ちひろ「モバPさんそんな格好でどうしたんですか?」back

ちひろ「モバPさんそんな格好でどうしたんですか?」


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1:
注意
モバマスアニメの美城常務を自分と他所様の感想から肯定的に考えてみた話です
アニメをベースにしたSSですがこのモバPはアニメのPとは別人です。
一応、アニメ15話の翌日に起こったこととしてますが穴だらけなので広い心でお願いします
2:
モバP「あはは、ちひろさん見てのとおり雑用ですよ」
ちひろ「それにしてもその格好、清掃員じゃないですか。一体どうしたんですか?」
モバP「実は……」
???「「おはようございまーす」」
凛「ちひろさんどうしたのこんなところで? 用務員さんと雑談?」
ちひろ「2人ともおはようごさいます。この人はウチのプロデューサー……ですよね、まだ」
モバP「もちろんですよ!」
卯月「わわっ、すいません。それにしても何でそのプロデューサーさんがこんなところで掃除してるんですか?」
ちひろ「そうです、そこを聞こうとしてたの」
モバP「いや常務の改革でプロジェクトがポシャった上に組織の改変でしょ。仕事なくなったんで当分雑用係にまわされちゃって今は清掃ですけどこのあと設営の準備なんですよ」
卯月・凛「「……」」
3:
モバP「俺さ『ナッツトゥー』の担当だったじゃん」
卯月「えっ、あの外国グループの!?」
凛「確か1ヶ月前にドタキャン騒動起こして話題になってたよね!?」
卯月「あれウチの会社だったんですか?」
モバP「ああ企画やマネジメントは全部こっちだったんだ」
ちひろ「ひょっとしてその関係で?」
モバP「そ、あいつらこっちの言うこと聞かないわあれイヤだこれイヤだで文句ばかり言うわ酷かったのよ。ただ人気だけはあったから大人しく言うこと聞いてんだけど急に連絡がとれないと思ったらやらかしてくれたわけ」
卯月・凛「「うわぁ」」
モバP「しかも騒ぎになったとたんとっとと国に帰りやがったし未だにマネージャーにも連絡がつかない」
卯月・凛「「」」
モバP「おかげでウチは大赤字だし関係者に頭下げて回るわで大変だったし前の常務も別部署に飛ばされて俺もこの冷遇なわけよ」
卯月「そうだったんですか。大変ですね」
モバP「ありがとね。ホント君たちイイコだよ、あいつらに爪の垢でも飲ましたいわ」
卯月「そ、そんな私なんか……」
4:
凛「あれ? ねえ、ひょっとして今回の事って」
モバP「済みません、私の責任です!」ドゲザー
ちひろ「ちょっ! やめて下さいこんなところで、みんな見てます!!」
モバP「いや済みません。みんな責めてくるので条件反射でつい」
凛「条件反射ってどんだけ責められたのさ」
卯月「ま、まあ今の話を聞いちゃうとモバPさんだけの責任じゃない気もしますね」
凛「そうだね。思うところはあるけどしょうがなかったってのもわかるよ」
モバP「ホントありがとう。あれからみんなの目が冷たくて……」
ちひろ「それで居心地が悪いから清掃業者みたいな格好を?」
モバP「まあ罪滅ぼしも兼ねて。新しいアイドル部門のほう掃除されてないでしょ」
卯月「ありがとうございます」
凛「でも私たちの部屋は昨日みんなが掃除してくれたからいいかな」
5:
卯月「でも今回の一件にそんな事情があったとは驚きました」
凛「それにしても常務の首が飛ぶってどれだけの損害がでたの?」
ちひろ「それなんですが……」
モバP「今回の件がトドメではあったけど実は前々からテコ入れの話はあったんだ」
卯月「えっ、どういうことですか?」
ちひろ「アイドル部門って他部署から結構なクレームを受けていたの」
卯月・凛「「え?!」」
6:
モバP「この前のサマフェス、何人参加したか覚えてる?」
凛「わたしたち14人に」
卯月「楓さんに美嘉さん、まゆちゃん、幸子ちゃん、藍子ちゃん、小梅ちゃん、輝子ちゃん、川島さん、小日向さん、堀さん、日野さん、十時さんで26人ですか」
モバP「あれにはウチの会社で曲を出してるアイドルのほとんどが出たんだけどウチのアイドルって百人以上いるんだ」
凛「えっ」
モバP「でもCDを出したり売れてるのはほんの一部。あとはウチで枠を持ってる番組に出したり単発の仕事しかもらえてないのが現状」
ちひろ「他の俳優部門や芸人部門から自分たちの領域にまで入ってくるな、って度々苦情が入っていて方向転換を迫られていたの」
モバP「売れてないアイドルを切捨てて上位陣だけにしよう、ってね」
卯月「ひどい」
ちひろ「それで今期の売り上げで今後の方針を決めようとしてたんだけど」チラッ
モバP「済みません、私の責任です!」ドゲザー
凛「それはもういいから!」
7:
ちひろ「まあそんなわけで急遽体制の変更が決まったの」
卯月「そうだったんですか」
凛「でもさ変じゃない?」
卯月「なにがです?」
凛「いや売り上げっていうならシンデレラプロジェクトって結構売れてきてるのに全部白紙っておかしくない?」
モバP「それだけどね」
卯月「なにかわかるんですか?」
モバP「俺の想像だけどいい?」
8:
モバP「常務の戦略は選抜したアイドルに集中した支援を行い大きな成果を狙うと言ってる」
凛「一部の人以外は見捨てるってことだよね、それって酷くない?」
モバP「うん、それは俺も同じだしほかのプロデューサーたちも同じ意見だと思う」
卯月「でも会議で常務に反対したのはわたしたちのプロデューサーだけだって聞きました」
モバP「俺たちサラリーマンからね、対案もなしに反論できないよ。それになによりこのままじゃいけないってのも分かってたんだよね、みんな」
凛「どういうこと?」
9:
モバP「346ってさ大企業じゃない」
卯月「はい」
モバP「でも業界内での位置はそれほど高くない。IA大賞どころか部門賞をとったことすらない。デビューしてるのに芸人と大差ないようなことしかしてない者だって多いしそれすらない者もいる」
卯月「……」
モバP「それでも給料はちゃんと出てるからなんとなく続けることができちゃう。別部署から仕事も貰えるから働けている気になってる」
凛「……」
モバP「外部の仕事をしようにもパイの数は決まっていて他所との奪い合いに弱いから結局は上のほうに仕事は与えられて下のほうには中々まわってこない」
卯月・凛「……」
モバP「なあなあで働いている人員。偶像と呼ぶには弱いアイドル。常務の改革はそのあたりをなんとかしようとプロジェクトを問わず売れてる人にリソースを集中させて他所の追随を許さないトップアイドルを作り出そうと考えてるんじゃないかな」
10:
卯月「それじゃあ切り捨てられた人たちは……」
モバP「だから俺たちも自分のアイドルは見捨てられないから積極的に賛成はできないししない。だけど反対も難しい。逆らって独立する力も状況を改善するアイディアもないからね」
凛「なにさそれ。わたしたちのプロデューサーみたいに『なんとかします』くらい言えないの?」
モバP「情けないけどそれができるなら最初からこんなことになってなかったよ。だから君たちのプロデューサーにはみんな期待してるし協力は惜しまないと思う」
ちひろ「ええ、皆さん何かできることがあれば協力するとおっしゃってくださいました」
モバP「ちひろさん!?」
ちひろ「私だって皆さんの力になりたいですから」
モバP「根回ししてました?」
ちひろ「ええ。さ、プロデューサーさんにこのことを伝えてあげましょう。きっと喜びますよ」
凛「そうだね、じゃあ行こうか」
卯月「はい凛ちゃん」
12:
ちひろ「モバPさん、なかなか面白いお話でした」
モバP「まああってるか分からないですけどね」
ちひろ「いえ何も考えずに現状を受け入れるよりはずっといいですよ。はやくお仕事に復帰できるといいですね」
モバP「ええ、でも前みたいなのは御免ですけどね」
ちひろ「ふふ、それじゃあお掃除がんばってください」
モバP「はい。ちひろさんもお仕事がんばってください」
ちひろ「………………思ったより反省してるようですし元の業務に戻してあげましょうか」
おしまい
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