渋谷凛「何してるの?」back

渋谷凛「何してるの?」


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1:
モバマスSSです
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3:
――――
前川みく「よしよしハナコチャン、今日もいい天気だにゃ?」ナデナデ
ワンッワンッ
渋谷凛「何してるの、みく?」
みく「おおっ、凛チャン!おっはにゃあ☆」
凛「うん。おはよう、みく。それで、何してるの?」
みく「ハナコチャンと遊んでるんだにゃ!」
凛「見たら分かるよ。どうしたの?」
みく「いやぁ?、今日はお気に入りの猫カフェに行こうと思ったんだけどね?」
みく「なんと!今日はお休みだったのにゃぁ……」
みく「それで、凛チャンの家に遊びに来たのにゃ!はぁ?、ハナコチャンは癒されるにゃぁ?」ギュッ
凛「そうだったんだ」
5:
凛「じゃあ、これ持って」
みく「ん?リード、かにゃ?」
凛「うん。今から行こうと思ってたけど……ハナコの散歩、みくに任せるよ」
みく「にゃにゃぁ?っ!?」
凛「ほら、私も行くから。ね?」
みく「うにゃぁ?……みくは猫派なのに……」
凛「ハナコは特別なの?」
みく「もちろん!こんなに懐いてくれるのはハナコチャンだけにゃあ!」
凛「ならなおさらだよ。ほら、犬の散歩なんて初めてでしょ?」
みく「そ、それは……そうだけど」
凛「はい、決まり。ほらほら」
みく「にゃぁ?っ!今日の凛チャンはゴーインにゃあ?!!」
6:
凛「なら、ハナコに聞こっか」
凛「ねぇハナコ、今日は私とみく、どっちがいいの?」
ワンッワンッ
凛「ほら、ハナコもみくがいいって言ってるよ?」
みく「にゃ、にゃんと……!」
凛「猫カフェに行こうとしてたんだし、この後暇でしょ?」
みく「うぅ……わ、わかったにゃ!ハナコチャン、一緒に行くにゃ!」
ワンッワンッ
みく「にゃぁっ?!は、ハナコチャン!早すぎるにゃあ!!」グイグイッ
凛「ふふっ……待ってよハナコ」
みく「凛チャンっ、みくのことも心配してにゃあ?っ!!」
7:
――――
高垣楓「あっ……上手くできました……♪」
ガチャッ
凛「おはようございます」
凛「……何してるの、楓さん?」
楓「あら、凛ちゃんおはよう。お茶でもいかがですか?」
凛「うん、ありがとう……あ、茶柱だ」
楓「やっと茶柱、出たんですよ」
凛「そうなんだ……よかったの?」
楓「?」
凛「せっかくの茶柱なのに」
楓「いいんですよ。気にしないでください」
8:
楓「せっかくの茶柱だから、です」
楓「だって、めったに出ることがないんだから、茶柱が立ったら幸せでしょう?」
楓「ですから、幸せのおすそ分けです」
凛「……そっか。ありがとう、楓さん」
楓「それでなんですけど、凛ちゃん。今とーっても喉が渇いてたりしませんか?」
凛「?」
楓「茶柱を立てるのに夢中になりすぎちゃいまして……ほら」
凛「わっ、こんなにお茶淹れてたの?」
楓「はい、やり過ぎちゃいました。私ってば、おっちょこちょいですね……ふふっ」
9:
楓「でも大変だったんですよ?私左利きですから、急須が逆になっちゃいますし」
凛「そうだね……って、どうするの、このお茶?」
楓「……事務所に来たみんなに配っちゃいましょうか」
楓「あ、茶柱のお茶はみんなには内緒ですよ?凛ちゃんだけ、特別です」
凛「うん……じゃあ、いただきます」
凛「なんだか、ほっとするね」
楓「暖かいお茶ですから、ホットしますよ……ふふふ」
凛「……ふふっ」クスッ
楓「あっ、今の凛ちゃんとっても可愛かったです!もう一回、もう一回!」
凛「……嫌です」フイッ
楓「むー……」
10:
――――
多田李衣菜「♪?♪??」ブンブン
ガチャッ
凛「お疲れ様……」
凛「何してるの、李衣菜?」
李衣菜「おおっ、凛ちゃんいいところに!」
李衣菜「この曲すっごく格好いいんだけど……ほら、凛ちゃんも聞いてみてよ!」
凛「うん、ヘッドホン借りるね」
凛「へぇ……凄く格好いいね。なんてアーティストなの?」
李衣菜「……えっと、なんだっけ……」
李衣菜「あ、忘れた訳じゃないよ?ちょっと思い出せないだけ……」
凛「それって、忘れてない?」
11:
凛「曲のデータから、アーティストの名前見れなかったっけ?」
李衣菜「はっ!そうだったね。えーっと……そうそう、これだよ」ポチポチ
凛「あ、このアーティスト聞いたことある。確かCMの曲とかやってたはず」
李衣菜「でしょ?私もそれで知ったから、いくつかストアからダウンロードしてみたんだ!」
凛「へぇー……いいね、このギターソロが好きだな」
李衣菜「うんうん、分かってるね凛ちゃん!」
凛「……そういえば、李衣菜はギター、弾けるようになったの?」
李衣菜「へっ?あ、うん、弾けるように、なったよ?」ポリポリ
凛「そうなんだ。私もベース、最近練習しててさ」
12:
李衣菜「それって、CDデビューの時の?」
凛「うん。あの時は持ってるだけだったけど、ちょっとずつ練習してるんだ」
凛「元々楽器にも興味があったし、弾けたら格好いいなって思ってさ」
李衣菜「そ、そうだねー……」
凛「いつかライブでセッションとかもあるかなって思ったんだけど……今度プロデューサーに聞いてみよっか」
凛「あ、こんな時間だ。またね、李衣菜」
李衣菜「うん。またね、凛ちゃん」
バタンッ
李衣菜「……あれ、一人で練習してるの、誰も知らないはず……だよね?」
李衣菜「なつきちにも秘密にしてたんだけど……うーん、凛ちゃんは鋭いなぁ」
李衣菜「……負けてられないね、帰ったらまた練習しようっと!」
13:
――――
パシャッ
高森藍子「……♪」
凛「何してるの、藍子?」
藍子「あ、凛ちゃん!一枚撮ってもいいですか?」
凛「う、うん……いいけど」
藍子「では……はい、チーズ♪」
パシャッ
凛「えっと、それで……何してるの?」
藍子「これですか?事務所の写真を撮ってるんです!」
藍子「見慣れた風景ですけど、今日の事務所は今日しか撮れませんからね」
14:
凛「そんなに、すぐ変わっちゃうの?」
藍子「みんなが持ってきたものが置いてあったり、机が整理されてたりしてるんですよ」
藍子「だからいつ撮っても、同じ写真はないんです」
凛「あ、確かに……みんな、何でもかんでも持ってくるもんね」
凛「ねえ藍子、事務所の写真見てもいい?」
藍子「もちろんです♪はい、どうぞっ!」
凛「へぇ……アルバムにまとめてるんだね」
藍子「ええ、見たいって思った時に、すぐに見れますから」
藍子「それに……データで見るよりも温かみがあるような気がしませんか?」
凛「……うん。なんだか、分かるかも」
15:
凛「へぇ……いっぱい撮ってるんだね」ペラッ
藍子「あ、凛ちゃんが写ってる写真もありますよ?確かこの辺りに……ありました」ペラッ
凛「えっ……い、いつ撮ったの、これ?」
藍子「私が事務所に来てすぐかな……ふふっ、凛ちゃんはまだ表情が固いですね」
凛「そ、そうかな?」
藍子「だって、最近の凛ちゃんはもっといい笑顔してますよ?」
藍子「昔はちょっとだけ、怖い人かなって思いましたけど……ほら、さっきの写真見てください」
藍子「ねっ?」
凛「うぅ……は、恥ずかしいからやめてよ」
藍子「それだけ、凛ちゃんも変わったんですよ」
16:
――――
神崎蘭子「ククク……これぞ我が力を開放せし呪具か……!」
凛「何してるの、蘭子?」
蘭子「む、蒼き歌姫か!フッ……魂の共鳴を感じる……」
凛「え、どうしたの?」
蘭子「我を生みせし火の国より捧げられた、禁断の呪具よ!」
凛「へぇ、格好いいアクセサリーだね。蘭子のお母さんから?」
蘭子「如何にも!然れば我が友、歌姫にも力を授けん!」
凛「貰っていいの?」
蘭子「これほどの呪具、我が手中に持て余すは愚策よ」
蘭子「我が手には、この漆黒の十字さえあれば良し」
凛「うん、やっぱり蘭子には黒が似合うよ」
17:
凛「でも、こんなにいっぱい……あ、これとか私に似合いそうかな」
蘭子「ククク……それは其方が手にすると、火の国からの文に予言されていたわ」
凛「もしかして、蘭子のお母さんがこれを選んでくれたの?」
蘭子「母なる大地の予言は絶対なり」
凛「そうなんだ……これは卯月に似合いそう。こっちは未央かな?」
蘭子「ほう……流石は歌姫ね」
凛「蘭子のお母さん、私達の事も見てくれてるんだね」
蘭子「……最近、家に帰っても凛ちゃんや他のみんなのことばっかりで、ちょっと淋しいですけどね」
凛「……そんなことないよ。ちゃんと蘭子のこと、見ててくれてるんじゃない?」
凛「多分、蘭子がみんなと仲良くしてるのが嬉しいんじゃないかな」
18:
凛「お母さんからの手紙、持ってる?」
蘭子「……よ、予言はどこに……あ、あった」
凛「ごめんね蘭子、ちょっと見せて」
凛「えっと……ほら、これ。『我が魔王にも心開けし戦友が増え、我が心は獄炎の都が如く脈動するばかり』って」
蘭子「……そこまで、読んでなかった」
凛「今度、蘭子のお母さんに伝えてあげて。みんな蘭子と仲良しだってさ」
蘭子「うぅ……凛ちゃぁん……!!」
凛「あー、ほら、泣かないの」
蘭子「な、泣いてないですよ!」
凛「はいはい、落ち着いた?」
蘭子「大丈夫ですってば!」
20:
――――
アナスタシア「カクダート ザブノー……えっと、むかしむかし、あるところに……?」
凛「何してるの、アーニャ?」
アーニャ「あ、リン。お疲れさま、です」
凛「うん、お疲れ様。それは絵本?」
アーニャ「はい。プロデューサーが日本語の練習に、って」
凛「えっと……流石に絵本は酷いんじゃないかな……?」
アーニャ「あ、違いますよ?文字はちゃんと、読めます」
アーニャ「今度、ビブリオチェーカ……えっと、図書館で、読み聞かせするそうです」
凛「ああ、そうなんだ」
アーニャ「本を読んで聞いてもらうのもいい、って言われました」
凛「うん、確かにそうかも」
21:
アーニャ「でも……あまり自信、ないです」
凛「そうかな?アーニャは日本語、上手だと思うけど」
アーニャ「日本語、文字は読めます。でも、ロシア語の発音、先に来ます」
アーニャ「だから、全部日本語で読むの、難しいです……」
凛「そうなんだ……」
アーニャ「だから、プラークティカ。練習です」
凛「偉いね、アーニャ」
アーニャ「そうだ、リン。聞いてください」
凛「私が?」
アーニャ「ダー。これも練習、です」
22:
アーニャ「ゾールシュカ……あ、シンデレラ、です」
凛(最初から不安だなぁ……)
アーニャ「むかしむかし、あるところに……可愛くて、優しい女の子、いました」
アーニャ「でも……女の子のお母さんとお姉さん、ニェドープリィ……えっと、意地悪?でした」
アーニャ「ある日、お城の王子様から、ターニェツ……えっと、ダンス……?あの、リン、これは」
凛「それは舞踏会だよ……アーニャ、ちょっと貸して?」
凛「……シンデレラは王子様と結婚して、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……って、なんで私が」
アーニャ「ハラショー……リン、さすがです……!!」
凛「……ま、いっか。アーニャ、これで大丈夫?」
アーニャ「ダー。リンのおかげで、分かりました。読み聞かせ、頑張りますね」
アーニャ「……スパシーバ、リン」
23:
――――
本田未央「むっ……!」ジーッ
未央「むむむっ……!!」ジーッ
凛「……何してるの、未央?」
未央「おおっ、しぶりんいいところに!」
未央「この二つの服さ、どっちがいいと思う?」
凛「えっと……とりあえずお店入ろうよ。ウィンドウだけ見て悩むよりいいと思うんだけど」
未央「で、しぶりんはどっちがいい?」
凛「どっちがいいって……うーん」
凛(未央が着る服だよね?だったらこっちかな)
凛「こっちの明るいオレンジとかいいんじゃない?」
24:
未央「ええっ、しぶりんはそっち!?」
未央「ふむー……でも案外似合うかもねっ」
凛「えっ?」
未央「えっ、どしたのしぶりん?」
凛「待って待って、未央が着る服じゃないの?」
未央「いやいや、しぶりんが着る服……あっ!」
未央「……誰のとかは置いといて、とにかくしぶりんの好みを聞きたいなーって」ピュー
凛「未央、口笛吹けてないよ……」
未央「い、いやー……ばれちゃったか。ごめんしまむー」
凛「卯月もなの?ねえ、どういうこと?」
未央「あ、あはは……これはね、ホワイトデーのお返しなんだ」
25:
凛「お返しって……そんな高いの、貰えないよ。大したものもあげてないのに」
未央「ううん、しぶりんに貰ってほしいんだ」
未央「……しぶりんがいなかったら、さ。ニュージェネレーションもなかったのかなって」
凛「そう、かな」
未央「うん。だってさ、私達の中だったらいつも、しぶりんが最初に走ってったじゃない」
未央「だから、私やしまむーも、頑張ってしぶりんを追い越そう!って、頑張れたのかもなーってさ」
未央「……だから、私やしまむーからのプレゼントってことで!しぶりんお願い!」
凛「そっか。わかった」
未央「……っ!やったっ!」
未央「じゃあ、こっちの明るいオレンジかなー」
凛「えっ、そ、それにするの!?」
未央「えー?だって、しぶりんが選んだんじゃん!」
26:
――――
北条加蓮「♪??」
凛「……何してるの、加蓮?」
加蓮「んー?次の髪型はどうしようかなーって思ってさ」
凛「……自分ので試してよ」
加蓮「まあまあ、それより見てよこれ。ツインテール凛ちゃん!」バァーン
凛「ねぇ、恥ずかしいんだけど」
加蓮「とりあえず写メってPさんに送ろっか」
凛「ちょ、なんでプロデューサーに送るの!?」
加蓮「いいからいいから。はいチーズ」カシャッ
凛「加蓮!お、怒るよ!!」
27:
凛「……で、なんでまだいじってるの?」
加蓮「次は何が似合うかなーって」
凛「それ、最初の目的忘れてない?」
加蓮「ううん、忘れてないよ?」
凛「次の髪型はどうしようって……あ、まさか」
加蓮「そう!次の凛の髪型、どうしようかなって!」
凛「……はぁ」
加蓮「せっかく凛はこんなにいい髪してるんだから、もっと色々やってみようよ」
28:
凛「私は別に……このままでいいと思うんだけど」
加蓮「だからほら、こうやって結んでみたりしようよ」
加蓮「Pさん喜ぶかもよ?」
凛「ぷ、プロデューサーは関係ないでしょ!」
凛「……そういえば加蓮、最近ずっと同じ髪型だよね?プロデューサーに何か言われたの?」
加蓮「えっ!?そ、そんなことないよ?」
凛「ほら、加蓮だって」
加蓮「あ……」
凛「……ふふっ」クスッ
加蓮「あははっ」クスクス
凛「今度、奈緒と三人で同じ髪型にしてみよっか」
加蓮「それいいね、面白そう」
29:
――――
神谷奈緒「ああっ、ついに最終巻……!!」ガタッ
凛「何してるの、奈緒?」
奈緒「あ、凛!見ろよこれ!」
凛「それ、この前奈緒が貸してくれた漫画?」
奈緒「そうそう!ついに最終巻出たんだよ!あー、待ち遠しかった……!」
凛「へぇー……」
奈緒「あれ、凛はどこまで読んだんだ?」
凛「まだ三巻までかな」
奈緒「なんだよー……早く読んでよ、ネタバレできないじゃん」
凛「いいでしょ、読むの遅いんだし」
奈緒「ほら、もっと読んで読んで!」
凛「もう……どうしたの、奈緒?」
30:
奈緒「だってさ……周りじゃ誰も知らない漫画だったから」
奈緒「ほら、みんなにももっと知ってほしいなって……」
凛「誰も知らないの?」
奈緒「うん。比奈さんあたり知ってるかと思ったら、誰も知らないってさ」
奈緒「だから凛に貸したんだけど」
凛「……えっ?」
奈緒「うん。凛が最初」
凛「そうなんだ……なんで私なの?」
奈緒「んー……だって、凛ってあんまり漫画とか読まないだろ?」
凛「確かにそうだね」
奈緒「だから、かな」
31:
奈緒「凛って、あんまりアニメとかも見ないだろ?」
凛「うん。よく見るのは歌番組とかだし」
奈緒「あんまりそういう雑誌とかも読まないみたいだからさ」
奈緒「だから、みんなと話すきっかけになったらなって思ったんだけど……」
凛「……その割には、誰も知らない漫画を推すんだね」
奈緒「い、いいだろ!?あたしのお気に入りの漫画なんだし……」
凛「メイドさんがご主人様のために戦ってる漫画が?」ニヤニヤ
奈緒「や、やめろってば!もう、凛!!」
凛「……ありがとね、奈緒」
奈緒「お、おう……あ、凛知ってる?これ、カバーを外すとさ」
凛「……あっ、ここにも漫画描いてあるんだ……ふふっ、面白いね」
32:
――――
島村卯月「これでよし、ですっ!準備完了!」
凛「何してるの、卯月?」
卯月「あ、凛ちゃん!何って、見ての通りお掃除だよ!」
凛「……確かに、ちょっと物で溢れかえってきたもんね」
卯月「だから、今日という今日は綺麗にしないと!」
凛「うん。私も手伝うよ」
卯月「……でも、不思議だよね」
凛「何が?」
卯月「こうして見てると、同じ風景の事務所って、ないんだなーって」
凛「……それ、前に藍子も言ってた」
卯月「藍子ちゃんもですか?」
33:
卯月「いつも誰かが何か持ってきますし、プロデューサーさんはすぐ散らかしますから」
凛「うん……ほら、すぐ書類で机埋め尽くしちゃうもんね」
卯月「だから、今日は凛ちゃんと一緒にお掃除だよっ!」
凛「これで、かなり綺麗になったんじゃない?」
卯月「そうだね……あとはプロデューサーさんの机かな」
凛「……でも、書類は流石に触っちゃ駄目だよね」
卯月「うん……じゃあちょっとだけ片付けちゃおう」
凛「……触っちゃ駄目って言ったよね?下手に弄ったらプロデューサー怒るんじゃない?」
卯月「大丈夫、絶対大丈夫だよ!」
凛「……もう、卯月ったら」
34:
卯月「えっと、こうやって……あ」
凛「どうしたの、卯月?」
卯月「ほら、この写真」
凛「……これ、事務所に入った時の私達だよね」
卯月「私に凛ちゃんに未央ちゃん、プロデューサーさん……うん、あの時の写真だよ」
凛「懐かしいな……あの頃は本当に、事務所も殺風景だったよね」
卯月「うん。あの頃から見たら、事務所も変わったのかもしれないけど」
卯月「こうして変わらないものも、あるのかなって思うんだ」
凛「……そうだね」
凛「ねえ、卯月。私と卯月と未央、ニュージェネレーションはずっと、何があっても一緒だよ」
卯月「ふふっ、どうしたの凛ちゃん?」
卯月「……うん。ずっと友達で、ライバルで……仲間だからね」
35:
――――
凛「……何してるの、プロデューサー?」
P「ん、なんだ凛か。休憩中だよ、座ってばっかじゃ疲れるからな」
凛「お仕事終わりそう?」
P「まだ全然。どうする?先に帰るか?」
凛「ううん、終わるの待つよ」
P「そうか。しばらく掛かるし、のんびり待っててくれ」
凛「わかった」
凛「プロデューサー、コーヒー淹れたけど飲む?」
P「おお、助かる。ありがとな」
凛「ううん、いいよ。お仕事頑張ってね」
36:
P「よし、やっと終わった……!」
凛「本当?お疲れ様、プロデューサー」
P「ごめんな、残業に付き合わせて」
凛「いいよ、私が言い出したんだし」
P「……そうか」
凛「ねえ、プロデューサー。あの時の写真、大事に飾ってるんだね」
P「ん?あの時?」
凛「アイドルが私達しかいなかった時の写真」
P「ああ、あれか」
P「なんて言うか……記念だからな。あれからこの事務所が始まったんだし」
37:
凛「プロデューサーはさ、私がその頃から変わったように見える?」
P「ん……難しいな。変わっているし、変わっていないところもある」
凛「……そっか」
P「みんな、成長したんじゃないか?でも、あの頃のままずっと、前に向かって走っているからな」
P「……凛が一番成長したのは、みんなにいじってもらえるようになったところじゃないか?」
凛「えっ、ちょっと……どういうこと、プロデューサー?」
P「みんな、大したことなくても凛に話しかけたり絡んでいったりするだろ」
P「最初は皆、怖がってたらしいからな。そういうことをすると凛に避けられるんじゃないかって」
凛「……そうだったんだ」
P「仕方ないさ。でも、うちの事務所は凛に負けず劣らず個性的な子ばかりだったからな」
凛「うん。最初は私もびっくりしたよ」
38:
P「その中でも輝いていられるんだから、凛は今のままでいいんじゃないか?」
凛「……そっか」
P「凛は凛のままでいい、それだけだろ」
凛「うん。ずっと、私は私のまま……どこにだって、走り出すだけだもんね」
凛「ありがと、プロデューサー」
P「そうか。それじゃ、送ってくから帰る準備……」
凛「あのさ、プロデューサー。今日は遅くなるから晩ご飯いらないって、お母さんに伝えてきてるんだ」
P「おいおい……どこがいいんだ?」
凛「どこでもいいよ。どこでもいいからさ」
凛「早く私を連れ出してほしいな……なんてね」
4

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