平塚「比企谷が私に相談とは珍しいな」back

平塚「比企谷が私に相談とは珍しいな」


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1:
平塚「明日は雪が降るんじゃないか?」
八幡「はは、先生が結婚した翌日には必ず・・・」
平塚「ほぅ・・・?」ビキビキ
八幡「ひっ!?」ビクッ
平塚「・・・まぁ、私も教師だ」
平塚「生徒が困っているのなら、話を聞かなくてはな」
平塚「それで比企谷、一体どうしたんだ?」
八幡「・・・はい」
2:
平塚「・・・ふむ、なるほどな」
平塚「最近、他の生徒からの当たりが強過ぎて、精神的に参っている・・・と」
八幡「まぁ、自業自得なんですけど」
八幡「こうも理不尽に色々されると、もう・・・」
平塚「・・・・・・」
八幡「(俺がこんなにも豆腐メンタルだったとは・・・小町に笑われるな)」
平塚「比企谷、思い出すのも辛いとは思うが」
平塚「詳細を聞かせてくれないか?」
八幡「まぁ、良いですけど・・・」
八幡「まずは雪ノ下ですかね」
平塚「雪ノ下か・・・」
3:
八幡「俺が何かするたびに、世界の古今東西で使われた」
八幡「ありとあらゆる罵倒の言葉の数々を浴びせてくるんです」
平塚「ほぅ・・・」
八幡「この前は・・・」
八幡『うーす』
雪ノ下『・・・誰?』
八幡『いや、俺だよ』
雪ノ下『私は貴方の顔を知らないのだけど? 熊谷君』
八幡『誰だよそれ、てかお前わざとやってるだろ』
雪ノ下『そんなことはないわ、私はいつだって真面目よ』
八幡『へぇへぇ、そうですか・・・』
4:
八幡『・・・・・・』
雪ノ下『』ペラ
八幡『(なんで俺はいつもこいつに罵倒されるんだ?)」
八幡『(そんなに俺のことが嫌いなのか)』
八幡『(もしかして俺って、人間から嫌われる呪いでもかけられているのか?)』
八幡『(なにそれ怖い・・・小町、助けて)』
雪ノ下『・・・比企谷君』
八幡『な、なんだよ』
5:
雪ノ下『その酷く濁って、今にも腐り落ちそうな瞳で私を見ないでくれるかしら?』
雪ノ下『酷く不快だわ』
八幡『・・・・・・』
雪ノ下『(・・・やってしまったわ)』
八幡『・・・そうかよ、悪かったな』
雪ノ下『あ・・・・・・』
雪ノ下『(また比企谷君に強く当たってしまったわ・・・)』
雪ノ下『(比企谷君と一緒にいると、何故か素直になれない・・・)』
八幡「という感じで・・・」
平塚「なるほどな・・・」
6:
平塚「彼女なら、君のことを理解してくれると思ったんだがな・・・」ボソ
八幡「? 何か言いました?」
平塚「いや、なんでもない」
平塚「・・・ふぅ、まぁ君のことだ」
平塚「雪ノ下以外にもいるんだろう? 君に辛く当たる輩は」
八幡「・・・まぁ」
平塚「君も相当ストレスが溜まっているだろう、全部話してくれて構わないぞ?」
八幡「・・・じゃあ、次は由比ヶ浜です」
平塚「由比ヶ浜か・・・」
9:
八幡「あいつが優しい奴だってのは知っているんですよ?」
八幡「ただ、いつもキモいキモい言われていると、辛くて・・・」
平塚「ふむ・・・」
由比ヶ浜『やっはろー!』
八幡『お前はいつも元気だな』
由比ヶ浜『え? そうかな?』
八幡『お前がテンション低いときの方が珍しいほどだ』
由比ヶ浜『は!? それっていつも私のこと見てるってこと!?』
由比ヶ浜『ヒッキーマジキモい! 最低! キモいキモ過ぎ!』
八幡『(何故だ・・・)』
由比ヶ浜『(・・・ヒ、ヒッキーそんなにいつも私のことを観察しているんだ)』
由比ヶ浜『(え、えへへへへ・・・・・・///)』
八幡「」ズーン
平塚「それは酷いな・・・」
11:
平塚「由比ヶ浜は少しお人好しなところがあって」
平塚「優し過ぎる部分があるのかと思っていたが」
平塚「そうか・・・猫を被っていたわけか・・・」
平塚「」ギリ
八幡「せ、先生・・・?」
平塚「いや、大丈夫だ」
平塚「気にするな」ニコ
八幡「」ゾワ
13:
平塚「さて、話の続きをしようか」
平塚「次は誰なんだ?」
八幡「その・・・名前がよく思い出せなくて・・・」
八幡「川・・・川内・・・? いや・・・川・・・」
平塚「川崎か?」
八幡「あぁ・・・多分それです」
平塚「(川崎が? 最近は落ち着いたと思っていたのだが)」
14:
八幡「まぁ、その・・・睨まれるんですよ」
平塚「ほぅ?」
八幡『』キコキコ
八幡『(今日も朝起きて、自転車を漕いで学校に行く)」
八幡『(特に誰とも会話をすることもなく、時間は流れていき)」
八幡『(そして放課後になる)」
八幡『(そう・・・放課後になるんだ・・・)』
八幡『(俺は奉仕部に行き、また雪ノ下と由比ヶ浜から罵詈雑言を喚き散らされるのか・・・)』
八幡『(辛い・・・もう行きたくない・・・)』
八幡『』キキィ
八幡『』チャリチャリチャリ
八幡『(そう思っているうちに、学校に着いてしまった)』
八幡『はぁ・・・』
16:
八幡『あ』
沙希『あ』
八幡『・・・・・・』
沙希『・・・・・・』
八幡『(ち、沈黙が気まずい・・・)』
沙希『・・・・・・』
八幡『・・・・・・』
沙希『』ギロ
八幡『ひっ!?』ビク
17:
沙希『』スタスタ
八幡『(な、何故俺は睨まれなければならないんだ・・・』
沙希『(・・・・・・///)』
八幡「はぁ・・・」
平塚「すまん・・・本気で君が可哀想になってきた・・・」
20:
平塚「(以前、私にも反抗してきた生徒だからな)」
平塚「(多少強く注意しておいた方が良いのかもしれないな)」
平塚「・・・まさか、まだいるのか?」
八幡「・・・・・・」
平塚「・・・・・・」
平塚「い、いや、君が良いのならどんどん話してもらって構わないんだ」
平塚「はは・・・はははは・・・・・・」
八幡「・・・じゃあ、次はおか・・・三浦・・・さんです」
平塚「あぁ・・・ (今少し間が空いてさん付けしたな・・・)」
22:
八幡「俺はただ、平和に過ごしたいだけなんですが・・・」
平塚「・・・・・・」
八幡『・・・・・・』
三浦『あ゛ー、あっつー・・・マジ最悪ー』
三浦『最近暑過ぎでしょ? マジありえないってのー・・・』
三浦『つーかマジ結衣と隼人どこ行ったし?」
三浦『みんないないとか暇だわー・・・』
八幡『(・・・何か嫌な予感がする)』
三浦『・・・・・・』
三浦『ねぇ』
八幡『・・・・・・』
三浦『おい、無視すんなヒキオ』
八幡『』ビク
八幡『(やはり俺か・・・)』
24:
八幡『・・・なんだよ』
三浦『はぁ? なんだよじゃないでしょ?』
三浦『あーしが呼んでいるのに無視するとか、マジキモいわー』
八幡『・・・・・・』
三浦『まぁ、ヒキオだしー? 普段誰にも話しかけられないから仕方ないもんねー」
三浦『マジウケるわwwwww』
八幡『・・・・・・ (もうお家帰りたい・・・)』
三浦『んでさー、あーしさぁ、咽乾いたわけ』
三浦『なんか飲み物買ってきてくんなーい? あーしマジ今ダルいんだわー』
八幡『なんで俺が・・・自分で買いにいけよ』
三浦『 は ぁ ? 』
八幡『』ビク
26:
三浦『あんた目腐ってんじゃない? 結衣も隼人もいないの』
三浦『見りゃわかるでしょ』
三浦『今ここで動けてあーしの言うこと聞けるのはあんただけなの』
三浦『わかる? あーしが買ってこいって言ってんだからさっさと動くし!』
八幡『・・・・・・』
八幡『・・・何を買ってくりゃ良いんだよ』
三浦『あーしレモンティーが飲みたーい』
八幡『』トボトボ
三浦『早くしろしヒキオ、3分以内でー』
八幡『(俺はパシリかよ・・・)』
三浦『・・・・・・』
三浦『(ちょっと酷かったかな・・・?)』
八幡「先生、泣きそうです・・・」
平塚「比企谷・・・!」
27:
平塚「(かつて、マルコムXは言った)」
平塚「(自衛のための暴力は、暴力とは呼ばず)」
平塚「(知性と呼ぶ)」
平塚「(穏やかで礼儀正しく、人を尊敬する人間であれ)」
平塚「(ただし、誰かがお前に手を出そうとしたときは)」
平塚「(そいつを墓場に送ってやるんだ)」
平塚「・・・・・・」
平塚「(今回は比企谷が被害者だ)」
平塚「(自衛ではなく、彼を守るために)」
平塚「(三浦に制裁を加えても、それは知性と呼べるのだろうか?)」
平塚「・・・ふふ、教師の考えることではないな」ボソ
八幡「先生? 大丈夫ですか?」
平塚「あ、あぁ」
29:
八幡「そう言えば先生、今日はタバコ吸わないんですね」
平塚「なーに、ちょっと禁煙でもしようかとね」
八幡「・・・先生、病院行った方が良いですよ」
平塚「どういう意味だ」
八幡「いや、天変地異でも起きるんじゃないかと・・・」
平塚「ほぅ・・・?」ビキビキ
八幡「ひっ!?」ビク
平塚「」ハッ
平塚「(いかん、比企谷は今非常に敏感になっているんだ)」
平塚「(あまり悪い刺激は与えないようにしよう)」
平塚「(何かリラックスできるものは・・・)」
平塚「(・・・・・・)」
平塚「・・・・・・」
平塚「・・・・・・・・・」
31:
平塚「・・・比企谷」
八幡「なんですか?」
平塚「丁度、リラックスできるものがあるんだ」
平塚「最近買ったアロマなんだがな、この部屋で試してみても良いかな?」
八幡「は、はぁ・・・まぁ、良いんじゃないんですか?」
平塚「そうか・・・」
33:
平塚「」キュッキュッ
平塚「」カタン
平塚「」コト
平塚「・・・・・・」
平塚「・・・・・・・・・」
34:
平塚「・・・さて、こうなったらとことんまで君の話を聞こうじゃないか」
平塚「今度はどんなことをされたんだ?」
八幡「次は・・・」
八幡『』トボトボ
八幡『(はぁ・・・放課後になってしまった)』
八幡『(憂鬱だ・・・)』
相模『げっ』
八幡『(俺を見るなりそれかよ・・・)』
相模『最悪・・・』ボソ
相模『』タッ
八幡『・・・・・・』
八幡『小町、お兄ちゃんもう疲れちゃったよ・・・』
八幡「いや、もうこれは仕方がないんですけどね?」
平塚「比企谷・・・」
35:
平塚「比企谷、もうそろそろ辛くなってきたんじゃないか?」
八幡「まだ3人分話していないんですが」
平塚「どれだけの人間が君に対して憎悪の念を抱いているんだ・・・」
平塚「(それに、話に出てくるのは女性しかいないじゃないか・・・)」
八幡「俺って、本当にみんなの嫌われ者なんですね」
八幡「実際になってみて得られるものは孤独と汚名」
八幡「失うものは信頼と人の温もり・・・」
平塚「ま、まぁまぁ落ち着きたまえ! な・・・?」
八幡「・・・っす」
36:
八幡「次は他校の生徒なんですが・・・」
平塚「ふむ」
折本『うっわ! 比企谷じゃーん!』
八幡『・・・・・・』
折本『こんなとこで何してんのー? と言うか外出先でも会うとかマジ最悪だわwwwww』
折本『なに? 私のことストーカーでもしてるわけ? キモいわwwwww』
八幡『・・・・・・』
八幡『(何故だ・・・)』
八幡「偶然会っただけなのに・・・」
平塚「(後で海浜総合高校に連絡を入れておこう)」
40:
八幡「あとの2人はちょっと違うんですよ」
八幡「なんつーか、その・・・いつも見張られているような気がするというか・・・」
平塚「ん? さらに穏やかではないな」
八幡「まぁ、その・・・雪ノ下さんとか?」
平塚「陽乃か・・・」
陽乃『あれぇ? 比企谷君じゃーん!』
八幡『(ゲッ・・・)』
陽乃『いつも暗い顔して大丈夫?』
八幡『(この人と一緒にいると、色々面倒臭いことになるから嫌なんだ・・・)』
41:
陽乃『あ、そうそう』
陽乃『そう言えばさぁ、雪乃ちゃんがね』
陽乃『最近元気がないんだぁ』
陽乃『それでさぁ、比企谷君』
陽乃『 何 か 知 ら な い ? 』ニコ
八幡『』ビクッ
八幡『いや、よくわからないです・・・』
陽乃『ふーん』
陽乃『そっか』
陽乃『・・・・・・』
八幡『』ビクビク
43:
陽乃『ねぇ、比企谷君』
八幡『な、なんすか』
陽乃『君が捻くれ者だっていうのは知ってるけどさぁ』
陽乃『雪乃ちゃんを悲しませたらダメだよ?』
八幡『いや、だから俺は知らないって』
陽乃『もしもの話ってこと』
陽乃『あ、そうそう』
陽乃『それとね? 雪乃ちゃんも素直な子じゃないけどね』
陽乃『あぁ見えて、結構比企谷君のこと気に入っているんだぁ』
八幡『いや、それはありえなi』
陽乃『だからさぁ』
陽乃『雪乃ちゃんを選ばないと』
陽乃『絶対に許さないから』ニタァ
八幡『』
陽乃『ま、そういうことだからそこんとこよろしくねぇー ♪』
陽乃『じゃぁね』
陽乃『比企谷君』
八幡『』
八幡「俺、もう家から出たくないです・・・」
平塚「またあいつは・・・」
44:
平塚「随分と長い相談になってしまったな」
平塚「まさか、君がこんなに病んでいたとは・・・」
平塚「すまない、私は生活指導担当でもあるというのに・・・」
平塚「君が悩んでいることに気づいてやれなかった・・・」
八幡「・・・いや、別に良いっすよ」
八幡「ちゃっちゃと最期の1人を言いますよ」
平塚「あぁ・・・」
八幡「まぁ、後輩の一色なんですが」
平塚「(あのブリッ娘か・・・)」
45:
八幡「あいつ、なんか怖いんですよ」
八幡「目っていうか・・・声とか表情とか・・・」
八幡「最近様子がおかしくて・・・」
平塚「・・・? (てっきりあの態度が辛いと思っていたのだが)」
八幡『はぁ・・・雪ノ下さん怖い・・・』トボトボ
八幡『(もう疲れた・・・早く家に帰って休もう・・・)』
いろは『先輩』
八幡『』ビク
いろは『先輩こんにちわぁ?!』
八幡『お、おう・・・』
いろは『最近よく私と会いますよねぇ?』
いろは『なんででしょうね?』
八幡『(し、知らねぇよ・・・)』
46:
いろは『そうそう、先輩』
八幡『なんだよ』
いろは『さっき先輩と一緒にいた女の人』
いろは『 あ れ 、 誰 で す か ? 』ニコ
八幡『』ビク
いろは『先輩って、本当に色んな女の人と一緒にいますよねぇ?』
いろは『なんでかなぁ?? なんでかなぁ??』
いろは『・・・・・・』
いろは『面白くないです』
いろは『本当に』ニコ
八幡『』ガタガタ
八幡「俺が何をしたって言うんだよ・・・!」
平塚「・・・・・・」
47:
平塚「比企谷、もう良い・・・もう良いんだ・・・」
平塚「君は全て私に話してくれた、だからもう良いんだ・・・」
八幡「・・・・・・ (今気づいたが、あのアロマ、結構良い香りがするな)」
平塚「辛かっただろう、君はこういうことは誰にも相談せずに」
平塚「いつも自分でどうにかしようとする人間だ」
平塚「だが、今回は私に相談してくれた、私に助けを求めてくれた」
平塚「後のことは私に任せてくれ、悪いようにはしない」
八幡「先生・・・・・・ (なんだ? 頭がボーッとしてきた・・・)」
49:
平塚「比企谷・・・」ギュッ
八幡「あ・・・・・・」
平塚「もう君が悩む必要なんてないんだ、君が犠牲になる必要なんてないんだ」
平塚「君は正しい、周りが間違っているだけなんだよ・・・」
八幡「(先生・・・・・・)」
平塚「君は決して1人じゃないぞ? 私はいつだって君の味方だ」
平塚「・・・・・・」
八幡「(ん・・・段々意識が・・・・・・)」
平塚「そうだ・・・深呼吸をしようか」
平塚「このアロマはリラックス効果もあるからな・・・」
平塚「呼吸の調子も整えて、落ち着く空気も吸える」
平塚「一石二鳥だな」
八幡「すぅー・・・はぁー・・・」
平塚「そうだ、その調子だ・・・」
八幡「すぅー・・・はぁー・・・」
平塚「そう・・・もっと・・・もっと吸うんだ・・・・・・」
八幡「(あぁ・・・あぁ・・・ぅ・・・・・・)」
平塚「ふふ・・・・・・」ニタァ
52:
平塚「八幡、今日はどうだったんだ?」
八幡「ハイ、ミンナ優シカッタデス」
八幡「モウ、ナニモ辛クナイ」
八幡「ヤット苦シミカラ解放サレマシタ」
平塚「そうかそうか・・・ふふ・・・良かったな」
平塚「快適な学校生活が送れるようになって、私も安心だ」
平塚「ふふ・・・・・・」ナデナデ
八幡「ハハ」
53:
雪ノ下「ア・・・ア・・・ヒ・・・比企谷君・・・」
八幡「・・・・・・」
平塚「雪ノ下、下がっていろ」
雪ノ下「チ・・・違・・・私ハ・・・彼ヲ・・・」
平塚「雪ノ下」
平塚「聞こえなかったのか?」
平塚「 下 が っ て い ろ と 言 っ た ん だ 」
雪ノ下「ア・・・ゥ・・・・・・」
雪ノ下「」トボトボ
平塚「ふふ・・・そうだ・・・利口じゃないか・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
5

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