金剛「艦娘はどうやって作られたのか、デスか?」back

金剛「艦娘はどうやって作られたのか、デスか?」


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1:
金剛「提督も変なコトが気になるのデスねー」
提督「いや暗黙の了解みたいになってるけど謎過ぎるだろ」
金剛「ワタシについて言えば、気がついたらベッドの上に横たわって白い天井を見てましタ。
それ以前の記憶は全くと言っていいほど無かったけれど、何故か海や港の風景だけは覚えてたネ」
提督「それ怖くないか?」
金剛「ワタシにとってはそれが当たり前デスから、怖いも怖くないもないデース」
4:
金剛「もし気になるのなら、他の艦娘にも聞いてきたらいいデース」
提督「まっとうな意見だな」
金剛「でも、多分ワタシ以外の艦娘も同じことを言うと思いマース……」
提督「それってやっぱり怖くね?」
金剛「ワタシにとってはそれがry」
5:
提督「大淀に聞くべきかとも思ったが、ある日大本営に連行されるみたいなことにならないとも限らない。
ここは我が艦隊の唯一神。もとい、唯一嫁である北上に聞くほかあるまい」
提督「というわけで北上、艦娘はどうやって作られたんだ?」
北上「たまに執務室に呼び出したと思ったら変なこと聞くね。
でも、とりあえず病院のベッド以前の記憶はないよ。私も別の子に聞いたことあるけど、似たようなこと言われたから、皆も一緒なんじゃないかな」
提督「本当に金剛に言われた通りじゃないか……。
っていうか、北上はそういうのは気にならないのか?」
北上「ならなくはないけどさ……」
7:
北上「まあいわゆる知っちゃいけないことなんでしょ。提督さえ知らないんだからさ」
提督「俺は普通に軍系の大学を卒業してお前らを統率してるだけだからな。
今は何と講義の内容に『艦娘学』というのがあるんだぞ。一種の帝王学だ」
北上「あんまり聞きたくなかったなソレ……。とにかく、提督が知らないのにその部下の私が知ってるワケないじゃん、って話」
提督「うーんごもっとも」
8:
提督「別の鎮守府と演習する際に気付いたと思うが、同じ姿形の艦娘が複数いるわけだが」
北上「……」
提督「怖くね?」
北上「まあ、うん。そうだね」
提督「大淀に聴いてみてくんない?」
北上「大淀さんは知ってるっていう前提はどこから来たのさ。そして私だって変なことに首突っ込みたくないってば」
提督「今から言うことは一応冗談だが、北上の練度なら大本営に消されそうになっても何とかなると思う」
北上「事実混じりの冗談は解釈に困るよ……」
10:
北上「言っとくけど、こういう疑問を持ってるって時点で色々ヤバいんじゃない?」
提督「ヤバいの?」
北上「大淀さんがどういう立場の艦娘であるにせよ、あんまり言いふらさない方がいいと思うよー」
提督「今のところは金剛にしか言ってないから大丈夫だろ」
北上「金剛さんも結構そういうのには敏感だから、まあ大丈夫か」
提督「あれ、これ話終っちゃうんじゃない?」
北上「提督はどうしたいのさ……」
12:
提督「というわけで敢えて執務室に大淀を呼び出してみたわけだが」
大淀「なるほど、そういう理由だったのですね。とりあえず結論から言うと他鎮守府の同一艦娘はクローンです」
提督「あ、やっぱり知ってた」
大淀「まあ提督も最近では戦果を拡大してますし、多分大本営に招集されて情報を共有する機会も今後あると思いますよ。時間の問題、という奴です」
提督「俺まだ少将だよ?」
大淀「二十代で少将って結構異常な昇進なんですけどね」
13:
提督「というか話ちょっと進みすぎてない? 展開的にも」
大淀「ちょっとギアの掛け方がよく分かってなくて」
提督「ちょっと脱線した方がいいのかもしれないよ?」
大淀「だってクローン以外の解釈ってあります?」
提督「俺に聞かれても……」
15:
大淀「艦娘の特徴を大雑把に整理すると、人間を超越した頑強さ、水上移動能力を持つ艤装の操作が可能、攻撃型艤装を利用できる、などですが」
提督「はい」
大淀「要するに人間には不可能な幾つかの特徴があるわけです」
提督「そうですね」
大淀「でも基本的には人間の身体を持っている」
提督「はい」
大淀「つまりは改造人間なわけですけれど」
提督「はい」
16:
大淀「この辺りに存在する複数の疑問に対する解答としては、高修復剤の存在を挙げることができます」
提督「あれも結構怖いよね。死にかけの艦娘が簡単に修復されるからね」
大淀「つまり、高修復剤には、艦娘の治癒能力を増進させる能力と、同時に、艦娘の組成に加わる能力そのものがあるわけです」
提督「ちょっとよく分かんない」
大淀「つまり、前者の能力――治癒増進能力については今以上の説明は不要かと思われますが、後者の『組成に加わる能力』というのは、要は修復剤が直接艦娘の血肉となり得るということです」
提督「そうなの?」
大淀「私自身の推測も一部ありますが、結局はそういうことかと」
17:
大淀「そうじゃないと即座に艦娘の肉体を再生できるわけないじゃないですか」
提督「そうなの?」
大淀「私見は混じりますが、ごく客観的に言ってそうかと」
提督「じゃあ大淀も全てを知ってるわけじゃないの?」
大淀「提督は私を何だと思ってるんですか……」
提督「……なんだろうね」
大淀「……」
18:
大淀「とりあえず私の知っていることは以上です。元帥レベルの提督が在籍する鎮守府だったらまた話は別だとは思いますけど」
提督「ありがとう大淀。ところで俺って突然殺されたりしないよね?」
大淀「今の提督は少なくとも大丈夫ですよ」
提督「怖い」
大淀「冗談ですよ、提督。全く心配性ですね」
提督「怖い」
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