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俺「重課金疲れたお……」 ギルメン「俺さんすごい! 次のイベントもお願いします!」


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1:
俺「…………」
女「俺さんのお蔭でまたウチのギルドが勝ったっすよ! さすがっす!」
俺(俺の金のお蔭じゃん……)
女2「すごい! かっこいい!」
俺(俺の金がかっこいいんじゃん……)
女3「俺さーん! また、探索ご一緒させてもらえたらなーと……」
女2「あ! ずるい! 俺さん、こんなクレクレ野郎ほっといて私といきましょうよ!」
女3「はぁ? 言うに事欠いてクレクレ? ふざけないでよ! あんたのがレベル低いじゃん! クレクレはどっちよ! 俺さんとアンタなんかじゃ釣り合わないのよ!」
俺(俺は……俺は……俺はおれはオレオレはオレはオレオ取ってオレオォォォォッ!)
俺「うわぁぁぁぁっぁぁぁああああ!!!」ダッ
女「うぉ! お、俺さんどうしたっすか!」
女3「あれ俺さん? どこいくんですかぁー!」
女2「あーもう……アンタのせいじゃん……うっざ」
26:
GM「へぇ……アカウント消したい。それで最後に俺に挨拶?」
俺「…………」
GM「止めても無駄っぽいな。アンタがいないと、ウチも寂しくなるよ」
俺「重課金者がひとり消えるんだからそりゃな。あんたらの懐も寂しくなるだろうな」
GM「荒んでるねぇ……。たまにいるんだ、お前みたいな奴」
GM「でも、重課金は麻薬だぜ? 現実に思い入れのないお前は、またいつか、同じことを繰り返す」
GM「人に囲まれたい……ちやほやされたい……機嫌を窺われたい……。いずれ気付くさ、もう俺にはこれしかないんだって、な」
俺「そんな……そんなこと、ねぇよ……散々言いやがって」
俺「俺はただ……時間掛けるより金使った方が早いから……。強くなりたかった……だけなんだ」
29:
GM「……そうかい」
GM「アカウント売るのか? 100万にはなるだろ? なんなら俺が上手く手配してやってもいい」
俺「ハイエナが」ボソッ
GM「…………」
俺「誰が何と言おうが、さっと消してやる。伝説の武器も……ひとつだけの鎧も……世界神の加護も……この討伐王の紋章も……ぜんぶ、消してやるんだ……!」
GM「まあ、そう言う奴は多いわな。ケジメだとか言って」
GM「でも、お前は戻ってくる。必ず、ここじゃなくても、他のオンゲーの世界にな」
俺「そんなことねぇよ! お前も! 俺の、俺の金がそんなに欲しいか!」
GM「……民度のいいオンゲーを教えてやる。月額制で、重課金の利点も他と比べて圧倒的に少ない。まだできて間もないから、後々古参ぶれるぞ」
俺「…………じ、GMさん」
GM「じゃあな。お前のこと、結構好きだったぜ。ここにはもう、戻ってくるなよ」
36:
男「ウチのギルドにようこそ! 俺さん、オンゲーは初めて?」
俺「ちょ、ちょっとだけやってたよ。なんていうか……嫌いな奴ができて、すぐやめちゃったけどね」
男「あーなるほどね」
女「ウチも今日入ったところなんっす! よろしく!」
俺「げっ!?」
女「ど、どしたんっすか?」
俺「い、いや……なんでもない」
俺(偶然か? いや、でも……名前もキャラメイクも似てるぞ)
俺「お、女さんは前にこういったオンゲーは?」
女「あははは……なんか、空気悪かったもんで。そこそこ強かったんっすけどね」
女「親友がやめちゃったみたいで、それ切っ掛けに……」
俺「…………」
43:
女「はあっ!」バスッ
俺(相変わらず脳筋だなぁ……)
俺「ブレインっ!」
ゴブリンゾンビ「フルワァァァッ!」
女「ちぇいさっ!」バスッ
女「援護ナイスっす。あいつ、ブレイン効くんですね」
俺「情弱乙。それくらい調べてから動けよ。掲示板では効き難そうなのに効くのがネタになってるくらいだぞ」
女「…………」
俺「あ? どうした?」
女「あ、いや……ちょっと喋り方、知り合いに似てたもんで」
俺「……ネットスラングだっての」
女「そりゃ知ってるっすけど……」
50:
男「クソっ! 次のイベントでは、結果を出すはずだったのに!」
俺「そんな焦らなくても……」
男「アップデートで課金優遇が実装されて、主力も課金ギルドに取られちまったのが痛すぎる……」
俺「俺は……今のここ、好きですよ」
女「ウチも……」
男「そういう話してるんじゃねぇよ! あぁ……クソ、重課金非優遇を売りにしてたくせに……」
俺「た、多少は仕方ありませんって!」
男「はぁ……ここでまともに課金してるの俺くらいだしなぁ……」ボソッ
俺「男さん、まさか……抜けるなんて、言いませんよね」
男「…………」スタスタ
俺「……男さん」
53:
男「……レベル20代? そんな奴ウチに入れられるわけないだろ!」イライラ
男「クレクレだと言われても仕方ないぞ! ちょっとくらいにはここのマナーを調べてから動くんだな!」
男剣士「す、すいませんでした」
男「ったく」
俺「俺が入ったのは、15のときでした」
男「何が言いたい? ここの状況もレベルキャップも全体の情勢も違っただろうが!」
俺「でも……」
男「足手纏いを引っ張れるだけのメンバーがいないんだよ! それくらいわかるだろうが!」
俺「メンバー数自体は減ってますし……今は選んでられる場合でも。ここで育てれば……」
男「で、育った後他所のギルドにもってかれるんだろ?」
俺「そんな……あれは、女魔術師さんは……あの職自体、ギルドが課金しないとインフレに置いていかれるから、仕方なく」
男「くどくどと煩い! 主力が抜けたのが今の現状だろうが! 理由云々なんか関係あるか!」
57:
俺「だからさ、霊獣の森に行くなら、氷耐性重視にしておいた方がいいだろ。それなら、ここのギルメンだけでも十分狩りができる」
女盗賊「なーる。男中心にパーティー組めば、チャンスはあるかもね」
女「でもそれ、毒くらったらまずいんじゃないっすか?」
女盗賊「は?」
俺「馬鹿か。そりゃ剣盾オンラインでの仕様の話だろ」
女盗賊「女はほんっと抜けてってからな、ばーっか」
女「ふふっ……やっぱり」
俺(あ? まずった?)
俺「えっと、剣盾オンライン懐かしいな……。三年くらい前、ちょっとやってたんだよ」
女「この前聞いたとき、やったことないって言ってたっすよね?」
俺「え、う、嘘だろ? そんな、そんなことは……」
女「嘘っすよ。でも、その反応見ればぜんぶわかるっすよ」
女盗賊「え、なに? なんの話」ニヤニヤ
女「オレさん、なんっすよね? 前のゲームでいっしょだった」
女盗賊「なっ!?」 
61:
女盗賊「ちょっと待てよ……。剣盾オンラインのオレ!? それって、あの急に消えたっていう伝説の……超有名人じゃねぇーか!」
女「急に消えたからずーっと探してたんっすよ。へへっ、でもまあ、多分俺さんじゃないかなーって思ってたっすけどね。毒舌なところとか、あと戦略とか似てるなーって」
俺「俺は……俺は、違うんだ……」
女「俺さん?」
俺「俺は……」 女盗賊「男っ! 聞いたか、俺の奴が、あの剣盾オンラインのオレなんだってよ! あの、伝説の!」
ギルメン「え?」 ギルメン「ま、マジかよ……なんでこんな弱小に?」 ギルメン「じゃあ……そのうちまた、無双する気なのか?」
俺「…………」
男「オレ? 噂でしか知らないが……あのオレなのか? じゃあそろそろ……様子見も終わって、課金する気なのか?」
男「な、なぁっ! お前はウチに残ってくれるんだよな? 俺は、ここの皆が大好きなんだ! お前もそうだって言ってくれたよな? なあ? 俺も……お前にゃそりゃ及ばないだろうが、課金するから! だから……残ってくれよ!」
俺「…………」
ギルメン「さすが我らがギルドマスター! かっけぇ!」 ギルメン「なあ、今の言葉、ギルド伝言板の名言リストに入れとこうぜ!」
ギルメン「私も、ここ大好きだよ男さん!」
64:
男「なあ! やってくれるよな! なあ!」
俺「俺、は……」
盗賊女「よかったじゃん男。これでここも安泰かな」
ギルメン「……今まで指咥えて見てるしかなかったイベントに参加できる?」
ギルメン「ここのギルドに錬金釜と研究室ができたら、女魔術師ちゃん帰ってくるんじゃね?」
ギルメン「ドラゴンペット機能で、あーしこれやったらいいんじゃないって思うのがあったんだけど……」
女「あ、あのー……ちょっち、みんな……えっと……」
男「ここにいてくれるんだよな? な?」
俺「あ、ああ……俺は、ここにいるよ」
ギルメン「「「うおおおおおおおっ!」」」
女「…………」
68:
女「すいません……あんなつもりじゃ、なかったんっす」
俺「…………」
女「ひょっとして、また引退する気っすか?」
俺「お前には、関係ない」
女「なくないっす……。ウチのせいですし……それに、また俺さんがいなくなるの、イヤっす……」
俺「俺はもう、重課金をしない。そう決めたんだ」
女「……じゃあ、いっしょにこのギルド、逃げ出さないっすか?」
俺「え?」
女「友達が他のギルドにいるんです。そっちに、こっそり移りましょう?」
女「男さんには……ギルドのみんなには悪いっすけど……。でも、課金したかったら、みんなすればいいはずなんっす」
女「俺さん祭り上げて、ただで甘い汁啜りたいって、それだけなんっす。別に俺さんが気にするようなことは元来何もないんっす」
女「引け目感じて辞めなくたって……そんなの、絶対しなくていいはずっす。ウチと……逃げましょう? ふたりで」
73:
女モンク「む、お主が俺殿であるな! 私がここのギルマスだ! よろしくたのむ!」
俺「ど、どうも」
女「女モンクちゃん、ウチの昔の同級生なんっすよ」
俺「へえ……なんで最初からこっちにしなかったんだ?」
女「ここ、結構レベル高いっすから。その点男さんのところは甘かったんっすけどね……」
女モンク「そんなもの気にしなくてもいいと言っていたのに。そもそも、ギルドに引き入れるために女をこのゲームに誘っておったのだぞ」
女「へへへ……」
男獣戦士「……弱っちいのが来たと思ったら、コネ入団かよ」ボソッ
俺「…………」
俺(……なにも起きなきゃいいが)
78:
男商人「いまやでっ!」
男弓使い「はいダブルアロー! 怯んだとこ外すなよ!」ババッ
ユニコーン「フー、フー……」ダダダッ
俺「うらぁっ!」バスッ ユニコーン「ガアアアッ!」ドゴッ
俺「ぐっ!」
男商人「……なんや、300ダメージも安定して入らんのか……はあ」
男弓使い「あれ? これ、追撃付加来るから死ぬんじゃね」ニヤニヤ
ユニコーン「フアアアアアッ!」
俺「くそっ!」
女騎士「りゃっ!」ガツッ
ユニコーン「アガッ!?」ドサツ
俺「あ、ありがと……助かった」
女騎士「……今、どうして追加を撃たなかった?」
男弓使い「あ? ちょっと手許狂っただけだろ。なんか言いたいことでもあんのか?」
俺「…………」
88:
女騎士「む、あのふたりは……?」
俺「……なぜか今日は効率悪いから、帰るってさ」
女騎士「はぁ……そうか」
俺「今日……庇ってくれて、ありがとうな」
女騎士「…………」
女騎士「お前、なんでここに入ったんだ?」
俺「え?」
女騎士「わかってただろ。こうなるってことくらい」ガツッ
俺「痛っ!」ドサッ
女騎士「……私も、今日はもう戻ろう」タッタッ
俺「……なんでここに入った……か」
俺「俺が聞きてえよ……そんなもん」
96:
女忍者「やはり家畜小屋でござろう。新実装されるオーガチキンのバランスが、初期はぶれる可能性が高いと拙者は睨んでおります」
女「なんでそう女忍者は分の悪いギャンブルに出るんっすかね……」
女モンク「我々が運営のミス期待ありきの行動など……他所から非難が……」
女忍者「しかし拙者の情報網では……」
俺「…………」ポツンッ
女「あ、ちょ、ちょっとゴメン」バッ
女忍者「どうしでござるか?」
女モンク「…………」
女「俺さん! どうしたんっすか?」
俺「…………」
女「……俺さん?」
99:
俺「俺、辞めようと思う……」
女「ど、どうしてっすか!? もう、もう俺さんに課金迫るような奴らはいないんっすよ!」
女「確かに今は風当りが強いっすけど……」
俺「お前はリア友いるからそんなことねぇだろ。女忍者とも話してるし」
女「そんな……じゃ、じゃあウチが、女モンクちゃんと話さなかったら……いてくれるっすか?」
俺「んな話、してねぇだろうが!」
女「……ウチ、ウチがここに入ったのは、俺さんの巻き添えなんっすよ?」
女「ウチは向こうでやりたかったのに……俺さんが、辞めるっていうから……それなのに、今更ここを出てくんっすか? そんなの……そんなの……」
俺「俺は! 連れ出してくれなんて言ってねぇだろうが! お前、自分で何言ってんのかわかってんのかよ!?」
女「え……あ、ウ、ウチ、そんなつもりじゃなくって……えっと……ご、ごめんなさい……」
俺「…………」
女「ウ、ウチがなんとか……なんとかするから、辞めないで……」
110:
572 名前:名も無き冒険者 :20xx/xx/xx(月) 18:44:59.11 ID:otokogirumasu
「俺」とかいうクズに注意
他所のMMOもやってたけど、そっちでは世話になった人に何も言わず、イベント前の最悪のタイミングで急にやめたらしい
噂では金も借りたままだったとか
昔俺の作ったギルドにいたけど、「ここのギルドは好き」とか散々吹聴してた癖に、主力引き抜いて一緒に辞めやがった
戦力なくしてから放置が増えていって、俺のギルドは結局潰れた
俺も今日限りで引退するところ
散々俺のところでウマウマしといて、本腰入れて課金するかってなったらリア友いるギルドに移りやがった
最低のクズ
どうせ見てるんだろ? お前の楽しみ2chとオンゲーくらいだもんな(笑)
______________________________________
俺「なんだよ……これ」
俺「金借りてねぇし……俺のリア友じゃなくて女のリア友だし……言い出したのも女だし……。そもそも、重課金なんかこっちでしてねぇよ!」
俺「中途半端な噂ばっかで適当書きやがって……。しかもこいつ、明らかにID変えて自演擁護と自演コピペで拡散してやがる……」
俺「……あいつらが、見なきゃいいけど」
124:
俺「……変な俺側の擁護が入ってたせいで、本人認定されて余計に燃え広がっちまった」
俺「クソったれ……あれも多分、あのギルドにいた誰かなんだろうな」
俺「んだよ……俺が、俺が悪いのかよクソ……」
女モンク「あ……お、俺殿……」
俺(ああ……多分これ、もう知られてるな)
女「俺さんっ! 今日はどこに周るっすか? 一緒に冒険してくれるっすよね? ね?」
俺「……知ってんだろ。男が書いただろう書き込み」
女「あ……だ、大丈夫っすよ! 俺さん虐める奴は、ウチが全部論破してやったっすから!」
俺(昨日の本人認定されて燃え広がらせたのコイツかよっ!)
男獣戦士「おい、俺……」
俺「んだよ! やめればいいんだろ! 辞めてやるよこんなところっ!」
男獣戦士「すまなかった……そういう事情があったなんて、知らなかったんだ! 許してくれっ!」バッ
俺「え……?」
129:
男獣戦士「ぜんぶ……女から聞いた」
男獣戦士「どういう流れで来たかも知らねぇのに陰口叩いて……ほんとにすまなかった」
俺「い、いや……そんな、何も言わなかったのは俺だし……」
男獣戦士「身内に頼み込んで入ってきた、ウチの課金勢煽ててその恩恵得ようって……そういうチャチな図々しい奴だと思っちまってた」
俺「……俺も、似たような思いしたことあるからわかるよ」
男獣戦士「そうか……すまなかったな」
男獣戦士「これからは、安心してこのギルドに貢献してくれ。今日ここにいないものには……俺から上手く伝えておく」
俺「あ、ああ……」
男獣戦士「それで……いつ頃から、いくらくらい課金する予定なんだ? いや、急かしてるわけじゃないが……行動方針にも関わるし……」
俺「は?」
133:
男獣戦士「あ? 向こうで課金しなかったのはクレクレに張りつかれたからなんだろ?」
男獣戦士「まだこっちでも微課金でやってるのは、今表立って課金したら元のメンバーの反感を喰らうから控えてるだけだって……」
俺「は?」
男獣戦士「剣盾オンラインでの活躍ぶりは、プレイヤーじゃなかった俺でも知ってるほどだ! 一緒に新たな伝説を打ち立てようぜ!」
俺「ちょっと待て、俺が課金する? 誰がそんなことを言ってたんだ?」
男獣戦士「あ? 誰って、今さっき女の奴から聞いたばっかりだが?」
俺「は?」
143:
俺「おい! どういうことだよ!」
俺「お前だけは、信じてもいいかもって……そう思ってたのによ!」
女「ち、違うんっす……。ウチは、ただ……このままだったら、俺さんの居場所がなくなっちゃうって思って……どうにかしたくて」
俺「それで、俺が課金するって言ったのか? 馬鹿じゃねーのか!」
女「そうじゃなくて、ただ……説明してたら、男獣戦士さんがそういうふうに解釈して……」
俺「お前がまた、誤解招くような言い方したんだろうがっ! 何度目だよ!」
俺「いい加減に……いい加減にしろよ……」
女「ウ、ウチは……そうじゃ、そうじゃなくて……ゴ、ゴメンナサイ……」ヘタッ
俺「……チッ」
女「や、辞めないっすよね? ね? また一緒に……森に行って、ダンジョン入って、何か実装される度に大騒ぎして……それで……」
俺「続けると思うか? こんな状況でよ!」
女「ゴ、ゴメンナサイ……。でも……ウチが、ウチがなんとかするっすから……」ブツブツ
149:
女騎士「ほら、二人とも謝るんだ」
男商人「ちゃ、ちゃうて! 別に……俺はんをどうとか、そういう気はなかったんや」
女騎士「この期に及んでまだそんなことを言うのか!」
男商人「ぐ……す、すまんかった」
男弓使い「俺も……悪かった。ただの、コネだと思ってたわ……」
男弓使い「これから課金するって……それだけの話だったんだな。すまんかった! 俺を許してくれ!」バッ
女騎士「すまないな。根はいい奴らなんだ、キミも色々と思うところはあるだろうが、どうか許してやってくれ」
俺「……う、う」フルフル
女騎士「どうした俺?」
俺「う、うわぁぁぁああああああっ!」ダッ
女騎士「お、おい! どこに行くんだ!」
157:
俺「課金……課金するしか、ないのか? いや……俺はもう、あんなこと……」ブツブツ
女「俺さん……」
俺「……女か」
俺「俺は、俺はどうすればいいんだ?」
女「その……課金、ちょっとで……ちょっとでいいんっす。とりあえず、周囲を誤魔化せるくらいの……」
俺「課金……ちょっと……課金……」
女2『ね、俺さん! なんでもいいんです! ちょっと……何か、私に向いてる武器を借りられないかなぁと……』
俺「…………」
女「そ、そうっす! 少量でも、追加で課金したという体裁さえ取れれば……表立っては何も言ってこないはずですし……」
俺「そうか、そうだな」
女「俺さ……」
俺「お前も、俺に課金しろというんだな。お前も俺の課金が目当てだったんだな」
161:
女「ち、違うっす……。ウチは、ウチはただ、俺さんと一緒に楽しく狩りができたらいいなって……ただ、それだけっす」
俺「信じられるかよ! 課金しろ課金しろ課金しろって! ぎゃーぎゃーうっせぇんだよ!」
俺「罠だ! ぜんぶ罠だったんだ! そうか、わかったぞ!」
俺「お前はわざと! 俺が剣盾オンラインにいたことをギルドメンバーにばらしたんだ! 俺が課金せざるを得ないように追い込むため!」
俺「炎上を広げたのもわざとだったんだ! いや、お前がギルマスの振りをして書き込んだんだ! そうなんだな!」
女「ち、違うっす……ウチは……ウチは、ただ……。どうして、どうしてそんな……」
女「そんなこと……考えたこと、なかったのに……」
俺「信じられるかよこの売女が! もう騙されねぇぞ!」
俺「お前さえいなかったら! 弱小ながらに男さんのギルドはまだあったはずなんだ!」
俺「細々と……仲良く楽しく、やっていけたはずなんだ! お前さえ、お前さえいなかったら……」
女「ち、違う……違う、違うのに……どうして、なんで……」
167:
俺「黙れや!」バシュッ
女「あっ!」ドサッ
俺「叩き……叩き斬ってやる! 二度とその汚いアバターを見せるんじゃねぇ!」
女「ど、どうしたら信じてくれるんっすか! 全部、全部誤解っす!」
俺「何を信じるっつうんだよ! どの道もう、こうなっちまった以上続けられねぇんだよ!」バシュッ
女「また二人で、どこかギルドに……そうだ! ウチら二人でギルドを作るんっす! それなら……」
俺「…………」ピクッ
女「剣を止めてくれた! 俺さん! 考えてくれるんっすね!」
女「ね? 二人だけで……一緒に……ウチは、それでも……」
俺「悪いな、女」
女「え?」
俺「もう……誰も信じられそうにない」ブンッ
175:
俺(今の場面から……避けられた?)
女(ここでウチが死んだら、きっとその間に俺さんがアカウントを消しちゃう……なんとか耐えて、引き留めなきゃ)ゼェゼェ
俺(いや、俺の攻撃ミスか。あそこで動いたとき、いつもの俺なら追撃できたはずだ)
俺「…………」
女「ウ、ウチが、払うっす! 俺さんが課金するのを……半額、負担するっす!」
俺「な!?」
女「……それなら、俺さんだってウチのこと信じてくれるっすよね?」
俺「そんな……そんなこと、できるはずがねぇ!」
女「貯金もありますし……バイトしたら、月10万くらい、出せるはずっす。ウチは本気っす!」
俺「……嘘だ、嘘に決まってる。できるもんならやってみろよ!」
185:
二つ首竜「シャアアアアアアアッ!」
俺「ブレスが来るぞっ! 頼んだ!」
女騎士「了解だ! 結界内に入れ!」トンッ
女モンク「私はまだ余裕がある! この隙に片首をへし折るっ! 後で回復を頼む」ダッ
女「よし、ウチも!」
俺「お前は魔法陣内にいろ! 行動パターンCが来ると死ぬぞ!」
女「む、むう……了解っす」
188:
二つ首竜「ラアァァァアアアア!」ゴオッ
女モンク「ぐっ! ダメだ、前回より硬いかもしれん!」
俺「調整? いや、それはないと思うが……」
女騎士(このパーティーだと、総攻撃力に欠ける)
女騎士(私は守備寄り、ギルマスのモンクもバランス、俺もトリッキーだが威力が足りない……)
女騎士(そして何より……)
女「う、うりゃあっ!」バスッ
女騎士(この面子の中で、彼女が劣り過ぎている。ギルマスと男の知人なのは知っているが……連れてくるべきではなかった)
195:
俺「やっぱり、まだあのクラスのモンスターは駄目だったか……」ハァ
女騎士「俺よ、話がある」
俺「え?」
女騎士「あまり女を連れ回さない方がいい」
俺「ど、どういうことだよ。今回負けたのがあいつのせいだって言いたいのか?」
女騎士「自分の立ち場を考えた方がいい。お前が連れ添って行動すると、他のメンバーからの嫉妬を買うのだ」
俺「は?」
女騎士「『なんであいつは私より弱いのに、俺さんはあいつと行動しているのか』」
女騎士「たまにこういう愚痴が耳に入ってくる。最近、女と女忍者もよそよそしいだろう?」
女騎士「女は最近IN率も落ちてきてるから、余計にな。嫉妬はいらん噂を呼ぶぞ」
俺(あいつ……本当にバイト始めたみたいだからな)
204:
女「俺さん、一緒に悪夢の時計塔に潜らないっすか! あそこ、一回行ってみたかったんっすよ!」
俺「あそこか。だったら、ちょっと準備が必要だな」
女騎士「女よ、お前のレベルではまだまだ早い」
女「うっ……ウチは、俺さんに話してるんっすよ! ね、連れてってくれるっすよね?」
女騎士「…………」ジロッ
俺「お、女にはまだちょっと難しいかな。レベルを後、10は上げてからだな」
女「ウ、ウチが……」
女「なんでもないっす。我が儘言って、悪かったっす」シュンッ
俺(俺が強くなったの、半分は女の金だからなぁ……)
209:
俺「やっぱり金、返すべきだよな。意地になって受け取っちまったけど」
俺「俺ばっかチヤホヤされて、あいつはギルドの陰でたかり屋扱いされてる……」
俺「ちゃんと、あいつは約束通り送ってくれた。それだけでもう、いいだろう」
トゥルルルルウ
俺「うおっ! な、なんだ新しいモンスターか?」
俺「……って、電話かよ。びっくりした」
俺「ほっとくにも音うるせぇなあ。セールスか? クソ」ガチャ
父『俺か? お父さんだ』
父『急で悪いが、お前への仕送りを大幅に減らすことにした』
俺「は、はあ!? ふざけんじゃねーぞ!!」
214:
父『……お前が受験失敗したのもそれから立ち直れなかったのも、父さんのせいだ』
俺「だったら! わかってんなら金寄越せよ! 金!」
父『そしてお前が引き籠りから脱せず、ネットゲーム生活から抜け出せなくしてしまったのも、また父さんのせいだ』
俺「な!?」
父『死んだ母さんがな、夢に出たんだ。貴方は自分の負い目から逃げたくて、ただ甘やかしているだけだってな』
俺「御託はいいから金を寄越せよ! 大きなイベントがあるんだよ! 俺は、そこでギルドを勝たせなきゃいけねぇんだよ!」ドンッ
父『最低限生活のできる分は送る。アルバイトからでいい、始めてくれ。何か建設的なやりたいことがあるのなら、父さんはそれを全力で支援する。今度、お前の下宿先に行くから父さんと話をしよう』
俺「俺がやりたいのは……ネトゲなんだよぉ……。金をくれよ……金」
220:
俺「次のイベント……これまでにない規模のギルド戦だ。なんとしても勝ちてぇ」
俺「それにレベルキャップも解放された! 置いていかれたくねぇよ!」
俺「持ってるひと通りの武器に守護霊も憑りつかせときてぇ! ペットドラゴンにも最高級の餌しか喰わせたくねぇ!」
俺「足りねぇよ……金が全然足りねぇんだよ!」
俺「散々勝手な教育論押し付けてきて……俺が駄目になったら金だけ渡してサヨウナラしといて……夢に母さんが出てきただぁ? 今更いい親父ぶられても困るんだよぉ……俺の世界はもう、ネトゲなんだよぉ……ここしかねぇんだよ……」
俺「もう俺の居場所を壊さないでくれよ……なんなんだよクソ……」
俺「金貸してくれる友人もいねぇっつーの。高校の頃の知人に電話する勇気もないし、借金して親父に泣きつくか? いや、それも……」
俺「女……そうだ! 女なら、女なら貸してくれるはずだ!」
228:
俺(多目に伝えよう。俺が自由にできる額の倍を考えても、全然足りない)
俺「今回は、?円使おうと思う。半額振り込みを頼む」
女「そ、そんなにっすか!? 確かにイベントが近いっすけど……それは、ちょっと」
俺「な、頼む! お願いだ!」バッ
女「ちょ、ちょっと考えさせてほしいっす……」
俺「なんだよ、約束を破るのか! お前まで俺を裏切るのかよ! お前だけは信じさせてくれるって思ってたのによ!」
俺「やっぱり、やっぱり全部嘘だったんだな! お前も結局、俺の課金が目当てだったんだ!」
女「そうじゃ……そうじゃないっす! でも……」
俺「迷うってことはできるんだろ? 選択肢があるんだろ? その上で金払うのが嫌で俺を裏切るんだろうが! 何が違うんだよ!」
女「どうして……どうして、こんなに尽くしてもわかってくれないんっすか……」
俺「自分から言い出したこと破ろうとしてんのはお前だろ! 何がどうしてだ!」
230:
俺「頼れるの……女だけなんだよ。頼む、俺の世界を守ってくれよ……」
俺「俺はお前だけは、疑いなくないんだよ……」
女「俺さん……」
女「わかったっす。その額、大丈夫っす」
俺「本当か! ありがとう、女!」ギュッ
女「え、えへへへへ……。これくらい、俺さんのためだったらどーってことないっすよ! 全部ウチに任せてほしいっす!」
俺「その……できれば、○日までに……」
女「任せてください! 明日には振り込んどくっす! 一緒に、ウチのギルドを最強にしましょう!」
235:
女「エヘヘへへ……俺さん! 今日は一緒に、街でも歩かないっすか?」
女「最近なかなか市場を確認できてなかったから、相場とか……新武器とか、その辺の説明頼みたいっす」
俺「ああ、行くか」
女忍者「さすが女殿、また俺殿にたかる気でござるな」
女「…………」
俺「お、お前何言うんだよ!」
女忍者「それしかないでござろう。なーにが、相場でござるか。ギルマス殿の旧友だからとコネ入団した身で、ズウズウしいのだと言っているのでござる」
女忍者「えらく大切にしているようでござるが……ひょっとして、オフで会われたのでござるか?」
俺「テメェ……」
女「お、俺さん、行きましょう? ウチ、気にしてないっすから!」
女忍者「気にしていない! 流石、低レベルで半放置の癖にコネで入って、強課金者からアイテムをたかろうとする人は違いますなぁ!」
274:
俺「本当に……すまないな。お前ばっかり、こんな……」
女「あんなの、どーってこないっすよ!」
俺「……でも、最近女モンクと二人きりで喋ってるところもみないぞ。ギクシャクしてるんじゃあないのか?」
俺「大事なリア友なんじゃあ……」
女「あははは、いいんっすよ。ウチ、もうリアルは捨てましたっすから!」グッ
俺「なんで……そこまで……」
女「俺さんも、ウチと一緒っすよね?」
俺「…………」
女「俺さんだけわかってくれるなら、ウチはそれで満足っす!」
父『最低限生活のできる分は送る。アルバイトからでいい、始めてくれ。何か建設的なやりたいことがあるのなら、父さんはそれを全力で支援する。今度、お前の下宿先に行くから父さんと話をしよう』
俺「あ、ああ……俺も、お前と一緒だよ」
278:
女モンク「ついに来たな。勝ち抜き、10対10の団体戦だ」
俺「これのために万全を備えてきたんだ。意地でも優勝するぞ」
女モンク「我々のギルドは期待されているからな。無様な結果を残すわけにはいかない」
女「陣形はCで行きましょう! それなら、ウチが俺さんの横につけるし……」
俺「…………」
女「お、俺さん?」
女モンク「悪いが女、10人制限だとお前を出すことはできない」
女「で、でもウチだって……」
女モンク「我が儘もいい加減にしろ! 男獣戦士や男弓使いを差し置いて、お前を出せるはずがないだろう!」
女モンク「最近お前、様子がおかしいぞ!」
女「……そ、そうっすか。そうっすよね」
女モンク「…………」
281:
女「…………」シュン
俺「な、なあ女……」
女「べ、別に落ち込んでないっすよこれくらい!」
女「俺さんのこと、応援してますからね! ウチの分まで頑張ってくださいよ!」
俺「あ、ああ……。そうだ、今から皆に内緒で悪夢の時計塔、潜ってみないか? 低階層なら、二人でもいけると思うし……」
女「本当っすか!」
285:
女「ほへー! ここが最難関ダンジョン……」
俺「こら、動くな、今俺がwiki開いてる。ランダム型設置の罠があるんだ」
俺「俺も実際に入ったのは一度だけしかない、不用意に動くな」
女「新鮮な感じがいいんじゃないっすか。ほーら、置いてっちゃうっすよ」
俺「おい! 先々行くんじゃねぇ! こら!」
スカルナイト「ガアアッ!」ザンッ
女「うわっ! 急に出てきた!」
俺「あーもう、だから言ったじゃねーか!」バッ
スカルナイト「ガァッ!」グサッ
俺「ぐっ! うらぁっ!」バシッ
俺「はぁ……はぁ……HP少ないのがまだ救いだな」
女「えへへ、すいませんっす。だって攻略サイト見ながら動いてたら新鮮感がないっすもん」
俺「わかった、wiki開かないから俺の後ろ歩けマジで!」
288:
お化け「ケケケケケ……」
女「な、なんすかあの布被ったみたいな奴! 追いかけてきますよ!」
俺「わからん! 前は見なかった! とにかく物理攻撃は通らんみたいだ! 相性が悪い、逃げるぞ!」
女「逃げるって、全然撒けないじゃないっすか! 無理無理無理! なんかアレ気持ち悪いっす!」
俺「仕方ねぇだろ! 試したいことはあるが、不用意に近づいたら即死もあり得る! どっかドアあるところまで行くぞ!」
女「ネット! ネットで調べてください!」
俺「逃げながら調べろってか? 無茶言うんじゃねぇ! そもそも新鮮な気持ちで挑みたいって言ったのはお前だろうが!」
女「それとこれとは話が別っす! ちょっと追い詰められたいってだけで、そのままトドメ刺されるのは嫌なんっす!」
俺「わかる! わかるけど、それをわかった上で最初から調べとくべきだって俺は言ってたんだよ馬鹿野郎!」
292:
女「挟み撃ちにしたら良かったんね……いや、倒せてよかったっす」ゼェゼェ
俺「利き腕と逆の手で検索するのが、どれだけしんどかったと……」ゼェゼェ
女「にしてもアレ、本当にソロ殺しの敵っすね」
俺「たぶん、人形でも誤魔化しが効くんじゃないのか」
女「あー……なるほどっす。にしても、意外と経験値、控えめなんっすね」
俺「だから俺も一度しか潜らなかったわけだしな。女騎士も、調整入るだろうからそれまでは行かないって言ってたし」
女「な、なんかがっかりっす……」
俺「掲示板もそんな感じだから、細かい部分には関しては調査組が少ないんだよな」
俺「この布お化けにしても、何がドロップするかとかは不明なんだよ。姿もステも特殊だし、経験値もGも低いからなんかあると睨んでるんだが……」
俺「噂では、○△ギルドが知ってるけど隠してるって話だが」
女「あ、なんかアイテム出てるっすよ」
俺「え?」
298:
俺「『純白の布』……これって、そうか……こいつが持ってやがったのか」
女「そ、それ知ってるっすよ! 新実装された結婚システムに必須なんっすよね!」
俺「まずは少人数に渡して動きを見るため、実験的にレアドロップにしてたみたいだな。その内、課金アイテムとして販売されるんじゃねぇか?」
女「そ、そうかもしれないっすね! 市場にも売りに出してるのはないし、取引履歴も桁おかしいのしか残ってなかったし……ウチも疑問には思ってたんっすよ!」ソワソワ
俺「となると、課金販売される前に値段吊り上げて売っちまうのが一番だな。素材で売るより、錬金でウェディングドレスにしてから売った方がいいのか……」
女「…………」
俺「売った後はギルド総員で布を回収するか……いや、現実的じゃないな。他の大規模ギルドにドロップ情報を売るか?」
女「ウ、ウチらで使うって、ダメっすか?」ボソッ
俺「ん? なんか言ったか?」
女「……なんでもないっす」
317:
俺(悪いな女……これは、売らさせてもらうぞ)
俺(このゲームでは結婚したら、複合詠唱や共同コンボなんてものまで手に入る)
俺(このレベル差で結婚システムなんか使ったら、今度こそギルド内に女の居場所がなくなってしまう)
俺「実はソロで時計塔に潜ったとき、こんなものをドロップしたんだ」
男獣戦士「ソロで潜ったぁ? 水臭いな、俺を誘ってくれればよかったのに」
女騎士「それは……まさか、ウェディングドレスの最後の素材か!?」
女「へへん!」
男獣戦士(なんでこいつが得意気なんだよ……うせぇな)
俺「ああ、そうだ。それでこれとドロップ情報の扱いを相談したくてな」
女騎士「無論、ドロップ情報はギルド外持ち出し禁止だ!」
女騎士「夫婦複合詠唱があれば、次のギルド戦を制することができるかもしれん!」
女騎士「このタイミングで出したのは、運営の戦略だ。大規模ギルド戦で結果を残させてから、課金アイテムとして純白の布を売るつもりなんだろう。となれば、今回の作戦の中心とするべきだ!」
女「……!」ソワソワ
俺「え……ど、どうだろうな。式は金曜日限定みたいだし……熟練度的にも実践レベルに持っていくのは厳しくないか? 何より、不確定事項が多すぎる」
女騎士「間に合わせるのだ! 充分試す価値はあるはずだ! ギルマスにも相談しよう!」
323:
女モンク「なるほどな、情報不足感は否めないが……我々のギルドで使うべきだろう」
女モンク「ある、というだけで大きな牽制にもなる。マイナスに働くことはまずない」
女モンク「異論があるものは? いないな」
女モンク「問題は、誰と誰が使うかだ」
女「お、俺さんとウチが……」
俺「能力面で考えれば、男獣戦士と女モンクでいいんじゃあないのか。共同コンボは近接型のこの二人で押した方が効果があるはずだ」
女「…………」
男獣戦士「お、俺がギルマスと結婚すんのか? な……なんか照れるっつーかよ……」
男商人「たかがゲームやで、なに赤こうなっとんねん」
女「たかがゲームじゃ……ないっす。ウチは、ウチには……なのに、なんで……」
男商人「あ? 何か言うたか?」
俺「こ、この組み合わせでいいと思うんだがどうだろうか! 女モンクが言ったように、派手ささえあれば相手の気も引けるし、動揺も誘える!」
331:
女モンク「しかし、ここは手に入れた俺殿が使うべきであろう」
俺「え? い、いやでも共同コンボ……」
女モンク「結局のところ、不確定要素が大きいから細かいところは机上の空論だ。それならば入手者が使うべきであろう」
男商人「振られたな男獣戦士はん。陰でえらい喜んではったのに」プププ
男獣戦士「う、うっせぇな! たかがゲームだろうが!」
女「じゃあ、じゃあウチが!」
女忍者「実力的には女騎士さんが丁度いいと思うのでござるが、どうでござろう?」
女騎士「あわっ!? わわ、私か? 私が……結婚……い、いや……その、私はだな……ほら、騎士であるし、国に尽くす身であるというか……」
女忍者「その反応、満更でもないのでは?」ウリウリ
女騎士「お、俺がそれでいいのなら……別に、構わないが。まあ、共に行動することも多いし……私が順当であることに異論はないのだし……」コホンッ
男弓使い「夫婦としてか?」ニヤニヤ
女騎士「ち、違う! 狩りにも活かす必要があるからに決まってるだろうがこの痴れ者が! 茶化すでない!」ドンッ
俺「そ……そのだな、俺は……」
男弓使い「かーっ! カップル誕生かよ! 気をつけろ、絶対あいつ尻に敷くタイプだぜ」ニヤニヤ
女「…………」
348:
女「ウチが……ウチが、俺さんと見つけたんっすよ!」
俺「お、おい女!」
女モンク「ど、どういうことだ?」
女「二人で協力して……頑張ってモンスター倒して……それで、それで手に入れたのに……」
女忍者「ひょっとして女騎士殿から止められてたのに、無理言って時計塔に登ったのでござるか?」ニマァツ
女「そ、そうっすよ! だから……だから、手に入れた人が使うべきっていうのなら、ウチと俺さんが使うべきなんです!」
女忍者「周りに隠してこっそり俺殿を連れ出して塔に登って、その揚句アイテム見つかったからその権利の主張でござるか。やれやれ、いつもに増して必死でござるね」ハンッ
女「文句あるっすか! ウチと、俺さんの問題っす! アンタは関係ないんっす! どうして、どうして邪魔ばっかりするんっすか!」
女忍者「結婚さえしたら、名目が立つでござるからな。次から俺殿とダンジョンを潜っても、婚姻スキルがあるからだといえば誰も文句が言えなくなるでござるからね」
女「そんなわけ、ないだろうがっ!」
女忍者「おお、怖い怖いでござる。でも周囲がどう思ってるかは、もうちょっと見た方がいいでござるよ?」
女「え?」
男獣戦士「……はぁ」 男弓使い「ここまで典型的な奴、マジ初めてみたわ」
女「ウ、ウチは……ウチはただっ!!」
女モンク「……女、それ以上喋るな。立場を悪くするばかりだぞ」
358:
神父「俺さん、あなたは女騎士さんを妻とし、神の導きによって夫婦になろうとしています」
神父「汝、健康の時も病めるときも、富ときも貧しき時も、幸福の時も災いにあうときも、可能な時も困難なときも」
神父「これを愛し敬い慰め遣えて共に助け合い 永久に節操を守ることを誓いますか?」
女騎士「ち、ちち……誓いますっ!」
女「…………」ジイッ
俺「…………」
神父「新郎様どうなされましたかな?」
俺「誓い……ます」
神父「では、誓いの口付けを」
女「…………」
俺(そんな……そんな目で見るなよ)
俺(仕方ないだろ、弓使いと獣戦士、女忍者が地盤固めにかかってたんだから……あの流れで断ってたら、余計拗れてただろうが!)
女「…………」
370:
女「ね? 一緒に、一緒にダンジョン潜りましょう?」グイグイ
女騎士「い、いや……彼は、その、私と婚姻スキルの練習をしないといけないのだが……団体戦までに、形にしないといけないからな」
女「何しおらしくなってるんっすか! 気色悪いんっすよ!」
女「たかがゲームの! ギルド戦の戦力作りの名ばかり結婚で、なぁに意識しちゃってるんっすか!」
女「お前なんか……お前なんか……」
俺「ま、また今度だ! ギルド戦終わってから連れて行ってやるから!」
女「終わるまで? 嫌っす、嫌に決まってるじゃないっすか!」
女「敵攪乱できたらそれでいいって、女モンクも言ってたじゃないっすか! 結婚したからってそれを理由にすり寄るって……鬱陶しいんっすよ!」
女「邪魔……しないでください。ウチと俺さんの、邪魔をしないでください……」ガシガシ
俺「わ、わかった! ちょっと合わせて様子見たら、戻ってくるから! それから二人でまたダンジョンに潜ろう? な?」
女「……遅くなったら、イヤっすよ」
女騎士「…………」
380:
ゴーレム「フゴッ!フゴーッ!」
俺「右から行け!」
女騎士「わかった!」スッ
俺「双剣舞!」女騎士「双剣舞!」
 シャンシャンシャンッ
ゴーレム「フゴッ!?」ドサッ
俺「連続ヒット技で防御型のゴーレムを鎮められるのか……」
女騎士「これで一通りの技は試したが、どうする? ……戻るのか?」
俺「すげぇ……このスキルさえ極めれば、中堅ギルド程度なら俺達二人で沈められるんじゃないのか!」
俺「熟練度! 熟練度を上げよう! タイミングも覚えておかないとな! 対人での定石も作っておきたい! 後で男獣戦士あたりで実験させてもらおう!」
女騎士「え?」
俺「どうした? 乗り気じゃないのかよ! 今の見ただろ!」
女騎士「想像以上の威力だ。しかし……その……」
俺「だよな! 俺達二人が、ギルドを勝利に導くんだ!」
女騎士「あ、ああ! 我々の特訓不足で負けるわけにはいかんからな!」グッ
385:
俺「……ふ、ふふ、経験値効率も段違いだな」
女騎士「しかし、MPの消費量も多いな」ゼェゼェ
俺「まあそれはアイテムで補えばいいさ。今日は……さすがにそろそろ戻るべきか」
俺「HPも……ちょっと厳しいな。さっき覚えた、二重詠唱の回復呪文でも使ってみようぜ」
女騎士「……その、訊いておきたいことがあるのだが、いいか?」
俺「ん? なんだよ?」
女騎士「女とお前は、ただのオンゲー仲間、そうなのだな?」
俺「ああ、そうだが……。剣盾オンラインから一緒だったんだ」
女騎士「会ったことは?」
俺「ないが?」
女騎士「我々のギルドはオフ会厳禁だが……別に、密告するような真似はしない。正直に教えてほしい」
俺「いや、本当にないけど」
389:
女騎士「なら、どうしてあの子はああもお前に執着しているんだ?」
女『あははは、いいんっすよ。ウチ、もうリアルは捨てましたっすから!』グッ
女『俺さんも、ウチと一緒っすよね?』
俺「い、いや知らねぇよ……なんでそんなこと訊くんだよ」
俺「弱いから、強い奴にたかりたいんだろ」
女騎士「嘘だな。そんなふうに思っているのなら、とっくに彼女を切っているはずだ」
俺「う……」
女騎士「お前にも何か、後ろめたいことがあるんじゃあないのか。私には、そうとしか思えない」
俺「…………」
女騎士「……答えたくないのなら、それでいい。くだらないことを訊いたな、私らしくない」
394:
女「…………」
男商人「な、なあ、あいつ五時間くらいずっと固まってへんか?」
男弓使い「途中で用事も思い出したんじゃねーの?」
俺「ただいまー」
男商人「お、戻って来たんやな新婚夫婦!」
女「あ、俺さん、戻ってきたんっすね! もう……ずっと待ってたんっすよ!」ガタッ
男商人「ひいっ!」
俺「いや、悪い悪い。それより女、聞いてくれよ! 双剣舞の総ダメージ数が……」
女「そんなことどうでもいいんっすよ! さ、ささ、早くいっしょに行きましょう? ね?」
俺「そんなことってなんだよ! 大事なギルド戦の雌雄を決するかもしれねぇんだぞ!」
俺「ああ、後、市場の購入履歴……あの純白の布を買ったのがどこのギルドか、調べなくちゃいけない。女モンクに相談して……」
女騎士「わ、私が頼んでおく! 俺はゆっくり、ダンジョンにでも潜っておいてくれ!」
俺「え? あ、ああ助かる……」
商人(あいつ……ずっとあそこにおったんか?)
俺(なんで商人の奴……あんなにビビってるんだ?)
400:
俺「また時計塔かよ……ここ、敵強くて経験値低い上に、俺も全然潜ってないんだぞ」
女「だからっすよ!」
俺「は?」
女「俺さんもまだ全然潜ってないから……新鮮で、楽しいんっす! ほらほら、先行くっすよ!」
俺「おいおい、モンスターも無視してどうするんだって!」
女「誰も見たことのないところまで、俺さんと行きたいんっす!」
俺「最上階も運営のおっさんは吐くほど見てると思うぞ」
女「むぅ……なんでそう、水を差すこと言うんっすかね」
404:
女「あのお化け……全然出ないっすね」
俺「そりゃレアモンスターだしな」
女「……むぅ」
俺「ひょっとして、また都合よくあの布が手に入らないかって思ってたのか?」
女「…………」
俺「そう簡単に手に入ったら、市場があの布で溢れかえってるぞ」
女「そりゃそうっすけど……あ! 外! 外みたいっすよ! ここが最上階……」
俺「中間地点だよ。反対回ったところに扉あるから、そこからまた階段を登るんだ」
女「景色! 景色を見てください! めっちゃ綺麗っすよ!」
俺「いや、俺、前も一回来たし……」
女「もっと! もっと上に行きましょう!」
俺「この先敵の攻撃力上がるから、下手したら即死だぞ……。ちょっと休んでから行こうぜ」
408:
俺(女は……リアルを捨てたと言った。そしてそれを、俺にも強要するようなことも口にしていた)
俺(でも女は、こっちの世界でだって周囲からはコネで入ったクレクレちゃん扱いだ)
俺(バイトもかなり入れてるから、イン率だって他の人に比べて低い……。レベルキャップが解放される度に置いていかれ、装備やイベント情報にも疎い。純白の布を知ってたことが驚きだったくらいだ)
俺(だったら、こいつの言う世界ってなんなんだ?)
俺「すまないな……女、お前に謝らなくちゃいけないことが、いっぱいあるな……俺」
俺「俺……すげぇ情けないな」
女「そんな、気にしなくていいんっすよ俺さん!」
女「ウチは俺さんが傍にいてくれたら、それだけで満足っすから!」
俺「…………」
女「でも……気にしてくれているのなら、我が儘……言ってもいいっすか?」
俺「なんだ? なんでも言ってくれ」
女「……女騎士と離婚して、一緒にこのギルドをやめてほしいんっす」
414:
俺「それ、は……」
GM『でも、重課金は麻薬だぜ? 現実に思い入れのないお前は、またいつか、同じことを繰り返す』
GM『人に囲まれたい……ちやほやされたい……機嫌を窺われたい……。いずれ気付くさ、もう俺にはこれしかないんだって、な』
俺(あのときは否定したのに……結局、俺はあんたの言う通りなんだな……)
俺「それは、できない……。これ以上男のような敵を作りたくないし、なにより……もう、皆を裏切りたくない」
女「じゃあ、じゃあ……女騎士と離婚してくれるだけでもいいんっす!」
女「あんな奴! 俺さんが課金してから、掌返したクズじゃないっすか! 俺さんも、むかつかないんっすか!」
俺「…………」
女「どうして……黙ってるんっすか?」
女「なんでもいってくれって言ったのに、何も聞いてくれないんっすね……」
俺「…………」
女「嫌なんっすよ! 俺さんは、ウチしか信じないって言ってくれたはずなのに!」
女「あいつが……女騎士が、デレデレと顔を赤くして横に突っ立ってるのが、嫌なんっす!」
女「結婚してるっていうのが! 二人だけのスキルがあるっていうのが! それがずっとステータスに表示されてるのが! 嫌で嫌で仕方ないんっす!」ガシガシ
俺「お、おい! 落ち着けよ!」
女「落ち着けるわけっ! ないじゃないっすか!」
419:
女「離婚してくれないなら……全部、全部ばらします!」
俺「な、何を言ってるんだよおい!」
女「ウチが、ウチが課金分振り込んでたってばらします!」
女「知ってるんっすよ! 俺さんが、前回分の金額、誤魔化してウチに伝えてたの!」
俺「な!」
女「気付かない振りしてあげてたのに……ぞれなのに……こんな仕打ち、あんまりっす……」ガシガシ
俺「や、やめろって! それにほら、お前が言ったって誰も信じないかもしれないぞ? いや、白切るってつもりじゃないけど……そうなるかもしれないって……」
女「……通帳の履歴見たら、きっと皆、信じてくれるはずっす」
俺「…………」
女「えへ、えへへへ……どうするっすか? 女騎士と、別れてくれますよね? ね?」
472:
俺「な、なあ、やめてくれよ、そんなこと言うのさ……」
俺「俺の、俺の世界を……壊さないでくれよ……」
女「都合よくたかられるのが嫌だったから、こっちに移ってきたんじゃないかったんっすか?」
女「今俺さんがウチにしてることと、何が違うんっすか?」
俺「……う、うう」
女「答えてくださいよ! 離婚してくれるんっすか? しないんっすか?」
俺「…………」スッ
俺「……ギルド戦が、ギルド戦が終わるまで待ってくれ!」ドゲザッ
俺「俺の居場所は……ここなんだよ……ここしかないんだよぉ……」
俺「お願いだっ! ギルド戦が終わったら、布は課金アイテムとして売られるはずだ!」
俺「あれだけ凝ったシステム、少人数で留めとくはずがないんだ……。売られたら、女騎士と離婚する! それでお前と再婚する! な?」
女「お、俺さんと……ウチが、結婚……」
俺「そう、そうだ! 本当は、俺もお前と結婚したかったんだ。当たり前じゃないか!」
女「……じゃあ、ウチ、待つっす。でも、もう一つだけお願いを聞いてほしいっす」
俺「な、なんだ! 今度こそ、今度こそ、なんでもするから! 俺にできることならなんでも!」
488:
女「その……あの、何言っても、馬鹿にしたり気持ち悪がったりしないっすか?」
俺「しないしない! 俺が女を馬鹿にするわけないじゃん!」
女「…………」
俺「ほら、早く言えって」
女「……一度だけ、一度だけでいいんで、俺さんと会ってみたいんっす」
俺「え?」
女「ひ、引きましたか? ウチ、どうしても、どうしても俺さんと、現実で会ってみたくって……」
俺「い、いや、そんなことはないぞ! ちょっと驚いただけだから!」
俺「……ギルド戦終わってからでいいんだよな?」
女「ほ、本当っすか! 本当に、ウチと会ってくれるんっすか!?」
俺「あ、ああ……」
俺(こいつ、現実捨てたんじゃなかったのかよ……)
497:
俺(とりあえず先には伸ばした……どう転んでも、ギルド戦に影響が出ることはない)
俺(でも……え、会うって……会って幻滅されたら、金振り込んでもらえなくなるんじゃないのか? そうなったら俺のネトゲ生活はお終いだぞ?)
俺(髪切って服買うか? 女の子と二人っきりで会うって、そういうことを期待してもいいのか?)ソワソワ
俺(つーか、身元バレしたら最悪今までの分の請求とか……刺されたり、家燃やされたりするんじゃ……。正直、こいつちょっと危ないぞ)
女騎士「どうしたんだ? ダンジョンから帰ってきてから様子がおかしいぞ」
俺「い、いや、なんでもない……」
女「ふふふ……」
女騎士「ん? 何がおかしい?」
女「もうすぐ振られるのに、健気だなって……いや、なんでもないっすぅー」ニコニコ
女騎士「……?」
507:
アラクネ「ヒヒヒヒ……」
俺「下から行け! 俺が飛ぶ!」
女騎士「わかっている!」
俺「双剣舞、天地返し!」女騎士「双剣舞、天地返し!」
アラクネ「ガアッ!」ドテッ
俺「ちっ仕留めきれないか……うらぁっ!」ブシュッ
アラクネ「あ”あ”つ!」
俺「……タイミング、ちょっと早くなかったか?」
俺(女騎士らしくないミスだった)
女騎士「す、すまない……」チラッ
女「もー何やってんすかー! そんなんじゃ俺さんの隣は務まらないっすよー!」ニヤニヤ
俺(ああ、あれで気が散ったのか……)
女騎士(なんで女……ついてきたんだ?)
521:
俺「きょ、今日はもういいか! 天地返しも、本番は多分失敗しないだろうし」
俺(あいつがいると集中できん。俺でさえこうなんだから、女騎士からしたら針の筵だろ……)
女騎士「う、うむ……」
少女「フフ……折角の婚姻システムも、コンビネーションがバラバラだと台無しでございますわね」
男魔術師「おいおい、影から見てるだけじゃなかったのか? 話が違うぞ少女ちゃんよ」
少女「気が変わりましたの。どうやらこの殿方は、別に恐れるに足りないようですから」
俺「な、なんだお前ら?」
女騎士「俺、引くんだ! こいつ、ギルド戦の第一試合目の対戦相手の頭だ!」
少女「別に警戒しなくとも結構でございますよ。ここでPKしようなんて、そんなケチなことは考えていませんから」
少女「……そちらの俺さんには恨みがありますので、それでもいいのですが」
俺「誰だ! 俺と、どこかで会ったことがあるのか?」
少女「さあ、どうでございましょう?」
少女「御自分の胸に、よく聞いてみることでございますわね」クスクス
男魔術師「へえ、俺の嫁さんと知り合いかい? 妬いちまうねぇ、ただ偵察って言って、そんなの教えてくれなかったじゃないか」
少女「わざわざ言うほどの仲でもなくってよ、ア・ナ・タ」
536:
女騎士「新興マイナーギルドと侮っていたが、大将が結婚組か……」
女騎士「調べたところ、あの少女……かなり胡散臭いぞ。最近始めたようだが、初日から昔のイベント武器を持っていたという噂もあるらしい」
女騎士「それに……レベルアップがあからさまにおかしい。課金だけではない。前もって情報を持っていた……としか思えない」
俺「じゃあ、誰かのサブ……」
女騎士「何か、心当たりはないのか? 俺は他のオンゲーもやっていたんだろう? そこ関係で恨みを買ったことは……」
俺「……腐るほどあるな」
俺「しかし、どうしてサブをリーダーに立てているんだ?」
女騎士「考えられるのは、表に出ると叩かれて身動きができなくなるほど悪名高いプレイヤーか……ちょっとした前科のある、酷くプライドの高い小心者か、この二つに一つだろう」
女騎士「もしかすると、元の本体はもう退会しているのかもしれん」
俺(あんまり他人事とも思えねぇな……)
542:
女騎士「このことは皆にも伝えておかないとな。急にぶつかると、混乱するかもしれん」
俺「ああ、全員で真っ先に男魔術師を袋叩きにするよう言っておこう」
女騎士「ん? そっちなのか?」
俺「共同スキルは片方が潰れた時点で意味をなさない。魔術師はHPが低いし、ギルマスの方はレベルが高過ぎる。潰すなら魔術師からだ」
俺「麻痺、睡眠を連続的にぶつけて動きを封じるんだ。恐らく魔術師の近くに回復役がいるはずだから、手が空いたものは徹底的にそいつの邪魔をしてもらおう」
俺「そして余力があれば、なるべく男魔術師を弾いて両者を引き離すようにする」
女騎士「本当に、俺は容赦がないな……」
俺「褒め言葉として受け取っておこう」
俺「わざわざ前日に姿を見せに来てくれて、本当に助かった」
550:
俺「……ということだ。フェイクの可能性もあるが、男魔術師が恐らく夫婦の片割れだ」
俺「この作戦でいけば、相手の戦力を上手く削ることができるはずだ」
女モンク「なるほど、ならばそれを踏まえた陣形にするか」
女モンク「しかし……ダークホースだったな。まさかこんな無名ギルドに、重課金者がいたとは」
俺「こそこそ引き抜きで仲間を集めていたらしい。姑息な奴だ」
俺(掲示板で度々叩かれていたようだったか……前のがトラウマで、見るの控えてたからなぁ……)
555:
俺「……しっかし、結構緊張するな」
男獣戦士「へっ! お前がキーなんだから、頼むぜ!」
女騎士(やはり……女の視線が気に掛かる)
少女「フフ、揃いも揃って中課金者ばかり……貧乏人は大変ねぇ」クスクス
男魔術師「こりゃあ、すぐ終わっちまうかもしれねぇな? ま、一回戦ならそんなもんだろ」
俺「……嫌な奴だな」
女盗賊「…………」
俺「な! お、お前……」
女盗賊「久し振りじゃん。やりづらい……とは思わないよ」
俺「…………」
女賢者「わわ、わたしなんかで良かったんでしょうか……」オドオド
俺(あいつが回復係か。敵の陣形は、概ね予想通りだな)
560:
少女「フフッ」タンッ
男魔術師「ちょ、ちょっと大将! なんで一人で逃げるんだよ! 作戦と違うだろ!」
俺(始まってすぐ仲間割れ? いや、違う。これは……挑発されている?)
少女「来なさいよ、遊んであげるわ」クスクス
女騎士「俺! 挑発に乗るな! 男魔術師を叩き潰すのだろう?」
俺「悪いけど、その言葉は聞けねぇな……」スッ
俺(作戦違反して突っ込んで負ければ……大恥なんてもんじゃねぇ。それも、主戦力なら尚の更だ)
俺(負ければ、今のギルドにはいられなくなる。互いにそれを賭けようっていうんだろう?)
俺「誰かは知らねぇが、その根性が気に入らねぇ! サブだかなんだか知らねぇが、叩き斬ってやる!」
少女「…………」ニャア
573:
女(俺さん……作戦と全然違う動きしてるっす)
女(これで負けたら、ギルドにいられなくなっちゃうっすよ?)
女(そうしたら、二人でギルド作って……いや、無所属でずーっとずーっと旅を続けるのもいいかもしれないっすね)
女(……………………)
女(負っけろ♪ 負っけろ♪ 負っけろ♪ 負っけろ♪ 負っけろ♪ 負っけろ♪ )
女(なるべく大恥掻いて♪ みっじめっに負っけろ♪)
俺(なぜだかわからんが、悪寒が走った)ブルッ
少女「フフ、怖気ついたのかしら?」
577:
少女「……フフフ」ジャキン
俺(あれは……成金ブレード、諭吉の塊の異名を持つ魔剣!)
少女「資産力の差を教えてあげるわ!」ガキンッ
俺「遅いな」
少女「なっ!?」
俺「武器が立派でも、本人が置物じゃあしょうがねぇな!」バキッ
少女(これが……剣盾オンラインを制覇した力か……)グッ
少女(舐めやがって! 屈辱は返させてもらうぞ俺ェ!)ギリッ
俺「成金ブレードを引っ込めた!?」
少女「これで俺が誰かわかったかよ!」ギャキンッ
俺「……男さんの、両手剣!?」
583:
俺「なんで……どうして! アンタは別に、アカウントを作り直す必要なんかなかったはずだ!」
少女「黙れっ! お前に俺の何がわかる!」ガンッ
俺「ぐうっ!」
俺(重い……重過ぎる……馬鹿みたいに強化してやがるっ!)
少女「ククッ、お前に恨みを晴らすため、わざとこの武器を強化して来たのさ!」
俺「俺に恨みがあるのはわかる! でも、どうしてアカウントを作り直す必要があったんだ!」
少女「黙れ黙れ黙れェッ! アカウント消したのも、あのギルドが解散したのも、俺がネカマアバターなのも! 全部テメェのせいなんだよ!」ガキィッ
俺(駄目だ……これ、普通に勝てないわ……)
男魔術師(……最後のは大将の趣味だろ)
590:
俺「ク、クソ……今から逃げきれそうにもねぇな……」
少女「ここで決着をつけてやるよぉ。今度こそ、退会するのはお前の方だ!」
俺「……なるほどな。どうしてお前が退会したか、ようやくわかったわ」
少女「なに?」
俺「お前は結局……課金で仲間を引っ張ってくのに嫌気が差していたんだ」
少女「やめろ! ち、違う! 俺は、俺はそうじゃないんだ!」
俺「お前は、重課金ばかりのギルドに入りたかったんだ。誰にもたかられず、媚びを売られず、普通にゲームを楽しみたかったんだ」
少女「違う! 自分で集めた仲間を自分で捨てるような、そんなことはしたくなかった! ぜんぶお前が、そうさせたんだ! お前が悪いんだよぉ!」
俺「それでも元の仲間を捨てるとき、どんな反応をされるのかが怖かったんだ。だから、一度アカウントを消すことにしたんだな。俺はやめるから、仕方なく解散するって体裁を作るためにな!」
少女「違う……違うんだ! やめろ! 俺は……俺は!」
俺「アンタも、俺と同じで、ただゲームを楽しみたかっただけなんだな。それなのにしがらみが付いて来て……周りの思い込みに翻弄されて……人間関係に雁字搦めにされて……」
少女「うう、ううっ……」ヘタッ
俺「その女アバターも、昔とは別人なんだ、もう負い目を感じる必要はないんだって、自分に言い聞かせるためのものだったんだな」
俺「アンタが、優しい人だってこと……俺は知ってるから。あのときのギルドの暖かみを、俺は覚えているから」
男魔術師(いや、アバターは大将の趣味だろ)
594:
少女「俺はっ! あのギルドでグスッ……やってグスッ……いぎだがっだ! でも……でもグスッ……」
俺「もう終わりにしようぜ! こんな悲しい戦いはよおっ!」ダッ
少女「うわぁぁぁぁぁぁああっ! 俺は!! 俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」ブンブンッ
俺「ちょ、ガチャ操作やめ……」
ゴンッ
俺(おい……これ、鍛えすぎだろ……強化上限伸ばすのにどれだけ金掛けたの? 馬鹿なの?)ドサッ
男魔術師「お、うちの大将が勝ったか。まあ、そりゃそうだよな」
女騎士「お、おい! 俺! ここでお前が倒れたら、もうお終いだぞ!」
598:
【戦犯】ギクシャクオンライン【吊るすスレ】98
1 :名も無き冒険者:20xx/xx/xx(金) 22:47:03.06 ID:xxxxxxxx
・晒す場合は可能な限りSSを添えて詳細を書くようにしましょう
・次スレは>>900が立ててください
・荒らしはスルー推奨ですよ
475 :名も無き冒険者:20xx/xx/xx(土) 15:15:43.18 ID:juusennsi
「俺」さんよ、自分で話した作戦ガン無視した揚句、突っ込んで死亡はねぇだろカスが
その上音信不通なんだが、舐めてんの?
あいつのせいで初戦負けだぞ、初戦負け
____________________________
俺「おー晒されてる晒されてる」
俺「あれから三日かあ……そろそろ顔出さなきゃさすがにまずいよな、うん」
俺「みんな怒ってるかなあ? 怒ってるよなあ……」
俺「女、どうしてるだろ……あいつも怒ってるかなあ……」
俺「くよくよしてても仕方ないな……ログインするか」
俺「これ以上時間が経ったら、本当に自然消滅するしかなくなっちまう」
俺「ああっ! 掲示板になんか変な擁護沸いて本人認定されてボコボコに叩かれてるっ! また女じゃねぇだろうなコレ!?」
俺「……もう見ないでおこう」
680:
俺「……ど、どうも」
女モンク「俺! 今まで何をしていたっ!」ガッ
俺「すいません! 本当すいませんでした! でもあれ正面からぶつかっても絶対負けてました!」
女モンク「……ま、それも確かだ。お主を吊る上げても仕方ない」
俺「……だ、だよな!」ホッ
女モンク「だが! 私が話したいのはそれだけじゃあない!」グググッ
俺「落ち着いて! 落ち着いて話そう!」
俺「何の、何のことなんだよ!」
女モンク「いっぱいあるぞ、どれからがいい?」
俺「できれば……どれも聞きたくない」
女モンク「…………」グググッ
俺「冗談! 冗談だってば!」
女モンク「……ステータスの結婚、なくなってるんじゃあないのか?」
俺「え?」
686:
俺「あ、あれ? 本当だ?」
俺「ははは……あれか、振られちまったか」
女モンク「だったら良かったんだがな」
俺「え?」
女モンク「退会したんだ」
俺「……はい?」
女モンク「聞こえなかったのか。女騎士が、退会したと言ったんだよ!」
俺「ちょ、ちょっと待ってくれよ! それ、俺関係あるのか!?」
女モンク「それはこっちが知りたい。関係あるのかないのかを今から訊こうとしているところだ」ギロッ
俺「あるわけないだろ! 俺が……そんな……。第一、なんでやめたんだよ!」
女モンク「ほう、お主が知らないはずはないと思うが?」
694:
女モンク「掲示板サイトに、女騎士を中傷する大量の書き込みがあったんだ。しかも、ほとんどは人目見てそれとわかるデマばかりだ」
女モンク「あそこは、お主の得意分野だろう? タイミング的にも、自分の失態を責任転嫁して有耶無耶にするため、俺がやったんじゃないかって話になってる」
俺「は? い、いや、知らないって! んなことするわけないじゃん!」
女モンク「相方が消えたんだ。結婚システムをまだ誰もよく把握していない今、あの独断についてもお主はいくらでも言い逃れができるだろう」
女モンク「それにこのタイミングで戦力が消えれば、ギルドとしてもお主を吊し上げている余裕はなくなるからな!」
女モンク「だから入れ違えになって戻ってきたんだ。違うか?」
俺「違うし知らねぇよ!」
俺「だいたい、今日掲示板見てたときにはそんなもん見つからなかったぞ」
女モンク「ああ、あの書き込みは、あいつがやめた瞬間ぴたりと止んだからな!」
俺「え? それっておかしくないか? 普通そういうのって、やめたらやめたで、大騒ぎしそうなもんだけど……」
女モンク「だから、やめさせることだけが目的だった。私はそう考えている」
俺「だ、だから俺だっていうのか!? ふざけんじゃねーぞ! だいたい女騎士は、根拠ない誹謗中傷書かれたくらいで折れるような奴じゃねーよ!」
698:
女モンク「あくまで白を切るつもりか」
俺「だから知らねーんだって! 本当にっ!」
女モンク「……あいつのものと銘打った、ハメ撮り画像が流された」
俺「え、そ、それって本人なのか?」
女モンク「そんなわけないだろうが! 昔他のネトゲであった、ちょっとした事件のものだ!」
女モンク「明るさは変えていたから印象はかなり変わっていたが、知っている人が見たらすぐにわかる代物だ!」
俺「んなもん誰も信じないだろ!」
女モンク「信じる馬鹿がいたから問題になってるんだ!」
女モンク「会ったその日にヤレただの、そういうことを吹聴する馬鹿が湧いてきたんだ!」
女モンク「どこから漏れたのかわからんが、電話番号まで書きこまれていた。本人に確認を取ったから、本物であることは間違いない」
女モンク「あとは、どうなったかわかるだろう?」ギロッ
俺「ち、違うって! 本当に、俺じゃないから!」
701:
俺「どうして! そうまでして俺を疑うんだよ!」
女モンク「言っては悪いが、お主の自尊心の不安定さと虚栄心は、よく知っているつもりだ!」
俺「そんなん重課金者全員だろ! 俺から見たらお前も一緒だわ! キャラづけが痛ましいんだよ!」
女モンク「さっき他のネトゲと言ったな。あれは、お主がやっていた剣盾オンラインのことだ!」
俺「なっ!?」
女モンク「だから、あの事件を知っていた! あそこの写真を流用することを思いついた! 違うか?」
俺「……けんたて、オンライン?」
女モンク「これだけ揃ってもまだ言い逃れするつもりか?」
俺(まさか……アイツか? アイツがやったのか?)
705:
俺「で、でも……お前の言っていることは、俺が犯人だと決めて掛かっての肉付けだ!」
女モンク「まだ言い訳をするつもりか!」
俺「違う! 俺が言いたいのは、俺を疑う原因となった、もっと決定的な要因があるんじゃないのかと言っているんだ!」
女モンク「…………」
俺(当たり、みたいだな)
俺(女モンクは……こんな思い込みの激しい奴じゃない。強力で具体的な、俺に悪印象を抱く何かがあるはずだ)
女モンク「白々しい」ボソッ
俺「何度も言うが、俺は犯人じゃない」
女モンク「……いいだろう。最初に言った、他の話からにしようか」
俺「…………」
女「おーれさんっ! 戻ってきてくれたんっすね! ホントに、ホントに寂しかったんっすよ!」ギュッ
709:
女「またウチの前から俺さんがいなくなるんじゃないかって、すごく怖かったんっすよ!」
俺「あ……あはははは……、いや悪いな」
女「俺さんがウチを裏切るんじゃないかって……そんなこと思っちゃって……そんなわけ、ないっすよね? ね?」
女「落ち込むことないっすよ俺さん! 相方さんの動きがおかしかったから共同スキル上手く使えなくて、それで結果として単騎で相手のボスに挑むことになっちゃっただけっすもんね!」
女「特訓に付き合ってたウチにはわかるっすよ! 俺さんの判断は、間違ってなかったす!」
女「だから俺さんが気に病む理由は、なぁーんにもないんっす!」
女「あのヤリマン卑怯ヤローが、弁解もせずに退会して逃げのが本当に許せないっすね!」
俺「…………」
女モンク「……今は私が俺と話しているんだ。会話が聞こえないところまで行ってくれないか」
女「そんなの嫌っす! 俺さんは、ウチのものなんっすーだ!」
女「ね? ね? 俺さん、辛気臭い話は置いといて、結婚しましょうよ結婚! ウチと結婚してくれるんっすよね! 前からそういう約束だったっすもんね?」
俺(やめろよ……今それ言うと、俺が女騎士がやめるのがわかってたみたじゃねーか!)
女モンク「…………」
713:
女「ね、ほら俺さん! ウチ、ウエディングドレス、作ったんっすよ!」
女「俺さんの言った通り、課金アイテムに純白の布が追加されたんっす! さすが俺さんっす!」
女「ほら、ほら、似合いと思いますか? ね? ね? 可愛くないっすか?」
俺「…………」
女「俺さん? どうしたんっすか、俺さん?」
女モンク「クレイロピィ!」バッ
女「へ? こ、これ……地属性の足止め呪文……? ちょ、ちょっと何するんっすか! どうして、邪魔するんっすか!」
女モンク「……場所を移そう」
719:
女モンク「…………」
俺「な、なあ……俺より先に、疑わなきゃいけない奴がいるんじゃないのか?」
女モンク「女は……私の、高校時代の同級生だ……」
女モンク「疑いたくなかったが……私の、浅慮だったかもしれんな」
俺「……女モンク」
女モンク「しかし同級生だからこそ、あの子を誑かそうとしているものが許せん」ギロッ
俺「は、はぁ? どういうことだよ!」
俺「なんだ? 俺がアイツにこうするように指図したって言いたいのかよ!」
女モンク「違うと言いたいのか? 私が何も知らないと、鷹を括っているのだな」
俺「な、なんだよ……何の話だよ……」
女モンク「さて、逸れた話を戻そうか」
725:
女モンク「女が、大学をやめたことを知っているか?」
俺「は、はあ? 知るかよ! それに俺が関係あるのかよ!」
女モンク「実はこの間、昔の同級生で集まったのだ。女友達五人の、小さな集まりだったが」
女モンク「あいつは、奨学金を『何か』につぎ込んで、学費が払えなくなって大学をやめたらしい」
俺「え?」
女『任せてください! 明日には振り込んどくっす! 一緒に、ウチのギルドを最強にしましょう!』
俺(どこからあんな大金一日で工面したのか不思議だったが……まさか)
女モンク「本当に、何も心当たりがないのか?」
俺「…………」
女モンク「答えろっ!」
俺「……う」
女モンク「う?」
俺「うわあああぁぁぁぁぁああああ!」ダッ
女モンク「……クレイロピィ」
俺「うわっ!」バタッ
731:
俺「知らないっ! 俺は何も知らないぞぉっ!」
俺「知るわけがないだろうがッ! 何があったとしても、アイツが勝手にやったことだ! 俺は何も知らないッ!」
俺「誰かァッ、助けろ! 俺を助けろっ! PK、PKだぁ! ここにPKがいるぞ!」
女モンク「質問に答えてもらうぞ!」
俺「…………」
女モンク「俺?」
俺「 」スッ
女モンク「ログアウトしやがったか……」
735:
『退会しますか? 退会をされた場合は……』
俺「知るかっ! やめる! 俺はもう、こんなクソゲーやめてやるっ!」
『では、これで退会手続きが終了しました。お疲れ様でした』
俺「ふふ、ふふふ退会してやった! もう二度とネトゲなんかするかつ!」
俺「俺は悪くない……俺は何も悪くないぞぉっ! これで、あのメンヘラ女ともお別れだァッ!」ガタガタ
俺「ふひ、ふひひひひひひひひ……」
ピンポーン
俺「え?」
ピンポーン
俺「う、嘘だよな……?」
ピンポーン ピンポーン
740:
俺「あ……あ、ああ……」ガタガタガタガタ
俺「俺は言ってねぇぞ! 大学辞めろなんて言ってねぇぞおっ!」
俺「お前が勝手にやったんだ! 見ず知らずの奴に見返り求めて金渡す奴が馬鹿なだけだぁっ!」
俺「俺は悪くねぇっ!」
ピンポーン
俺「帰れよ……帰れよぉっ!」
俺「俺に付き纏うなよっ! クソ、クソ……この、ストーカー野郎がっ!」
俺「…………」
俺「か、帰ったか?」
ドア「ガチャ」
俺「……え?」
751:
父「俺……直接会うのは、久し振りだな」
俺「…………」
父「いや、本当の意味で顔を合わすのはこれが初めてなのかもしれん」
父「今まで私は、お前と向き合ってこなかった」
父「母さんが死んで孤独になってから……ようやく仕事一筋の馬鹿親父だったことに気がついたよ」
俺「…………」
父「俺、ネットゲームをやめろとは言わない。しかし……」
俺「やめたよ」
父「え?」
俺「もう、やめたよ」
父「そ、それで何か……アルバイトからでいいから……」
俺「うん、わかった」
俺「俺、真っ当になるよ」
768:
俺「…………」
バイト仲間A「俺さぁん、今日22時上がりですよね?」
俺「ああ、そうだが」
バイト仲間B「やったぁ! じゃあ一緒に帰りましょうよ!」
バイト仲間A「帰りに喫茶店よりましょう! 喫茶店!」
俺「お前ら……未来のないフリータからあんまりたかるなよ」
バイト仲間A「いーじゃないですかぁ! 親金持ちなんでしょ!」
俺「その話やめろトラウマが蘇る」
俺「つーか、女子高生を深夜に連れ回せるかっつーの。最悪捕まるわ」
バイト仲間A「ヤダぁーなーに想像してるんですか俺さん?」クスクスッ
俺「あのな……」
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私はよく知らない人から助けを求められる。でも足の関節が悪く、何かあったら走って逃げたりできないので、助けを求められても断っていた。

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