高垣楓「ふとんがふっとんだ」back ▼
高垣楓「ふとんがふっとんだ」
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1:
モバP「楓さん」
楓「はい」
P「寝相、悪かったんですか」
楓「はい」
P「寝起きは悪そうだなと思ってましたが……あ、寝癖が」
楓「ありがとうございます。一度ベランダに寄り掛かって寝ていた事がありました」
P「寝る前の深酒はやめてくださいね」
楓「大丈夫です。布団には零さないよう気を付けてますから」
P「いやそういう問題では」
楓「へくちっ」
P「とりあえず、服を着ましょうか」
楓「はい」
3:
楓「…………」
P「あれ、楓さん? どうしたんです床に寝転がって」
楓「…………」
P「楓さん? おーい」
楓「……シンデレラが」
P「え?」
楓「シンデレラが、死んでら」
P「…………」
楓「…………」
P「楓さん」
楓「…………」
P「……ひょっとして、それが言いたいが為にシンデレラガールになったんじゃありません、よね」
楓「…………」
P「…………」
楓「…………」
4:
楓「このカレー、かれぇ」
P「そうですね」
楓「ごめんなさい、スパイスを効かせすぎました」
P「夏にはちょうどいいですよ」
楓「…………」
P「もぐ……水を取ってもらえますか」
楓「あ、あの、プロデューサー」
P「?」
楓「無理して食べないでくださいね」
P「無理なんてしていませんよ」
楓「ほんとうですか?」
P「それに、楓さんの手料理を残したりなんてしたらバチが当たります」
楓「茄子ちゃんは優しいから大丈夫ですよ」
P「そうですね…………えっ」
楓「えっ」
7:
楓「妖怪に何か用かい?」
P「楓さん、妖怪だったんですか」
楓「はい。私、実は……ウワバミなんです」
P「なるほど。じゃあ、これは隠しておかないと」
楓「ああ、お酒を遠ざけないで……」
P「本当に悲しそうですね」
楓「はい。大ダメージです。かなりヘビーです」
P「やっぱり大丈夫そうですね」
10:
P「バス停に足湯があるとはさすが温泉地ですね」
楓「歩き疲れた脚にはちょうどいいです」
P「しばらくのんびりしましょうか」
楓「はい。足湯で疲れをフットバスべきです」
P「絶好調ですね、楓さん」
楓「冗談は飛ばせる時に飛バスものですから」
P「…………」
楓「はっ。バス停にバスって……」
P「…………」
楓「プロデューサー? どうかしましたか?」
P「いえ、ちょっと疲れが」
楓「えっ」
11:
楓「あつっ」
P「どうかしましたか、楓さん」
楓「いえ、ちょっとやけどをした」
P「! すぐに冷やしましょう。氷取ってきます!」
楓「……んやけど…………」
P「お待たせしました。ひとまず水を張ったので指を浸けておいてください」
楓「……あ、あの。プロデューサー」
P「どうしました? 後で包帯も持って来ますからね」
楓「……したんやけど……」
P「…………?」
楓「くすん」
P「楓さん……そんなに痛みますか」
楓「はい。心が、とても」
12:
楓「猫が寝転ぶ」
P「いえ、楓さんは寝転がっていますが。楓さん猫だったんですか」
楓「こんな事もあろうかと、みくちゃんからネコミミを借りてきました」
P「こんな事ってのが分かりませんし、さっき前川さんそれ探し回ってましたよ」
楓「よいしょ……うーん、ちゃんと着けるの意外に難しいですね」
P「うん。猫みたいに自由奔放なのは認めます」
楓(猫耳)「にゃん」
P「…………」
楓(猫耳)「にゃーん」
P「……可愛いですねこの猫」
楓(猫耳)「にゃー」
P「撫でてもいいですか」
楓「はい。撫でるのにジャマなので外しますねこれ」
P「訂正します。自由奔放過ぎます」
13:
楓「…………」
P「あの、何やってるんですか楓さん」
楓「……カ、カボチャがボチャっと落ちた、なんて」
P「撮影中は大人しくしててくださいとあれ程言ったじゃないですか」
楓「すみません、こんなに大きなカボチャを見たの初めてで」
P「泉の方も大丈夫そうですね……一応美術さんに確認してもらいます」
楓「ごめんなさい……へくしっ」
P「風邪を引かない内に着替えましょう。手を貸し…………」
楓「……? プロデューサー、どうしました?」
P「……金のカボチャとか用意してもらえばよかったな」
楓「えっ?」
P「今度の撮影はそれでいってみましょうか」
楓「はぁ……?」
14:
楓「あらら」
P「どうしました?」
楓「櫛をなくしてしまいました」
P「ちなみにその胸ポケットからちらっと見えてるのはなんですか?」
楓「えっと、これは……輪ゴム鉄砲の材料です」
P「輪ゴム鉄砲」
楓「はい」
P「困りましたね」
楓「はい。ですから誰かの手櫛を貸してもらえると助かりますね」
P「…………」
楓「誰かの手櫛を貸してもらえると助かります」
P「……はぁ。じっとしててくださいね」
楓「はい」
P「さらさらですね」
楓「はい」
P「嬉しそうですね」
楓「知恵を駆使した甲斐がありました。ふふっ」
15:
楓「朝食を食べてくれなくて、超ショック」
P「…………」
楓「朝食を、食べてくれなく、て」
P「…………」
楓「……グスッ。朝食、を……っ、食べて……くれなっ……ヒクッ」
P「……楓さん、すみませんでした。どうかこれで許してもらえませんか」
楓「……グスッ。もっと、強く抱き締めてくださ、い」
P「もちろんです……もっと早起き出来るよう気を付けます」
楓「……はい…………おねがい、します、ね」
P「つきましては、その…………ベッドの上ではもう少し、大人しくしてくれると助かるんですが」
楓「いえそれはちょっと無理ですね」
P「楓さん」
楓「グスッ……ヒック」
P「楓さん」
16:
楓「アルミ缶の上に」
P「…………」
楓「…………」
P「……いえ、そこまで言ったなら全部言ってくださいよ」
楓「未完のギャグです」
P「…………」
楓「ミカンがみっかんなかったので」
P「そうですか」
18:
楓「星が欲しいです」
P「心配要りません。必ず楓さんをスターにして見せます」
楓「お願いしますね」
19:
楓「コーディネートはこーでねーと」
P「…………」
楓「いえ、ちょっとこれは違いますね。もうちょっとお待ちを」
P「…………」
楓「よしっ……コーディネートはこーでねーと」
P「…………」
楓「もうちょっと明るい色の方がいいですね……もう少しお待ちを」
P「楓さん」
楓「はい」
P「どの服装も抜群に似合ってて可愛いんですが、ダジャレで全部台無しです」
楓「えー」
P「いちいち言わないと駄目なんですか、それ」
楓「はい、私のダジャレはファッションじゃありませんから。ふふっ」
P「ならいいじゃないですか」
楓「…………あっ」
20:
楓「ホテルでほて、ひゃんっ!」
P「…………」
楓「んぁ……あぅっ、ん……」
P「綺麗です、楓さん」
楓「ふふっ、もう……ホテルで……んっ……」
P「……ん…………」
楓「……ぷは。もう、言わせてくださいよプロデューサー」
P「すみません。身体が火照って止められず」
21:
楓「このイクラ、いくらだと思います?」
P「……えーと、この量だと千円くらいですかね」
楓「ハズレです。正解はその半額でした」
P「えっ。すごく安いじゃないですか」
楓「お姉さん綺麗だから、ってオマケされちゃいました」
P「流石は楓さん」
楓「褒めてください」
P「もちろんですとも。よーしよし」
楓「ふふっ」
P「よしよし」
楓「ふふー」
P「よし、よーし…………あの、楓さん」
楓「はい」
P「いつまで褒めればいいんでしょうか」
楓「私としてはいくらでも褒めてほしいところです」
P「夕飯にしましょうか」
楓「そうですね」
22:
楓「外は風が強いですね」
P「ええ。洗濯物は飛ばないとは思いますが」
楓「ブラがブラブラ揺れてますね」
P「…………」
楓「…………」
P「…………」
楓「プロデューサー、えっちな事を考えていたでしょう」
P「楓さん、スベった憂さ晴らしを俺にぶつけるのはやめてください」
23:
楓「あ」
P「……あ。すみません、覗くつもりでは」
楓「ふふ。高垣楓のたかが」
P「終わったら教えてください」
楓「…………」
P「えーと、荷物は」
楓「…………プロデューサー」
P「わっ。着替え終わってから部屋を出て来てくださいよ」
楓「高垣楓のたかが着替えで、うろたえ過ぎですよ」
P「いえ、うろたえては居ませんが」
楓「じゃあ脱ぎます」
P「お願いだからアイドルだという自覚を持ってください」
24:
楓「教会に行くのは、今日かい?」
P「ええ。良い結婚式にしましょう」
楓「はい」
26:
楓「下手な洒落はやめなしゃれ」
P「…………」
楓「…………」
P「…………」
楓「…………」
P「…………」
楓「すみません、やっぱりちょっと下手でもいいですか」
P「はい。無理している楓さんを見るのはとても辛いので」
27:
楓「駄洒落を言うのは、誰じゃ?」
P「これはまた新しいパターンで目を塞がれてしまいましたね」
楓「ふふ。分かりますか、プロデューサー?」
P「うーん……さっきまで楓さんと二人きりだったよな……」
楓「うんうん」
P「何となくだけど、凄く綺麗なひとのような気がする」
楓「ふふっ」
P「分かった。楓さんだ」
楓「大当たり。凄いですね、プロデューサー」
P「はは。そりゃすぐに分かりますよ」
楓「どうして分かったんですか? ふふっ」
P「目が見えなくても。楓さんは、女神ですから」
楓「そこまで巧くないですね」
P「すごく恥ずかしいので出来ればノッてくれませんか」
28:
P「あれ、どうしたんですか眼鏡なんて掛けて」
楓「ふふっ……眼鏡を取ったら、目がねぇ」
P「……瞑ってるだけじゃないですか」
楓「ふふふ。私が無いと言ったらな、んぅっ」
P「…………」
楓「ふっ……んむっ……ぷは。いきなりですね、プロデューサー」
P「ええ。何となく、したくなりまして」
楓「ふふふ。実は、眼鏡を取っても目はあるんですよ」
P「はい。とっても素敵で、綺麗な目だと思います」
楓「…………」
P「楓さん?」
楓「プロデューサー、お上手ですね」
P「えっ?」
楓「……あら、私も巧い事言えちゃいました」
P「……?」
楓「ふふっ」
29:
P「うーん……」
楓「プロデューサー、悩んじゃってどうしたんですか?」
P「いえ、たまには俺の方から駄洒落を飛ばしてみようかと思ったんですが」
楓「おー」
P「よく考えたら駄洒落じゃなくてただの確認なんですよね」
楓「まぁまぁ。とりあえず言ってみましょうよ」
P「うーん……笑いませんか?」
楓「駄洒落じゃないなら、笑わないと思いますよ?」
P「分かりました。それじゃ、言いますよ」
楓「はい」
30:
P「楓さんは、かわえーで」
楓「……ふふっ」
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