善子「リリーと二人で」梨子「花火大会だね！」
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よしりこ
5:
ﾄﾞｻｯ
善子「あー今週も疲れたぁ...足揉んでリリー」
梨子「こーら、ベッドに寝るなら髪乾かしてからにしてよ」
善子「足揉んでくれたら乾かす」
梨子「ならこっちおいで」
善子「やったぁ！」ﾋﾟｮﾝｯ
梨子 ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
善子「よいしょっ」ﾍﾟﾀｯ
ｶﾞｼｯ
善子「へ？」
ﾌﾞｫｫｵｵｫｫ
善子「ああああ騙した！騙したなぁ！」
7:
梨子「こら暴れないの」ﾜｼｬﾜｼｬ
善子「足揉んでくれるって言ったのに！」
梨子「髪乾かしてからね」
善子「ほんとかなぁ」
ﾋﾟﾄｯ
梨子「そんなくっつかれるとやりにくいよ」
善子「落ち着くんだもん...」ｽﾝｽﾝ
梨子「こら、匂い嗅がないで」
善子「んー」ﾍﾞﾀｧ
8:
梨子「ん、おっけー」
善子「よしっ」ｺﾞﾛﾝｯ
梨子「...」
善子「早く早くー」ｸﾞｲｸﾞｲｯ
梨子「足の裏でいい？」
善子「うん..............あだだだだだだ！！！」
梨子「...」ｸﾞﾘｸﾞﾘ
善子「いだいいだいタイムタイム！！」
梨子「なに？揉んでほしかったんでしょ？」ｸﾞﾘｸﾞﾘ
善子「あーだだだだだだ！！力強すぎ！」
梨子「このっ...このっ！」ｸﾞﾘｸﾞﾘ
善子「ギブギブ！無理無理無理！」
梨子「ん」ﾊﾟｯ
9:
善子「はぁ...はぁ...」
梨子「先輩に足揉めとか生意気言うからそうなるんです」
善子「くっ...なしこめ」ﾎﾞｿｯ
ｶﾞｼｯ
善子「うそうそうそ！！」
梨子「なに？今なんて言ったの？」ｸﾞﾘｸﾞﾘ
善子「ごめんなさいごめんなさい！」
梨子「むにむに」
善子「はぁ...くそぉ...」
梨子「これいいね、今度なしこって呼んだら足揉みの刑だね」
善子「梨子嫌い...」ｸﾞｽｯ
梨子「んっ」ﾓﾐﾓﾐ
11:
善子「うおっ」
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「...」
梨子「こんな感じ？」ﾓﾐﾓﾐ
善子「うん、気持ちいい...」ﾍﾗｧ
梨子「先輩に足揉ませるとかなんて悪い後輩なんだろ」
善子「あ"?」
梨子「はい終わり」ﾍﾟｼｯ
善子「もっともっとぉ」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
梨子「やだよ指疲れるし」
善子「むぅ...」
12:
善子「あ、そうだ」
梨子「ん？」
善子「今度は私がリリーの足を揉んであげるわ」ﾌﾌﾌ
梨子「遠慮します」ｷｯﾊﾟﾘ
善子「なんでよ！」
梨子「どーせさっきの仕返ししてくるのは目に見えてるもん」
善子「そんなことないわよ、ちゃんと気持ちよくする」ﾜｼﾜｼ
梨子「そのイヤらしい手つきなに」
善子「私を信用できないの？」
梨子「うん」
善子「ガーン！」
14:
梨子「はい」ｺﾞﾛﾝｯ
善子「え？」
梨子「やってくれるんじゃないの？」
善子「やる」
梨子「...」
善子「...」ﾓﾐﾓﾐ
梨子「...」
善子「...どう？」
梨子「思いっきりやってみて」
善子「え、痛くなるよ？」
梨子「いいから」
善子「ふんっ、泣いてもしらないからっ」ｸﾞｲｸﾞｲｯ
15:
梨子「あぁ...」
善子「ふんぬっ！ふんぬっ！」
梨子「いい感じ...」
善子「はぁ...はぁ...」
梨子「もう疲れたの？」
善子「くっ、この堕天使ヨハネの本気を容易く受け止めるなんて」
梨子「よっちゃん力無さすぎだから思いっきりやってくれたほう丁度いいよ」
善子「むきぃいい！バカにして！」
梨子「ほら早く続き」
善子「もういい、疲れた」ﾑｩ
17:
梨子「ふふっ、勝ったわ」ﾄﾞﾔｯ
善子「ムキムキなしこマンに力で負けるのは仕方ない」
ｸﾞｲｯ
善子「ぎゃぁあああごめんなさいつい口が滑って」
梨子「ムキムキなしこマンが気持ちよくしてあげるよ」
梨子「大丈夫、優しくするから」ﾎﾞｿｯ
善子「うそ！絶対うそ！」
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「うっ...」
梨子「ふふっ」ﾓﾐﾓﾐ
善子「あれ...普通だ」
18:
梨子「よっちゃんだって、私のこと信用できないの？」
善子「くっ」
梨子「足の裏だけじゃ物足りないよね」
善子「うおお、ふくらはぎ良い...」
梨子「お肌スベスベだなぁ」ﾓﾐﾓﾐ
善子「変態おやじくさい」
梨子「羨ましいんだもん」ﾓﾐﾓﾐ
善子「はぁ...気持ちいい」
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「...」
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「あれ？」
19:
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「ちょっと梨子...ひゃうっ！？」
梨子「変な声出さないのー」ﾓﾐﾓﾐ
善子「ちょ、上のほう揉みすぎ...」
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「んっ」ﾋﾞｸｯ
梨子「...」ﾓﾐﾓﾐ
善子「あっ...ん...」
梨子「はいおーしまい！」ﾍﾟｼｯ
善子「...うぅ」
梨子「どうだった？」ﾆｺﾆｺ
20:
善子「...」ｳﾙｳﾙ
梨子(あれ、ちょっとやりすぎたかな)
善子「...」
梨子「よっちゃん？」
善子「...」ｸﾞｲｯ
梨子「ん？」
善子「...ベッド」
梨子「ベッド？」
善子「うん...ベッドいこ」ｸﾞｲｸﾞｲｯ
梨子(あ...スイッチ入っちゃったなこれ)
善子「ねえ？」
21:
梨子「もう寝るの？眠い？」
善子「...」
梨子「ん？」
善子「眠い」
梨子「そっか、それじゃ先におやすみよっちゃん」
善子「んーんー！」ﾌﾘﾌﾘ
梨子「んーってなに」
善子「ちがくて...その...」
梨子「なに？」
善子「...やっぱり眠くない」ﾑｽｯ
梨子「そう」
22:
善子「...」ﾌﾟｸｯ
梨子(ふふっ、いじけてるいじけてる...可愛いなぁ)
善子「...」
梨子「...」
善子「...」ﾋﾟﾄｯ
梨子「んっ、どうしたの？」
善子「こうしてたいの」
梨子「そっか」
善子「...」
梨子「...」
善子「むぅぅぅ」
梨子(唸ってる...)
23:
善子「...」ｷﾞｭｩｩ
梨子(だめだめ、今日は流されない...正直練習で疲れてて眠いし)
善子「...」ｽﾘｽﾘ
梨子「ねぇよっちゃん」
善子「なにっ！」ﾋﾟｺﾝｯ
梨子(うわっ、すごい反応した)
梨子「明日の花火大会でなに食べたい？」
善子「んー」
梨子「私は焼きそばかなぁ」
善子「苺飴あるかな」
梨子「リンゴ飴はよく見るけど苺かぁ」
善子「ミカン飴ばっかりなのよねいつも」
24:
梨子「え、なにミカン飴って...」
善子「ミカン丸ごとやってるやつだけど」
梨子「見たことないかも...さすが静岡」
善子「あれは敵」
梨子「あはは、よっちゃんみかん嫌いだもんねぇ」
善子「あとはたこ焼きとか」
梨子「あ、いいねぇ」
善子「すごい楽しみ...」
梨子「楽しみなのはいいけど、よっちゃんこういうときいつも風邪引くからなぁ」
善子「だ、今回は大丈夫よ...」
26:
梨子「ほんとーに？誕生日ですら倒れて寝込んでたのに？」
善子「うぅ...」
梨子「まっ、そうならないためにも」ﾖｲｼｮｯ
善子「ん？」
梨子「今日はもう寝よっか、本番は明日なんだし」
善子「うん」
ﾎﾞｽﾝｯ
梨子「はぁ...」ｺﾞﾛﾝｯ
善子「...」ｺﾞﾛﾝｯ
梨子「電気消すね」
善子「ん」
ﾋﾟｯ
27:
梨子「おやすみなさい」
善子「...」
梨子「...」
善子「...」ｷﾞｭｯ
梨子「...」
善子「...」ﾓｿﾞﾓｿﾞ
梨子「...」
善子「...」ﾑﾆﾑﾆ
梨子(この子まだ諦めてない...花火大会の話じゃ誤魔化せなかったか)
善子「...」ｷﾞｭｩｩｩ
梨子(誘惑に負けちゃダメよ梨子...今日はもう寝る)
善子「...」
梨子「...」
28:
善子「...」ﾑｽｯ
梨子(顔見なくてもわかる...絶対よっちゃんいじけてるこれ)
善子「...」ﾑﾆﾑﾆ
梨子「こらっ」ﾍﾟｼｯ
善子「あだっ」
梨子「どこ揉んでるのよもう」ｸﾙｯ
善子「あーそっち向かないでぇ」
梨子「知りません」
ｷﾞｭｯ
善子「あっ、でもこれはこれで」
29:
梨子「はぁ、ほんと今日は寝るから」
善子「むぅむぅ！」
梨子「はいおやすみおやすみ」
善子「...」
梨子「...」
善子「梨子」ﾎﾞｿｯ
梨子「うひゃっ！？」ﾋﾞｸｯ
善子「...」ｷﾞｭｯ
梨子「んなっ、いきなり耳元で呟かないでよ」
30:
善子「えーむりむり！我慢できない！」ﾕｻﾕｻ
梨子「だーもぉ騒がないの！」
善子「だって梨子が意地悪なんだもん！だいたいこうなったの梨子のせいじゃん！！変なとこ揉み始めたからじゃん！」
梨子(うっ、痛いとこを突いてくる...)
善子「好きな人がこんな傍にいるのに我慢なんて」
梨子「...」
善子「ぅぅぅ」
梨子「ねぇよっちゃん」
善子「なに？」ｻﾜｻﾜ
梨子「まずその手を退けなさい」
善子「むっ」
32:
梨子「あのね、正直言うと今日はちょっと調子悪いの、放課後の練習で疲れてるのもあるし」
善子「...うん」
梨子「だからね、今日できない分明日いっぱいしてあげるから、今夜はもう寝よ？」
善子「...」
梨子「ね？」
善子「わかった」
梨子「うん、いいこいいこ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
善子「ん」ｷﾞｭｯ
梨子「ふふっ」
善子「...」
梨子「おやすみ、よっちゃん」
善子 ｽｰｽｰ
梨子(なんだ、やっぱりよっちゃんも疲れてたんじゃん) ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
梨子「明日楽しみだね」
33:
次の日
善子「もぉ?いつ出発する？」ｻﾜｻﾜ
梨子「まだ早いよ、花火上がるの７時過ぎなのに」
善子「んっ」ﾁﾗｯ
善子「まだ３時だぁ」ｶﾞｸﾘｯ
梨子「だから宿題やっちゃおうって」
善子「今日土曜日なんだし明日やれば...」
梨子「だーめ...ほら、今終わらしちゃえばすっきりだよ？」ﾊﾟﾀｯ
善子「え、まさか終わったのリリー！？」
梨子「終わったよ、よっちゃんがスクフェスに夢中になってる間に」
善子「えーずるい！」
34:
梨子「もうずっと言ってるよね、宿題やろうねって」
善子「リリーの声は堕天使ヨハネには届かないのでした」
梨子「いいから早く勉強道具出しなさい！」ｸﾜｯ
善子「うぅ...鬼教師なしこの登場だよぉ...」ｳﾀﾞｳﾀﾞ
梨子「わからないとこは教えてあげるから」
善子「簡単すぎて逆にやる気起きないのよねぇ学校の宿題って」
梨子「うわっ、嫌なやつ...」
善子「だってほんとなんだもん」ｸﾙｸﾙｯ
梨子「ペン回してないでやりなさい」
35:
善子「ん」ｽﾗｽﾗ
梨子「よっちゃん頭は良いんだよねぇ...悔しいけど」
善子「人間界の学問なんて私の前では塵に等しい」ｶｷｶｷｶｷ
梨子「そこ、引き算ミスしてるよ」
善子「えっ、どこ！？」ｱｾｱｾ
梨子「焦んないで落ち着いてやりなさい、ちゃんと解けてるんだから」
善子「なしこのくせに」ﾎﾞｿｯ
梨子「なんて？」
善子「なんでもないです」ｶｷｶｷｶｷ
36:
-----
---
-
善子「...」ｶｷｶｷ
ﾊﾞﾝｯ
善子「はー終わった終わった...」ｺﾞﾛﾝｯ
善子「...」
善子「...」ｸﾙｯ
善子「リリー？」ｷｮﾛｷｮﾛ
善子「トイレかな」
ｶﾞﾁｬ
善子「ん？」
梨子「見て見てよっちゃん」
37:
善子「あっ」
梨子「どうかな...浴衣に着替えてみたんだけど」ｴﾍﾍ
善子「...」
梨子「よっちゃん？」
善子「...」
梨子「ちょっと、なに呆けてるの」ﾍﾟｼｯ
善子「えっ、いや...その...」
梨子「ん？」
善子「可愛い...」ﾎﾞｿｯ
梨子「なんて？ちょっとちゃんとこっち見てよ」ｸﾞｲｯ
善子「か...似合ってると思います///」
梨子「ふふっ、ありがと」ﾆｺﾆｺ
38:
善子「うぅ...」
梨子「なによ、さっきから目そらして」
善子「というかなんで先に着替えちゃうのよ！」
梨子「だってそろそろ出発しないとだよ？」
善子「え、もうそんな時間！？」
梨子「宿題できたんなら、よっちゃんも着替えておいで」
善子「ふふっ、見てなさいなしこ...絶対にあなたの上をいくわ...」
梨子「いいから早く」
善子「はーい」
39:
-----
---
-
ｶﾞﾁｬ
善子「ふぅ、ダイヤに着付け教わっておいて良かったわね」
梨子「わっ、可愛い！可愛いよよっちゃん！！」
善子「えっ、そ、そんなに？」
梨子「やだ、うそうそなにこれ、ほんと可愛い...どうしよ」ﾎﾟﾁｯ
ﾊﾟｼｬ
善子「ちょっと落ち着いてリリー」
梨子「やだぁどうしよ可愛すぎるよよっちゃん」ﾎﾟﾁｯ
ﾊﾟｼｬ
善子「一旦写メ撮るのやめなさいよ！！」
梨子「嫌！」ﾊﾟｼｬ
善子「なんで！？」
40:
梨子「もったいないよぉ、こっち向いてほらほら」
善子「もう...カメラ越しじゃなくて」
ｷﾞｭｯ
梨子「わっ」
善子「ちゃんと見てよ...ちゃんと見て欲しい」
梨子「あっ、ごめんね...つい興奮しちゃって」
善子「お、おかしくないかな？」
梨子「全然だよ！すごく似合ってる！」
善子「えへへ、良かった」
梨子「はぁ?」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
41:
善子「ちょっと！」ｸﾞｲｯ
梨子「わっ、携帯返してよ！」
善子「うわっ、何枚撮ってるのよ...」ﾎﾟﾁｯ
梨子「いいでしょ、こんなに可愛いんだもん」ﾀﾞｷｯ
善子「だー暑苦しい！」
梨子「嬉しいくせにー」ｷﾞｭｩｩｳ
善子「うぅ///」
42:
梨子「ほらよっちゃん、ちょっとこっち来なさい」
善子「え、なにする気...私なんか悪いことしたっけ...」
梨子「向こう向いて」
善子「ん...」
ｼｭｯ
善子「ちょ、なんでお団子とくのよ！」
梨子「いいから...」ｸﾙｯ
善子「...」
梨子「よし、できたよ」ﾎﾟﾝｯ
善子「なんかすごいことになってそう」
梨子「よっちゃん、誕生日にあげた簪持ってきてるよね？」
善子「うん...あっ、そういうことね」
44:
梨子「ここに刺して...ほら可愛い」
善子「鏡貸して！」
梨子「どう？」
善子「うわっ、すごい梨子...こんなこと出来たんだ」
梨子「よっちゃんの長い髪を浴衣に合うようなお団子にアレンジしてみました」
善子「わぁ...もそもそだ」
梨子「あんまり手で触れば崩れちゃうよ」
善子「さすが私のリトルデーモン首席なだけはある」
梨子「それ全然嬉しくない」
善子「なんでよー」
45:
梨子「それじゃ私も髪やっちゃうから待ってて」
善子「ん」
梨子 ｼｭｯｼｭｯ
善子「...」
梨子 ｸﾙｸﾙｯ
善子「うなじ...」
梨子「ん？」
善子「え？」
梨子「なんか言った？」
善子「いや、べつに」
46:
梨子「よし」
善子「あっ...それ」
梨子「よっちゃんとお揃いだよ、よっちゃんは右で、私は左にお団子してみた」
善子「おそろい...なんかいいわね」
梨子「でしょ？」ﾌﾌｯ
善子「...うなじエロい」ﾎﾞｿｯ
梨子「聞こえてるよよっちゃん」ﾍﾟｼｯ
善子「え、うそ」
梨子「もぉそんな目で見てるなんて」
善子「なっ、仕方ないじゃない！見せてるなしこが悪い！」
梨子「まぁ...」ｸﾞｲｯ
ﾋﾟﾄｯ
47:
善子「うっ」
梨子「そのつもりで見せてるんだけどね」ﾎﾞｿｯ
善子「っっっ///」ｶｧｧｧ
梨子(ふふっ、可愛いなぁ)
善子「な、こ、このヨハネを魅了するなんて百年早いわよ！」
梨子「はいはい」
善子「むきぃいいい余裕こいてる！」
梨子(まぁそんな私も、よっちゃんと同じこと考えてるんだけどね)
梨子「...」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
梨子「まずい...気持ち抑えるの大変になってきた」ﾎﾞｿｯ
善子「ん、リリー？」
48:
梨子「...そろそろ行こっか」
善子「行こう！お腹すいたし！」
梨子「もぉメインは花火なのに」ｸｽｯ
善子「やきそばもたこ焼きも楽しみなんだもん」
梨子「あ、ちょっと待って」
善子「なによー早くしないと」
ｶｼｬ
善子「わっ」
梨子「ねーねー、行く前に二人で写真撮ろうよ」
善子「えーそんなの後でいいじゃん」
梨子「今がいいの」ﾎﾟﾁｯﾎﾟﾁｯ
49:
-----
---
-
沼津駅
ｶﾗﾝ ｶﾗﾝ
善子「ふぅ、なんとか間に合ったわね」
梨子「今日涼しくて良かった...」ﾊｧ
善子「大丈夫梨子？」
梨子「うん、ちょっと色々慣れなくて」
善子「下駄歩きにくいわよね、ちょっと座って休憩しよ？」
梨子「ううん、平気だよ、せっかくよっちゃんとデートだもん」
善子「ほんと？疲れたら言いなさいよね」
51:
梨子「うん、ありがと」
善子「ん」
ｶﾗﾝ ｶﾗﾝ
梨子「なんか今日のよっちゃん...」
善子「ん？」
梨子「ううん、なんでもない...ほら、屋台回ろ？」
善子「焼きそば！！」
梨子「ふふっ、そうだったね」
52:
善子「ねぇ梨子」
梨子「どうしたの？」
ｷﾞｭｯ
善子「いいかな」
梨子「うん、手繋ぐくらいは...(あれ？)」
善子「...///」
梨子(この握り方...)
善子「その...外だとこういうの梨子嫌がるけど...」
梨子「...」
善子「...」
梨子「いいんじゃないかな、今日は」
53:
善子「ほんと！？」
梨子「学校の子に見られるのは恥ずかしいけど、夜だしわかんないよきっと」
善子「やった！」
梨子「それに」
善子「ん？」
梨子(恋人繋ぎ...初めてだし...すごく嬉しいかも)
梨子「汗で嫌になったら言ってね？」
善子「私は気にしないわよ、梨子の手だもん」
梨子「うっ」ﾄﾞｷｯ
善子「あとさ...こういうのもどうかな」
梨子「なに？」
54:
善子「...梨子、先輩」
梨子「へ？」
善子「私...梨子先輩と花火大会来れて...すごく嬉しいです」
梨子「っっっ！！？！？///」
善子「みたいな」
梨子 ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ
善子「なーんて、らしくないからやめとくわこれ」
梨子「な、なんで突然そんな...」
善子「んー...だって、外で"リリー"って呼ぶのも嫌がるんだもん梨子、だから他に特別な呼び方ないかなぁって」
梨子「...ぷっ」
善子「え？」
梨子「くっ...あはははは！」
56:
善子「ちょ、笑うことないじゃない！」ﾌﾟﾝｽｺ
梨子「だ、だって...それ先輩って呼び方がなんで特別になるのよ」ｸｽｯ
善子「んなっ、他に思い浮かばなかったの！」
梨子「ふふっ、そっか...でも確かにいつもの呼び方は二人っきりの時だけにしてほしいかな、恥ずかしいもん」
善子「はいはい、ならいつも通り梨子って」
ﾋﾟﾄｯ
梨子「梨子、先輩...でしょ？」
善子「なによ、気に入ってるんじゃない」
梨子「今日だけ特別...それならいいでしょ？」
善子「...わかった、今日だけ特別」
梨子「いい子ね、善子ちゃん」ﾆｺｯ
57:
善子「よしこちゃ...え、まさか」
梨子「今日だけ特別...だよね、善子ちゃん♪」ﾆｺﾆｺ
善子「ぐぬぬ...やられた...なしこめ」
ﾍﾟｼｯ
善子「あだっ」
梨子「その呼び方はだーめ」
善子「うっ」
梨子「次なしこって言ったら、もう手繋いであげないんだから」
善子「それは嫌！」
梨子「ならちゃんと呼んでね、善子ちゃん」ﾆｺｯ
善子「むぅ...また負けてる気がする」
梨子「ほら、焼きそば買お？」
58:
-----
---
-
善子「ふぅ、食べたわねぇ」
梨子「はい、ラムネ」
善子「ありがと」ｺﾞｸｺﾞｸ
梨子 ｺﾞｸｺﾞｸ
善子「そういえば苺飴...」
梨子「まだ食べるの？」
善子「いや、もう入らないです」
梨子「そりゃそうだよ、すごい勢いだったもん...たこ焼きの屋台のおじちゃんの顔見た？」
善子「え、そんなビックリしてた？」
ﾄﾞﾝｯ
59:
梨子「わっ」
善子「あー花火始まった！！」
ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
ﾋｭｰｯ ....
ﾄﾞﾝｯ ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
善子「きれい...」
梨子「音が空気で体に伝わってくるね」
ﾋｭｰｯ ....
ﾄﾞﾝｯ ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
善子「...」
梨子「...」ﾁﾗｯ
60:
善子「...」
梨子「よっちゃ」
善子「ねぇ...梨子先輩」
梨子「ん...なにかな、善子ちゃん」
善子「今日ね」
ﾄﾞﾝｯ ﾄﾞﾝｯ ﾄﾞﾝｯ
梨子「ん？」
善子「一緒に来てくれて...花火大会誘ってくれて」
ﾋｭｰｯ ...
ﾄﾞﾝｯ ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ
善子「いつも私に付き合ってくれて」
善子「ありが...」
ﾁｭｯ
62:
梨子「んっ」
善子「んんっ...はむっ...」
梨子「ん...んんっ...はぁ」
善子「はぁ...ちょ、いきなり」
梨子「私も」
善子「え？」
梨子「一緒に花火見てくれて」
梨子「いつも一緒にいてくれて」
梨子「ありが...」
ﾁｭｯ
善子「んん...はぁ」
梨子「うぅ...///」
善子「ふふっ、仕返しよ」
63:
梨子「このぉ...よっちゃんのくせして///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
善子「今日のキスは」
梨子「ん？」
善子「焼きそば風味でした」
梨子「ふふっ、雰囲気台無しだよそれ」
善子「ていうか、こんな場所でキスなんて、いつもじゃ絶対怒るのに」
梨子「今日は特別って言ったでしょ」
善子「みんな花火に夢中だし...でしょ？」
梨子「まぁそんなとこかな」
梨子(あんな横顔見たら...我慢できないしね)
64:
-----
---
-
梨子「終わっちゃったね」
善子「うん...」
梨子「...」
ｷﾞｭｯ
善子「帰ろっか、梨子先輩」
梨子「はぁ...なんかよっちゃんとお話してたせいで半分くらいしか花火集中できなかった気がする」
善子「梨子先輩のせいです」
梨子「なに？」
善子「なんでもないでーす」ｷﾞｭｯ
65:
梨子「...まだこの呼び方続けるの？」
善子「家に帰るまで」
梨子「よっちゃ...善子ちゃんに敬語使われるのも気味が悪いよ」
善子 ｷﾞｭｩｩｩｳ
梨子「いたい！」
善子「あ、ごめんなさい、なしこ先輩が変なこと言うから」ｴﾍｯ
梨子「なしこ先輩ってなによ！！」
善子「おっと、ついいつもの癖で」
梨子「ふんっ」ﾊﾟｯ
善子「あーなんでなんで！！」
梨子「なしこって呼んだら手繋いであげないって言ったでしょ」
66:
善子「けちけち！！」
梨子「うるさい！」ｷﾞｭｯ
善子「あ...手」
梨子「ふんっ」
善子「なーんだ、梨子先輩だって手繋ぎたいんじゃん」
梨子「善子ちゃんが人混みではぐれないようにするためです」
善子「そんなこと言って、やっぱりいじわるなしこだ」
ｷﾞｭｩｩｩｳ
善子「いだだだだだ！」
67:
-----
---
-
善子部屋
善子「ただいまー」
梨子「おじゃまします」
善子「冷房のタイマー予約しててよかったぁ」
梨子「うおお、すごい涼しい」
ﾊﾞﾀﾝｯ
ﾍﾟﾀﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
梨子「ふぅ」ﾎﾞｽﾝｯ
善子「...」
梨子「立ったままでどうしたの？こっち来て座りなよ」
善子「私の部屋なんだけど」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
ﾎﾞｽﾝｯ
68:
梨子「花火、きれいだったね」
善子「うん」
梨子「焼きそばもたこ焼きも美味しかったし」
善子「うん」
梨子「ねぇよっちゃ...」
善子「梨子」
梨子「へ？」
善子「あのね...その」
梨子「ん？」
善子「うぅ...///」ﾓｿﾞﾓｿﾞ
梨子「なに？」
69:
善子「きょ、今日ね...」
梨子「...」
善子「おうちの人...いないの」
梨子「...」
善子「だから」
ｷﾞｭｯ
善子「わわっ」
梨子「大丈夫だよ...」
善子「え」
梨子「私も、よっちゃんと同じ気持ち」
善子「それって...」
梨子「正直ね...もうあんまり我慢できる自信ない」
ﾋﾟﾄｯ
70:
善子「梨子...したい...したいの...してほしい」
梨子「嫌だって言ったってやめないよ？」
善子「うん、やめないで」
梨子「ふふっ」
善子「なんで笑うの」ﾑｩ
梨子「よっちゃん、昨日は我慢したもんね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
善子「...した...すごい我慢したもん...もう限界よ」ｺﾂﾝ
梨子「もっと我慢したらどうなるかな？」
善子「ねぇ梨子...もういじわるしないで、これ以上のおあずけはつらい」ｳﾙｳﾙ
梨子「ごめん、嘘だよ...それに」
ﾑﾆｯ
71:
善子「んんっ///」ﾋﾞｸｯ
梨子「私も我慢できないって言ったでしょ」
善子「うぅ///」
梨子「ほら、横になろーね」
善子「梨子、電気」
梨子「だーめ」
善子「...恥ずかしいよぉ」
72:
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