【艦これ】提督「那智が好意に気づいてくれない」back

【艦これ】提督「那智が好意に気づいてくれない」


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2:
提督「――んだけど、どうしたらいいかな?」
妙高・足柄・羽黒「……………………」
提督「えっ、なにその沈黙」
足柄「いや、だって」
妙高「そもそも…」
羽黒「司令官さん、姉さんのことが好きだったんですか?」
提督「あれっ、気づかれてなかった?」
羽黒「はい、全く……」
3:
提督「うーん……毎日秘書艦に指名したり、毎回旗艦に任命したり、毎晩寝酒に付き合ったりしてたから、てっきり那智以外にはバレバレなのかと」
足柄「ああ…そう言われると、確かにそうかなって思うけど」
妙高「私たち姉妹の中で…いえ、重巡の中で最も早く着任したあの子に、戦友としての気安さで接しているものだとばかり思っていました」
提督「あー…那智の方はそう思ってるかもしれんが」
三人「でしょうねー」
提督「そう思うだろ? あいつにとって俺はどこまで行っても戦友でしかないのかなーとか考えるとさ、理由もなく焦るわけよ」
4:
妙高「それで、姉妹艦である私たちに相談を?」
提督「ああ。俺が那智と結ばれるため、ぜひ協力してほしい」
羽黒「私は姉さんにも司令官さんにも幸せになってほしいですから…協力します!」
足柄「あ?あ、那智が羨ましいわねぇ。提督と那智をくっつけたら、私もいい人探そうかしら」
妙高「…そうですね、提督は軽薄で規律に緩く、私生活もだらしない人間ですが、それでも成果を出している不思議な方です」
妙高「提督になら、那智を任せてもいいでしょう」
提督「妙高さんの発言になんか釈然としないけど、三人ともありがとう! それじゃあ早、策の提案を頼む――」
5:
 作戦一・酔った勢いで告白
提督「……いきなりド直球すぎないか?」
足柄「何言ってるの、こういうのは勢いよ、勢い!」
妙高「そうねぇ、那智みたいに鈍感だとその方がいいのかも」
羽黒(お酒の場で愛を告げるなんて…なんだかオトナな雰囲気でロマンチックかも///)
提督「むう……ひとまずやってみるか」
6:
 ――その夜
那智「…………」クイ
提督「よ、よう、那智」
那智「ん? …ああ、貴様か」
提督「一人か?」
那智「見ての通りだ。…よかったら、一杯どうだ?」
提督「そそそうだな、うん。せっかくだしな」
7:
足柄(提督ったら、目に見えて動揺してるわね)
妙高(あの人、いつも肝心なところで失敗しますから…心配です)
羽黒(はわぁ…グラスを傾けあう二人…絵になってるなぁ)
8:
那智「……」クイ
提督「……」クイ
那智「………」クイー
提督「………」クイクイ
那智「…………」フゥ
提督「…………」グビッ
9:
足柄(あ?、じれったいわねもう?)
妙高(仕方ないでしょう。そろそろ酔いで気が大きくなる…はずです)
羽黒(ドキドキ)
10:
那智「……何かあったか?」
提督「え! いや何も」
那智「そうか? ……いつもより随分ペースが早いようだが」
提督「あー…たまには、そんな日もある」
那智「……ふぅん?」
提督「…………」
那智「…まあいい。こうして貴様と飲む時間は……悪くない」ニコ
提督(キュン)
11:
妙高(ここです!)
足柄(提督、押して押して!)
羽黒(キャー///)
提督「那智……!」
那智「うん……?」
三人(ゴクリ…)
12:
隼鷹「――ヒャッハー! なっちゃん、今日もやってる??」
千歳「お酒は楽しく飲まないとね?……あら、提督」
三人(ズコー)
 そして始まる酒豪たちの宴……
 提督の意識は一時間も経たないうちに……
 眠りに落ちていった……
 作戦一 D 敗北!
13:
 作戦二・パンを咥えて曲がり角で激突
 ――翌朝
羽黒「お早うございます、司令官さん…」
提督「お早う、頭痛い……」ズキズキ
羽黒「あの、私も一応その、作戦を考えてみたんですけど…」
提督「おお、ありがとう……」ズキズキ
羽黒「その……パ、パンを咥えた状態で、曲がり角でぶつかるのはどうでしょうか!?」
提督「…………」
提督「あー……うん。ナルホドナー(棒」
羽黒「ダ、ダメですか……?(涙目」
提督「! い、いやあ素晴らしい考えだ! さすが羽黒、これで成功間違いなしだな! ハッハハハ」
羽黒(パアアアア)
提督(……こいつは難題だな)
14:
羽黒「……姉さんは毎朝、この廊下を通って食堂へ向かいます」
羽黒「私がタイミングを教えますから、合図したら飛び出してください」
提督「う、うむ……」
羽黒「…! 来ました!」ササッ
15:
羽黒(まだです……)
羽黒(待ってください、まだまだ……)
羽黒(近づいてきました……)
羽黒(もうすぐですよ……)
提督(…………)
羽黒(…………はい、今!)ドンッ
提督「うわたっ!?」
16:
那智「むっ!?」
 ドカッ、ドササー
提督「つつつ……」
那智「何かと思えば貴様か……一体何をやっている」
提督「す、すまん…」
那智「……なぜ食パンを咥えているのだ?」
提督「……気に留めないでくれ」
那智「? …まあいい。これから朝食だろう?」
提督「え? …あ、ああ、そうなんだよ」
17:
那智「昨夜は少し飲ませすぎたからな。二日酔いに効くものでも教えてやろうと思っていたところだ」
提督「おお、そりゃ助かる…」
提督(案の定と言うか、告白する空気にはなりそうもないが…)
提督(これはこれで成功と言えなくもないか? ありがとう羽黒…)
那智「何してる、行くぞ」
提督「おう…」
18:
羽黒「…………」
羽黒「うう……司令官さん、すみませぇん……(涙目」
 作戦二 B 戦術的勝利?
19:
 作戦三・とりあえずデートに誘うこところから
 ――同日昼
妙高「やはり無理がありました」
足柄「というと?」
妙高「鈍感な那智に、ヘタレな提督が、いきなり告白できるわけがありません」
足柄「冷静に考えると、確かに」
提督「えぇー…」
妙高「一緒に朝食を食べたぐらいで浮かれるとか……遅めの思春期でも来てるんですか?」
提督「…ぐうの音も出ない」
20:
妙高「まずは目標を一歩下げて、那智をデートに誘いましょう」
羽黒「で、でぇと!///」
提督「でぇー…十分ハードル高いよ…」
妙高「だまらっしゃい」
提督「ハイ」
妙高「心配しなくても那智はデートだとは思いませんよ、おそらく。提督も変に意識せず軽い気持ちで誘って下さい」
妙高「自然体の那智と提督がどんな様子なのか……それを見て次の策を練ります」
提督「なるほど、分かった。……努力してみます」
妙高「…………『やります』と、言いなさい?」ニコ
足柄(ヒィッ)
提督「……や……やります」ガクブル
21:
 ――同日午後
那智「…………」テキパキ
提督「…………」ボンヤリ
那智「……おい、手が止まってるぞ」
提督「……ん、ああ、すまん」
那智「…………」チラッ
提督「…………」ソワソワ
那智(やはり昨日から、様子がおかしいような……?)
22:
提督(…………よし、言うぞ)
提督「…………なぁ」
那智「…何だ?」
提督「明日さぁ、お互い休日だろう?」
那智「ああ…そうだな」
提督「んー……よかったら、一緒にどっか出かけないか?」
那智「…………」
那智「ああ、構わんよ」
提督(ホッ)
那智(……何か相談事だろうか?)
23:
 ――執務終了後
那智「…………」スタスタ
足柄「那智?、ちょっといい?」
那智「…足柄か。何だ?」
足柄「明日ショッピングに出かけるつもりなんだけどぉ、暇なら一緒に来てくれないかしら?」
那智「…無理だ。悪いが、司令官と先約があるのでな」
足柄「ふ?ん……デート?」ニヤ
那智「馬鹿を言え。昨日今日と、何やら妙な様子だったからな。何かの相談だろう」
足柄(……うーん、脈なしか)
足柄「…ま、そういうことなら仕方ないわね。妙高姉さんにでも頼んでみるわ、それじゃ」
24:
足柄「――といった様子だったわ」
妙高「やっぱりデートという発想はないみたいね。それにしても提督の不器用さといったら……」
足柄「ともかく、これでどうなるか様子見ね」
妙高「本当、どうなるんだか…」
羽黒(はぐぅ、自分のことじゃないのに緊張して眠れそうにないよぅ///)
25:
足柄「――といった様子だったわ」
妙高「やっぱりデートという発想はないみたいね。それにしても提督の不器用さといったら……」
足柄「ともかく、これでどうなるか様子見ね」
妙高「本当、どうなるんだか…」
羽黒(はぐぅ、自分のことじゃないのに緊張して眠れそうにないよぅ///)
26:
 ――翌日
提督(ドキドキ)
那智「悪いな、待たせたか?」
提督「! い、いや、今来たところだ」
那智「そうか」
提督「えーと……そう、とりあえず、昼でも食べに行くか」
那智「そうだな。歩けばちょうどいいくらいか――」
27:
妙高(――海沿いに歩いた後、やはり海の見える年季の入ったレストランで昼食……)
妙高(書店で時間を潰した後、寂れた映画館に行き……)
妙高(その後、古ぼけた喫茶店で一服した後……)
足柄「あー……何だって休日にこんな労苦を……」ゼエゼエ
妙高(山の中腹の展望台に向かう、と……)
妙高(ベタというか凡庸というか……そもそも選んだお店がすべてレトロな雰囲気なのはいったい……)
羽黒(今日の二人…お店の雰囲気と相まってますます絵画みたいだったなぁ…)
29:
提督(ゼェハァ)
那智「おい、情けないぞ。もう少しだからしゃっきりしろ」
提督「は?(ゼェハァ)別に(ゼェハァ)疲れてなんて(ゼェハァ)ねーし…」
那智「そうか。……なら、もう少し足をめても問題ないな」
提督「! …も、問題ねーし」ゼハーゼハー
那智(クスッ)
30:
 ――夕刻
提督「あ゛ー、やっと着いた……」
那智「まったく、だらしないな」
足柄(……そう言いつつ肩を貸してあげているあたり、那智もまんざらではなさそうなんだけど)
妙高(というか、自分からこの場所を提案しておいてあの体たらく……本当にもう、提督ときたら……)
羽黒(で、でも、夕暮に染まる空と海がとても素敵ですよ)
31:
提督「おお……」
那智「ほう、これは……」
那智「夕焼けの影響もあるが……こうして離れて見てみる海というのも、悪くないな」
提督「そう言ってもらえると、頑張って登った……もとい、誘った甲斐がある」
那智「そうか…」
提督「ああ…」
32:
那智「…………」チラ
提督「…………」ハレバレ
那智「……少しは、気が晴れたか?」
提督「へ……?」
那智「先日から、何かは知らんが何事か悩んでいるのだろう?」
提督「あ、いや…」
那智「話せないというのなら、無理には聞かん。だがな」
那智「私でよければいつでも気晴らしに付き合ってやる。相談にも乗ってやるし、貴様を支えてやる」
那智「それだけ、覚えておいてくれ」
提督「…………那智」グイッ
那智「ん……!?」
三人(!!)
33:
提督(……思わず抱きしめてしまった)
那智「…………」
提督(……嫌がられてはいないようだが)
提督(……ままよ)
提督「那智」
那智「何、だ……?」
提督(スゥーッ…… ハァーッ……)
提督「――好きだ、那智」
那智「ん…?」
提督「俺は、お前が。女として。好きだ」
那智「んん!?」
足柄「言ったッ……!」
羽黒(足柄姉さん、声が大きい!)
34:
那智「き、貴様、何を言って……!」
提督「戦力として、期待している。秘書として、信頼している。戦友として、敬意を抱いている」
提督「だがそれ以上に……異性として、好きなんだ」
那智「それは……わ、私は……」
提督「好きだ。愛しい。慕っている」
那智「ま、待て!」
提督「大好きだ。愛している。添い遂げたい」
那智「わ、分かった、から……だから一度、離してくれ……」
提督「……無理だ」ギュッ
那智「え……?」
提督(愛しさが……止められない)
35:
提督「お前を離したくない。その凛々しい瞳に見つめられたい。その長い黒髪を梳いてやりたい」
提督「お前の戦う姿が好きだ。楽しそうに酒を飲む姿が好きだ」
提督「泣いている駆逐艦を不器用にあやす姿が、時折見せる難しげな顔が、急な告白に戸惑い、照れるその表情が――どうしようもなく好きだ」
那智「????!!」
提督「お前のことをもっと知りたい。お前にもっと近づきたい。お前にずっと側にいてほしい……」
那智「??っ、すまん、もう無理だ!」ガシッ
提督「え?」
提督(那智に腕を掴まれた――と思った次の瞬間)
提督(俺の体は浮き上がり、地面が近づき――視界が暗転した)
36:
提督(…………)
提督(…………?)
提督(……何か、優しさに包まれているかのような柔らかな感触が……)
那智「……き、気が付いたか?」
提督「う……那、智……?」
那智「その……さっきはすまかった」
那智「きゅ、急にあんなことを言われて、どうすればいいか分からなくなってだな」
提督(……徐々に意識がはっきりしてきた。俺は那智に膝枕されているようだ。恥と照れで赤面している那智も可愛い」
那智「ま、またそんなことを!」
提督(声に出てた)
37:
提督「俺の方こそ、困らせてしまってすまない」
那智「あ、謝らないでくれ」
那智「…………」
那智「…………そ、それで、な」
提督「ん?」
那智「先ほどの…貴様の、その…(ゴニョ)こくはく(ゴニョ)…に対する…返事なんだが…」
提督「…………」ゴクリ
那智「…………」キュッ
提督(那智の手……)ギュッ
38:
 ※ゲーム内でのケッコン(仮)セリフを使用してます。一応ネタバレ注意で
那智「私は貴様を…なんというか…嫌いでは、ない」
提督「……それはつまり、『好き』ということか?」
那智「……そういうことに、なるか」
那智「……と、ともかく! 私と共に在れば、もっと大きな勝利を約束する。絶対だ」
提督「……それは、この先もずっと側にいてくれるということか?」
那智「い、いちいち確認するな! ……まあ、つまりはそういうこと、だ」
妙高(……いい加減、退散しましょうか)
足柄(そうね)
羽黒(はぐぅ…///)
39:
提督「那智……」
提督(握った手は離さず、もう片方の手を那智のうなじにかける。そしてそっと力を加え、頭を下げるよう促す)
那智「言葉だけでは、足りないか……?」
提督(足りるわけがない。初めて出会ってから今まで、どれだけ悶々とした日々を繰り返したことか)
提督(那智は抵抗しない。かすかに潤んだ瞳が近づく。那智が目を閉じる。那智の吐息が俺の肌に触れる――)
那智「んっ……」
提督「…………」レロ
那智「…………」ピクッ
提督「…………」レルレロ
40:
那智「…………ぷはっ」
提督「…………幸せすぎる」
那智「…………」ボー
提督「那智?」
那智「…………駄目だ、もう」
提督「?」
那智「……好きを意識するのが、こんなに落ち着かないとは……」
提督「…………」グイッ
那智「んむ!? …………んんっ、ぷは」
那智「貴様……この……ばかぁ」
提督(愛しい……)
提督「……これからもよろしくな、那智」
那智「……ああ、よろしくお願いする」
 ――そしてもう一度、口づけを交わす
 作戦三 S 完全勝利!!
41:
Extra Operation・翌日の二人
 ――朝
提督「……お、お早う」
那智「あ、ああ……」
提督「えーと……仕事しようか」
那智「うむ……」
42:
 ――昼
提督「……腹減ったな」
那智「そう、だな」
提督「食堂行こっか……」
那智「うむ……」
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