【SS】ルパン三世 Lost Likeness-造られし女神-back

【SS】ルパン三世 Lost Likeness-造られし女神-


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すごくいいきたい
52: 1 2016/01/09(土) 00:00:45.80 ID:399UmraI0
 ──
 ─PM03:31 ローマ市内 ホテル部屋─
ルパン「なーるほど。大体屋敷内のことは理解できたぞ」
不二子「あとは地下室があるってことくらいね。知ってるだけだけど」
次元「なら、あとは行ってみるっきゃねえな」
ルパン「おう、予告状もさっさと出しちまったしな」
次元「えっ、お前いつの間に」
ルパン「いやぁちょっくら屋敷を覗き行ったときによ?
 ペタッと、ね」
 
53: 1 2016/01/09(土) 00:04:10.23 ID:399UmraI0
 ──
 ─同刻 レナートの屋敷─
メイド「お帰りなさいませ」
レナート「ああ、ただいま」
SP「お待ちしておりましたレナート様。
 数時間前、玄関前にこんなものが」
レナート「ん……なんだ、予告状?」カサッ…
『近日、貴方の莫大な貯金を頂きに参ります。ルパン三世』
レナート「ルパン三世……何かの悪戯じゃないのか?」
SP「それが、その予告状に描かれている」
レナート「……ライオン」
SP「その絵と同じグラフィックのウイルスが、
 先日バチカン市国のサーバーに侵入しています」
レナート「っ!?」
54: 1 2016/01/09(土) 00:07:36.56 ID:399UmraI0
 ──
次元「抜け目のねえ野郎だぜ」
ルパン「これでとっつぁんが釣れるから、向こうも公の場では下手に動けなくなる」
ルパン「そうなったら、かき回すだけかき回そうじゃないの」
次元「悪役は俺たちだけで十分ってか、へへっ」
ルパン「んじゃあ、明日くらいにちょろっと頂きに行きますか!」
次元「じゃあ今日は前祝いだな。
 不二子、ここらでいい店はねえのか?」
不二子「やだ、わたし案内役??」
ルパン「いーねー! 俺美味しいピッザが食べたい?!」
55: 1 2016/01/09(土) 00:09:44.79 ID:399UmraI0
 ────
「……」
「……私です。ルパンからの予告状が届けられました」
「バチカンへのハッキングとは……はい、はい」
「……なるほど、確かに」
「では、こちらは引き続き計画を進めます。はい、最終調整は昨日すでに……はい……」
「それでは……神の御加護があらんことを」
「……」
「……ああ、私だ。屋敷の警戒を強める」
「侵入者には容赦するな、殺しも許可する」
「『Jesuit(ジェズイット)』の名にかけて、始末しろ」
「……ああ、地下はヤツに任せる。以上」
「……」
「ルパン、三世……」
56: 1 2016/01/09(土) 00:14:47.75 ID:399UmraI0
 ────
 ─次の日 PM03:20 ローマ市内 裏路地─
ルパン「さて、それじゃあ」
次元「潜るか」
 ガコンッ カン…カン…カン…
次元「それはそうと聞いてなかったが、ルパン」
ルパン「ん、なによ次元」
次元「『Christianity money』を盗もうとした理由は、なんだ?」
ルパン「……そりゃ、ねえ?」
次元「……愚問だったぜ、ったく」ハァ…
ルパン「それじゃあ、イタリアローマ地下水道の旅をはじめっとすっかー」
次元「いまいち、乗らねぇなあ……」
57: 1 2016/01/09(土) 00:21:00.32 ID:399UmraI0
 ────
 ─同刻 レナートの屋敷前─
 ガヤガヤ…
不二子「……」
不二子(ルパンの予想通りね)
 ──
レナート「お待ちしておりました、ミスターゼニガタ」
銭形「まずは、館内を案内してもらえますかな」
レナート「はい、喜んで」ニコッ
 ──
不二子「銭形に顔は割れてるし、ルパンが暴れてくれるまで待ち惚けね……」
不二子「お茶でもしてましょっ」カツカツ
 ガヤガヤ…ドンッ
不二子「あらごめんなさ……って貴方、ミスターレナートの」
SP「こちらこそ、とんだご無礼を」
不二子「いいのよ。なんだか忙しそうだから今日は失礼しておくわ。
 あの人によろしく?、じゃ」スタスタ
SP「…………」
59: 1 2016/01/09(土) 00:33:21.76 ID:399UmraI0
 ────
 ─PM05:28 ローマ市内 地下水路─
 カツーン… カツーン…
ルパン「……そろそろつくぜ、屋敷の真下だ」
次元「しかしよ、ルパン。ここまできて思ったんだが」
 シーーーーーン…
ルパン「次元も思ったか」
次元「おう。下水道のくせに、やけに整備されてやがる」
ルパン「なーんか嫌な予感がするな」
 ──
 ピッ…ピッ…
次元「ここか」
ルパン「ほいじゃあ、ピンポーンとお邪魔しますかね」
次元「って、この上ってどこに出るんだ?」
ルパン「……裏庭とか?」
次元「…………」
ルパン「でてみりゃ分かるさ、行くぜ──!」ガコンッ
61: 1 2016/01/09(土) 00:42:47.26 ID:399UmraI0
 ──
 シーーーン…
ルパン「ありゃ、ここは……?」
次元「地下室、っぽいな」
ルパン「ていうか、物置?」
次元「何にしろラッキーだったな」
 カチャカチャカチャ…ギィッ…
次元「……ありゃ、さっそく道が分かれてやがる。
 それじゃあここからは別々に行こうぜ」
ルパン「了解、ぬかるなよ?」
62: 1 2016/01/09(土) 00:47:16.28 ID:399UmraI0
 ──
ルパン「しっかし随分と古臭い屋敷だこと……」
 …………。
ルパン(さーって、さっさと上に行って情報を……)
「そしてここからが地下に通じる扉になっており」
ルパン「げっ!?」
 カチッ…ガチャッ
銭形「ほう、随分と立派なお屋敷ですな」
レナート「でしょう? 地下室があるのも購入した理由の一つでして……」
 カツ…カツ…
ルパン(とっつぁんに、レナート……)
銭形「この下には何が?」
レナート「物置くらいしかありませんよ、まあ確認のため見に行きましょう」
 カツ…カツ…
 ─シュタッ
ルパン「ふぅ……」
63: 1 2016/01/09(土) 00:50:35.45 ID:399UmraI0
 ──
 ─レナートの屋敷 地下通路─
次元「……、……」
次元(進んでも進んでもなんもありゃしねえな)
次元(屋敷の外にまで出てるんじゃねえかこれ。
 なら、一体どこに進んで……っ!)
 カツ…カツ…
次元「…………」
 カツ…カツ…
次元(敵さんのお出ましか……──っ)カチャッ…
次元「動くな、──っ!」
「次元、か……?」
次元「おめえは……」
64: 1 2016/01/09(土) 00:55:29.45 ID:399UmraI0
 ──
 ─レナートの屋敷 一階─
ルパン「……」コソコソ
ルパン「ちぇっ、防犯カメラもなんもありゃしないでやんの……。
 盗み甲斐がないね?」
「そんなものに頼る必要がないのさ」
ルパン「っ! 誰だ?」
 シュルルル─! サクサクサク!
ルパン「のわっ! おいおい、挨拶にしちゃあ、
 ちと荒っぽすぎねえか?」
ルパン(糸……ピアノ線か……)
ルパン「いいのか、国際警察を雇ったんだろ?」
「殺しの許可は、ボスから出ている。ICPOなどいくらでも丸め込めるからな」スッ…
ルパン「お前は……屋敷を見張ってた……」
SP「ルパン三世……ここで死ねッ!!」ダッ
ルパン「と言われて死ぬやつがいるかっての!」ポイッ
SP「っ──!」
 シュー…モクモクモク…
ルパン「じゃあなー雑用さーん!」
SP「くっ……待てっ!」
SP「っ……各班に告ぐ、ルパン三世を発見。見つけ次第始末せよ」
65: 1 2016/01/09(土) 01:02:27.94 ID:399UmraI0
 ──
 ジリリリリリリーーー! ザワザワザワ…
不二子「始まったわね」
警官「きゅう……」
不二子「ちょっと、胸がキツイけど……」
不二子「私も乗り込みましょ。待っててねお宝ちゃんっ」
 ──
ルパン「えっとえっとどこにーにーげーれーばー……」
 イタゾ! ニガスナー!
ルパン「げぇっ、やばいやばい!」タッ─
警官隊「追えー! こちらB班、ルパン三世を発見。銭形警部、応答を!」
 ザ…ザザザッ…
警官隊「……? 警部、応答願います!」
66: 1 2016/01/09(土) 01:06:20.02 ID:399UmraI0
 ──
 カツ…カツ…
銭形「かなり下まで降りるのですなあ」
レナート「もうすぐですよ」
 ドンッ─ ダダダンッ─
銭形・レナート「っ!?」
銭形「銃声……こっちだ!」タッ─
レナート「あっ、ミスターゼニガタ! そっちは──」
銭形「危険だから貴方はその場を動かずに!」
レナート「……機敏な方だ」
67: 1 2016/01/09(土) 01:09:28.01 ID:399UmraI0
 ──
 ダダダンッ─
次元「くっ……相変わらずの二丁拳銃だな、ダンテ」
ダンテ「そういうお前も、変わらずのリボルバーかぁ、次元」
 ドンッ─
次元「まさかこんなかたちで会うとはな、今はレナートの用心棒か?」
ダンテ「あの人は……あの人は俺を拾ってくれたんだぁ」
次元「拾われた……? でもお前、奥さんと娘は──」
 ダダダンッ─ ダダダダッ
次元「うぉっ!」
ダンテ「そのことは、そのことは言うなぁ!!」
 ダダダンッ
ダンテ「殺されたんだぁ! 敵マフィアの報復でなぁ!」
次元「っ! ……そうか」
68: 1 2016/01/09(土) 01:10:19.54 ID:399UmraI0
 ダダダンッ─ カランカラン…
ダンテ「はっ……はっ……う、うぅ!」
ダンテ「あ、あぁ……神、神よ……我を救いたまえ」ジャラ…ゴクッ…
次元「……っ」
ダンテ「ん、んぐっ……!」
次元(ダンテ……おめぇは……)
銭形「こっちかぁーーーっ! ルパーーン!!」
次元「っち、とっつぁんまで来やがった。しかし……」
ダンテ「はぁっ……はっ……」
次元「一か八かだ──っ!」バッ
 ドンドンッ─ キュインキュイン─
ダンテ「ぐぁっ……!?」
次元「すまねえな、ダンテ!」ダッ─
ダンテ「じ、次元……! 待てっ……!」
 タッタッタッタッ─
次元(なんとか壁は超えたか、こっちに逃げ道があるかもわからねぇが……)
次元(とにかくもう進むしかねえ──!)
71: 1 2016/01/09(土) 02:05:54.91 ID:399UmraI0
 ──
 ダッダッダッダッ─!
銭形「ルパーーーン! っとぉ!?」
ダンテ「っ、──っ!」ガチャッ
レナート「待て、撃つな!」
銭形「……ミスターレナート、この方は?」
レナート「私が雇っているSPです」
ダンテ「……、ルパン三世の連れを取り逃がしました」
レナート「……そうか」
72: 1 2016/01/09(土) 02:10:53.04 ID:399UmraI0
銭形「連れ……銃声……次元大介がこの先にいるんだな!」ズンズンッ
レナート「引き返しましょう、ミスターゼニガタ」
銭形「な……何を言っておられるのです!」
レナート「どうせこの先には何もありません。
  一度戻って作戦を立て直した方がいい」
銭形「それなら尚の事やつらを逮捕するチャンスだ!
 ……こちら銭形、地下室に応援を……あ、ありゃ……?」
 ザザッ…ザザザッ…
銭形「……くそっ、すまない君。
 ミスターレナートを連れて上へ応援を──」
 シュッ─ サクッ
銭形「……、……んん?」
73: 1 2016/01/09(土) 02:11:30.71 ID:399UmraI0
レナート「……悲しいよ、ミスターゼニガタ」
銭形「お……ミスターレナート、アンタ……」フラッ
レナート「この先には何もないと、忠告したのに」
銭形「──っ、る……ルパ……っ…………」バタッ
レナート「…………」
ダンテ「……いかがいたしますか」
レナート「流しておけ」
74: 1 2016/01/09(土) 02:23:45.98 ID:399UmraI0
 ──
 マテー!!
ルパン「しつけぇなーとっつぁん製の警官はー!」
「ねぇ、こっち!」
ルパン「っ!」
 バタンッ
 ──
 マテー!! コノサキダー!
「もう、今日はほんと騒がしいわねっ」
ルパン「ふぅ……助かったけども、お前……」
ルパン(確か、この屋敷の記事に乗ってた……)
「お前、じゃないわよ。私にはエレナって名前があるの」
ルパン「わりぃエレナ。だけど君はレナートの──」
エレナ「あなた、ルパン三世よね?」
75: 1 2016/01/09(土) 02:28:06.45 ID:399UmraI0
ルパン「え、ああ……泣く子も黙る大泥棒、ルパン三世様よ」
エレナ「やっぱり! 予告状が届いたって話を聞いてワクワクしてたのっ!」
エレナ「へぇ、思ってたよりもハンサムね……」
ルパン「え、しょ、しょうかな?」
ルパン(よく喋る若奥さんだぜ……)
エレナ「あなた、腕利きの大泥棒なんでしょう?」
ルパン「えっ、そりゃあもちろん! 盗むといったものは何でも盗んでみせるぜ」
エレナ「その腕を買って、頼みたいことがあるのよ」
76: 1 2016/01/09(土) 02:28:56.03 ID:399UmraI0
ルパン「ふんふん……って、おいおい待ちなよ。
 そもそも俺がこの屋敷に来た理由だってあるんだぜ?」
エレナ「どーせ『Christianity money』でしょ」
ルパン「ぎくぅ……!」
ルパン(バレてるでやーんの……)
エレナ「大方(おおかた)バチカン市国でもハッキングして、
 ちょこっとページ覗いただけなんでしょう?」
ルパン「言うねえ、エレナちゃん……なは、なははは──」ギクギクッ
エレナ「ここには大金なんてないわよ?」
ルパン「ははは……へっ?」
エレナ「だから、この屋敷にお金はないんだってば」
77: 1 2016/01/09(土) 02:50:32.57 ID:399UmraI0
 ──
警官隊「ルパンが近くに潜んでいる、探し出せ!」
警官隊「はっ!」
不二子「……」タタッ─
不二子(命令無視でごめんなさ?い)
 ──
 カツ…カツ…
レナート「……」
レナート「……上に逃げたか」
レナート「こちらレナート。ネズミは地下施設天井を這っているぞ、探し出せ」
78: 1 2016/01/09(土) 02:51:49.14 ID:399UmraI0
 ──
ルパン「ちぇーなんでぃハズレかよ……」
エレナ「ただ、その大金を使ってこの屋敷ではある研究が進められているの」
ルパン「ふーん……」
エレナ「ちょっとちゃんと聞いてよっ」
ルパン「聞いてる聞いてる、──っ!」
 コンコンッ
エレナ「っ! ……隠れて」
ルパン「向こうの部屋に?」スタコラ
エレナ「はーい、今出るわ」
79: 1 2016/01/09(土) 02:53:13.77 ID:399UmraI0
 ──
ルパン「隠れられる場所?……机の下くらいしか……」
ルパン(うまくやってくれよ?若奥様……って、
 なんだこりゃ。大層なもんがゴミ箱に……)
 ──
 ガチャッ…
SP「失礼します」
エレナ「あら、エドモンド。なんだかやけに騒がしいわねー」
エドモンド「ただいま、この屋敷に侵入者が紛れ込んでいまして」
エレナ「……そのお方は何しに来たの?」
エドモンド「レナート様の資産を頂きに来た、と。
  予告状が届けられておりました」
エレナ「あら、物好きな方もいるものね……」
エドモンド「……何か、異常はありませんでしたでしょうか?」
エレナ「え、特には何も? 
 ただ、静かに本を読んでいたかったのだけれど」
80: 1 2016/01/09(土) 02:54:40.78 ID:399UmraI0
エレナ「今日はちょっと無理そうね……」
エドモンド「申し訳ありません。すぐにでも見つけ出しますので……」
ルパン「ここだよ、雑用野郎」
エドモンド「っ!? る、ルパン三世……」
エレナ「っ!」
エレナ(ルパン、なんで!)
エドモンド「エレナ様、私の後ろに──」
ルパン「おっと、その子をこっちに寄越しな」
エドモンド「なに……?」
81: 1 2016/01/09(土) 02:55:34.88 ID:399UmraI0
ルパン「人質だよ。早く寄越さねえとこれでボカーン、よ?」スッ
エレナ「そ、それって……」
ルパン「……」チラッ
エレナ(……まさか)
ルパン「小型爆弾のスイッチさ、ポチッと押せば即お陀仏ちゃん」
エドモンド「っ!」
ルパン「ほら、早くこっちに来るんだ」
エレナ「……エドモンド」
エドモンド「くっ……ここは、大人しく従って下さい」
エドモンド「必ず、お救い致します……」
エレナ「……お願いね」スッ
ルパン「…………」
82: 1 2016/01/09(土) 03:34:34.77 ID:399UmraI0
 ──
 ズル…ズル…
次元「くぅっ……せめぇな……」
次元「通気口とは情けねえ逃げ方だぜ……」
次元「どこに向かってるかは分からんが……おっ」
次元(ラッキー、ここからなら出られるか? ──っ!)
次元「おい……なんだ、こりゃあ」
83: 1 2016/01/09(土) 03:35:45.20 ID:399UmraI0
 ──
エドモンド「……」
ルパン「ぬふふふ、こーんなかわいこちゃんを人質に出来るなんてなぁ?」
エドモンド「……要求を聞こう」
ルパン「『Christianity money』……があると思って、
 来てみたんだけどもな」
ルパン「どうやらハズレらしい、探しても探しても出てきやしねぇ」
エドモンド「……」
ルパン「ということでほい」ポチッ
エドモンド「っ!?」
84: 1 2016/01/09(土) 03:55:15.56 ID:399UmraI0
 ボンッ! ボボボボボンッ!
エレナ「きゃあっ!」
エドモンド「っ! 壁に穴が……!」
ルパン「この子は頂いてくぜ。ちょーっと卑怯かもしれねえが、
 取引と行こうじゃないの」
ルパン「現存する『Christianity money』をすべて寄越してもらうぜ」
エドモンド「……」
ルパン「期限は三日だ。またここに戻ってくるからよ、
 ちゃんと用意しとけよ?」
 シュバッ─ ゴォォーーー…!
85: 1 2016/01/09(土) 03:56:39.73 ID:399UmraI0
ルパン「じゃあな雑用ちゃ?ん、ボスによろしく?!」
警備隊「ルパンだ、空を飛んでいるぞ!」
レナートの部隊「っ──!」
エドモンド「撃つな!! エレナ様に当たる!!」
エドモンド「……ルパン、三世!」ギリッ
 ──
エレナ「っ……うまくやるものね!」
ルパン「このくらい朝飯前よ?」
ルパン(先にずらかるぜ次元。不二子もうまくやってくれ……──)
 ゴォォオーーー…! 
90: 1 2016/01/10(日) 01:29:36.91 ID:sLpd+gPm0
 ──
 ガサゴソ…
不二子「……っ。ここもだめ、
 『Christianity money』の情報がまるでないじゃないの」
 ザザッ…
《ルパン三世が人質を連れて屋敷から逃走。繰り返す──》
不二子「えっ……?」
不二子(ルパン? 逃走って一体……)
 スススッ─ガッ
不二子「──あ」ガクッ
不二子(いつの間に、後ろに……)
不二子「レ、ナ……」
レナート「……不二子」
91: 1 2016/01/10(日) 01:30:04.22 ID:sLpd+gPm0
 ビーッ ビーッ ビーッ
レナート「……。私だ……ルパンの要求はなんだ」
《現存する『Christianity money』……と》
レナート「…………」
レナート「至急各国から『Christianity money』を集めろ。
  エレナの救出が最優先だ」
レナート「それと、無駄な捜索はするな。向こうからアクションがあるはずだ」
レナート「それまでは、我々から動いてはいけない」
《了解しました》
レナート「……ルパン」
 カツ…カツ…
レナート「…………いや」
92: 1 2016/01/10(日) 01:34:47.02 ID:sLpd+gPm0
 ────
 ─PM07:48 ローマ 地下水道─
 ……──
 …─
 ピチャピチャ…ピチャピチャ…
次元「はぁっ……はぁっ……」
次元(こりゃあいよいよマズイぜ……)
次元(知っちゃいけねえことを知った報い、ってか)
 シュッ…シュタッ…
次元「……っ、くぅ……!」
 ドンッ! ドンッ!!
「うっ!」ボチャーン
「ぐあぁ……」ボチャッ
93: 1 2016/01/10(日) 01:36:16.87 ID:sLpd+gPm0
 ……シュタシュタシュタッ…シュッ─
次元「ぅお!? ぐぁ、っつぅ……!」
「……」
次元「っ……、うっ……!」
次元(行き止まり……)
「……」
次元(いよいよ、年貢の納め時か……!)
 シュタタタ─
次元「づぁっ──うわああああああああああーー!!!」
 ──ボチャーン!!
94: 1 2016/01/10(日) 01:36:52.99 ID:sLpd+gPm0
 ────
 ─PM08:47 ローマ市郊外─
 ブゥーーーーン──…
ルパン「次元、次元……聞こえるか?」
 ザザッ…ザッ…
ルパン「……ちくしょう、次元の野郎繋がりやしねぇ」
エレナ「捕まっちゃったのかしら……」
ルパン「そんときゃすでにお陀仏だけどもな。
 アイツはそんな簡単に死ぬタマじゃねえよ」
エレナ「……」
ルパン「まあ近くのアジトに隠れることにしましょ、
 だーいじな人質ちゃんとな」
 ブゥーーーーン──…
エレナ「……ルパン、私のこと」
ルパン「ん、なんだぁ?」
エレナ「っ……、何でもない」
95: 1 2016/01/10(日) 01:56:47.46 ID:sLpd+gPm0
 ────
 ─PM09:29 イタリア国内 某所 ルパンのアジト─
ルパン「コース料理は出せねえけども、
 俺様オススメの缶詰は絶品だぜエレナ?」
エレナ「缶詰……へえ、これが」
エレナ「あっ、キャビアはないの?」
ルパン「そんな大層なもんはありましぇんっ」
エレナ「えーっ……」
ルパン「まあまあ、今缶切りもってくるからよ?
 つまみながらゆっくり話を聴こうじゃないの」
96: 1 2016/01/10(日) 01:57:19.83 ID:sLpd+gPm0
 ──
ルパン「ゴミ箱に捨ててあった資料、ちーっとだが読ませてもらったぜ」
エレナ「……うん」
ルパン「ありゃあ、なんの計画だ?」
エレナ「……神のいる世界」
ルパン「神……?」
エレナ「それを、実現しようとしているの」
ルパン「はっ、俺ァ神様仏様なんて信じねぇタチだけどよ?
 そんなことが可能なのかい?」
エレナ「人の脳を、操るのよ」
ルパン「……なんだって?」
エレナ「あの屋敷の地下で、研究が続けられているわ」
97: 1 2016/01/10(日) 01:57:46.17 ID:sLpd+gPm0
ルパン「だがそのためには莫大な金がかかる。
 つまりは研究資金だったのか、『Christianity money』は」
エレナ「……」コクッ
ルパン「……それは、一種の集団催眠みたいなものなのか?」
エレナ「催眠とは、少し違う。神のいる世界を、上書きするのよ。
 刷り込まれた記憶は消すことは出来ないわ」
ルパン「人様の脳を弄くって、世界中の人間を信者にしようってか」
エレナ「だから、貴方にはこの計画を頓挫させてほしいのっ」
ルパン「……いいのかい、レナートを裏切ることになるぜ」
エレナ「かまわない……こんな計画、間違ってるわ」
98: 1 2016/01/10(日) 01:59:22.05 ID:sLpd+gPm0
ルパン「……そっか。
 そんならかわいこちゃんの頼み事だしなぁ、やるっきゃねえな?」
エレナ「ルパンっ!」ダキッ
ルパン「どわぁ、ちょいちょいエレナ?……」
エレナ「いいのよ、今日だけだからね♪」
ルパン「このままだと俺変身しちゃうかもよ??」
エレナ「せめてものお礼と思ってくれれば……」
ルパン「あ、あはは……」
ルパン(物怖じしないのね……)
ルパン「……いや、見返りならあるぜ」スッ…
エレナ「えっ?」
ルパン「研究データさえ頂いちまえば、他の国に資料を売ることが出来る。
 脳科学分野の進展に貢献しちゃおうってわ?け」
エレナ「なるほど。それなら確かにいいお金になるかもしれない……」
ルパン「お前さんの身代金だってある、それだけありゃあ十分だ」
ルパン「だからお礼だとか、そういうことは気にしなくていいの。
 ほ?ら、このコンビーフなんてもう絶品!」
エレナ「……ありがとう、いただくわ」ニコッ
99: 1 2016/01/10(日) 02:37:56.83 ID:sLpd+gPm0
 ────
 ─PM10:12 地下用水路─
 ……──
 …─
 ピチャン… ピチャン…
次元「……っ」
次元「……う、うぐ……げほっげほっ!」
次元「……どこに流れ着いたかは知らねぇが、
 生きてるこたぁ確かだな……つつっ」フラッ
次元(腹の傷が浅くて助かったぜ……)
次元「さて、地上に出る場所でも……──あっ!」
次元「とっつぁん!」
 ピチャピチャッ─
次元「しっかりしろっ……くたばってんじゃねえだろうな、おい!」
銭形「……うっ、……」ピクッ
次元「……ふぅ」
次元(何があったかは知らねえが、
 同じ場所に流れ着くたあツイてたなとっつぁん)
次元(だが、どちらにしろ危ねえのには変わりねえ。
 担いで外に出るしかねえな……)
次元「俺の腹が持つかとっつぁんの息が持つか……考えてる暇はねえか──っ」
 ピチャ… ピチャッ…
100: 1 2016/01/10(日) 03:05:00.35 ID:sLpd+gPm0
 ────
エレナ「あー、美味しかった!」
ルパン「よし、じゃあおねんねしましょうかね?」
エレナ「えっ、いいの? うちについて調べなくても」
ルパン「いいのいいの。まあゆったり行こうぜ。
 ベッドは貸してあげるから、ぐっすりお休みなさいな」
エレナ「そ、そう? じゃあ、遠慮なく使わせてもらうわね。
 ふわぁ?……ホントに眠たくなっちゃった……」
ルパン「おやすみ?、ベッドはそっちよ?」
エレナ「お休みなさい?……」
 ギィー…バタン…
ルパン「……効くねぇ、不二子特製の睡眠薬」
ルパン「……さて、ここからは泥棒さんの時間だ」
101: 1 2016/01/10(日) 03:05:42.56 ID:sLpd+gPm0
 ────
 ─AM01:53 ローマ市内 レナートの屋敷─
レナート「警官隊は、はい……ICPOの対処は……お願いします」
レナート「只今、ルパンを泳がせているところです」
レナート「いずれ向こうからのアクションがあるはず。
  それまでに資金を集めて頂きたい」
レナート「ルパンも下手に手を出すことはないでしょう。
  穏便にことを済ませたいのです」
レナート「はい。……はい、承知いたしました」
レナート「神の御加護があらんことを……」
レナート「……ふぅ」
部下「レナート様! バチカンのネットにハッキング、ルパンです!」
レナート「噂をすれば、か。思ったよりも早かったな」
102: 1 2016/01/10(日) 03:06:19.37 ID:sLpd+gPm0
 ──
『ルパン、三世か?』
ルパン「……おっ、出やがったな親玉が」
レナート『紹介するまでもないようだね。エレナはどうしている』
ルパン「ぐっすりベッドで眠ってるよ。
 アンタ自身、この通話はあまり聞かせたくないだろうからな」
レナート『お心遣い感謝するよ』
ルパン「それで? 金は集まりそうなのかい?」
レナート『気が早いな。現在総力をあげて、
  世界中から金をかき集めているところだよ』
ルパン「よーし、まあこっちも平和に解決したいわけよ。
 あと三日、俺がそっち向かうまでに用意しておくんだな」
レナート『分かった。エレナのエスコートは任せるよ、ルパン』
レナート『私は私で、エスコートする女性がいるのでね』
103: 1 2016/01/10(日) 03:08:16.85 ID:sLpd+gPm0
ルパン「……なに?」
レナート『峰不二子。君の仲間じゃないのかい?』
ルパン「っ! 不二子はどうしたっ」
レナート『落ち着きたまえよ。私も君と同じさ、事は穏便に済ませたい』
ルパン「…………」
レナート『……だからね、ルパン。ヘタなことは考えないほうがいい。
  こちらとしては、エレナが無事に帰ってきてくれればそれでいいんだ』
ルパン(こいつ、俺が計画を知っていると……)
ルパン「……不二子には手を出すなよ」
レナート『そちらこそ。過保護かもしれないが、
  エレナはキャビアが大好きなんだ。君が用意してやってくれ』
ルパン「ああ……ん? おい、過保護ってどういう──」ガチャッ
ルパン「って、切れやがった……」
104: 1 2016/01/10(日) 03:12:59.25 ID:sLpd+gPm0
 ──
レナート「……解析は」
部下「ダメです。現在地不明」
レナート「大人しく待つしかないか……」チラッ
不二子「……」
レナート「……」カツ…カツ…
不二子「……、……──っぷは」
レナート「少しは楽になったかな、済まないね……こんな扱いをして」
不二子「だったらこれを外して下さらない? ミスターレナート」
レナート「それはできない。先の裏切ったのは君だ……しかし、
  私が君を自由にすることは出来る」
105: 1 2016/01/10(日) 03:18:22.82 ID:sLpd+gPm0
不二子「えっ……──っ!?」
レナート「……っ」
不二子「んっ……、……っ!」ガブッ
レナート「つっ! ……ふふ、ふはははっ」
不二子「……っ!」ギロッ
レナート「ますます気に入ったよ、不二子。君は選ばれた、
  私と共に、世界の救済を目の当たりにしようじゃないか!」
不二子(世界の、救済? レナートは何をしようとしているの……?)
106: 1 2016/01/10(日) 18:24:00.01 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ── ─… …… ─ ─……──…
 ─ ─… ─ …
 ─… ─
 「ねえパパ、どうして私は外に出ちゃいけないの?」
 「外にはね、怖いものがたくさんあるからだよ」
 「目に毒だからさ、エレナ」
 「そうなんだ……じゃあ、大人しくしてないとね」
 「いい子だ……私の可愛いエレナ、まるで天使のようだ」
 「えへへ……」
 「……いや、天使なんてものじゃない、君は……」
 「──まさに女神さ」
107: 1 2016/01/10(日) 18:24:47.08 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ─AM07:24─
 チチチッ… チチッ…
エレナ「……んぅ、ん……」
エレナ「ん……あれ、ここ……」ムクッ
 …………。
 ……。
エレナ「……」ガチャ…
ルパン「よう、起きたなぁ?」
エレナ「あ、そっか……私……」
ルパン「……まだ寝ぼけてんの?」
エレナ「……ううん。おはよう、ルパン」ニコッ
108: 1 2016/01/10(日) 18:25:31.86 ID:3V0r/2XTO
ルパン「ふぁ?……エレナも手伝ってくれよ、ほら」
エレナ「これは、釣りってやつね」
ルパン「やったことねえのか?」
エレナ「あまり、外には出たことがないのよ」
ルパン「…………」
ルパン「……ほら、持ち方はこうだ」スッ
エレナ「えっ、あ……」ギュゥ…
ルパン「それから、こう」シュッ─
 ──ポチャン…
エレナ「……」
109: 1 2016/01/10(日) 18:26:14.74 ID:3V0r/2XTO
エレナ「……本当に、魚なんか釣れるの?」
ルパン「餌にツナ缶使ってっから大丈夫?」
エレナ「ツナって魚よね……」
ルパン「細かいことは気にしな──って、ほらほら!」
 ギュイィ… ググググッ…
エレナ「へ、きゃあ! な、なんかビクビクしてる!!」
ルパン「かかってんだよ、ほら引け引け!」
エレナ「へえぇ!? そ、それっ──!」
チャッ─ ピチピチッ…ピチッ…
ルパン「おおおお、大物だぜえこりゃあ!」
エレナ「……」ポー…
エレナ「あ……あははっ、やった……!」
110: 1 2016/01/10(日) 18:26:52.76 ID:3V0r/2XTO
 ──
エレナ「え、本当に予告どおり三日後に行くの?」
ルパン「正確には二日後な──あーん」パクッ
ルパン「……ふぁあ、ふぁふぇふぃはひょうひはいへほお……」モグモグ…
エレナ「飲み込んでからでいいわよ」
ルパン「ゴックン……まあ、今は金には興味ないけどよ、
 向こうには建前として用意してもらわないとな」
ルパン「多分、レナートは薄々気付いてる。
 あちらもこちらも準備期間ってこと」
エレナ「……戦うの?」
ルパン「俺は泥棒だぜ? 泥棒には泥棒のやり方があるのさ、あーん」
111: 1 2016/01/10(日) 18:27:41.51 ID:3V0r/2XTO
エレナ「……」
エレナ「……ルパン、私に何か手伝えることってある?」
ルパン「ないね」キッパリ
エレナ「そんな即答しなくても……」
ルパン「人質は人質らしく、おとなしくしてるのが一番」
エレナ「そう、ルパンが言うなら……」
ルパン「……あのさ、ひとつ訊きたいことがあるんだけどよ」
エレナ「えっ、なに?」
ルパン「……いや、やっぱりいいや」
エレナ「えー、なによ?」
ルパン「そんなことより飯くったら出掛けようぜ」
エレナ「えっ?」
ルパン「レナートに君のエスコートを頼まれたしな、
 好きなところに連れてってやるよ」
エレナ「ほんとっ!? うわぁ?嬉しい!」
112: 1 2016/01/10(日) 18:28:15.93 ID:3V0r/2XTO
────
 ─AM10:29 ローマ市内 裏路地の雑居ビル─
 な……一命を………が危険な……ことに……い
 今……りは助か………ぜ
「……っ」
 本来………キミだっ……絶対……静だよ
 そん……裕はね…もん……な
 さっさ……ルパンに連絡……ぇと
「るぅ、る……る……」
銭形「るる……ルパァァァアアン!!」ガバァッ
次元・闇医者「っ!?」
次元「いててぇ、驚いたら傷がっ……!」ズキズキ
113: 1 2016/01/10(日) 18:30:45.66 ID:3V0r/2XTO
闇医者「……信じられん、もう意識が回復しおった」
銭形「あれ、ここはぁ……?」キョロキョロ
闇医者「とりあえず水だ、ガバッと飲みなさい」
銭形「がばぁぁぁ?……ぷはぁ……」
次元「正にびっくり人間だな、とっつぁんは」
銭形「次元……わしは、一体……」
次元「何があったのかは分からねぇ。
 ただ、俺が襲われて下水道に飛び込んだ先に、
 とっつぁんが倒れてたんだ」
次元「胸に深々と、このナイフが刺さってたぜ」
114: 1 2016/01/10(日) 18:31:29.09 ID:3V0r/2XTO
銭形「……あっ! そうだ、俺は確かミスターレナートに……」
次元「しかし、とっつぁんも悪運のいいやつだな。
 胸ポケットの警察手帳、それに……」
闇医者「裏ポケットにしまってあった札束がなければ、
 命が危なかった。アンタ運がいいよ」
銭形「ルパンからもらった札束……」
次元「いいのかよ、警察があぶく銭持ってても」ジトー
銭形「ぐっ……ルパンを逮捕するための資金にしたっていいだろうが!」
115: 1 2016/01/10(日) 18:33:24.10 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ─AM11:21 イタリア フィレンツェ─
ルパン「で、これが来たかったとこ……?」
エレナ「うんっ、綺麗だわ?」キラキラ
ルパン「ふーん……」
ルパン(大袈裟な子だぜ……)
エレナ「澄んだ空に赤レンガの街。ずっと、ずっと憧れてたの……!」
ルパン「街に下りてみるか?」
エレナ「うんっ」
116: 1 2016/01/10(日) 18:35:11.72 ID:3V0r/2XTO
 ──
エレナ「お洒落な街ね?、ほらルパン!」
ルパン「お、おい。そんなに走るなよエレナっ」
エレナ「あはははっ!」
ルパン「ったく……おい待てってばっ」
エレナ「ちゃんとエスコートしてよ、もう」
ルパン「おじさんをもう少し気遣ってほし?なぁ……」
エレナ「もう、しょうがないわね?。
 じゃあそこのお店で休憩しましょっ」
ルパン「俺の奢りでな……」
117: 1 2016/01/10(日) 18:35:49.13 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ─AM11:34 某国 森林奥地の滝─
 ──……
 ─…
 ザーーーーーーーーッ─
五右エ門「…………」
 ……。
五右エ門「…………」
 ……。
「……──っ!」ススッ─
 キキンッ─!!
「ぐはっ……!」
 ボチャーン─
五右エ門「……何奴」
118: 1 2016/01/10(日) 18:36:35.80 ID:3V0r/2XTO
「……」スススス─
「……」ススッ─
五右エ門「てやー!たーっ!!」
 …………。
 ボチャーン─ バタッ…
五右エ門「……」
「ぅう……」
五右エ門「何者だ、貴様ら」
「か、神の……御加護が……──っ!」
五右エ門「くっ!」サッ─
五右エ門(自爆か──!)
 ドカーーーーン─!!
 ──パラパラパラパラ…
五右エ門「自らの命を捨ててまで……」
五右エ門「……、ルパン達になにかが……」
119: 1 2016/01/10(日) 18:37:28.97 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ─PM00:56 フィレンツェ市内─
ルパン「あちこち回ってちかれた……それにしても……」
エレナ「ねえ?、ルパ?ン!」フリフリ
ルパン「元気だねぇあの子は……」フリフリ
ルパン(エレナ・フロイス……どこか掴めない子だ。
 掴めないというか、違和感がある……)
ルパン(まだ俺の知らない何かが……)
 prrrrr… prrrrr…
ルパン「っ! ……もしもし」
『どうやら、そっちは無事みてえだな』
120: 1 2016/01/10(日) 19:24:18.72 ID:3V0r/2XTO
ルパン「次元っ! 何があった?」
次元『逃げてる途中、レナートの一味にやられた。
 今はとっつぁんとローマ市内にいる』
ルパン「とっつぁん!? まさか、捕まったの……?」
次元『んなわけあるか。同じ襲われた身だよ』
ルパン「そうか……」ホッ…
次元『国際警察を敵に回すたぁ、後ろには相当な権力者がついてるぜ』
ルパン「だな、とりあえずアジトで落ち合おう。場所は──」
『──……場所はどこだ、ルパン』
121: 1 2016/01/10(日) 19:24:58.08 ID:3V0r/2XTO
ルパン「うぉおっ!? 突然入ってくんなよびっくりしちゃったもう!」
次元『へっ、とか言いながら嬉しそうな声出しやがって』
ルパン「五右エ門、どこから聞いてたの?」
五右エ門『次元の襲われた、あたりから……拙者も何者かに命を狙われた』
ルパン「あらら?、修行中だったでしょうに……」
五右エ門『いや、今こそ修行の成果を発揮する時……これよりそっちに向かう』
ルパン「よーし、ルパンファミリー全員集合ってか。
 まあ不二子ちゃんは捕まってっけど……」
次元『はぁ? ……けっ、何やってんだあいつは』
五右エ門『ルパン、まさかまた不二子のために──』
ルパン「だーっ! もういきなり解散しかけてど?すんの!」
122: 1 2016/01/10(日) 19:25:44.19 ID:3V0r/2XTO
 ──
ルパン「お?いエレナ、そろそろ行くぞー」
エレナ「えー、もう?」
ルパン「仲間と連絡がとれた。夜までにはアジトに戻るからな」
エレナ「そっか……分かったわ。じゃあねみんなー!」フリフリ
子供達「バイバーイ」フリフリ
ルパン「……すっかり仲良しだな、ずっと家にいた人間とは思えないぜ」
エレナ「そうね。私みたいな人間でも、
 他人とこうして笑い合うことができる」
エレナ「……ねぇ、もうひとつだけ寄り道、していい?」
ルパン「ああ、いいぜ」
123: 1 2016/01/10(日) 19:26:44.37 ID:3V0r/2XTO
 ────
 ─PM01:42 ローマ市内 レナートの屋敷 地下─
不二子「……」カツカツ
レナート「……」カツカツ
レナート「……ここだよ、不二子」
 シャッ─ピピッ
レナート「目先の金など無価値に等しいということを、
  君に教えてあげよう」
不二子「……──っ! なによ、この部屋……!?」
不二子(巨大な研究室に、人間の脳が、幾つも……)
レナート「ふ、ふふふ……」
レナート「我々『Jesuit』が、世界を一新するための方舟さ」
 
124: 1 2016/01/10(日) 19:27:24.09 ID:3V0r/2XTO
 ────
銭形「次元、どこに行く……?」
次元「一度ルパンのアジトに撤退だ。とっつぁんも養生しな」
銭形「わしも行くぞっ、つつっ……」
闇医者「何を言っとる、絶対安静だ!」
銭形「痛み止めがあればなんとかなるっ……!」
闇医者「君は特に傷が酷いんだ、これ以上悪化したら今度こそ死ぬぞ!」
次元「……だってよ。ゆっくりしてな、ここは多分安全だぜ」
銭形「待てッ! レナートがわしを襲った理由が、まだ分かっておらん!」
125: 1 2016/01/10(日) 19:28:57.14 ID:3V0r/2XTO
次元「……だってよ。ゆっくりしてな、ここは多分安全だぜ」
銭形「待てッ! レナートがわしを襲った理由が、まだ分かっておらん!」
次元「……とっつぁん」
銭形「国債警察を殺してまで隠したかったものがあるはず。
 となると、ICPO上層部もあまり信用出来ん」
次元「……あれは、サツがどうこう出来るようなもんじゃねえぜ」
126: 1 2016/01/10(日) 19:29:27.78 ID:3V0r/2XTO
銭形「っ! 何か見たんだな、次元!?」
次元「ああ……あそこには、何かとんでもねえもんが隠されてやがる」
銭形「……。それを聞いて、わしが大人しくしていると思うか……?」
次元「……けっ」ニヤッ
次元「じゃあ、とっつぁんとは一時休戦ってわけだな」
銭形「素直には頷けんが、よーし。
 わしらでレナートの屋敷に乗り込むぞ」
次元「……と、いうわけだおっちゃん」
闇医者「な、なんだ……?」
次元・銭形「「痛み止め、あるだけくれ」」
127: 1 2016/01/10(日) 19:30:14.75 ID:3V0r/2XTO
 ────
 サァーーー…
エレナ「……綺麗ね」
ルパン「…………」
ルパン「こんなとこで、よかったの?」
エレナ「こんなとこ、なんて言うことないわ。
 この世界は、素晴らしいもので満ち溢れてる」
ルパン「そういうもんかね……」
エレナ「そういうもんよっ」
 …………。
 ……。
128: 1 2016/01/10(日) 19:30:56.78 ID:3V0r/2XTO
エレナ「……私は昔から、人類の祖先はアダムとイヴだと教えられてきた」
エレナ「でも、本当は違う。
 目の前に広がる海から、生命が誕生したのよ」
ルパン「……」
エレナ「そういったら、あの人に頬を叩かれた。
 どうして? 教えに背いているから? 私が無駄に知識をつけたから?」
エレナ「ルパンはどう思う? 私は間違っているの……?」 
ルパン「俺は無信教だからよく分からねえが、信仰ってのはそういうもんさ」
エレナ「…………」
129: 1 2016/01/10(日) 19:31:37.69 ID:3V0r/2XTO
ルパン「……あのさ、エレナ。朝に聞きそびれたことがあんだけど」
エレナ「……なに」
ルパン「お前さん、レナートとはどういう関係なんだ?」
エレナ「……あの人は。……──」
 「私の……パパよ」
130: 1 2016/01/10(日) 19:32:13.65 ID:3V0r/2XTO
ルパン「…………」
ルパン「……だけど、お前」
エレナ「ええ、おかしいわよね。パパはまだ三十代前半、
 なのに私は成人女性にまで成長してる」
エレナ「人として、あり得ない。だって……」
ルパン「……」
ルパン(……彼女の違和感。俺の知らない、”何か”ってのは──)
エレナ「私は十年前に人口培養された、人造人間だもの」
ルパン(──これ、だったのか)
131: 1 2016/01/10(日) 19:35:26.39 ID:3V0r/2XTO
 ──
レナート「進行のほうはどうだ?」
研究員「順調でございます。
 すぐにでも計画を実行出来るようにしてあります」
レナート「よし……以前のようなヘマはするな?」
研究員「ひっ……は、はいぃ!」
不二子「……」
レナート「おっと。すまないね、なんの説明もなしに」
不二子「レナート。貴方は一体……」
レナート「奇跡は起こり得ない。だから、
  我々の科学力を用いて神のいる世界を創り出す」
不二子「神、ですって? ……ふっ、あっはは!」
132: 1 2016/01/10(日) 19:50:39.57 ID:3V0r/2XTO
レナート「何がおかしい?」
不二子「いえ、だって経済家のあなたが神だの方舟だのなんてっ……」ピクピク
レナート「信仰に立場は関係ない。
  神に認められるために、クリスチャンは勤勉に働いてきた」
レナート「聖書の言葉を信じ、盲目的に」
レナート「数百年もの間だ。我々はその一部を使って、研究を続けてきた。
  何代も何代も、後を継いでこの計画を遂行しようとした」
不二子「じゃあ、『Christianity money』って本当にあるのね」
レナート「……」ハァ…
133: 1 2016/01/10(日) 19:51:26.99 ID:3V0r/2XTO
レナート「そんなもの、計画が完遂した後では紙くず同然」
レナート「不二子、君にはその価値を捨て去ってほしい。
  君のような特段美しい女性には、
  新たな世界での天使になってもらいたいんだ」
不二子「私が……?」
レナート「そうだ。人の上に立ち、
  世界中の人間を意のままに出来る権利を与えよう」
不二子「……そんなことが、出来ると思って?」
レナート「出来る」
レナート「君が立っているこの部屋は、
  君の想像を絶するほどの科学力を有している」
レナート「インテリアの熱帯魚のように浮いている脳が、
  この計画の鍵なんだよ」
134: 1 2016/01/10(日) 19:55:00.77 ID:3V0r/2XTO
 ──
エレナ「私は、試験官の中で生まれたらしいわ。
 パパの細胞を使って」
エレナ「それから何百回という人体実験、
 治療を繰り返して、今の私は造られた」
ルパン「その、人体実験ってのは……」
エレナ「主に、頭の辺りを中心にね。
 もうルパンなら、大体の察しはついてるんでしょう?」
ルパン「……」
135: 1 2016/01/10(日) 19:55:38.74 ID:3V0r/2XTO
 ──
レナート「これらは私のコレクションさ。いや、私だけじゃない。
  私の前の世代、その前の世代のものまである」
レナート「君は、人間の脳がスーパーコンピュータよりも
  優れていることを知っているかい?」
不二子「確か、ニューロンとかいう神経細胞が働いているのよね」
レナート「十分な解答だ。現在この世界に、
  人間の脳に及ぶ力を持つコンピューターは存在していない」
レナート「……ここの施設を除いては」
不二子「っ!? まさか、これって……」
レナート「かなり優秀だよ。どこのスーパーコンピューターにだって
  打ち勝つことが出来る……しかしだ」
レナート「ネットを掌握するのもいいが、それだけでは完全じゃない。
  全人類を誰の例外もなく、完全に纏め上げるためには」
レナート「人間の脳自体を、操るしかない」
136: 1 2016/01/10(日) 19:56:39.35 ID:3V0r/2XTO
 ──
 「この計画には特殊な演算、そして」
 「全人類と同じ、脳回路が必要になる」
 「ネットを介して、
 この施設から送信した脳内のデータを、そのまま脳にロードさせる」
 「でも、普通の人間の脳では負荷に耐えられない」
 「データのロード、というよりは共有だ。
 常に全人類と繋がっていなくてはならないからな」
 「その膨大な演算能力を有し、コントロール出来るのが──」
 「──私の娘、エレナだけなのだよ」
137: 1 2016/01/10(日) 19:58:27.45 ID:3V0r/2XTO
 ──
ルパン「…………」
エレナ「…………」
エレナ「完全な計画のはずだった」
エレナ「……でも、パパは一つだけ失敗した」
ルパン「……知識を与えてしまった」
エレナ「そう。全世界へと繋がる特殊なネットに、
 一度テストで接続された」
エレナ「ほんの一瞬だったけど、その一瞬だけで十分」
エレナ「何も知らなかった私が、何もかもを知ってしまった」
ルパン(広大なネットワークを一瞬にして把握することが出来る、か。
 考えたくもない力だぜ)
138: 1 2016/01/10(日) 19:59:10.30 ID:3V0r/2XTO
エレナ「そこには人間の過ち、欲求、天災、何もかもが記されていた。
 蛮行なんて数え切れないほどあった」
ルパン「…………」
エレナ「だけど、だけどね。そこには愛もあったの」
エレナ「とても暖かくて、明るくて、優しい光……」
エレナ「世界は美しいもので溢れていて、
 まばゆい光にいつも照らされている」
エレナ「今日街に下りてみて、直接確かめたの。
 しっかりとした、確証が欲しかったから」
ルパン「……どうだった?」
エレナ「確信したわ。
 この世界を、決して壊すわけにはいかない」
エレナ「色々な考えがあって、人種がいて、言葉を話して。
 それでいいじゃない。それを矯正する権利なんてない」
ルパン「エレナ……」
エレナ「だから、私はこの計画を発動させない。絶対に」
139: 1 2016/01/10(日) 20:00:17.05 ID:3V0r/2XTO
 ──
不二子「レナート、貴方……」
レナート「く、ふっふふ……楽しみだよ、エレナが帰ってくる日が」
レナート「二日後……世界が、変わる……!」
143: 1 2016/01/10(日) 22:23:35.76 ID:mqMknH720
 ────
 ─PM06:18 イタリア国内 某所 ルパンのアジト─
エレナ「……」
銭形「ふむふむ……」
次元「……」
銭形「ここがルパンのアジト……」メモメモ
ルパン「もう使わねえけどな」
銭形「なっ! いい場所なのに勿体ない、何故だ!」
ルパン「とっつぁんが来たからに決まってんでしょうが!」
次元「さっさと話を進めようぜ……」
144: 1 2016/01/10(日) 22:25:16.45 ID:mqMknH720
 ──
 ─PM06:57─
次元「なるほど。俺が通気口から覗いたのは、
 その研究室の一部だったってわけか」
エレナ「そう。多分ジゲンさんを襲ったのは、パパが指揮する部隊の人間」
次元「部隊?」
エレナ「影の組織『Jesuit』。あの屋敷にいる殆どの人間は、
 組織の訓練を受けているわ」
ルパン「ひょー、怖い怖い」
銭形「ミスターレナートも、訓練を受けていたのか」
エレナ「……」コクッ
エレナ「計画は数百年にわたって進められてきた。
 だから時々後継者一族がかわることもあったらしくて」
エレナ「ここ百年の間で、
 フロイス一族は再び『Jesuit』の実権を取り戻した」
145: 1 2016/01/10(日) 22:26:14.82 ID:mqMknH720
銭形「再び……ちょっと待て。
 フロイス一族って、アンタまさか……」
ルパン「ルイス・フロイス」
次元「確か、イエズス会の宣教師だったか?
 日本にキリスト教を広めたっていう、あの……」
エレナ「ニッポンとは、何かと縁深いわね」
ルパン「教皇の精鋭部隊が源流か……手強いわけだぜ」
エレナ「とにかく、その時代から資金徴収と
 研究が続けられてたのは確か」
次元「その賜物が、お嬢ちゃんってわけか」
エレナ「ええ。つまり現状で鍵を握っているのはルパン、貴方よ。
 向こうは私がいなければ何も出来ない、その分有利に動けるわ」
146: 1 2016/01/10(日) 22:26:49.93 ID:mqMknH720
ルパン「不二子が人質だけど、まあ先攻だわな」
ルパン「で、どうすればいい?」
エレナ「地下中枢にあるハードディスクデータを壊せば、
 計画は発動しないはず。それか」
エレナ「私が直接、研究室全体に情報分解プログラムを送れば……」
ルパン「そんなプログラムがあるのか?」
エレナ「私なら頭の中で構築出来る」フフンッ
ルパン「どっしぇー……」
次元「だったら俺たちは、暴れるだけ暴れればいいってことだな」
銭形「あまり感心せんが、今回だけはわしも限りを尽くそう」
ルパン「おいおい、取引き直前までは大人しくしててくれよ?」
エレナ「地下中枢へは、私とルパンで行くのね」
ルパン「ああ。次元、五右エ門、とっつぁんの三人は、
 合図と共に暴れてくれ」
次元「おう。ま、お侍さんはまだ来てねえけどな」
147: 1 2016/01/10(日) 22:29:57.51 ID:mqMknH720
 ──
 ─同刻 イタリア行きの飛行機内─
CA「Beef or fish?」
五右エ門「う、梅干プリーズ……」
CA「uh-huh?」ニコッ
 ……。
五右エ門「ふぃ、フィッシュプリーズ……」
五右エ門「…………」ウズウズ
五右エ門(貨物室の斬鉄剣が気になって飯どころではないっ……)
148: 1 2016/01/10(日) 22:30:38.97 ID:mqMknH720
 ──
エレナ「ただ、向こうも何か仕掛けてくるはずだから。
 あまり油断は出来ないわね……」
ルパン「そりゃそうさ。数百年来の念願が叶うんだからな」
次元「二日後、か。それまではゆっくり休ませてもらうぜ……」フラフラ
銭形「そうだな。わしも痛み止めが切れてきやがったいちちっ」
ルパン「もう?、ボロボロでくるから?……奥のベッド使ってくれよ」
銭形「すまねえな……」フラフラ
銭形「……アンタ、エレナ、とか言ったかな?」
エレナ「は、はいっ」
152: 1 2016/01/10(日) 22:41:23.45 ID:mqMknH720
銭形「君のお父さんは、悪に手を染めてしまっている。
 それに気付けただけでも十分だが」
銭形「君は家を抜け出してまで行動した。
 その気持ちは『正義』だ、誇りに思っていい」
エレナ「ありがとう、ございます」
銭形「……だから、もう十分だ、あまり気負いするな。
 あとはわしら大人に任せればいい」
ルパン「……」
エレナ「……お気持ちは嬉しいです。
 でも……これは、私の問題でもありますから」
銭形「……そうか。無理は、しないでくれよ。じゃあな」
ルパン「おやすみ?」
 バタンッ…
150: 1 2016/01/10(日) 22:32:07.81 ID:mqMknH720
エレナ「……優しい人なのね」
ルパン「とっつぁんか? まあ、正義の味方ってやつだからな?。
 俺の天敵、しつこいったらありゃしない」
エレナ「天敵には見えなかったけど?」
ルパン「今は協力関係だけども、
 これが終わった瞬間にとっ捕まえる気だぜ……」
エレナ「あはは、忙しないなぁ」
ルパン「……エレナ。これが終わったら、どうする気だ?」
エレナ「えっ? ……そう、ね。
 そういうことも考えないとね」
151: 1 2016/01/10(日) 22:33:03.76 ID:mqMknH720
エレナ「……世界中を旅しながら、
 組織のお金を使って、人助けをしたい」
ルパン「エレナらしいな」
エレナ「その時は、ルパンも一緒だからね」
ルパン「え、俺ぇ?」
エレナ「じゃなかったら、誰が私を守ってくれるのよっ」
ルパン「とは言ったってよ?……」
エレナ「ルパンは泥棒、私は人助け。
 このままずうっと協力関係ってのはダメ?」
ルパン「こ、困ったなぁ……」
エレナ「『Christianity money』の口座を私のものにして、
 それを山分けにしてもいいわよ……?」
153: 1 2016/01/10(日) 22:49:12.79 ID:mqMknH720
エレナ「私の力があれば、ちょちょいのちょいなんだから」ニヤッ
ルパン「……ちょっと、迷っちゃうな?ドゥフフフ!」
エレナ「冗談……けど、本当にどうなるんだろう、私」
ルパン「……」
ルパン「……この家、くれてやってもいいぞ」
エレナ「えっ、ここを?」
ルパン「どうせもうとっつぁんにばれたんだ。
 俺たちはもう使えねえしな?」
ルパン「この件が終わったら、ここに住めばいい。
 株でもなんでもやって稼いで、たまに人助けの旅」
ルパン「そん時は、俺たちを呼べばいいさ。
 たまにだったら付き合ってやるよ」
エレナ「ルパン……もう、ルパンルパンルパン?っ!」ダキッ
ルパン「どぅわっ!? よ、よせってよせって隣にとっつぁんが??!!」
154: 1 2016/01/10(日) 22:49:46.14 ID:mqMknH720
 ────
 ─PM10:42 ローマ市内 レナートの屋敷─
レナート「……」ブツブツ
レナート「……エレナ、もう少しだ」
レナート「君は、全世界を混沌から救う女神になる」
レナート「争いのない、完全な世界」
レナート「そのためだったら、私は……」
155: 1 2016/01/10(日) 22:51:31.18 ID:mqMknH720
 ──
不二子「……ねぇ」
ダンテ「っ! な、なんだぁ?」
不二子「あなた、信心深そうな顔全然してないわね」
ダンテ「……そうかい?」
不二子「用心棒なんでしょ、ミスターレナートの」
ダンテ「……」
不二子「あなたから見て、どうなのよ。あの男は」
156: 1 2016/01/10(日) 22:52:03.55 ID:mqMknH720
ダンテ「……あの人は、俺に心の拠り所を作ってくれた」
ダンテ「妻と娘を亡くした俺に、教えを説いてくれたんだぁ……うっ!」
不二子「……嫌なこと、思い出させちゃったかしら」
ダンテ「いや……昔だったら、もっと荒れてた……けど。
 キリストの教えが、レナート様がいたから、俺は……」
ダンテ「今もこうして、生き永らえている。
 もうすぐに来る、救われる日のために……だから」
不二子「……」
不二子(惨めね……)
ダンテ「お前らに計画を邪魔させたりは、しないぃ……!」
157: 1 2016/01/11(月) 00:39:41.07 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─AM06:32 イタリア国内 某所 ルパンのアジト─
ルパン「ぐぅ……ぐぅ……」zzz...
エレナ「ルパーーーーーン!!」
ルパン「ぎゃあああああああああ!! な、なんだぁ!?」ガバッ
エレナ「ルパン、大変よ!」
ルパン「まさか敵か!?」
エレナ「湖でジャパニーズ・サムライが釣りしてる!」
ルパン「」ズテーン
158: 1 2016/01/11(月) 00:40:13.88 ID:p8hAgLLG0
 ──
五右エ門「……」
エレナ「なんて風情のある情景なのかしら……!」キラキラ
ルパン「……五右エ門ちゃん」
五右エ門「……ルパン、この娘は?」
ルパン「詳しい話は中で。あ、俺たちの朝飯分も釣っといて。
 俺ほかの家事してくるわ……」
五右エ門「う、うむ」
エレナ「お隣にいても、構わないでしょうか?」キラキラ
五右エ門「……」チラッ
ルパン「そんな目で俺を見んなよっ」
159: 1 2016/01/11(月) 00:40:56.31 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─AM07:11─
銭形「ムシャムシャムシャムシャ──……」
次元「修行の旅はどうだった?」
五右エ門「うむ、心の中の邪念は消え失せた……と思う」
エレナ「和服って、かっこいいわねぇ?……。
 直接見たらもっと好きになっちゃった」
次元「……」
ルパン「あんまりおだてないの、
 煩悩かなんやらでまた修行に行っちまう……」
五右エ門「うぅ……この娘が、本当に今回の事件の鍵なのか?」
銭形「そうだ、作戦は聞いたな五右エ門。
 まあ具体的なことは暴れてからしかどうにも話せんしな、
 わしは飯食ったから寝るぞ……ふわぁ?」
エレナ「お休みなさ?い」
五右エ門「ああ……しかと休まれよ」
ルパン「……病院に置いてきた方が良かったんじゃねえの?」
次元「びっくり人間だからよ、明日には治ってるさ」
160: 1 2016/01/11(月) 00:41:37.22 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─PM01:21 ローマ市内 レナートの屋敷─
 カツ…カツ…
「……ルパン一味の一人、石川五右エ門を殺し損ねた。
 このミスを挽回しろ」
《目標を捕捉しました》
「健闘を祈る。神のご加護があらんことを」
「…………」
「エドモンド様。レナート様がお呼びです」
「……──」
エドモンド「ああ、すぐに行く」
161: 1 2016/01/11(月) 00:42:35.07 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─同刻 イタリア某所 ルパンのアジト─
ルパン「……」カチャカチャ
エレナ「面白そうなの作ってるわね」
ルパン「色々仕掛けは施しとかないと……なっ」カチャッ
ルパン「よーし、どんどん作っちゃお──……っ!」
エレナ「……どうしたの?」
ルパン「エレナ、奥に隠れてろ」
エレナ「っ! 分かったわ」
162: 1 2016/01/11(月) 00:44:04.41 ID:p8hAgLLG0
ルパン「…………」
 ガチャ…
ルパン「……出てこいよ、俺らを殺しに来たんだろ?」
 …………。
 カサッ…
「……」スッ…
「……」
「……」
ルパン「取引をしようって話だったのに、
 随分とナメたことしてくれるじゃねえか」
163: 1 2016/01/11(月) 00:44:30.14 ID:p8hAgLLG0
「……──っ!」シュッ─
ルパン「それに、お前ら数が少なすぎだぜ」
 シュバッ── ドスッ─
「がっ……!?」
「ぐえっ……」
ルパン「おはよう五右エ門ちゃん、よく眠れた?」
五右エ門「……気をつけろ、あわよくば自爆するぞ、こやつ等」
ルパン「気絶させりゃあいいんだろ?
 ま、俺と五右エ門で十分だなぁ……」
「うっ……」
164: 1 2016/01/11(月) 00:45:10.80 ID:p8hAgLLG0
 ──
 コンコンッ
レナート「入りたまえ」
エドモンド「失礼します」
レナート「エドモンド、部隊の方はどうだ」
エドモンド「はい。明日の取引に向け、最後の調整を──」
レナート「違う、君の作戦行動中の部隊だ」
エドモンド「っ!?」
レナート「不二子の髪に、これがくっ付いていた」スッ…
165: 1 2016/01/11(月) 00:45:49.55 ID:p8hAgLLG0
レナート「お前の部隊に配備されている小型発信機。
  ……余計な手出しはしなくていい」
エドモンド「っ、しかしレナート様──!」
レナート「エレナに何かがあったらどうする?
  あの子なしでは、計画は進められない」
レナート「お前がルパンを取り逃がしたミスは確かに大きい。
  しかし、だからといってリスクを冒す必要はないだろう」
エドモンド「……失礼致しました」
レナート「穏便に進めたかったが……まあいい。
  どの道、争うことになるだろうからな」
レナート「明日を、人類最後の戦いにしよう、ルパン」
エドモンド「…………」
166: 1 2016/01/11(月) 00:46:38.66 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─PM04:45─
次元「で、こいつらどうすんだよ」
「……ッ!」ギロッ
ルパン「どうするっつったってな?、
 取引までどこかで大人しくしてもらうしか……」
五右エ門「まだ若いな。組織のなかでも雑兵というわけか」
エレナ「……」
「エレナ様! 何故そのようなお顔をされるのです!」
「この畜生らに何もされていませんか!?」
銭形「畜生はお前らのことだろうが!
 今は三人分の手錠がないからいいものを、いいか!
 インターポールに連絡次第、即刻逮捕してやるからな!」
ルパン「かっこいい?」
銭形「お前もだぁ!」
「……エドモンド様が仰っていたことは、
 どうやら本当のようですね」
167: 1 2016/01/11(月) 00:47:16.41 ID:p8hAgLLG0
「おい、口を慎め! エレナ様相手に何を言っている!」
「貴方はレナート様を、お父様を裏切るつもりだ!」
エレナ「そ、そんなことはっ……」
「エ、エレナ様……?」
次元「大人しくさせといた方がよさそうだな。
 おい、五右エ門手伝え」
五右エ門「承知した」
「放せっ! エレナ様、違うと言ってください! エレナ様!!」
 バタンッ
ルパン「……気にするな」
エレナ「う、うん」
168: 1 2016/01/11(月) 00:48:22.34 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─PM08:22 湖の畔─
 ……──
 …─
エレナ「……」
ルパン「勝手に外に出ちゃ危ないだろ?」
エレナ「ごめんなさい、ちょっと一人でいたかったの」
エレナ「……ここも、とても綺麗なところよね。
 心が落ち着く」
ルパン「……ああ」
169: 1 2016/01/11(月) 00:49:04.22 ID:p8hAgLLG0
ルパン「……エレナ。さっきのやつらのことは、気にすんなよ」
エレナ「うん、分かってる……分かってるつもりだけど」
ルパン「……」
エレナ「……私ね、自分は中立的な人間だって思ってた」
エレナ「パパは間違ってる。そんなことは分かってる。
 だけど……パパの言うことも、分かるの」
エレナ「いえ……分かってあげたい」
ルパン「エレナ……」
170: 1 2016/01/11(月) 00:50:26.74 ID:p8hAgLLG0
エレナ「でも、どうして……?」
エレナ「間違っているって分かってるのに、
 私が正しいはずなのに、
 パパに叩かれた時、ものすごく悲しくなったの……」
ルパン「……」
エレナ「今は、もっと心が痛い……心が揺らぐの……。
 パパを裏切るってことを、実感できてなかった……っ」
エレナ「ルパン……私、私っ……!」ギュッ…
ルパン「……誰も見てねえから安心しろ」
ルパン(レナート……お前、もう一つ大きなミスを冒してるぜ)
エレナ「なんで、こんなに辛い目に遭わなくちゃ……っ!」
ルパン(どうして、この子を一人の人間として育てやがったんだ)
 ………───
 ……──
 …─
171: 1 2016/01/11(月) 00:51:19.51 ID:p8hAgLLG0
 ──
ルパン「……落ち着いたかな」
エレナ「うん、だいぶと……」
ルパン「……」
ルパン「なぁエレナ。昨日とっつぁんに言われたこと、憶えてるか?」
エレナ「私のしたことは『正義』だったって……」
ルパン「ああ」
ルパン「『正義』のかたちってのは色々あるもんだ。
 立場が変われば、考え方も変わる」
172: 1 2016/01/11(月) 00:52:37.03 ID:p8hAgLLG0
ルパン「とっつぁんは警官だからな、正義の味方ってやつさ。
 だから犯罪は悪だと、そういう頭なんだろうが」
ルパン「エレナにとっての『正義』だってある」
エレナ「私にとっての……」
ルパン「そう。だからさ、気負うなよ」
ルパン「お前さんの『正義』を、守り切ればいい」
ルパン「その気持ちは、きっと間違ってないからよ」
173: 1 2016/01/11(月) 00:53:19.46 ID:p8hAgLLG0
エレナ「私の、『正義』を……」
エレナ「……うんっ。ありがとう、ルパン」
ルパン「じゃあ明日のために、今日は早めに眠るとしますか?」スタスタ
エレナ「そうね。……──っ」
 チュッ─
ルパン「……え、エレナ。お前さん今……」
エレナ「おやすみなさいっ」
ルパン「え、えっと……」
ルパン「…………」ポケー
174: 1 2016/01/11(月) 00:53:52.71 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─AM08:52 イタリア国内 某所 ルパンのアジト─
 ……──
 …─
ルパン「さて、決戦の日ってやつだな」
次元「痛み止めは持ったし、あとは……」
ルパン「ていうか、とっつぁんはどこ行っちまったんだ?」
五右エ門「銭形なら、明朝ここを出て行った」
五右エ門「『先に行って準備をしてくる』と」
ルパン「ふーん。まあ期待しときますか」
ルパン「ほいじゃ、準備はいいか?」
エレナ「……行きましょう、ローマへ」
175: 1 2016/01/11(月) 00:54:43.30 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─同刻 フランス リヨン ICPO本部─
局長「ゼニガタくんがいなくなって、この局もまた静かになったのう」
局長「まったくどこをほっつき歩いてるんだか。そろそろ殉職扱いに……」
局長「……ん?」
局長「おお、朝から編隊訓練とは感心感心……」
局長「んん、そのまま装甲車へ。実に本格的な訓練だな」
局長「どこの部隊かな、褒めてやらんと」
職員「きょ、きょくちょ???!!」
局長「なんだ、騒がしい」
職員「ゼニガタ隊が無許可で出動しました!!」
局長「」ズデーン
局長「じゃあ、今出て行ったのは──!」
176: 1 2016/01/11(月) 00:55:20.91 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─同刻 ローマ市内 路地裏 公衆電話前─
警官隊『警部。装甲車の奪取に成功しました、
 ただいまよりローマに向かいます』
銭形「よーし分かった。今回はお前らの団結力と機動力が武器となる。
 銭形隊ここにありと、イエス様に知らしめてやろうぞ!」
警官隊『おーーっ!!』
177: 1 2016/01/11(月) 00:57:12.18 ID:p8hAgLLG0
 ────
不二子「……」
レナート「……」カチャッ…
レナート「さあ、不二子」
不二子「……──あっ……!」プスッ
不二子(ルパ、ン……)
研究員「……では、運び込みます」
レナート「エレナとルパン三世を出迎える準備をしよう」
178: 1 2016/01/11(月) 00:58:01.26 ID:p8hAgLLG0
 ──
エドモンド「全員、配置についたな」
エドモンド「作戦遂行のために、我々はここまで来た。
  今日この日で、それも終わる」
エドモンド「最後の仕事だ。
  神のご加護があらんことを」
179: 1 2016/01/11(月) 00:58:40.01 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─PM00:21 ローマ市内─
次元「……おお、どうだった」
ルパン「警備は前見た時とかわんねぇな。
 屋敷んなかにウジャウジャいんのかね?」
五右エ門「討ち入るのは、容易そうだな」
ルパン「じゃあ、手筈どおりに」
次元・五右エ門「……」コクッ
ルパン「エレナ、行くか」
エレナ「うん、真正面からね」
180: 1 2016/01/11(月) 01:00:15.65 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─同刻 レナートの屋敷近く─
警官隊「……」
銭形「いいかお前ら、ルパンの合図があったら突撃だ」
警官隊「はっ」
銭形「今回の作戦はインターポールには無許可である。覚悟はいいな?」
警官隊「はっ」
銭形「始末書が束になって掛かってきても、功績をあげりゃあこっちのもんだ。
 レナートの一派をとにかくひっ捕らえろ、
 やつらはわしらを殺しにくる、抜かるんじゃないぞ!」
警官隊「はっ!」
181: 1 2016/01/11(月) 01:01:13.92 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─PM01:00─
 ……──
 …─
 カツカツ…
庭の見張り「…………」
 カツカツ… 
ルパン「…………」
 カツ… ピタッ
エレナ「……」 
 ピンポーン…
エレナ「いちいち押さなくても黙って入ればいいのに」ヒソヒソ
ルパン「エレナ、お前は人質」
エレナ「あっ……」
 ガチャッ…
エドモンド「エレナ様、ご無事で」
ルパン「おっとぉ、お前はお呼びじゃねえんだ。
 さっさとレナートんとこに案内しな」
エドモンド「っ……ついて来い」
ルパン(殺気プンプンでやんの……)
182: 1 2016/01/11(月) 01:01:59.04 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─レナートの部屋─
レナート「──これはこれは、ルパン三世」
ルパン「盛大なお出迎えだな、レナート」
レナート「廊下の部下のことなら気にしないでくれ。
  それよりもまずは君に謝りたい」
ルパン「襲ってきた奴らのことか? 
 取引だってのにおったまげたぜ」
レナート「それに関してはすまなかった」
ルパン「いいのいいの、何にもなかったから。
 殺してもねえし自爆もさせてねえよ」
レナート「……そうか」
エドモンド「……」
183: 1 2016/01/11(月) 01:02:43.86 ID:p8hAgLLG0
エレナ「パパ……」
レナート「おお、無事かエレナ」
ルパン「感動の再会もいいけどよ、不二子はどうした?」
レナート「金のことは訊かないのかい?」
ルパン「茶化すな、不二子が先だ」
レナート「……エドモンド」
エドモンド「はい、……」カチッ
 ブゥォン…
不二子《…………》
ルパン「っ、不二子!」
184: 1 2016/01/11(月) 01:03:20.09 ID:p8hAgLLG0
レナート「さあ、まずはエレナを引き渡してもらおうか。
  金と不二子はそれからだ」
ルパン「不二子に何をしやがった……?」
レナート「何もしていないよ。ただ、眠ってもらっているだけだ」
レナート「君の反応次第では、どうなるかは分からないがね」
ルパン「……なーるほど、
 この小娘を大人しく引き渡せばいいってわけだな」
レナート「そうだ。早く解放してあげてくれ」
エレナ「……」
ルパン「……」スッ…
ルパン「そりゃあ……」
レナート「……?」
ルパン「こっちの台詞だぜ──!」ポイッ
 シュゥゥーーーーーーーー… モクモク…
185: 1 2016/01/11(月) 01:04:00.32 ID:p8hAgLLG0
レナート「──っ!?」
ルパン「おっ始めるかぁ!」カチッ
 ──
 ヒュルルルルルルーーーー… バンッ─!!
庭の見張り「な、花火が!?」
 バンバンッ─! シュッ─
庭の見張り「かはっ……!」
五右エ門「さて、まずは一人」
 ヒュルルーー… バーンッ─!!
次元「いっちょ、暴れるぜ──!」
 ──
警官隊「警部、花火があがりました!」
銭形「よぉし出動──!!」
186: 1 2016/01/11(月) 01:04:54.38 ID:p8hAgLLG0
 ──
 モクモクモクモク…
レナート「ごほっ、ごほっ……!」
ルパン「催眠ガスじゃねえだけ感謝しな!」
 
エドモンド「ルパン──!」
エレナ「きゃあっ」
ルパン「ほいじゃらほいっとー!」スカッ
エドモンド「ルパン! どこだ!」
ルパン(多分、あるならこの辺……──おっ)ポチッ
 ガシャ─ ウィーーン…
ルパン「大当たり?」
エレナ「何この扉!?」
187: 1 2016/01/11(月) 01:05:27.97 ID:p8hAgLLG0
レナート「っ! 隠しエレベーターだ、行かせるな!」
エドモンド「待て──っ!」
ルパン「お先に?雑用ちゃ?ん」
 シューーー… ガシャン
エドモンド「くっ……こちらエドモンド。交渉決裂だ、殺せ……!」
エドモンド「私も援護に向かうっ……!」
188: 1 2016/01/11(月) 01:05:54.12 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ウィーーーーーン…─
エレナ「地下に向かってる……ルパン、何で知ってたのっ?」
ルパン「泥棒の勘……と言いたいとこだけど、
 こればっかりは先に情報をいただいてたのさ」
エレナ「えっ、誰から?」
ルパン「地下で眠ってる、俺の天使ちゃんからな」
189: 1 2016/01/11(月) 01:06:38.91 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ドンッ─ ドンドンッ─
「ぐぁあっ」「がっ……!」「うっ……」
「……」シュッ─
次元「どんどん出てきやがる。
 っと、そろそろあれを……」
次元「あー……んっ、ぐぅぅ苦え……」
次元「水がほしいところだが、そんな余裕はねえな、──っ!」
 ダダダンッ─
次元「くっ、来やがったか……!」
190: 1 2016/01/11(月) 01:07:08.39 ID:p8hAgLLG0
「……へ、へへ」
ダンテ「次元、やっぱり計画を邪魔しに来たかぁ」
次元「頭を操られるなんざ、まっぴら御免だからな」
ダンテ「違う。神だ、神が手を差し伸べてくれるんだ」
次元「それよりも今は水の入ったコップを、
 差し伸べてほしいところだぜ……」
ダンテ「???っふ、ふざけるな──!!」ダダダンッ─
191: 1 2016/01/11(月) 01:07:40.50 ID:p8hAgLLG0
 ──
五右エ門「てぁッ! やーッ!!」
 チャキィーーーン─… バタバタバタ…
「くっ、……!」
「つ、強い……!」
五右エ門「貴様らの悪事、すべて討ち滅ぼしてくれる──!」
  シュッ─ シュルルル──
五右エ門「っ! これは、糸……」
「石川五右エ門、噂に違わぬ腕前だ」
五右エ門「貴様、名は」
エドモンド「エドモンド・カルニア。
  部下達のようにはいかないぞ、爆死などでは済まさん──!」
 シュルルル──
五右エ門「っ!」
192: 1 2016/01/11(月) 01:09:55.41 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ─PM01:23 レナートの屋敷 地下の研究所─
 ザワザワ…
研究員「レナート様じゃない、ルパンだ!」
ルパン「俺さま大人気?、なんつってな。
 さあ、まずは不二子のいる場所を教えてもらうぜ」
研究員「ひぃっ……!」
エレナ「ルパン、多分最深部よ」
ルパン「なに?」
エレナ「フジコさんが頭につけていた機械は、
 脳の中身をロードしたり、組み替えたりできるマシーンよ。
 あれがあるのは、この研究所では中枢だけ!」
ルパン「よし、その部屋はどこにあるエレナ」
エレナ「この先よ、扉のパスワードは記憶済みっ」
ルパン「た?のもし?!」
193: 1 2016/01/11(月) 01:11:27.39 ID:p8hAgLLG0
 ──
 タッタッタッタッ─
レナート「研究所中枢に向かっているだと……?
  出来るだけ時間を稼げ、私も今向かっている」
レナート「いいか、エレナは絶対に傷つけるな!」
《りょ、了解しました!》
レナート「エレナ……ルパン三世──!!」
194: 1 2016/01/11(月) 01:13:08.75 ID:p8hAgLLG0
 ── 
銭形「でぇぇぇい! 重傷患者相手にこんなもんか!」
「……っ」ジリッ…
《南ブロック、制圧完了! 怪我人数名!》
銭形「よし。怪我人を回収した後、北側を援護だ」
《了解!》
銭形「レナート一派、貴様らの好きにはさせんぞ!」
195: 1 2016/01/11(月) 01:15:31.12 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ドンッ─ ダダダンッ─
次元「ぐっ……!」チュイン─
ダンテ「うっ……」チュイン─
ダンテ「……相変わらず良い腕だぜぇ」
次元「へっ、お前こそ」
レナートの部下「っ──!」スッ─
ダンテ「お前らは手をだすな!! 次元は俺が始末する!!」
レナートの部下「は、はっ!」
次元「……気が合うな」
ダンテ「き、きっひひ……」
次元「俺もお前を始末しねえといけねえって、
 思ってたところだぜ──!」ドンドンッ─
196: 1 2016/01/11(月) 01:16:41.49 ID:p8hAgLLG0
 ──
エドモンド「はっ──!」シュルル─
五右エ門「……っ!!」
 キンッ─
エドモンド「流石に、なかなか捕まらないな」
五右エ門「……一つ訊きたい」
五右エ門「あの自爆を命じたのは、貴様か?」
エドモンド「そうだが、それがどうした?」
五右エ門「……」
197: 1 2016/01/11(月) 01:17:23.14 ID:p8hAgLLG0
エドモンド「私の部下は全員、喜んで命を差し出す。
  神が必ず魂をお救いになると、教えているからな」
エドモンド「宗教は利用しやすい」
五右エ門「くっ、鬼畜が……」
エドモンド「甘いんだよ、レナート様は。
  世界を掌握するんだぞ、本気で潰さなければ意味がない」
五右エ門「貴様だけは、生かしてはおけぬ──!」
198: 1 2016/01/11(月) 01:18:32.78 ID:p8hAgLLG0
 
 ────
 タッタッタッタ─
ルパン「おら?どけどけ?! エレナ様のお通りだぞ?!」
エレナ「もー、それやめてよ人を盾にして?!」
ルパン「お前さん相手ならだーれも手ぇ出せないからな?」
エレナ「そうね、次の扉を抜けたら研究所の中枢よ! そこを右!」
ルパン「はいはーいと、おっしゃーここだ!」
エレナ「パスワードは……」
 ピピッ ピピピッ ピッ─
 ガシャン─
ルパン「ご開帳?!」
199: 1 2016/01/11(月) 01:19:01.28 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─地下研究所 中枢─
ルパン「ほいと、お邪魔するぜ」
研究員「うっ……」
不二子「……」
ルパン「不二子っ……!」
ルパン「……不二子をその機械から降ろしてもらおうか。
 早くしないと、この子の胸にでかい穴があくことになる」
ルパン「俺は本気だ、急げ」
研究員「い、今すぐに……!」
200: 1 2016/01/11(月) 01:20:09.00 ID:p8hAgLLG0
 カチャカチャ…
エレナ「……分かっててもけっこう、怖いわね……」
ルパン「悪いな、嫌な思いさせて」
エレナ「ううん、いいよ」
ルパン「いいよってお前……」
研究員「お、降ろしました」
ルパン「お、よーっし。……不二子、不二子起きろ」
不二子「っ、うぅーん……ルパン……」
ルパン「よお、助けに来たぜ」
不二子「来てくれるって、信じてた……」
エレナ「あのー、感動のシーンを台無しにするようで悪いんだけど……」
ルパン「ああ、悪い悪い。
 あとは計画をぶっ潰すだけだな」
エレナ「私がここのパソコンからアクセスしてみるから。
 ルパンは後ろを守っててっ」
ルパン「任せとけ!」
201: 1 2016/01/11(月) 01:22:06.93 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ダダダンッ─ ダダダンッ─
次元「くぅ……」
次元(相変わらずえげつねえ撃ち方しやがる、しかし……)
次元「……ダンテ、お前やっぱり変わってねえよ」
ダンテ「っ、何がだ!」
 ダダダンッ─
次元「お前と再会した時に、気がついたんだ」
 ダダダンッ─
次元「昔からな……──」
次元「撃つ時以外が隙だらけだぜ──!」ドンドンッ─ 
 チュインチュイーン─… ガシャンッ…
ダンテ「ぐぁっ……!」
202: 1 2016/01/11(月) 01:26:22.66 ID:p8hAgLLG0
次元「チェックメイトだ、ダンテ」
ダンテ「……何故俺が、撃たないと思った」
次元「お前の三発ずつしか撃たない癖も、変わってねえからさ」
ダンテ「……はっ、負けたよ、完敗だぁ」
次元「……」
ダンテ「神を創り出す計画は、どうなるかもう分からねえが、いいさ。
 これでやっと妻と娘のところへ行ける」
ダンテ「さあ、殺してくれ」
次元「……ダンテ。神なんてものが本当にいるかは知らねえが」
次元「お前の亡骸は嫁さん達と、
 一緒のところに埋葬しといてやるよ」
ダンテ「ああ……なあ、次元」
次元「なんだ」
ダンテ「殺される相手が、お前で良かったよ」
 ドンッ─…
次元「…………」
次元(最後に戦った相手が俺なんて、とことん救われねえ奴だったな、ダンテ)
次元「……あばよ、嫁さんと娘によろしくな」
203: 1 2016/01/11(月) 01:27:02.87 ID:p8hAgLLG0
 ──
 キンッ─ キキンッ─
五右エ門「何故、若い命を使った──!」
エドモンド「うっ、く……ただ洗脳しやすいからさ。
  それ以上の理由はない!」
五右エ門「只の道具、というわけか……」
エドモンド「そうだ。世界を掌握するために散っていった、
  実に華々しいじゃないか!」
 シュルルル─ サクサクサクッ─
五右エ門「っ……狂っている」
エドモンド「狂っているのはレナートだ!」
204: 1 2016/01/11(月) 01:34:03.33 ID:p8hAgLLG0
エドモンド「何が神だ、何が最後の審判だ!
  これは世界征服でしかない、『Jesuit』による支配だ!」
エドモンド「これからは私が指揮をとる、
  支配をより強固にするために!」
五右エ門「戯言を……そのようなこと、拙者がさせぬ──!」
五右エ門「でぁッ!」
エドモンド「くはっ……! ぐぅぅ……」
五右エ門「終わりだ」
エドモンド「くっ……ま、待てっ!」
五右エ門「おとなしく斬られよ。
  最早、貴様など救われはしない」
エドモンド「私が、私が先頭に立たなければ、『Jesuit』は──」
 ズバッ─
エドモンド「崩壊し……けい、かく……は……」
 チャキン…
五右エ門「計画は、拙者らが止める」
205: 1 2016/01/11(月) 01:34:51.96 ID:p8hAgLLG0
 ──
不二子「……まだなの、エレナちゃん」
エレナ「……おかしい、アクセスできなくなってる」
ルパン「パスワードを変えられたのか」
エレナ「うん。物量で試してるけど、
 こっちのパソコンが追い付いてない……」
ルパン「早く解除しねえと──」
「手こずっているようだね、エレナ」
エレナ「っ!」ビクッ
ルパン「お出ましか、ついに」
レナート「新しいパターンのセキュリティを作らせておいて、正解だったよ」
206: 1 2016/01/11(月) 01:36:06.85 ID:p8hAgLLG0
 ──
エレナ「パパ……」
レナート「エレナ、私は実に悲しいよ。
  何を吹き込まれたかは分からないが、こんなこと……」
エレナ「違う、わ……」
ルパン「……」
エレナ「こ、これは……」
エレナ「これは、私の意志よ」
レナート「エレナ……」
207: 1 2016/01/11(月) 01:36:43.75 ID:p8hAgLLG0
エレナ「ねえパパ。お願いだから、
 こんなことはもうやめましょう?」
エレナ「……私、パパを裏切ることがすごく怖かった。
 それでも間違ってることに、私は嘘をつけない」
エレナ「知っているから。世界中の声を、聞いてしまったから」
レナート「ただの、虚言さ。
  ネットがすべて正しいわけじゃない。
  エレナを欺こうとしているだけ──」
エレナ「違う、世界中を欺こうとしているのは私たちよ!」
レナート「っ!」
208: 1 2016/01/11(月) 01:37:40.83 ID:p8hAgLLG0
エレナ「人は、言葉を持っている、分かり合えるのよ。
 人種の違う人間同士が、手を取り合える社会は、実現出来つつある」
レナート「……ネットのすべてを見たのなら、何故闇を見ない!?
  これまで人類が起こした戦争、飢餓、謀略。
  エレナはすべてを知っているはずだ!」
エレナ「パパこそ、じゃあなんで光を見ないの?
 もう、争いの時代は過ぎ去ってる。
 人類は過ちを繰り返して、そして学んだわ」
エレナ「かつて踏み荒らされた土地に、
 今は草木がまた生い茂っている」
 
エレナ「それをわざわざ、私たちが纏め上げることなんてない」スッ…
ルパン「お、おいっ」
エレナ「止めないで、ルパン」
209: 1 2016/01/11(月) 01:38:25.60 ID:p8hAgLLG0
 スタ…スタ…
レナート「うっ……」
エレナ「小さな争いは、これからも起こると思う。
 それでも、空と大地と海がある限り、
 自由と希望が私たちを前へ歩ませてくれるわ」
エレナ「だから、もうこんなことは、やめて……お願い」
エレナ「私、パパと二人でいられたら、それだけで、いいから……」
レナート「エ、エレナ……」
ルパン「……」
210: 1 2016/01/11(月) 01:39:15.40 ID:p8hAgLLG0
 ──
レナート「今から、普通の暮らしをしろと言うのか?」
エレナ「そう。静かに、二人で暮らしましょ」
レナート「上の連中が、ただでは済まさない」
エレナ「私がパパのデータを、すべて抹消するわ」
レナート「……」
エレナ「ルパンがね、家をくれたの。ちょっと小さい家だけど、
 目の前には湖があってね。とても綺麗なところ」
エレナ「パパと一緒に、見てみたいな……」
レナート「一緒に……」
211: 1 2016/01/11(月) 01:44:06.48 ID:p8hAgLLG0
レナート「……」
レナート「……エレナ」
エレナ「なに、パパ?」
レナート「お前のことが、大好きだよ」
エレナ「うん……」
 プスッ─
エレナ「──っ、え……?」
ルパン「っ──、エレナ!!」
212: 1 2016/01/11(月) 01:44:48.80 ID:p8hAgLLG0
 ────
銭形「よーし、全員集めたな」
警官隊「負傷者12名、すでに最寄りの病院へ搬送しています」
銭形「ご苦労。残党がいる可能性を考慮して、
 このまま警戒態勢は継続、油断するな」
警官隊「了解!」
「くっ……」
銭形「がーっはっはっは! 
 わしの部隊が本気を出せばこんなもんだい、いっちち……」
警官隊「身体に障りますっ。警部も早く病院へ!」
銭形「そうもいかん。まだルパン達が帰ってきておらんからな……」
銭形(ルパン。早くケリをつけて帰って来い……)
警官隊「っ! 警部、たった今レナート部隊の無線に
 『計画が始まる』といった言葉が!」
銭形「な、なにぃっ!」
213: 1 2016/01/11(月) 01:47:31.64 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─レナートの屋敷 地下研究所 中枢─
エレナ「ぱ、パパ……」ガクッ
ルパン「エレナ──!!」
レナート「ルパン! 近付くなっ……」
ルパン「っ……レナート、てめえ……」
レナート「強制開始プログラムを打った。
  エレナはもう人として目覚めることはない」
不二子「なんてことを……」
レナート「おい、始めるぞ。エレナを連れて行け」
研究員「は、はいっ!」
214: 1 2016/01/11(月) 01:49:49.02 ID:p8hAgLLG0
レナート「ルパン、不二子。君らもついてきたまえ、
  これからが本番だ」
 ガチャッ…ウィィーーン…
ルパン「……おい、なんでエレナの言葉を聞き入れなかった」
レナート「あの子は、悟り切れていないからさ」
ルパン「ちげえな。お前さんは自分の宗教に、娘を殺されたんだ」
レナート「宗教が、私の娘を造らせた」
ルパン「ふざけた野郎だぜ……」
レナート「ふざけてなどいない、それを今から証明する」
215: 1 2016/01/11(月) 01:50:34.08 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─地下研究所 中枢 最深部─
 カチャカチャ…
不二子「……」
ルパン「……」
レナート「余計なことは考えるな。
  この機械からエレナを無理にでも引き剥がせば、
  脳が不完全処理のままになり、脳の構造が壊れる」
ルパン(どうすればいい。どうしたらエレナを──)
研究員「レナート様、準備が整いました」
レナート「よし、分かった」
ルパン「……っ」
216: 1 2016/01/11(月) 01:52:13.01 ID:p8hAgLLG0
レナート「……」
レナート「ルパン。私がこの計画に、
  どれだけの覚悟があるか証明しよう」
レナート「神は存在しない。だから、我々は神を創り出す──!」
ルパン「っ、よせっ!!」
 グサッ─ ブシュウウウーー─…
不二子「きゃああっ!」
レナート「私の死と……引き換えに、な……」ガシッ
217: 1 2016/01/11(月) 01:53:41.55 ID:p8hAgLLG0
 ブシュウウ─… ドクドク…
 タッタッタッ──
ルパン「レナート、おい! 死ぬな!」
レナート「あ……あぁ……」
ルパン「エレナを助ける方法を教えろ、おい!」
レナート「おお、エレナ……」
レナート「これで……君は、真の……女神、に…………」
ルパン「……くそっ」
 <──、─…──DNAヲ照合、クリア─……、──>
不二子「なに、何が起きてるの……!?」
ルパン「っ……!」
ルパン(まさか、レナートの血液が引き金か……!)
 <──……、─血液量、臨界値ヲ突破、クリア──……>
 <──…計画ヲ、発動シマス──………>
218: 1 2016/01/11(月) 01:56:12.42 ID:p8hAgLLG0
 ────
 <…──……計画発動マデ、残リ10分──……>
ルパン「っ……! ……!」カタカタ
次元「ルパンッ! どうなってやがる!」
五右エ門「これは一体……」
研究員「ひ、ひええ!!」ダッ─
ルパン「レナートは死んだ、エレナは……もう目を覚まさない」
次元「……おいおい」
219: 1 2016/01/11(月) 02:00:31.64 ID:p8hAgLLG0
ルパン「何か、何かあるはずだ……!
 計画を止めて、エレナを救う方法が……!」カタカタカタカタ
五右エ門「ルパン、貴様がついていながら何を……!」
不二子「五右エ門、責めないであげて。
 彼女から父親に近付いたの……」
五右エ門「……くっ」
ルパン「……──!!」カタカタ─!
ルパン(エレナ、絶対にこのまま死なせない──!)カタカタ─!!
ルパン「……っ! ……──っ!?」カタカタ─ ピピッ
次元「どうしたルパン!」
不二子「……え、これって」
220: 1 2016/01/11(月) 02:02:31.96 ID:p8hAgLLG0
 ルパン ワタシ エレナ
ルパン「っ、エレナ……?」
221: 1 2016/01/11(月) 02:03:45.22 ID:p8hAgLLG0
 ────
五右エ門「これは、一体……」
次元「パソコン側から、言語を飛ばしてるのか?」
 ケイカク ハジマッタ ト イウコト ハ 
 
 パパ シンダ ノネ 
ルパン「……」
 ノウ ホトンド ツカワレテテ ウマク ツタワラナイ
 ミエテイル カモ ワカラナイ
不二子「見えてる、見えてるわよエレナちゃん!」
 コノ ケイカク トメル ホウホウ ガ
 ミッツ アル
222: 1 2016/01/11(月) 02:04:17.54 ID:p8hAgLLG0
ルパン「っ! それだエレナ!」
次元「もう時間がねえぜ……!」
 ムリヤリ キカイ ヲ ハズス
 ケンキュウシツ ヲ ハカイ スル
 <……──計画発動マデ、残リ7分─…──>
 デモ ワタシ ハ ツギノ ホウホウ
 ニ シテホシイ
ルパン「なんだ、早く言え……!」
 ルパン
 ワタシ ヲ コロシテ
223: 1 2016/01/11(月) 02:06:00.76 ID:p8hAgLLG0
 ────
ルパン「…………」
不二子「……え」
 コロシテ ホシイ ルパン ニ
 アタマ ヲ ウチヌイテ
次元「……五右エ門いいか。俺は向こう、お前はあっちだ」
五右エ門「承知──!」
ルパン「待て、お前ら」
次元「ルパン!!」
 パパ シンジャッタ ワタシ スゴク ツライ
五右エ門「ルパン、何故止める!」
次元「そうだ、考えてる暇なんてねえだろうが!」
 <…──…計画発動マデ、残リ5分……──>
224: 1 2016/01/11(月) 02:07:42.92 ID:p8hAgLLG0
 ケイカク ヲ トメルノ ト
 ソレト パパ ノ トコロ ニ イッテアゲタイ
ルパン「エレナの言葉を、聞いてからだ」
次元「ルパン、てめぇは……!」
 キット サミシガッテル
 ワタシ パパ ト イッショガ イイ
ルパン「……」
 ソレガ ワタシ ノ セイギ
ルパン「……そうか」
225: 1 2016/01/11(月) 02:10:39.61 ID:p8hAgLLG0
ルパン(それが、お前さんの……)
ルパン「……」スッ─
次元「おいルパン!」
 ルパン ト ワタシ デ
 セカイ ヲ スクオウ
 ダカラ オネガイ 
ルパン「……」
 ワタシ ヲ コロシテ
226: 1 2016/01/11(月) 02:11:31.28 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ── ─… …… ─ ─……──…
 ─ ─… ─ …
 ─… ─
 「私が女神ー?」
 「そうだよ、かわいいかわいい女神様さ」
 「じゃあ、いっぱい人を救わないとね!」
 「ははは、いい子だ……それっ」
 「きゃはは、わーいわーい!」
 「でも、一番はやっぱりパパだよ!」
 「えっ?」
 「パパを、エレナがいっちばん幸せにしてあげる!」
 「エレナ……ありがとう」
227: 1 2016/01/11(月) 02:11:59.34 ID:p8hAgLLG0
 ────
 ………───
 ……── 
 …─
 ─PM02:34 フランス 某所 ルパンのアジト─
 ガチャッ…
ルパン「……あ?れ、しばらくは顔ださねえんじゃなかったの?」
次元「……おう、そうだったかな」
ルパン「コーヒー淹れるか?」
次元「いや、いい」
228: 1 2016/01/11(月) 02:12:37.31 ID:p8hAgLLG0
 ──
次元「……」
ルパン「……」
次元「……どうも、未だに納得できねえ」
次元「確かに、世界はこのとおり平和だ。
 だけどな、エレナだって救うことが出来たはずだぜ」
ルパン「五右エ門の野郎、俺まで殺そうとしてたもんなぁ」
次元「ルパン」
ルパン「ああ、すまねぇ」
次元「……お前らしくもねえ。何故、あの子を撃った」
ルパン「……エレナが、そう願ったからさ」
ルパン「あの子は自分の『正義』を、貫き通したんだ。
 俺はただ手伝っただけにすぎねえよ」ガタッ
次元「……おい、どこ行くんだ」
ルパン「ちょっとそこまで」
229: 1 2016/01/11(月) 02:13:21.18 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─PM03:24 同国 パリ とあるカジノ─
ルパン「……」
 ジャラジャラジャラジャラ…
ルパン(世界は、何も変わってない)
ルパン(今までどおり、カジノも経営してる)
ルパン(あれから、五右エ門は日本に帰っちまった。
 何をおもったか、東北地方から全国を行脚してるらしい)
 ジャラジャラジャラジャラ… ガコンッ
ルパン(不二子は、いつの間にかどこかに消えちまった。
 また金を持ってそうな男を引っ掛けてんだろう)
ルパン(それと、ICPOが重い腰あげて、レナートの屋敷を強制捜査。
 とっつぁんたちはお咎めなしだそうだ)
ルパン(まあ、おかげで用意してたらしい『Christianity money』
 は、回収されちまったがな)
ディーラー「お客さん、当たりだよ」
ルパン「ああ……」
230: 1 2016/01/11(月) 02:15:49.71 ID:p8hAgLLG0
 ──
 ─PM06:50 同国 下町の酒屋─
おっちゃん「じゃあ今ツイてんのも、
  まさに女神様の力ってわけだな。シッシッシ」
ルパン「ふっ、かもな」
おっちゃん「おかげでタダ酒飲めてんだから、女神様には感謝しねえと」
ルパン(……エレナは、こうなることを知っていたんだろうか)
ルパン「安い酒ばかりでわりいな、おっちゃん。
 それと、俺の話聞いてくれて」
おっちゃん「楽しいぜ、兄ちゃんの話、シッシッシ。
  まあどこまでが本当の話かは、よく分からねえが」
ルパン「なかなか思い出してくれねえが、この話のきっかけはおっちゃん、
 アンタだったんだぜ」
おっちゃん「そうだったか? 
  まあ俺の話なんざよく信じたもんだ、シッシッシ」
ルパン(どこまで、あの子は想定していたんだろうか)
231: 1 2016/01/11(月) 02:18:22.63 ID:p8hAgLLG0
 ──
 カチッ カチッ ─ボッ
ルパン「……ふぅ」
ルパン「……」
ルパン(……まあ、どうでもいいんだけどよ)
ルパン(どんな事実があったって、俺の考えは変わらない。
 そして、俺は生涯忘れない)
ルパン「……」ボッ…
ルパン「……フランスの夜景も、なかなか綺麗だぜ」
ルパン(たとえ造られた存在でも、彼女は紛れもなく──)
ルパン「──なあ、エレナ」
232: 1 2016/01/11(月) 02:27:21.64 ID:p8hAgLLG0
 ────
 原作 モンキー・パンチ『ルパン三世』
 …………────
 ………───
 ……──
 …─
 ─イタリア 某所 ルパンの元アジト 湖の畔─
「…………よし」
「ルパン、そろそろ行くぞ」
「ああ……」
 Rennert Frois  Elena Frois
  
  Rest in Peace Here 
「……またな、お二人さん」
      ─おわり─
235: 1 2016/01/11(月) 02:34:53.50 ID:p8hAgLLG0
おしまいです! 長かったですね…
ここまで読んでくれた方に最大の感謝を…
それではまたどこかで乙
234: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/11(月) 02:31:45.41 ID:Ej0/0aBEO
乙!
明日仕事なのに面白くて読んでしまった…………
241: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/13(水) 22:29:29.77 ID:qJZfz+L+o
起承転結すっきりしてて読みやすかった

元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452094800/
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バップ バップ 2016-03-23
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