武内P「おいでよ シンデレラの森」back

武内P「おいでよ シンデレラの森」


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1:
運転手「なぁ、お客さん…」
運転手「今って2015年6月7日午後6時27分で合ってっか?」
「はい」
運転手「だったらいいだ、この時計よくおかしくなるもんだからよ」
3:
運転手「しっかし、この雨もずいぶんと長いこと降ってるだな」
「そうでしょうか?」
運転手「まぁ、感じ方っつーのは人それぞれだけどよ」
4:
運転手「…そういやお客さん、名前はなんてーんだ?」
「…です」
運転手「ふぅん、プロデューサーか。その名前気に入ってるだか?」
「い、いえ…私は」
運転手「まぁ、カッコイイかどーかはビミョーだけんど、スモウとか強そうなオトコらしい名前だな!」
「…」
5:
運転手「ところで…ここまで走ってきちまって何だけど、これから行くのってどこだったっけ?」
「346村です」
運転手「へへっ、ジョークだべジョーク!346村だったよな」
「はい」
運転手「それはそうと、346村には何しに行くだ?」
「引っ越しです」
運転手「あぁ、引っ越しね。…その割には荷物少なくないだか?」
6:
運転手「それにしても良い若いのが346村とはな…それなりに味はあるけどよ、あそこはなかなかヘンピな土地だぞ?」
運転手「いってぇ346村のどこがそんなに気になったんだ?」
「お店です」
運転手「ふーん、男の考えるコトってのはまぁそんなもんか」
7:
運転手「話は変わるけどよ、お前さんって見るからに金持ってなさそうだが…」
運転手「先立つモンはちゃんと持ってんだろうな?」
「…」
運転手「…まぁいいや、そろそろ目的地の346村に着くだよ」
運転手「おっ、いつの間にか雨も上がり始めたみたいだべ」
8:
運転手「さぁ、着いたべ。ここが346村だ」
運転手「詳しいことはそこの役場で聞いてくんろ」
運転手「そんじゃ、タクシー代2500マニーを頂くべ」
――――チャリッ
運転手「…ん、確かに。じゃ、グットラック!」
――――ブゥゥゥン
9:
――――ガチャッ
「すみません」
美波「あ、はーい。こちらは346村の役場です…」
美波「と、その前に1つ伺わせて頂きます」
美波「『役場』って、読めますか?」
「…」
10:
美波「大丈夫みたいですね。では、そのように登録させて頂きます」
美波「ところで、今日はどうされましたか?」
「引っ越してきました」
美波「…あぁ!あなたが例の…初めまして!」
美波「私はここで窓口をしている美波と申します」
美波「あなたのコトは、ちひろさんからちゃんと伺っていますよ」
11:
美波「新しくこの村に住む人のために、住み心地の良いおうちを用意してあげたって、ちひろさん最近ご機嫌でしたから」
「そ、そうですか…」
美波「さて、色々な人のおうちが建っている346村ですけど、あなたのおうちはちひろさんのお店の近く…ここになります」
美波「鍵はポストの中にあるので、それを使ってくださいね」
「ありがとうございます」
美波「では、今後ともよろしくお願いします!プロデューサーさん」
13:
【自宅 午後7時00分】
――――ガチャッ、バタン
「………」
一階には段ボール箱の上にろうそく、そして音楽プレイヤーが置いてあった
二階にはベットと電話が置いてあり、なぜか一階より部屋が広かった
「…時計がずれていますね」カチッ
【自宅 午後6時00分】
――――グニャッ
「…?」
14:
【自宅前 午後6時10分】
――――ガチャッ、バタン
ちひろ「あっ!あなたはもしかして、先日この家を注文されたプロデューサーさんですよね?」
「はい」
ちひろ「なんとかこちらに来られるまでに間に合ってよかったです」
ちひろ「どうですか?けっこう住みやすそうなおうちですよね?」
「そ、そうですね」
15:
ちひろ「まぁ住んでいるうちに慣れてきますから、大丈夫ですよ」
ちひろ「私はこの村でお店をやっているちひろと申します」
ちひろ「お店以外にも色々とやっているので、何かあったら気軽に声をかけてくださいね」
「ありがとうございます」
16:
ちひろ「とりあえず、注文があったおうちの代金を請求させて頂きますね」
ちひろ「そちらが払い終わり次第、他の注文もお受けいたしますので」
「はい」
ちひろ「では、おうちの代金とその他諸費用を合わせて…19800モバコインになります」
「…え?マニーじゃないんですか?」
18:
ちひろ「ごめんなさい、その通貨ではお支払頂けません」
ちひろ「建築物関連のお支払はモバコインのみで対応しているので…」
「そ、そうなんですか…」
ちひろ「でも大丈夫です!お金儲けのことなら私に任せてください」
ちひろ「しばらくは私のお店でアルバイトをしてもらって、その後のことはプロデューサーさんにお任せします」
ちひろ「この村のことも色々とお教えするので、一石二鳥だと思うのですが…どうですか?」
「…」
ちひろ「いいですか?いいですよね?いいに決まってます!ではそういうことで」カキカキ
19:
ちひろ「それじゃあ明日の午前6時00分に私のお店に来てくださいね」
「…はい」
ちひろ「くれぐれも遅刻しないように、ではおやすみなさい!」
「…」
26:
【ちひろ商店 午前5時45分】
「おはようございます」
ちひろ「あ、プロデューサーさん!おはようございます」
ちひろ「それではさっそく、この作業着に着替えてください」
ちひろ「その後お店の後ろにあるビニールハウスで、農作業をしてもらいます」
「農作業…ですか?」
ちひろ「はい、うちで販売しているエナドリの原料の栽培です」
ちひろ「道具と苗は全て向こうにあるので、とりあえずお昼まで頑張ってくださいね」
「分かりました」
27:
【ちひろ農場 午後12時00分】
――――ザックザック
「…ふぅ」
ちひろ「だいぶ慣れてきましたね、その良い調子です!とりあえずお昼なので休憩してください」
「ありがとうございます」
28:
ちひろ「そういえば、プロデューサーさんは346村の皆さんに挨拶はしましたか?」
「…いえ、まだです」
ちひろ「でしたら、休憩中に行ってきてください。家の中に入る時はちゃんとノックするようにしてくださいね」
「…分かりました、行ってきます」
29:
【役場前 午後12時10分】
「こんにちは」
卯月「あ、こんにちは?。えーっと、初めましてですよね?」
「はい、先日引っ越してきた…と申します」
卯月「プロデューサーさんですね、よろしくお願いします。私は卯月です!」
卯月「趣味は…友達と長電話することです。特に凜ちゃんや未央ちゃんとはよく電話してます!」
卯月「何か困ったことがあったら、何でも言ってくださいね!」
「はい、よろしくお願いします」
31:
【関所 午後12時20分】
凛「待って、ここは他の村との境目、許可証がないと通せないよ」
「あ、いえ私は…」
凛「…引っ越しの挨拶?ふーん、あんたがちひろさんが言ってた新しい住人?」
凛「私は凛、今日は亜季さんに頼まれて門番の代わりをやってるだけだから、まぁバイトみたいなものかな」
凛「…とりあえず、これからよろしく」
32:
【未央の家 午後12時30分】
――――コンコンガチャッ
「失礼します」
未央「おやおや?見知らぬ人が私の家に…ま、まさか強盗!?」
「違います」
未央「なんだつまんないの、まぁうちに盗るようなものないけどねーあはは!」
未央「私未央!たぶんちひろさんが言ってた新しく住む人だよね?」
「はい」
未央「やっぱり!ようやくこの村も少しずつ人が増えてきたみたいで何よりだよ!」
未央「今日からよろしくね、プロデューサー♪」
33:
【ちひろ商店 午後12時40分】
「戻りました」
ちひろ「あ、お帰りなさい!ちゃんと皆さんに挨拶できましたか?」
「はい、とても良い人達ばかりでした」
ちひろ「私もそう思います。3人とも子犬みたいで可愛らしいですよね」
ちひろ「あ、そうだ。帰ってきて早々に悪いのですが、この荷物を美嘉ちゃんに届けてもらえますか?」
ちひろ「エイブルシスターズという仕立て屋さんを経営されているので、すぐに見つかると思いますよ」
「分かりました」
40:
【エイブルシスターズ 午後12時50分】
――――ガチャッ
凸「いらっしゃいませー!!」
「こんにちは」
きらり「一名様?ごっあんなーい!!」
莉嘉「ねぇねぇ何にする何にする?こっちの服とか絶対似合うと思うんだけど!!」
みりあ「それとも一緒に何か作る?かわいい小物とかも作れるよ!」
「い、いえ…今日はお店に来たのではなく」
美嘉「はいストーップ、もー皆気合入りすぎ!」
莉嘉「えー」
美嘉「えーじゃない!とりあえず私が話すから少し待ってて」
莉嘉「ぶー」
41:
美嘉「ごめんねーびっくりしたでしょ?」
「い、いえ…」
美嘉「それで、今日はどうしたの?見たところお客様って感じで入ってきたわけじゃなさそうだよね?」
「はい、私は…」
美嘉「へー昨日引っ越してきたんだ、それに昨日の今日でちひろさんのところでアルバイト?すごいねー」
美嘉「あ、荷物ありがと♪これで新しい服が作れるよ」
42:
美嘉「そだ、こっちも自己紹介しとかないと!私は美嘉!この仕立て屋『エイブルシスターズ』の店長なんだ!」
美嘉「そして、こっちが妹の莉嘉!」
莉嘉「よろしくね?!このお店セクシー担当だから、際どい衣装とか作りたかったら私に言ってね?」
美嘉「はいはい、あと5年経ってから言ってよね」
43:
美嘉「んで、こっちがお手伝いの…」
きらり「にゃっほーい!きらりだよ☆えーっと、このお店のハピハピ担当だから、皆をきらりんのきゅんきゅんぱわーで、心も体もスッキリさせちゃうよぉ!!」
美嘉「うん、その調子でガンガンお願いね!最後にもう一人お手伝いとして働いてもらってるのが…」
みりあ「みりあです!まだまだやれることは少ないけど、一生懸命頑張るよ!!」
莉嘉「ラブリー担当なのも忘れないでね!」
みりあ「あっ、そうだった!」
44:
――――ワイワイキャッキャ
美嘉「…とまぁ賑やかだけど、今後ともうちをご贔屓にってことで、よろしくね!」
「よろしくお願いします」
45:
【ちひろ商店 午後1時00分】
ちひろ「あ、お疲れ様です。ちょうど休憩時間内に終わりましたね」
ちひろ「それでは、引き続き農作業の方に戻って下さい。午後6時頃にちょうど良いタイミングで切り上げて頂いて結構ですので」
「あ、はい」
46:
【ちひろ商店 午後6時00分】
ちひろ「では、今日はここまでということで」
「お疲れ様でした」
ちひろ「はい、明日もよろしくお願いします」
ちひろ「本日のバイト代はローンから引いておきますので、これからも頑張って下さいね」
「はい、それでは失礼します」
【ローン残高:12600モバコイン】
47:
【ちひろ商店 午前5時50分】
「おはようございます」
ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん」
ちひろ「今日も農場で作業をしてもらいますが、この手紙を役場に出しておいてくれませんか?」
ちひろ「また、この荷物を博物館にいるアナスタシアさんにお昼頃届けて来てください」
ちひろ「昼食は博物館にある喫茶店で食べてきて構わないので、私のおごりです」チャリッ
「分かりました、ありがとうございます」
48:
【役場 午前6時00分】
「…」
杏「…あー、何だ客か」
「え…と、あなたは?」
杏「おはようございます、346村郵便窓口です。用件は何でしょうか?」
「あ、あの…美波さんは今日は…」
杏「用件をどうぞ」ニコッ
「…」
49:
【役場前 午前6時10分】
美波「あ、プロデューサーさん。おはようございます」
「おはようございます、今から出勤ですか?」
美波「はい!ちょっと早いですけど、昨日杏ちゃんにお仕事を引き継いで貰ったので、そのお返しに早めに代わろうかなって思いまして」
「なるほど、あの方は杏さんというのですね」
美波「えぇ、もしかして杏ちゃん挨拶しなかったんですか?すみません、根はとっても良い子なんですけど…」
「いえ、お気になさらず。また機会があれば話をしてみようと思います」
美波「お願いします。これからも杏ちゃん共々、よろしくお願いしますね!」
50:
―――青年農作業中―――
51:
【博物館 午後12時10分】
「あの、失礼します」
蘭子「…くっくっく」
「…?」
蘭子「どうやら我が城に迷い込んでしまったようね(博物館にようこそー)」
「城?」
蘭子「ここは闇の眷属のみが立ち入ることを許される禁断の聖域、あなたはその資格を持っているかしら?」
「…闇の眷属が立ち入る場所なのに、聖域なのですか?」
蘭子「…」
「…」
52:
蘭子「や、闇の眷属として認めて欲しくば、多くの貢物を渡すが良い(お魚とか化石とかを寄贈してください!)」
蘭子「さすれば我が下僕として仕えさせてやろうぞ!(この村の発展のため、よろしくお願いします)」
「はぁ」
蘭子「期待している、ナーッハッハッハ!!」
53:
【博物館2F 天文台 午後12時20分】
アーニャ「…zzZZ」
「…」
アーニャ「…ん、んん」
「!」
アーニャ「…こんにちは?」
「…こんにちは、すみません起こしてしまったようで」
アーニャ「ニチヴォー…気にしないでください。…あなたは?」
「私は先日引っ越してきた…です」
アーニャ「…あぁ、あなたがそうなのですね」
アーニャ「ミーニャ ザヴート アーニャ。…えぇと、アーニャはニックネームです。私はアーニャ、アナスタシアです」
アーニャ「よろしく、プロデューサー」
「…よろしくお願いします」
54:
アーニャ「荷物を届けに?…スパシーバ、プロデューサー」
「確かにお届けしました」
アーニャ「もし時間があれば、ズヴィズダ…あー、星を見に、また来てください」
アーニャ「私は良くここにいますから」
「はい、機会があれば必ず」
55:
【博物館地下1階 喫茶店 午後12時30分】
李衣菜「へー、ちひろさんのところでバイトしてるんですか。それは…大変ですね」
「…えぇ、まぁ」
李衣菜「大したもの用意できませんけど、ゆっくりしていってください」
「ありがとうございます」
「…ここは、音楽コンサートも行われているのですか?」
李衣菜「はい!私の友人になつきち…夏樹っていうギタリストがいるんですけど、彼女のために作ったんです」
李衣菜「毎週土曜日に演奏してるんで、ぜひ見に来てください!」
「はい、時間があれば来させて頂きます」
56:
【ちひろ商店 午後6時00分】
ちひろ「今日もお疲れ様でした。この分なら明日には払い終わりそうですね」
ちひろ「明後日からはどのように行動されても構いません」
ちひろ「自由にこの村での生活を楽しんでくださいね?」
【ローン残高:5400モバコイン】
57:
【役場前 午後12時20分】
「…」
きらり「あっ!Pチャン、どしたのー?」
「いえ…ちひろさんに頼まれて掲示板に宣伝を書きに来たのですが…」
きらり「んー?」
みく「時代は猫耳にゃー!皆この猫耳をつけて、一大ブームの先駆けになるにゃー!!」
みりあ「にゃー♪」
莉嘉「にゃー♪」
凛「なんで私まで…」
58:
きらり「あっ、ししょー!!」
「ししょー?」
きらり「うん!猫キャラのお師匠さんで、皆に猫耳の素晴らしさを教えているんだって!」
「猫耳の素晴らしさ…ですか」
みく「!」
みく「そこのあなた、今猫耳のこと馬鹿にしたでしょ!!」
「い、いえそのようなつもりは…」
みく「言い訳無用にゃ!罰としてこの猫耳をつけるにゃー!!」
「!?」
59:
【ちひろ商店 午後12時50分】
ちひろ「あ、お帰りなさいプロデュ…!?」
ちひろ「ど、どうしたんですかその…ぷふっ、ねこみみ…ふふっ」
「…」
73:
【ちひろ農場 午後4時20分】
――――ガタッ
「?」
かな子「ううっ…」フラフラ
――――ドサッ
74:
「!」
「だ、大丈夫ですか!?」
かな子「お…」
「何があったんですか?しっかりしてください!」
かな子「お腹が…」
「お腹?腹痛ですか?」
――――ぐぅぅ
「…ん?」
かな子「お腹が空きました…」
75:
「これ、お昼に食べるつもりだったおにぎりですが…よろしければどうぞ」
かな子「本当にいいんですか!?ありがとうございます、ありがとうございます!!!」モグモグ
「…」
かな子「…んぐ、美味しかったですぅ!ありがとうございました!!」
「…あぁ、お粗末様です。お茶もどうぞ」
かな子「いいんですか?頂きます!!」
76:
「…あなたは?」
かな子「かな子って言います!美味しいお菓子を求めて世界中を旅しているんですけど、ちょっとお金が足りなくなってきちゃって…」
かな子「二日ほど我慢してたんですけど、気が付いたらこんなことに…ごめんなさい、迷惑をかけてしまって」
「いえ、それは構いませんが…無理はしない方がいいと思います」
かな子「ですよね…はぁ、どこかでバイトしようかな」
「…なら、この村で働くというのはどうでしょうか?」
かな子「え?この村に働ける場所があるんですか!?」
「はい、ちひろさんに頼めば働き口を紹介してもらえると思います」
77:
かな子「ぜ、ぜひお願いします!良かったぁ…このままだとまた倒れちゃうところでした」
「ただ、どのような仕事かは分からないので、詳しいことはちひろさんに聞いてみてください」
かな子「わ、分かりました!」
「では、ちひろさんのいる場所まで案内します。色々と聞かれるかもしれませんが、頑張ってください」
78:
【ちひろ農場 午後6時10分】
ちひろ「おめでとうございます、プロデューサーさん。これでおうちの代金19800モバコイン、全て返済されました!」パンパカパーン
「ありがとうございます」
ちひろ「プロデューサーさんが一生懸命働いてくれたおかげで、溜まっていたお仕事が全て片付きました」
ちひろ「農場の方もかな子ちゃんに引き継いでもらうので、問題ないですね」
79:
ちひろ「…ところでプロデューサーさん、今住んでいるおうちが小さいと感じたことはありませんか?」
ちひろ「プロデューサーさんが望むなら、今のおうちより大きく改築することが出来ますが…どうでしょう?」
「そ、そうですね…とりあえず保留ということで」
ちひろ「…」
ちひろ「そうですか、気が変わったらいつでも言ってくださいね」
「はい、その時はお願いします」
80:
【自宅の隣の空き家 午後6時30分】
――――ドサッ
「…?」
智絵里「はぁ、はぁ…」
智絵里「…んっ」グッ
――――ヨロヨロ
81:
「…あの、大丈夫ですか?」
智絵里「!?」ビクッ
「!」
智絵里「あっ」フラッ
「危ない!」グイッ
――――ガシッ
82:
智絵里「うう……あれ」
「怪我はありませんか?」
智絵里「あ、ああっ!ご、ごめんなさい!!」
「いえ、お気になさらず。私も急に話しかけてしまって、すみませんでした」
智絵里「…あ、あの、あなたは?」
「私は隣の家に住んでいる…です。あなたはもしかして、今日ここに引っ越されたのですか?」
智絵里「え、えっと…」
「…ちひろさんの紹介ですよね?」
智絵里「…は、はい」
「…」
83:
「…この荷物、家の中まで運びますよね?手伝います」
智絵里「…え!?そ、そんな…これ以上迷惑かけるなんて」
「先ほど驚かせてしまったお詫びです、明日からやることもないので、手伝わせてください」
智絵里「で、でも…」
「…では、こうしましょう」
「後日あなたにお願いしたいことがあるので、それを聞いて頂くというのは?」
「また、それを聞くかどうかも、その時に考えてもらって構いません」
智絵里「…」
「どうでしょうか?」
84:
智絵里「…ほ、本当にいいんですか?」
「はい」
智絵里「………」
智絵里「…よ、よろしくお願いします」ペコッ
「了解しました、割れ物などはありますか?」
智絵里「えっと、確か…」
87:
【智絵里の家 午後7時00分】
「…これで最後ですね」
智絵里「はい…そうです」
「出来れば整理も手伝いたいところですが…見られたくないものもあるでしょうし、私はこれで失礼します」
智絵里「あ、あのっ…ありがとうございました」
「どういたしまして」
「…ところで、一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
智絵里「?」
88:
「あなたのお名前は何ですか?」
智絵里「…ぁ」
智絵里「ご、ごめんなさい!私、名前も言わないで手伝ってもらっちゃって…」
智絵里「…私の名前は、智絵里、です」
「智絵里さんですね、よろしくお願いします」
「何かあったら気軽に声をかけてください、私も最近引っ越してきたばかりなので、お互い助けあっていきましょう」
智絵里「は、はい…よろしくお願いします!」
89:
【自宅 午前5時00分】
「…」パチッ
「…」
目が覚めてしまった…
90:
【自宅前 午前6時00分】
「…」スー
「…」ハー
「…!」
「おはようございます」
91:
智絵里「ぇ?…あ!お、おはようございます」
「早いですね、いつもこの時間には起きていられるのですか?」
智絵里「え、えと…いつもはもう少し遅いんですけど、目が覚めちゃって」
「あぁ、分かります。私も寝る場所が変わると早く目が覚めることがよくあります」
「慣れてしまえばいつも通りの生活を送れるようになると思うので、それまでの辛抱ですね」
智絵里「そ、そうだといいんですけど…」
92:
「ところで、今は何をなさっていたのですか?」
智絵里「…」
智絵里「…よつばのクローバーを、探してました」
「よつばのクローバー?」
智絵里「は、はい…その、変でしょうか?」
「いえ、そんなことはないと思います」
「よつばのクローバーといえば幸運を運ぶシンボルとして有名ですし、見る人を幸せにするとても素晴らしい植物だと思います」
智絵里「そ、そうですよね!」ズイッ
「!」
93:
智絵里「私もよつばのクローバーのお話を聞いて、とっても素敵だなって思うようになったんです」
智絵里「そ、それに夏至の夜に摘草をすると薬草や魔除けの力があるって昔は信じられていたらしくて…」
智絵里「きっとその日に摘まれたよつばのクローバーにお願いすれば、どんなお願いごとでも叶うと思うんです」
智絵里「だから私、今年はその日に合わせてよつばのクローバーを見つけて……」
智絵里「…」
94:
智絵里「//」ボンッ
智絵里「ご、ごごめんなさい!私…聞かれてもいないのに勝手に…」
「…智絵里さんは、本当によつばのクローバーがお好きなのですね」
智絵里「…その、子供っぽくないですか?」
「何かに夢中になることは、とても良いことだと思います」
「他の方がどう思われているかは分かりませんが、私はそうは思いません」
「智絵里さんは、とても魅力的な(趣味をお持ちの)女性だと思います」
智絵里「ふぇ!?//」
95:
「…そろそろ7時ですね。では、私は会いたい人がいるので失礼します」
「頑張ってよつばのクローバーを探してくださいね」
智絵里「…は、はい」
「では、また」スタスタ
智絵里「……」
智絵里「…うぅ//」
96:
【役場前 午前7時00分】
「お疲れ様です」
杏「…」
杏「誰?」
「…先日引っ越してきた者です。昨日、早朝に手紙を出しましたよね?」
杏「……」
杏「あぁ、そういえばそうだっけ」
杏「…で、そのプロデューサーが何の用?杏夜勤明けで早く帰って寝たいんだけど」
「お疲れのところ申し訳ありません。今日はお願いがあってきました」
杏「…お願い?」
「はい、もしよろしければ…」
「私に話をする機会を与えていただけないでしょうか?」
97:
杏「…なんで?」
「この村で暮らすにあたって、ぜひ住人の皆さんとは仲良くなりたいと考えています」
「そのためには、皆さんと会話を行い、お互いのことを良く知ることが一番だと考えました」
「なので、その第一歩として杏さんと話がしたいと思ったのですが…どうでしょうか?」
杏「…変わってるね、プロデューサー。皆と仲良くなりたいとか、今時考えないよそんなこと」
杏「しかも最初に杏と話がしたいだなんて、変わってるというかおかしいと思うなぁ」
「…だめでしょうか?」
杏「…」
杏「…はぁ」
98:
杏「…喫茶店夜の9時」
「!」
杏「来たかったら好きにすれば?まぁ、杏がいるとは一言も言ってないけど」
「ありがとうございます、お会いできる日を楽しみにしています」
杏「…変なの」
105:
【卯月の家周辺 午前8時10分】
卯月「あっ!プロデューサーさん、おはようございます!」
「おはようございます。その恰好は…釣りに行かれるのですか?」
卯月「はいっ!凜ちゃんと未央ちゃんも一緒なんですけど、良かったらプロデューサーも一緒にどうですか?」
「良いですね、ただ…私は釣竿を持っていないので、購入してから合流します」
卯月「分かりました!では、海岸に集合ということで良いですか?」
「はい、なるべく早く向かいますね」
106:
【海岸 午前9時10分】
未央「おーいプロデューサー!こっちこっち」
「…お待たせしました。凜さん、未央さん、おはようございます」
未央「おはよー!」
凛「おはよう」
未央「…って、プロデューサー?『未央さん』はやめてって前言わなかったっけ?」
「…すみません、ついいつもの癖で」
未央「どうせなら丁寧口調もやめていいよ?」
「それは…ちょっと」
107:
凛「…私も、そういう堅苦しいの嫌いだから呼び捨てでいいよ」
卯月「あっ、なら私もお願いします!」
「えっ…は、はい」
未央「さてさて、プロデューサーの口調の件は置いとくとして、釣りだよ釣り!」
未央「一番大物を釣った人が勝ちで、しょぼい人は罰ゲームね」
凛「…聞いてないんだけど?」
未央「今考えたから!一番しょぼい人は…一発芸でもしてもらおっかなぁ」
卯月「一発芸?」
未央「ものまねでも自爆芸でも何でもおっけーだよ!時間はお昼までね」
凛「あのさぁ…はぁ」
未央「それじゃあ、よーい…スタート!!」ダッ
108:
【ちひろ商店 午後12時10分】
「こんにちは」
ちひろ「あぁプロデューサーさん、釣竿の調子はどうでしたか?」
「非常に良好でした。魚の買取をお願いできますか?」
ちひろ「はい、持ってきて下さったんですね。えーっと、アジやスズキ…タイもありますね」
ちひろ「…え?これ、マンボウですか?良く釣れましたね」
「運が良かったです」
109:
【ちひろ農場 午後12時30分】
「だ、大丈夫ですか?」
かな子「…は、はいぃ」
「初日はきついと思いますが、慣れれば楽になると思うので…頑張って下さい」
かな子「ぷ、プロデューサーさんは一日でこの量をやってたんですか?」
「そうですね。最初は8時間ほどかかっていましたが、最終日は6時間ほどで一日の作業を終われるようになりました」
「一つ一つの作業を丁寧に、且つ早くすることが効率につながると思います」
かな子「な、なるほど…」
110:
かな子「あ、そうだ。私おやつにクッキーを焼いてきたんですけ…良かったら食べてください」
「よろしいのですか?」
かな子「このままだと全部食べきれそうにないので…」
「では、いただきます」
かな子「はい!毎日作って持ってくるので、良かったらまた来てくださいね」
111:
【エイブルシスターズ 午後1時20分】
美嘉「うーん…何か違うなぁ」
「…」
きらり「うにゅー…じゃあこっちの服はどーお?」
莉嘉「えーもっと渋いのがいいよ!これとか凄くワイルドでいいんじゃない?」
みりあ「あっ!こっちの服も着てみて着てみて!」
「あ、あの…やっぱり今日はやめ…」
美嘉「だーめ、プロデューサーいっつも似たような服ばっかり着てるし、絶対いい感じの服を買ってもらうからね!」
「…」
112:
【役場前 午後4時20分】
幸子「…おや?そこのあなた、なかなかハイセンスな服を着てますねぇ」
「…え?」
幸子「どぉぉしてもというなら、このカワイイボクがあなたのコーディネートを採点してあげてもいいですよ?」
「い、いえ…結構で」
幸子「そうですかそうですか、それじゃあ仕方ないですねぇ。これからいくつか質問するので、ちゃんと答えてくださいね?」
「」
113:
幸子「ふむふむ…なるほど分かりました!では…この紙に採点してあげましたので、後でチェックしておいてください!」
幸子「あなたの幸子度がどれほどか、楽しみですね!」フフーン
「はい」
114:
【博物館 午後8時30分】
蘭子「クク…我が下僕よ、心地のいい夜ね」
「…こんばんは?」
蘭子「今宵はどのような供物を見せてくれるのかしら?」
「え?」
蘭子「…え?」
「…」
蘭子「…」
115:
蘭子「あの、その…」
「…何か、渡さなければならない物があるのでしょうか?」
蘭子「ちが…う、とも言えなくもないが…」
「今、手持ちがこれだけしかないのですが…」
蘭子「…ないようね」
「申し訳ありません、預金を下ろしてきます」
蘭子「待たれよ!!」
116:
【博物館地下1階 喫茶店 午後9時00分】
李衣菜「はー、それで上の方で漫才していたわけですか」
「まさか寄贈品を求められていたとは思いませんでした…」
李衣菜「蘭子ちゃんの言葉は難しいですからねー。慣れるまでは苦労すると思いますが、根はとってもいい子なんで、仲良くしてあげてください」
「はい、それはもちろん」
――――カランカラン
李衣菜「あっ、待ち人が来たみたいですよ」
「ええ…こんばんは」
杏「…本当に来たんだ」
117:
杏「わざわざ杏に会うために来たの?」
「それもありますが、他にも約束があるので」
杏「…まぁ何でもいいけどさ」
杏「誰にでもいい顔してると大変だよ?めんどくさい人とかもいるし」
杏「それでも皆と仲良くなりたいわけ?」
「はい」
杏「何か昔あったの?」
「…いえ、特には」
杏「…ふーん」
118:
「あ、あの…ご趣味は?」
杏「…何それお見合い?…ゲーム」
「休日の過ごし方は?」
杏「寝てゲーム」
「好きな言葉は?」
杏「自分のものは美しい…じゃなくて、働いたら負け」
119:
「…それだと負けていることになりますが」
杏「うん、そうだよ」
杏「でも生きるためには仕方ないんだよ」
杏「公務員最高!!」
「そういえば…この村の村長にお会いしたことがないのですが、どのような方なのですか?」
杏「うーん、永遠の17歳かな」
120:
杏「…そろそろ時間だから、杏は出るよ」
「あぁ、そうですか…貴重なお時間を取って頂き、ありがとうございました」
杏「別にそのために来たわけじゃないし、プロデューサーのおごりなら毎日来てもいいよ?」
「考えておきます」
杏「その言葉、忘れないでね?」
121:
李衣菜「いやぁ珍しく杏ちゃんの機嫌が良さそうでびっくりしました」
「そうなのですか?」
李衣菜「はい、普段きらりちゃんとしか話しているとこみないですし、久しぶりにあんなイキイキしてる杏ちゃん見ましたよ」
「あれでイキイキされていたのですか…」
李衣菜「…このままだと大変なことになりそうだなぁ、美波さんといい新しく来た子といいどうしてまた…」
「…?今、何か言われましたか?」
李衣菜「いえ、別に何でもないですよ?あはは…」
122:
【博物館2階 展望台 午後10時20分】
アーニャ「…見えますか?プロデューサー」
「……あ、はい。ぼんやりとですが見えてきました」
アーニャ「この時期は、見えにくいことも多いですけど、今日は見えて良かったです」
「良ければ、星座などを教えて頂けませんか?」
アーニャ「ダー、良いですよ」
123:
星空を眺めながら、これから訪れる気ままな生活に期待を膨らませるP
しかし、この時彼はまだ気づいてはいない
後に訪れる、ダジャレ好きの住人と霊が見えるという占い師によって、その生活が大きく変わろうとしていることに…
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