八幡「は?浮気?してねぇよ…」back

八幡「は?浮気?してねぇよ…」


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1:
いろは「先輩?用ってなんですか??」
八幡「…お前にこんなこと頼むのもあれなんだけど…」
いろは「先輩、3年になったからって調子に乗ってませんか??」
八幡「3年には自動でなるしな…」
いろは「じゃあ、なんなんですか?こんな教室の端っこに呼び出して」
八幡「えっとな、俺とデートしてくれ!」
3:
いろは「………は?」
八幡「だから、デートしてくれ……」
いろは「……」
八幡「あの…一色さん?」
いろは「いきなり何ですか?口説いてるんですか?気持ち悪すぎて、直視できないです…」
八幡「いや、ひどすぎるからね?…あと、お前もデートとか言ってきたことあったよな?」
いろは「あ、あれは…葉山先輩をデートに誘った時の予行演習というか…」
八幡「それだよ」
いろは「え?」
4:
八幡「予行演習じゃねぇけど…協力してほしいんだよ」
いろは「どういうことですか?話が飛び過ぎてわかりません」
八幡「あ??なんていうか……話聞いてないか?」
いろは「なんのですか?」
八幡「…聞いてないのね…」
いろは「だから、なんのですか?」
八幡「俺、雪ノ下と付き合うことになったんだよ…うん…」
いろは「……」
5:
八幡「……」
いろは「…え…そ、そうなんだ…」
八幡「ああ…」(あれ?なんか、すげぇ意外な反応…)
八幡(もっと、『雪ノ下先輩と先輩が?釣り合わな過ぎてキモイです??』とか言われると思ったが)
いろは「……」
八幡「それでな…この前デートしたんだけど……」
いろは「ええ…」
八幡「慣れなくて…色々失敗しちまってさ…」
6:
いろは「…次は失敗したくないから、私で勉強したいと?」
八幡「ま、まあ…そんな感じだな…」
いろは「……」
八幡「どうだ…?」
いろは「まあ、先輩にはお世話になりましたし…しょうがないですね」
八幡「いいのか?悪いな」
いろは「というより、この前のデートの時、参考にしてくださいって言いましたよね?」
八幡「頭真っ白になってそれどころじゃなかったんだよ…」
7:
いろは「何やってるんですか?全く」
八幡「…今度はちゃんと勉強する」
いろは「そうですね、お願いしますよ」
八幡「おう」
いろは「じゃあ明日にしましょう!」
八幡「明日いきなりか?」
いろは「こういうのは早い方がいいですからね!」
八幡「…わかった」
11:
次の日 休日
八幡「早く来すぎたよな…まだ30分もある…」
いろは「あれ、先輩。早くないですか??」
八幡「お、おう…こういうのは、やっぱ男が早く来るのがいいんだろ」
いろは「へ?わかってるじゃないですか」
いろは「とにかく、行きましょう」
八幡「どこに…?」
12:
いろは「先輩はどこに行きたいですか?」
八幡「家」
いろは「うわ??普通に引きます…」
八幡「本気で引くなよ…」
いろは「家でなにするつもりなんですか…うわ…」
八幡「いや、そういうつもりじゃないからね?マジで」
いろは「なに想像してるんですか…気持ち悪いですよ…」
八幡「もういい…頼むから忘れてくれ…」
13:
いろは「ていうか、家って選択肢、前のデートと同じじゃないですか?」
八幡「じゃあ……図書館とか、書店…」
いろは「それも同じです!」
八幡「じゃあカラオケ…」
いろは「同じになりそうなんで、それ以上言わなくていいです?!」
八幡「はあ…」
いろは「溜息はこっちがつきたいですよ。雪ノ下先輩とはどこいったんですか?」
八幡「ああ…緊張のあまりな…サイゼに…」
いろは「まあ、デートでサイゼはどうかと思いますがそんなに失敗でもないですね」
14:
八幡「そこまではいいんだが…」
いろは「失敗って具体的になにしたんですか?」
八幡「なにも…」
いろは「は?」
八幡「特に会話もなく、飯食べて6時間くらい居座ったんだよ…サイゼに…」
いろは「はあ?」
八幡「お互い本読んでた……」
いろは「それで…?」
17:
八幡「静かだけどよ…まあ、奉仕部で過ごす時間とあんま変わらん感じで…」
いろは「…」
八幡「で、雪ノ下がそろそろ帰りましょうかってなって…」
いろは「それ、二人でいる時の先輩たちと変わりませんよね…」
八幡「ああ…家に帰ってから、すげぇ失敗したって思って…小町にも罵られて…」
いろは「雪ノ下先輩の態度はどうでした?」
八幡「普通だったと思う。俺の見立てでは…」
いろは「何か言わなかったんですか?」
18:
八幡「楽しかったわって言ってくれたかな…しかし、気を遣わせたのもきつい…」
いろは「それ、気を遣ったんじゃなくて本心です?」
八幡「え?なんでわかんの?」
いろは「多分、雪ノ下先輩にとっては、それくらいでちょうどいいんですよ」
八幡「はあ…」
いろは「つまり、普通の恋人らしく映画とか行かなくても、サイゼで先輩と過ごすだけで十分なのかと」
八幡「じゃあ、次もサイゼで6時間過ごせば大丈夫なのか?」
いろは「いえ…それはお店にとって迷惑過ぎるので…」
19:
八幡「じゃあ、やっぱ色々回らないと駄目か…」
いろは「最初は服とか買いに行けばいいんじゃないですか??」
八幡「服…ね。そういや昔、雪ノ下と行ったことあるな」
いろは「え?付き合う前ですか?二人きりで?」
八幡「ああ…1年前くらいか…あの時は、まだまだ仲良くなくてな…」
いろは「へえ…」
八幡「由比ヶ浜に見られて、付き合ってると勘違いされて、すげぇ迷惑そうだったな」
20:
いろは「それが、今では本当に恋人になったんですね」
八幡「いや…恋人って言っていいのか、これは…」
いろは「なに照れてるんですか?キモイです」
八幡「やめろ…キモイ言うな。どの言葉、兵器だからね?」
いろは「どっちから、告白したんですか???」
八幡「……俺」
いろは「ええ??先輩から?まあ、雪ノ下先輩からっていうのも、あんまり想像できませんけど」
23:
いろは「まあ、奉仕部に入り浸ってたから、わかってましたけど…」
いろは「先輩って、やっぱり雪ノ下先輩のことが好きだったんですね」
八幡「…悪いかよ」フイ
いろは「そんなこと言ってません。ただ…ちょっと残念かも」
八幡「は?」
いろは「なんでもないです、とりあえず目ぼしいお店回ってみましょう!」グイ
八幡「うお!?引っ張るなよ…!」
24:
相模「ん?あ、あれって…」
いろは「このお店とかいいんじゃないですか??」
八幡「なるほどな…」
いろは「あとは…ゲームセンターでプリクラとか」
八幡「はあ?」
いろは「ほらほら」グイグイ
相模「うっそ…あれって、比企谷だよね…それと…生徒会長…?」
相模「付き合ってんの?あの二人?すっごい仲良さそうだし…」
25:
休み明けの登校日
キーンコーンカーンコーン
八幡「眠いな…」
戸塚「眠いね…」
八幡「戸塚の台詞とは思えんな」
戸塚「いや、僕も人間だからさ。眠くもなるよ」
八幡「なんか、気のせいか、俺は見られてる気がするんだが…」
戸塚「そうなの…?」
八幡「おかしい、影の薄さでは誰にも負けないはずなのに」
戸塚「そこ誇れるのがすごいよね」
26:
2年 教室
「ねね、いろは?」
いろは「なに?」
「なんかさ?さっき聞いたんだけど、あんた一昨日彼氏と遊んでたんだっって?」
いろは「え?なに言ってんの?」
「まあ、あんたが男と出歩くのは普通だろうけどさ…」
いろは「うん」
「その相手が、あの上級生なんでしょ?誰だっけ?」
いろは「あれ?見られてた?もしかして…」
27:
「別にそこは普通かもだけどさ…あんた浮気してんの?」
いろは「え…浮気って…」
「だって、その人って彼女いるんでしょ??」
いろは「あれ、その噂有名なんだ…そっか…浮気…か」
「なになに?そこんところ詳しく聞かせてよ??」
いろは「……」
「いろは?」
いろは「ち、違うわよ???!う、浮気とかそんなんじゃ…第一私と先輩が歩いてたって証拠ないでしょ!?」
「ちょ、何急にあせってんの、いろは!?あやしい??!」
ワイワイ ナニナニ? ナンカサ?
28:
奉仕部の部室
八幡「……」
結衣「…う?ん」
雪乃「比企谷君、紅茶飲むかしら?」
八幡「あ、ああ、もらえるか?」
雪乃「ええ、わかったわ」
結衣「う?ん」
八幡「なんだ、由比ヶ浜。さっきから唸って」
結衣「え?あ、ううん。なんでもないよ!」
八幡「そうか?」
29:
結衣「う、うん。大丈夫…あはははは!」
雪乃「なんだか、無理をしていない?」
結衣「無理とかじゃなくて…ふ、二人はどうなの?」
雪乃「私達?」
八幡「ん?」
結衣「ほら、付き合うようになって変わった?」
雪乃「そうね…デートには行ったけれど…まだこれからね」
八幡「そ、そうだな」
40:
結衣「そっか…」
八幡「…?」
ガラガラガラ
いろは「こんにちは??!」
八幡「あ…一色かよ…」
いろは「なんですか、その気のない返答は…!」
八幡「別に…」
いろは「む…!」
結衣「あ、いろはちゃん…」
いろは「こんにちは…」
41:
結衣「う、うん。やっはろー…」
雪乃「どうしたの、由比ヶ浜さん…具合でも悪いの?」
結衣「ううん、そんなんじゃないんだけど」
雪乃「そう…」
いろは「……」
いろは「先輩!」
八幡「なんだ?」
いろは「平塚先生呼んでましたよ」
八幡「…ほんとか?」
42:
いろは「というわけで、行きましょう!」
八幡「あ、おい!」
グイグイ
結衣「あ、行っちゃった…」
雪乃「仕方ないわね、ホントに」
廊下
八幡「で?なんの真似だよ?」
いろは「あれ?わかっちゃいました??」
43:
八幡「当たり前だ、言っとくけどランドのネコさん可愛いって言ってる、私可愛いアピールもちゃんと見抜いてたからね?」
いろは「さすがです!せんぱい!」
八幡「それで…なんなんだよ?一体」
いろは「お察しの通り、平塚先生の件はウソでして」
八幡「なんだ?」
いろは「雪ノ下先輩や、結衣先輩の様子はどうでした?」
八幡「雪ノ下は普通だな…由比ヶ浜は、少し変だったかな」
いろは「そうですか…」
44:
八幡「で、それがどうしたんだ?」
いろは「何でもないです」
八幡「何でもないのかよ…」
いろは「じゃあ、先輩。帰りもデートの練習していきましょう!」
八幡「なに?まだするのか?」
いろは「当たり前です!依頼したのは先輩なんですから…」
いろは「一人前になるまで終わりませんよ!」
八幡「おいおい…マジかよ」
いろは「先輩にとっても、これはいい経験になりますよ絶対」
八幡「まあ、そうかもしれないけどな…はあ」
45:
―――――――――――――――――
雪乃「え?どういうことかしら?」
八幡「すまん…生徒会の仕事で…平塚先生とその…話しててだな…」
雪乃「ええ、それは聞いたわ」
八幡「一色を会長に推薦したのは俺だしな…責任もあるわけで」
雪乃「だから、この後残ると言うの?」
八幡「悪い、雪ノ下…」
46:
雪乃「謝る必要はないわ。責任感の強いあなたは嫌いではないわ」
八幡「雪ノ下…」
雪乃「だから、私も手伝うわ」
八幡「!待ってくれ、それは駄目だっての…!」
雪乃「どうして?」
八幡「彼女に手伝わせたら…彼氏の面目が立たないというか…」
雪乃「あなたにも、そんな見栄があるのね。意外だわ」
47:
八幡「いや…そりゃ、ありますよ…」
雪乃「わかったわ。今日は帰るわ」
八幡「ああ、そうしてくれ」
雪乃「でも、必要な時はいつでも頼ってね?もう、貴方だけの身体ではないのだし」
八幡「え…?」
雪乃「それじゃ、さよなら」
八幡「……」
49:
結衣「ゆきのん…ヒッキーはなんて…?」
雪乃「先に帰っていてと言ってたわ」
結衣「そうなんだ…忙しいって?」
雪乃「みたいね、というより…私に手伝われるのが嫌みたい」
結衣「そうなんだ…」
雪乃「子供みたいね、そんなところで見栄を張るなんて…」
結衣「あはは…そういうことなら、いいんだけどさ…」
雪乃「…?」
50:
駅前
いろは「とりあえず、どこかで晩御飯でも食べましょ!」
八幡「俺の奢りか…?」
いろは「本来のデートならそうですが…別に割り勘でいいです」
八幡「そっか」
いろは「でも、できるだけシャレたお店に行きましょう」
八幡「例えば、どこだ?」
いろは「あそこのスパゲティ専門店とかいいと思いますよ」
八幡「…なんか見るからに、シャレた店だな…」
51:
いろは「ええ、だから男同士でこないでくださいね?勘違いされちゃいますよ」
八幡「確かに、少し入りにくいな…これは」
いろは「でも、意外と先輩って女の人の知り合いばっかりいますもんね、意外と」
八幡「そんなに意外とって言葉繰り返さないでくれる?」
いろは「まったく…せんぱいは?」
八幡「戸塚と今度来ようかな…」
いろは「あ?確かに、戸塚先輩なら大丈夫ですね!…て、違います!」
八幡「冗談だっての…本気にしてんのか?」
52:
いろは「…そんな冗談言えるなんて、先輩余裕出てきてますよね?」
いろは「雪ノ下先輩と付き合えたから、余裕出てきてるんじゃないですか??」
八幡「そんなことねぇよ」
いろは「どうだか…」
八幡「なんだか、怒ってないか?」
いろは「そんなことありません、さ、入りましょう」
八幡「ああ…」
53:
八幡「うまいな、ここのカルボナーラ」
いろは「ですよね??メンズセットは量も多いですし…ちゃんとレディース用のセットもあるし」
八幡「で、デートに使えそうだな」
いろは「そうですね…こうやって、いいお店知るのはプラスですよね」
八幡「まあ、そうだな」
いろは「じゃあ、このあとボーリングでもして帰りましょうか」
八幡「ん?ボーリングか…まあいいけど」
54:
いろは「こういうのって、とにかく色んな所に行って勉強するのが重要なんですよ!」
八幡「そうか…」
いろは「はい、色んな飲食店知ってれば社会人になってからでも役に立ちますよ」
八幡「ま、専業主夫希望だけどな…俺は」
いろは「もう!冗談でも茶化さないでください」
八幡「す、すまん…」
いろは「何処に行く?って軽くなった時に、じゃああの店に行こうかってなったり、行きつけのバーがあれば格好いいじゃないですか」
八幡「…葉山が前にやってたな」
いろは「でしょ?葉山先輩は多分、すごい数の引き出し持ってますよ?」
55:
八幡「葉山ね…」
いろは「葉山先輩と雪ノ下先輩って、微妙な関係だったんですよね?」
八幡「……」
いろは「もしかして、葉山先輩の引き出しの多さに惹かれちゃう日がくるかも…」
八幡「やめろよ…そういうのは…」
いろは「だから、先輩も少しでも引き出しを多くしておきましょうよ。損はないですよ?」
八幡「わかったよ…」
56:
八幡「なあ…一色」
いろは「はい?」
八幡「この後のボーリングも、関係あんの?」
いろは「ボーリングは流れです。ごはんの前後の遊びと考えてください」
八幡「ふ?ん、この前の卓球とかと同じだな」
いろは「そうですね」
八幡「あとな…」
いろは「なんですか?」
八幡「お前、葉山のことはどうなんだ?」
57:
いろは「…」
八幡「…」
いろは「葉山先輩は……偽物の被り物で覆ってますよね…」
八幡「大分、剥がれてきたと思うけどな…」
いろは「葉山先輩は、結局どこまでいっても私には偽物しかくれないと思います…」
八幡「…」
いろは「私は、本物をくれる人がいいです…」
58:
ボーリング場
いろは「ふう??!意外と盛り上がりましたね!」
八幡「そうだな…」
いろは「先輩、100点くらいでなんとも微妙な点数でしたけど」
八幡「お前も、140点くらいじゃねぇか…」
いろは「40点の差はかなり大きいですよ!?」
八幡「…」(というより、スカートで投げるものだから…集中できなかった)
八幡(いや、下にスパッツみたいなの履いてたと思うけどさ…やっぱね?)
いろは「どうしたんですか?せんぱい?」
八幡「いや…なんでも…」
59:
いろは「??…あの、今日は楽しかったです」
八幡「そりゃ、よかった」
いろは「先輩はどうですか?」
八幡「まあ…楽しかったかな…」
いろは「なら、明日以降もお願いしますね!今度は違うところ行きましょう!」
八幡「本当に行くのかよ…」
いろは「はい!もちろんです!」
60:
それから…1週間くらい経過
学校
「ねね、いろは」
いろは「なに?」
「浮気の件どうなってんの?いい加減認めちゃいなよ?」
いろは「浮気ってわけじゃないんだけな…」
「ええ?うそでしょ?この前もあの3年生と仲良くごはん食べてたじゃん!」
「場所は確か…いい感じのカフェだっけ?」
いろは「見てたの?」
61:
「へへ??この前、ばっちり!」
いろは「…そうなんだ…」
「どうしたの、いろは…元気ないね」
いろは「この前までは、ちょっとからかうつもりだったんだけどね…」
「へ?どういうこと?」
いろは(だから、浮気の話を最初に聞いた時、わざと驚いたわけで…)
「いろは???」
いろは「ねえ、その話、もう少し詳しく聞かせて」
「え?いいけど?」
63:
「でもさ、ちょっとやばいかもよ?」
いろは「なにが?」
「いろはの噂、あんまりいい評判にはなってないかも…」
いろは「そっか…まあ、そうだよね」
「いろは、あざとく見せる態度で嫉妬の対象になりやすいんだからさ…」
いろは「あはははは」
「ちょっと自重した方がいいかもよ?」
64:
3年 廊下
結衣「ねえ、ヒッキー…」
八幡「由比ヶ浜…どうした?」
結衣「えっと…」
八幡「ん?」
結衣「最近さ…ゆきのんとうまくやってる…?」
八幡「昨日の休みは遊びに行ったぞ」
結衣「そうなんだ!どこに…?」
65:
八幡「スパゲティの店で飯食べて…服とか見て…」
結衣「うんうん」
八幡「ボーリングして…あと書店巡りもしたな」
結衣「へえ、ちゃんとデートしてるじゃん!」
八幡「ま、まあな…」(ほぼ一色と回ったところなんだけどな…)
結衣「よかった…うまくいってるみたいで…」
八幡「ん?」
結衣「ちょっと噂が…あ、なんでもない…!」
八幡「どした?」
結衣「ううん、なんでもないよ!なんでも…!」
66:
奉仕部
雪乃「今日は仕事はなさそうね」
雪乃「終わりにしましょう」
八幡「ちょっと、早くないか?」
雪乃「生徒会の用件があるのでしょう?だからよ」
八幡「部長がそれでいいのかよ…」
雪乃「部長だからよ…あなたの身体のことも考えないとね」
八幡「…お、おう」
結衣「ヒッキー、照れてる。ちょっときもい」アハハ
八幡「うっせーよ…!」
67:
雪乃「由比ヶ浜さん、キモイというのは違うわ。結局は個人の感性の問題だから」
八幡「否定してくれないんですね」
雪乃「あら?私は好きよ?」
八幡「は?」
雪乃「好きになってしまえば、あなたは葉山君よりもイケメンに見えるわね」
八幡「葉山はやっぱイケメン認定なんだな…」
雪乃「あら?嫉妬かしら?」
八幡「ち、ちが…!」
結衣「あはははは、ヒッキー劣勢だよ?」
八幡「く、くそ…!」
68:
いろは「あ、せんぱー?い!」
八幡「おう」
いろは「じゃあ、どこ行きましょうか?」
八幡「そうだな…」
いろは「飲みにでも行きますか?」
八幡「おっさんか、お前は…」
八幡「第一、制服で行っても無理に決まってるだろ…」
いろは「先輩も言うようになりましたね」
八幡「お前に振り回されてるからな…一昨日なんかホテル街ウロウロしたし…」
いろは「あはは、さすがにあれはあせりましたよ?」
69:
八幡「ラーメンでも食べに行くか、平塚先生お墨付きの」
いろは「たまには、そういうところもいいですね?」
八幡「だろ?」
いろは「はい!あ、でも先輩。餃子食べたあとはブレスケアしてくださいよ?」
八幡「そのあと、キスするみたいな流れやめてもらえませんかね…」
いろは「…」
八幡「なに?」
いろは「次の休み、飲みに行きません?私服なら、大丈夫ですよ」
70:
八幡「そんなに行きたいの?」
いろは「いいじゃないですか、どうせ大学生になったら行きまくりですよ」
八幡「はあ…お前はそうかもしれんが、俺は…」
いろは「私が行くなら、先輩もです!」
八幡「はあ?」
いろは「あ、いえなんでも…とにかく、高校2年と3年生なら隠せますよ」
八幡「そうか…?お前幼く見えるしな…」
いろは「失礼ですよね、先輩って…大学生なら、なんとか見えます!」
八幡「う?ん」
いろは「とにかく、ラーメン食べに行きましょう!」
72:
次の日
いろは「ふぁ??眠い??」
「いろは、眠そうだね」
いろは「やっぱり、無理がたたってるかな?あんま寝てない」
「浮気のこと??」
いろは「浮気じゃないのに…」
「あんたが最初に、大きな声で否定するからじゃない?あれで広まったっていうか」
いろは「あれは、まあわざとで…」
「あ、そうなんだ?まあ、いろはらしくなかったけど」
いろは「本当はちょっと、二人の仲からかおうとしただけなんだけどさ…」
「二人って、その上級生と彼女よね」
73:
いろは「前から少し、憧れてたんだけど彼女いるってわかって…」
いろは「悔しかったから、すこしいじわるしたくなって…色々連れまわして…」
「ふんふん」
いろは「でも、何回か行ってるうちに、凄い楽しんでるなって思ってさ…」
「え??すっごい乙女してるじゃん、いろは!」
いろは「こ、声が大きいってば…」
「つまり、本気になっちゃったんだ?」
いろは「……うん」
「じゃあさ、どうすんの??」
いろは「…わかんないよ…」
75:
3年 廊下
三浦「結衣?」
結衣「あ、優美子、なに??」
三浦「あんたさ、あの噂どうすんの?」
結衣「あ…うん」
三浦「まだ、雪ノ下さんに言ってないんだ?」
結衣「うん…」
三浦「ていうことは、ヒキオにも言ってないっしょ?」
76:
結衣「う、うん…」
三浦「もうさ、聞いてみた方がいいと思うよ」
結衣「…そうなんだけどね…」
三浦「嫌なのはわかっけど?」
結衣「……」
三浦「平塚先生からも、生徒会の仕事なんて頼んでないって言われたっしょ?」
結衣「うう…そうなんだよね…うん」
三浦「は?ヒキオの奴…」
77:
奉仕部
結衣「…」
雪乃「…」
結衣「ねえ、ヒッキーは?」
雪乃「?生徒会の仕事で遅れるらしいわ」
結衣「そうなんだ…」
雪乃「…由比ヶ浜さん、やはり最近調子が悪いの?」
雪乃「いつもの、あなたではないわ」
結衣「うん…ゆきのん、実はさ…」
雪乃「ええ」
78:
八幡「すまん、遅れた」ガラ
いろは「遅れちゃいました??!」
雪乃「こんにちは…て、まら一色さんはここに来てるのね」
結衣「また一緒……」
いろは「…」
八幡「どうした…?いつもの挨拶もないし…」
結衣「ねえ、ヒッキー…今日、なにしてたのかな?」
八幡「はあ?生徒会の手伝いだけど…」
結衣「ほんと?」
いろは「…本当ですよ?」
79:
雪乃「由比ヶ浜さん?」
結衣「そっか…じゃあ、今日はそうなのかもね…」
結衣「じゃあ、この前はどうかな?」
八幡「……」
いろは「……」
結衣「急に無言にならないでほしいな」
81:
八幡「いや、待て…これは…」
いろは「結衣先輩は知ってるんですよね。例の噂」
結衣「…」
いろは「やっぱり、意外と有名らしいですから」
雪乃「噂?なんのことかしら?」
結衣「ヒッキーが浮気してるって噂…」
雪乃「え?」
結衣「しかもその相手が…いろはちゃんなんだ…」
雪乃「……!?」
いろは「……」
八幡「…そんな噂流れてんのかよ…」
82:
結衣「うん…」
八幡「はあ……」
雪乃「…」フルフル
結衣「…」
八幡「言っとくけど、誤解だからな?」
結衣「生徒会の仕事とか、平塚先生に呼ばれたとかウソまでついて?」
結衣「それで、いろはちゃんと遊んでたんだよね?」
八幡「あ、いや…あれは…」
いろは「誰に聞いたんですか?」
83:
結衣「平塚先生が、呼んでないって言ってたよ」
いろは「そういうことですか…あ?あ、楽しかったのにな、先輩と過ごすの」
結衣「いろはちゃん…!」
雪乃「……」
いろは「先輩も楽しんでくれましたよね?」
八幡「あのな、そういう誤解を招く言い方やめろよな…」
いろは「誤解なんかじゃないです」
八幡「はあ?」
結衣「え…!?」
84:
いろは「…先輩と色々遊んで楽しかったですし…やっぱり、私は先輩のこと好きなんだなって思いました…」
八幡「な…一色、おまえな……」
いろは「ホントですよ?嘘なんかじゃないです…」
八幡「…そうかよ…。なんか、悪い事したな…」
いろは「そうですよ…先輩が私に頼むからです…その気になっちゃったんです…」
八幡「すまん、一色…」
いろは「いいですよ、もう……どうせ叶わない恋ですし…」
結衣「あの???!」
雪乃「ちょっと…」
85:
八幡「え?」
いろは「え?」
雪乃「どうして、二人で完了しているの?まったく心外なのだけれど…」
八幡「いや…雪ノ下…違うぞ…!」
雪乃「何が違うのかしら?」
結衣「ほんとだよ??!話からして、誤解かもしれないけど」
結衣「そもそもなんでこんなことになったか、説明してないよ!」
八幡「ああ、話すって…えっとな実は……」
86:
――――――――――――――――――
八幡「というわけで、雪ノ下の為にだな…一色に協力してもらったわけで…」
雪乃「……」ゴゴゴ
八幡「決してなにも、やましいことはないけど…」
雪乃「そう…」ゴゴゴゴゴ
八幡「す、すもませんでした…」タラタラ
雪乃「まったくもう…あなたは…」
いろは「……」
87:
結衣「いろはちゃんとデートして、ゆきのんとのデートに備えてたんだ?」
八幡「お、おう…」
結衣「いろはちゃんとデートして楽しかったんだ?」
八幡「由比ヶ浜…それ色々語弊があるから…な?」
結衣「あたしがどれだけ心配したと思ってるのかな??」
八幡「ごめんなさい…」
雪乃「そうね、あなたは浮気をしたわけだし」
八幡「は?浮気…してないだろう…」
88:
雪乃「そんなの、浮気も同然よ。私を騙して他の女性と遊んでいたなんて」
八幡「そ、それは……」
いろは「先輩は反省しないと駄目ですね?」
八幡「なんでお前は普通にしてんだよ…」
いろは「え??女性に責任を押し付けるんですか?」
八幡「いや、違うけど…」
いろは「先輩もすごく楽しんでいてくれたじゃないですか??」
89:
八幡「あの、だからその発言は…」
いろは「楽しかったですよね?」
八幡「いや、ま、まあ…て違うぞ…!」
雪乃「どうしてくれようかしら…」
八幡(俺の命運はここまでか…)
結衣「ヒッキーのバカ!信じられない!浮気とか!」
八幡「違う、ほんと違うぞ!」
いろは「あ?あ、また振られちゃったんだよね…ま、しょうがないか…」
ワイワイワイ
90:
休日 居酒屋
八幡「本当に来たんだよな…しかも…」
いろは「4人で、ですね」
結衣「ここに来る約束もしてたんだよね?」
雪乃「比企谷君、今日は楽しみましょうね?」
八幡「はい…」(目が笑ってないぞ…雪ノ下…)
いろは「え、えっと…してました…はい」
結衣「…」
雪乃「…」
92:
結衣「いろはちゃん」
雪乃「一色さん」
いろは「はい…」
雪乃「もう、しないでね?約束できるかしら?」
いろは「……はい、すみませんでした」
結衣「うん…ゆきのん」
雪乃「ええ…なら、水に流すわ」
結衣「そもそも、ヒッキーが最初の原因だし…」
八幡「うぐ…」
93:
雪乃「一色さんには感謝しないといけないこともあるし」
いろは「え…?」
結衣「デートコースを考えてくれたこととかね」
雪乃「ええ、そうね。比企谷君とのデートの最初は6時間程、サイゼだったから…」
結衣「うわぁ……」
八幡「本気で引くなよ…あの時は緊張でな…」
雪乃「まあ、あれはあれで楽しかったわ」
いろは「…ありがとうござます…」
雪乃「それじゃあ、飲みましょうか」
94:
結衣「でもさでもさ、未成年だけど大丈夫なのかな…?あたし達…」
雪乃「見つかっている様子はないわ、大丈夫でしょう」
いろは「一応、タイトスカートで大学生くらいには見えるようにはしてるんですが」
雪乃「そうね…私は…どうかしら」
八幡「まあ、俺らも来年は大学だしな」
雪乃「比企谷君は、疲れた顔してるから平気そうね」
八幡(みなさんのプレッシャーのせいですけどね…)
結衣「あ、あたしは?」
95:
いろは「結衣先輩は幼く見えますね」
結衣「ええ?ひどいよ」
八幡「ま、大丈夫だろ…大学生ですってことで通せるだろうし」
雪乃「世の中には20歳に見える30歳の人や、30歳に見える20歳の人もいるから大丈夫よ」
いろは「えっと、じゃあですね…大学の飲み会ってことで…」
結衣「あ、それいい!…私達ももうすぐ経験するんだよね!」
雪乃「来年の今頃かしらね、順調にいけば」
八幡「そうだな」
9

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