真姫「何してるのよ」海未「型抜きです。真姫も一緒にしませんか?」back

真姫「何してるのよ」海未「型抜きです。真姫も一緒にしませんか?」


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1:
ガチャ
真姫「ごめん遅れ……は、は」
真姫「くしゅんっ!!」
海未「きゃっ」パキンッ
真姫「ズビッ……ごめんなさい。いきなり」
海未「あっ、真姫。風邪ですか?」
真姫「少しだけ…他のみんなは?」
海未「もう皆さん帰りましたよ」
真姫「そう……くしゅん」
海未「今日は無理なさらずに帰ってはどうですか?」
真姫「うん……そうする」
真姫「それより、海未は帰らないで何してるのよ」
海未「生徒会の仕事を中途半端に残していたので、終わらせてから帰ろうと思ったのですが…」
海未「中々捗らずに……少し休憩していた所です」
真姫「一人で終わらせる気?」
海未「別に急を要する書類ではないのですが、終わらせないと気持ち的に落ち着かなくて…」
真姫「海未らしいわね。試験期間中なんだから程々にしなさいよ」
海未「心得ています」
真姫「…で、今は何してるののよ。裁縫?」
海未「違います。これは型抜きです」
6:
真姫「型抜き?」
海未「知りませんか?」
真姫「知らない」
海未「型抜きとは、この様な絵柄の窪みがある板状のお菓子を」カリカリ
海未「針で余白を取り除き絵を完成させるという趣向の変わったお菓子です」
真姫「…面白いの?」
海未「やってみますか?」
真姫「いいの?」
海未「親戚から沢山頂いたので是非」
真姫「じゃあ一回だけ」
海未「一回で終えたらいいですね」
真姫「?」
海未「なんでもありません」クスッ
真姫「何なのよもう……」
11:
海未「……」カリカリ
真姫「……」カリカリ パキッ
真姫「あっ」
海未「どうしました?」
真姫「板が窪みに沿って剥がれたわ」
海未「上手いですね」
真姫「でっしょー?真姫ちゃんは何でも出来ちゃうんだから」
海未「では引き続き頑張って下さい」
真姫「こんなのすぐに終わらせてあげる」カリカリ
パキッ
真姫「…ねぇ海未」
海未「何ですか?」
真姫「板が絵柄ごと真っ二つになったんだけど」
海未「そうですか」
13:
真姫「何よこれ、不良品?」
海未「違います」
真姫「さっきまで上手く剥がれてたのに意味分かんない」
海未「そうですね、不思議ですね」
真姫「海未、もう一枚頂戴」
海未「いいですよ。どうぞ」
真姫「傘の形にすればいいのね。簡単じゃない」
ペキッ
真姫「……海未」
海未「何ですか?」
真姫「取っ手の部分、いきなり横に割れたんだけど」
海未「あらあら」
20:
真姫「私開く部分針入れてたんだけど」
海未「不思議な事もあるものですね」
真姫「何だかイライラしてきたわ」
真姫「海未、もう一枚!」
海未「はい、どうぞ」クスクス
真姫「ありがとう」
真姫「飛行機ね。完成したら真姫ちゃんの口まで飛ばしてあげるんだから」カリ
パキッ
真姫「……」
海未「飛ぶ前に墜落しましたね」
真姫「……うるさい」グスッ
27:
真姫「もー!何ですぐパキパキ折れちゃうのよー!」
海未「落ち着いてください。型抜きとはそういう物です」
真姫「こうなる事が分かっててやらせたわね!?酷いじゃない!」
海未「ふふふ…すみません。真姫の反応があまりに面白くて」
真姫「この真姫ちゃんを手こずらせるなんていい度胸じゃない」
真姫「こうなったら綺麗に出来るまでやり続けるわ!」
海未「まぁ少しお待ちを」
真姫「何よ!」
海未「その様に興奮した状態では完成するものも完成しませんよ」
海未「まず型抜きのコツを聞いてからでも遅くないと思いませんか?」
真姫「うっ…」
真姫「…そうね。私とした事が興奮し過ぎたわ」
真姫「海未、型抜きのコツ、教えて頂戴」
海未「はい、分かりました」
30:
海未「まず、型抜きは板にいきなり針を刺してしまうと先程の欠陥飛行機の様にひと刺しで半壊してしまいます」
真姫「欠陥飛行機言わないで」
海未「なので予め手で割れる部分は割っておき、余った部分を針で取り除く」 パキッ
海未「これが型抜きの基本です」 カリカリ
真姫「余計な部分を手で割るのね。分かったわ」
海未「最初は簡単な形から練習していきましょう。コレなんかどうですか?」
真姫「ハートの形…やってみるわ」 パキッ
カリカリ…
真姫「……あっ、綺麗に出来た」
海未「おめでとうございます。流石ですね」
31:
真姫「ふふん、このくらい当然よね」
海未「では少し難易度を上げてみましょう。どうぞ」
真姫「りんごね。形が丸いから簡単よ」パキッ カリカリ
海未「葉っぱの部分に気をつけて下さいね」
真姫「分かってるわ。見ててね」カリカリ
ペキンッ
真姫「……出来たわ」
海未「葉っぱが茎ごと取り除かれているのですが」
真姫「…桃ってことにしましょう」
海未「駄目です」
33:
海未「ではもう一つ助言を」
海未「複雑な形をした板は始める前に、少し湿らせておくと上手く剥がれるらしいです」
真姫「らしい?」
海未「私もまだ試した事がないので…」
海未「私も一緒にやってみますね。ほんの少し濡らすだけでいいそうです」
真姫「……」 フキフキ
真姫「これでいいのね」
海未「ではやってみましょう。私はイルカを」
真姫「私はうさぎね」
35:
海未「……」カリカリ
真姫「……」カリカリ
海未「順調ですね」
真姫「当然じゃない」
海未「尾ひれの部分が難しいですね…ここは慎重に」カリカリ カリッ
海未「……ふぅ、何とか完成です」
真姫「耳と足…ブチッて引き千切らないように…」
海未「言い方が物騒です」
真姫「黙ってて」 カリカリ
カリッ
真姫「……出来た」
海未「出来ましたか」
真姫「……」 パチンッ
海未「……」 パチンッ
海未「やりましたね、真姫」
真姫「次はもっと複雑な形に挑戦よ」
37:
カリカリ…カリカリ…
真姫「…ふぅ、疲れた」
海未「少し休憩しましょう」
真姫「休憩のつもりで型抜きしてたのにその休憩とか意味分かんない」
海未「本末転倒とはこの事を言うのですね」クスッ
真姫「そうね」
海未「失敗した板菓子でも食べましょうか」
真姫「これ食べれるの?」
海未「はい、試しに食べてみて下さい」
真姫「…いただきます」 カリッ
ポリポリ…
海未「どうですか?」
真姫「ん……悪くないわ」
海未「ふふっ、それは良かったです」
38:
真姫「あまり甘くはないわね」
海未「まぁおもちゃ付きお菓子のおまけみたいなものですから」
真姫「ふぅん」
海未「よく夏祭りに型抜きの屋台で千円程使った人が袋一杯の板菓子を持っているのを見かけますよ」
真姫「今度見つけてみるわ」
海未「はい」
海未「……さて、そろそろ仕事の続きを」
真姫「海未」
海未「はい」
真姫「トマトの型抜き見つけた。やっていい?」
海未「どうぞ」
39:
海未「……」 カキカキ
真姫「……」 カリカリ
海未「どうですか?」
真姫「丸い部分は終わったわ。あとはヘタだけ」 カリカリ
海未「どれどれ…」
海未「これは……上手く剥がせています。」
海未「流石真姫ですね」
真姫「当然じゃない。こんなの真姫ちゃんからしたら」 ムズッ
真姫「あ、あた、あたっくしゅん!!」 ベキッ
海未「あ」
真姫「……」 ボロボロ
海未「え、えっと……ドンマイです」
真姫「…帰る」 グスッ
40:
海未「落ち着いてください」
真姫「もう型抜きなんて嫌い…」 グシュッ
海未「まだトマトの板はありますから…はいどうぞ」
真姫「どうせまた桃になるわよ…」
海未「私も手伝ってあげますから、一緒に成功させましょう」
真姫「グス…じゃああと一回なんだから」
海未「はい、では少しずつ…」
パキッ
カリカリ…
真姫「……残りはヘタだけ」
海未「真姫、ファイトです」
43:
真姫「…絶対完成させてやるんだから」 カリカリ
海未「型抜きに一番大切なのは集中力です」
海未「気持ちを落ち着かせ、ただ一点だけに力を集中させて下さい」
海未「そうすればきっと、板は答えてくれる筈です」
真姫「集中、集中……」 カリカリ
カリッ
真姫「…出来た」
真姫「海未!出来たわ!ヘタも綺麗に取れた!」
海未「おめでとうございます。真姫」
44:
真姫「?♪」
海未「ご機嫌ですね」
真姫「あ」
真姫「ま、まぁこんな遊び真姫ちゃんからしたら曲を作るより簡単よね」 イジイジ
海未「そうですね」
海未「そのトマトはどうしますか?食べますか?」
真姫「えっ?」
海未「えっ?」
真姫「嫌よ。勿体無いじゃない」
海未「……ふふっ、そうですか」
真姫(帰ったらママに見せてあげようっと) ルンルン♪
45:
海未「あ」
真姫「何よ」
海未「この大量の割れた板菓子、どうしましょうか」
真姫「…そうね。捨てるのは流石に勿体無いし」
真姫「……」 ゴソゴソ
海未「真姫?」
真姫「こうやって袋に詰めて…」
真姫「……」ガサッ
真姫「はい海未。ハッピーバレンタイン」
海未「いやいやいやあんまりでしょうそれ」
50:
真姫「何よ、真姫ちゃんからの心の篭ったプレゼントが受け取れないって言うの?」
海未「元々私のですし絶対心こもってないでしょ」
真姫「私こんなにいらないわよ」
海未「真姫が粉々にしたのですから何とかしてください。私も手伝いますから」
真姫「ヴェェ…」 ポリポリ
海未「お茶いりますか?」
真姫「欲しい」
海未「……」コポコポ
海未「はいどうぞ」
真姫「ん、ありがとう」 コクッ
ポリポリ…ポリポリ…
真姫「…何だかおばあちゃんの3時のおやつみたいね」
海未「何ですかその例え……ふふっ」
55:
真姫「それにしても、どうしていきなり型抜きなんて持ってきたのよ」
海未「ちょっとした気紛れの様なものです」
真姫「何それ、意味分かんない」
海未「楽しかったですよ?」
真姫「別に楽しくなかったとは言ってないわ」
海未「真姫のおかげで良い息抜きになりました」
海未「最近生徒会の仕事や部活にスクールアイドルと、色々追われていましたので」
真姫「……」
海未「もしかしたらこれからも、この様な暇つぶしを持ってくるかもしれません」
海未「その時は…また一緒に付き合ってくれると嬉しいです」
真姫「…まぁ、【型抜きで息抜き】できるなら」
真姫「付き合ってあげない事もないわ」
海未「おや、ふふっ……洒落ですか?」
真姫「う、うるさいわねー。貴女が先に言ったんでしょー?」
海未「はい、すみません」
真姫「全く…早く帰るわよ。……あ、一番難しい板頂戴、絶対成功してやるんだから」
海未「はい、期待していますね」
?おわり?
57:

6

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