
果南「わわっ!ふふ……ほんと何も変わってないね」
千歌「果南ちゃんが果南ちゃんで良かったよぉ……!」グス
曜「本当にありがとう……これからもずっと親友でいてね……!」グスグス
果南「当たり前でしょ……二人とも私の大事な幼馴染なんだから……」ギュッ
果南「ところで曜は帰りのバス大丈夫なの?」
曜「……あっ」シマッタ
78:
千歌「……あと3分くらいだから間に合わないね」ヤッチャッタ
果南「あらら……それじゃ志満姉か美渡姉に頼んd
曜「そ、それはちょっと……!!!」
千歌「う……だよね……私もちょっと今は……」
果南「……?もしかして何かやらかした?」
曜「まぁ……ちょっとだけ……」
果南「何やったの?」
千歌「う……言わなきゃだめ……?」
79:
果南「ダメってことはないけど……言ってくれると力になれると思うよ!」ニカッ
千歌「……」ドウスル?
曜「……」カナンチャンナラ…
千歌「……」ソウ…ダネ…
果南(勢いで言っちゃったけど、この雰囲気はもしかして結構やばいやつかな……)タラー
80:
千歌「えっとね……さっき『サカってる』について話したでしょ……?」
果南「あ、ああ。魚になる、だっけ?」
千歌「えっとね、それ嘘なの……ごめんね」
果南「えっ……」
千歌「『サカる』の本当の字はね? みかん大盛りの盛りと同じなの」
曜「……その……イルカでいうと春から夏にかけてみたいな」
果南「……」
果南「////」ボンッ
81:
果南「え?あっ……んーっと……そういう……?////」
千歌「////」コクン
曜「引いた、かな?////」
果南「いやぁ……なんといっていいか……うん、びっくりしたけどハグの延長みたいなものかな……////」メソラシ
千歌「そ、そうそう!ハグみたいなものだよ!」
曜「うんうん!ハグしてたら大好きが暴走しちゃって色々触ってたらムラムラきちゃっt……い?っ!!?!?」
千歌「それ以上いけないよ曜ちゃん」ツネッ
曜「う……ご、ごめん、恥ずかしくて口が勝手にヨーソロっちゃって////」イテテ
82:
果南「……で、それがバレちゃったから気まずくて顔を合わせられない、と」
ようちか「「はい……////」」
果南「仕方ないね。曜、今日はうちに泊まりなよ。どうせ明日は学校休みなんだし」
曜「えっ、いいの?」
果南「だって他に方法ないでしょ。部屋なら臨時バイト用のが一つ空いてるしそこ使えばいいよ」
曜「ありがとう果南ちゃん……!」
果南「チカはこれから十千万まで送っていくから、曜の家に連絡を……ってチカ?」
千歌「……」キュッ
83:
果南「……なぁに? どうしたのー? そんなに掴まれたら服の裾伸びちゃうよ」
千歌「え……っと……んとね?……その……」
果南(服の裾を掴んでくる時のチカは、何かお願いしたい気持ちと遠慮する気持ちが葛藤してる時、だね)
果南(ふむ……)チラッ
曜「……?」
果南(……)チラッ
千歌「えっと……あの…ね……?」モジモジ
果南「……」
85:
果南「……よかったらチカも泊まっていかない?ウチとはいえ部屋のある棟は母屋と離れてるし、曜も心細いだろうから」
千歌「!」パァァ
千歌「そ、そうだね!離れの部屋じゃ曜ちゃんが寂しくなっちゃうもん、仕方ないよね!」
果南(わかりやすい……)
曜「えっ、千歌ちゃんも一緒に泊まるの?」パァァ
千歌「えへへー、今夜はいっぱい話そうねっ」
曜「今夜も、でしょ? 毎晩スカイプしてるんだから♪」
果南「コホン、あー……分かってると思うけど、ここでは、その、控えてね?////」
千歌「へ?」
曜「なにを?」
86:
果南「うっ……と、とにかくウチは消灯時間が決まってるから、11時までには就寝するように!////」
千歌「はーい!それまではみんな一緒に遊べるね!」
曜「だね! あっ、でもその前に衣装作ってしまわなきゃ」ゴソゴソ
果南「ああ、そういえばそろそろ締め切りだっけ?」
千歌「昼間もずっと作ってたもんね……温室の中で」
果南「温室?」
曜「だーもう、余計なこと言わないの!」チクチク
千歌(そういえば結局なんで私の部屋にこだわってたのか分からなかったなぁ……)
87:
果南「それで、もうすぐ終わりそうなの?」
曜「うん。あと私と千歌ちゃんのだけだし、仮縫いは出来てるからあとは本縫いするだけなんだけどね」ヌイヌイ
千歌「えっ、あれって私と曜ちゃんのだったんだ」
曜「そうだよー。言ってなかったっけ?」チクチク
千歌「うん。二着だけ空色だから何でだろうとは思ってたけど……」
曜「……」ピタッ
89:
果南「どれどれ……あっほんとだ。他は白いのにこの二着だけ青いね」
曜「す、少しずつ特徴被らせてるだけだよー!ほらっ他にも似せてる服あるでしょ?」アセアセ
千歌「あーほんとだー。サスペンダーやヘソだし丈でお揃いになってるのもあるねー」
果南「ん……たしかに」
曜「そーそー!それに千歌ちゃんの衣装には私と違ってショーパンついてないし!マルちゃんの方にはつけてるけど!」
千歌「ふんふむ、なるほど……いろいろ考えてるんだねぇ」
曜「画一的になっても偏っちゃってもいけないからね!個性と統一性を同時に持たせるために工夫してるだけだから!」
千歌「さっすが曜ちゃんだね!」
90:
果南(いや、やっぱりチカと曜の衣装は特徴をかぶらせすぎている)
果南(特徴を分散させたと言うのは、他の七着に関してだね……それは見ればわかる)
果南(けれどこの二着については、同一のベースに他の衣装の特徴を少しずつデコレートしているような)
果南(曜……まさか)
千歌「そういえば前に着たフリフリ衣装も同じ赤色だったよねー」
果南(あっ)
曜「あ、あの時は6人分の衣装を3種類の布地で作ったからそうなっただけだよ!」
千歌「うんうん、梨子ちゃんとルビィちゃんは青で善子ちゃんとマルちゃんはピンクだったよね!」
果南(カモフラージュ……曜……そこまでして……)ホロリ
92:
千歌「あーあ、でもお揃いにしたってわけじゃないのかー」
果南「……チカ、もう日も暮れたしとりあえず家に電話してきたら?」
千歌「あっそうだった! うーん……電波が」タタナイ
果南「西側のバルコニーにいけば確実に三本立つよ。そっちでかけてみたら?」
千歌「ありがと。少し電話してくるね!」
タッタッタ…
果南「さて、と」
曜「……」
93:
果南「お揃いにしたかったんだよね?」
曜「……うん」
果南「まぁ気持ちはわかるよ、うん」
曜「……叱らないの?」
果南「なんで?」
曜「だってこれ……職権乱用だよ」
果南「んー、制作者の特権の範囲じゃないかな」
曜「でも」
94:
果南「それによって誰が傷ついたわけじゃないでしょ。素敵なデザインに良い出来の衣装を作ってるんだから」
果南「そんな制作者の求めるささやかな報酬にケチをつけるメンバーはうちにはいないよ」
曜「……うん」
果南「まぁ……チカ本人に伝わるかは別問題だけど、ね」
曜「……」
果南「ううん、晴れてチカの恋人になれた今の曜は “伝えたい” のではなく “つなぎとめたい” のかな?」
曜「……」
95:
曜「……青空Jumping Heart」
果南「え?」
曜「それを着て歌う新曲の題名なんだけどさ、チカちゃんに歌詞もらったんだ」ゴソゴソ
果南「新曲……」
曜「……はい」ピラッ
果南「……」
果南「これって……」
曜「さすが果南ちゃん、すぐに気付いたんだね」
果南「そりゃ、ね。伊達に何年もチカの幼馴染やってないよ」
果南「チカがずっと悩んでたことも、人知れず心の中で助けを求めていたことも知ってる」
果南「曜が自分の気持ちとチカの気持ちの板挟みになってたことも……ね」
曜「果南ちゃん……」
96:
曜「……私さ、いつもダイブする直前に固定台の上から千歌ちゃんの顔を探すんだ」
曜「観戦席でこっちを見ている千歌ちゃんをたっぷり網膜に焼き付けて、そして下を見下ろすの」
曜「そうするとね、プールの青に千歌ちゃんの顔が見えて、自分でも驚くぐらい落ち着いて演技できるんだ」
曜「どんなに無茶をしたって、千歌ちゃんが青い水の中で待っていてくれるって思うからかな」
曜「昔から、千歌ちゃんと一緒に夢中で何かをしたいって夢があって、それを抱きしめるように身体を抱え込んで……」
曜「青に向かって……千歌ちゃんに向かってまっすぐに飛び込んでいけばいい」
曜「もちろんそれが結局私の独りよがりにすぎないってことは分かってた」
曜「プールの中にいるのは水ばっかりで、そこに千歌ちゃんはいないもんね。ずっと私の一方的な想い」
97:
曜「だからこの歌詞を見た時はびっくりしちゃった。私の心の中を読まれちゃったのかなって思った」
曜「もちろん偶然だし、私が自分の気持ちと歌詞をこじつけて感情移入してただけなんだけど……」
曜「それ以来、気持ちが収まらなくなって、衣装デザインの時についそれが出ちゃった」
曜「千歌ちゃんが青いプールになって待ってくれてたように、私は青い空になって千歌ちゃん待っている存在になりたかった」
曜「……なんて、結局これも独りよがりな私の想いにすぎないし」
曜「こういうことをしても、“つなぎとめる” どころか “伝える” ことができるかも分からない」
果南「……」
果南「でも、こういう形であっても『伝えなきゃ伝わらない』でしょ?」
曜「……うん」
98:
果南「昔、チカと一緒に曜の練習を見にいったときさ」
果南「固定台の上に立った曜を下から見上げて、チカが一言だけ呟いたんだよ」
果南「『空は遠すぎるよ曜ちゃん』……って」
曜「……!」
果南「それが、私が二人の間の壁に気付いた最初の瞬間だった」
果南「どうにかしてあげたかったけど、私がどうにかしてあげられることなんて何もなかった」
果南「それはあくまでもチカ自身の問題で、そして曜自身の問題でもあったから」
果南「喧嘩しただけなら仲直りさせることはできるさ。喧嘩両成敗!って感じでこうゴッツンとね」
曜「あはは……」
果南「でも好き合うが故の行き違いなら、その帳尻を合わせられるのは結局、本人たちだけなんだ」
果南「周りができるのはそれを補助することだけ」
99:
果南「……で、紆余曲折を経てチカが辿りついた答え、チカの気持ちがその歌詞なんだと思うよ」
曜「これが……千歌ちゃんの気持ち……?」
果南「チカは曜という青い空をめざして自分の物語をスタートしたんだよ」
果南「曜が青いプールにチカを見たように、ね。 まったく……二人はさ……」
果南「ほんと似た者同士、手のかかる幼馴染だよ」フッ
曜「……果南ちゃん……」
果南「まぁこれは私の勝手な推測だけど……真意は本人に聞けばわかるんじゃない?」
果南「ねっ、チカ♪」
千歌「……」ソーッ
曜「っ!千歌ちゃ……いつから……?」
100:
千歌「え……えと、曜ちゃんがダイブの前に私を探すってとこから////」
曜「うぇえぇっ、そ、そんな最初のほうから……////」
果南「今更なーに照れてんの。二人はもう恋人なんでしょ?」
曜「だ、だって今のは単純に私の情けない独りよがりの暴露じゃん!」
千歌「独りよがりなんかじゃないよ!」
曜「え……」
千歌「今の果南ちゃんが言ってたこと、全部正解だもん!」
曜「!」
101:
千歌「たった10mの固定台だけど、私にとっては曜ちゃんが空の上にいるみたいに見えてた……ううん、空そのものだった」
千歌「特に屋外練習場で見た時は、空の一部になってるように見えて……絶対に届きっこないって、そう思ったの」
千歌「けれどあの時……東京というまぶしい世界で、私を呼ぶ声が聞こえた」
千歌「それがμ’sでありスクールアイドルであり……――そして曜ちゃんだったんだ」
曜「わたし……?」
千歌「ジュニア五輪での曜ちゃんはいつものように空にいた」
千歌「いつものセカイ、見つめただけで目が眩むような高い場所……でもね」
千歌「でもμ’sの歌を聴いて……そして曜ちゃんを見たら、私の中の勇気がさわぎだしたの」
千歌「曜ちゃんという空へ続く扉はたくさん隠されていたんだ、それを開ける勇気があるかどうかだけなんだ、って!」
曜「千歌ちゃん……」ジワ
103:
千歌「だからもう大丈夫。未来でどんなことがおこるかなんてわからない。それでも必ず夢をつかまえにいくよ」
千歌「曜ちゃんっていう青い空が待っている限り、私は立ち止まらない!」
曜「千歌ちゃん!!!」ダキッ
千歌「うわっとっとと……衣装のことも嬉しかったよ」ギュッ
千歌「お揃いってだけでも嬉しいのに、曜ちゃんの気持ちが込められてるってことを知って」
千歌「私だけじゃなく曜ちゃんもこちらをめざしてくれていたんだって分かったから」
曜「それはこっちのセリフだよ……ふふっ、私たちってほんと」
千歌「バターになっちゃうね」クスクス
曜「溶ける前につかまえられて良かったよ」クスクス
104:
果南「バター?」
曜「……たしかに果南ちゃんは木かも」クス
千歌「でしょ?」クスクス
果南「木?……ってなんの話?」
千歌「なんでもないよー!」ダキッ
果南「わわっこら!急に抱きついたら危ないっていつも」
曜「あーずるい!私も私も!」ダキッ
果南「ちょ、重っ……こけるから!座るから二人とも一旦離れて!」ヌァァ
105:
千歌「えー離れたら果南ちゃん逃げちゃうじゃんー少なくとも今は離す気はないのだ!」
曜「果南ちゃんなら大丈夫!筋トレみたいなものだと思って、ね?」
果南「だぁぁーっ!ほんと昔から変わらないね悪ガキども!」
千歌「ほほう……それなら悪ガキらしく」ワキワキ
曜「悪ガキなりのことをしなくちゃね……」ワキワキ
果南「あっこら!くすぐりはやめわひゃひゃひゃははっはははは!やめ、やめてひははは、やめろ!」ヒィィ
106:
曜「どうする千歌ちゃん?」コチョコチョ
千歌「んー?」コチョコチョ
曜「やめる?」ピタッ
千歌「んー……」
果南「ち、チカ……」ゼエゼエ
千歌「もちろん………………やめない!」コチョコチョ
曜「だよね!」コチョコチョコチョ
果南「」



107:



千歌「よーちゃんー……」
曜「なにー……」
千歌「暑いよ……」
曜「そうだねぇ……」
千歌「そりゃ調子に乗りすぎちゃったけどさぁ……部屋の冷房禁止はきついよ……」
曜「くっついて寝てるせいもあるけどね……」
千歌「だって同じベッドで寝たいもん……」
曜「じゃあ我慢するしかないよ……」
千歌「ところでさ、昼間はなんで私の部屋にこだわってたの?」
曜「……」
108:

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