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29歳俺「歴代プリキュア全員を殴り倒す旅に出る！」
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1：
なぜ俺がこういった思考に辿り着いたのか。
事の発端は、この間の3連休に、
姉が娘を連れて俺の家に遊びに来たことだった。
俺「姪っ子ちゃん、そのお人形さんは何？」
姪「キュアラブリーだよぉ」
俺「ふぅん？」
プリキュアに関する知識が皆無だった俺は、
この後、地獄を体験することになる。
4：
姪「これがねぇ」
俺「それはさっきも聞いたよ。キュアラブリーでしょ？」
姪「違うよ！ これはキュアプリンセス！ ラブリーはこっち！」
俺「ああ、そうだっけ」
姪「それでねぇ」
俺「キュアラブリーでしょ」
姪「違うの！ ぴゃあああああああっ！！！」
適当に話を聞き流していた俺に業を煮やし、
とうとう姪が最終奥義『泣き叫ぶ』を繰り出したのだった。
5：
姉「あーあー！ アンタまた泣かせたの！？」
俺「いや、俺じゃない。キュアラブリーが……」
姪「ぴゃあああああっ！！！！！」
姉「何言ってるのよ！ だからアンタもてないのよ！」
俺「それは今関係ないんじゃ……」
12：
また泣かせたの！？って事は以前にもなんかやらかして泣かせたんだよな
18：
>>12
姪っ子は思い通りにうまくことが運ばないとすぐに泣く。
そして俺は悪くないのに姉は俺のせいにする。
8：
怒りに震える姉は、
あろうことか俺の布団の枕元に置いてあった目覚まし時計を手に取り、
しかもこの目覚まし時計と言うのが、
エッフェル塔をかたどったゴツゴツとした大きなもので、
まぁ無造作に手に取ったそれを、俺目がけ全力で放り投げたのである。
見事にエッフェル塔が守りの手薄な頭頂部に命中し、俺は10分ほど悶絶した。
11：
うずくまり痛みに耐える俺の頭上から、
姉の罵倒する言葉が響いていたが、
その大半はよく分からない人格否定だった。
「ハゲ」「女の扱いが分からない童貞」「だからモテない」。
しかし、口汚く罵っても、姉の怒りはエスカレートする一方で、
言葉責めに飽き足らず、圧倒的な暴の力を行使してきた。
俺はガキの頃から染みついたヘタレ根性のせいで、
ひたすらにそれに耐えることしかできなかった。
15：
それが約2週間前の出来事である。
1日の入院、1週間の通院を余儀なくされた俺は、
ようやく今日、まともに身体が動かせるようになった。
未だ体の芯に鈍痛は残っているのだが。
まぁとにかく、俺は復讐に向け、
文字がびっしりと書き込まれたノートを開いた。
13：
プリキュアなんか殴ってる場合じゃねえだろ
16：
さっさと仕事しろよハゲ
19：
体が満足に動かせない間に、
なんとか無事だった両腕を駆使し、
俺は”復讐ノート”を作成していたのである。
これは中学生のころにいじめられた時に書き始めたのが最初で、
その後の人生においてもつらいことがあったときには、
定期的にノートを開いては罵詈雑言や、
対象者への具体的な復讐方法を書き綴っているのだった。
俺の貧弱な心を守るためには、こうするしかなかったのだ。
20：
先程”ノートを開いた”と表現したが、
実際にはノートパソコンのメモ帳機能を使っている。
科学の進歩と言うのは、
こんなにも生活に変化をもたらしてくれるのだ。
俺はそのことに感謝したい。
右手の小指側、チョップするときにぶつける部分だ、
ここが黒くなることも無くなったし、
なにより指が疲れなくて良い。
記録媒体としても優れている、いいことずくめだ。
21：
話が逸れたが、”どうやって復讐を成すか”。
これが俺に課せられた使命であり、最大の難問だった。
まず単純に姪を殴りつけたとしよう。
そうすると、怒り狂った姉に撲殺されることは必至だ。
次に、姉を直接殴りつけることも考えた。
そんなことをした日には、指を一本一本逆に捻じ曲げられ、
両手足の腱を切られて、利根川に放流されることになるだろう。
あんな汚い川で、鯉と並んで泳ぐなどということは、
潔癖症の俺にとっては耐えがたい責め苦だ。
それだけはどうか勘弁してもらいたい。
22：
直接的な復讐はもう諦めた。
そこで考え付いたのが、”事の発端を摘み取る”。
それこそが俺に残されていた唯一の方法、
地獄に垂らされた一本の蜘蛛の糸だった。
姪が泣きだした原因。
それを闇に葬ってしまえばいい。
俺は早行動に移すことにした。
これは、その”戦いの記録”である。
29歳俺「歴代プリキュア全員を殴り倒す旅に出る！」
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23：
おもしろい
25：
骨ぐらいは残るといいな
31：
>>25
一番下ワロタ
地球がヤバい
14：
時計如きで悶絶してる奴が倒せる相手ではないぞ
26：
素手で岩粉砕できるレベルじゃないと勝負にならない
24：
まずはwikipediaで情報収集を開始した。
どうやら現在放映しているのは11作目で、
過去の作品まで含めると、
総勢37人のプリキュアがいるらしいことが分かった。
思っていたよりも多かったが、調べるうちに、
勝利の女神は確実に俺に向けて笑いかけているという確信を得た。
27：
なんと、プリキュアは全て、中学二年生の少女だというのだ。
画像検索をしてみたところ、◯的な見た目をした者が数人混ざっていて、
「これ本当に女子中学生か？」と疑問を呈したくもなったが、
ともかく、俺の敵は全てガキンチョだと言うことになる。
あまり弱い者いじめはしたくないが、戦いに情けは無用、
大人の男の力を存分に発揮して屠ってやろうとここに決心する。
30：
言葉の羅列に意味はないが、
俺が倒すべき者の名を一応ここに記しておく。
キュアブラック、キュアホワイト、シャイニールミナス、
キュアブルーム（ブライト）、キュアイーグレット（ウィンディ）、
キュアドリーム、キュアルージュ、キュアレモネード、
キュアミント、キュアアクア、ミルキィローズ、
キュアピーチ、キュアベリー、キュアパイン、キュアパッション、
キュアブロッサム、キュアマリン、キュアサンシャイン、キュアムーンライト、
キュアメロディ、キュアリズム、キュアビート、キュアミューズ、
キュアハッピー、キュアサニー、キュアピース、キュアマーチ、キュアビューティ、
キュアハート、キュアダイヤモンド、キュアロゼッタ、キュアソード、キュアエース、
キュアラブリー、キュアプリンセス、キュアハニー、キュアフォーチュン。
以上、37名。
ミルキィローズに関しては意見が分かれるところであろうが、
除け者はかわいそうなので、平等に首を晒してやることにした。
28：
プリキュアって37人もいるのか
33：
「敵を知り、己を知れば、100戦危うからず」
こう言っていたのは誰であっただろうか。
先人の知恵を借り、まず俺は重い体を引きずって、
TSUTAYAへと向かうことにした。
プリキュアのDVDをまとめて借りるためである。
約500話、正確には10作目の「ドキドキ！プリキュア」までで486話。
1話20分としても162時間かかる計算である。
とりあえず、初代である「ふたりはプリキュア」を全話借りることにした。
34：
先は、遥か長い。
両手に女児向けアニメのDVDを大量に抱えながら、
家路についた俺は、薄ぼんやりとそんなことを考えていた。
家に着くとまず腹ごしらえをし、
そしてDVDをデッキにセットする。
戦いのゴングが今、静かに鳴り響いた。
36：
「あれ。もう終わりか」
俺がそう呟いたとき、見始めてから既に約19時間が経過していた。
OPを飛ばさずに見ていたのと、トイレ休憩を数回はさんだせいで、
計算より少し時間がかかってしまっていたが、
なんとかノンストップで、というよりも、
楽しく全話視聴してしまったことに、俺は驚きを隠せなかった。
その日は、余韻を楽しみつつも、半ば倒れるようにして眠りについた。
37：
その日以来、プリキュアを見るのが日課になった。
俺が漠然と送っていた色のない日々に、
光が差し込んできたような気がした。
TSUTAYAに行っては十数枚まとめてDVDを借り、
急いで帰宅しては視聴する。
こうしてコンスタントに消化は進み、
今朝方、全てのシリーズを見終えたのだった。
38：
フレッシュプリキュアを見ている時だけは、
なぜだか無性にムラムラしてしまい、
他のシリーズに比べて視聴に時間がかかってしまったことを、
一応ここで補足しておく。
「終わった……」
目標を完遂した達成感と、心地よい疲労感に、
俺はいつしか眠りについていた。
39：
そして先程目覚めた。
「戦いの記録を残しておかなければ」
俺は半ば使命のようにそう思い、
安物のノートパソコンを立ち上げる。
プリキュアを視聴した結果を、
それを成し遂げたことにより起きた俺の心境の変化を、
どこかに証として残しておきたかったのかも知れない。
40：
戦っている彼女たちは美しかった。
悪に立ち向かう彼女たちは、どこか儚げで、
しかししたたかでもあり、
俺の心にぶら下がっている錆びついた鐘のような感情を打ち鳴らし、
無感動だった毎日を変えてくれたのだった。
自身の内面を震わせて涙を流したのなんて、
もう何年も経験していないことなのに。
まるで浄化された悪い部分が溢れるかのごとく、
止めどなく俺の細い目からは雫が零れ落ちるのだった。
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41：
最後に。
復讐というものは何も生み出さない。
姪も。姉も。
俺は笑って許そうと思う。
悪に臆せず立ち向かう彼女たちが、俺に大事なことを教えてくれた。
もし、心に闇を抱えている人がいるのであれば、
どうかそれが内側に押しとどめられている間に、
プリキュアを視聴してもらいたい。
きっと彼女たちが、闇を払ってくれるから。
プリキュアは、こんな糞みたいな俺を救ってくれた。
十数冊に及ぶ復讐ノートを破り捨て、
俺は新たに輝く日々を過ごしていこうと思い、これを記した。
思い悩んでいる誰かの参考になれば、幸いです。
42：
以上です。
俺の戦いの記録、いかがだったでしょうか。
読んでいただいた方はありがとうございます。
さて、あなた方の中にも、
心に闇を抱えている人はいないでしょうか。
つらい毎日を送っていたり、自暴自棄になることもあるでしょう。
俺も一時は復讐にかられ、自分を見失ってしまいましたが、
どうにか彼女たちのおかげで踏みとどまることができました。
救われたと感じると同時に、
自分も何かしなくては、といてもたってもいられず、
ここにスレを立てることにしました。
俺もプリキュアの一員として、みなさんを救いたいという気持ちがあったのです。
もうこれで本当に最後になりますが、
復讐なんて馬鹿なことを考えている人は、
一刻も早くそんな心は捨ててください。
そして、ぜひ、プリキュアを最初から見ることをお勧めします。
見終わったとき、あなたの心は洗われていることでしょう。
これが俺の言いたかったことの全てです。
それではまたどこかで会いましょう！ プリキュアはみんなの心の中に！
43：
>>42
ハピネスチャージプリキュアについて一言
45：
>>43
キャラデザが嫌いなので未視聴です。
キュアラブリーには未だにムカついてます。
48：
>>45
まぁキャラデザなんか気にすんなよ
49：
ハピネスチャージプリキュアのことはプリキュアの一員だと俺は認めていません。
オールスター映画に出てくるところを想像するだけで胃がムカムカします。
50：
まぁいずれは嫌々見ることになるでしょうね。
動機は批判するためにですが。
51：
お前はプリキュアから何も学んでないな
52：
各シリーズ映画とオールスター観てキャラソンアルバム聴け
54：
>>52
映画も面白そうですね。いずれ見たいと思っています。
キャラソンは機会があったら聞いてみようかな。
キュアブラックちゃん、キュアパインちゃん、キュアピースちゃんがお気に入りです。
55：
姉と姪のスペックは？
57：
>>55
姉は30歳です。見た目は若くてかわいいと思います。
姪っ子は3歳で、目に入れても痛くないくらいにかわいいです。
ただ姉に似て超絶わがままで、すぐ物を投げるしぎゃん泣きします。
そういうときは滅茶苦茶イライラしするので、
俺の毛が抜けていく一因を姪が担っていると思いますね。
56：
正直さっきから笑いが止まらない
58：
プリキュアに全力パンチくらったら粉々どころじゃない
もはや血煙となって霧散してしまうわ
59：
キュアブラックちゃんの全力パンチなら受け止める覚悟があります。
理想を言えば腕の関節を極められながら、
耳元で言葉攻めしてもらいたいですね。
60：
ハピネスチャージのキャラデザも慣れればどうってことないぞそもそも俺は嫌いじゃなかったが
61：
>>60
うーん……、なんて言えばいいんでしょう。
通して見たせいか違和感がすごいというか。
まぁハートキャッチも見てるうちに慣れたので、
ハピネスチャージも完結したら通してみようと思います。
毎週見るのとかできないので。
ありがとうございます。
4
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