ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」【中編】back

ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」【中編】


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ーーー
ダン「さぁ、試合はいよいよ第五試合……空手軍団対シャドルー軍団……因縁のスペシャルマッチでございますっ!」
ワー、ワーワー
ダン「女性の皆さん、お待たせしましたっ! 我らがヒーロー空手軍団っ……!」
キャー、キャーキャー
ダン「リュウ選手! ケン選手! ヤムチャ選手の入場ですっ!」
キャー、キャーキャー
リュウ「さぁ、行こうっ! ケンっ! ヤムチャっ!」
ケン「オーケー、オーケー、任せておきな! ベガも、バルログも……そして、シャドルーも……纏めてぶっ潰してやるぜっ!」
ヤムチャ「よ〜しっ! やってやりましょうっ!」
ワー、ワーワー
542:
実況「危険な誘いに乗って来たぁ! 空手軍団が乗って来たぁ! 空手軍団の姿が、今勢揃いだぁ!」
リュウ「今日こそは、必ずベガを倒すっ……!」
実況「先ずは一番弟子のリュウ! 空手軍団の司令塔! 本日も打倒シャドルーに燃えていますっ!」
ケン「あのナルシスト野郎の事は、俺に任せておけ! 今日もとっちめてやるよ!」
実況「次に二番弟子のケンっ! クールな色男だ、こんちくしょう! だが、その胸の奥には熱い熱いハートを秘めているっ! さぁ、今日も熱いファイトを見せてくれっ!」
ヤムチャ「……って事は、俺はバイソンですね? よ〜し、やってやりましょう!」
実況「そして、最後に三番弟子のヤムチャっ! ちょっぴり、天然で真面目な、空手軍団のムードメーカーっ!」
ヤムチャ(リュウさんをベガさんに勝たせてあげる……じゃ、ない……!)
実況「だが、最近はメキメキと実力をつけているっ! その力は、やはり三番弟子と言えども、本物だぁ! さぁ、今日も見せてくれ、その力っ!」
ヤムチャ「俺達三人で勝ちましょうっ!」
実況「さぁさぁ、空手軍団が勢揃いだっ! 三人揃って……今、リングイ〜ンっ!」
ワー、ワーワー
543:
ダン「続きましては……プロレス界から、世界制服を狙う……シャドルー軍団……」
ダン「ベガ選手! バルログ選手! バイソン選手の入場ですっ!」
ベガ「リュウよ……私の誘いに乗ってくれて……礼を言うぞ……」
バルログ「さぁさぁ、美しいショーの幕開けですよ! 空手軍団が血祭りになる姿……是非とも、その目に焼き付けて下さいね!」
バイソン「ガーッハッハっ! シャドルーこそが、ナンバーワーンッ!」
ブー、ブーブー
実況「今日のブーイングは一段と大きい気がするぞっ!? だがしかし、それも当然の事っ! 極悪非道のシャドルー軍団……そして、そのボス、ベガの姿があるんですから! さぁ、ベガにバルログ、バイソン……! 極悪非道の悪人共が、今揃って登場だぁ!」
547:
ベガ「おい、バルログ……? また、アイツだ……! また、空手軍団の刺客がいるぞ……?」
バルログ「……彼は、アレしか仕事がないのです。寛容な心で、目を瞑ってやろうではないですか?」
ベガ「まぁ、そうだな……どうせ、我々の勝利に変わりはない……空手軍団も無駄な足掻きをするのが、好きだなぁ……」
バイソン「空手軍団なんてよぉ? チャラチャラナヨナヨした連中の集まりなんだよ! ビビるとでも思ってんのか!? バーカ、バーカ! アホアホアホっ!」
ベガ「……ハハハ、いいぞ、バイソン。もっと言ってやれ」
バルログ「ハハハ! 美しい私は、そのようなお下劣な言葉は言いたくないですからね……そういうのは、バイソン、貴方の役割です……さぁさぁ、言ってやりなさい」
バイソン「お前の母ちゃん、デーベーソー! 赤チン塗っても、治らない〜!」
ベガ「……バイソン、それ、違う歌が混ざってるなぁ」
実況「さぁさぁ、また暴言でも吐いているのですかねぇ? バイソンが空手軍団軍団に向かって何やら、吠えています! そしてその様子を、ベガとバルログは笑いながら、眺めている! この辺りは、大将のいるベガの安心感とでも言えばいいのか!?」
ブー、ブーブー
実況「さぁ、シャドルーが揃って……今、リングイ〜ンっ!」
549:
ベガ「ここでは、我々がルールだっ! 行くぞっ!」
バルログ「いきましょう、ベガ様……ヒョオオオォォッっ!」
バイソン「先手必勝っ……! 行きましょうっ……!」
リュウ「……ん?」
ケン「……アレ?」
ヤムチャ「うおっ!」
実況「では解説の……おぉ〜っと! いや、いきなりシャドルーが仕掛けた! シャドルーが仕掛けたぞ!? リングインと同時に揃って空手軍団に突っ込んでいったぁ!」
ベガ「……フンっ!」ガスッ
リュウ「……ぐっ!」
バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ドスッ
ケン「……うぐっ!」
バイソン「バイソン、いっきまぁ〜すっ!」ガスッ
ヤムチャ「……ぐわっ!」
550:
実況「あぁ、もう……! いきなりだ、いきなりだ、ちくしょうっ……!」
元「……僕に構わず、どうぞどうぞ」
実況「リングインと同時にシャドルーの奇襲だっ! ベガはリュウにエルボー……バルログはケンにドロップキックっ! そしてバイソンはヤムチャに……え〜、ラリアットですかね……? とにかく、三人、いきなり突っ込んでいって、攻撃を仕掛けましたぁ!」
バルログ「フフフ、いい姿ですよ……ケン君……」
ケン「くそっ……いきなりかよ……一回立て直そう……」ゴロゴロ
バイソン「オラオラ、ヤムチャっ……! お前は、俺とタイマンだっ……! 勿論、場外でな……!?」グイグイ
ヤムチャ「くそっ……やめろよ……まだ、試合始まってねぇだろが……!」
バイソン「俺達の中では、始まってんだよっ! オラっ、落ちろっ! 俺とタイマンだ!」ドスッ
ヤムチャ「う、うおっ……!」
実況「ドロップキックを喰らってダウンしたケンは、場外へとエスケープ! そして、バイソンはヤムチャにそのまま突っかかっていきます! おぉ〜っと、場外に落とした! こいつは場外戦か!? バイソンもそのヤムチャを追いかけていったぁ!」
552:
ベガ「さぁ、リュウ……コレで、思う存分、やりあえるだろう……フンっ!」ドスッ
リュウ「……ぐっ!」
実況「ベガは、リュウを捉えている! 前屈みの体勢のリュウの背中にスレッジハンマーっ! 両腕を振り下ろしたぁ!」
リュウ「くそっ……まぁ、いい……一対一だ……ベガっ……! 借りを返すぜ……!」
ベガ「……いや、私はそういう事は、好きではない。使える物は、最大限に使っていかないとな?」
リュウ「……何っ!?」
ベガ「おい、バルログ……お前は、手が空いてそうだなぁ……?」
バルログ「……えぇ、勿論、空いてますよ? ケンは思った以上に呆気なかったですからね」
ベガ「だったら、手伝ってもらおうか……いくぞ、合体技だっ……!」ダダッ
バルログ「ええ、行きましょう……! ヒョオオオォォッ……!」ダダッ
実況「おっと、ここでベガとバルログが、足を揃えて、同時にロープへと走るっ! リュウに何か狙っているのか、コレは!?」
553:
バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ダダッ
ベガ「私は下……そして、お前は上だっ……!」ダダッ
実況「さぁ、リュウの正面から、ベガとバルログがロープの反動をつけて、向かってきたぁ!」
バルログ「ヒャオっ!」ガスッ
ベガ「……フンっ!」ガスッ
リュウ「……ぐわあああぁぁぁっ!」
実況「おぉ〜っと、そして、ベガはスライディングしながらのアリキックか!? バルログは、フワリと飛んでのフライングニールキックっ! 顔面と足に同時に仕掛けたぁ!」
リュウ「くそっ……好き放題やりやがって……一度引こう……!」ゴロゴロ
ベガ「……逃すとでも、思っているのか、リュウ!」
実況「この攻撃には、リュウもダーウンっ! そして、場外へとエスケープっ! おっと、ベガはそのリュウを追いかけていったぁ! まだ、ゴングも鳴らされていないのに、もう大暴れです! 大変です!」
554:
ダン「……お前ら、好き放題にやってんじゃねぇよ!」
バルログ「ゴングを鳴らすのが、遅いのではないですか……? 我々、シャドルー……いや、空手軍団を同じでしょうね……私達の中ではもう、試合はとっくに始まっているのですよ……コレは、そちらのミスですね……」
ダン「……あのなぁ?」
実況「さぁさぁ、リング上に残ったのは、バルログっ! レフェリーが警告していますが……聞く耳持たず……と、いう感じですねぇ? 解説の元さん?」
元「はい、解説の元です。 そうだね……試合も始まっていないというのに……これはねぇ……バイソン君も、暴れてるねぇ?」
バイソン「オラオラ、バイソンパンチだっ! イケメンは、皆、死んじまえばいいんだよっ!」ガスガス
ヤムチャ「くっ……ぐっ……くそっ……」
バルログ「私達、シャドルーは寛容な心を持っています……そちらの不手際は目を瞑りますから、もうゴングを鳴らしなさい! もう、試合は始まっているんですよ!?」
ダン「好き勝手言いやがってこの野郎……わかったよ! ゴングを鳴らせ、ゴングよぉ!? コレ、いつ落ち着くか、わかんねぇよ!」
カーン
実況「さぁ、そしてここでゴングが鳴らされます! 波乱の試合の幕開けです! と言いたい所ですが……これ、試合権利は……誰が持っているんでしょうかね……?」
元「え〜っと……うん、そこはわからないね……どうなるんだろ……?」
555:
リュウ「……くそっ!」
ケン「……リュウ、大丈夫か!?」
リュウ「大丈夫だ……あんな攻撃ではやられないっ……」
ベガ「……ふむ、そうだろうな。あの程度でやられてもらっていては、こちらも、満足出来んからな」
ケン「ベガ……追ってきたか……」
リュウ「場外戦か……」
ベガ「おいおい……二対一だぞ……? それに、リング上には、バルログしかいないではないか……そんな状況で……激しい場外戦など、私の好みではない……」
リュウ「……この野郎」
ベガ「もう少しだけ、付き合ってもらうぞ……? なぁ〜に、悪いようにはしないさ……フンっ……!」ガスッ
リュウ「……ぐっ!」
ベガ「お前もだ……ケンっ……! フンっ……!」ガスッ
ケン「……くっ!」
実況「さぁ、ベガは場外にいるリュウとケンの腹部に蹴りを打ち込みますっ! リュウとケンの動きを止めるっ!」
556:
バイソン「バイソンパーンチっ!」ガスッ
ヤムチャ「……ぐっ!」
バイソン「……よっと、頭を掴んでっと」ガシッ
ヤムチャ「……うおっ!」
バイソン「……ヘッドバットだっ! 俺の石頭を喰らいなっ!」ゴスッ
ヤムチャ「うおっ……くそっ……ボクシングで頭突きは反則なんじゃねぇのかよ……」
バイソン「……裏ルールって言えばいいのかなぁ? そういうのでは、アリなんだよ。まぁ、いいじゃん。よっと」ググッ
ヤムチャ「う、うおっ……! 持ち上げんじゃねぇよ……! こんな場所で……」
バイソン「こんな場所だからこそ、持ち上げてるんだよっ! オラ、ボディスラムだっ! 地面に叩きつけてやるっ!」ドシーンッ
ヤムチャ「……ぐわあああぁぁっ!」
バイソン「よし、こんなもんでいいだろ……そのまま苦しんでろや……俺はバルログん所のフォロー行ってくるからよ……あ〜、忙しい忙しい……」
557:
バルログ「なんて美しい、リング上だ……野蛮な空手軍団など、存在せず……美しい私の姿しかありません……」
ブー、ブーブー
バルログ「きっと、このブーイングは……邪魔なレフェリーがいるからでしょうね……わかります、わかりますよ……皆さんの、その気持ち……」
ダン「……あのなぁ?」
実況「さぁ、バルログはリング上で両手を大きく広げ……クルクルと回り、格好つけて決めているが……だがしかし、その姿には、歓声ではなく、ブーイングが飛び交う!」
バイソン「おぉ〜い、バルログ〜! 準備出来たぜ〜!」ガシッ
ケン「……くそっ、バイソン。離しやがれ!」
ベガ「さぁさぁ、リュウ……お前もだ……」ガシッ
リュウ「……後で、10倍にして返してやるからな、ベガ」
ベガ「ふ〜む……期待してるぞ……?」
実況「おぉ〜っと、場外では、ベガとバイソンがリュウとケンを羽交い締めにしているっ! 背後から、ガシっと掴み、その動きを封じているっ!」
バルログ「私に、もっと美しい姿を見せろという事ですね……? よろしいでしょう……では、私の美しい姿……とくとご覧になって下さいっ……! ヒョオオオォォッ!」ダダッ
実況「リング上のバルログがロープへと走ったぁ! 狙いは、リュウとケンかぁ!?」
558:
バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ダダッ
実況「ロープの反動をつけたバルログが、リング上から、場外で捉えられているリュウとケンの元へと向かって行くっ!」
バルログ「……ヒャオッ!」シュタッ
実況「そして、バルログはそのまま、リングの中央付近で側転っ! 悔しいが、綺麗な側転だ! 反動を殺さない、流れるような、綺麗なフォームっ!」
バルログ「……フフフ」ググッ
実況「側転によって、体位を入れ替えたバルログは、ロープに背を向けて、立つ! その勢いのままっ……!」
バルログ「……ヒャオオオオォォォッ!」シュタッ
実況「そのまま跳んだぁっ! 後方宙返りで、トップロープごと飛び越え……場外にいるリュウとケンに仕掛けたぁ!」
オー! オーオー!
ヤムチャ(うおっ、なんだアレ……! 凄ぇ……! あの人も武空術使えるのか……!?)
559:
バイソン「バルログ! そのまま、落ちて来いっ!」
バルログ「……ヒョオオオォォッ! ヒャオッ!」ズドーンッ
リュウ「……ぐわあああぁぁっ!」
ケン「……うおおぉぉぉぉっ!」
実況「上半身から、真っ逆さまに落ちる独特のフォームで、バルログが場外にいる、リュウとケンの元へと落ちていくっ! ロープの反動つけたフライングバルセロナアタックっ! フライングバルセロナアタックだぁ!」
元「……うおぉ、凄いよねぇ。あぁいうのって」
バイソン「うおっと……!」ドテッ
ベガ「……バルログ、よくやった!」ドテッ
実況「あまりの衝撃に、羽交い締めにしていた、ベガとバイソンまで、なぎ倒されるっ! バルログ得意のルチャ殺法だっ!」
ベガ「……バルログ、大丈夫だよな?」ボソッ
バルログ「……えぇ、ありがとうございます」ボソッ
ベガ「……よしっ!」
560:
ベガ「よ〜し、後はリングで3カウントを取るだけだ……リュウ、起きろ……」グイッ
リュウ「……ううっ」
ベガ「お前はやはり、リングにいる姿の方が似合っている……ほ〜ら、リングに戻れ……」ググッ
リュウ「……協力したんだから、お前にも協力してもらうぞ?」ボソッ
ベガ「勿論だ……私だって、それくらいわかっている……借り一つだな……覚えておくよ……」ボソッ
実況「さぁ、ベガは……場外にいる、リュウを引き起こし、リングの中へと押し込みます!」
ベガ「しかし、返すのは今ではない……まだ先だ……バルログ、お前が戻って、しばらく遊んで来い……今は、お前が主役だ……」
バルログ「わかりました、ベガ様……では、リングで決着をつけてきます……」
実況「さぁ、そしてバルログも素早くリングインして、リュウを追いかける!」
元「……やっと、リングの中で、戦う人が出てきたね」
561:
事故が怖い技だな
562:
一歩間違えば大惨事だな
563:
ベガ「さぁ、バイソン……私達は、二人でこのケンを、倒そう……シャドルーのボス……私がいれば、ケンを倒す事など簡単な事だ……」
バイソン「えぇ! ベガ様がいれば、楽勝じゃないですかねぇ、こんな奴!」
ケン(ベガの野郎……今日は、珍しくやる気あるじゃねぇか……)
ベガ「……と、言いたい所だが」
バイソン「……ん?」
ベガ「私は、もう一匹の鼠にも興味がある……少し、遊びに行ってくるよ……ケンの事は、お前一人に任せよう……」
バイソン「えっ……? 俺、一人っすか?」
ベガ「まぁ、フライングバルセロナアタックを喰らったんだし……そこそこのダメージは受けているだろう……お前の出来る範囲で構わんよ……」
バイソン「まぁ、そういう事なら……やってやりますよ……!」
ベガ「ケン……私は、お前の弟弟子を血祭りにあげてくる……彼は、一番弱い……楽をして勝てる……私が大好きな事だ……」
ケン(……こいつ、やる気あるのか、ねぇのかわかんねぇなぁ)
実況「場外ではケンがベガとバイソンの二人に掴まって……いや、おっと! ベガは、ヤムチャの方に行っていますね!? ベガの狙いはヤムチャでしょうか!?」
元「リング上を含めてだけど……なんか、変わった組み合わせだね……?」
564:
ヤムチャ「ううっ……くそっ、バイソンめ……」ムクッ
ベガ「やぁ、空手軍団の三番弟子……ヤムチャ君……」
ヤムチャ(うおっ、ベガさん……! なんで、ここに……!)
ベガ「……先日の試合では、どうも。と言っても、私が君に、一方的な殺戮をしただけだがな」
ヤムチャ(何、するの……? 何するの、ベガさん……? これって、打ち合わせだよね……?)
ベガ「改めて、自己紹介をしよう……私はシャドルー軍団のボス……ベガだ……君達が、いつも戦っている、シャドルー軍団の……ボスだ……」
ヤムチャ(……ボスって事を強調してるね、うん)
ベガ「君と私では、圧倒的な力の差がある……圧倒的な、だ……」
ヤムチャ(……読めてきたぞ。何もせずにやられろって事だな)
ベガ「だが、それでも私は、君の力がどの程度か……興味がある……一つ戦ってもらえないかね……?」
ヤムチャ(逃げ道塞いだ後に、そういう事言うのってずるくない……? ねぇねぇ……?)
ベガ「自信がないのかね? 空手軍団の力とは……そんなものなのかね……?」
ヤムチャ「……上等だ、面白れぇ! あんたがシャドルーのボスだろうが、俺の力を見せてやるよ! 空手軍団舐めんなよ!」
オー、ヤムチャー、イイゾー
590:
ヤムチャ「……いくぜっ、ベガっ!」
ベガ「かかって来い……カモンカモン……」クイクイ
ヤムチャ(これ、一発ぐらいなら、打たせてくれるのかなぁ……? でも、リュウさんがベガさんに勝つ為には、ベガさんもダメージを喰らっていた方がいいし……)
ベガ(……加減はしてくれよ? 私が直々に相手をしているんだからな、ヤムチャ君)
ヤムチャ「……オラァっ! 容赦はしねぇぜ、ベガっ!」ガスッ
ベガ「ぐっ……うおっ……」ヨロッ
イイゾー、ヤムチャー
ヤムチャ「……どうだっ!?」
ベガ「ふむ……いいエルボーだ……だが、そんなものか……? お前の力は、そんなものか……?」ニヤニヤ
ヤムチャ「……加減してやったんだよ、この野郎っ!」
ベガ「なるほど……では、次はこちらの番だ……! フンっ!」ガスッ
ヤムチャ「……うぐっ!」ヨロッ
ヤムチャー、マケルナー
592:
バルログ「さぁさぁ、リュウ……起きなさい……今日は私一人のショータイムです……美しい姿を見られるのは、私だけでいいのです……」ググッ
リュウ「……ううっ」
バルログ「さぁ、美しくいきましょう……! ヒャオッ!」シュッ
実況「リング上のバルログは、リュウを引き起こし……リュウ頭部を脇に抱え……おっと、そのままセカンドロープへと飛び乗ったっ! そして反動をつけてジャーンプっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッ……ヒャオッっ!」ズドーンッ
リュウ「……うぐっ!」
実況「バルログの身体が大きく大きく旋回するぅ! そして、その勢いのまま、リュウの頭部をマットへと叩きつけたぁ!」
元「スイングDDTですね」
実況「得意のルチャ殺法っ! バルログのスイングDDT! スイングDDTだぁ!」
元「これ、試合権利は……今、リング場で戦ってる、リュウ君とバルログ君って事でいいのかな……?」
実況「そうですねぇ……う〜ん……」
593:
バイソン「オラオラ、ケンっ! 踏みつけてやるよ!」ガスガス
ケン(リュウは大丈夫だろうけど……ヤムチャとベガ、大丈夫かね……?)
ヤムチャ「……オラァっ!」ガスッ
ベガ「フハハハ、青臭いなぁ……だが、そこがいい……フンっ……!」ガスッ
ヤムチャ「……ぐっ!」
実況「場外では、ケンはバイソンに掴まっており……ヤムチャとベガはエルボーの応酬をしております」
元「うん、最初の奇襲のせいでね……結構ゴチャゴチャしてたからね……」
実況「まぁ、今、リング上で戦っている……リュウとバルログに、試合権利はあると言っていいんじゃないですかね?」
元「まぁ、そうなるよね……最初のリングで戦ってるのは、あの二人なんだし……」
バルログ「さぁさぁ、リュウ君……まだまだ、私の攻撃は続きますよ……起きなさい……」ググッ
リュウ「……ううっ」
実況「おっとおっと……スイングDDTを仕掛けたバルログは……そのまま、ロック解かずに、リュウを引き起こします! これは、再び何か仕掛けようというのか!?」
元「……そうでしょうね、うん」
595:
バルログ「さぁ、こっちです……こっちに来なさい……」
リュウ「ううっ……」
実況「さぁ、バルログはリュウ頭部を抱えたまま、一歩二歩と後退! コーナー付近まで、移動したぞ!」
バルログ「ヒャオッ!」シュタッ
実況「そして、リュウの頭部を脇に抱えたまま……セカンドロープに足をかけ……そして、トップロープにまで昇ったぁ!」
元「うん、あそこからまたスイングDDTだね」
実況「おぉ〜っと、先程はロープの反動をつけて……でしたが、今度はコーナー高さを利用して……という所か!? バルログにとっては、リング上にある物全てが、己の武器だ!」
バルログ「ハハハ、 これで、終わりです! 美しくいきますよ!」
実況「バルログはナルシストっ! 勿論アピールも忘れはしませんっ! もう片方腕を大きく突き上げ、大アピールだ!」
596:
ベガ「なかなか、いいんじゃないかな……まぁ、楽しめたよ……」
ヤムチャ(おぉ……交互のエルボーの打ち合いだったけど……結構、好きにやらせてくれたんじゃないか、ベガさん……)
ベガ「ところで、だ……ヤムチャ君……?」
ヤムチャ「……ん?」
ベガ「君達の大将が……バルログに掴まっているぞ……? これは、助けに行った方が、いいんじゃないかな……?」ニヤニヤ
バルログ「さぁ、私の美しい姿……とくと御覧になって下さい……!」
リュウ「……ううっ」
ベガ「ここは、引かせてやる……ホラ、助けに行けよ……」
ヤムチャ(俺が助けに行けって事か……! わかったよ、ベガさん、今行くよ……!)
ベガ「行け……私は、もういい……ホラ、早く……」
ヤムチャ「よしっ、リュウさん……今、助けに行きますよ……!」
598:
ベガ「ハーッハッハ! 嘘だよ、バーカっ!」ガシッ
ヤムチャ「……ん?」
ベガ「……見逃してやるとでも思ったか、馬鹿めっ! ホラ、エプロンサイドに叩きつけてやるっ! フンっ!」ビターンッ
ヤムチャ「……ぐえっ」
ベガ「ほーら、もう一発だっ! お前は、大将がやられる姿をここで、眺めてろっ! フンっ!」ビターンッ
ヤムチャ「……うげっ」
ベガ「ハハハ、ほーら、バルログ! もう決めちまえ! 5分足らずでの試合決着にしてしまえ!」
ヤムチャ(なんだよ、嘘かよ……ちくしょう、騙された……まぁまぁ、試合時間はまだまだあるんだし……ここはリュウさんが一人でなんとかするでしょ……)
実況「場外にいる、ケンとヤムチャは、バイソンとベガに掴まっております! これはなかなか厳しい場面か!?」
元「上手く乱戦に持ち込んだ……って言えば、聞こえはいいけどね……ただの奇襲だからね。ただの奇襲」
599:
バルログ「では、行きますよ……ヒャオッ!」ガシッ
リュウ「……くっ!」
実況「さぁ、そしてコーナー最上段から、バルログがリュウにスイングDDTを……いやっ、違うっ! バルログは、リュウの腰回りに両腕を回して……」
バルログ「美しく決めましょう……! ヒャオッ!」クルンッ
リュウ「……何っ!? う、うおっ」
実況「そのまま、リュウの身体を飛び越えるようにして……自身の身体をリュウ身体ごと、回転させていったぁ!」
元「おっ、クイックで丸め込みにいきましたね」
実況「トップロープからの、ローリングクラッチホールド! 回転エビ固めっ! ここは、バルログがクイックで丸め込みにいったぁ!」
バルログ「さぁさぁ、レフェリー……フォールですよ……カウントを取りなさい……」
ダン「オーケー、任せておきな!」
実況「さぁ、これはどうなる!? レフェリーが、今カウントを取りに向かいます!」
600:
ダン「ワンっ……!」
リュウ「……フンっ!」ググッ
バルログ「……あらっ?」
ダン「ツー……は数えるまでもねぇや……カウントはワンだ! 決まっちゃいねぇ!」
実況「おぉ〜っと、一瞬ヒヤリとしましたが、カウントはワン! すぐ様、リュウが返していきます! まだまだ余裕と言った所でしょう!」
リュウ「……好き放題、やりやがって、この野郎」ムクッ
バルログ「……ん?」
リュウ「……はああぁぁっ!」スパーンッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」
実況「リュウの体力はまだまだ残っています! バルログよりも先に立ち上がり、バルログの胸板に熱〜い、蹴りをお見舞いしたぁ!」
601:
イイゾー! リュウー!
リュウ「くそっ、好き放題やりやがって……」
実況「おっと、しかし……リュウも少々、頭を抑えていますね? やはり、ダメージはあったのでしょうか?」
元「流石にノーダメージって、ワケではないでしょうね……でも、まぁ問題ないでしょう」
実況「さぁ、ここからが……真のリュウの力……と、いった所でしょうかね……?」
元「……というか、奇襲みたいなもんだったしね」
バイソン「あら……? 決まらなかったか……? 作戦失敗って所かな?」
ケン「……おいこら、何処見てやがる?」ムクッ
バイソン「ありゃりゃ……ケン君、お早い起き上がりで……?」
ケン「俺相手に、よそ見してんじゃねぇよ……散々好き放題しやがって……オラっ……!」ガシッ
バイソン「……ケン君、暴力はよくない。暴力は」
ケン「好き放題やってた、てめぇが何言ってんだ……! うらぁっ! 鉄柵に行って来いっ……!」ブンッ
バイソン「う、うわああぁぁっ……!」ガッシャーンッ
ケン「……奇襲しろとは、言ったけど、ここまでしろとは言ってなかっただろが。ベガが原因だろうな。あの野郎」
602:
ベガ「決まらんかったのは、残念だ……だから、こいつで腹いせをしよう……フンっ!」ビターンッ
ヤムチャ「……ぐえぇ」
ベガ「そ〜れ、もう一丁っ! フンっ!」ビターンッ
ヤムチャ(ねぇねぇ……いつまで、続けるのコレ……? ちょっと、今日の俺の活躍、マイナスになりすぎてないかな……? ベガさん……)
リュウ(あ〜、邪魔だ……コレじゃあ、試合出来ねぇじゃねぇかよ……仕方ねぇ……)
実況「おっと、ここでリュウは……バルログには行かずに、場外にいるベガの元へと近づいていきます」
元「うん、ヤムチャ君はまだ掴まってるからね」
リュウ「……おい、ベガっ! ヤムチャを離せっ!」
ベガ「……嫌だと言ったら?」
リュウ「……力づくで、止めさせてもらう」
ベガ「構わんよ。私はお前達と違い、リングの中での戦いより、場外戦の方が得意だ……場外戦でも、構わんよ……? 来いよ……」
実況「さぁ、リュウが何やらベガに言っているようですが……ベガは動じていませんっ!」
604:
ケン「おい、ベガ、いい加減にしろよ!? だったら、俺が相手だ!」
ベガ「お〜う、ケンも来たか……空手軍団勢揃いだな……」
実況「おっとおっと、そんなベガの元にケンも近づいて来ました!」
元「あれ? バイソン君は何処行ったの?」
実況「バイソンは……あ〜、いました! 鉄柵に倒れこんでいます。恐らく、ケンに振り投げられたんでしょうね」
ケン「……ヤムチャの次は、俺だ。ホラ、ベガ、かかって来いよ?」ググッ
ベガ「……ふむ」
オー! ケーン! イイゾー!
実況「おっと、そしてケンはベガの目の前で構えますっ! ヤムチャの次は自分だ……という事でしょうかねぇ?」
元「え〜っとねぇ……うん……」
実況「おっと、元さんどうされましたか……?」
元「ケン君の意気込みは好きだけど……リングの外で戦いが進んで行くのは、僕は好きじゃない……」
実況「ほ〜う、戦うのなら、リングの中でと?」
元「そうそう、色々あったけど、試合権利を今、持ってるのは、リュウ君とバルログ君です。ケン君も、ベガ君も……今はいいでしょ……?」
605:
ベガ「おぉ〜っと、怖い怖い……仕方がない……ここは引き下がるとするか……」
ケン「……怖じ気づいたのか?」
ベガ「怖じ気づいたのではない……三体一では、楽をして勝てんだけだ……」
リュウ(やっとだよ……やっとコレで試合が始まる……)
ベガ「……まぁ、一人一人順番に始末してやるよ。楽しみにしておくんだな」
実況「元さんの願いが通じたのか!? ここで、ベガはヤムチャを離し……自軍コーナーの方へと戻っていきます!」
元「そうそう。試合をするのは、リングの上で……シャドルーの人達は、いつもこうなんだから……」
ベガ(さぁ、リュウ……ケン……ヤムチャ……試合の序盤から、私が大暴れだ……お前達に大きな大きな貸しを作ったぞ……悔しい思いもしただろう……だったら、試合中に返してくれ……)
リュウ(ベガが無茶苦茶にしやがったからな……ここから立て直していかねぇと……)
ケン(……ヤムチャとは、やり合うってのに、俺とはやり合わねぇのかよ)
ヤムチャ(トータルでちょっとプラスにしておきたいんだが……今の所は、ちょっとマイナスかもしれねぇな……)
ベガ(いつでも、仕返しに来い……ただ、試合時間も、私の体力もそこまで多くはないからな……出来れば、三人纏めて返してくれる方が、ありがたいかな……)
622:
バルログ「ベガ様に……気をとられてる……この隙に……」ググッ
実況「さぁ、そうこうしているうちにバルログも起き上がるっ! 背を向けているリュウの背後で起き上がるっ! リュウは気づいていない……気づいていないぞっ!」
元「あらら……ちょっとマズいかもね……?」
バルログ「さぁ、死になさいリュウっ……! ヒョオオォォッ……!」ダダッ
実況「そしてバルログが突っ込んだぁ! 背を向けているリュウに対して、猛ダッシュ!」
ケン「お、おい……! リュウ、後ろ……来てるぞっ……!」
バルログ「ヒョオオォォッ!」
リュウ「大丈夫だ、ケンっ……! わかっているっ……! フンっ!」シュタッ
実況「おっと!? しかし、リュウは気づいているのか!? 背後に目があるのか……それとも、バルログの叫び声が大きすぎたのか!?」
元「……それは、後者だね。きっと」
実況「とにかくとにかく……素早く屈み込んだぁ!」
624:
リュウ「……はあっ!」ガシッ
バルログ「……何っ!?」
実況「リュウは、自ら倒れこむような姿勢で、バルログの両膝を両足で挟んでロックっ! 突っ込んで来たバルログの勢いを殺すっ!」
リュウ「……そのまま、倒れろっ! フンっ!」ググッ
バルログ「う、うおっ……!」グラッ
実況「カニ挟みだぁ! バルログの攻撃を上手く受け流したぁ! バルログはそのまま前のめりに倒れダウン……お〜っと、いや、そこにはロープがあったか!? ロープに、前のめりに倒れ込みます!」
バルログ「くそっ……してやられたか……」
リュウ「よ〜しっ! ケン、手伝ってくれっ!」ムクッ
ケン「オーケー! 任せておきなっ!」
実況「リュウは素早く立ち上がり……ロープへと走るっ!」
626:
ケン「……よっと! へへ、バルログ、残念だったな?」ピョンッ
バルログ「……くそっ、ケン」
ケン「今度は俺達の番だ! 行くぜっ!」ガシッ
バルログ「……ぐっ!」
実況「おっと、ここで場外のケンが素早くエプロンサイドに飛び乗り、そこから、ロープに倒れ込んでいるバルログの頭部をガッシリ掴むっ!」
ケン「ロープの反動で……吹き飛べやっ! オラァっ!」ググッ
バルログ「……う、うおお」
実況「ケンはそのまま、バルログの顎を、トップロープに押し付けながら……」
ケン「……そ〜ら、よっと!」
バルログ「うおお……うおおおっ……!」ブンッ
実況「エプロンサイドから、場外へと飛び降りるっ! バルログの顎にロープの反動が一気にかかるっ! エプロンサイドからの、ロープを利用したチンクラシャーっ!」
627:
バルログ「ぐおおっ……くそっ、味な真似を……」バターンッ
ケン「……まぁ、こういう技は、お前の専売特許じゃねぇって事だな」
実況「バルログの身体が、ロープの反動によって弾き飛ばされるっ! バルログは、そのまま仰向けにダーウンっ!」
リュウ「いいぞ、ケン……! 次は俺だ……はああぁぁっ!」ダダッ
実況「さぁ、そして、ダウンしたバルログに……ロープの反動をつけたリュウが向かって来ているっ! 走り込んで、勢いをつけてきての……」
リュウ「……はあぁっ! エルボードロップだぁ!」ドスッ
バルログ「……うぐううぅぅっ!」
実況「エルボードロップだぁ! バルログの胸元に肘を落としていくっ!」
元「うん、いい連携攻撃。よく見てました」
628:
リュウ「どうだっ! 見たかっ!」
イイゾー! リュウー! ケーン!
実況「さぁ、リュウは素早く起き上がり、右手を突き上げガッツポーズ! ようやく、試合が落ち着いてきたという所でしょうか?」
元「そうだね、うん。シャドルーの奇襲で結構ゴチャゴチャしてたからね……ここから、自分達のリズムに持っていきたいね」
実況「さぁさぁ、リュウ! ここからリズムを作れるかぁ!?」
ケン「……思ってた以上にゴチャゴチャしちまったな? まぁ、とにかくコーナーで待機してようぜ、ヤムチャ?」ボソッ
ヤムチャ「そうっすね……結構、予想外……みたいな所もありました……」ボソッ
バイソン「あ〜、くそっ……ケンの野郎……鉄柵にぶつけるだなんて酷い事しやがって……覚えておけよ……」
ベガ「バイソン、すまんすまん……ちょっと、暴れすぎたよ……私は、もう大人しくしておくよ……」
実況「さぁ、場外にいる選手達も、今互いの陣営にゾロゾロと戻っております!」
629:
リュウ「よしっ、ここからだ! バルログ、起きろっ!」ググッ
バルログ「……ううっ」
実況「さぁさぁ、リュウの勢いはまだまだ止まらないっ! ダウンしているバルログを引き起こし……バルログの頭部を脇に抱えます!」
リュウ「バルログ……さっきのは、痛かったからな……これは、お返しだっ!」
バルログ「ううっ……ううっ……」
リュウ「……さぁ、いくぞっ! はぁっ!」ドシーンッ
バルログ「……うぐおおぉぉっ!」
実況「そして、そのままジャンピングして後方に倒れ込み、バルログの頭部をマットに打ち付ける!」
元「ジャンピングDDTですね」
実況「リュウのジャンピングDDT! バルログの頭部がマットにめり込んだぁ!」
630:
リュウ(……まぁ、序盤から暴れてくれたおかげで、派手めの試合になった事は有り難いな。バンバン責めていこう)
バルログ「あぁ、うぐぐ……くそっ……」
リュウ「頭を抑えて苦しんでいる場合ではないぞ……! オラっ!」ドスッ
バルログ「……うぐっ!」
実況「リュウはダウンしているバルログに近づいて……ストンピングっ! 背中を踏みつけていく!」
リュウ「バルログ、起きろっ! まだまだ終わらないぞ」ググッ
バルログ「……ううっ、くそっ」
リュウ「モタモタするんじゃないっ! オラっ!」ドスッ
バルログ「……ぐあっ!」
実況「さぁ、そして再びバルログを引き起こします! そして、膝蹴りを腹部へと打ち込みます!」
元「ジャンジャン責めていきましょう」
631:
リュウ「次は、コーナーだっ! フンっ……行ってこいっ……!」ブンッ
バルログ「……くっ、うおおっ!」
実況「そして、コーナー目掛けてバルログの身体を振り投げたぁ!」
バルログ「……うぐっ!」ドスッ
リュウ「さぁ、皆! 空手軍団の力、見せてやる!」
イイゾー、リュウー!
実況「バルログの身体がコーナマットへと突き刺さるっ! そして、そんなバルログに狙いを定めたリュウが拳を突き上げアピールだ! さぁ、ここから何を狙う!?」
リュウ「……うおおおっ! バルログ、行くぞっ!」ダダッ
バルログ「ううっ……ううっ……」
実況「さぁ、リュウがバルログ目掛けて突っ込んだぁ!」
632:
リュウ「……たああぁぁっ!」ガスッ
バルログ「……ぐわっ!」
実況「ロープを片手で持ち、支えにしつつ、飛び上がりながら、身体を逸らし、バルログに足を打ち込んでいくっ! 顔面へと打ち込んだぁ! リュウのレッグラリアットっ!」
バルログ「あぐっ……くそっ……」
リュウ「……フンっ!」ピョンッ
実況「おぉ〜っと、リュウはレッグラリアットを打ち込みつつ……ロープを飛び越え、エプロンサイドへと着地っ!」
元「……おぉ、いい動きしてるねぇ」
リュウ「さぁさぁ、まだまだ終わらないぞ……バルログ!」ガシッ
バルログ「……くっ!」
実況「おっと、そしてリュウは、エプロンサイドからバルログの頭部を掴んで……そのまま、コーナポストへと登っていくっ!」
634:
リュウ「さぁさぁ、行くぞっ!」
イイゾー! リュウー! イケー!
実況「コーナーポストに昇ったリュウは、右手を突き上げアピールだぁ! 場内から、声援が湧くっ!」
リュウ「オラッ! バルログ、行くぜっ!」ガシッ
バルログ「……ぐっ!」
実況「さぁ、そしてコーナーポストの最上段から、背を向けているバルログの頭部を両手でガッチリ掴んで……」
リュウ「うおおおぉぉっ! その顔を叩きつけてやるっ!」ズドーンッ
バルログ「……ぐわあああぁぁっ!」
実況「バルログの後頭部に膝を押し付け、コーナーポストの最上段から、自身の体重をかけて、バルログ顔面をマットへと叩きつけていったぁ!」
元「カーフ・ブランディングですね」
実況「リュウのカーフ・ブランディングっ! バルログの焼印押しが完成したぁ! 自身の顔に自信を持っているバルログには……屈辱的な技かぁ!?」
635:
バルログ「ぐわあああぁぁっ……くそっ、くそっ……私の美しい顔を……!」ゴロゴロ
実況「さぁ、これにはバルログも、顔面を抑えて苦しんでいるっ! おっと、そして、リュウはうつ伏せのバルログを跨いで、腰の上あたりに陣取り、バルログの足に手をかけたぁ!」
リュウ「よっと……よっと……」ガシッ
実況「バルログの左足を、自身の脇の下に抱え込み……右足を左足の太腿裏に押し付け、支えにする! 後は、バルログの股下から手を潜らせれば……」
リュウ「これで完成だっ……! バルログっ!」
バルログ「うぐっ、くそっ……!」
実況「力強いロックが完成だぁ! コイツは、テキサスクローバーホールドだっ! バルログの足をロックしつつの、逆エビ固めっ!」
元「これはね……腰だけじゃなくて、足首へのダメージもあるからね」
実況「リュウの関節技ぁ! さぁさぁ、後はバルログの身体を逸らしていくだけだっ!」
637:
リュウ「いくぞ、バルログっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ
バルログ「ガッ……ぐっ……うぐぐっ……!」
実況「さぁ、リュウが力を込めて、バルログの身体をエビ反り状に逸らしていくっ! リュウのテキサスクローバーホールド! テキサスクローバーホールドっ!」
元「ロープに近い位置での仕掛けだけど……これ、バルログ君にとっては、後ろにあるからね? 案外、逃げにくいかもしれないよ?」
ケン「よしよしっ! いいぞ、リュウ! そのまま決めちまえっ!」パチパチ
ヤムチャ「ナイスっす! リュウさん!」
イイゾー! リュウー! イケー!
実況「さぁさぁ、コーナーにいるケンとヤムチャも声をあげ、手を叩き……リュウを煽っていくっ! これは、かなり空手軍団のペースになってきたのでは、ないですかねぇ、元さん?」
元「そうだね。やっぱりリュウ君はこういう力も強いよね。積極的に自分達の流れに持っていく……みたいな力が」
ダン「おい、バルログ! どうすんだ!? ギブアップか!?」
バルログ「ギブアップだなんて……醜い真似をするわけないでしょう……この私が……」
リュウ「だったら、力づくでギブアップさせてやる……うおおおぉぉっ……!」ググッ
バルログ「あっ……ガッ……ぐっ……!」
実況「さぁさぁ、ここでリュウがより一層、力を込める! これには、バルログも苦しむ苦しむ!」
638:
ケン「よ〜し、リュウっ! そのまま決めちまえ!」
ヤムチャ「リュウさん、やっちゃって下さいっ!」
リュウ「あぁ、任せておけっ……! うおおおぉぉっ……!」
バルログ「あっ……ガッ……くそっ、リュウめ……」
イイゾー! リュウー! イケー!
バイソン「……俺はこの、声援が気に食わねぇな。ちょっと顔がいいだけでチヤホヤされるのは、ムカつくもんがあるぜ」
ベガ「……助けに行ってやれ。バイソン」
バイソン「……ったく、好き放題やられてんじゃねぇよ、バルログ」
実況「さぁ、リュウがバルログの身体を締め上げる締め上げる! バルログは、なかなか、逃げる事が出来ません! おっと、ここで、見かねたバイソンが、リングインして……ゆっくりとリュウに近づいていきます!」
639:
バルログ「うぐぐ……バイソン、助けて下さい……」
バイソン「わぁ〜ってるよ……ったく……オラッ……」ドスッ
リュウ「……うおっと」ドテッ
実況「おっと、ここでバイソンがリュウの背中に前蹴りを一発!」
元「前蹴りと言うよりかは、足で押し倒す……みたいな感じじゃない?」
実況「まぁ、どちらにしても乱暴なカット! いや、普段のカットに比べれば、まだマシな方か? リュウは前のめりに倒れてしまいます。ロックも外れてしまったか!?」
リュウ(ベガは来なかったな……誘ってた部分もあったんだがな……)
バルログ「うぐぐ……バイソン……感謝しますよ……」
バイソン「しっかりしろよ、この野郎! シャドルーのイケメン担当は、お前なんだからよぉ!」
実況「さぁ、そしてバイソンは、何事もなかったかのように、自軍コーナーへと戻っていきます」
元「そうだね。今日は、暴れないね」
実況「まぁ、本日の試合はど頭から大暴れでしたからね? 好き放題暴れて、バイソンも満足したのでしょうか!?」
640:
リュウ「まぁ、邪魔はされたが……まだまだ、大丈夫だ……」ムクッ
実況「さぁ、バイソンのカットによってロックは外れてしまいましたが……先に立ち上がったのは、リュウ! やはり、バルログはダメージが大きいか?」
元「そうだね。結構、バンバン受けてたみたいだしね」
リュウ「さぁさぁ、バルログ……まだまだ、終わらないぞ……ほら起きろ!」ググッ
バルログ「ううっ……」
実況「さぁ、そしてリュウは、バルログの頭部付近へと回り込み……そのままばるの身体引き起こします!」
リュウ「……これで、終わりにしてやる! オラッ!」ガシッ
バルログ「……うぐっ!」
実況「さぁ、そしてバルログを前屈みの体勢にして……その頭部を自身の股下へと押し込んでいったぁ! コイツは、パワーボムの体勢だ!」
リュウ「ここで、決めてやるっ! いくぞっ!」ガシッ
イイゾー! リュウー! イケー!
実況「さぁ、そしてバルログの腰回りに自身の手を回し……リュウが声を張り上げたぁ!」
641:
リュウ「……うおおおぉぉっ!」ググッ
実況「さぁさぁ、リュウがバルログの身体を、自身の頭上まで、高く持ち上げるっ!」
バルログ「やはり……狙ってましたね……? しかし、それは私も同じです!」ガシッ
リュウ「……何っ!?」
実況「そしてバルログの身体をマットへと叩きつけ……いや、違うっ! バルログは返したっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッ……!」ブンッ
リュウ「……う、うおっ!」
実況「頭部まで、持ち上げれらた状態で、そのまま自身の両太腿で、リュウの頭部をロック! 落とさられる勢いに……おっとおっと、さらに自身の身体を振子のように、スイングさせて、さらに勢いをつけていくっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッ……! ヒャオっ!」ブンッ
リュウ「う、うおおおぉぉっ……!」
実況「その勢いのまま、リュウの身体をホイップさせて投げていくっ!」
元「ハリケーン・ラナですね。バルログ君、一瞬の隙をつきました!」
実況「バルログのハリケーン・ラナ! ハリケーン・ラナ! 一瞬の隙をつき……得意のルチャ殺法で返していったぁ! リュウの身体が大きく吹っ飛ばされる!」
642:
オー、オーオー
バルログ「……そうです、私が求めているのは、この美しい声援です」
リュウ「う、うおっ……くそっ……」ドスッ
バルログ「さぁ、立ち上がりなさい、リュウ……あの程度の攻撃……まだまだ効いてはいないでしょう……?」
リュウ「ううっ、くそっ、バルログ……まだ、そんな力が残っていたか……」ムクッ
実況「ハリケーン・ラナで吹き飛ばされたリュウ! いや、しかしすぐに立ち上がる! リュウはこの程度ではやられはしないっ!」
元「……いや、そこはバルログ君も、想定内だったみたいですね」
バルログ「さぁさぁ、美しくいきましょう……! ヒョオオオォォッ……!」ダダッ
実況「おっとおっと、バルログは既にもうロープ目掛けて走っている! リュウの起き上がりに合わせて……ロープの反動をつけた攻撃を狙っているのか!?」
バルログ「さぁ、リュウ……行きますよ……?」ググッ
リュウ「……ううっ、くそっ」
実況「ロープの反動をつけたバルログがやってきたぁ! リュウは少々、無防備な体勢だ!」
657:
バルログ「ヒャオッ!」シュタッ
実況「そして、バルログはクルリと回転っ! 綺麗な側転を見せつつ、体位を入れ替えて、リュウに背を向けるっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッ……ヒャオッ……!」シュタッ
リュウ「……う、うおっ!」
実況「そして跳んだぁ! その状態から、身体を捻りつつリュウに向かって大きく跳ぶっ! 旋回してのボディアタックをリュウにしかけるっ!」
バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ
リュウ「……うぐっ!」バターンッ
実況「得意のルチャ殺法! 得意のルチャ殺法っ! ここで、バルログがフライングボディアタックをリュウに仕掛けたぁ! そのままリュウの身体をなぎ倒していくっ!」
659:
リュウ「あぁっ……くそっ……」
バルログ「さぁ、そして……フンっ……」クルッ
実況「フライングボディアタックでリュウをなぎ倒したバルログは……おぉ〜っと、そのまま前転して、自軍コーナーの方へと移動する!」
バルログ「……さぁ、バイソン。後は任せますよ」パシッ
バイソン「オーケー! 任せておきな」パシッ
実況「そして、そのままバイソンへとタッチっ! バルログは引き下がります!」
元「うん、まぁいいタイミングで変わったんじゃないかな?」
バイソン「よしよし……じゃあ、俺様も……美しくいこうかな……?」ノッソノッソ
バルログ「……えぇ、バイソン。美しくいきましょう」
実況「タッチを受けたバイソンは……そのままコーナーポストへと、のっそのっそと昇るっ! さぁ、そして今トップロープに足を掛けたぁ!」
660:
バイソン「そ〜れっ、 派手にいきましょう! よっこいしょ〜!」シュバッ
実況「そして、バイソンがそこから、跳んだぁ!」
バイソン「オラッ、俺様の石頭を喰らいなっ……!」ズドーンッ
リュウ「……ぐわああぁぁっ!」
実況「トップロープから、リュウ目掛けて、大きく跳んで……自身の硬い硬い石頭をダウンしているリュウにぶつけていくっ! バイソンのダイビングヘッドバット! ダイビングヘッドバットだぁ!」
元「交代すると同時の、連携攻撃だね」
実況「やはり、リュウ相手には、二人三人で、仕掛ける事をシャドルーも心がけているんでしょうかね? さぁさぁ、試合権はバイソン! バイソンへと移りました!」
バイソン「さぁさぁ、ここからはずっとバイソン様のターンだぜ! いくぜ、リュウ!」
リュウ「ううっ……くそっ……」
661:
バイソン「ほ〜らよ……? リュウ、いくぜ……?」ズンッ
リュウ「……くっ!」
実況「おっと、ここでバイソンは、仰向けのリュウの上に跨り……馬乗りの体勢っ! こいつはマウントポジションの体勢だ!」
バイソン「へへへ、リュウ君、覚悟はいいかな……? 今から、てめぇをボーッコボコにしてやるからよぉ……?」
リュウ「……くっ、くそっ」
バイソン「おっと、ガードポジションなんかとっても無駄だぜ……? その上から、ぶん殴ってやるよ! フンっ!」ガスッ
リュウ「……うぐっ!」
実況「さぁそして、そのままリュウの顔面目掛けて拳を振りかざしていくっ! バイソン得意のラフ殺法っ! ラフ殺法で攻めていきます!」
バイソン「ハーッハッハっ! やっぱり、イケメンをボコボコにするのは、気持ちいいな!? なぁ!?」ガスガス
リュウ「うっ……くっ……」
ブー、ブーブー
実況「上から拳を振りかざすバイソンっ! リュウもなんとか、ガードして耐え凌いでいるが……少々厳しい状況か、コレは!?」
663:
バイソン「オラオラっ! とっととくたばりやがれ、リュウ……!」ガスガス
リュウ「……くっ、くそっ」
ブー、ブーブー
ケン「おい、レフェリー、何やってんだ! ありゃ、反則だ! 止めろ!」
ダン「おう、そうだそうだ……拳は反則だ、俺が止めないとな……」
バイソン「レフェリーに、チクるだなんて、チンケな真似しやがって……金玉ついてやがるのか、こいつらは……」
リュウ「レフェリーは必要ないさ……自力で返してみせる……はああぁぁっ……!」ググッ
バイソン「……ん?」
リュウ「うおおぉぉ……だああぁぁっ!」ゴチーンッ
バイソン「……あいだぁ!」
実況「おぉ〜っと、しかしここでリュウが返したっ! 腹筋を使い、状態を起こし、その勢いのまま、バイソンの顔面に自身の頭部をぶつけたぁ! 下から突き上げるヘッドバット!」
元「うん、不利な体勢だったけどね、リュウ君、よく見てるね」
ダン「……おっ、なんだ。自力で返しやがったか」
バイソン「あだだだ……うおっ……いってぇ……」クラッ
実況「下からのヘッドバットが正面衝突! これにはバイソンの動きも止まるっ!」
664:
イイゾー! リュウー!
リュウ「……よしっ、ここからだ!」スッ
実況「さぁ、そしてリュウはバイソンの下から、スッっと下半身を引っこ抜き、素早く体勢を立て直すっ!」
バイソン「あぁ、くそっ……ボクシングじゃ、頭突きは反則なんだって、この野郎……」
リュウ「……うおおぉぉっ!」ダダッ
実況「そして、苦しんでいるバイソンを尻目に……リュウは素早く起き上がり、ロープへと走るっ!」
元「うん、チャンスはモノにしませんとね」
イイゾー! リュウー! イケー!
リュウ「……うおおぉぉ! いくぜ、バイソンっ!」ダダッ
バイソン「あだだ……アレ……? 何……? 何が、起きてるの、コレ……?」
実況「ロープの反動をつけたリュウが、尻餅をついているバイソンへと向かっていくっ! 完全に狙いを定めているっ!」
665:
リュウ「行くぞ、バイソンっ……!」ズザーッ
バイソン「……ん?」
リュウ「うおおおぉぉっ! だああぁぁっ!」ガスッ
バイソン「……ぐわああぁぁっ!」バターン
実況「そして、仕掛けたぁ! スライディングしながらのエルボーバットォ! バイソンの顎に打ち込んだぁ!」
元「よ〜し、いいですよ」
実況「これには、バイソンも大きくダーウンっ!」
イイゾー! リュウー!
リュウ「……よしっ!」
ケン「お〜い、リュウ! そろそろ、こっちにも出番くれや〜!」
リュウ「……ん?」
ケン「こっちで待機してるのも……結構、暇なんだよ……出番くれよ、出番を……」
ヤムチャ(あっ、そういう事、直接言ってもいいんだね……)
666:
リュウ(まぁ、そろそろ交代しておいた方がいいかもな……)
ベガ(ケンが声を描けたな……まぁ、いいタイミングだろ……)
リュウ(……まぁ、交代しておくか。バルログやバイソン相手より、本題はベガだ)
実況「さぁ、ここでコーナーからケンがリュウに声をかけます! リュウも、自軍コーナーの方へと近づいていきます!」
元「まぁ、リュウ君が頑張って流れを作ってくれたね。いいんじゃない?」
リュウ「……結構、派手めになっちまったな?」
ケン「まぁまぁ、大丈夫大丈夫。想定内」
リュウ「……どっちが行く? ケンか、ヤムチャか?」
ケン「ここはヤムチャに、行かせましょう。後にとっておくと怖いからね、こいつは……」
リュウ「まぁ、そうだな……よし、ヤムチャ交代だ……」パシッ
ヤムチャ「うっす……! 行ってきます!」パシッ
ケン「派手に行ってこい。細かい部分はどうでもいいから……ポイントポイントをド派手やればいいんだ……」
実況「さぁ、ここでリュウはヤムチャに交代しますっ! 試合権はヤムチャ! ヤムチャへと移りました! リュウは体力を温存していきます!」
バルログ「……」
ベガ「自分は、連携攻撃で攻撃したのに、奴らは普通に交代……そんな顔をしているな……?」
バルログ「……まぁ」
ベガ「表情に出さんでもいいだろう……何故なら、シャドルーにとってそれは、都合のいい事だからだ……」
667:
ヤムチャ「さぁさぁ、行くぜ……バイソンっ……! 俺だって、やってやる……!」パチパチ
バイソン「あぁ、交代されちまったか……でも、いいや、相手は雑魚だから……」ムクッ
実況「さぁさぁ、そしてヤムチャが今リングインっ! 二度三度手を大きく叩き、場内を煽っていきます! リュウの作った流れに、乗っていきたい場面だ!」
ヤムチャ「さぁ、いくぜっ! バイソン、うおおおぉぉっ!」ダダッ
バイソン「……来やがれ、雑魚野郎っ!」
イケー! ヤムチャー!
実況「そしてヤムチャが勢いよく、バイソンに突っ込んでいくっ!」
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! だああぁぁっ!」ドスッ
バイソン「……うおっと」ヨロッ
実況「そして、ショルダータックルっ! 勢いよく、肩からぶつかっていくっ! これにはバイソンもフラついたか!?」
669:
バイソン「……くそっ、舐めてんじゃねぇぞ、このタコがっ!」
ヤムチャ「最初から、全力でいくぜっ! バイソンっ!」
バイソン「……あぁ?」
実況「そして、ヤムチャは叫んだ! 吠えたっ! 雄叫びを上げたぁ!」
ヤムチャ「オラッっ! いくぜっ! だあぁっ!」ガスッ
バイソン「……うぐっ!」
ヤムチャ「次はこっちだっ……! でえやぁっ……!」ガスッ
バイソン「……うがっ!」
実況「右のミドルキックっ! バイソンの脇腹に突き刺す! そして、お次は左のミドルキックキックだっ!」
ヤムチャ「……うおおおっ!」ググッ
バイソン「……ちくしょう、調子に乗りやがって」
実況「得意の打撃のラッシュか!? おっと、そしてここでヤムチャは右手をググッと大きく振りかぶったぁ!」
670:
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! だああぁぁっ!」ガスッ
バイソン「ウゴッ……ぐわっ……」クルッ
実況「そして、下からカチ上げ式のエルボーバットをバイソンの顎に打ち込んでいくっ! バイソンの身体がクルリと半回転っ!」
ヤムチャ「よしっ……そこだっ、バイソンっ……!」ガシッ
バイソン「……くっ!」
実況「ヤムチャは背を向けたバイソンの背中を、ガッシリ掴むっ! 背後を捉えた! 背後を捉えたぞ!」
ヤムチャ「いくぜ、バイソンっ! うおおおぉぉっ!」ググッ
バイソン「うおおおっ……うおっ……!」
ヤムチャ「でええぇぇやっ! だああぁぁっ!」ドシーンッ
バイソン「……うぐうっ!」
実況「そして、そのまま仕掛けるっ! バーックドロップっ! バイソンの脳天をマットに叩きつけるぅ!」
元「うん、得意の打撃からね……投げに……いいですね」
671:
リュウ「……あぁいうの、あるんだな、アイツ」
ケン「……まぁ、その辺は、ケン・マスターズ流格闘術の成果ですよ」
ヤムチャ(休んじゃダメだ……間を空けず、バンバンいかねぇと……)ムクッ
実況「さぁ、そしてヤムチャは素早く立ち上がるっ!」
元「積極的に流れを作りにいこうとしてますね。いいですよ」
バイソン「あぁ、ちくしょう……雑魚の癖に、調子に乗りやがって……」
ヤムチャ「そのまま寝てろっ……うおおおぉぉっ、行くぜっ……!」ダダッ
実況「さぁさぁ、そしてヤムチャがロープへと走るっ! ここから何を仕掛けるか!?」
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! いくぜっ!」
イケー! ヤムチャー!
実況「さぁ、ヤムチャのロープの反動でさらに勢いをつけるっ! そしてそして、バイソンに向かっていくっ!」
672:
ヤムチャ「……うるああぁぁっ!」ズザーッ
バイソン「……くそっ」
ヤムチャ「その脇腹に……喰らいなっ……!」ドスッ
バイソン「……うぐううぅぅっ!」
実況「さぁ、そしてスライディングしてのキックをバイソンの脇腹へとお見舞いだ! これには、バイソンも苦しんでいるっ!」
元「スピーディに攻めてるよね。いいよ、うん」
ヤムチャ「どうだっ!? 脇腹に突き刺せば……効くだろ!?」
バイソン「あだだだ……痛い痛い痛い……ちくしょう……」ゴロゴロ
ヤムチャ「……効いてるみたいだな! だったら、もっと痛めつけてやる! コブラツイストだ!」
バイソン「脇腹とか……スネとか……顔とか……そういう所はダメなの……」
ヤムチャ「……お前が言うんじゃねぇよ! ホラ、とっとと起きやがれ!」ググッ
バイソン「あぁ、くそっ……この野郎……調子に乗りやがって……」
ヤムチャ(さぁ、ここからだ……ここから……気合を入れろ……気合を入れるんだ、俺っ……!)
実況「さぁさぁ、そしてヤムチャがバイソンを引き起こします! コレは、完全にヤムチャの……空手軍団のリズムへとなってきたか!?」
673:
バイソン「いつまでも調子に乗ってんじゃねぇよ、この野郎っ……! うおおおぉぉっ、バイソンパンチだっ!」スッ
ヤムチャ「……ん?」
実況「おっと……! バイソンが不審な動き! ヤムチャの股下に手を差し込み……」
バイソン「狙いは勿論、ここですよ! そ〜れ、よいしょ〜っ!」チーンッ
ヤムチャ「……う、うわあああぁぁっ!」
実況「そして、そのままその腕を突き上げる! おぉ〜っと、いけませんっ! コレは急所攻撃だ! 急所攻撃だぁ!」
元「……あぁいう事はよくないよ、本当」
ヤムチャ「あ、あぁっ……くそっ……この野郎……」ブルブル
バイソン「雑魚が調子に乗ると……おちんちんを殴られる……コレは、今後の教訓ですな? ヤムチャ君よぉ?」ニヤニヤ
実況「股間を抑えて苦しむヤムチャ! そして、その姿を見て、ニヤニヤと笑うバイソン! なんて奴だコイツは! どういった教育を受けているんでしょうか!?」
元「まぁ、教育の話は置いておいてね……う〜ん、いい流れが出来てたのに、ちょっと今ので、失っちゃった感じかな?」
674:
ヤムチャ(コレは、リュウさんだって、やってる事なんだよ……だから、俺だって、やっていかなきゃいけねぇ……)
ブー、ブーブー
実況「場内からは、バイソンに対して大ブーイングっ! そりゃ、当然だ! 股間は殴るものではない!」
元「……よくないよ。普通に戦いましょうよ」
ヤムチャ(それに……見てみろよ、オイ……)
リュウ「オイ、今の反則だろ! 何やってんだ、バイソン! 卑怯な真似をするな!」
ケン「てめぇ、この野郎……ふざけてんじゃねぇぞ!」
ダン「バイソン、 股間は、反則だ! 股間は! ちょっと考えたらわかる事だろ!?」
バイソン「本能での攻撃だったワケっすね。こりゃ、仕方ない。仕方ない事ですよ、うん……」
ヤムチャ(リュウさんも……ケンさんも……ダンさんも、お客さんも……俺が格好悪くならねぇように、必死にフォローしてくれてるじゃねぇか……コレはそこまで格好悪い事ではないんだよ……!)
675:
バイソン「まぁ、いいじゃないっすか……? 試合止めんのはよくないっすよ! じゃあ、バイソン、いっきまぁ〜す!」ダダッ
ダン「おい、バイソンっ……!」
実況「レフェリーがバイソンに警告していますが、バイソンはそんな事はお構いなしっ! 動きの止まっているヤムチャを尻目に、ロープへと走ったぁ!」
ダン「お、おい……! ヤムチャ、大丈夫か……!?」
ヤムチャ「ううっ……くそっ……まだ、大丈夫っす……大丈夫……」
実況「そして、ロープの反動をつけたバイソンがヤムチャの元へと向かって来たぁ!」
バイソン「ヘイヘイ、レフェリー! そんな所にいると、危ないぜ〜! 巻き込まれちまうよ〜!」ダダッ
ダン「う、うおっと……! 危ね……!」ヒョイッ
ヤムチャ「……く、くそっ!」
バイソン「いい的だな、オイっ! 行くぜっ! バイソン式アックスボンバーっ!」
676:
バイソン「……うるああぁぁっ!」ズガアアァァッ
ヤムチャ「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、バイソン式アックスボンバーがヤムチャにヒットっ! 平たく言うと、拳でぶん殴っているだけの技だ! これには、ヤムチャも大きくダーウン! ダーウンです!」
元「……反則ですね。反則」
ブー、ブーブー
実況「当然のように、場内からは大ブーイング! 大ブーイングであります!」
ヤムチャ(でも、ね……俺だって人間だから……やっぱり、腹が立つ部分はあるよ……こりゃ、思ってたより怒りパワー溜まったね……40%ぐらいじゃねぇか……?)
ダン「お前なぁ? 反則ばかりしてるだろ、この野郎!?」
バイソン「何言ってんっすか!? アックスボンバーですよ、アックスボンバー! ちゃ〜んと、肘ぶつけてますよ!」
ヤムチャ(やられたままじゃ、終わらねぇぞ……!? この怒り……試合中に合法的に返してやる……! ド派手な大技、ガツンと……ぶちかましてやるぜ……!)
698:
バイソン「へへ、まだまだいくぜ……オイ、コラタコ、起きろっ……!」ググッ
ヤムチャ「ううっ……くそっ……」
実況「そして、バイソンは乱暴にヤムチャの髪を掴み、引き起こしていく! 少々、流れが変わってしまいましたかねぇ、元さん?」
元「うん、ちょっと嫌な流れになってきたかな?」
バイソン「よっしゃっ! 一発派手にいきましょう! せーのっ!」ググッ
ヤムチャ「……うおっ!」
実況「そして、バイソンは前屈みの体勢のヤムチャを、そのまま持ち上げたっ! ヤムチャの身体が、逆さまの状態で持ち上げられるっ!」
バイソン「下手に暴れると、大事故になっちまうからな……大人しくしておけよ……この糞ボケが!」ニヤニヤ
ヤムチャ「あぁ、くそっ……ちくしょう……」
バイソン「それじゃあ、落としていくぜ……! せーのっ……! オラッ!」ズドーンッ
ヤムチャ「……ぐわあああぁぁっ!」
実況「そのまま自身の両膝を曲げて、前へと落としていったぁ! ヤムチャの頭部がマットに打ち付けられるっ! バイソンのツームストンパイルドライバー! ツームストンパイルドライバーだっ!」
699:
ヤムチャ「あああぁ……ぐわあああぁぁ……」ジタバタ
バイソン「どうだっ! やっぱり、バイソン様が、ナンバーワーンっ!」
実況「これには、ヤムチャも頭を抑えてもがき、苦しむっ! そして、そんな姿を尻目にバイソンは大アピールだっ!」
ヤムチャー、ガンバレー
実況「だがしかし、残念っ! バイソンコールは起きないっ! 何故なら、貴方のお顔は残念だから!」
元「……そういう事、言うのやめておきなよ? 後で君、絡まれちゃうよ?」
バイソン「……やっぱり、顔か。世の中、顔か」
ヤムチャ「あがが……ち、ちくしょう……」
バイソン「だったら、こいつの顔も……ボーッコボッコのイケメンフェイスに整形してやろうじゃねぇか……! オラッ、お前もバイソン二号になるんだっ! 俺の整形手術は……ちょいと、手荒だぞ!?」ズンッ
実況「そして、バイソンはヤムチャの身体を跨いで……おぉ〜っと、こいつはマウントポジションを狙っているのか!?」
元「狙ってますね」
700:
ヤムチャ「……くそっ、させるかっ!」ゴロッ
バイソン「……ん?」
実況「おっと、しかしここはヤムチャが逃げるっ! ダウンしつつも身体を回転させて、上手くその場から移動するっ!」
元「結構、いい動きしてたね。バイソン君に上取られると危ないからね」
ヤムチャ「……簡単には、やらせねぇぞ、ちくしょう」グッ
バイソン「……フン」
実況「ロープ付近まで移動したヤムチャは……セカンドロープを掴み、ゆっくりと立ち上がる!」
元「まぁ、上手くは逃げたけど……結構ダメージ喰らってるみたいだね……?」
ヤムチャ「まだまだだ……まだまだ、負けねぇぞ、バイソン……!」
バイソン「死に損ないが、生意気な口利いてんじゃねぇぞ、この野郎っ! うおおおぉぉっ……!」ダダッ
実況「だが、しかし間髪入れずにバイソンが突っ込んだっ! ロープ間際のヤムチャに向かって、猛スピードで突進だっ!」
701:
バイソン「うるああぁぁっ! 死ね、このタコっ!」ガスッ
ヤムチャ「……うぐっ!」ヨロッ
実況「そして、そのまま勢いよく仕掛けたぁ! バイソンのアックスボンバー!」
元「……おっと、危ない」
ヤムチャ「うおお……おおぉ……危ね……」
バイソン「……チィっ! 場外へ落とすつもりだったのに、耐えやがったか」
実況「そのまま場外へ突き落とさんと言わんばかりの勢いだぁ! 両者の身体が縺れ合いますが……おっと、危ない! ここはなんとか耐え凌ぎました!」
バイソン「ちくしょう、まぁいい……! だったら、次はこうだ、オラッ!」ガシッ
ヤムチャ「……うぐっ!」
実況「お〜っと! その状態から、バイソンは両手でガシッと、ヤムチャの首を掴んだっ!」
元「……あぁ、首締めてますねぇ。反則ですよ」
実況「バイソンの首締め攻撃っ! 要は反則攻撃だっ! バイソンのラフ殺法は止まらないっ!」
702:
バイソン「オラオラ死ねっ……! 死にやがれっ……!」ググッ
ヤムチャ「うぐっ……ゴ、ゴホっ……ゲホっ……」
ダン「おい、バイソン! 何やってんだ! 反則だって!」
ブー、ブーブー
実況「さぁ、この攻撃には場内からも大ブーイングっ! 今、慌ててレフェリーが制止に来ました!」
ダン「何、やってんだ、てめぇこの野郎……とにかく、離しやがれ!」
バイソン「……てめぇが、なんで邪魔するんだよ、この野郎っ!」
ダン「首を締めんのは反則だからだっ! いいから、離せ、オラっ!」
バイソン「なんだよ、コイツ……全然、公平なレフェリングしねぇじゃねぇかよ……」
ヤムチャ「ゴ、ゴホっ……くそっ……やっと、離しやがった……ちくしょう……」
実況「さぁ、レフェリーの制止によって、なんとか逃れられたヤムチャだが……やはり、苦しそうだ! バイソンのラフ殺法に少々、苦戦しております!」
元「頑張ってもらいたいねぇ。うん」
703:
ダン「おい、バイソン……警告だ、警告……イエローカードだぞ、イエローカード……」
バイソン「……知るか、ボケ。それに、プロレスにゃ、そんなシステムはありません」
ダン「……お前、やっぱりルール知ってんじゃねぇかよ」
バイソン「さぁ、気を取り直していきましょう! こいつでお終いですっ! 止めは勿論、この技です!」
ダン「……あっ、話、逸らしやがったコイツ」
実況「さぁ、ここでバイソンが右手を突き上げ、アピールだ!」
元「バイソン式アックスボンバー……狙ってるね? また、反則技だ」
バイソン「さぁさぁ、ここで決めちまうぜ……覚悟しろよ、オイっ!」ガシッ
ヤムチャ「ゲ、ゲホっ……んっ……?」
バイソン「そ〜れっ、ロープに行ってこいやっ! この糞雑魚野郎……!」ブンッ
ヤムチャ「くっ……! うおっ……!」
実況「さぁ、そしてバイソンがヤムチャの身体を掴み……そしてロープへと振り投げたぁ!」
704:
ヤムチャ「……させるかっ!」グッ
バイソン「……ん?」
実況「いやっ、ここはヤムチャが耐えたっ! ロープ振られかけた所を、グッと堪えて、ピタっと止まったぁ!」
ヤムチャ「ロープに行くのは……お前だっ……! うおおぉぉ!」ブンッ
バイソン「……うおおっ、おおっ」
実況「そして、そのまま振り子の要領で自信を軸として、バイソンの身体を逆にロープへと振っていくっ! ここはヤムチャが返しましたっ!」
バイソン「ちくしょう、調子に乗りやがって……!」
ヤムチャ「よしっ……! 行くぜ、バイソンっ!」ググッ
実況「ロープへと走るバイソンっ! そしてヤムチャも、自身の後方のロープの反動を利用し……勢いをつけたぁ!」
705:
バイソン「まぁ、いい……振る立場が、振られる立場になっただけだ……! 狙いは変わらねぇよ……!」
ヤムチャ「……うおおぉぉっ! 行くぜ、バイソンっ!」ダダッ
実況「さぁ、バイソンの身体がロープの反動で戻ってきたぁ! ヤムチャも突っ込んでいる! 二人の身体が、正面衝突寸前っ!」
イケー! ヤムチャー!
バイソン「死ねえぇっ! バイソン式アックス……」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……うらあぁっ!」ガシッ
バイソン「……何っ!?」
実況「そして、ヤムチャが体勢を低くして、バイソンの懐に潜り込むっ! 両太腿を抱えて、そのまま持ち上げて……」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ! スパインバスターだっ!」ドシーンッ
バイソン「……うぐううぅぅっ!」
実況「そのままバイソンの身体をなぎ倒していくっ! スパインバスターだ! スパインバスター! ここはヤムチャが返していったぁ!」
元「うん、よく返しましたね」
706:
ワー! ワーワー!
リュウ「よしっ! ヤムチャ、よく返した!」
ケン「ヤムチャ、仕掛けろ! アッチだ、アッチに行け」
ヤムチャ(よ〜し、ここからだ……怒りパワーも、もう十分溜まっただろ……)
実況「さぁ、ここから流れを引き戻していきたいヤムチャ! そして、空手軍団! おぉ〜っと、そしてここでケンが何やら指示しています。コーナーポストの方を指差していますねぇ」
ヤムチャ「わかりました、ケンさんっ……! 行ってきますっ……!」ダダッ
ケン「派手に決めろっ!」
実況「ヤムチャもそれに応えるように、コーナーへと一直線! これは、ダイビング攻撃か……それとも、ミサイル技か……?」
ヤムチャ(よ〜し……ここだ、ここが見せ場だ……超ヤムチャ……見せてやる……!)
ワー、ワーワー
実況「さぁ、そしてヤムチャが素早くコーナーポストへと昇っていく! バイソンに狙いを定めているっ!」
バルログ(なぁ〜んか、違いますね……やっぱり超ヤムチャは、間を空けてする事じゃ、ありませんね。間髪入れずに、バンバンといくべきですかね?)
707:
バイソン「あぁ、ちくしょう……あのクソ野郎め……」ムクッ
ヤムチャ「……よ〜し、いくぜ、バイソン!」
実況「さぁさぁ、今バイソンがゆっくりと起き上がり……そして、コーナーポストの上で狙いをつけているヤムチャが……」
イケー! ヤムチャー!
バイソン「この歓声の量……ただのイケメンに対する歓声じゃねぇ……イケメンが何かをする事に期待している歓声だ……ま、まさかっ……!?」クルッ
ヤムチャ「うおおおぉぉっ! いくぜ、バイソンっ!」フワッ
実況「そして、バイソン目掛けて跳んだぁ! おぉ〜っと、高いっ! こいつが高さがあるっ!」
ヤムチャ「……でやあああっ! ミサイルキックだぁ!」ズガアアァァッ
バイソン「……ぐわあああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、正面から打ち込んでいく! 滞空時間の長いミサイルキックっ! ヤムチャがバイソンにぶち当てたぁ!」
元「綺麗なフォームです。いいですよ」
708:
ワー! ワーワー!
ヤムチャ(まだ、時間はあるし……今日はハンドスプリングは無しにしておくか……)
バイソン「あぁ、くそっ、この野郎……ちくしょう……」ゴロゴロ
ヤムチャ「……ん?」
実況「ヤムチャのミサイルキックを喰らったバイソンは、大きく吹っ飛び……あっ、いや……自ら、転がって逃げてますねぇ?」
バイソン「ここは一時撤退ってヤツだ……アバヨっ……!」
ヤムチャ「あっ、あの野郎、逃げやがったっ!」
実況「そして場外へとエスケープしていきます! バイソンが、逃げます!」
元「間を取りに行ったんだね」
ヤムチャ「待て、バイソン、この野郎……! 逃がさねぇぞ!」
バイソン「おっ、何だ何だ、追いかけてくるのか……!? バイソン様にも、とうとうストーカーが出来たか!?」
実況「しかし、ヤムチャは間を取らせはしません! すぐ様、場外に逃げたバイソンを追いかけにいくっ! おっとおっと、ここからは場外戦かぁ!?」
709:
バイソン「……場外戦は、俺のフィールドだぜ? ここで、やり合おうってこかい?」
ヤムチャ「あぁ、場外戦だろうが、やってやるよ!」
バルログ「……いい意気込みですね」
ヤムチャ「……んっ?」
ベガ「では、場外戦を始めようか? ヤムチャ君?」
ヤムチャ「……あれ? これってひょっとして」
ケン「……あのバカ」
リュウ(ベガを引きずり出してくれたか……いい仕事してくれたよ、ヤムチャ……)
実況「おっと、場外へとバイソンを追いかけにいったヤムチャですが……ここで、ベガとバルログも動くっ!」
元「……だから、誘われてたわけだね。ちょっと見えてなかったね、ヤムチャ君」
実況「ヤムチャはすぐ様、ベガとバルログによって、取り囲まれます! おっとおっと、こいつはこいつは……少々ピンチな状況か!?」
710:
ヤムチャ「や、やべぇ……三対一だ、コレ……」
ベガ「三対一の状況だろうが、乗り込んでくる、その勇気……流石としか、言えんなぁ……フンっ!」ガスッ
ヤムチャ「……ガッ!」
バルログ「ベガ様、こいつはわかってないのです。そんな勇気など、持っていませんよ。ヒャオッ!」ガスッ
ヤムチャ「……うげっ!」
実況「ここは少々ヤムチャも焦ってしまったか!? 早シャドルーに取り囲まれてしまいます!」
元「うん、まぁ焦りもあったのかな?」
実況「ベガのスレッジハンマー! バルログのエルボー! お〜っと、ヤムチャは場外でダウンしてしまったぁ!」
ベガ「ハハハ! よ〜し、バルログ、踏みつけろ! フンっ!」ドスッ
バルログ「場外は、我々のフィールドですよ、ヤムチャ君……ヒャオッ!」ドスッ
ヤムチャ「ぐえっ……ぐえっ……! 失敗した……失敗したっ……!」
実況「さらにさらに、ストンピングの連打連打っ! 二人がかりでヤムチャの身体を踏みつけていきます!」
711:
バイソン「あっ、今からね……皆で彼を、明るく楽しくボコボコにするんでね……悪いけど、椅子お借りしてもよろしいですかね……?」
観客「……えっ?」
バイソン「椅子を貸してくれって頼んでんだよ! 下手に出りゃ、これだよ……ホレ、暫く立ち見しておいてくれや! これもいい思い出だ!」
観客「あっ、はい……わかりました……」
バイソン「ホレ、ホレ……早く、早く……椅子寄こせ、椅子……」
実況「おぉ〜っと、バイソンは観客席から……どうやら、パイプ椅子を探しているようですね。おっと、ここでバイソンがパイプ椅子を手にしました!」
元「も〜う、バイソン君に、あんなの渡しちゃダメだよ〜」
実況「場外でパイプ椅子を手にして、不敵に笑うバイソン! いやぁ、憎たらしい! 実に憎たらしい顔だ!」
バイソン「ヘッヘッヘ……鬼に金棒……虎に翼……そして、バイソン様にパイプ椅子だ!」
ベガ「フハハ、いいぞバイソン! 打ち込んでやれっ!」ガスガス
バルログ「ヒャオッ! ヒャオッ!」ガスガス
ヤムチャ「た、たす……けて……リュウさん、ケンさん……たす……けて……」
767:
ケン「……ったく、見ちゃいられねぇな。リュウ助けに行こう!」
リュウ「あぁ、ケンっ! わかっている!」
ワー、ワーワー
実況「おぉ〜っと、ここでリュウとケンの二人が動いたっ! 素早くリングインして、そのままリング内を突っ切ってシャドルーサイドの場外の方へと向かっていくっ!」
元「まぁ、助けに行った方がいいね」
リュウ「俺はこっちだっ! ケンはそっちにっ!」
ケン「おう! 任せておきなっ!」
実況「おっと、リュウとケンは、すぐには場外のへと向かわず……コーナーポストへと素早く昇るっ! リュウはシャドルーサイドの赤コーナーへと、そしてケンはニュートラルコーナーへと同時に昇ったぁ!」
リュウ「タイミングを合わせていくぞ、ケンっ!」
ケン「おうっ! 任せておきなっ!」
イイゾー! リュウー! ケーン!
実況「そしてその位置から、場外へいるシャドルーへと狙いを定める両者っ! さぁ、後は飛ぶだけだ! ヤムチャも、そうそう持たないぞ!」
768:
バイソン「そ〜らよっ! いくぜっ!」バッチーンッ
ヤムチャ「……ぐわああぁぁっ!」
ベガ「フハハハ! いいぞ、バイソン!」
バルログ「もっとやってやりなさい、バイソンっ!」
リュウ「何をしている、お前らっ!」
ベガ「……んっ?」
ケン「調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
バルログ「……ケン!?」
実況「おっと、ベガとバルログは、コーナー上のリュウとケンの存在に気づいたようだっ! だが既に時遅しっ!」
リュウ「うおおおぉぉっ! いくぜ、ケンっ……!」
ケン「あぁ、タイミングを合わせて……やってやるぜっ……!」
実況「リュウとケンが同時に跳んだぁ! 場外のシャドルー目掛けて、ダイビング攻撃を仕掛けたぁ! ヤムチャの救出に向かったぁ!」
769:
リュウ「……はああぁぁっ!」ズガアアァァッ
ベガ「……ぐわああぁぁっ!」
ケン「……オラアアァァっ!」ズガアアァァッ
バルログ「……く、くわああぁぁっ!」
ワー! ワーワー!
実況「コーナーポスト最上段からのドロップキックを場外にいる、ベガとバルログにぶち当てるっ! ライダーキックだ! ライダーキィーックっ! 二人同時に仕掛けたぁ!」
ベガ「……う、うおっ、くそっ!」バターンッ
バルログ「……くっ、ケンめ」バターンッ
実況「これを喰らい、ベガとバルログは、大きく大きくダーウン! 場外で派手にダウンしたぁ!」
元「場外での乱戦になってきたねぇ……」
770:
バイソン「ちくしょう……なんだなんだ、何がどうなってやがる……!?」
ヤムチャ「へへ、リュウさんとケンさんが来てくれたんだ……もう好きにはさせねぇよ……」
リュウ「オラっ、ベガっ! まだまだ、終わりじゃないぞ、起きろっ!」ググッ
ベガ「……くっ」
ケン「好き放題暴れてる悪い子には……お仕置きしなきゃいけねぇな、バルログ!?」ググッ
バルログ「……ううっ」
バイソン「こんだけゴチャゴチャしてたら、パイプ椅子なんて振り回せねぇよ……! あぁ、これはもういいや……」ポイッ
ヤムチャ「……よし、ここからだ」
バイソン「お前も、いつまで寝てんだ、ボケっ! ほら、早く起きろっ……!」ググッ
実況「さぁ、場外で両軍入り乱れての大乱戦っ! 大乱戦でございます!」
771:
ケン「あまり、固まりすぎてるのもよくないからな……オラっ、バルログ……」
バルログ「……くっ」
リュウ「さぁ、ベガっ……いくぞっ……!」
ベガ「……ううっ」
ケン「……鉄柵に」ブンッ
リュウ「振り投げてやるっ……!」ブンッ
バルログ「……く、くっ!」ガシャーンッ
ベガ「……うぐっ!」ガシャーンッ
実況「さぁ、リュウとケンは、それぞれ違った方向へとベガとバルログを振り投げたぁ! そして両者の身体が、鉄柵へとぶつかるっ! 凄まじい音が響きわたる!」
元「うん、そうだね。あの辺ゴチャゴチャしてるし、お掃除していきましょう」
772:
バイソン「場外は……もう、いいや……! とりあえず、お前はリングに戻れや、ホラ早くっ……!」グイグイ
ヤムチャ「う、うおっ……!」
バイソン「今度はリング内だ……リング内で戦おう……やっぱり場外戦はよくないな……うんうん……」
実況「おぉ〜っと、だがしかし、その隙に……バイソンはヤムチャの身体を素早く、リング内へと押し込み……自身も素早くリングイーン!」
ケン「あっ! あの野郎、ヤムチャ連れて逃げやがったぞ!?」
リュウ「ヤムチャに頑張ってもらおう! 俺はベガに行く! ケンはバルログに!」
ケン「バイソン放っておいて大丈夫なのかよ……?」
リュウ「ヤムチャだって、簡単にやられるようなタマじゃないさ! 勿論、何かあったらフォローに行くっ!」
実況「場外での乱戦が始まるかと思いきや……リング内へと戻った両者です!」
元「まぁ、三対一の状況じゃなくなったから、良かったんじゃない? あっ、リュウ君と、ケン君……ベガ君とバルログ君に仕掛けにいったねぇ?」
773:
リュウ「うおおおぉぉっ……! だああぁぁっ!」ドスッ
ベガ「……うぐっ!」
実況「リュウは、鉄柵に倒れ込んでいるベガに突っ込んでいき……打点の高い蹴りを打ち込んでいったぁ! ビッグブーツっ!」
ケン「……バルログ、行くぜっ! うおおおぉぉっ!」ダダッ
バルログ「……甘いです、ヒャオッ!」シュッ
ケン「……ぐわっ!」
実況「ケンも、バルログに突っ込んで行き……おっと、こちらはバルログが返したぁ! カウンターでの蹴りをケンへ打ち込んだぁ!」
元「……あら、返されちゃったねぇ?」
バルログ「動きが単調なんですよ……これだから、醜い男は……ヒャオッ!」ドスッ
ケン「……うぐっ、くそっ!」バターンッ
実況「そして、そのままバルログはケンに対してドロップキックを打ち込んだぁ! おぉ〜っと、これは高い跳躍力! 状況でケンが大きく吹っ飛んだっ!」
元「……あ〜、リング内も大変な事になってるよ?」
774:
バイソン「さぁさぁ、こいつで止めにしましょう、皆々様っ!」
ヤムチャ「……ううっ」
実況「リング内では、バイソンがヤムチャを引き起こし……前屈みの体勢にして、ヤムチャの頭を自身の股下に押し込み……パワーボムっ! パワーボムの体勢だっ!」
元「……う〜ん、なんとか返して欲しいねぇ」
バイソン「そ〜れっ! 行くぜっ……! 糞ヤムチャっ!」ググッ
ヤムチャ「う、うおっ……!」
実況「そして、バイソンがヤムチャの身体を持ち上げたぁ! 自身の頭上まで高く持ち上げるっ!」
バイソン「乱暴にいくぜっ……! せ〜のっ……! オラっ!」ポイッ
ヤムチャ「……ぐわああぁぁっ!」ズドーンッ
実況「そして、そのままヤムチャの身体を乱暴に放り投げるっ! 投げっぱなしだ! 投げっぱなしパワーボムっ!」
元「痛いのもらっちゃったねぇ……危ないねぇ……」
775:
ヤムチャ「ガッ……ぐっ……ち、ちくしょう……」
バイソン「オイ、レフェリー……フォールに行くから、カウントしっかり取れよ。仕事、ちゃんとしろよ!」
ダン「……誰に口利いてるんだてめぇは。仕事はちゃんとするよ」
バイソン「よ〜し、じゃあ、仕事しろ! ホラっ、フォールだっ!」
実況「そして、バイソンがヤムチャの身体に覆い被さり……フォールの体勢だ! フォールに入ったぁ!」
リュウ「……くっ、マズいっ! 助けに行かないと!」
ベガ「おぉ〜っと、そうはさせん……私とやり合いたいんだろう……? だったら、やり合おうではないか……」
リュウ「くっ、ベガっ……! 離せっ……!」ガシッ
実況「慌ててリュウも、助けにリングへと向かおうとしますが……おぉ〜っと、ここはベガが掴みかかったぁ! リュウの動きを封じますっ!」
元「ケン君は、どうだろ……? あぁ、無理か……まだ、ダウンしてるねぇ……」
実況「そして、ここで今レフェリーがカウントを取り始めますっ! ヤムチャっ! ここは意地を見せたい場面だっ!」
777:
ダン「ワンっ……!」
ヤムチャー! ガンバレー!
ダン「ツーっ……!」
イジミセロー! ヤムチャー!
ダン「……スリ」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ! 負けるかああぁぁ!」ググッ
バイソン「……何っ!?」
ダン「カウントはツー! ツーカウントだっ! まだ終わっちゃいねぇぞ!」
ワー! ワーワー!
実況「耐えた耐えた耐えたっ! ヤムチャの肩が上がったぁ! カウントは2.7と言った所か!?」
元「よ〜し、根性見せました」
バイソン「おいおいおい……今のカウントも遅くなかったか? おい……?」
ダン「……普通です。イチャモンつけんじゃねぇよ」
バイソン「絶対遅かったぞ、絶対! 5ゼニー賭けてもいいね」
実況「バイソンは、レフェリーに突っかかっているんでしょうか!? まぁ、いつもの事です!」
元「うん、いつもの事だね。カウントは普通でした。間違いありません」
779:
バルログ「……バイソン、そんな者に構っていても仕方ありません! もう過ぎ去った事です!」
ダン「……んっ?」
バイソン「おっ、バルログちゃん……? 手伝いに来てくれたの? ケンは、どうした?」
実況「おっとおっと、ここでバルログが素早くリングインっ!」
元「まぁ〜た、リングに人が増えちゃった」
バルログ「ケンの始末は終わりましたっ! だから、後はこいつの始末だけです! 合体攻撃で止めにしましょう!」
バイソン「へへ、合体攻撃か……いい響きだね……悪くはない……」
バルログ「主役は、貴方です、バイソン……! さぁ、醜き者……貴方はそんな主役の引き立て役です……起きなさい……」ググッ
ヤムチャ「……ううっ」
実況「そして、バルログがヤムチャの身体を引き起こします! なんとか耐え凌いだヤムチャだが……今度は二体一だっ! 以前、ピンチは続くっ!」
780:
バルログ「……そ〜れっ!」ガシッ
ヤムチャ「……うぐっ」
実況「さぁ、バルログはヤムチャの背後に回り込み……ガッツリとヤムチャの身体を羽交い締め! 動きを封じるっ!」
ヤムチャ「くそっ、くそっ……離しやがれ……」モガモガ
バルログ「……い〜え、離しません。何故なら、貴方はここで終わるからです。さぁ、バイソン止めにしましょう」
バイソン「オーケー、任せておきなっ! 止めは、勿論この技だっ!」ググッ
実況「なんとか、逃れようと身体を振りもがくヤムチャだが……脱出、出来ないっ! おっと、そしてここでバイソンが右手を高く突き上げたぁ!」
元「……あ〜、バイソン式アックスボンバー狙っているねぇ」
バイソン「さぁ、終わりだ、ヤムチャっ……! その顔面に打ち込んでやるぜっ……!」ダダッ
ヤムチャ「くそっ……くそっ……逃げねぇと……なんとか逃げねぇと……!」モガモガ
バルログ「……ダメです。逃がしません」
実況「そして、バイソンがロープへと走ったぁ! 羽交い締めにされているヤムチャに対して……バイソン式アックスボンバーを狙うっ!」
781:
バイソン「よっしゃ、行くぜっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ
ニゲロー! ヤムチャー!
実況「ロープの反動をつけたバイソンが突っ込んでくるっ! 狂った猛牛が、突っ込んでくるっ!」
元「ヤムチャ君も、結構ダメージ受けてるからね……ここは、なんとか……」
バイソン「うおおおぉぉっ! 死ねえええぇぇぇっ!」ググッ
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ!」スルッ
バルログ「……えっ?」
実況「おぉ〜っと、ここでヤムチャが動いたっ! 掴んでいるバルログ手を振りほどき……逃げ出したぁ!」
元「よしっ!」
バイソン「バイソン式アックスボンバーだっ! ヒャッハーっ!」ズガアアァァッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「狂った猛牛の勢いは止まらないっ! バイソン式アックスボンバーが炸裂だぁ! クリーンヒットォっ! ただし、相手はヤムチャではなく……その背後にいたバルログだぁ!」
782:
イイゾー! ヤムチャー!
実況「同士討ちです! 同士討ちィ! ここはヤムチャがよく見ていたぁ! バイソン式アックスボンバーを同士討ちへと誘ったぁ!」
元「いい動きをしていました。いいですよ」
実況「バイソンの拳がバルログの顔面にクリーンヒットォ! 自業自得の結末っ! クリーンなファイトを行わない輩には、天罰が下されるっ! 神様は見ているっ!」
ヤムチャ「……よし、やったぜっ!」
バイソン「う、うおおっ……やっちまったよ……! バルログに当てちまったぜ、おい……」
バルログ「あ、あがが……」
バイソン「おいおい、バルログ……大丈夫か!? しっかりしろっ!?」
バルログ「あがが……あがが……」
ヤムチャ「へへへ……隙だらけだぞ、バイソンっ……!」ググッ
実況「そして、そのままヤムチャは、深く腰を突き落とすっ! ピンチの後にチャンスありっ! 行けぇ、行くんだ、ヤムチャっ!」
元「一発、ガツンといきましょう!」
783:
ヤムチャ「……他人の心配をしてる暇はねぇぞ、バイソンっ!」
バイソン「……何っ!?」クルッ
イケー! ヤムチャー! ブチカマセー!
実況「ヤムチャが叫んだぁ! 吠えたぁ!」
ヤムチャ「……うるあぁぁっ! いくぜっ!」ドスッ
バイソン「……うぐっ!」
実況「そして、仕掛けたぁ! 深く腰を突き落とし……零距離から、バイソンの懐に突っ込んでいくっ!」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! だああぁぁっ……!」ググッ
バイソン「……う、うおおっ!」
ワー! ワーワー!
実況「バイソンの両太腿を抱え……そのまま、ハイアングル気味へと持ち上げるっ! そしてそしてそしてっ!」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ! ウルフバスターだっ! 喰らええぇぇっ!」ブンッ
バイソン「……ぐわああぁぁっ!」ズドーンッ
ワー! ワーワー!
実況「そのまま、自身の身体ごと、バイソンの身体を旋回させてマットへと叩きつけるっ! ウルフバスターだ! ウルフバスター! ヤムチャがここで決めたぁ!」
元「よ〜し! よくやりました!」
実況「そのまま、バイソンの身体に覆い被さり、フォールの体勢っ! フォールの体勢入っているぞっ!」
785:
ベガ「くそっ、何をしている……相手は雑魚だぞ……! 仕方ない……私が助けに行くか……!」
リュウ「おっと、そうはさせないぜ、ベガっ……!」ガシッ
ベガ「……くっ、リュウ!」
リュウ「ここで、やり合うんじゃなかったのか……? 誘ったのは、お前だろ……? なぁ?」
ベガ「……邪魔者めが」
実況「これには、慌ててベガも助けに行こうとするが……今度はリュウが、そんなベガを捉えるっ! リングインさせませんっ!」
元「いい動きです」
ヤムチャ「レフェリー、フォールだっ! カウントを!」
ダン「オーケー、任せておきなっ!」
実況「さぁ、そして今、レフェリーがカウントを数えます! どうだどうだどうだ!? こいつは決まったかぁ!?」
786:
ダン「ワンっ……!」
イイゾー! ヤムチャー!
ダン「ツーっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「……スリ」
バイソン「……くそおおぉっ! 舐めんじゃねぇよっ!」ググッ
ヤムチャ「……何っ!?」
ダン「カウントはツーだ! カウントツー! まだ決まっちゃいねぇぞ!」
実況「あ〜っと、惜しいっ! バイソンの肩が上がったぁ! ここはバイソンも粘りを見せます!」
元「うん、バイソン君も、結構根性あるからね」
実況「カウントは2.8と言った所でしょうか? ヤムチャ、仕留めきれずっ……!」
ヤムチャ「……マジっすか? 今の3カウントいってませんでした?」
ダン「なんだなんだ……? おめぇも文句あるのか、この野郎……」
ヤムチャ「いや、文句はないっす……あぁ、くそ……ツーカウントか……」
実況「仕留めきれなかった事に、ヤムチャは少々ショックを受けているんでしょうかね? しかし、ここは気持ちを切り替えて、攻めていきたい! 有利な状況は変わらないっ!」
元「いや、ヤムチャ君もね……結構体力消費してるんじゃないかな? そこまで、有利……って状況ではないと思う」
788:
今日はここまで
それと今日『ニュートラルコーナー』って新しい単語を出したから、ちょっと補足
◻︎ケ◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎ ケ=ケン
ヤ青ロロロロロN◻︎ ヤ=ヤムチャ
◻︎ロ戦戦戦戦戦ロ◻︎ ル=バルログ
◻︎ロ戦戦戦戦戦ロ◻︎ イ=バイソン
◻︎ロ戦戦戦戦戦ロ◻︎ ロ=ロープ
◻︎ロ戦戦戦戦戦ロ◻︎ 戦=リング内(戦う場所)
◻︎ロ戦戦戦戦戦ロ◻︎ 赤=赤コーナー
◻︎Nロロロロロ赤ル 青=青コーナー
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎イ◻︎ N=ニュートラルコーナー
リングの位置関係は、こんな感じかな? 今まで、この説明を文章でするのが難しかったから、『青コーナー』『赤コーナー』って単語をなるべく出さないようにやってきたけど、そろそろ限界
青コーナーで戦うのは『挑戦者』『弱い人』って感じで
赤コーナーで戦うのは『チャンピオン』『強い人』って感じかな?
その待機場所付近にあるのが、◯コーナーってなって、誰も待機してない場所にあるのが『ニュートラルコーナー』今日の最初の場外戦……リュウとケンは図の右側に跳びました。こういう説明はなるべく避けたいね。でも、無理でした
791:
お疲れ様です!
図解ありがとうございますー
解りやすい
空手軍団はベガが居ないときも青コーナーなのだろうか
800:
ケン「よ〜し、ヤムチャっ! よくやったぞ! そろそろ交代しておくか!」ピョンッ
ヤムチャ「……おっ、ケンさん」
実況「おぉ〜っと、ここでケンが自軍コーナー付近のエプロンサイドへと戻って来たぁ! ピョンと飛び乗り、そこから手を伸ばし、ヤムチャに交代を要求しているっ!」
元「うん、そうだね。いいタイミングじゃない? ヤムチャ君も温存しておかないと」
ヤムチャ「わかりましたっ……! 交代っすね、後は任せます……!」
ケン「おうおう、俺に任せておけっ! ド派手に決めてやるからよ!」
ケーン! イケー!
実況「ヤムチャは自軍コーナーの方へと戻っていきます! 一時はどうなる事かと思いましたが、これはこれは、いい働きをしたんじゃないですかねぇ、元さん?」
元「うん、いい働きしたと思うよ。大仕事だよ大仕事」
801:
ベガ「……チィっ、交代か」
リュウ「おっと、何処を見ている、ベガっ……!?」ガシッ
ベガ「……んっ?」
リュウ「……うおおおぉぉっ! 巴投げだ、いくぞっ!」ググッ
ベガ「……チィっ」
リュウ「……だあぁっ!」ドスッ
ベガ「……ぐっ!」
実況「バイソンとバルログは、リング上で大の字……そして場外ベガは、リュウに掴まっている! ヤムチャとケンの交代を邪魔する者はいなさそうだ! おっとおっと……!?」
元「……おっ、リュウ君もいった」
実況「リュウが場外でベガにモンキーフリップっ! 柔道技の巴投げ要領で、後方へと投げ捨てていくっ! ベガの身体が固いマットへと、投げ飛ばされるっ!」
ベガ「……チィっ、だが、その程度の技では、私はやられんぞ!?」ムクッ
リュウ「……今、ここで借りを返すぜ、ベガっ!」ダダッ
実況「いや、しかしベガはすぐ様、起き上がるっ! まだまだ、場外戦をお望みかっ!? 投げ飛ばされたが……すぐ様、体勢を立て直し、起き上がろうとするっ!」
元「……いやっ、リュウ君が、突っ込んだ」
802:
リュウ「うおおおぉぉっ! はあぁっ!」ググッ
ベガ「……何っ!?」
実況「リュウは、立ち上がろうと片膝立ちのベガに突っ込んでいき……そして、そのままベガの膝の上に飛び乗ったぁっ!」
リュウ「側頭部に……喰らえぇぇっ……!」ガスッ
ベガ「……うぐがああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、その状態からベガの側頭部に膝を打ち込むっ! シャイニング・ウィザードだっ! シャイニング・ウィザードっ! リュウが一瞬の隙を突いて繰り出したぁ!」
元「これでベガ君も、暫くは大人しくしておいてくれるんじゃないかな?」
実況「場外でのシャイニング・ウィザードっ! こいつは、完全に空手軍団のペースか!? シャドルー軍団は、全員大の字っ! そして、今試合権はケンに移ろうとしているっ!」
元「ケン君も、結構万全の状態だもんね」
イイゾー! リュウー!
リュウ「借りは返したぜ、ベガっ……!」
ベガ(ふ〜む、私は構わんがなぁ……しかし、この程度でいいのか……? 本当に、これでチャラにしていいのか、リュウ……? 損得勘定は、間違っていないかな……?)
803:
リュウ「さぁ、ケンの出番だっ! ケン、行って来いっ!」
ワー! ワーワー!
実況「そして、リュウは自軍コーナーの方を見ながら……どうやら、ケンに声を掛けているんでしょうか!?」
ケン「……リュウの、ああいう所、見習え。お前も」
ヤムチャ「……ああいう所?」
ケン「あぁ、交代間際の開いたスペースなんかに、素早くスッって大技繰り出す所だよ……あれ、長々とやられちゃ、こっちも交代できねぇだろ……?」
ヤムチャ「……なる程」
ケン「まぁ、とにかく俺の出番だ……よし、ヤムチャ、交代だっ!」パシッ
ヤムチャ「うっす」パシッ
実況「そして、ヤムチャとケンは何やら、一言二言かわしてタッチです! ここで試合権はケンへと移りましたぁ!」
元「いい場面ですね。ケン君、美味しい場面です」
実況「これは、空手軍団の連携が取れてきていると言ってもいいんでしょうかねぇ、元さん?」
元「あ〜、結構取れてきてるんじゃない? いい感じいい感じ」
実況「さぁ、そして今ケンがリングイ〜ンっ! 再び空手軍団に流れが来たかっ! ここで押したい場面だ!」
804:
ケン「さぁさぁ、俺の出番だぜっ! ここで仕留めてやるとするかっ!」
ケーン! イケー!
実況「さぁ、ケンが意気揚々と、ダウンているバイソンへと向かっていくっ! ケンはバイソンの上半身の方へと回り込んだぁ!」
ケン「俺達は、打撃だけじゃねぇんだ! こういう技だって使えるんだ、よっと……!」スルッ
バイソン「……うおっ」
実況「そしてケンは、バイソンの頭部を自身の両足で巻きつけるようにしてロックっ! おぉ〜っと、同時に右腕も捉えているぞ!?」
ケン「オラオラ、三角締めだっ! 喰らいなっ……!」ググッ
バイソン「うがが……あがが……あがが……!」
実況「ここは、グラウンドでのサブミッションに持っていったぁ!」
元「三角締めですね。後三角締めとか、縦三角締めとも言います」
実況「ここで決めに来たか、ケン!? 三角締めで、バイソンを締め付けていきます。さぁさぁ、どうだどうだっ!?」
805:
ケン「オラオラ、くたばりやがれ、バイソンっ……!」ググッ
バイソン「あがっ……ぐっ……! くそっ……!」ジタバタ
実況「さぁ、ケンが締め付けるっ! バイソンはなんとか逃れようと、もがく! 暴れるっ! これ、ロックの方はいかがですかねぇ、元さん?」
元「いい感じに決まってると思います。いいですよ」
ヤムチャ(素早くスッって打つ必殺技かぁ……まぁ、ウルフバスターは結構、当てはまってるけどなぁ……でも、他に技があってもいいと思う……それに、あんな関節技があってもいいんじゃねぇか……? 俺は、立っての攻防ばかりだからなぁ……)
リュウ「……まぁ、ケンがいい感じに攻めてるな」
ヤムチャ(あ〜、色々課題が出てくるなぁ……ミサイルキックも覚えたばかりなのに……一つ覚えりゃ、二つぐらい技がまた、欲しくなるね……)
リュウ「……おい、何やってんだ? 声だせ、声。ケンを応援しろや」
ヤムチャ「えっ……? あっ、リュウさんお疲れ様っす……」
リュウ「だから、声……! よ〜し、いいぞ〜、ケンっ! そのまま決めちまえっ! ホレ」
ヤムチャ「あっ、はい……! ケンさん、いいっすよ〜! 決めちまって下さいっ!」
実況「さぁ、リュウも自軍コーナーへと戻ってきましたっ! さぁ、そしてそこからヤムチャと共に、ケンにエールを送っています! ケン……これも、力にしたいっ!」
806:
ケン「オラオラ、決めちまうぜっ……!グイグイ
バイソン「ちくしょう……くそっ、離せよ、この野郎……」ジタバタ
イイゾー! ケーン!
実況「さぁ、ケンが締め付ける締め付けるっ! バイソンも必死にロープブレイクを狙うが……その距離は遠いっ!」
リュウ「ケンっ! ここで決めろっ!」
ヤムチャ「ギブアップさせちまって下さいっ!」
ケ・ン ! ケ・ン!
ケン「あぁ、任せておけっ……! こいつはここで、お終いだっ……!」グイグイ
バイソン「あがが、うぐぐ……くそっ、この野郎……」
ダン「どうする、バイソン!? ギブアップか? ギブアップすんのか!?」
バイソン「……しねぇよ、馬鹿野郎っ! こういう時だけ、仕事するんじゃねぇよ!」
実況「場内から、ケンコールが巻き起こるっ! さぁさぁ、ケンっ! これも力にしたいっ!」
807:
リュウ「……よし、もういいぞ。ヤムチャ」
ヤムチャ「……うっす」
リュウ「……あのさぁ?」
ヤムチャ「……何すか、リュウさん?」
リュウ「……お前、結構出来るようになってきたじゃねぇか、なぁ?」
ヤムチャ「マジっすか!? やったぜっ……!」
リュウ「……ニヤついてるんじゃねぇよ。お前は褒めたらダメになるタイプだな」
ヤムチャ「……し、しまった」
リュウ「まぁまぁ、とにかくその調子でやってくれれば、問題はねぇからよ……足は引っ張らないでくれ……なっ……?」
ヤムチャ「うっす、わかりましたっ……!」
実況「さぁさぁ、ケンが締め付ける締め付けるっ! ここで決めてしまいたい場面っ!」
元「バイソン君も粘るねぇ……」
ヤムチャ(おいおい、褒められたぞ……褒められたぞ、おい……しかも試合中に……これ、信頼関係も築いちゃったんじゃないんですかねぇ……?)
808:
ケ・ン ! ケ・ン !
ケン「オラオラ、早くギブアップして楽になっちまえよ、バイソンっ……!」グイグイ
ダン「バイソン、どうすんだ!? ギブアップかっ!?」
バイソン「だから、しねぇっての……! ピーピーギャーギャー五月蝿ぇよっ……! 集中出来ねぇだろうがっ!」
バルログ「ううっ……くっ……私の美しい顔が……」ムクッ
実況「さぁさぁ、ケンが締め付けるっ! しかし、バイソンも粘るっ! おっと、ここでダウンしていたバルログが立ち上がったぞ!?」
元「あ〜、バイソン君の、粘り勝ち……って、所かな……?」
バイソン「誤爆に、ケンに好き放題やられてるこの状況……何をやってるんです、バイソンっ……! とりあえず、なんとかしないと……ヒャオっ!」ズガズガ
ケン「……うぐっ!」
実況「そして、バルログはケンに対して、ストンピングっ! 踏みつけていきますっ! これにはケンもロックしていた手と足を離してしまうっ!」
バイソン「お、おう……助かったぜ、バルログちゃん……ありがとね……」
バルログ「『ありがとね』じゃ、ありませんよっ! この状況は、貴方の失敗は招いた結果でしょうが! 私の美しい顔に攻撃して……もっと、しっかりして下さいよ!」
バイソン「おいおい、待てよ……あれは事故だよ……それに、逃げられたお前にも責任はあるんじゃねぇか……?」
実況「さぁ、バルログは強い口調でバイソンに何やら言っております! こいつは、喝を入れているんでしょうか?」
元「う〜ん、どうなんだろ……? 誤爆の件もあったからね……こういう時だからこそ、チームワークは大切だと思うよ?」
809:
ダン「な〜に、揉めてるんだよ、馬鹿野郎……とりあえず、お前は試合権持ってねぇだろ……下がれ、バルログ……」
バルログ「わかってますよ、そんな事っ……!」
実況「さぁ、レフェリーがバルログに、自軍コーナーへと戻るようへと、警告しています! そして、バルログも引き下がっていきます!」
バルログ「貴方のせいで、ベガ様まで、やられているではないですか……! 私は、ベガ様の安否を確認してきます……」
バイソン「お、おう……任せるぜ……」
バルログ「……全く、もっとしっかりしなさいよ、バカっ!」
バイソン「バカって……ちょっと、酷くないかな、バルログちゃん……?」
実況「そして、バルログは自軍コーナーに……あっ、いや、ベガの元へと行きましたね?」
元「うん、ベガ君も、まだダウンしてるからね……チームワークは、出来ているのかな……?」
810:
ケン「まっ、バルログの野郎に邪魔されちまったが……まだまだ、大丈夫だ……流れは俺達にあるっ……!」ムクッ
バイソン「へっ、舐めてんじゃねぇぞ……! バイソン様の底力を、思い知らせてやるぜ、ケンっ……!」ムクッ
実況「さぁさぁ、リング内ではケンとバイソン……両者が、ほぼ同時に起き上がるっ!」
ケン「ヤムチャにやられたお前が、俺に挑むだなんて……ちっとは、身の程わきまえた方がいいんじゃねぇかっ!? オラっ、先に仕掛けるぜっ!」シュッ
バイソン「……うぐっ!」
実況「先に仕掛けたのは、ケンっ! 右足でのローキックを、バイソンへと打ち込むっ!」
ケン「次は……こっちだ、オラっ……!」シュッ
バイソン「うぐっ……!」
実況「そして、続いて左足でのミドルキックっ! バイソンの脇腹に突き刺していくっ! いい所に入ったか!? バイソンの、身体前のめりにして苦しんでいるっ!」
ケン「さぁさぁ、まだまだいくぜっ! フンっ!」ググッ
バイソン「う、うぐぐっ……」
実況「さぁ、そしてケンが、右足を自身の頭上まで、大きく振り上げたぁ! いやぁ〜、身体が柔らかいっ!」
ケン「踵落としだっ! その頭部に、ブチ落としてやるっ! オラっ!」ゴスッ
バイソン「……うぐああぁぁっ!」バターンッ
イイゾー! ケーン!
実況「そして、その足をバイソンの頭部へと振り下ろすっ! 踵落としだぁ! これを喰らい、バイソンはうつ伏せにダーウンっ!」
元「積極的に、リズムを作ってますね。いいですよ」
811:
バルログ「ベガ様、大丈夫ですか……?」
ベガ「あぁ、うう……問題はない……だが……」
バルログ「……だが?」
ベガ「……バイソンが、少々苦戦しているようだな」
バルログ「……全く、何をしているんでしょう。バイソンは」
ベガ「そう言うな……手負いのバイソンでは、ケンの相手も辛かろう……」
バルログ「……まぁ」
ベガ「……とにかく、コーナーへと、戻ろう。いつでも交代出来るように、準備をしとかんとな」
バルログ「……もう少し、頑張ってもらいたいですがね、私としては」
ベガ「……そう言うな。ホラ、戻るぞ」
実況「さぁさぁ、場外のベガとバルログも、自軍コーナーの方へと今、戻っております。だが、以前ケンの攻撃は止まらないっ!」
ケン「さぁさぁ、バイソン……いくぜっ……!」ググッ
バイソン「……うっ、くそっ」
実況「ケンは、うつ伏せのバイソンの身体を跨ぎ……その腰回りを掴んだぁ!」
元「さぁ、何を狙うか……」
812:
ケン「うおおおぉぉっ……! フンっ……!」ググッ
バイソン「おおっ……おおっ……」
実況「おぉ〜っと、ケンはそのままバイソンの身体を強引に持ち上げていくっ! うつ伏せのバイソンの背後をとって……強引にぶっこ抜いていくっ!」
元「おっ、ジャーマンスープレックス狙っているんだね……?」
実況「ケンのぶっこ抜きジャーマンスープレックスっ! 後は、そのままブリッジの体勢で後方にバイソンを叩きつけるだけだぁ!」
イイゾー! ケーン!
ケン「……ド派手にいくぜっ! バイソンっ!」ググッ
バイソン「うおおぉ……くそっ、させるか……させるか、この野郎っ……!」
実況「あぁ〜っと、しかしここはバイソンも踏ん張って堪えるっ! 持ち上げられる寸前の所で……なんとか体勢を立て直したか!? マットに足をしっかりとつけ、堪えますっ!」
元「あぁ〜、ちょっと勢いが足りなかったか……」
ケン「……ちくしょう、堪えやがったか。だけど、まだまだだ!」ググッ
バイソン「させねぇ……させねぇよ、ケンっ……!」
実況「しかし、まだケンの有利な状況は変わらないっ! バイソンの背後をガッシリと掴んでいるっ! ケンはまだまだ狙っているっ!」
元「ケン君も頑張ったけどね……ぶっこ抜きするには、ちょっとパワーが足りなかったかもしれないね……?」
814:
バイソン「……背後霊みてぇに張り付いてんじゃねぇよっ! 気持ち悪いんだよ、てめぇは!」ガスッ
ケン「……うぐっ!」
実況「おぉ〜っと、バイソンがケンに捉えられたままの状態で……エルボースタンプっ! 背後取っている、ケンの頭部に肘を落としていきますっ!」
バイソン「……塩がねぇから、肘で除霊しなきゃいけねぇな! オラオラ、早く成仏しやがれっ!」ガスガス
ケン「ぐっ……ぐっ……うおっ……!」ガクッ
実況「二発、三発と連続でケンの頭部に肘を落としていくっ! あぁ〜っと、これにはケンも堪えきれないっ……! そのまま、ガクッと膝をついてしまうっ!」
元「……強引にいきすぎちゃった部分もあるかもねぇ?」
バイソン「やっと、離れがったか、くそっ……ったく、よしよし……じゃあ、そろそろ俺も交代させてもらおうかな……?」
ケン「……あぁ、くそっ、ちくしょう」
バイソン「だけど、ただじゃ終わらねぇぜ……最後っ屁ぐらい、キッチリかましてやるぜっ……! 今度は、しっかりぜ、決めるぜおいっ!」ググッ
実況「さぁ、そしてバイソンが右腕をググッと挙げたぁ!」
元「……バイソン式アックスボンバーかな? 反則だけど」
バイソン「うおおおぉぉっ……! やってやりますよ! ケンの顔面に……素晴らしい一撃をお見舞いしてやりますよっ……!」ダダッ
実況「さぁさぁ、そしてバイソンが、叫びながらロープへと走ったぁ! 狙いはバイソン式アックスボンバーだっ!」
826:
バイソン「うおおおぉぉっ……! くたばりやがれ、ケンっ……!」ダダッ
ケン「……ううっ」
実況「さぁ、バイソンがロープの反動をつけて勢いよく突っ込んできたっ! 狂える猛牛が突っ込んでくるっ!」
バイソン「死になあぁぁっ! バイソン式アックス……」
ケン「……甘いんだよぉ!」
バイソン「……んっ?」
ケン「……でえぇぇやっ!」スパーンッ
バイソン「……ブゲっ!」バターンッ
実況「おっとおっとっ! いや、ここはケンが返したっ! カウンターでのトラースキックだっ! トラースキックバイソンの顔面にぶち当てたぁ!」
元「いいですね。ケン君、よく見てましたよ」
実況「これを喰らい、バイソンは大きくダーウンっ!」
イイゾー! ケーン!
ケン「ヘッ、甘ぇよ! 相手にならねぇんだよっ!」
バイソン「……うぐぐ、ちくしょう。ダメだ、こりゃ撤退だ」ゴロゴロ
実況「バイソンは、顔面を抑えて苦しみつつも……そのまま身体を二転三転っ! 転がりながら、自軍コーナーの方へと、転がっていきます!」
元「……ありゃ、逃げちゃうかな?」
828:
バイソン「……ううっ、もうダメ。俺じゃ限界。交代しよう交代」
バルログ「……全く、何やってるんですよ。もっと、頑張りなさいよバイソン」
バイソン「……相手が悪かったんだな、こりゃ。ヤムチャ相手なら、なんとかなるけど、ケンの相手は、やっぱりキツイよ」
バルログ「ヤムチャ相手にも、まともに出来てませんけどね……あの誤爆の件……私は忘れていませんよ……?」
バイソン「それはさぁ……謝ったじゃん……? もう済んだ話だろ……?」
バルログ「……『ごめんなさい』って言葉、言いましたっけ? 私は聞いてないような気がするんですが」
バイソン「バルログはさぁ、そういう所がしつこいし、女々しいんだよっ! いいから、交代しろよ! もう、こっちは限界なんだよ、オラ早くっ!」
バルログ「……フン」
実況「おや、バイソンは自軍コーナー付近で、バルログに交代を要求しているようですが……バルログ、コレに応じません! どういった事でしょうか!?」
元「……あ〜、やっぱり誤爆の件かもしれないね? バルログ君、怒ってるのかもしれない」
ザワ……ザワ……
ケン「……なぁ〜に、やってんだ、バルログ。出るなら早く出て来いよ」
バイソン「……いいから、早く交代しろよ、ボケっ! こっちは、ケンにやられて、もう限界なんだよ!」
バルログ「こっちだって、限界ですよ……誰にやられたかは……敢えては言いませんけどね……?」
バイソン「……しつけぇな、この野郎っ!」
829:
ザワ……ザワ……
実況「交代を要求するバイソンっ! だがしかし、それを拒否するバルログっ! シャドルーに少々、不穏な空気が流れています!」
元「そうだね、うん」
実況「……しかし、逆を言えば、これは空手軍団にとってはチャンスという事になるのではないでしょうかねぇ、元さん?」
元「うんうん、チャンスチャンス。これ、なんとか利用したいね」
ベガ「……もういい。私が行く。ホラ、バイソン交代だ」パシッ
バイソン「……あっ、ベガ様」パシッ
実況「あ〜っと、しかし、ここがベガがタッチします! 試合権はベガに移りました!」
元「……うん、まぁ懸命な判断じゃない?」
バルログ「……ベガ様がワザワザ出る必要ありませんよ、こんな奴の為に」
バイソン「こんな奴……!? おい、こんな奴って言ったのか、バルログっ!?」
ベガ「……喧嘩する程、仲がいい。私は別に咎めんよ。お前達は、そこで話し合っておけ。さぁ、行くか」
実況「さぁ、そしてベガが今、リングイーンっ! ケン対ベガだ! ここからは、ケン対ベガだっ!」
830:
ケン「……大将が出てきてくれたか」
ベガ「……どうする? お前達も、大将を出すか? いや、お前はまだ出番が来たばかりだなぁ、ここでは得策ではないな?」ニヤニヤ
実況「さぁ、リング上でシャドルーの大将、ベガと戦うのは、ケンですっ! ケンが戦いますっ! しかし、流れは完全に空手軍団にあるのではないか!?」
元「あの〜、バイソン君は、やっぱりベガ君はリュウ君にぶつけたかったと思うんだよ。大将戦……みたいな感じでね……?」
実況「はいはい、なる程なる程」
元「ここで、ベガ君が出てきてくれたのは、想定外……の事態かも、しれない……シャドルーにとってね?」
実況「ここで、どれだけベガにダメージを与えれるか……が、ポイントになってくるんでしょうかね?」
元「そうだね。ベガ君の体力を削れば削れる程……後ろに控えてるリュウ君も楽になるからね?」
実況「なる程!」
元「で、結構、ケン君も万全の状態でしょ……? だからね……ここ、チャンスですよ?」
実況「……本来、ベガが出るタイミングは、ここではなかったと!?」
元「そうだね、バルログ君とバイソン君が、仲間割れみたいになってるけどね……そのおかげで、ベガ君が引きずり出される事になった……と、僕は睨んでいます」
実況「なる程! しかし、考えてみれば、その発端を作ったのは、ある意味ヤムチャと言ってもいいのではないでしょうか!? という事は、ヤムチャがバトンを繋げましたっ!」
元「そうだね。後はケン君がリュウ君にバトンを繋げる……ってのが、二番目にいい展開だね」
実況「二番目……? では、一番は何でしょうか?」
元「そりゃ、一番はケン君自身が、ベガ君を仕留めちゃう事でしょう」
実況「なる程!」
831:
ベガ「さぁ、いくぞ……ケンっ……!」ダダッ
ケン「……流れは完全にこっちのもんだっ! 来やがれ、ベガっ!」
ワー! ワーワー!
実況「さぁ、いきなりベガが突っ込んだっ! そして、それを迎え撃つようにケンも構えるっ!」
ベガ「……いくぞ、ダブルニープレスだっ! フンっ!」ガスッ
ケン「……うぐっ!」ガクッ
実況「おっとおっと、ダブルニープレスだっ! ベガが勢いよくケンに突っ込んでいき、そのままクルリと不思議な動きで一回転っ! ケンに膝を浴びせていくっ!」
元「……おっと、いきなり出してきたねぇ」
実況「コレには、ケンも片膝をついてしまうっ!」
ベガ「片膝ではない……私は、ダウンが望みだ……ホラっ、倒れろっ……!」スパーンッ
ケン「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「そしてそして、ケンの胸元に熱〜い蹴りを見舞っていくっ! これを喰らい、ケンはそのままダウンしたぁ!」
832:
ベガ「……フンっ!」ガシッ
ケン「……くっ!」
実況「そして、ベガはダウンしたケンの左足を捉えて……」
ベガ「この足を痛めつけるっ……! フンっ……!」クルッ
ケン「……う、うぐううぅぅっ!」
実況「足を持ちつつ、横にクルリと跳び、ケンの左足に体重を掛け負担をかけていくっ! レッグブリーカーだっ!」
ケン「ぐわあぁっ……くそっ……」
ベガ「……あまり、暴れるんじゃない、見苦しいぞケン」ピョンッ
ケン「……くっ」
ベガ「ハーッハッハっ! 死ねええぇぇっ!」ドスッ
ケン「……うぐううぅぅっ!」
実況「さらに、ベガはその場で高くジャンプして……ケンの土手っ腹の上に、両腕を組みながら、着地っ! 踏みつけていくっ! フットスタンプだ!」
元「……いきなり、ガンガン仕掛けてくるねぇ? ちょっと珍しいベガ君かな?」
833:
ケーン! ガンバレー!
ケン「……う、ううっ」
ベガ「誰に影響されたか……やる気に満ち溢れるというのは、いいものだな……ホラ、ケン……起きろっ……!」ググッ
ケン「……うっ、くそっ」
実況「ベガの猛攻のラッシュはまだ続くっ! ダウンしているケンを素早く、引き起こしますっ!」
元「力づくで、流れを引き戻しに来てる……って、感じがするね……」
ベガ「……少々、本気を出してやるぞ? 光栄に思え、ケンっ!」ガシッ
ケン「……くっ」
実況「そして、ベガはケンの頭部を自身の脇の下に押し込んでいき……」
ベガ「……フンっ! うおおおぉぉっ!」ググッ
ケン「うおおぉ……おおっ……」
実況「そのまま、ケンの身体を高々と真っ逆さまに持ち上げていくっ! ブレーンバスターを仕掛けていったぁ!」
834:
ベガ「さぁ、落とすぞっ……ケンっ……! うおおおぉぉっ!」
ケン「……くっ、くそっ!」
ベガ「ただ、落とすだけではない……そして、ここからっ……!」クルッ
実況「おっと、ベガは身体をクルッと反転させ……ケンの上半身に、覆い被さるようにしながら、ケンの身体を落としていくっ!」
ベガ「……死ねええぇぇっ! ケンっ!」ズドーンッ
ケン「……ぐわああぁぁっ!」
実況「ケンの身体がベガの体重も上乗せされて、マットへと叩きつけられるっ! ジャック・ハマーだっ! ジャック・ハマーっ! マットが大きく揺れるっ!」
ケン「あぁっ……ううっ……ちくしょう……」
ベガ「……省エネスタイルもいいが、やはり、こういうのも悪くはないな」ムクッ
実況「さぁ、そして……ケンの身体をマットに打ち付けたベガは、すぐ様立ち上がるっ! これ、結構流れはシャドルーサイドに引き戻されたのではないかと心配になってきますねぇ、元さん?」
元「まぁ、ベガ君も力づくで引き戻そうとしているけどね……? ただ、やっぱりスタミナは消費してるんじゃないかな? あれだけ、バンバン動いてたらさ?」
835:
ケーン! ガンバレー!
ケン「……あぁ、ううっ、わかってるよ」
ベガ「……減らず口は、もういい」コツン
ケン「……ぐっ!」
実況「お〜っと、そしてベガはケンの頭部……こめかみ辺りを、つま先で蹴って小突いていきます。トゥーキックだっ!」
元「……あれ、地味だけど痛いんだよ。汚いねぇ」
実況「そしてそして……ダウンしている、ケンの下半身の方へと回り込んでいきますっ!」
ベガ「……フンっ、さぁさぁ、いくぞ」ガシッ
ケン「……ぐっ」
実況「さぁ、そしてベガはケンの左足を捉えて……」
ベガ「……もう一発だっ! フンっ!」クルッ
ケン「……ああぁっ! ぐわああぁぁっ!」
実況「横にクルリと跳び、ケンの足に負担をかけていくっ! 再び、レッグブリーカーを仕掛けたぁ!」
元「足狙い……なのかな……?」
836:
ベガ「……フン、止めにしてやるか。足四の字固めで決めてやる」
ケン「……くっ、うおぉ、うおぉ」
ベガ「おっと、その前に、リュウとヤムチャに邪魔をされないように、バルログと、バイソンに指示をしておくか……んっ……?」
実況「おっと、ここでベガの動きが止まったぁ! 何か、狙っているのか……!?」
バイソン「ワザとやったワケじゃねぇのは、わかってるんだろ!? だったら、どうしてそこまで言われなきゃいけねぇんだよっ!」
バルログ「それでも、謝罪の言葉ぐらい必要じゃないですかね……? 私は、そう思いますよ……?」
バイソン「だから、謝ってるじゃねぇかよ! ゴメンゴメンっ! ホラ、これで終わりだよ、しつけぇんだよ!」
バルログ「……何、その謝り方? 感情が全く篭ってないじゃないですか? バイソン、貴方悪い事した自覚ないでしょ?」
バイソン「悪いとは思ってるよ!? だけど、事故だったんだって! まずは、そこを理解してくれよ!」
バルログ「最初にする事は、貴方の謝罪でしょう……何、言ってるんですよ……?」
実況「おぉ〜っと、ベガ自軍コーナーの方を見ているようですが……?」
元「ありゃりゃ、なんかバルログ君とバイソン君が、エキサイトしてるねぇ……?」
ベガ「……なぁ〜にをやってるんだ、アイツらは。話し合いをさせたのは失敗だったな。仕方ない」
実況「おぉ〜っと、そしてベガは、自軍コーナーの方へと、引き下がっていきます!」
元「流石にねぇ……ここまできたら、ベガ君も止めるのかな? この後に、影響出ちゃいそうだしね」
837:
ベガ「……なぁ〜にを、やっているんだ、お前達」
バルログ「ベガ様、聞いて下さいよっ! バイソンが謝らないんですよっ!」
バイソン「違いますよ! バルログの奴がしつこいんっすよ! 女々しい奴なんすよ、コイツは!」
ベガ「もういいもういい……いっぺんに言われても、私はわからん……それに、試合中だ……落ち着け……」
バルログ「……まぁ、ベガ様がそう言うなら」
バイソン「……す、すいません」
ベガ「とりあえず、先にバイソンの言い分を聞く……だから、バルログ、お前はリングで戦え……ホラ、交代だ……」
バルログ「……えっ?」
ベガ「……大丈夫だ。ケンは私が痛めつけておいた。だから、ホラ、行ってこい」
バルログ「ま、まぁ……ベガ様が、そう言うなら……行ってきます……」パシッ
ベガ「バイソンには態度で見せてやれ……お前が、頑張れば私も休憩が出来る……シャドルーにいい流れがくる……」パシッ
実況「おぉ〜っと、そしてここでベガはバルログへとタッチ! 交代します! 試合権はバルログへと移りました!」
元「……あらら、引き下がっちゃたか」
実況「ベガを温存……といった意図は恐らく、ないのでしょうが……結果的に、そういう形になってしまいましたねぇ、元さん?」
元「そうだね……う〜ん……ちょっと、これは嫌な流れになったきたかもしれないね……流れが変わっちゃったかもしれない……」
839:
ケン(やりたい放題やって……自分はノーダメージで退場か……まぁ、ベガらしいと言えば、ベガらしいけどね……)
バルログ「さぁさぁ、美しい私の出番ですよ……ヒャオッ!」
実況「さぁさぁ、バルログは今、トップロープを飛び越え、リングインっ!」
ケン(まぁ、構わねぇけどな……ベガをやるのは、俺じゃなくて、リュウだ……)
バルログ「さぁさぁ、ケン……いきますよ……?」
ケン(この溜まった鬱憤……コイツで晴らさせてもらうか……! 来いよ、バルログ……最初は打たせてやるよ……)
実況「そして、バルログはダウンしているケンへと、向かっていくっ!」
ベガ「……ふぅ」
バイソン「ベガ様、スタミナは大丈夫っすか?」
ベガ「……いや、そんなに動いてないから。大丈夫。リュウとはまだ残ってるからな、休憩しておかないとな」
バイソン「そうっすね!」
ベガ(う〜ん、最後のリュウとの攻防……どうなるかなぁ……? ケンとヤムチャは、私にやられたまま、終わってるぞ……? リュウ、攻めるならソコだぞ……)
840:
バルログ「さぁさぁ、いきますよ、ケンっ……!」
ケン「……ううっ」
実況「さぁさぁ、バルログはダウンしているケンに近づいていき……そのまま、クルッと背を向けて立ったっ!」
バルログ「さぁ、美しくいきましょうっ! ヒョオオォォッ!」シュッ
ケン「……何っ!?」
バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ
ケン「……うぐっ!」
実況「そして、ここで身体能力を見せるっ! その場でクルッと後方宙返りして、ケンにのしかかっていくっ!」
元「おぉ、凄いねぇ」
実況「その場跳びのムーンサルトプレスだ! ムーンサルトプレスっ! バルログの身体能力が光りますっ!」
バルログ「さぁさぁ、レフェリー……カウントを取るのですよ……?」
ダン「おう、カウントだな……よしっ……!」
実況「そのままフォールの体勢っ! さぁ、今レフェリーがカウントを数えにやって来ましたぁ!」
841:
ダン「ワンっ……!」
ケーン! ガンバレー!
ダン「ツーっ……!」
ケーン! マケルナー!
ダン「……スリ」
ケン「負けるかよ、この野郎っ……!」ググッ
バルログ「……おっと」
ダン「カウントはツーだ! カウントツー! まだ終わっちゃいねぇぞ!」
イイゾー! ケーン!
実況「いや、しかし、ここはケンが返していきますっ! カウントは2。2カウントです。まだ余裕はあるといった感じか?」
元「まぁ、交代の時にね……コーナーでゴチャゴチャやってたみたいだし……ここは、まぁまぁまぁ」
バルログ「死に損ないが、粘りますねぇ……だが、そうでなくては、こちらも面白くはありません……」
ケン「……でけぇ口、叩けるのは、今のうちだけだぜ、バルログ?」
850:
バルログ「フン、その言葉……そっくりそのまま、貴方にお返ししますよ……さぁ、起きなさいっ……!」ググッ
ケン「……うおっ」
実況「さぁ、すぐ様バルログはケンの身体を引き起こすっ! ここから何をねらうっ!?」
バルログ「……美しくいきましょう! ヒャオッ!」ブンッ
ケン「……う、うおっ」
実況「バルログはそのまま、ケンの身体を……コーナー目掛けて振り投げたぁ!」
ケン「……うぐっ!」ドスッ
バルログ「さぁさぁ……では、ケン、いきますよ……? ヒョオォォッっ……!」ダダッ
実況「ケンの身体が、コーナーマットへと激しくぶつかるっ! そしてバルログは、そんなケンに狙いを定め……突っ込んでいったぁ!」
852:
ケン「……くっ、突っ込んで来やがったかっ!」
バルログ「……狙いはここですっ! ヒャオッ!」ピョンッ
実況「そして、バルログはコーナー付近のセカンドロープへと、飛び乗ったっ! ロープの反動を利用して……」
バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ
ケン「……うぐっ!」
実況「その状態から、ケンの胸に蹴りを加えて後方へ跳ぶっ! ケンの身体を壁蹴りの一部として、そのまま宙返りっ! クルリとバク宙を見せたぁ!」
元「サルトモルタルだね」
バルログ「……フフッ、美しい」シュタッ
ケン「……くっ、舐めやがって」
バルログ「しかし、まだまだいきますよ……? ヒョオォォッ!」
実況「空中でクルリと回転をしたバルログは、そのままケンの目の前に着地っ! サルトモルタルっ! 身体能力と、得意のロープワークを使った技を見せていきますっ!」
バルログ「……ヒャオッ!」ドスッ
ケン「……うぐがっ!」
実況「そして、間髪いれずに仕掛ける、打点の高いドロップキックっ! 着地してすぐ様仕掛けていったぁ!」
元「……う〜ん、トリッキーに攻めていくねぇ」
853:
オー、オーオー
バルログ「フッ、美しく歓声……これですよ、コレコレ……」
ケン「……う、うぐぐっ」ガクッ
実況「さぁ、ドロップキック受けてしまったケンは、そのままガックリと崩れ落ちる! そして、コーナー付近でそのまま尻餅をついてしまうっ!」
ケーン! マケルナー! ガンバレー!
バルログ「……おやおや。まだ、こんな醜い輩を応援しているのですか? 全く、仕方のない人達ですねぇ」
ケン「……ケッ、舐めてんじゃねぇぞ」
バルログ「ならば、もっと美しい技を見せて、私の虜にしてあげましょう……フフフ、いきますよ、ケン……」ダダッ
実況「そして、バルログはクルリとケンに背を向け……そのまま対角線コーナーの方へ向かっていきますっ!」
バルログ「フフフ、では、いきますよ……? ケンっ……!」ググッ
ケン「……あぁ、ちくしょう」
実況「そして、バルログは一度エプロンサイドへと出て……トップロープをググッと掴み、その位置からケンを見ているっ! おっとおっと、あの位置から狙うのかっ!?」
元「対角線上で、一番距離がある所だけど……まぁ、バルログ君ならやりかねませんね」
854:
バルログ「さぁ、いきますよっ! ヒャオッ……!」ピョンッ
実況「バルログはロープの上へと飛び乗るっ! そして、ロープ反動をつけて……」
バルログ「死になさい、ケン……! ヒョオオオォォッ……!」ブンッ
ケン「う、うおっ……!」
実況「そして、そのままケンに向かって、大きく跳んだぁ! リング上で一番距離のある場所だが……いやっ! バルログは高いっ! それに勢いもあるっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッ……! ヒャオッっ!」ズガアアァァッ
ケン「……ぐわああぁぁっ!」
実況「なんと、あの位置からミサイルキックをケンに打ち込んだっ! ケンの顔面に打ち込んでいくっ!」
元「……凄まじい身体能力ですね」
実況「スワンタイブ式のコーナー・トゥ・コーナー・ドロップキックっ! バルログが凄まじい身体能力を見せますっ!」
ヤムチャ(……あの人、絶対武空術使ってるだろ。絶対、あの人使えるよ。絶対)
リュウ「くっ……ケン、頑張れっ……!」
855:
ケーン! ガンバレー!
ケン「ううっ……く、くそっ……」
バルログ「フフフ、いい様ですね……その醜い姿……私の引き立て役にピッタリですよ……」
ケン「……舐めてんじゃねぇぞ」
バルログ「本当に、口だけは達者ですね……まぁ、そろそろ止めにしてあげましょうか……さぁ、ケン、立ち上がりなさい……」ググッ
ケン「……ううっ」
実況「さぁ、そしてバルログはケンの身体を、そのまま引き起こしますっ! やはり、ここはシャドルーの流れと言った所か!? 少々、苦しい展開ですねぇ、元さん?」
元「う〜ん、そうだね……苦しいね……でも、なんとか頑張って欲しい……」
バルログ「さぁさぁ、ケン……コーナーの上に昇りなさい……バカには高い所がお似合いですからね……」ググッ
ケン「……ちくしょう」
実況「バルログはケンの身体を持ち上げ……そのまま、コーナーポストの上へと、乗せていきますっ! 雪崩式攻撃か!? 雪崩式攻撃を狙っているのかぁ!?」
857:
バルログ「さぁさぁ、ケン……いきましょうか……」
実況「そして、バルログもセカンドロープに足を掛けて……コーナー上へと向かっていくっ!」
ケン「……くそっ! 舐めてんじゃねぇぞっ!」ガシッ
バルログ「……んっ?」
実況「いやっ、しかし、ケンも負けてはいないっ! コーナーに昇ろうとしているバルログの頭部を両腕でガシッと、掴むっ!」
ケン「この野郎っ……! 舐めてんじゃねぇぞ、うおおおぉぉっ……!」ゴスッ
バルログ「……ぐっ!」
実況「そして、そのままバルログへとヘッドバーットっ! ケンもなんとか堪えようとするっ!」
バルログ「あぁ、クソ……醜い攻撃を……」クラッ
ケン「……なんとでも言いやがれっ! オラッ、もう一発いくぜ、オイっ!」ググッ
実況「これには、大きくバルログもフラつくっ! そしてケンは身体を大きくエビ反り状に反らし……」
ケン「この野郎っ……! 舐めてんじゃねぇっ、うおおおぉぉっ……!」ゴスッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」ヨロッ
実況「もう一発、打ち込んでいったぁ! ヘッドバーットっ! バルログの身体が、大きく大きくフラついたぁ! コーナー上に昇ろうとしていたバルログだが……これには、一歩後退をしてしまうっ!」
元「うん、ケン君、なんとか返しましたね」
858:
イイゾー! ケーン!
バルログ「あぁ……ううっ、くそっ……」
ケン「ケッ、好き放題やりやがって……ここからは、全部俺が持っていってやるっ!」ストンッ
実況「さぁ、そしてケンはコーナーポスト上から、素早く降りてバルログの目の前に着地っ!」
ケン「うおおおっ! 疾風迅雷脚っ!」ズガァッ
バルログ 「う、うおっ……! 何だと……!?」
実況「おっとおっと、ここでいったぁ! 回し蹴りを、バルログの脳天にぶち当てるっ!」
元「おっと、あの位置からは、疾風迅雷脚だね」
ケン「オラオラオラッ……! 好き放題やりやがって……覚悟は出来てるんだろうなぁ!?」ズガズガ
バルログ「ガッ……グッ……うぐっ……!」
ワー! ワーワー!
実況「さぁ、ケンの疾風迅雷脚っ! 回し蹴りの連打連打で、バルログを押し込んでいくっ! バルログはもうリングの中央まで、押し込まれたぁ!」
バルログ「うぐぐっ……あっ……くっ……」ヨロヨロ
ケン「まだまだぁ! 向こうのコーナーまで、運んでやるっ! オラオラオラっ!」
ケ・ン ! ケ・ン !
実況「さぁ、ケンの疾風迅雷脚は止まらない止まらないっ! バルログの身体を……対角線コーナーまで、押しやっていくのかぁ!? そして場内からは、溢れんばかりのケンコールだぁ!」
859:
ケン「オラオラオラっ!」
バルログ「ガッ……グッ……くそっ……」ドンッ
実況「さぁ、ついにバルログがコーナーまで追い詰められたぁ!」
バルログ「く、くそっ……しまったっ……!」
ケン「うおおおぉぉっ……! フィニッシュっ……!」
バルログ「くっ……! 逃げ場がないっ……!」
ケン「うるああぁぁっ!」ズガァッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」
ワー! ワーワー!
実況「そして、ここでフィニッシュっ! 竜巻旋風脚がバルログに突き刺さったぁ!」
元「連打連打で運んでね、竜巻旋風脚でフィニッシュ……いいですよ。これ、流れも変わってきたんじゃないでしょうかねぇ?」
実況「ケンにも、意地とプライドがあるっ! 流れが悪いのなら、力づくで変えてみせるっ! そういった想いが込められた疾風迅雷脚かぁ!?」
860:
バルログ「あぁっ……ううっ……くそっ……」ガクッ
実況「こいつは、バルログにも大ダメージかぁ!? バルログはグッタリコーナーマットに倒れ込み……そして、ゆっくりと崩れ落ちていきます!」
ケン「……おぉ〜っと、こんな物で終わりだと思うなよ! オラッ!」ガシッ
バルログ「……うおっ」
実況「いや、ケンはまだまだ攻め続けるっ! そのまま距離を詰め、バルログの身体を掴みに掛かるっ!」
ケン「やりたい放題やられた鬱憤が……こっちには溜まってんだ……まだまだ終わらねぇよ、よっと……!」グイッ
バルログ「……うあっ」
実況「そして、バルログの身体を持ち上げ……そのままコーナーポスト上へと乗せていきますっ! 雪崩式攻撃か!? 今度はケンが雪崩式攻撃を狙うっ!」
861:
イイゾー! ケーン! イケー!
ケン「さぁさぁ、バルログ……いくぜっ……!」
バルログ「ううっ……うあぁ……」
実況「そして、ケンがセカンドロープに足を掛け……お〜っと、トップロープまで昇ったぁ!」
元「さぁ、いきましょう。ここで流れを完全にモノにしちゃいましょう」
ケン「オラッ、いくぜっ! バルログっ!」ガシッ
バルログ「……くっ!」
実況「そしてバルログの頭部に飛び乗るように、バルログの頭部を両足でロックっ! そのままそのまま、自身の身体を、後方へ回転させて、バルログの身体を……」
ケン「雪崩式フランケンシュタイナーだっ! くたばりやがれっ!」ズドーンッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」
ワー! ワーワー!
実況「トップロープから、マットに叩きつけるっ! バルログ脳天がマットへと突き刺さったぁ! 雪崩式フランケンシュタイナーだっ! トップロープからの雪崩式フランケンシュタイナーっ!」
862:
バルログ「……く、くそっ」ガクッ
ケン「……へっ、ダメ押しといっておきましょうか」
実況「さぁ、これにはバルログも、大きくダーウンっ! ガクッと力が抜けてしまうっ! そしてケンはさらに、コーナーへと昇っていくっ!」
元「いいねいいね。ガンガンいってるね」
実況「さぁさぁ、何を狙う!? ダイビング攻撃か? それともミサイル攻撃か!?」
バイソン「……チッ、見ちゃいられねぇよ、バルログよぉ。アイツも何、やってんだよ」
ベガ「……そう言うな」
バイソン「ベガ様、俺助けに行ってきますよ! アレ、喰らっちゃバルログもマズいでしょう!」
実況「さぁさぁ、コーナーポストへと昇るケンっ! あ〜っと、しかしここで、バイソンに動きありっ! リングインして、バルログの救出へと向かいます!」
863:
ケン「オイっ、何か来てるぞっ! ヤムチャ、お前が止めろっ! リュウは切り札なんだ、簡単に動かすなっ!」
ヤムチャ「わかってます……! バイソンの相手は、俺っす!」
実況「あ〜っと、しかしヤムチャもリングインだっ! 一直線にバイソンへと向かっていくっ!」
ヤムチャ「邪魔させるかよっ……うおおおぉぉっ……!」ガシッ
バイソン「……あぁ!? 何だ、てめぇ、この野郎っ! 離しやがれっ!」
実況「ヤムチャはバイソンに突っ込んでいき……そのまま組みついていくっ! バイソンの動きを封じるっ! 互いの身体が縺れあうっ!」
元「うん、ナイスタイミングだね」
バイソン「この雑魚がっ……! お前じゃ、俺は止められねぇぞ……!?」
ヤムチャ「自爆覚悟で場外にお前を連れて落ちるぐらいなら、出来るかもしれねぇぞ……? オラ、試してみようぜ……? こっちだ、こっち……」
バイソン「あぁっ……てめぇ、この野郎……」
ヤムチャ「場外戦は、お前のフィールド……なんだよな……? だったら、そっちでやろうぜ……? お前も、そっちの方が好みなんだろ……? うおおおぉぉっ……!」ググッ
バイソン「てめぇ、この野郎……押すな……押すんじゃねぇよ……う、うおおぉっ!」
実況「そして、ヤムチャとバイソンは……縺れあったまま、場外へと落下ぁ!」
元「おぉ〜っと、強引にいったねぇ……まぁ、ともかく、バイソン君の妨害はなくなった」
864:
バイソン「……あいででで、くそっ」
ヤムチャ「コイツは、俺に任せて下さいっ! ケンさん、決めちまって下さいっ!」
ケン「ヘマすんじゃねぇぞ? まぁ、助かったぜ、ありがとよ」
ヤムチャー! ナーイスファーイト!
実況「さぁ、ケンがコーナーポストの上へと昇りきったぁ! バルログはまだ、ダウンしているっ! ここから何を狙うか!?」
ケン「よ〜しっ! それじゃあ、いくぜっ! うおおおぉぉっ!」
ワー! ワーワー!
実況「さぁ、そして、ケンはダウンしているバルログに狙いを定めて……跳んだぁ!」
ケン「そぉ〜らっ、バルログ……! 喰らいなっ……!」ズドーンッ
バルログ「……うぐううぅぅっ!」
実況「トップロープの上から、高く跳んで、バルログの身体に肘落としていくっ! ケンのダーイビングエルボードロップだぁっ!」
元「いいですよ。バルログ君も、そろそろ危ないんじゃないですか?」
実況「バイソンは場外でヤムチャに掴まっているっ! ベガはまだ控えていますが……こちらにもリュウが控えているっ! さぁさぁ、ここはチャンスの場面じゃないでしょうか?」
元「うん、チャンスだね。ヤムチャ君は頑張ってバイソン君を止めて……リュウ君はベガ君の動き出すタイミングを見極めて……そして、ケン君が決めましょう」
865:
バイソン「……おめぇは、本当にムカつく野郎だな? 全部のお前のせいなんだよ?」
ヤムチャ「……何が?」
バイソン「おめぇがよぉ……? あの時、大人しく喰らってなかったせいで……バルログちゃん、今俺に怒ってんだよ……」
ヤムチャ「……へぇ」
バイソン「だから、俺はバルログちゃんを上手く助けて信頼関係を回復させねぇといけねぇんだが……そしたら、これだよ……」
ヤムチャ「……」
バイソン「お前、また俺の邪魔しやがったな……? なんだ、お前……? 本当にムカつく野郎だな……? 邪魔すんじゃねぇよ、カス……」ギロリ
ヤムチャ「……自分の事、棚にあげやがって」
バイソン「俺は、バルログちゃん助けに行かなきゃいけねぇんだよ……もう、これ以上、俺を怒らせるな……これは、警告だ……邪魔するな……」
ヤムチャ「……そうは、いかない」
バイソン「……ふ〜ん」
ヤムチャ「……」
バイソン「……それじゃあ、死んでもらうしかねぇなぁ!? おめぇをここで、ぶっ倒せば、問題はねぇ! ここは俺のフィールドだ! そこは、わかってんだろなぁ!?」
ヤムチャ「わかった上で来たんだよっ! 上等だ、来いっ!」
875:
バイソン「てめぇの顔も……態度も……全てだっ……! 全てが気に食わねぇんだよぉ……! うおおおぉぉっ!」
ヤムチャ「……来いっ!」
バイソン「うるああぁぁっ! 大人しく寝てろっ!」ガスッ
ヤムチャ「……ぐっ! くそっ、だがまだまだだっ!」
バイソン「……ケッ、一撃じゃ落ちなかったか。そういう所も気に食わねぇ」
ヤムチャ「うおおおぉぉっ……! 次はコッチの番だ、うるぁっ!」シュッ
バイソン「くっ……くそっ、舐めやがって……」
実況「ヤムチャは場外で必死にバイソンを戦い、その動きを封じているっ!」
元「ここは、頑張って抑えておかないとね」
ケン「さぁさぁ、そろそろフィニッシュだっ! 派手に決めるぜっ!」ググッ
バルログ「……ううっ」
ワー! ワーワー!
実況「そして、リング上ではケンが拳を突き上げ、フィニッシュ宣言っ! フィニッシュ宣言ですっ!」
876:
ケン「オラッ、バルログ、起きろっ!」ググッ
バルログ「……ううっ」
実況「さぁ、ここでケンはバルログの背後を取りつつ引き起こしますっ!」
ケン「……オラァっ!」ガシッ
バルログ「……くっ!」
実況「そして、脇の下から自身の両腕を差し込み、バルログの後頭部卑近でロックっ! バルログの動きを封じるっ!」
ケン「さぁさぁ、ド派手に決めようぜ……? バルログよぉ……?」
バルログ「ううっ……ううっ……くそっ……」
イケー! ケーン!
実況「ドラゴンスープレックスの体勢っ! ドラゴンスープレックスの体勢だぁ! ここでケンも決めに来たかぁ!?」
元「さぁ、いきましょうっ!」
877:
ケン「……うおおおぉぉっ!」ググッ
バルログ「……うおっ、うおおぉ」
実況「さぁ、ケンがバルログの身体をググっと持ち上げたぁ!」
ケン「これで……仕舞いだっ……! うらああぁぁっ!」ズドーンッ
バルログ「……うぐううぅぅっ!」
ワー! ワーワー!
実況「そして、そのままブリッジの要領でバルログの身体を後方に反り投げ……マットに叩きつけたぁ!」
元「よ〜し!」
実況「ケンのドラゴンスープレックスっ! ドラゴンスープレックスが炸裂だぁ! そのまま固めてフォールの体勢っ!」
ダン「よしっ、カウントだな!? いくぜっ……!」
ベガ「させんよ……」
リュウ「やはり来たか……読んでたぜ、ベガ……!」
実況「さぁ、今レフェリーがカウントを取るっ! そして、このタイミングでリュウとベガもリングインっ! さぁさぁ、どうなってしまうのかぁ!?」
879:
ダン「ワンっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「ツーっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「……スリ」
ベガ「……フンっ!」ガスッ
ケン「……うぐっ!」
ダン「カット成立だっ! カット成立っ! まだ、決まっちゃいねぇぞ!」
実況「あっと、ここはベガが一歩早かったっ! ブリッジ体勢で固めているケンの土手っ腹を踏みつけてカットしていきますっ! カウントは惜しくもツーっ!」
元「いやでも、まだまだチャンスです。リュウ君も来てますし、ね……?」
リュウ「うおおおぉぉっ……! ベガ、いくぜっ……!」ダダッ
ベガ「……フン、リュウか。一手遅かったようだな」
リュウ「構うもんかっ! うおおおぉぉっ……喰らいなっ……!」ガスッ
ベガ「……うおっと」ヨロッ
実況「おっと、リュウはそのままベガに突っ込んでいき、ラリアットっ! ベガのカットには間に合わなかったが……ベガは大きくフラついたぁ! まだまだチャンスは続いているっ!」
881:
リュウ「ケン、俺はベガを抑えておくっ! だから、決めちまえっ!」
ケン「あぁ、任せておきなっ!」
リュウ「さぁ、ベガ……俺達は試合権を持っていないんだ……場外で大人しくしておこう……」グイグイ
ベガ「……くっ、少々危うい展開だな」
実況「リュウはそのまま、ベガに掴みかかり……そしてロープ際まで、その身体をどんどん押し出していくっ!」
リュウ「さぁ、ベガっ! お前の大好きな場外だっ……! 落ちろっ……!」
ベガ「うおっ……!」ボロッ
実況「さぁ、そしてセカンドロープとトップロープの間に、ベガの身体をねじ込むように押し出し……場外へと落としたぁ! これで、邪魔者は消えたぁ!」
リュウ「……ケン、後は任せるぞっ!」
ケン「あぁ、お前もな! しっかりやってこいっ!」
882:
ベガ「あたたた……あ〜、痛い痛い……」ムクッ
リュウ「やはり、あっさり立ち上がったか、ベガ……だがしかしっ……!」ググッ
実況「おっと、リュウはトップロープをググッと掴み……腰を低くして屈み、ロープを下方向へと引っ張っていくっ!」
リュウ「さぁ、ベガっ……! いくぞっ……! うおおおぉぉっ!」ブンッ
ベガ「……何っ!?」
実況「そして、ロープの反動を利用して……そのまま、場外へとダーイブっ! トップロープを飛び越え、ベガに向かっていったぁ!」
ワー! ワーワー!
ベガ「……くっ! 降って来たかっ!?」
リュウ「はああぁぁっ! ベガ、喰らえっ……!」ドスッ
ベガ「……うぐぅっ!」ドテッ
実況「リュウのプランチャ・スイシーダがベガに直撃っ! これを喰らい、ベガは崩れ落ちるっ! 場外でダーウンっ!」
883:
ケン「これで、もう誰も俺達を止めるヤツはいねぇな……さぁ、止めだっ! ホレ、バルログ、起きろ……」ググッ
バルログ「……ううっ、くそっ!」
実況「リング内は、ケンとバルログの二人っ! 綺麗に掃除されたぁ! これで、もう邪魔者はいないっ! 後は決めるだけだっ!」
ケン「さぁ、これで仕舞いだ……いくぜ、バルログっ……!」
バルログ「……させませんっ! ヒャオッ!」ガシッ
ケン「……んっ?」
実況「おっと……? ここは、バルログが……素早くケンの頭部を自身の脇に抱え……」
バルログ「……ヒョオオオォォッ!」ゴロンッ
ケン「おぉぉ……何だ、何だ……?」
実況「そのまま、ケンの股下に自身の足を差し込み……ケンの右足を両足でロックっ! 左足は右手で抱え込むようにして抑え、転がるようにしながら、丸め込みにいったぁ! 」
元「……あら、クイックで来たか」
実況「バルログが、ここでクイックの丸め込みを見せたぁ! スモール・パッケージ・ホールドっ! スモール・パッケージ・ホールドだぁ!」
バルログ「……レフェリーっ! 固めてますよ! カウントを取りなさいっ!」
ダン「おうよっ!」
ケン「おいおい……なんだよなんだよ……ちょっと待てよ……」
ザワ……ザワ……
実況「一瞬の隙を突かれたか!? バルログも必死だっ! おぉ〜っと、レフェリーが今、カウントを取りに来ましたぁ!」
元「……お〜っと、ちょっと危ないぞ、これは」
884:
ヤムチャ「あれ……? ケンさんが、やられてる……? やべぇ、助けに行かねぇと……」
バイソン「……何処見てんだ? お前の相手は俺だよ」
ヤムチャ「……んっ?」
バイソン「……オラァっ!」ガスッ
ヤムチャ「……うぐっ!」
実況「ちょっと、まずい展開かもしれません……ここはヤムチャが救出するのも……あぁ、ダメだっ! やられてるっ!」
元「……リュウ君はどうだろ?」
リュウ「くそっ、クイックで来やがったか……マズい、リングに戻らないと……」
ベガ「……おぉ〜っと、そうはさせん」ガシッ
リュウ「くそっ、ベガっ……! 離しやがれっ……!」モガモガ
ベガ「……離せと言われて離す阿呆が何処にいる?」
実況「ダメだっ! リュウはリングインしようとしていますが……ベガがその身体にしがみついて妨害していますっ! こちらも時間がかかりそうだ!」
元「……場外に、抑えに行ったのは、失敗だったかもしれないねぇ?」
実況「いやっ! ここでケン自身が返せば問題はないっ! さぁ、今レフェリーがカウントを数えますっ! ケン、頼むっ! 返してくれっ!」
885:
ダン「ワンっ……!」
ケーン! カエセー!
ダン「ツーっ……!」
ケーン! ガンバレー!
ダン「……スリ」
ケン「させるかよっ……! この野郎っ……!」ググッ
バルログ「くっ……くそっ……」
ダン「カウントはツーだっ! カウントツー! まだ決まっちゃいねぇぞ!」
ワー! ワーワー!
実況「危ない危ないっ! 実に危ない展開だったっ! だがしかし、ケンは返したっ! ホッと、一息!」
元「うん、ちょっと危なかったね」
実況「カウントは2.8といった所か!? クイック技でギリギリの所まで、追い込まれてしまったのも、事実だか……返した事もまた事実っ! 実に危ない展開だったっ!」
ケン「危なかった……下手したら、負ける所だった……」
バルログ「チィっ……だが、流れは変わりました……私には感じられますよ……!」ムクッ
実況「さぁさぁ、先に立ち上がったのは、バルログっ!」
886:
バルログ「今、ここでコイツを……殺しますっ!」スーッ
ケン「……んっ?」
実況「さぁ、バルログも勝負を賭けて来たか!? 素早く首を掻っ切ったっ!」
バルログ「……とっておきの、大技を見せてあげますよっ! ケンっ!」ダダッ
ケン「やべぇやべぇ……何か狙ってやがるな、アイツ……」ムクッ
実況「さぁ、そしてバルログはロープへと走るっ! 慌ててケンも起き上がるっ! バルログは何を狙うのか!?」
元「……バルログ君はねぇ、ちょっと技が読みにくい所がある。そういう所が怖い」
バルログ「ヒョオオオォォッっ……! いきますよ、ケンっ……!」ダダッ
ケン「素早くトリッキーな野郎だが……冷静に動きを見れば、対処出来ねぇ事はねぇ……冷静にだ……冷静に動きを見るんだ……」
実況「さぁさぁ、ロープの反動をつけたバルログが、ケンへと向かって来たっ! 何を繰り出すのかっ!?」
887:
ケン「……そこだっ!」
バルログ「ヒョオオオォォッっ……!」
ケン「……喰らえっ!」ガスッ
バルログ「何っ……!? う、うがっ……!」
実況「いやっ! ここはケンもよく見ていたっ! カウンターで、ショートレンジの昇龍拳を打ち込むっ! バルログの身体がクルリと一回転したぁ!」
元「……おっ、ひょっとするとこれは」
ワー! ワーワー!
ケン「オラオラオラオラっ!」
バルログ「ガッ……グッ……くっ……くそおおおぉぉぉっ……!」フラフラ
ケ・ン ! ケ・ン !
実況「ここでケンも繰り出したぁ! 勝負を賭けてきたぁ! 右足一本での連続での蹴りを、バルログに打ち込む打ち込む打ち込むっ! バルログダウンすらさせてもらえないっ! 滅多打ちっ! 滅多打ちだぁっ!」
ケン「とどめだっ! 神龍拳っ……!」ズガアアァァッ
バルログ「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「そしてフィニッシュっ! 顎元に打ち込む昇龍拳でバルログを仕留めたぁ! ここは、ケンがよく見ていたぁ! カウンターで繰り出した神龍拳っ! 神龍拳だああっ!」
元「これは、決まったでしょう!」
888:
イイゾー! ケーン!
ケン「完全に決まったぜ……コイツは、もう終わりだ……」
バルログ「くっ……うああっ……」
ケン「さぁ、後はあんたがスリーカウントを取るだけだっ! しっかり、取ってくれっ!」
ダン「おうっ! 任せておきなっ!」
実況「さぁ、そしてケンはバルログの身体に覆いかぶさり、フォールの体勢っ! 後は邪魔者来ない事を祈るだけだ!」
元「え〜っと、ベガ君は……っと……」
ベガ「くっ、バルログめ……助けに行かねば……くそっ、リュウっ……! 離せっ!」モガモガ
リュウ「……離せと言われて離す阿呆はいないんじゃなかったのか、ベガ?」
実況「大丈夫だっ! リュウがベガにしがみついて、リングインを妨害しているっ! 大丈夫そうだっ!」
元「じゃあ、バイソン君は……っと……」
890:
バイソン「オラオラ、邪魔なんだよ、このボケっ!」ガスガス
ヤムチャ「うっ……ぐっ……」
実況「あれっ!? ヤムチャがやられてる!?」
元「……ありゃりゃ」
バイソン「俺は、バルログを助けに行かねぇといけねぇんだよっ……! そこを……退けえええぇぇっ!」ズガアァッ
ヤムチャ「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「マズいマズい……バイソンの顎元を振り抜くフックによって……ヤムチャは場外でダウンだっ! こいつは、バイソンは自由に動けるぞ!?」
元「いやいや、まぁまぁ、先にスリーカウント取れさえすれば……」
バイソン「バルログちゃん、今助けに行きますよ〜! 待ってろよ、うおおおぉぉっ!」
実況「さぁ、バイソンは急いでリングへと戻ろうとしていますっ! さぁ、どうなるっ!? スリーカウント先か? それともバイソンが先かっ!?」
891:
ダン「ワンっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「ツーっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「……スリ」
バイソン「……うおおおぉぉっ!」ドスッ
ケン「……うぐっ!」
ダン「カット成立だっ! カット成立! まだ決まっちゃいねぇぞ!」
実況「あ〜っと、ここはバイソンが、ギリギリ間に合ったぁ! 寸前の所でケンに肘を落としてカットっ! スリーカウントとは、いきませんでした!」
元「あ〜、間に合っちゃったか……惜しかった……」
バイソン「バルログっ! しっかりしろっ! 助けに来たぞっ!」
バルログ「うっ……ううっ……」
ダン「……オイ、バイソン? カットが終わったんだったら、下がれ」
バイソン「うるせぇ、ボケっ! 黙ってろっ!」
892:
バイソン「オラ、ケン……この糞がっ……! 起きろっ!」ググッ
ケン「う、うおっと……」
ダン「おい、バイソン……おめぇは試合権利持ってねぇから……」
バイソン「だから、五月蝿ぇよ! 邪魔だ、退いてろっ!」ドンッ
ダン「……うげっ!」
実況「おぉ〜っと、バイソンは少々暴走気味か!? レフェリー突き飛ばしました! これはいけませんっ!」
バイソン「おい、バルログちゃん……今度はしっかり、ブチ込むからよぉ? このピンチ俺がなんとかしてやるからよぉ……?」
バルログ「ううっ……ううっ……」
ケン「……あ〜、くそっ、余計な茶々入れてんじゃねぇよ、バイソン」
バイソン「……うるせぇ、ボケっ!」ガスッ
ケン「……うぐっ!」フラッ
実況「そして、バイソンはケンの顎元にフックを見舞っていくっ! ケンがフラついたぁ!」
バイソン「俺様の勇姿を……その目に焼き付けておいてくれよっ……! うおおおぉぉっ!」ダダッ
バルログ「……バイソン」
実況「そして、バイソンはロープへと走るっ! これは良からぬ展開っ! 良からぬ展開が起こるような気がするぞ!」
893:
バイソン「うおおおぉぉっ……! いくぜええぇぇっ! ケンっ……!」ダダッ
ケン「くっ……ううっ……」
実況「凄まじい形相で、ロープの反動をつけたバイソンが、ケンへと向かっていくっ! そしてそして……!」
バイソン「今度はブチ当てるぜぇ! 喰らええぇぇっ……! バイソン式アックスボンバーだああぁぁっ!」ズガアアァァッ
ケン「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、打ち込んだ、得意の反則技っ! バイソン式アックスボンバーっ! ケンの顔面に右ストレートをお見舞いだぁ!」
元「反則技だけど……反動技だけど……」
実況「えぇ、しかもバイソンは試合権利すら持っていませんからねぇ!? コイツは酷いっ!」
元「そうです、酷いんです。だけど……」
実況「……だけど?」
元「……今ので、形勢は引き戻されてしまったかも、しれないね」
901:
ブー、ブーブー
バイソン「よし、今度は完璧にブチ込めたぜ……おい、バルログ……見てたかkっ!?」
バルログ「ううっ……はい、見てましたよ……感謝します……」
バイソン「バルログ、もう交代しろっ! お前はもう限界だっ!」
バルログ「そうですね……悔しいですが、ここは退いた方がいいでしょう……」
バイソン「何言ってんだっ! まぁ、最後にチョコっとやられたが、お前の格好いい姿連発だったじゃねぇか! 誇りを持て、誇りを! 情けねぇバルログちゃんは、美しくねぇぞ!?」
バルログ「おっと、美しくないバルログ……そいつはいけませんね……」
バイソン「そうだそうだ、その意気だっ! ホラ、コーナーまで行けば……後は俺がやってやるっ! 頑張れっ!」
バルログ「えぇ、後は任せます……」ズルズル
実況「さぁ、大暴れのバイソンは……ここで、バルログへと声をかけますっ! そしてバルログも自軍コーナーの方へ這いずりながら移動っ! こいつは、交代ですかね、元さん?」
元「そうだね。バイソン君の救出……って言うには、ちょっと乱暴すぎたけど……まぁ、とにかくそのお陰で助かったけど、やっぱりもうバルログ君も限界でしょ? ここは退くべきです」
実況「確かにここでバルログに交代されてしまうと、形勢は引き戻されてしまうかもしれませんね!?」
元「そうだね」
902:
リュウ「くそっ、バイソンの奴め……」
ベガ「フフ、もういいだろう……自軍コーナーへと戻ったらどうだ……?」
リュウ「……」
ベガ「ボーンやナイトの戦いはもう終わった……ここからは、キング自らが攻め込んでいかねば、戦局は動かん……」
リュウ「……フン」
ベガ「大将戦だ……待っているぞ……次はリングの上でだな……?」ニヤリ
実況「さぁさぁ、バルログは自軍コーナーの方へとジリジリと這いずって近づいていくっ!」
バイソン「後、少しだ、バルログっ……!」
バルログ「そろそろエプロンサイドに移動して下さい……! 交代する相手がいませんよ……!」ズルズル
バイソン「あぁ、そうだな、そろそろ戻るか……それと、さっきの誤爆は……なんて言うか……悪かったな!」
バルログ「……何を今更。もう、気にしてませんよ」
ケン「くそっ、バイソンの野郎……ここは俺も退き下がるか……」ズルズル
903:
バルログ「よし、バイソン……交代です……」
ベガ「……いや、私が出よう、バルログ」ピョンッ
バルログ「……ベガ様」
実況「おぉ〜っと、ここでベガも合流っ! 自軍コーナー付近のエプロンサイドにピョンと飛び乗り……」
ベガ「……さぁ交代だ、バルログっ!」パシッ
バルログ「ベガ様……お気をつけて……!」パシッ
実況「そして自らがバルログに手を伸ばしてターッチっ! 交代しますっ! ここはベガが出ますっ! ベガが再び出ますっ!」
ベガ「さぁて、リュウ……早く戻って来い……這いずっているだけのケンを見ているのも、ただただつまらん……」
ケン「チィっ……また、ベガか……」ズルズル
実況「さぁ、ベガが今ゆっくりとリングインし……両腕を組んで、ケンの姿をジッと見ていますっ!」
元「いや、これはね……見てるのはリュウ君もだと思うよ。多分……」
904:
リュウ「よし、ケンっ! こっちも交代だっ!」ピョンッ
ケン「あぁ……わかってるぜ、リュウ……」ズルズル
実況「おっと、そのリュウも合流っ! 自軍エプロンサイドにピョンと飛び乗り、そしてケンに手を伸ばしますっ! ここは空手軍団も交代かぁ!?」
元「まぁ、それが懸命な判断でしょうね。ベガ君も、それをお望み……みたいだしね……?」
ベガ「……さぁさぁ、出てこい、リュウ」
ケン「……まぁ、後は好きにやってくれや? ド派手に頼むぜ?」
リュウ「あぁ、大技連発……感謝するよ……」
実況「そしてケンも、リュウに手を伸ばすっ!」
ケン「リュウっ……! お前の出番だっ! 行って来いっ!」パシッ
リュウ「あぁっ! 任せておけっ!」パシッ
実況「そして、リュウにターッチっ! 交代ですっ! 試合権はリュウっ! リュウへと移りましたぁ!」
ヤムチャ(……そろそろ、俺もあっちに戻ろうかな?)
905:
リュウー! リュウー!
リュウ「……ベガっ!」
ベガ「フッ、待ってたぞ、リュウ……」
実況「さぁ、リュウの登場に、場内は熱気に包まれますっ! そしてここでベガも構えていた腕を解き構えるっ! 戦闘体勢だぁ!」
リュウ「いきなり全力だっ……いくぞっ、うおおおぉぉっ……!」ダダッ
ベガ「……フン、ならばこっちもだっ! おおおぉぉぉっ!」ダダッ
実況「さぁ、リュウがロープへと走るっ! ベガも走るっ! 互いが同じようにロープの反動を利用して……」
リュウ「ベガっ! いくぞっ……!」
ベガ「返り討ちにしてやるわ、リュウっ……!」
ワー! ワーワー!
実況「そして、両者が全力で互いに突っ込んでいくっ! さぁさぁ、どうなるっ!? 互いの身体が今、正面衝突寸前だぁ!」
906:
リュウ「ブチかましてやるっ……! うおおおぉぉっ! 昇龍拳っ!」ズガアァッ
ベガ「死ねぃっ! サイコクラッシャーっ!」ゴオオォォッ
実況「うおっと、いきなりだっ! いきなり昇龍拳とサイコクラッシャーアタックのぶつかり合いっ! 両者、いきなり大技を繰り出してきたっ!」
元「どうなるっ!?」
リュウ「……ぐわああぁぁっ」バターンッ
ベガ「……ぐおおぉぉっ」バターンッ
実況「ここは相打ちっ! ここは相打ちだっ! 両者が大きく吹っ飛び……そして、ダウンしますっ!」
リュウ「くっ、まだまだだっ……!」ムクッ
ベガ「フッ、こっちもだ……」ムクッ
ワー! ワーワー!
実況「しかし、ここは両者、すぐ様起き上がるっ! 殆ど同時だっ! 同時に立ち上がるっ!」
元「やっぱり、ここで先に仕掛けれた方が、流れを掴めるからね」
907:
リュウ「うおおぉぉっ! いくぞ、ベガっ」ググッ
ベガ「こっちもだっ、リュウっ!」ググッ
実況「そして、ここですぐ様、両者が距離を詰め、互いの身体を組みにかかるっ! ロックアップだっ!」
バルログ「ベガ様、やって下さいっ!」
バイソン「ボッコボコのケッチョンケッチョンにしてやって下さいっ!」
ヤムチャ「……よっと、只今戻りました」
ケン「おう、後はリュウの応援だけだな……お前も、ホラ……リュウ〜! やっちまえ〜!」
リュウー! イケー!
リュウ「あぁっ、任せろっ……! うおおっ!」クルッ
ベガ「……くっ!」
実況「先手を取ったのはリュウかっ!? ここでクルリと身体を反転させ、ベガの背後に回り込みますっ! リュウが背後を取ったぁ!」
908:
ベガ「……フンっ、させんよっ!」クルッ
リュウ「……くっ!」
実況「いやっ、しかしベガも負けてはいないっ! 同じように身体をクルリと反転させ、リュウの背後を取り返すっ! 今度はベガが背後を取ったぁ!」
ベガ「フンっ、先手はいただくぞっ……うおおおぉぉっ!」ググッ
リュウ「くっ……!」
実況「そして、そのまま背後から、リュウの身体を持ち上げるっ! ベガがリュウを投げにいったぁ!」
ベガ「さぁ、死ねっ……! バックドロップだっ! うおおおぉぉっ!」
リュウ「……させるかぁっ!」クルッ
ベガ「……何っ!?」
実況「いやっ、ここはリュウが、タイミング合わせて、自ら後方へと宙返りっ! バク宙でかわしていくっ! ここはリュウもよく見ているっ!」
元「うん、いいですね」
909:
イイゾー! リュウー!
リュウ「……よしっ!」シュタッ
ベガ「くっ……! 逃れたかっ……!」
実況「さぁ、リュウはベガの背後へと上手く着地っ! ベガは、体勢が崩れておりますっ!」
リュウ「チャンスはここだっ……! うおおおぉぉっ……!」ダダッ
ベガ「くっ……やはり、素早いな……」
実況「そして、リュウは後方のロープへと走るっ!」
リュウ「焦ったな、ベガっ……! いくぞ、うおおおぉぉっ……!」ダダッ
ベガ「……フン、私は焦ってなどいない」
実況「さぁ、ロープの反動をつけたリュウが、起き上がろうとして体勢の崩れているベガへと向かうっ! さぁ、ここからどうするっ!?」
910:
ベガ「……フンっ!」シュタッ
リュウ「……う、うおっと!」ピョンッ
実況「おっと、ここはベガがすぐ様、リングに伏せるっ! リュウの狙いは外されてしまったか!? リュウはそのまま、ベガの身体を飛び越え、逆側のロープへと向かうっ!」
ベガ「……フン、焦っているのはどっちだろうな?」ムクッ
リュウ「くそっ……ベガめっ……!」
実況「そして、すぐ様起き上がるベガっ! リュウの狙いは外されてしまったぁ!」
元「ここで、ベガ君は、カウンター攻撃を狙っているね……」
リュウ「くっ……」
ベガ「カウンターで当ててやるっ! うおおおっ! ドロップキックだっ!」
実況「ロープの反動で再び戻ってくるリュウにタイミングを合わせて……ベガが仕掛けるっ! コイツは、ドロップキックっ!」
911:
リュウ「……させるかっ!」ガシッ
ベガ「……何っ!?」スカッ
実況「いやっ、ここはリュウがロープを脇に掴んで、その勢いを殺すっ! 背中でロープを抱えストップっ! タイミングをずらしていきますっ!」
リュウ「……焦ってなんていないさ、ベガっ!」
ベガ「くそっ……スカされたか……ウグッ……!」ドシーンッ
実況「いるはずのリュウがそこにはいないっ! ベガのドロップキックは空を切り、ベガは背中からマットへと落下ぁっ!」
元「リュウ君もよく見てるよ」
実況「万有引力の法則っ! ベガの身体が、マットに叩きつけられるっ! 一人バーックドロップっ! ここはリュウがかわしたぁっ!」
ワー! ワーワー!
ベガ「チッ、まぁいい……然程のダメージではない……」ムクッ
リュウ「……さぁ、そこだっ! うおおおぉぉっ!」
実況「しかし、ベガの勢いも死んではいないっ! すぐ様、起き上がろうと、片膝をつくっ!」
元「いやっ、遅い……リュウ君が、もう突っ込んだ」
912:
リュウ「うおおおぉぉっ……! だあぁっ!」ピョンッ
ベガ「……くっ!」
実況「さぁさぁ、そしてリュウは、片膝立ちのベガに対して……その片膝に飛び乗り、ジャーンプっ!」
リュウ「うおおおぉぉっ……! 側頭部に……喰らえっ! ベガっ!」ガスッ
ベガ「……うぐああぁぁっ!」バターンッ
実況「そしてそのまま側頭部へと膝を当てていくっ! シャイニングウィザードっ! シャイニングウィザードを当てたぁ!」
元「どっちが先手取るのかって見てたけど、ここはリュウ君が取りましたね」
実況「これには、ベガもダーウンっ! ダーウンですっ!」
ワー! ワーワー!
ベガ「ううっ……うああっ……もうダメだ……」
リュウ「フン、そんなに簡単にくたばるようなタマじゃないだろう……見え透いた演技はやめるんだな……」
ベガ「……あらら、バレてたか。残念だ」
913:
リュウ「まだまだ、いくぜっ! うおおおぉぉっ!
ワー! ワーワー!
実況「そして、ここで力強く吠えるっ!
ケン「よっしゃっ! リュウいっちまえっ!」
ヤムチャ「リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ ! はい、ご一緒に! リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !」
ケン「お、お前……なんだよその煽り方……? もう、ちょっとなんとかならねぇのか?」
ヤムチャ「……あれ? なんか違いますか?」
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
ケン「いやいや、まぁコールが起きたからいいけどさぁ……? 次は、もうちょっと格好良くしよう……なっ……?」
ヤムチャ「う、うっす……勉強します……」
実況「さぁさぁ、場内からリュウコールが巻き起こるっ! そしてコーナーのケンとヤムチャも盛り上がっているっ! 先手を取ったのは、リュウっ! リュウだっ!」
元「後は、ここから何処まで攻め込めるかだね……? 相手はベガ君……油断は禁物だよ?」
922:
リュウ「さぁ、起きろっ! ベガっ!」ググッ
ベガ「……くっ」
実況「さぁ、リュウは力強くベガを引き起こすっ!」
リュウ「さぁ、いくぞっ! ベガっ!」ガシッ
ベガ「……うおっと」
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
実況「そしてリュウはやや側面から、ベガに組みかかっていくっ! 首と、腰にその手を回して……」
リュウ「はああぁぁっ……! うおおおぉぉっ……!」ドシーンッ
ベガ「……うぐううぅぅっ!」
実況「そして、そのまま身体を捻りつつ、後方へとベガを投げていったぁ!」
元「裏投げですね。いいですよ」
実況「ベガの身体が肩口辺りから、マットへと突き刺さるっ! リュウの裏投げっ! リュウの裏投げだぁ!」
923:
リュウ「さぁ、どんどん責めていくぞっ!」ムクッ
ベガ「くっ……今のは、効いたなぁ……」
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
実況「さぁさぁ、ベガはダーウンっ! そして、リュウは素早く立ち上がるっ! ここは一気に攻めたい場面っ!」
リュウ「うおおおぉぉっ……! はぁっ!」クルッ
ベガ「……むっ?」
リュウ「……はああぁぁっ!」ドスッ
ベガ「……うぐっ!」
実況「そして、その場でジャンプっ! 前方宙返りで、ベガに背中を落としていきますっ! サンセットフリップだっ!」
ケン「いいぞいいぞ、リュウっ! ガンガンいけっ!」
ヤムチャ「リュウさん、やっちまって下さいっ!」
924:
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
リュウ「あぁっ! ここで一気に攻めるっ! ホラ、ベガ起きろっ!」ググッ
ベガ「……くっ、リズムが掴めん」
実況「さぁさぁ、リュウの猛攻はまだまだ続くっ! 再び、ベガの身体を引き起こしますっ!」
リュウ「……うおおおぉぉっ!」ガシッ
ベガ「……くっ!」
実況「さぁ、そしてリュウは正面から、ベガの腕を捻って掴み……もう片方の手をベガの首筋にググッと回していくっ!」
リュウ「……はああぁぁっ! このまま、なぎ倒すっ!」ズシーンッ
ベガ「……うぐううぅぅっ!」
ワー! ワーワー!
実況「そのまま、体重を浴びせながらベガの身体を押し倒し、激しくマットへと叩きつけるっ!」
元「大外刈りですね。いいですよ」
実況「リュウの大外刈りっ! リュウの大外刈りィ! ベガの身体が頭から、マットへと叩きつけられたぁ!」
925:
ベガ「うっ……あぁ……くっ……」
実況「頭部から、激しくマットに叩きつけられ、これにはベガも頭を抑えて苦しんでいますっ! これは、ダメージも大きいでしょうかねぇ、元さん?」
元「確実に効いています。はい」
リュウ「このまま、仕留めるっ! フィニッシュだっ!」ググッ
ワー! ワーワー!
実況「さぁさぁ、そしてここでリュウがググッと右腕を突き上げたぁっ! これはフィニッシュ宣言かぁ!?」
リュウ「……コイツで仕留めるっ! 起きろ、ベガっ!」ググッ
ベガ「……ううっ」
実況「さぁ、そしてここでより一層力強く、リュウはベガを引き起こしますっ! これは、完全にリュウが流れを掴んだんじゃありませんかねぇ、元さんっ!?」
元「そうですね。いい流れです」
926:
リュウ「……さぁ、これで止めだっ! ベガっ!」ググッ
ベガ「……くっ!」
ワー! ワーワー!
実況「さぁ、ベガを引き起こしたりリュウは、その場で大きく身体を捻って構えたっ!」
元「……おっ? あの構えは、ひょっとして」
リュウ「真空竜巻旋風脚っ……! はああぁぁっ……!」ズガァッ
ベガ「……うぐっ!」
イイゾー! リュウー! キメロー!
実況「おぉ〜っと、これは真空竜巻旋風脚だぁっ! リュウがその場で連続回転っ! 蹴りの連打連打だぁ!」
元「おぉっ、勝負賭けてきたのかな!?」
リュウ「うおおおっ……! そのスタミナが尽きるまで……打ち続けるっ……!」ズガガガッ
ベガ「ガッ……グッ……うおっ……!」
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
実況「回っております回っております! いつもより多めに回っておりますっ! リュウの身体をが高回転っ! そしてベガに蹴りの嵐、嵐、嵐ィ!」
元「いいよいいよ。いい攻めだよ〜」
927:
リュウ「うおおおぉぉっ……これで、フィニッシュだぁ……!」ズガーッ
ベガ「……うぐあああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、フィニッシュっ! ベガの身体を吹っ飛ばすっ!
ワー! ワーワー!
実況「ベガは大きく大きく大きく……ダーウンッ!」
リュウ「ケン、ヤムチャっ! これで終わりだっ! 俺はフォールにいく! 後は任せるぞっ!」ビシッ
ケン「オーケー、オーケーっ……! 任せておきなっ……!」
ヤムチャ「……俺はバイソンに行きますっ!」
実況「そしてリュウは自軍コーナーサイドにいる、ケンとヤムチャに、指を指して指示っ!」
元「うん、いいよいいよ」
実況「それに応えるように即座にケンとヤムチャがリングの中に雪崩れ込み……シャドルーサイドのコーナーへと一直線っ!」
929:
ケン「……うおおおぉぉっ! だあっ!」ガスッ
バルログ「……うぐっ」
ヤムチャ「……うおおおぉぉっ! オラッ!」ガスッ
バイソン「……うげっ」
実況「分担作戦成功っ! ケンとヤムチャがバルログとバイソンに攻撃を仕掛け、場外へと突き落としたぁ!」
リュウ「邪魔者は、もうこれでいないっ! さぁ、フォールだっ! カウントを頼むっ!」
ダン「おうっ! 任せておきなっ!」
実況「そして、リュウはベガの身体に覆いかぶさりフォールの体勢だっ! 今、レフェリーがやってきますっ!」
ケン「油断するなよ、ヤムチャっ! しっかり、ここで見張っておけっ!」
ヤムチャ「はいっ! わかってますっ……!」
実況「バルログとバイソンは場外でダウンしているっ! さらにリング内からケンとヤムチャも睨みを効かせ、盤石の体制っ! さぁさぁ、こいつは決まったぁ!? そして、今レフェリーがカウントを取り始めますっ!」
930:
ダン「ワンっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「ツーっ……!」
ワー! ワーワー!
ダン「……スリ」
ベガ「……くそっ」ググッ
リュウ「……くっ!」
ダン「カウントはツーっ! カウントツーだっ! まだ決まっちゃいねぇぞ!」
実況「おぉ〜っと、ベガも粘りますっ! ベガの肩が上がりますっ! カウントは、2.8っ! 2.8だっ! ベガにも意地があるっ! シャドルーの総帥としての意地があるっ!」
リュウ「まぁ、予想はしてた……だから、こうだっ……!」シュルッ
ベガ「……ぬっ?」
実況「おっと、ここはリュウが切り替えていったか!? 素早くベガの腕を掴み……」
リュウ「腕ひしぎ逆十字固めだっ……! はあぁっ!」ググッ
ベガ「ガッ……グッ……うおっ……!」
実況「そのまま自身の身体を横に回転させ、グラウンドの関節技へと持っていったぁ! 腕ひしぎ逆十字固めっ! 腕ひしぎ逆十字固めだっ!」
元「お〜、いい切り替えしだね」
931:
リュウ「スリーカウントが駄目なら、ギブアップ狙いだっ……! どうだ、ベガっ……!」グイグイ
ベガ「うああっ……ガッ……グッ……」
イイゾー! リュウー! キメチマエー!
実況「さぁさぁ、リュウがベガの腕を決めていくっ! これ、決まり具合はいかがですかねぇ、元さん?」
元「いい感じに決まってますよ。うん」
リュウ「早くギブアップしちまいな……! ベガっ……!」グイグイ
ベガ「あぁ……くっ……何をしている、バルログ……バイソン……私を助けろっ……!」
リュウ「残念だったな……バルログとバイソンは、場外で寝ているよ……お前に残された道は、ギブアップだけだっ……!」
ベガ「……バカを言うな。ロープブレイクという手段がまだ残っておる」
リュウ「……出来るのかな?」
ベガ「……やってみせるよ」ズルズル
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
実況「さぁベガは、もがき苦しみ、必死にロープを狙いますがっ……!」
元「うん、リュウ君、上手く重心安定させてるね」
実況「リュウの身体は、動かないっ! ロープブレイクが遠い遠いっ! こいつは……決まってしまうのかぁ!?」
932:
バルログ「……ううっ」ムクッ
バイソン「うおぉ……うおっ、何だよオイっ……! ベガ様がピンチじゃねぇかっ……!」ムクッ
実況「さぁ、ここで場外のバルログとバイソンも起き上がります、が……」
バルログ「リングインして、助けに来ましょう、バイソンっ!」
バイソン「あぁっ! わかってるよ!」
ケン「おっと、ここは通行止めだ……バルログ……」
ヤムチャ「……行かせねぇぞ、バイソンっ!」
実況「リングインしようという両者に、ケンとヤムチャがリング内から、睨みを利かせていますっ!」
バルログ「くそっ……ならば、あちらから……」ササッ
ケン「……おっとおっと、そっちも通行止めだ。ダメだよ」ササッ
実況「バルログが右に動けば、ケンも同じように右に動き……左に動けば、同じように左に動くっ! これは、完全にケンが抑えていると言ってもいいんじゃないですかねぇ、元さん?」
元「そうだねぇ。でも、油断は禁物……だよ……?」
933:
バイソン「邪魔だよ……退けよ、カス……」
ヤムチャ「……行かせない」
バイソン「チッ……どうっすかなぁ……じゃあ、こっちの方から入ってみるか……」
ヤムチャ「おっと、そっちからも、行かせないぞ……」
バイソン「……何だよ、こいつ。本当にムカつく野郎だな。どうすっかねぇ? 困ったなぁ?」
ヤムチャ「お前達は、ここで終わりだ……!」
バイソン「……舐めてんじゃねぇよ。ベガ様はあんな、すけこまし野郎に簡単に負けるタマじゃねぇよ。俺達は、ただ楽にベガ様を勝たせようとしているだけだ」
ヤムチャ「……減らず口を」
バイソン「減らず口じゃねぇよ、バーカ! しっかし、困ったなぁ……こうもリングイン出来ねぇと、後で怒られるんじゃねぇかなぁ、コレ……」
実況「さぁ、ヤムチャもバイソンがリングインするのを抑えているっ!」
元「うん、いいですよ、ヤムチャ君も」
実況「バイソンは、慎重にヤムチャの隙を伺う……バルログは、素早く動いて、ケンの隙を伺う……という感じですかね?」
元「うん、そうだね」
バルログ「くそっ……ならば、こちらからですっ……!」ササッ
ケン「へへ、場外で走り回っている姿……結構、間抜けだぜ、バルログちゃん……そっちも行かせねぇよっ!」ササッ
実況「しかし、ケンもヤムチャも両者、上手く対応してますっ! バルログとバイソンをリングインさせませんっ!」
934:
リ・ュ・ウ ! リ・ュ・ウ !
ダン「おいっ、ベガ、どうすんだ!? ギブアップかっ!?」
ベガ「うぐぐっ……するワケないだろう……こんな奴相手に……」
リュウ「……減らず口を、うおおおぉぉっ!」ググッ
ベガ「ぐわああぁぁっ……! 何をやっているんだ、バルログバイソンは……! 何故、私を助けに来ないっ……!」
実況「さぁ、リング上ではリュウがベガにガッチリと腕ひしぎ逆十字固めっ! ギブアップにまで追い込めるか!?」
元「結構、ベガ君も長時間喰らってるんじゃない?」
ベガ「あぁ、くそっ……! もういいっ……! 本当に、ロープブレイクしかないのか……くそったれっ……!」バタバタ
リュウ「……う、うおっと」
実況「おっと、ここでベガが激しく暴れるっ! まるで陸に打ち上げられた魚かのように、身体を大きく大きくバタつかせますっ!」
元「やっぱり、効いてるんだね」
実況「しかし、その反動を利用して、少しずつ……少しずつだが、ロープへと近づいていっているっ! ここはベガが自力でロープブレイクを狙うっ!」
ベガ「あぁ、くそっ……私にこんな真似をさせよって……バルログにバイソン……これは後でお仕置きだな……」バタバタ
リュウ「う、うおっ……くそっ……暴れるんじゃねぇっ……!」
935:
ベガ「うおおおぉぉっ……! フンっ……!」バタバタ
リュウ「くそっ……! 無駄な足掻きをしやがって……!」
実況「さぁ、ベガ大きく大きく暴れ、そしてようやくロープ間際まで辿り着いたっ!」
ベガ「ようやく辿り着いたぞっ……! フンっ……!」ガシッ
リュウ「……くっ!」
実況「そして、その足をサードロープへと伸ばすっ! ここでロープブレイクっ! ここは、なんとかベガが凌ぎきったぁっ!」
ベガ「はぁ、疲れた……オイっ、レフェリーっ! ロープブレイクだぞっ! 早くこの馬鹿を止めろっ!」
ダン「……何でそんな、命令口調なんだよ。まぁ、リュウ、そういう事だ。ロープブレイクだ。その手を離せ」
リュウ「あぁ、わかってるよ」
ベガ「……ふう、疲れた」
実況「リュウは仕留めきれずっ……! ここはベガがなんとか、ロープブレイクへと持ち込みました」
元「いや、チャンスはまだまだあると思うよ。長時間のね、腕へのダメージで……ベガ君も、やっぱり辛いだろうからね」
936:
リュウー! オシテルゾー! イケー!
リュウ「あぁ、わかってるっ! まだまだ、いくぜっ! オラッ、ベガ、起きろっ!」
ベガ「……フフフ、少し焦ったかな?」スーッ
リュウ「……しまったっ!」
実況「そうですっ! ロープブレイクはされてしまいましたが、リュウの優位はまだ変わっていないっ! リュウはベガを引き起こそうと……あっ、いやっ! ここでベガがリュウの股下にスッっと手を差し伸ばしたっ!」
元「……あっ」
ベガ「……そ〜らっ! その股間に喰らえっ!」ガスッ
リュウ「ガッ……ううっ……こ、この野郎……」ブルブル
ブー、ブーブー
実況「そのまま、その腕を振り上げ、リュウの股間へと打ち込んでいくっ! ここで出したかっ! 急所攻撃っ! 急所攻撃だぁ!」
元「……ベガ君、ピンチになると、すぐあぁいう事するからね。いけません」
リュウ「く、くそっ……卑怯な真似を……」ブルブル
ベガ「卑怯でも何でもいいんだよ! 勝てばいいのだ、勝てばなっ! ハーッハッハっ!」
937:
バイソン「おい、ヤムチャ……? 後ろ見てみろよ……? リュウがやられてるぜ?」
ヤムチャ「……えっ?」クルッ
バイソン「……素敵な大チャンス、到来ですよ! 俺に背を向けましたぜ! バカですよ、コイツ!」
リュウ「……く、くそっ」ブルブル
ベガ「ハーッハッハ!」
ヤムチャ「あっ、てめぇ、何してやがるっ!?」
ベガ「……何をしていると聞かれたら、急所攻撃と答えるしかないなぁ。まぁ、正確には『何をした』が正解だ。今は急所攻撃を喰らって苦しんでいるリュウの姿を見て、笑ってたよ」
ヤムチャ「な、なんだコイツ……」
バイソン「おい、そこの兄ちゃんっ! 椅子貸せ、椅子っ!」
男「……えっ?」
バイソン「いいからいいから! 時間がねぇんだよ、ホラ、早くっ! ちょっと、借りるぜ、コレ……」
実況「おっとおっと! ここでバイソンが観客席から、椅子を取り出しましたっ! パイプ椅子をその手に持ちましたっ!」
939:
バイソン「ベガ様っ! 新しい椅子ですよ〜! そ〜れっ!」ズザーッ
実況「そして、バイソンはリング内へと手に椅子を滑り込ませますっ! まるでカーリングのストーンかのように、パイプ椅子がリング内へと滑り込んでいくっ!」
ヤムチャ「うおっ……! なんだなんだ……!? パイプ椅子が、急に現れやがったぞっ!?」
ベガ「ふむ。ナイスパスだ……これで、元気百倍だな……」ガシッ
実況「そして、ベガは滑り込んできたパイプ椅子を足で踏んずけて止めますっ! リング内へとパイプ椅子が一つ雪崩込んだぁ!」
ダン「何だよ、何処からこんな物が雪崩込んできやがったっ! おいおい、これは……」
ベガ「これを手にするのは私だぁ! お前ではない、そこを退けぇっ!」ドスッ
ダン「……うおっ!」ドスッ
実況「慌てて、パイプ椅子を回収に来たレフェリーですが……ベガはレフェリーを蹴飛ばしますっ! そして、パイプ椅子を手にしましたぁ!」
元「あらら……乱暴だねぇ……というか、マズいねぇ、これ……」
ベガ「問題だ……急所攻撃を喰らい、悶えてるリュウと……私に背を向けているケン……そして、私と対峙している君……私が一番最初に攻撃を仕掛けるのは、誰だと思う……?」
ヤムチャ「……俺?」
ベガ「その通りっ! 正解だ、おめでとうっ……! これは景品だ、受け取ってくれっ!」バッチーンッ
ヤムチャ「……ぐげええぇぇっ!」
実況「そして、ベガは手にしたパイプ椅子でヤムチャの脳天を一撃っ! おぉ〜っと、コイツはいけませんっ!」
950:
ヤムチャ「ああぁ……脳天直撃だ、こりゃ……」バターンッ
バイソン「ベガ様、ナイスですっ! よっしゃ、お前は場外で寝てなっ……! オラオラっ!」ズルズル
ブー、ブーブー
実況「さぁ、パイプ椅子攻撃でヤムチャは大きくダーウンっ! そしてダウンしたヤムチャの身体を、リング外からバイソンが掴んで引きずり出していますっ!」
ベガ「先ず、一人……さぁさぁ、お次は……」
ケン「ブーイング……? って、おおっ! なんだこりゃ!?」クルッ
ベガ「……次は、お前だな。そ〜らっ、いくぞっ!」ブッンッ
実況「パイプ椅子を手にしたベガは止まらないっ! 悠々とケンに近づいていき……」
ベガ「そ〜らっ! フルスイングだっ! ハーッハッハっ!」バッチーンッ
ケン「……ぐわああぁぁっ!」
実況「そして、ケンの腹へとパイプ椅子を振りかぶって打ったぁ! ベガはケンへも凶器攻撃だぁ!」
元「あぁ、もう大暴れだね」
951:
ベガ「そ〜れ、もう一発だっ! フンっ……!」バッチーンッ
ケン「……ぐげええぇぇっ!」バターンッ
ブー、ブーブー
実況「そして、もう一撃っ! 今度は振りかぶって脳天にお見舞いだぁ! これにはケンもダーウンっ!」
ベガ「二人目だっ……! オイ、バルログ、そこの邪魔な男を片付けておけっ!」
バルログ「わかりました、ベガ様っ! さぁ、ケン……場外へ帰るのですっ……!」ズルズル
ケン「ううっ……あぁ……くそっ……」
実況「そしてダウンしたケンの身体を、場外からバルログが掴み、引きずり出していくっ! もう、ベガはやりたい放題だっ!」
ベガ「さぁさぁ、三人目は……お前だ……覚悟はいいな、リュウ……?」
リュウ「……く、くそっ! 卑怯な真似ばかりしやがって!」
実況「ベガの暴走は止まらない止まらないっ! 今度はリュウの背後から、ゆっくりと近づいていくっ!」
952:
やっぱりベガ様すげえ
953:
ベガ「楽をして勝つ事の何が悪いっ……! そ〜ら、いくぞっ! フンっ……!」バッチーンッ
リュウ「……ぐわああぁぁっ!」
実況「そしてベガは、リュウの背中へとパイプ椅子を打ち込んだぁっ! おっとおっと……まだいくのか……? ベガはリュウの正面へと周りこんで……」
ベガ「次はこっちからだっ……! ほ〜らっ、フルスイングだっ……!」バッチーンッ
リュウ「……うぐああぁぁっ!」
実況「そして、今度は正面からっ! リュウの腹へとパイプ椅子を打ち込みますっ! やりたい放題っ! ベガはもうやりたい放題だっ!」
元「……大暴れだね、本当に」
ベガ「……フフフ、これで形成逆転だな?」
リュウ「うぐっ……パイプ椅子を振り回すだなんて、猿でも出来るぜ……? まぁ、猿山の大将にお似合いの攻撃だな……こんな攻撃、効いてないぜっ……!」
ベガ「……ほ〜う、言ってくれるねぇ」
ブー、ブーブー
実況「ここはレフェリーに、なんとかしてもらいたい場面では、ありますがっ……!」
元「うん、ベガ君に蹴飛ばされて、倒れ込んでるねぇ……うん……」
954:
ベガ「……ならば、次はこうだっ!」シュルッ
リュウ「……んっ?」
実況「おっと! ベガはリュウの目の前でクルリとパイプ椅子を回転させながら、真上へと放り投げて……」
ベガ「よっと……フンっ……ソレっ……!」ガシッ
実況「そのまま空中でキャッチしつつ、パイプ椅子の足を広げ、リングへとセッティングっ! クルクルと空中で回転したパイプ椅子が、リュウの目の前に足を広げてセッティングされます!」
元「サーカスとかのアレみたいだね。え〜っと、何だったっけ……?」
実況「パイプ椅子ジャグリングっ! ベガのパイプ椅子ジャグリングっ! パイプ椅子を一つセッティングするのにも、摩訶不思議な動きを見せますっ! この辺りは、やはり凶器を使い慣れてると言ってもいいんでしょうかねぇ、元さん?」
元「あ〜、そうだ、ジャグリングだ……うん、でも凶器は使い慣れてるでしょうね……」
リュウ「……何をする気だ?」
ベガ「見てればわかる……大人しくしてるんだな……」ジリジリ
実況「そして、ベガは二三歩、ジリジリと後退するっ!」
955:
ベガ「そ〜らっ、いくぞ……フンっ……」ピョンッ
実況「さぁ、そしてベガが少し距離をとった位置から……パイプ椅子へと飛び乗ったぁ! そして、そこからさらにジャーンプっ!」
ベガ「閃光妖術……と言った所かな……? そ〜れっ……!」ズガァッ
リュウ「……ぐわああぁぁっ!」バターンッ
実況「そして、そのままリュウの顔付近まで飛び上がり……側頭部に膝蹴りをお見舞いしていくっ! シャイニングウィザードだっ! ベガのシャイニングウィザードっ!」
元「おお、膝じゃなくて、椅子を踏み台にしたワケだね……」
実況「これを喰らい……リュウもダーウンっ!」
ベガ「フッ、どうだ……モンキーらしい攻撃だろう……何せ、彼らは俊敏だからな……」
リュウ「ぐっ……ち、ちくしょう……」
ベガ「しかし、まだまだだっ……! まだ、終わらんよっ……!」ムクッ
実況「そして、ベガはすぐ様、起き上がるっ! この辺りは、一気にベガの流れになってきているような気がしますが、どうでしょう、元さん?」
元「うん、あ〜、いや……なってると思うよ……?」
957:
ベガ「さぁ……次の対戦相手は君だ……」ガシッ
実況「再びベガが凶器を手にするっ! 先程、踏み台にしたパイプ椅子を、再び手に持ったぁっ!」
ベガ「ワンハンド・スラムだな……ソレっ……!」ガッシャーンッ
実況「おっと、そして片手でパイプ椅子を掴み、乱暴にマットの中央へと叩きつけるっ! 広がっていた足は閉じ、リング中央にパイプ椅子がセッティングされます! これはまだまだ、凶器攻撃を狙っているんでしょうかねぇ?」
元「まぁ、あの位置に置いたって事はねぇ……狙っているでしょ……?」
ベガ「対戦相手がコロコロ変わるぞ……忙しい忙しい……さぁ、リュウ、起きろっ……!」ググッ
リュウ「……ううっ」
実況「パイプ椅子をセッティングしたベガは……再び、リュウに近づき、引き起こしますっ! さぁさぁ、コイツはコイツは……嫌な予感がするぞっ!?」
元「……うん。そうだね」
958:
ベガ「さぁ、リュウっ……! 持ち上げるぞ、ソレっ……!」ググッ
リュウ「……ううっ」
実況「さぁ、そしてベガはリュウの股下に手を差し込み、そのまま抱えあげたぁ!」
ベガ「そ〜れっ! パイプ椅子の上に……叩きつけてやるっ……! うおおっ!」ドスーンッ
リュウ「……うぐううぅぅっ!」
実況「そして、クルッと振り返りつつ、リュウの身体をパイプ椅子の上へと、叩きつけていくっ! ボディスラム……もしくは、パワースラムかっ!?」
元「……とにかく、アレは痛い」
ブー、ブーブー
リュウ「あぁっ……ぐああっ……ぐああっ……」
ベガ「さぁ、このタイミングだっ……! バルログっ! バイソンっ! こっちへ来いっ!」
実況「リュウは、かなり悶え苦しんでいますっ! おっと、そしてここでベガが場外にいるバルログとバイソンの方を見ながら、何やら叫んでいます!」
元「……呼び寄せてるのかな?」
959:
バルログ「フッ、ケン君、悪いですね……貴方を踏みつけているのも、楽しかったですが……ベガ様に呼ばれています……」
ケン「ううっ……くっ……待て……」
バルログ「……死に損ないに興味はありませんっ! それではさようなら。ヒャオっ!」シュッ
実況「それに応えるようにバルログがすぐ様、リングインっ!」
バイソン「呼び出しだ……まぁ、おめぇを痛めつけるのも、ここまでだな……」
ヤムチャ「ううっ……ま、待ちやがれ……」
バイソン「まぁまぁ、また今度、遊んでやるからよぉ! とりあえず、今日の所は……アバヨっ!」シュッ
実況「そして、バイソンもリングインっ! お〜っと、コイツはマズい状況ではないか!? リング上にシャドルーが大集結っ! 大集結だぁ!」
元「うん、マズいね」
960:
ベガ「よ〜しっ、ナイスタイミングだっ! 順序よくいこう……バルログ、バイソンの順で行けっ……!」
バルログ「わかりましたっ……! では、ベガ様、行って来ますっ……!」ダダッ
バイソン「よ〜しっ! それじゃあ、俺も行って来ますっ!」ダダッ
実況「さぁ、そして……リング上に集結したシャドルーは……おっと、ここでバルログがロープへと走るっ!」
元「……ワンテンポ遅れてバイソン君もいったねぇ」
バルログ「ヒョオオオォォッ……! それじゃあ、リュウ……いきますよ……!」ダダッ
ベガ「よしっ、バルログ来いっ! コイツに仕掛けろっ!」
実況「ロープの反動をつけたバルログがリュウの元へとやってきたぁ!」
961:
バルログ「……ヒョオオォォっ!」クルッ
ベガ「よしっ、バルログいいぞっ! 私はお前の身体を……」ガシッ
実況「さぁ、バルログはリュウの目の前で、クルッと一回転っ! 前方宙返りをしながら……!」
ベガ「上から、更に勢いをつけてやるっ……!」ググッ
バルログ「……ヒャオっ!」ドスッ
リュウ「……うぐっ!」
実況「背中から、リュウの身体にのし掛かっていくっ! サンセットフリップっ! ロープの反動をつけた、サンセットフリップっ!」
元「それで、ベガ君も、上からバルログ君の身体を押して、勢いをさらにつけてるねぇ?」
ベガ「後ろが支えているぞ、バルログっ! モタモタするなっ!」
バルログ「ハイっ……! 申し訳ありませんっ……!」シュタッ
実況「そしてバルログは、その勢いのまま、素早く起き上がり……さらにさらに前方のロープへと走ったぁ!」
元「……あっ、今度はバイソン君が」
962:

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