真涼「正月だからおせちを作ってみたわ」鋭太「おい!」back

真涼「正月だからおせちを作ってみたわ」鋭太「おい!」


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■1月1日 AM0:00 0秒
真涼「ふふふ。ついに年が明けたわね」
真涼「年末は鋭太がどうしても勉強がしたいというから、別行動にしたわ」
真涼「ええ。私はできる彼女。束縛しない彼女。広い心を持った彼女!」
真涼「だから、鋭太の去年の最後の望みくらいは聞いてあげたわ」
真涼「すごく本音を言うと。ジョジョのBDを見ながら年越しをしたかったから…鋭太がいると邪魔なだけ」
真涼「一人で本当にすごく有意義な時間だったわ。やっぱり一人はいいものね」
真涼「…」
真涼「…………」
真涼「……………………………」
真涼「あけおめのメールはまだかしら?」
2: 以下、
■AM0:00 3秒
真涼「もうすでに3秒が経過しているわ…」
真涼「はぁ?。まったく遅い男は嫌われるのよ鋭太?」
真涼「まあ、私は寛容な彼女なので、少しくらい待つ余裕…大人の余裕を見せつけることにするわ」
真涼「…」
3: 以下、
■AM0:00 4秒
真涼「おかしいわね…」
真涼「もしかして、私の電波時計の時刻が間違っているのかしら?」
真涼「ええ、きっとそうね。パソコンのインターネット時刻を確認してみましょう」
4: 以下、
■AM0:00 10秒
真涼「パソコンのインターネット時刻を確認するだけで数秒たってしまったわ」
真涼「鋭太からメールは………来てないわね」
真涼「ま、まさか事故に!?」
真涼「い、いえ…そんなことはないはず。だって鋭太は家で勉強中…」
真涼「…」
真涼「ま、まさか…あの残念チワワが…それともこの寒いのに春全開の恋愛脳が!?」
真涼「秋篠さんは…いえ、あの子は私と鋭太を応援してくれている…」
真涼「やはり春咲さんか冬海さんが邪魔をしている可能性が!」
6: 以下、
■AM0:00 20秒
真涼「まだ、メールが来ない…どう考えてもおかしいわ…」
真涼「!!」
真涼「よ、よく考えたら、鋭太は私からのメールを待っている可能性があるわね」
真涼「まったく、自分から彼女にメールを送るのが恥ずかしいなんて、困った彼氏ね」
真涼「仕方ないわね。私から送ってあげるわ」
真涼「散歩を待ちわびた犬のように喜ぶことね。鋭太」
真涼「えーと…」めるめる
7: 以下、
■AM0:00 21秒
真涼「おかしいわね…まだ、メールの返事が来ないわ…」
8: 以下、
■AM0:00 22秒
真涼「…」
真涼「鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!鋭太!」
真涼「私を何秒待たせれば気が済むの!?」
真涼「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
ピロリン♪
真涼「き、来た!!!!」
千和『あけおめ!今年も負けないから!ことよろ!』
真涼「きゃああああああああああああああああ!!!」
真涼「こ、今年最初の…初めてのメールが春咲さんだなんて!」
真涼「鋭太が遅いから鋭太が遅いから鋭太が遅いから鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太」
10: 以下、
■AM0:10 00秒
真涼「鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太鋭太」
真涼「…」
真涼「私ったらこの程度で…はぁ…」
真涼「春咲さんに返事くらいはしておきましょう」
真涼「…」めるめる
真涼「あと部員の冬海さんと秋篠さんにも…」めるめる
ピロリン♪
真涼「…」
真涼「き、期待してないけど、ようやく鋭太もわかってくれたようね」
12: 以下、
姫香『あけましておめでとうございます。わたし、あけおめメールは今年が初めて。とても嬉しい。昨年はお世話になりました。今年もよろしくおねがいします』
真涼「…」
真涼「『同じ部員…仲間として当たり前のことをしただけです。だから、来年もその次も、ずっとあけおめのメールをお互い交換しましょうね』」めるめる
真涼「…送信っと」
14: 以下、
ピロリン♪
真涼「もう一通来たわね」
愛衣『愛衣ちゃん大勝利ぃぃぃぃぃぃっっ!タッくんからのメールがねっ!愛衣ちゃんの今年初のメールだったんだよっ!』
愛衣『えへへ?。愛衣ちゃん嬉しいなぁ?。まるで2014年が私たちの恋を応援してくれているみたいだねっ♪』
真涼「(以下略)」
真涼「冬海さん…間違えて鋭太へのメールを私に送ったのね…」
真涼「って、鋭太のメールが冬海さんに届いている!?」
真涼「そして、冬海さんの初めては鋭太が!?わ、私の初めては、よりにもよって春咲さん!?」
真涼「し、信じられない!!」
真涼「私が彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに彼女なのに」
16: 以下、
 
ピロリン♪
真涼「鋭太!?」
愛衣『間違えました。ちょっとだけ誤字脱字が多いメールを送ってしまいました。ごめんなさい』
愛衣『それより、季堂くんと一緒にいるんでしょ?』
愛衣『季堂くんにメールの返事くらい返すよう言っておいてください』
真涼「…」
真涼「どうやら冬海さんにも鋭太からメールは行ってないみたいね」
真涼「…」
真涼「………………」
真涼「………………………………………………」
真涼「…………………………………………………………………………………………」
17: 以下、
■AM0:40
鋭太「ふぅ?。今日は結構勉強が進んだな」
鋭太「この調子なら年明けのテストはうまくいけそうだ…」
鋭太「…」
鋭太「って、もう年明けてる!?」
鋭太「や、やべっ。メールメール」
鋭太「…千和1通。ヒメ1通。あーちゃん1通。真涼…たくさん」
鋭太「と、とりあえず、真涼に返事を!」
鋭太「あいつは余裕がないから、返事しねーとやばい!」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
鋭太「ひぃっ!」
鋭太「げ、玄関!すぐに玄関を開けないと!」
18: 以下、
 
ガチャッ
真涼「…」
鋭太「ご、ごめん。真涼…ちょっと勉強に集中しすぎてな。メールはさっき気付いたんだが…」
ギュウウッ
鋭太(ま、真涼が抱きついてきて…)
真涼「鋭太のばかっ」
鋭太「わ、悪かったよ」
真涼「ばか!ばか!ばかばかばかばかばかばかばかばか」
鋭太「悪かったって、本当に気付かなくてさ」
真涼「私は彼女なのよ?彼女を心配させてどうするの?」
鋭太「悪かった!何でもするから許してくれ!」
真涼「」ピクッ
22: 以下、
バッ
真涼「ふふふふふふふ」
鋭太(なっ、急に離れたと思ったら…薄気味悪い笑顔を。な、何を企んでるんだ!?)
真涼「今、『何でもするから許してくれ!』って言ったわね?」
鋭太「…はっ!?」
鋭太(し、しまった。つい流れに乗って言ってしまった!?)
鋭太「い、いや、その…だな。何でもって言ってもだな…」
真涼「私と一緒におせちを食べてくれませんか?」
鋭太「げ、限度と言うやつが……………………は?」
23: 以下、
>>9、>>21
2月に出るよ
24: 以下、
真涼「だ、だから、私と一緒におせちを乳繰り合いましょう」
鋭太「って、顔を赤くしながら言う事かよ!」
真涼「察しなさい!外にいるから寒いのよ!さっさと中に入れて!」
鋭太「わ、わかったよ」
26: 以下、
 
………
鋭太(真涼が少し大きめな荷物を降ろして…)
鋭太「…で、それがおせち?」
真涼「ええ。グルーポンで」
鋭太「おい!!!!!!!!!」
真涼「冗談よ」
鋭太「ネタでもやめろ!今は真面目にやってるかもしれないだろ!」
真涼「実を言うと私が作って」
鋭太「おいいいいいいいいいい!!!」
真涼「なにかしら?私の手料理に文句がおありのようね?」
鋭太「いえ、ごめんなさい。一瞬でもグルーポンの方がいいとか思ってすいませんっした!」
28: 以下、
真涼「大丈夫よ。これはお店で買って来たものだから」
鋭太「何だよ。心配掛けさせやがって」
パカッ
鋭太「おぉ!すげー美味しそう!」
真涼「へぇ…これがおせち?中々綺麗なものね」
鋭太「あれ?初めてなのか?」
真涼「いいえ、たぶん小さい頃に食べた事はあると思うけど…ほとんど記憶にないわね」
鋭太(そういえば、1年くらい前まで海外にいたんだよな…真涼は)
29: 以下、
 
パクッ
鋭太「おっ、うめえ。これ美味しいぞ」
真涼「ふふっ。当たり前よ。だって鋭太の事を想って持ってきたんだもの」
鋭太「…ちぇっ。買っただけの癖に」
真涼「ええ、鋭太が好きそうなものを一生懸命考えて選んだのよ」
鋭太「そんな事よりお前は食べないのか?」
真涼「私はいいわ。ここで見ているだけで満足なのよ」
鋭太「…」
鋭太(こいつ…どうせ、カロリーメイトとかウイダーインゼリーしか食べてないんだろうな…)
鋭太「…」
30: 以下、
鋭太「ほれ」
真涼「なによ」
鋭太「ほら、皿に少し盛ってやったからこれを食べろ」
真涼「食べないって言ったでしょう?」
鋭太「うっせえ。こういうのはだな。一緒に食べた方が美味しいんだよ」
鋭太「だから、これはお前の為じゃない。俺の為だ。だから食べろ」
真涼「鋭太。その言い方は卑怯だわ…ええ、とっても卑怯よ」
鋭太「はぁ?。ほらまずはこの巻きずし食べてみろって、絶対に美味しいからさ」
真涼「…」パクッ
32: 以下、
真涼「…」モグモグ
鋭太「どうだ?」
真涼「そうね。ウイダーインゼリーピーチ味には遠く及ばないわ」
鋭太「なっ」
真涼「でも、まぁまぁ美味しいわ。たまには…誰かと食べるのも悪くはないわね」
真涼「ウイダーインゼリーピーチ味ほどではないけど…」
鋭太「だろ?俺もお前と一緒に食べた方が美味しいよ」
真涼「ふふっ」
鋭太「ん?どうかしたか?」
真涼「いいえ。何でもないわ」
鋭太「変なやつ…」モグモグ
33: 以下、
真涼「そうそう。鋭太。一つ忘れていたわ」
鋭太「今度は何だ?」
真涼「あけましておめでとう。今年も一年よろしくね。鋭太」
鋭太「っ!」
真涼「鋭太?」
鋭太「あ、ああ。今年もよろしく。あけおめな。真涼」
真涼「何を照れているの?」
鋭太「照れてなんかねーよ!」
34: 以下、
真涼「でも、顔が赤いわ?風邪かしら?」
鋭太「ほ、ほら。さっさと食べようぜ!俺ずっと勉強してたから、お腹ぺこぺこでさー」
真涼「…おかしな鋭太ね?」
鋭太(言えなかった)
鋭太(『あけましておめでとう』を言った時の真涼が…)
鋭太(とても自然な笑顔で、それに俺が見惚れてしまった事を…)
鋭太(そんな事。俺が言えるはずがなかった…)
36: 以下、
鋭太(…)
鋭太(ああ…それにしても、今年もこいつの偽彼氏(フェイク)を演じる事になるのか…)
鋭太(正直、思いやられるが…なぜか悪い気はしない)
鋭太(本当になぜかわからないけど…な)
  終わり
38: 以下、

早く新刊が読みたい
39: 以下、
乙!
42: 以下、

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