【モバマス】輝子「今度の週末は仕事を入れないで欲しい……」back

【モバマス】輝子「今度の週末は仕事を入れないで欲しい……」


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(こっちの方がアイドルより向いてるんじゃね?)
6: 以下、
こんなことがあってたまるか!
8: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 17:15:55.22 ID:MA0zi6OL0
P「輝子がめっちゃペラペラ喋ってる」
P「こんな輝子、俺見たこと無いんだけど……」
P「なぁあきえもん、あれは本当に輝子なのか?」
P「俺をからかうために、わざわざ輝子型ロボットでも作「しっ!」あっすみません……」
P「……」
輝子「――この毒素が、本手法によって、キノコ内部に微細な気泡を作り――」
※本論文は実在しません。キノコの判別は、専門家に任せましょう
9: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 17:24:01.74 ID:MA0zi6OL0
輝子「――以上で、発表を終了します」
「「おぉぉ?……!!」」パチパチパチパチ
「さすが博士!」パチパチ
「これは素晴らしい!」パチパチ
「また新たな伝説(毒茸伝説的な意味で)が誕生したか……」パチパチ
P「え、何このスタンディングオベーション?!」
P「なぁあきえもん、何なんだこの空気は……?」
晶葉「Brava! Brava!!」パチパチパチパチ
P「え?……」
10: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 17:45:20.01 ID:MA0zi6OL0
全プログラム終了後――
P「おーい、輝子!」
輝子「……えっ、親友!?」
P「はっはっは、驚いただろう?」
輝子「え……どうしてここに……?」
輝子「関係者じゃないと、会場には入れない……フヒ……」
P「今日はあきえもんと一緒だったからな」
晶葉「やぁ、星博士」アクシュ
輝子「フッフヒ……晶葉……久し振りだな」アクシュ
晶葉「あの手法は素晴らしかったよ。どこであの着想を?」
輝子「焼き椎茸を作っているときに……汗かいているのを見て……」
晶葉「成る程、その思考回路は賞賛に値する!」
輝子「フフフ……それほどでもない」
晶葉「君ほどの才能を持っている天才が、いつまでも在野にいるのは勿体無いな。どこか良い研究室を紹介しようか?」
輝子「ううん、今のが性に合っている……」
P「俺の話題が、一気に吹き飛んだ……」
13: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 18:50:28.30 ID:MA0zi6OL0
P「それにしても輝子、いつからこの活動をしていたんだ?」
晶葉「おいおい、君は輝子のプロデューサーだろう?」
輝子「まぁ、隠してたから……」
輝子「スカウトされる2年前から……だったかな」
P「えっ、そんな昔から?!」
晶葉「その頃からすでに、彼女の才能は発揮されていたんだよ」
晶葉「全論文を読ませてもらったが、実に独創的な着眼点を持っている。そして非常に有意義だ」
P「マジかよ、俺の輝子が天才だったなんて……」
輝子「お、俺の……///」
晶葉「ふむ……」ニヤニヤ
14: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:09:54.96 ID:MA0zi6OL0
某日――
事務所――
P「……ということがあったんだ」
小梅「輝子ちゃん、凄い……」
P「キノコ業界のアイドルっていう話は知っていたが、マジでアイドルだった」
P「帰り際に挨拶をする学会員だけで、1時間の列が出来たからな」
P「職業病で、俺が列整理をしてしまったよ」
15: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:11:39.07 ID:MA0zi6OL0
小梅「あ、あのPさん……今週末、空けてもらえますか……?」
P「ん? 小梅も用事か?」
小梅「うん」
P「その日は丁度休みだな、新しい仕事は入れないでおくよ」
P「しかし、小梅も用事って、珍しいな。よく行くのか?」
小梅「うん、よく頼まれるから」
P「お手伝いか。小梅の人望のおかげだな。ま、楽しんだら良いのさ」
小梅「うん」
小梅「慰霊会……楽しみ……」クスクス
P「」
16: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:14:52.13 ID:MA0zi6OL0
P「またもや気絶している間に、小梅は帰ってしまった」
P「慰霊? 慰問じゃなくて? 楽しみってどういうこと?」
芳乃「私の出番と伺いましてー」ヒョイッ
P「君は、依田Pのよしのんじゃないか!」
P「……小梅と仲良かったっけ?」
芳乃「昔、お仕事で地方を回っていた時に偶然知り合いましてー」
芳乃「小梅さんとは、そのころからお付き合いがありましてー」
P「マジか、偶然ってすごいな」
芳乃「小梅さんは私の依頼を受けて、今週末出掛けるのでしてー」
P「よしのんの頼みだったのか……俺だって絶対断れない」
芳乃「その日は私もご一緒するので、ご同行しますか?」
P「あぁ! どっちにしろ、よしのんの頼みじゃ断れないからな!」
P「小梅……一体、何があったんだ……!」
17: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:18:37.04 ID:MA0zi6OL0
某日――
某田舎の山中――
P「このSSは実在の地域とは一切関係ありません」
P「さぁ! というわけで、現場までやって来たわけですが……」
芳乃「ですがー」
P「なぁ、よしのん……小梅のその、正月の神社で踊っている人が着てるようなうっすーい巫女服みたいなのは何だ?」
芳乃「そなたのその認識は的を射ているのでしてー」
P「だよな! うっすーい巫女服だよな!? ウッヒョー!」
小梅「嬉しいの……?」
P「小梅はまだ小さいからな、衣装は厚い生地だったり長袖だったりして気を遣っていたのさ」
P「ちなみに、ここまでしているのは、今のところ小梅だけだ。……他のやつらには内緒な?」シー
小梅「私のために……///」
芳乃「あらあらー」マアマアー
P「しかし、こうして見ると、こういう透け透けな衣装もバッチリ着こなせるのが分かって、俺は嬉しいよ」
小梅「あの、Pさん……」
小梅「今度、こんな衣装でも……良いよ?」
P「え、マジで? やったー!」
小梅「えっと……カイロ、つけて良いなら、大丈夫」
P「急に生々しい話になりましたな」ホッホッホ...
18: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:24:07.27 ID:MA0zi6OL0
P「それで、結局これはなんなんだ?」
P「俺もよしのんも、仰々しい格好になって……」
P「あと、目の前のいかにもな古いトンネルは、どういう意味でしょうか?」
芳乃「ここは、近付く者を幾度となく憑り殺してきた、モノホンの心霊スポットなのでしてー」
P「ファッ?!」
芳乃「今回、住民の依頼を受け、悪霊を無効化することになりましてー」
P「え、ちょ、ま――」
芳乃「そなたは桶のお神酒を撒き続ければ、心を蝕まれることはありませんので、ご安心をー」
芳乃「ただー、今日は1時間を予定していますので、それまでお神酒を絶やさぬようにー」
P「え!? これ、1リットルくらいしか入ってないんですけど?!」
芳乃「小梅さんはいつも通り、癒しの心を持って歌い舞っていただきたくてー」
小梅「うん……久しぶりのライブだから、楽しみ……」
芳乃「それでは、参りましょうー」
P「……えっ、1秒に0.27ミリリットル?! 無理無理無理、こんなの死ぬって! ちょ、ま――!!」
19: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:29:30.87 ID:MA0zi6OL0
某日――
事務所――
P「ということがあったんだ」
幸子「よく無事に帰ってこられましたね」
P「お神酒を撒かなくても、器ごと振り回すだけで効果があると分かったからな。後半はずっとその場でくるくる回ってた」
幸子「なんですか、その格ゲー初心者特有のレバガチャ理論は」
20: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:31:00.00 ID:MA0zi6OL0
P「まぁでも、めったに見られない光景だったから、今となっては貴重な経験だったな」
幸子「というか、どうして小梅さんだったんですか?」
P「よしのんも鎮魂の儀はできるらしいが、土地神だったり奉納された神だったりで、要するに1柱専門なんだそうだ」
P「感情を歌に乗せ、広範囲の複数の霊を鎮魂させることができるのが、よしのんのネットワークをもってしても、小梅ただ1人らしい」
幸子「小梅さんの力ってすげー!」
P「小梅のパフォーマンスにあわせて、無数の悪霊たちが邪気を昇華させる光景は、神秘的だったな」
幸子「というか、Pさんって見える人なんですね」
P「だってお前、小梅のプロデューサーだぞ?」
幸子「なんか納得しました」
21: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:36:01.32 ID:MA0zi6OL0
幸子「でも、毎回参加するのも、大変じゃないですか? 小梅さんは立派なトップアイドルですよ?」
P「そうなんだよ。本人は乗り気なんだが、そこだけが心配だ」
幸子「寺生まれのTさんみたいなお知り合いとかいないんですか?」
P「地球(テラ)生まれの7さんしか知らないな」
幸子「……どう違うんですか?」
P「言った後で俺も思った、今度よしのんに紹介しよう」
幸子「『伽破ァ!』とか言って光弾出しそうですね」
P「出来るだろ。ウサミンパワーは万能だからな」
23: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:46:11.96 ID:MA0zi6OL0
幸子「あ、そうそう、今週末はちゃんと休みを入れてくれていますか?」
幸子「故郷まで戻るんで、急に仕事を入れられても無理ですからね?」
P「安心しろ、ちゃんと届出をもらってるから」
幸子「それを聞いて安心しました」
P「久しぶりの帰郷か? ずっと寮住まいだったからな」
幸子「まぁ、それもありますが……」
幸子「やっぱりボクが来ないと、他の信者さんたちが不満がるんですよねぇ……」ヤレヤレ
P「」
24: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:50:43.22 ID:MA0zi6OL0
P「例のごとく気絶している間に、幸子は帰ったようだ」
P「あいつら、人が1人気絶しているのに、情け容赦ないな」
P「しかし、どういうことだ? 信者? あいつ宗教に入っていたのか? まさか、怪しげな新興宗教?!」
茄子「ナスじゃなくてカコですよ?」ヒョイッ
P「君は、鷹富士Pのカコさんじゃないか!」
P「……幸子と仲良かったっけ?」
茄子「私は昔から運が良かったので、あちこちでセミナーを依頼されていたんですが……」
茄子「その時に、幸子ちゃんと知り合ったんです」
P「なんと、2人にそんな奇妙なご縁があったとは!」
茄子「偶然、私もその日はお休みなので、一緒に見に行きませんか?」
P「偶然の力ってすげー!」
P「幸子……お前を信じていいんだよな……?」
25: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:53:56.64 ID:MA0zi6OL0
某日――
富士山を一望できる高級ホテル――
P「このSSは実在の団体とは一切関係ありません」
P「さぁ! というわけで、会場までやって来たわけですが……」
茄子「わぁ?」パチパチ
P「あのカコさん、これはちょっとまずいんじゃないですかね?」
P「名目がやばいですよこれ、ガチのやつじゃないですか」
【カワイイ真理教 定期会合 ○○年冬の部】
茄子「新興宗教だからって、何もかもが危険というわけではないんですよ?」
茄子「民衆の幸せのために尽力している方がいらっしゃる事を、私は知っていますから」
P「カコさん……!」
茄子「大抵お金が目的でしたけど」
P「カコさん……?!」
26: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:55:32.21 ID:MA0zi6OL0
P「というか、あれか? いつもいつも『カワイイ』を連呼していたのは、あれがこの宗教の決まりだからか?」
茄子「まぁ、それはそうなんですけど……」
P「そうなのかよー、やだー!」
茄子「でも、折角ここまで来たんですから、覗いていきませんか?」
P「やだよー、俺この中に入りたくないよー」
P「熱心にお祈りする信者幸子の姿なんて、俺見たくないよー」
茄子「信者……とは違うというか……」
P「それじゃ、幹部?! だからあいつ、カワイイに熱心だったのかよー!」
29: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 19:56:40.37 ID:MA0zi6OL0
茄子「あ、いえ、それ以上でして……」ガチャリ
【カワイイ真理教 教祖・輿水幸子の挨拶】
幸子「まったく……皆さんも、少しはボクの苦労を分かってくださいよ」
幸子「芸能界は、生き馬の目を抜く世界なんですよ? ボクだってたくさんお仕事したいんですから……」
幸子「でも、皆さんに『カワイイボクの姿を見たい』なんて言われたら……」
幸子「来ない訳にはいきませんよね、ボクはカワイイですから!」ドヤァ・
「さっちゃんカワイー!」
「いよ! カワイイ!」
「こっち見てー!」
「キャー! 目があっちゃった!」
「幸子さまちっちゃくてカワイイ!」
幸子「誰ですか、ちっちゃいとか言った人は?!」
幸子「これでもボクは、気にしているんですからね?!」
幸子「でも……」
幸子「そんなボクって、カワイイですよねぇ!」ドヤァ・
「カワイイー!」
「カワイイー!」
「ちっちゃカワイイー!」
P「」
30: 以下、
ただのイベントじゃねーかw
31: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:02:28.03 ID:MA0zi6OL0
P「あの、コレは何ですか?」
茄子「幸子ちゃんを愛でているんです」
P「いや、この微笑ましい光景を見れば、それは分かりますが……」
茄子「Pさんは、幸子ちゃんをカワイイと思いますか?」
P「え? まぁ、一応は。他にも色々言いたいことはあるけれど……」
茄子「そうです、そこなんです」
茄子「以前、好奇心で、幸子ちゃんがカワイイかどうかのアンケートをとったことがありまして……」
P「カコさん何してはるんすか」
「たくさんの人に――それこそ1000人くらいに協力してもらったんですけど……」
P「カコさん何してはるんすかホンマ」
茄子「幸子ちゃんをカワイくないと答えた人は、1人もいませんでした」
P「なんやて?!」
茄子「これはつまり、幸子ちゃんがカワイイのではなくて、カワイイが幸子ちゃんなんです」
茄子「ここは、そんなカワイイの化身・幸子ちゃんを崇めるための場なんですよ」
P「カワイイは正義だな」
茄子「つまり、幸子ちゃんは正義、ということですね」
P「世も末だぜ!」
32: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:04:53.36 ID:MA0zi6OL0
高級ホテル内レストラン――
カワイイ真理教昼食会――
幸子「あ、茄子さん! それに……Pさん?!」
P「ハッハッハ、驚いただろう?」
幸子「そりゃ驚きますよ!」
信者「驚く幸子ちゃんカワイイ!」
幸子「まったく、Pさんはもう……茄子さんの前なので、不審人物として放り出すのは勘弁してあげます」
信者「優しい幸子ちゃんカワイイ!」
P「いやぁ?……それにしても、なんだか凄いな」
P「こんな立派なホテルでバイキングを開くなんて……お前まだ14だろ」
幸子「スケジュールや場所は、幹部の皆さんがするんですよ」
幸子「『教祖様の手を煩わせる訳にはいきません』とか言って……」モグモグ
信者「食べてる幸子ちゃんカワイイ!」
幸子「ホラ、そこで突っ立ってる幹部の皆さんも、少しは食べてくださいよ?」
信者「気遣いのできる幸子ちゃんカワイイ!」
P「幸子って、人望あるイメージ無いなぁ……」モグモグ
信者「ディスられる幸子ちゃんカワイイ!」
幸子「ちょっとPさん、立ちながら食べないでください! 行儀悪いですよ!」
信者「怒る幸子ちゃんカワイイ!」
信者「たしなめる幸子ちゃんカワイイ!」
P「お前らうるせぇ!!」
信者「ごめんなさい幸子ちゃんカワイイ!」
P「語尾か!!」
33: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:09:01.90 ID:MA0zi6OL0
P「お前はいつから教祖なんだ?」
幸子「えっと、中学進学のお祝いに教祖になったから……2年前からですね」
P「まるで意味が分からんぞ」
幸子「それまでは父が教祖だったんです」
幸子「その頃のカワイイ真理教は、カワイイボクをご神体として崇める宗教でした」
P「お前それ今と変わらねぇじゃねーか」
幸子「そういう意味でしたら、生まれてすぐからですね」
P「……お前、生まれてから14年以上も、人々から崇められる存在やってるのか……」
幸子「ボクにとっては、それは普通のことなんですけどね」
P「あー、だからお前、出会ったころから『カワイイ』連呼してたのか。なんか納得した」
34: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:12:05.07 ID:MA0zi6OL0
P「生々しい話で悪いが、ここの財政はどうなっているんだ?」
P「見たところ、金儲けって感じじゃないし」
幸子「さすがPさん、鋭いですね!」
幸子「カワイイ真理教では、入会金も会員費も、一切ありません」
幸子「信者の皆さんから頂いたお布施は全て一つに集めて、こうした集会やパーティのために使われます」
P「新興宗教のわりには、珍しいスタイルなんじゃないのか?」
茄子「私が調べた中では、そうですね」
幸子「もしボクが積極的にお金を取ってしまったら、世界中のカワイイにロイヤリティが発生してしまいますからね!」ドヤァ
P「そっちかよ」
幸子「Pさんも、タダでカワイイボクを見られることを光栄に思ってください!」ドヤァ!
36: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:19:29.91 ID:MA0zi6OL0
P「でも、こんだけ昔から大盛況なら、なんでアイドルになろうと思ったんだ?」
P「お金が目的じゃ無いなら、もう十分だろ」
幸子「確かに、父はそう考えていました」
幸子「でもボクは、このカワイイをもっと広めたかったんです」
幸子「だからボクが教祖になってからは、ボク自身が広報として、アイドルとなることにしたんですよ」
幸子「なにしろボクは、何をしてもカワイイですからね!」ドヤァ!!
信者「幸子ちゃんドヤ顔カワイイ!」
茄子「ちなみに、私が大学のフィールドワークとして、各地の宗教を調べていたのが、そのころですね」
茄子「犯罪数を減少させた現人神の近況を書いたことで、高評価を貰えました」ブイ
P「芸能界に進出する教祖兼ご神体とか、トチ狂ってるな」
茄子「Pさん、言い過ぎですよ」
P「おっと失礼、今のは幸子だけに言いました」
幸子「ボクにも配慮してくれませんか?!」
37: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:21:03.58 ID:MA0zi6OL0
P「いやでも、おかしいだろ」
P「俺、トンデモ企画ばっかりお前にさせてるのに」
幸子「自覚があってアレですか?!」
P「なのに、よく信者が離れないな」
P「自分の信じる神様が、パラシュートの着地に失敗して宙ぶらりんになったら、俺なら金返せって激怒するね」
幸子「普通はそうでしょう。でもボクは――」
幸子「何をしても『カワイイ』ですからね!!」ドヤァ!!
信者「幸子ちゃんカワイイ!」
P「まぁ、お前がカワイイのは、認めるけどさぁ……」
幸子「ぁ……はい……///」
茄子「ふふ……ご馳走様」ニッコリ
P「なーんか、納得いかないなぁ……」モグモグ
38: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:22:19.12 ID:MA0zi6OL0
某日――
事務所――
P「……ということがあったんだよ」
乃々「あの、なんで私に……」
P「お前が俺の机の下にいるから、仕事できないんだよ。話の1つや2つ聞くくらいしても、罰は当たらんぞ」
乃々「あ、はい、じゃあ我慢します」
P「いや、お前が出れば済む話なんだよ、分かるか森久保ぉ!」
乃々「今外に出るとか……むーりぃー……」
40: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:29:08.90 ID:MA0zi6OL0
乃々「ところで……週末の休みなんですけど……」
P「ん? あぁ、ちゃんと休みにしてるけど、何か?」
乃々「あ、いえ、何でもないです……」
P「週末の休暇申請もこれで4回目だ、しかもこの一月の間に……」
P「さぁ、お前はどういう理由だ?! 机の下学会か?! 引きこもり推進委員会か?!」
乃々「机の下学会なんて……ないし……」
杏「引きこもり推進委員会は杏の組織だよ」ヌッ
乃々「杏さんじゃないですか……」
杏「ソファで寝ていたのだ」
乃々「まったく気付かなかったです」
杏「暇を持て余した」
乃々「アイドルの」
2人「遊び」
P「お前はもうすぐ仕事だろ森久保ぉ!」
41: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:39:04.33 ID:MA0zi6OL0
乃々「週末はただ、町に出なきゃいけない用事があって……」
P「都会に繰り出す乃々……か」
P「いや、別にダメとは言っていないぞ? イメージがなかっただけで、健全じゃないか」
乃々「そ、そうですよね……」
P「あぁ。やっぱりたまには外に出るべきだ」
乃々「わかりました……週末はしっかり、外に出ます……」
乃々「それに……これ以上、編集長に怒られるのは……うぅ……」
P「」
42: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:40:39.94 ID:MA0zi6OL0
P「三度の飯よりも気絶が好きな俺にかまわず、乃々は帰ったらしい」
P「……あいつは帰るな、うん」
P「というか、編集長って誰だよ! うちにそんな肩書きを持つ人はいないし……」
比奈「お困りのようっスね?」ヒョイッ
P「君は、荒木Pの先生! サインください! ドリッピング画法で!」
比奈「またその依頼っスか……最近そればっかりなんスよね」ドギャァッ!!
P「ぜひお願いします!」
比奈「――と嘆いている間に、ホラ、描いたっスよ。若干仕事が遅かったっスけど」
P「荒木の血筋ってすげー!」ウッヒョー!
43: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:48:49.43 ID:MA0zi6OL0
P「ところで先生! 先生は乃々のことを知っているみたいだったが……」
P「……乃々と仲良かったっけ?」
比奈「漫画関係のお仕事が多いんで、いろんな出版会社にお邪魔したんスけど」
比奈「そこで見知った顔に偶然出会ったって訳っスよ」
P「アイドル使いはアイドル使いに惹かれ合う――か」
比奈「同じ日に、私も連載中の漫画の原稿を提出しに行くんで、ついてくるっスか?」
P「ぜひご同行いたします!」
P「乃々……お前の正体は、まさか……!」
44: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:51:03.04 ID:MA0zi6OL0
某日――
某出版社――
P「このSSは実在の企業とは一切関係ありません」
P「さぁ! というわけで、オフィスまでやって来たわけですが……」
比奈「Pさん、お待たせしましたっス」トコトコ
比奈「私の仕事は終わったんで、もう大丈夫スよ」
P「話によると、この会議室の中に乃々がいるらしい……」
比奈「ここ、結構立派な会議室っスよ」
P「マジかよ……あいつ、どんだけ凄いんだよ」
比奈「あるいは、凄いことをやらかした、とか?」
P「まぁ、どっちにしても、俺には楽しみでしかないがな!」
比奈「鬼畜っスか」
45: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:51:44.59 ID:MA0zi6OL0
比奈「それじゃ、入るっスよ?」ガチャリ
乃々「このまま大団円にもっていきましょう。ただ作者は制御してください、あの人すぐ鬱作品にしたがるので」ペラペラ
乃々「これは設定が平凡すぎます、男性キャラを見直してください」バサバサ
乃々「パンくらいでヒロインが落ちるとかバカですか、精々芋けんぴが関の山ですね、はい描き直し」パラパラ
乃々「奇抜すぎませんかこの設定、私は好きですが。あと3人に聞いて1人でも良いと言ったら、ゴーサイン出しましょう」シュッシュッ
乃々「引き伸ばしがくどいです、とにかくヒロインの留学問題を出してください、一刻も早く」シュバババ
乃々「ストーリーは上手ですが、絵が下手です。特に目が離れすぎです。シナリオ専門が妥当ですね」カキカキ
P「」
46: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 20:58:47.52 ID:MA0zi6OL0
P「今まで見たことがないくらい、乃々が動いている……!」
比奈「早すぎて、3人分くらい残像が見えてるっスね……」
P「あのフィジカルを、アイドル業にも活かしてくれたら……!」
比奈「いや、使ってるじゃないスか。Pさんから逃げる時とか」
P「そっちはいらねぇ!」
47: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:01:10.66 ID:MA0zi6OL0
P「よぉ……大忙しじゃないか、森久保ぉ!」ヌッ...
乃々「ひえっ?! ……え、Pさん……?!」
P「トップアイドルのくせに、随分余裕があるじゃぁないか……」
P「そういえばお前に特番の『アイドル大運動会?ドキッ! ゴールデンなのにポロリを狙うよ!?』の依頼が来ていたんだが……この分なら大丈夫そうだなぁ?!」
乃々「ひぇっ! 無理、無理無理無理!!」ブンブン
比奈「乃々ちゃんの首が高移動っス」
48: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:02:48.80 ID:MA0zi6OL0
P「それにしても、どうして乃々がここにいるんだ? 別にここの社員でもないんだろ?」
乃々「あ、その……ここに、親戚が勤めていて……あの……」
比奈「あー……私が説明するっス」
比奈「乃々ちゃんは昔、その親戚の担当していた漫画の欠点を的確に指摘して、人気作にしたんスよ」
P「マジかよ。お前、編集者の才能があったのか」
比奈「それが編集部に知れ渡って以降、月1くらいでこうして、様々な作品を監修することになったんスよね?」
乃々「は、はい……」
P「1人であの量を捌いてんのかよ……乃々が凄いのか、それだけため込む編集部が凄くないのか……」
49: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:03:52.74 ID:MA0zi6OL0
P「それにしても、あれだけの量だってのに、顔色一つ変えずに全てこなす乃々は、格好良かったぞ!」
P「お前はやっぱり、俺が見込んだアイドルだ!」
乃々「あ、はい……ありがとう、ございます……///」
比奈「さすがPさん! 私たちにできないことを平然とやってのけるっス!」ヒューヒュー
P「だから明日から、今までの2倍の仕事を入れておいたZE☆」
乃々「む……むーりぃー……!!」
比奈「そこにシビれる仕事量! あこがれないっス!」
50: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:09:23.73 ID:MA0zi6OL0
某日――
事務所――
P「……ということがあったんだよ」
美玲「ふーん、乃々がねぇ……」ゴロゴロ
P「というか、お前もソファ暮らし長いよな。ホラ、座って雑誌を読め」
美玲「こっちのほうがくつろげるんだよ」ゴロゴロ
P「杏みたいになるぞ」
美玲「そっかぁ……」ムクリ
美玲「いや……あれだけ売れるなら、なってもいっかな」ゴロン
P「ちくしょう」
51: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:17:45.27 ID:MA0zi6OL0
P「……お前はないよな?」
美玲「何が?」
P「いや、今の話の流れで分かるだろ?!」
美玲「……あぁ、そういうこと?」
美玲「みんなみたいな、天才的な才能とか、神業的な技術とか?」
P「そうそう」
美玲「……お前はウチに、そんなのがあると思ってるのか?」
P「……まぁ、ないよな」
美玲「そうそう、ないない」
美玲「ウチはただの、Pのお嫁さんだぞ」
P「まだ許嫁だけどな」
52: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:19:26.26 ID:MA0zi6OL0
美玲「でも、一緒に暮らしてるじゃんか」
P「暮らしてるだけだろ」
美玲「お風呂もベッドも一緒なのに?」
P「それは、あー……」
美玲「この間なんて、えっちぃこともしたくせにー」ニヤニヤ
P「あれは迂闊だった」
P「でもあれは、誘惑するお前が悪いって。2時間も粘るなよ、理性崩壊するに決まってるだろ」
P「あんなんされたら、女性でも堕ちるっての」
美玲「ふふん……そのためにたっぷり勉強したからな」
P「お前は、アレか、こんなおっさんが良いのか?」
美玲「まだアラサーだろ? それくらい女子だったら、許容範囲内だって」
P「でもお前が二十歳過ぎたころには、俺40代突入だぞ?」
美玲「それくらいよくある話じゃんか」
P「確かにな」
54: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:21:50.95 ID:MA0zi6OL0
P「年上が好きなら、お義父さんに甘えてやれよ。この間あいさつにいったら、寂しがっていたぞ?」
美玲「えー……だって父さんは最近、臭いんだよなぁ」
P「そりゃ、お前が成長したってことだな、うん……」
P「あとそれ、絶対本人に言うなよ? 悲しむ通り越して泣いちゃうから」
美玲「無茶いうなよ、生理的にキツイんだぞ、アレ?!」
美玲「……それに比べて、Pは良いにおいだな」クンクン
P「ちひろさんからは『おじさん臭がしてきましたね。そんな時はスタドリが一番ですよ!』って言われたけど」
美玲「む……ちひろは分かってない……」クンクン
美玲「……てかウチは、年上が好きなワケじゃないって、何度も言ってるだろ!」ガオー
P「お、そうか?」
美玲「そう! ウチはPが好きなだけだからな♪」クンカクンカ
55: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:23:47.38 ID:MA0zi6OL0
美玲「……なぁ、P。お前、みんなに何か言ったか?」
P「何かって、何だよ?」
美玲「こっちが知りたいよ。週末にお前と会って以来、みんなの調子がおかしいんだよな……」
美玲「なんか、心ここに非ずって言うか……とにかく気持ちがフワフワしてるんだよ」
P「悪いが、俺にはまったく見当がつかない」
美玲「どうだか……どーせ気付かないうちに、告白まがいのことでも言ったんだろ?」
P「えぇ?……もしそうだとしたら、それはチョロいにもほどがあるぞ」
P「実際、美玲もそれになびいたクチだから、心配なのは分かるが」
美玲「……バカ///」
56: 以下、
デレデレの美玲とか最高じゃねーか
57: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:25:23.50 ID:MA0zi6OL0
P「とにかく、俺たちの関係は他言禁止だからな。同じユニットの輝子たちや、幸子たちにもだ」
P「お前はトップアイドルなんだから」
美玲「それくらい分かってるよ! 引っ掻かれたいのか!」シュッシュッ
P「わかっているなら、俺の方からは特に問題無し……っと!」ッターン!
P「ふぅ……今日はこれで終了?」
美玲「よし、早く帰るぞ。今日はレッスンしたから、早く体洗いたいんだ」
P「お前、いい加減背中洗えるようになれよ。体柔らかいクセに」
美玲「うるさいな! お前に洗ってもらうのが好きなんだから、しょうがないだろ!」
P「背中だけならいいけど、お前全身洗わせるだろーが!」
美玲「だから、ウチもPの全身洗ってあげてるだろ!」
P「それもそうだな。それじゃ、今のは引き分けってことで」
美玲「ふん! 今日はこれで許してやる!」プイッ
58: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:26:23.73 ID:MA0zi6OL0
P「それじゃちひろさん、お先に失礼します?」
美玲「おい、ちゃんと手をつなげよ!」
P「お前、自分がアイドルだって忘れていないか?」
美玲「アイドルの前に子供だからな」
美玲「大きく手を振って、笑顔で『わーい』って言ってれば、ごまかせるって」
P「なるほど」
美玲「わーい!」ブンブン
P「わーい!」ブンブン
P「お、これは良いな!」
美玲「良いだろ!」
P「なんかバカっぽくて、スキャンダルにはならなさそう!」ガチャリ
美玲「このまま家まで帰るぞ!」
P「わーい!」ブンブン
美玲「わーい!」ブンブン
59: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:27:05.62 ID:MA0zi6OL0
バタン>
ちひろ「……」カタカタ
ちひろ「……」カタカタ
ちひろ「……」
ちひろ「辞めてぇ……」ガクッ...

60: 以下、
み、美玲……美玲ー!!美玲ー!!
61: ◆ag9TZfREZs 2015/11/26(木) 21:32:01.27 ID:MA0zi6OL0
初めてのss投下でした
面白くなるように念じながら書いたのですが、
その気持ちが一割でもサイキック届いたなら嬉しいです
65: 以下、
>>乃々「ストーリーは上手ですが、絵が下手です。特に目が離れすぎです。シナリオ専門が妥当ですね」カキカキ
てっきりミサワかと
乙!
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